=宝玉の継承者=

「第十話 戦いの理由」

太助「おい、ウンフェイ。早く来いよ」
ウンフェイ「待ってくださいよ。私はそんなに早く、泳げないんですから」
キリュウ「だらしないぞ、ウンフェイ殿。太助殿はもうとっくに向こうについているぞ」

ウンフェイ「送迎風天たる私が主よりも、移動が遅いとは、不覚」
キリュウ「力を使ってよいというのに無理に泳ぐからだ」
ウンフェイ「それでも、私は泳ぎます。移動に関して主に負けるなど、言語道断!新しい君主様である、太助より遅くてどうなる!キリュウ、あなたとて他の人に試練で負けることは許されぬはずだ!」
キリュウ「いや、私はそういうことあまり・・・」
ウンフェイ「もういいです!ヨウメイに賛同してもらいます!」



ルーアン「大丈夫かしら?」
ヨウメイ「そうですね、あんな調子でとばしていたら、ここまでもちませんね」
シャオ「それでは私はキリュウさんと交代に行ってきます」
花織「待ってください。あたしも連れて行ってください」
花織が支天輪を構えたシャオを呼び止める。
シャオ「いいですよ。それじゃ行ってきます」
シャオと花織は軒轅に乗って、飛んでいった。
フェイ「ねえ、お姉ちゃん」
那奈「なんだ、フェイ?」
フェイ「来てるんでしょ?」
那奈はフェイがなにを言っているのかすぐに分かり、そしてフェイを護るように風で結界を創り、宝玉を弓に変え、飛び去りながらフェイに言う。
那奈「弱い奴だがな。けっこう使えるようになったから小手試しといくよ。みんなにも伝えてくれ」
フェイは那奈に対して頷き、近くにいる翔子に声をかける。
フェイ「翔子、敵だよ」
翔子「敵・・・ねえ。那奈ねぇが飛んでったのって、それが理由?」
フェイ「うん」
翔子「それじゃ、まずは」
翔子はそう言うと、宝玉を取り出し、自らの鉄拳と鉄脚に変える。
翔子「ヨウメイ、敵が来たらしい。場所を調べてくれ」
ヨウメイ「分かりました。場所は・・・・・・6箇所あります。一箇所は那奈さんが行っていますから、残りは5箇所ですね。ルーアンさん、主様にコンパクトで・・・・・・ってここでは無理ですね。手紙を書きますので、それに陽天心をかけてください。それから、翔子さんはあの岬の当たりへ」
翔子「了解。それじゃ、行ってくるな」
ルーアン「こっちも行くわよ。陽天心招来!」
翔子は移動を始め、ルーアンは手紙に陽天心をかけようとするが、まだ書いていないため、失敗に終わる。



しばらくして、たかしたちが手紙を受け取ったあと。
たかし「それじゃ、俺はあっちに行く」
乎一郎「僕はこっちに」
花織「あたしはこのまま、まっすぐ行きます」
それぞれ宝玉を、構えて走り出す。
たかしは剣に変え、乎一郎は鞭に変え、花織は盾に変え、武装する。



太助「こんなときまで、少しはほっといてくれよ」
シャオ「そうですね。せっかく太助さんと一緒に海にいるのに」
太助「そうだよな。せっかくのみんなの休日を邪魔して、関係ない人まで巻き込まれるじゃないか!」
シャオ「私は太助さんとだけでも・・・」
太助「そのうえ、余計な仕事まで増やして・・・・・・。あ、シャオは今すぐ本部に残っているチュンに連絡を入れておいてくれ」
シャオ「あの〜、太助さん?」
太助「俺は今すぐ北へ向かうから」
太助にはシャオの話は聞こえていないようで、すでに宝玉を杖に変えている。
太助「それじゃ、行ってくるから。待っててくれよシャオ」
シャオ「は・・・はい」


チュン『それで愚痴をついでに言っているわけ?』
チュンはシャオから現状連絡と一緒に、太助とのやりとりも聞かされて呆れている。
シャオ「いいじゃないですか。私だって、たまには愚痴だって言いたくなります」
チュン『そうだけどね。それにしても太助くんって、「使命一筋」ってかんじになってるね』
シャオ(心が清らかな人なんですから、当たり前じゃないですか)
シャオ「はい・・・」
シャオはそう思いつつも、暗い返事をする。
チュン『あれ?恋人に置いていかれて悲しいの?」
シャオ「そ、そんなんじゃ!」
チュン『じゃあ、なに?』
シャオ「それは・・・」
シャオはモニターの前で顔を真っ赤にして、沈黙する。
チュン『あ、分かった。好きな人に自分の気持ちを伝えたのに、それが届かなかったからでしょ!』
シャオ「・・・はい」
シャオはさらに顔を赤くしてうつむく。
チュン『そうそう。アヤメちゃんから情報が届いてるよ』
シャオ「なんですか?」
チュン『「メルティ公国にも敵が来た」って』
シャオ「海外まで・・・」
シャオは先ほどのやりとりを忘れて、驚愕する。
チュン『それと、アリスって子から太助くんに手紙が届いてるから』
シャオ「アリスさんからですか?」
チュン『そうかいてあるけど、いったい誰?』
チュンはアリスにはあったことがないため、どんな人物か知らない。
シャオ「魔法の世界の王女様です」
チュン『それじゃ、マジカルプリンセスだね』
シャオ「マジカルプリンセスってなんですか?」
チュンはシャオの言葉にモニターの前でこける。
チュン『英語だけど・・・』



たかし「よし、さっそく行くか」
低級のゴーレムを前に、たかしは剣を構える。
ゴーレム「グォォォ」
たかし「行くぜ!!『龍炎剣』!!!」
たかしはゴーレムの攻撃を無視して、懐に飛び込み胴体を斬る。
ゴーレム「ゴォォォ」
たかし「ふん!こんなやつじゃ、俺は倒せないぜ」
???「だろうな」
たかし「!誰だ!?」
たかしは声がした方向を振り返る。
スマイル「まどろっこしい挨拶はしない。僕はスマイルだ」
たかし「なんのようだ」
スマイルは笑い出し、そして応える。
スマイル「決まってるだろ、君たちを倒しに来たんだ」
たかし「なに!?」
スマイル「もっとも、七梨太助とかいうやつは別だけどね」
たかしはスマイルに向けて剣を構えなおす。
たかし「どうしてだ」
スマイル「そいつを狙う理由は知らないけど、僕はとりあえず師匠が捕まってるんで、気乗りはしないけど言うことをきくしかないんだ」



花織「それで、あなたが戦うわけを教えてください、吉田一美さん」
吉田「シャナちゃんや、坂井くんが捕まってるの、助けなきゃいけないから」
注)設定ではこの人たち(吉田さんたち)は2学期の終盤ごの人です。
花織「それで七梨先輩を狙うんですか」
吉田「いやだけど、そうしないといけないの、ごめんなさい」
花織「あやまるなら最初からしないでくださいよ。・・・・・・でも、それができないんですね」
花織は地面から木の槍を取り出し、盾と反対の手で構える。



乎一郎「それで、来栖さんはその神野さんたちを助けるために?」
来栖「そうです」
乎一郎「でも、なんでそこまで?」
来栖「あなたは自分がなんの役にも立たず、足を引っ張るだけで、しかも仲間に先立たれそうになったことなんてないでしょう」
(↑ダーク・バイオレッツを御参照ください。)
乎一郎「たしかにないけど、それを言うなら君だって自分の故郷の命運をゆだねられたことなんてないでしょ」
来栖「ありますよ。さっきの話はそのなかでのことなんですから」



那奈「おまえが友達を助けたいのは分かった。だけどこっちも譲れないんだよ」
唯「わかってる。でも唯はどうしても淳平を助けたい」
那奈「そうなのか。一つ聞いてもいいか?」
唯「なに?」
那奈「おまえたちはみんな助けたいやつがいて戦っているのか?」
那奈の質問に、唯は少し困った顔になって答える。
唯「そうだって言いたいけど・・・・・・そうじゃないやつもいるんだ」



翔子「たしかヒムロとか言ってたな。それで、おまえはどんな理由なんだ?」
ヒムロ「簡単さ、お金のためだよ」
翔子「ふざけやがって、このポンコツ執事が!!!」
翔子の正拳突きをかわしたヒムロはすぐそばに後ろにまわる。
翔子「さっきからちょこまかと逃げ回って!」
ヒムロ「しかたないじゃないか、勝たないと給金はもらえないんだ」
翔子「そんなことで故郷を狙われる筋合いはねえ!!!」
翔子はさらに突きを連発する。



そして太助はというと。
太助「天照さん、あなたが敵の首領だって話は信じられない。だって俺とかわらないくらいじゃないか」
詩音「詩音って呼んでくれないかなぁ、太助くん」
太助「そんなことはどうだっていいんだ。あなたが敵の首領だって言うんなら、その証拠を見せてくれないか?」
詩音「証拠・・・ねぇ」
そう言うと詩音は服に隠れていたネックレスを取り出した。
そして、それには宝玉がついていた。
太助「それが味方の証拠じゃなくて敵だっていう証拠になるのかな?」
詩音「なるよぉ」
太助の困惑気味の質問に対し、詩音は楽しそうに答えた。
詩音「だってぇ、この宝玉の力は『有を無に変える』ことだもん」
太助「有を・・・・・無に?」
詩音「そうだよぉ。詩音の目的は太助くんの中のぉ、精霊さんたちの記憶をぉ、ぜえぇ〜んぶ無くしちゃうことなんだよぉ」
詩音は宝玉を通して太助を見つめながら、うっとりした表情で言う。
太助「それは、シャオたちの記憶が・・・」
詩音「うん。ついでにいうと、人間になったあとのことも忘れるからぁ。悲しむこともないしぃ、思い出すこともないんッいったぁ〜」
太助は宝玉を構え、無言で詩音を叩いていた。
太助「絶対に、そんなことさせないからな!!!」
詩音「うん。今はむりだよぉ。それにぃ、宝玉には『無になったものを有にする』ことができる宝玉もあるしぃ、それの誕生も阻止しないといけないからぁ、可能性があるこの街のみんなやぁ、太助くんの知り合いにはぁ、みぃ〜んな死んでもらわないと、困るんだよね」
詩音の喋り方が変わり、楽しそうにしていた笑顔は消え、無表情な顔になる。
詩音「ついてきてもらうから、一緒に悲しむ人がいないように、この街のみんな殺してあげる」
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あとがき
えっと、新キャラの敵さんがいきなりぶっちゃてます。
細かい設定もあるんですが、それに関しては本編で。
おまけは以前の続きと、オリキャラ及び、以前紹介していなかったキャラクターたちです。

おまけ

楽屋裏
裕「それで、今度は?」
ヨウメイ「あなたは以前、私が公式のキャラクターだと勘違いしているときに、別のサイトの守護月天の二次小説に劇のキャラクターで、私を応募していたじゃありませんか」
裕「ああ、壊れ物を読んでてそんなの送ったことが」
ヨウメイ「しかも、それは募集が終わったあとじゃないですか、しかもとても遅くて」

裕「だって、HPが投稿されてたところしかそのころ知らなかったんだし、お釈迦様っだたから、何でも知ってる知教空天にはぴったりじゃ?」
ヨウメイ「私は何でも知っているわけではありません」
裕「あれ、そうなんだ」
ヨウメイ「しかも、両方のミスに気付いたあと、なにもしなかったじゃないですか」
裕「なにすればいいわけ?自分の天然ボケでしたとでもそのサイトに送るの?ほおっておけば、流されるボケをとんでもなく時間がたった後に気付いて、それを今更?ってかんじで再発させてなんになる!笑いなんぞ取れやしないし、バカな人ってイメージが着く可能性は89%ぐらいだ!!」
ヨウメイ「じゃあ、残り11%にかければいいじゃないですか」
裕「そんな賭けをするのは、重い戦いなんかだけで十分だ!!!」
ヨウメイ「なんでそんなこと言うんですか」
裕「おまえだって、太助たちがあきらめるはずがないこと分かってて、統天書に嘘の記述載せたじゃん」
ヨウメイ「それは今関係ないじゃないですか。それに、それは低い可能性を出したわけですから、あなたとはまったくの正反対です」
裕「いや、ある。それなら最初から嘘の方法だけ載せて、本当の方法を試練みたく、載らないようにすればよかったんだ。つまり、大きな可能性のほうにかけてるのと同じだ」
ヨウメイ「なにごとにも例外はあるんです」
裕「都合が悪くなるとよくそれ言っててるな」
ヨウメイ「関係ありません。責任追及を再開しますよ」
裕「ごめん。今回は無理」
ヨウメイ「なんでですか!?」
裕「このあと紹介コーナーがあるから、そっちにまわさないと脳が追いつかない」
ヨウメイ「仕方ないですね。それではまた次回で」
裕「十一話でもやる気!?」



プロフィール

風詠 雲飛(ふうえい ウンフェイ)
精霊時
送迎風天
役目は主を望む場所につれて行くこと
現在
30歳

若手の大株主
各国との会談のスケジュール調整
外交管理
精霊器は双翼の首飾り、『双天翼』
能力は双天翼を自分の翼に変えて飛ぶことと、風を読み、自在に操ること
特技は短距離走、中距離走、遠距離走、山登り、自転車や車などの運転などの移動手段(ただし水泳だけは下手)
趣味は自転車便のアルバイト(目標は業界最速)


天照 詩音(あまてる しおん)
無の宝玉の継承者
16歳

高校2年生
敵の首領
特技はメールの早打ちと早口のおしゃべり
趣味もメールとおしゃべり(付き合わされるほうは大変)
好きな人は太助
嫌いな人は太助に好意を寄せる人(シャオたち)



他作品(もっと言うならゲストキャラ)

祐一、舞衣、なつき、命
『舞-HiME』(漫画版)参照


赤ずきん、白雪、いばら、草太、りんご
『おとぎ銃士赤ずきん』(TVアニメ版)参照


スマイル
『怪盗ファントム&ダークネス EX-GP2』『怪盗ファントム&ダークネス EX-GP3』参照


吉田
『灼眼のシャナ』(原作)参照


来栖(高木と言った方が読者には伝わりやすいけど)
『ダーク・バイオレッツ』参照



『いちご100%』(原作)参照


ヒムロ
『ハヤテのごとく!』(原作)参照


こんなかんじです。
いやはや、意味不明ってかんじです。
しかも今回(十話)のゲストキャラは主人公皆無です。
強気で勝気でちゃっかりしてる怪盗としてのライバルに、優しくて内気で強気で気弱(なんじゃそりゃ?)なヒロイン(のうちの1人)に、『常世の怪物』と戦う『紫の耳』を持つ仲間に、異常なほど寝相の悪いちびっ子の四大ヒロイン(幼馴染)に、主を金づるにするネクタイ泥棒の金の亡者の執事(事実)です。
個性が豊かですねぇ〜、あははははは。(笑い事じゃない)
それでは。


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