まもパロ9〜10

「太助様っ。はいっ、プレゼント」
「リボン?」
「後ろ髪だいぶ伸びちゃいましたから」
 ギリギリギリ
「とかいいつつ俺の首を締めるなぁっ!!」
「ちっ」
「ちっ、てなんだぁぁぁぁ!!」

 シャオが学校に行き始めて一週間。
 ささいな事ですぐキレて喧嘩するシャオと太助ではあったがそれ以外はわりと平和だった。



9〜10話.出雲と汝昴の共同作戦!編“太陽への反逆”



「お昼ですねぇ」
「展開早あっ!?授業シーンカットかよ!」
 いい加減慣れろ。
「太助様、お弁当用意してますよ」
「弁当だと?…さては毒物が仕込んであるとか?」
「食べられる物しか入れてませんよ」
「そうなのか?」
「庭に生えてたキノコを入れただけですっ」
「セイカクハンテンダケじゃねぇかっ!!」
「誰が偽善者ですかっ!」
「やっぱ確信犯かぁぁぁぁぁ!!」
 今日も始まる太助とシャオのガチンコ勝負。
「あーぁ、また始まった」
 翔子は慣れた様子で戦火の中で平然と昼飯を食っている。
「あたしの出番は…?」
 ルーアンのつぶやきなど誰も聞いていなかった。

「やむをえん。購買でパンでも買おう」
 どのみち弁当は食べられなかったので太助は購買へと向かった。
 だがそこにいたのは見覚えのある男。
「…誰だっけ?」
「全然覚えてないじゃないですか!」
 ギャグとしてもすごくベタだし。
「えーと…み…み…宮…」
「そうそう」
「宮崎…」
「ストップ!その続きは二通り考えられますがどっちを選んでもやばそうです!宮内出雲ですよ!」
「わりぃ、わざとだ。気にするな」
「やっぱりわざとですかっ!」
 小ボケもいれたところで太助はパンを買うことに。
「冗談じゃありません。誰が男なんぞに」
「つべこべ言わずに出すもん出せや」
 太助のふところから黒光りする拳銃が。
「110円になります」
「よし」
 あっさりとパンを差し出す出雲。
 彼の立場は弱かった。

「さてと。シャオのヤツはどうしてっか…」
 パンを購入して教室に戻った太助の見た光景は。
「まぁ出雲さん、購買部で働くことになったんですか」
 …原作通り、太助より早く到着している出雲、一体どうやって…
「あ、わかった。お前ヤードラット星人に瞬間移動教えてもらったな?」
「失敬な。私の髪が緑だからってナメック星人はないでしょう」
 そこまでは言ってない。
「それでですね、シャオさ…あぁっ」
 わざとらしく立ちくらみを起こす出雲。
「大丈夫ですか?出雲さん?」
「いえ…すいません…保健室へ…行くので…肩を貸してください…」
「はい」
 ぐいっ
「あれ?」
 シャオの肩に手を回そうとした瞬間、シャオは片腕で出雲を肩に担いで保健室へと運んでいった。
「…力あるなぁ。シャオ」
 突っ込む所が微妙に違うぞ。
「えいっ」
「ぐっ!?」
 その瞬間、ルーアンにクロロホルムを嗅がされ、太助は気を失った。
「何故クロロホルム…」

 気が付くと太助は体育倉庫の中でルーアンと2人きりだった。
 扉にはバッチリ陽天心がかけられている。
「ここらへんは原作通りか…」
「誰に言ってるのよたー様」
 そう言ってルーアンがジリジリと太助に寄ってくる。
「さぁ、たー様。こっちはこっちで楽しみましょ」
「…いいだろう。来いよ、ルーアン」
「え、いいの?いやーんたー様ったら積極的…」
「ギャラクティカマグナム!!」
 どごーん!!
「ぎゃーす!」
 太助のパンチでルーアンはあっけなく撃沈した。
「さて…原作ならここで俺が扉を開けるのに苦労する所だが…俺は違う…」
 ポキポキと指を鳴らしながら太助は扉に近付く。
「俺を知っているなら、この扉がなんの効力も持たないことが理解るハズだ」
 
 バコォォォォォォン!!

 太助の拳の一撃で扉は簡単に粉砕された。
「さて、シャオの様子でも見に行ってやるか…」
「そーはいかないわよっ!」
「ルーアン!?復活早いぞお前っ!」
「あの程度でくたばってたらこのSSで生き残れないわっ!」
 ルーアンは太助の前に立ちはだかり、行く手を阻んできた。
「行きなさいっ!ゴールポストちゃんっ!」
 ルーアンに陽天心をかけられたゴールポストが襲いかかってきた!
「ちっ…くだらねぇ真似しやがって…」
 太助は拳を構えて、瞬時に放った!
「どけやゴルァ!!」
 ドゴォン!!
 それを太助は一撃の下に粉砕し先へ進んでいく。
「くっ、逃がさないわよたー様!!」

 その頃の保健室。
「ありがとうございますシャオさん」
「いいんですよ。ちょうど私も新しい木人形(デク)が欲しかった所ですし」
「へ?」
 シャオは出雲をベッドに寝かして上着を脱がしていった。
「あぁっ、シャオさんそんな大胆な」
「出雲さん、気分が悪いんですよね?心配要りません。最近私が開発した新しい秘孔で治してあげます」
「え?」
 戸惑う出雲にシャオはおもむろに秘孔をついた。
 ぷすっ
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」
「ん〜間違ったかなぁ…」
 アミバ?

「ふん、こんなザコいくら集まっても俺の敵じゃねぇ」
 ルーアンの送り込んだ陽天心は残らず粉砕され、太助は校舎内へと入り込んでいた。
「あそこを曲がれば保健室だな…」
 ガタンッ
「くっ!?」
 陽天心をかけられた廊下がベルトコンベアのように動き始めた!
「なめた真似しやがって…」
 ぐしゃっ!
「うそぉっ!?」
 ルーアンも思わず驚いた。
 太助は力任せに床を踏み抜いて、足を突き刺しながら強引に先へ進んでいった。
「…ちっ…」
 その先には陽天心机のバリケードがあるがそれでも太助はひるむ様子がない。
「まだわからねぇのか…こんなもので俺は止められやしねぇんだよっ!!」
 ガシャァン!!
 最後の砦も太助の一撃であっけなく粉砕された。
「さっすがたー様…一筋縄じゃいかないわね…」
 その向こうにルーアンが立ちふさがっている。
「でもさすがに疲れたんじゃない?フラフラじゃない」
「あぁ…疲れた…」
「そうでしょうね、あれだけ陽天心を相手にしてりゃ…」
 ドカッ!
「きゃんっ!」
 太助の蹴りがルーアンを転倒させた。
「てめぇのくだらねぇ芸に付き合うのが疲れたっつってんだよ!!」
「ひっ…」
 太助の殺気に満ちあふれた目を見てさすがのルーアンも動揺した。
「な、なんでよ…どうしてそうまでしてシャオリンに会おうとするの!」
「そうしないと、話が繋がらないだろうがぁっ!」
「うっわ、サイテェの楽屋オチ…」
 強引な展開は今に始まった事じゃないだろう。
「つーわけで…これで終わりにしてやる!」
 太助の拳がルーアンに襲いかかる!
「待った」
 パシッ!
 その拳をキリュウが短天扇で受け止めた。
「このへんでよかろう…すでに勝負はついている…」
「キリュウ…」
 突然現れた大地の精霊を太助は見つめた。
「お前出番が欲しくて出てきただけだろう」
「あぁ」
 嘘でも否定しろよ。
「まぁいいか…」
 そう言って太助はゆっくりと拳をひっこめる。
「行け。今日の所はこれくらいにしといてやる」
「…それってあたしのセリフなのに…」
 完膚無きまで倒されたルーアンを残し、太助は保健室へと向かっていった。

「シャオ!…へ?」
「あ、太助様」
 保健室に着いた太助が見たのは無事のシャオと口から泡拭いて悶絶してる出雲の姿だった。
(出雲…まだ生きてやがったのか…)
 心の中でひどい事言ってる太助。
「太助様、授業中なのにどうしたんですか?」
(え?あ、どうしよー…)
 慌てた太助はとっさに思いついた言い訳を話した。
「そ、そう!今日の授業は殺し合いだったんだ!それで俺が勝ち抜いて最後の一人になったもんでな!」
「ふぇー、凄いですねー」
(通じるのかこの言い訳でっ!?)


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ネタ解説

>「とかいいつつ俺の首を締めるなぁっ!!」
まぁ、お約束。

>いい加減慣れろ。
最近こんなんばっか。

>「セイカクハンテンダケじゃねぇかっ!!」
殺人料理としては有名ですね。

>翔子は慣れた様子で戦火の中で平然と昼飯を食っている。
うーん、思ったより翔子の出番が少ない。
キリュウみたい無理矢理出そうかな。

>宮崎
1.犯罪者。2.映画監督。

>お前ヤードラット星人に瞬間移動教えてもらったな?
実際原作のあのシーンは瞬間移動でもないと説明がつかん。

>私の髪が緑だからってナメック星人はないでしょう
ただの思いつきで入れました。

>「何故クロロホルム…」
なんか凶悪っぽいから。

>「ギャラクティカマグナム!!」
今回特にやりたかったネタ。
でも元ネタのマンガは読んだことない(死)

>「俺を知っているなら、この扉がなんの効力も持たないことが理解るハズだ」
今回特にやりたかったネタ2。
まさに状況にピッタリだと思ったので。

>「ん〜間違ったかなぁ…」
今回特にやりたかったネタ3。
実際アミバの人気ってどうなのよ?

>「どけやゴルァ!!」
コラァじゃなくてゴルァな所がポイント。

>「てめぇのくだらねぇ芸に付き合うのが疲れたっつってんだよ!!」
ONEPIECEよりゾロのセリフ。

>「うっわ、サイテェの楽屋オチ…」
ごめん。

>今日の授業は殺し合いだったんだ!
バトロワネタ。そういや太助達も中学生だし(爆)



後書き
今回は太助vsルーアンでした。
この辺からまもパロがバトル路線に変わっていくんですね。

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