まもって守護月天外伝小説5

新たな試練?(後編)



次の日の放課後、昨日と同じメンバーは試練の続きを受ける為太助の家に集まった。
「今日はここで試練の最終目標について話しておく。」
「それは助かるな、昨日みたく目的も無く歩かずに済むし。」
「今日の試練は私とルーアン殿を探し出し、〈参った〉と言わせれば今日の試練は終了だ。
それと今回は能力制限を無くした、思う存分能力を使われよ。」
そう言うとキリュウ&ルーアンは家の庭内に設置された試練会場に入っていった。
太助達も後から入ると中にはおもちゃのブロックでできた木などが大きくなって置いてあった。
「こんなんじゃキリュウ達が何処にいるか解らないぞ。」
「そうですね、では手分けして捜しましょう。」
「で、どうやって分けるんだ?おにーさん。」
「やっぱクジだろ!」
「たかし君何処から出したのそのクジ?」
「気にするな!そんな細かい事。それじゃあ皆クジを引いてくれ、同じ番号同士のやつグループだ。」
「野村先輩、クジになんか仕掛けとか無いんですか?」
「そんな物無いに決まってるだろ!運命は自分で引き当てる物なんだよ。」
クジの結果
Aグループ:たかし・呼一郎・翔子
Bグループ:出雲・花織・龍太
Cグループ:シャオ・太助・奈那
「ほら、やっぱり七梨先輩と違うグループになっちゃた。」
「クジは絶対だ、文句言うなよ愛原。」
「んじゃあ見つけたらこれで合図してよ。」
龍太はカバンの中から発煙筒を取り出した。
「発煙筒でか…?」
「甘いよ太助君、この発煙筒は俺が改造済みなんだ!煙の他に音まで鳴るんだよ一回やってみる?」
「い、いや、いいよ。」
「それじゃあはい、この音の出るタイプを一個ずつと煙だけのやつ五個ずつね。
使い方は普通の発煙筒と同じだから。」
龍太から発煙筒を貰い、キリュウ&ルーアンを探しに各々のグループが歩きだした。
「っておい!なんで皆同じ方向に向かってるんだよ!」
「太助君の言うとおりだな、大体理由わかるけど…。」
「じゃあこうしよう、出雲達は北の方、たかし達は南の方、そんで私たちは東の方向を捜す、これでどうだ?」
「私はそれでも構わないですけど西はどうするんですか?奈那さん。」
「何とか成るんじゃないか?キリュウだって試練が遅くならないように工夫位するだろうし。」
別れて捜す事三十分……
たかしのグループ
「いないな…。」
「いないね…。」
「そうだな…。」
キリュウ達が見つかる気配も無いまま一行は誰も捜していない西の方に歩きはじめた。
十分後
「おっキリュウめっけ!野村発煙筒!」
「本当だ、よっしゃ!」
たかしが発煙筒をつけようとした次の瞬間
「万象大乱!」
発煙筒がみるみる米粒位の大きさまで小さくなていく。
「んなのありかよ…仕方ない煙だけでも。」
「万象大乱!」
煙だけの発煙筒も全て小さくされた。
さらに三十分後……
出雲のグループ
「キリュウさんやっと見つけましたよ。」
「んじゃあ発煙筒焚くよ。」
「万象大乱!」
「キリュウさん卑怯ですぅ、発煙筒小さくするなんて〜。」
二グループの発煙筒が小さくされ成す術が無くなり、残るは太助のグループのみとなった。
「おや?たかし君達じゃないですか。」
「おっ出雲じゃないか、どうしたんだ?もしかしてキリュウちゃんに発煙筒小さくされたとか?」
「その通りですぅ。」
「お前らもやられたのか…。」
「こまったね、これじゃあ太助君達の合図待ちだよ。」
「そうだな、ここで少し待ってみようぜ。」
「う〜ん、あいつ等の発煙筒も小さくされたかもな。」
待つこと一時間……
耳の鼓膜が破れそうな凄い音がした。
「なっ!何ですかこの音は?」
ピュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「何言ってんだ出雲。」
ピュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「え?聞えないよ、何言ってんだよ野村!」
ピュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あぅ〜皆の声聞こえないですぅ。」
ピュ〜〜というかん高い電子音は突然ピタッと止った。
「やっとおさまったか…ははは、いや〜失敗!失敗!」
「龍太君、失敗って喜んで言う事?」
「ともかくこれはシャオさんからのSOSです。急いで行きましょう!」
そういうと出雲は踵を返して走り出した。
「あっ先を越されてたまるか!」
たかしも出雲を追って走り出した。
「あ〜あ、人の話も聞かないで…」
「どうすんだ行かなくて良いのか。」
「ではこれで追いかけましょう。」
「なんだそれ?キックボード…じゃあないな、でもどうやってそんなでかい物出したんだ?」
「そんな事どうでもいいですよ!早く行かないと美味しい所七梨先輩達にみんな取られちゃいますぅ〜。」
「いや、行った所であまり変わらないが気が…。」
「飯島先輩、これどうやって乗るんですか?早く乗り方教えて下さい!」
「んじゃあ乗り方の説明ね、この後ろのペダルがアクセルでハンドルの所に付いてるのがブレーキ、
キックボードを蹴らずにアクセルペダルを踏んで進んで自転車と同じ様にブレーキで止るって感じで乗るんだよ。簡単でしょ?」
龍太は今流行り(?)のキックボード龍太改造VERを渡した。
「いや、これ色々な物がくっついてて普通のキックボードより乗りにくいよ…。」
「仕方ないだろ小型エンジン積んで色々改造したんだから。そのかわり結構速いよ、五十K/秒は軽く出る。」
「そっそんなに出るのか?ほとんど原付じゃねぇか。」
「だから速すぎてその辺で走れないのが悩みなんだけどね、車検も通してないし。じゃあ先に行ってるよ。」
「ちょっと待ってよ〜!」
「待ってください〜。」
「んじゃあ私も先行くよ。」
乎一朗と花織を龍太と翔子は先にいってしまった。


「翔子さん上手いですね、僕はこれ乗りこなすのに一時間はかかったのに。」
「私はこういうのは得意なんだよ。あっ!おい合図の煙が消えたぞ!大丈夫なのか?」
「わかんないけど今まで煙がたっていた所に行こう。」

「凄い音だったな、煙も消えちゃったしもう一本やる?」
「たしか音は無いんじゃなかったっけ?」
「無いよりはマシだろ、もう一本やるよ!」
キリュウはさっきの大きな音で気絶している。
「そうだシャオ、キリュウが起きて逃げないように折威で押さえといてくれないか?」
「はい、来々折威。」
支天輪から勢いよく出てきた折威はキリュウの上に乗り身動きを封じた。
「うっう〜〜〜ん……はっ私は何を……。」
「発煙筒の音で気絶してたんですよ。」
「おい!発煙筒使っていいか?」
「えっ!さっきやったんじゃないの?」
「キリュウの気絶の方先にやられてまだやってないの。」
「良いんじゃないか。」
「んじゃあやるぞ。」
奈那が発煙筒を使うと、【キリュウさん LOVE 付合って下さい】という文字の形をした煙が出てきた。
「なんだありゃ?」

ズッガ〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!
昇ってきた煙を見て龍太が激しく転倒した。
「いてててて……。」
「おい、大丈夫か?」
「あぁ、何とか…。」
「しかし君も大胆だね〜こんな風にするなんて。」
「あっあれは、間違えただけで……」
「間違えたね、ふ〜ん、まっそうゆう事にしといてやるよ今回は。」
翔子がからかい半分に笑っていると龍太が何やら改造を始めていた。
「早く行って消さなければ…これでよしっと!」
「何したんだ?あまり変わってないけど。」
「外見はね、でも中身は全然違うよ。今度はターボエンジンにニトロを積んで最大速度は今までの数倍!」
龍太はそう言い切るとさっきの倍以上のスピードで煙の方向に向かっていった。



たかしと出雲の横を龍太がもうスピードで通り過ぎていった。
「ん?今、何か通り過ぎいきませんでしたか?」
「あぁ、なんか通ったよな…。」
「いやしかし龍太君も大胆な事しますねぇ。」
「確かに…あっ山野辺!!!」
たかし達に気がつかず通り過ぎていく翔子。
「いや〜完璧に無視されましたね。」
出雲がキザったらしく前髪をふぁさっとかきあげていると後ろから花織と乎一朗が
エンジン音とともにやって来た。
「あっ呼一郎に花織ちゃん!」
「あれぇたかし君先に行ったんじゃなかったけ?」
呼一郎の言うとおり、たかし達は先に行ったのだが龍太のキックボードのおかげで追い付いたのだ。
「便利なもんに乗ってんな俺も乗せてくれ。」
たかしが呼一郎の乗っているキックボードに強引に乗り込む。 「ちょ、ちょっとたかし君無理だって。」
「大丈夫だって、ほら行くぞ呼一郎!」
しかたなく呼一郎がアクセルを踏むと重量オーバーだったのかキックボードは大きな音出して爆発した。
爆風でたかし達四人は別々の方向に飛ばされ全員気絶した。


ドッゴ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!
「(ん?この爆発音…きっと重量オーバーでもやったんだろ、それより急がなくては!)」
数分後…煙のもとに着いた龍太は急いで発煙筒を消した。
「いや〜飯島は大胆な事するねぇ。」
「あ…いや、あれは間違えて…。」
「ほほ〜間違えたねぇ…まっ、今回はそうゆう事にしといてやるよ。」
「(なんかさっきも聞いたような…)ところでキリュウさんは?」
「そこにいるよ。」
「あーあ、動けないんだ…。」
龍太はキリュウの方に近ずき、
「まだ“参った”って言ってないんですか?」
「まだだ!これしきで参ったなど言えるか。」
「んじゃあこのままふくろ叩きにして…」
「何!そんな卑怯な手を使うのか?」
「例えばだよ例えば!」
「そうか…しかし本気だと顔に書いてあるぞ。」
「まあまあそれにしてもこの折威達邪魔ですねどかします。」
龍太(龍だと思う)は、折威を軽々と持ち上げキリュウの上からどかした。
「試練続行だ主殿!万象大乱!」
「陽天心招来!」
「そうだ〜ルーアンも敵だったんだ〜」
木として置かれていたブロックに陽天心+万象大乱をかけ襲い掛かってきた。
「太助様は私が護ります!来々北斗七星!!」
「あらあらシャオリンさん本気だな〜、よし俺も!我が力を彼者に名は星神北斗七星!」
北斗七星はいつもの倍以上の力で陽天心+万象大乱のかけられた木のブロックを軽々と蹴散らす。
「(ん?これは龍殿が力を貸したな…厄介だ。)」
「(なんでこいつ等いつもよりこんなに強いのよ〜!)」
「(仕方ないここは…)主殿、ここは一対一で勝負をつけようではないか。」
「よし!来いキリュウ!」
キリュウは龍に向かって合図している。
「(ん?なになに、主殿に力を貸すな?…仕方ないな。)」
龍はOKとキリュウに合図した。
太助とキリュウの戦いは長かった。
今までの試練の成果か、太助はキリュウの攻撃をかわしながら反撃したりなど
一瞬の隙を突くなどなかなか上手い攻撃をしている。
「はぁはぁ…や、やるな主殿…はぁはぁ…。」
「あ、当たり前だ…はぁはぁ…いつも誰の試練を受けてると思ってんだ?…はぁはぁ…。」
「確かに…はぁはぁ…。」
二人共だいぶ疲れている様子だ。
「彼者達の疲れを癒したまえ!」
「あれ?なんか急に疲れが取れた…。」
「(龍殿また余計な事を…仕方ない)主殿この一撃で勝負を決めるぞ覚悟!」
「望む所だ!来いキリュウ!」
キリュウは剣を鞘に収め居合抜きの格好をとった。
太助も同じ格好をする、何をしようとしているのか解ったようだ。
「いざ!」
キリュウが太助に突っ込む、太助もキリュウに突っ込む。
よく漫画とかで有るように二人はすれ違いに切りかかった。
「よくぞやった主殿…参った…。」
そう呟くとキリュウが倒れた。
「おい!キリュウ大丈夫か?」
キリュウは太助の呼びかけに答える事がない…
「まさか死んじゃったのか?おい!キリュウ!キリュウ!」
「いや気絶してるだけだ・・・ただ出血量が多すぎる。」
「おい!キリュウ!キリュウ!」
「(仕方ないこれだけは使いたくなかったが…)彼者の傷を癒したまえ!」
龍の呪文が終るとキリュウの傷が塞がった。
「(やはり血が足りないか…)彼者の足りない物を補いたまえ!」
「私は…?」
「よかった…」
「主殿?まさか龍殿能力を使ったのか?」
「一応な…」
龍は言い終わると倒れた、能力を使いすぎたのだろう。
「だらしないな…」
「ところで龍太は何者なんだ?」
「今は口止めされているから話すわけにはいかない。」
「そうか、なら無理には聞かないからいいよ…帰ろうか?」
「うむ。」
「お〜いシャオ帰るぞ!」
「そう言えば太助様、たかしさん達は?」
「あれ?そういえば居ないな…」
「あぁ、あいつ等なら何処かに吹き飛ばされてたぞ。」
「はぁ〜、今度はあいつ等を捜すのか…」
「試練だ…と言いたいとこだが、大地の樹々よ地の精霊たる我に力を!!」
キリュウの呪文で地面に生えていた草がにゅきーと伸びた。
「あそこだな。」
太助達はたかし達を見つけてつれて帰った。






その後…(エピローグ)
「龍太殿あの煙の意味は?」
え、いや…そのまんまだよ。俺はキリュウさんの事が好きだから…。」
「…いや…その…。」
「今すぐの返事なんて…いいよ今度で、それと今日の事(能力など)皆には
その内話すって言っといくれないか?」
「わかったそう伝えておく。」




出演者によるその後の会話…
奈那「いや〜しかし大胆な事するんだな飯島は。」
翔子「確かに七梨にもこの位度胸が有れば良いんだけどな。」
tatsu「いやーこれは出さない方が良かったのかな?」
龍太「出さない方が良かった。(とっても恥ずかしい)」
ルーアン「私なんて殆ど出番が無いに等しいのよ!」
たかし、出雲、花織「私(俺)なんて気絶させられたんですよ(だぞ)!」
tatsu「これで第1部おしまい!第2部どうしようかな…まっ楽しみにしててくれ」
全員「また勝手にしめる!」
tatsu「痛っ、痛いってば止めてくれ石投げるのは!
 うわっ誤字脱字の書直しが大変だからってタナまで…痛いってば!」
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