まもって守護月天!番外編

I JUST FEEL SO LOVE AGEIN

そばにいるだけで……

 

 

 

 

 

 

 

 

TASUKE

俺の家、七梨家では、普通の人間にとっては非日常的のことが当然のごとく行われていた。

その、非日常的なことの一つがこれである。

「万象大乱」

紀柳の言葉により石が巨大化し、俺の行く手を阻む。

俺は、それをいつもどうり上りその上にあるいろいろな物を片っ端からクリアしていった。

それは…試練と呼ばれる物だった

七梨家

「お帰りなさい、太助様」

「ただいま、シャオ」

これが俺の日常だった。

だが、目的が無いわけではない。

そう、全てはこの娘の為にやっていること……

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の家に送られてきた、精霊器の一つに眠っていた少女……

守護月天小隣。

今の俺にとってはその少女がかけがえの無い者になっている……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SYOKO

からんからん〜♪

そんな音があたしの耳に入った。

「おめでとう!三等の遊園地ペア招待券だよ!」

そう係りの人が言った……

しかし……

あたしには、ペアで行くような男はいない。

友達はいるが……

そこまで考えある思いつきが浮かび、あたしはクスリと笑いながら、そのチケットを受け取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SYO

今、私の手には翔子さんからもらったチケットが握られていた。

さっき私は翔子さんからこのチケットをもらったの。

翔子さんは太助様が、ここに行くのに太助様を誘えばものすごく喜んでくれる……そう言ったの。

「太助様……喜んでくれるかな〜?」

声と共に、私は少しうれしくなり笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TASUKE

「えっ!?遊園地?」

俺はシャオから聞いた一言で、天にも上るような気分になった。

なぜならシャオが俺にいっしょに遊園地に言ってくれませんか?と、言ってきたのだ。

「あの……いやだったらいいんですけど……」

シャオがおびえた子猫のように言う……だが、俺には全く断る理由が無い。

その上もしかしたら、大チャンスかもしれない!

ただ……山野辺からもらったと言うのが気になるが……

「いや、そんなこと無いよ。もちろん、シャオの誘いなら喜んでいくよ」

「本当ですかぁ……良かった……」

シャオは、ぱぁと顔を輝かせた。

俺はそんなシャオを見て顔を少し赤らめた。

『俺といけるのがそんなにうれしいのかな?』

そう考えると、俺の顔はさらに赤くなった……

 

 

 

 

 

 

 

 

RUUAN

「あら、小隣の奴結構大胆になったわね」

あたしはそう思いながら二人を遠巻きに見ていた。

「これは、もう直かしらね?」

あたしは、二人を見ながらそう言った。

「さぁ!慶幸日天の出番ね!」

あたしは、張り切りながら叫んだ。

もちろん、これが不良譲ちゃんの仕掛けたことだともすぐにわかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SYO

何故だかわからない……でも私はその日すごくうきうきしていたの……

胸が高鳴ったりして息苦しくなったことも何回かあったし……

でも、ものすごく幸せなドキドキ……

私は、今、お弁当を作ってるの。

太助様と……ふたりで一緒に食べるためのお弁当……

そう考えるとさらに胸がドキドキした……顔も赤くなった。

「おはよう、シャオ」

「あっ!た、太助様、おはようございます!」

私は太助様の言葉にニコニコ顔で答えた……

ように思えた、でも声が震えて顔が真っ赤になっていたから、うつむいてしまった。

「シャオ?どうかしたのか?」

「え、あ、な、なんでもないですぅ!」

あなたに心配かけたくないから……つい勢い込んでいってしまった。

ものすごくうれしかったから……

 

 

 

 

 

 

 

 

TASUKE

「いってきま〜す!」

「いってきます!」

「「いってらっしゃい」」

俺とシャオは、元気に玄関を出た。

まぁ……山野辺がくれたチケットと言うのがやっぱり気になるが……

それと、妙にあの二人があっさりと俺たちをやったのも気になるし……

まぁ、ともかく、俺たちは電車に乗り、幾つかの電車を乗り換え。

そして、遊園地についた。

そして……そこに奴等はいた。

「いやぁ〜シャオさん奇遇ですね」

「やぁ!シャオちゃん」

「あ!シャオちゃん」

「しち〜りせん〜パイ!」

俺は思わず脱力した。

居たのは、出雲、たかし、乎一郎、愛原だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

KIRYU

「主殿も大変だな」

「そうね」

私と、ル−アン殿は頷きあいながら言った。

すでにチケットは持っている。

翔子殿の取り繕い立った。

流石に行動が早い。

本来なら後ろから二人を監視するつもりだったのだ。

「そうだなぁ〜、でも、ル−アン先生はいいのか?」

翔子殿の問いかけに苦笑しながら、ル−アン殿は答えた。

「今日だけ特別よ、この前た−様はがんばったしね」

それは、おそらく『好き』と言ったことに関してだろう。

「じゃっ、後ろから助けてやるか」

「そうだな」

私たちは頷きながら主殿達を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

RUUAN

「七梨せんぱぁい!あれに乗りましょ!」

「シャオさん、私と一緒にあれに乗りませんか?」

「シャオちゃ〜ん、俺と一緒にあれにのろうぜ!」

出雲とたかしは、シャオにあれこれ勧めている。

愛原はた−様に引っ付いて、ぐんぐんひっぱて行く。

あの小娘ぇ!

他の二人も少しは遠慮せんかいっ!

それに小隣の顔も曇ってるし

これじゃ、折角デ−トさせてあげようと思ったのに、台無しじゃない!

「みてられないわね……」

「そうだな……」

「ああ……」

あたしは黒天筒を振り上げ……

「よ−てんしんしょ−らい!」

ものすごい小声で言う。

ピカ−っ!と黒天筒から光が放たれ、ベンチにあたる。

「うわっ!」

「がはっ!」

そして、バキッと後ろから陽天心ベンチが、おに−さんとたかしくんを蹴る。

「万象大乱」

ガンッ!

「きゃう!」

次に紀柳が唱えた、万象大乱で石が巨大化し小娘が気絶する。

「これは、ル−アンと紀柳……?」

た−様が後ろを見てあたしと不良譲ちゃんと紀柳に気付く。

そして、あたしはウインクを返しイケイケと手で合図する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TASUKE

俺には、ル−アン達の合図が何かすぐわかった。

「シャオ行くぞ!」

「はいっ!」

シャオがにっこりとうれしそうに笑い俺の手を握る。

今回はル−アンたちは俺の見方をしていてくれたのだ。

疑ってごめんな……山野辺、ル−アン。

俺はそう思いながらシャオの手をひいては知る。

大急ぎで逃げる俺たち……あっ!観覧車があんなところにある。

「シャオ!観覧車に乗るか!」

「はいっ!」

シャオはにっこりと微笑み俺の足についてきていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

SYOUKO

「……これでよ〜し、と」

「しょ、翔子殿……少しやりすぎでは?」

あたしがやっていることに、紀柳が心配そうに言う。

「大丈夫よ、このくらい」

「そうだぜ、このくらいやっても平気だって」

「……ん……ふがっ……!ふが!ふが!」

「お、おに−さん起きたか」

そう、あたしと紀柳とル−アン先生で例の3人を縄で、ぐるぐる巻きにしていたのだ。

そう、3人である。

「ふがっ!ふがっ!」

「ふがっ!ふがっ!」

他二人もおきて、暴れる。

「あれ、僕……あ!ル−アン先生!」

乎一郎が、ル−アンを見つけて喜んだ顔になった。

彼はおそらくル−アンがいれば平気だと、紀柳が必死の説得(流石に犯罪じゃないかと踏んだらしい)をしたのだ。

もともと、二人にはその気が無かったので快く承諾したのだった。

「では、後は翔子殿に任せようか」

「そうね」

「おうっ!任せてくれ」

紀柳はそう囁やき、ル−アン先生もうなずく、それにあたしは答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SYO

太助様と走っているとき……

ものすごくうれしかった……

ちょっとさっきまで、もやもやしていたけど……

でも、今はもやもやしていなかった。

でも、何故もやもやしてたの?

わからなかった……でも……

そンな風に考えていると、私たちはゴンドラについた

「お二人ですね?」

「はい」

太助様がチケットを渡し、太助様は私の手を引いて……中に入る。

私は……一緒にいるだけで……太助様のそばにいるだけでうれしかった。

幸せな……ドキドキしていたいの……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TASUKE

あああああ!せっかくここまで来たのにぃ!間が持たない!

俺はそう思いながら優柔不断な自分をうらんだ。

「太助様……」

突然シャオに話し掛けられた……

俺はビクッとしてしまった。

「な、なに?シャオ?」

「私……うれしいです……」

ドキッ!

「う、うれしいって?」

「太助様が……さっき、香織さんに抱きつかれたときまた、何かわからないんですけどもやもやしたんです……でも、いま、何故だかわからないんですけど……とっても、とってもうれしいんです」

俺は、シャオの言葉によりなんとなく恥ずかしさが消えていった……

「シャオ……それはね……」

俺が何か言おうとしたとき……

がたんっ

それは突然起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SYOKO

係員のお兄さんを陽天心で吹き飛ばした後、あたしは一瞬ゴンドラを止めた。

おそらくゴンドラが急に少し傾いただろう。

ちゃんとうまく抱きとめているかな?

「お〜い、七梨ちゃんとがんばれよ〜」

「そ〜よ、た−様、今回だけのチャンスなんだから」

「これも試練だ……頑張られよ」

あたしたちはそれぞれ、七梨とシャオにエ−ルを送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SYO

「きゃ!」

「うわっ!」

今の振動で私と太助様は、思いっきり傾く。

太助様は何とか持ちこたえたみたい……

でも、私は思いっきりこけそうになる。

「………………」

「………………」

太助様の胸に私は倒れた……

無言になる私と太助様……

しばらくし、太助様は慌てて言った。

「しゃ、シャオご、ご、ご、ご……」

私は太助様の言葉を遮った。

「太助様……あの……もう少し……もう少しだけ……このままでいいですか?」

「えっ……あ、ああ……」

太助様はしどろもどろ答える。

「い、いいよ……」

「はいっ!」

うれしかった……さっきはちょっぴり悲しかったけど……

私は……今、太助様のそばにいるだけで幸せ……この幸せが続くといいなぁ……

それに……この暖かいような……そんな気持ちの正体にも早く……わかると良いな……

「太助様……」

「な、なに?シャオ」

私は、このままで居たかった……ず−と……悠久の時が過ぎても……

「太助様は今、幸せですか?」

「……もちろんさ」

私は……このご主人様……太助様に逢えて、心からよかったと思う。

私は……このときこそ二人で幸せになりたいと思ったときは無かった。

太助様だけではなく、私だけでもなく……二人で……

誰にも負けない幸せを……

守護月天としては失格なのかもしれない……

でも……今の私は、太助様のことだけ考えて居たかったの……

ず−と……ず−と……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

 

始めてこういう小説を書きました。

真剣な話です……僕のこうなってほしい太助とシャオの未来です。

僕としては、この二人に幸せになってもらいたいです。

14歳の僕……太助君と同い年の僕にでも太助君の試練を受けている姿を見て、いつも感心させられます。

それは、試練うんぬんではなく……たった一人の人に全てをかけている姿勢に対してです。

僕には人の幸せとか、人の不幸とか、人のこととかわかりませんけど。

でも、この小説どうりになる日も近いと思います。

ただし、二人の願いがかなった後のこと……ですけどね。

それがどんなきっかけかはわかりません。

でも、この小説を書いているとき、何度も『I JUST FEEL SO LOVE AGAIN〜そばにいるだけで〜』と『さぁ!』をかけました。

何度も何度も、見直しましました。

そして、この小説を読んでくれた皆様がそれを感じ取ってくだされば、本当にうれしいです、それだけで僕はこの小説を3時間も、集中して書いた甲斐が会ったというものです。

こんな小説でも置いてくださる方がいたら、メ−ルを送ってください。

僕のこの小説をもっとたくさんの方に見てもらいたいからです。

二人の幸せを心から願います。

最後に、桜野みねね先生が……この小説を読んだとしてくれたら本当に心からうれしいと思います。

なぜなら、あなたの作り出した子供たちはこんなにも人に……僕達に愛されていると言うことをお教えしたいからです。

人によっては……その大切な子供を編に扱う人もいます……そういう風に扱っている人たちにこのあとがきを見てもらって、考え直してほしいのです。

駄作ですが、これからもよろしくお願いします。

 

〜魔龍 銀より〜

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