『姉として…』

あ〜あ!太助のやつ、またウジウジと悩んでやがる。
なんではっきりといえないのかね〜、まったく。
あたしの弟かよ、それでも。

ま、太助がいえない気持ちもわかるよ。
シャオは守護月天、人間と精霊だ。
しかも恋愛感情を持ってはいけないと来てる。
だから…太助はいっても伝わらない…って思ってる…
でもな…太助…いわなきゃ伝わらないんだ。
いってみないと何も変わらないだろ?
それはお前にだってちゃんとわかってるはずだ!
あたしの弟だものな。あまり似てないかもしれないけど。

なんで自分一人で背負い込もうとするんだ?
…わかってる…わかってるよ…お前は優しい子だ。
姉のあたしがいうのもなんだけどさ。
それに…怖いんだろう?本当は。
今の関係が崩れそうで。
あたしはお前のことについては多分誰よりもわかってるつもりだ。
ただな、一つだけいっておく。
お前もこのままじゃいられないだろう?
太助、お前もいずれ大人になる。
でもシャオは…精霊であるシャオはいくつになっても変わらない。
…後になって後悔しても遅いんだ。
なんでいえない?ここまでいわれても。

…お前はあたしに似て不器用なとこあるからな…しょうがないか。

「あなた、不器用って…」
「何かいったか?宮内」
「いや、別に…」

さて、妙な邪魔が入ったが先に進めるとしよう。
ま、今悩んでもしょうがないか。
とりあえず今はもっと強くなることだな。
肉体的にも…特に精神的に、な。
しっかり頼むぜ、万難地天殿。
そして…いつかシャオを宿命から解放することができたら…そのときは…

えーい!もう辛気臭い話はやめだ!
翔子、今の事件が一段落ついたらまた何か大きな計画立てようぜ、な。
え?いらない?何いってるんだよ…
お前がもっとしっかりしないからあたしや翔子が計画してやってるんだろうが。
な、瓠瓜。

「ぐええ」

お前に聞いてもわかるわけないか…
ま、とにかく頑張れよ。我が弟。
お前の幸せを願う姉より…

ってちょっとクサかったか。
またお前がウジウジしてたら今度は容赦しないからな。
覚悟しとけよ!!

  〜おわり〜


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