" Kanon" side story "Nayuki's discipline time"



         

                エピローグ -close to me-


   私を、受け止めて

 さようなら、そして、ありがとう。
 それが、私の最後の意思。

 遠い時の彼方、私は終わった。
 苦しい思い出と、暖かい思い出を胸に抱き。

 私を愛してくれた父母達は、そんな私に涙をくれた。
 私を愛してくれた父母達は、そんな私に唄をくれた。

 私が見つめるものは、海の青、空の青、宇宙の青。
 私が見つめるものは、瞳の光、命の光、星の光。

 私は海へと溶け、土へと溶け、空へと溶け、そしていのちの大河に溶けていく。
 そして、最後の私が、溶けていく。

 それは夢。
 いのちの大河が、ほんの僅かな時の合い間に見る、儚い夢。

 それでも、いのちの大河の夢は、途切れることはない。

 川を流れる水の流れが、海へと流れ行くように、
 海という場所で、大気の熱と共に水は空へと舞い上がり、
 再び、雲という名の地でたゆたい、
 雨という始まりの力が、新たなる川を作り出すように、

 いのちという水がある限り、いのちの大河が見る夢は、終わらない。

 だから、最後に私は願う。

 私を愛してくれた父母のために、
 いのちの光を、父母の間に輝かせることを。

   紡げなかった時間を……紡いでもらうことを。

 ありがとう、そして、はじめまして。
 その言葉を、紡ぐことを…………


                    −(No name)−




 どこまでも、空が青かった。

 大地の上で紡がれる人の想いなど知らぬかのように、どこまでも青く輝いていた。
 燦々と太陽の光が大地に降り注ぎ、その合間を縫って流れる雲が影を落とす。
 海から吹き抜ける風は、大地の上をそっと撫で、駆け抜ける。

 終わりなき夏の情景は、記憶の彼方より変わることはなかった。



 長い時が、過ぎていた。

 そして今でも空を見上げると、あの夏の日が思い出されてならなかった。
 夢ともいえる、ほんの僅かな時間の幸福を……

「祐一、どうしたの?」
 名雪の声で祐一は視線を下に下ろす。
 空の下には水平線が広がり、更に下には無数の墓碑が海辺の丘に立ち並んでいた。
 日の光を受けて輝く草原。
 無機質に立ち並ぶ十字架。
 それらもまた、生と死が同居する空間。
 その中の一つに、2人は立っていた。

−Syuzi Nanase Natsuha Nanase Seneka Nanase−
 十字架の下には、そう刻まれていた。

 あの夏の日から、どれほどの時間が経ったのだろう。
 多くのことがあった。
 2人で紡いだ時間。喜び、悲しみ、様々な時間と経験。

 だがそれすらも、今となっては過去の事象。
 全ては記憶の中にのみ残る、遠い日の光景。

 それはあの夏の日もまた、同じ。

 それを考えると、心の奥にどうしようもない喪失感が沸き起こる。

 ここで初めて知った、自称自分達の娘の本当の名前。
 幸せになることを夢見て、逝った一つの家族の名前。
 奇跡は哀れな魂と、2人を結び合わせた。
 多くの出会い、そして別れ。
 happinessとdiscipline。
 一年のように大きなことを経験させた一日。
 それもすべてが思い出の彼方だった。

 そして今・・・こうしてここにいた。
 夏が来るたびに思い出しながらも、どうしても来ることはできなかった。
 だが今、こうして2人はここにいた。

 それこそが『けじめ』だと思ったからだった。

「ねえ、祐一」
 墓石に手を合わせていた名雪が、上目遣いで祐一を見た。
「どうした?」
 祐一は答える。

「修司さんと夏葉さん・・・セネカちゃんの両親を、恨まないであげてね」
「名雪?」
 その言葉は祐一にはまったく予想だにしなかったものだった。

「お父さんとお母さんが子供を想う心を、否定しないであげて」
 十字架をそっと名雪は撫でる、かつてセネカにそうしたように・・・

「辛かったと思うんだ。幸せが壊れることは。
 長い時間をかけて、培ってきたことがなくなってしまうことは」
 名雪はかつてそれを経験しそうになった。だからこそ、その言葉は重く祐一の胸に響く。
「恨んでなんかいないさ。ただ寂しいだけだ・・・・・・同じ時間に生きられなかったことが」
 視線を彼方に広がる水平線へと移す。
 セネカと出会えた日、遥か遠くの日はあの水平線の彼方。
 もう二度と、あの日は帰らない。

「祐一、本当にお父さんみたいだったもんね」
「ああ・・・・・・笑えるよな。稼ぎの少ない亭主、ねぼすけな女房、そしてやんちゃな娘・・・」
 あの時はただ、なんとなくそう思えていた。

「うん、笑えたよ・・・とても、とても楽しくて」
 だが、終わってみればそれは儚い夢。
 祐一、名雪、セネカ。
 三人で過ごした時間は、蜉蝣(かげろう)のように儚いわずかな時間。
 大切なものは、失ってそのとき初めて大切だと気がつく。
 そんな陳腐な言葉が、今は重かった。

「秋子さんって、俺達よりずっと強いんだな」
「祐一?」
 その言葉に、名雪が微かに驚いたように祐一を見上げる。
「自分の子供を守り抜くっていうことは、強くなくちゃ出来ないだろう?
・・・・・・俺のつけた傷の所為で、ずっと苦しんできた名雪を守ってきたんだからな」
 目を伏せた名雪の頭を、祐一はそっと撫でる。
「俺達も親になる。俺達は、強いのか弱いのか解らない。それでも、だ」
「それでも?」
「それでも『俺達はまだ、ここにいる』・・・だからもうちょっとだけ、がんばろうな?」
 自分を見つめる名雪の瞳をまっすぐに見つめかえして、祐一は答える。
 あの時に名雪に言われた言葉を、今度は自分が言ってやりたかった。

「違うよ、祐一」
 その言葉に、名雪は首を振る。
「え?」
「もうちょっとだけ、じゃないよ。これからずっと、だよ」
 祐一を見つめて、名雪は微笑みながら答える。
「そうか・・・そうだな」

 相変わらず馬鹿だった、と思う。
 そうだ、俺達はこれからなんだ。なにがあろうと。

「うん」
 それは、永遠の盟約。
 いかなる艱難辛苦があろうと、どこまでも二人で進むという。
 心から信じあった、二人の盟約。

「行くぞ、名雪」
 セネカの墓碑に背を向け、祐一は名雪の手をとる。
 名雪の手には、陽光を受けて輝く小さなリングがあった。
「うん・・・行こう、祐一」
 その手を握り返し、名雪もまた、歩き出す。


−幸せになってね……私の、大好きなパパとママ−


「あ……」
「どうした」
「今、動いた気がしたよ」
 名雪は、そっと自分のお腹をいとおしそうに撫でさする。


−願うことが許されるなら、もう一度だけ−


「そうか……」
 そんな名雪の肩を抱き、微笑む祐一。
「うん」

 それこそがここに来るという『けじめ』の理由。
 親となる自分達が、我が子を悲しませないという決意。


−同じ、時間の中で…………−


 誰かの声が聞こえたような気がした。
 それは微かに胸の痛みを呼び起こす。

 それでも、歩き続ける。
 温もりをくれる手が、傍らにあるのだから。

 それは・・・何よりも強い絆なのだから・・・・・・


 遠くから、2人に手を振る人々の声。
 秋子、あゆ、真琴、芹香、美凪……

 手を振り返し、二人は微笑む。



「さあ行こう……俺達は、これからだ!」

「うんっ!」



        " Kanon" side story "Nayuki's discipline time"

                THE END

               SPECIAL THANKS TO

                 KEY
              RYUICHI OHTSUKA
                KURI KURON
                NEKO TSUKIWATARI

               RISA ISHIMOTO
                YU KURAKI

                AND YOU

               PRESENTED BY
                "OROCHI"


   参考資料一覧

  本作品の執筆に辺り、以下の資料を参考とさせていただきました。

 Visual Art's/key/ドリームキャスト用ソフト "Kanon"
 Visual Art's/key/ドリームキャスト用ソフト "AIR"

 清水マリコ/Kanon〜雪の少女/パラダイムノベル
 清水マリコ/Kanon〜笑顔の向こう側に/パラダイムノベル
 清水マリコ/Kanon〜少女の檻/パラダイムノベル
 清水マリコ/Kanon〜The fox and the grapes/パラダイムノベル
 清水マリコ/Kanon〜日溜りの街/パラダイムノベル

 森嶋プチ/Kanon1〜2/メディアワークス

 エンターブレイン/The Ultimate Art Collection of "Kanon"
 エンターブレイン/カノン ビジュアル・コミック・アンソロジー
 エンターブレイン/カノン ビジュアルファンブック

 ラポート/アンソロジーコミック Kanon1〜19
 DNAメディアミックス/アンソロジーコミック Kanon1〜12
 宙出版/アンソロジーコミック Kanon1〜15

 角川書店/Kanon the animation "Dream Days"
 依澄れい/Kanon & AIR "SKY"/角川書店

 椋木ゆう/baby pink/(同人)
 上遠野浩平/ビートのディシプリン SIDE1/メディアワークス
 浅田次郎/鉄道員/講談社

 エンターブレイン/テイルズ・オブ・エターニア・オフィシャルガイドブック


  あとがき

 はじめまして、或いはお久しぶりです。
 前回の話で予告したとおり、祐一と名雪の話を書いてみました。
 少々補足説明しますと、前の話DEPART FROM THIS WORLDと同じ時間軸の話です。
 エピローグに真琴がいる。
 祐一が「死の先にあるものは何もない」と言っていたのも、前回の設定を引き継いでいるからです。
 本編は前作から一月くらい後の話という設定で、エピローグはそれから更に何年後かの話です。
 設定ミスではないので、念のため(笑)
 前作を読んだことのない人は、この機会に読んでくれると嬉しいです。
(ですが相当すさまじい話なので、怒るかも)
 最も、名雪編の後日談と解釈していいような話にもしたつもりです。

 名雪の話はラブラブな甘いものが多いです。
 或いは祐一に振られる辛いものも多いのですが、どちらでもない話はどんな味でしたでしょうか?

 さて今回は、Kanonの本来のテーマに立ち戻って「信頼」「家族愛」「約束」といったものがテーマになっています。
 Kanonの物語は、キャラクターごとに様々なテーマが見え隠れします。

 名雪は、赦し、そして信じあうこと。
 あゆは、夢から目覚め、現実と向き合う勇気を得ること。
 栞は、死と向き合い、大切な人との時間は、なにより尊いものだと知ること。
 舞は、自分を受け入れ、自分を愛すること。
 真琴は、人と人との温もりを感じあうことが家族であるということ。
 佐祐理さんは、大切なものを失ったのなら、今ある大切なものを守らねばならないということ。

 いろいろなことが、この物語のテーマとして息ついでいます。
 多くの時間が経っても、アニメで大失敗しても(笑)今でもKanonを愛する人が多いのはそれが理由でしょう。
 同人作家の皆様がそれを証明しています。

 因みに祐一の「エンドは嫌だ」という言葉は石本理沙さんの「spring snow」から、
 名雪の「もうちょっとだけ、がんばろ?」という言葉は椋木ゆうさんの「baby pink」から来ています。
 石本理沙さんの方はツインハートから出ているアンソロジーの14巻に。
 椋木ゆうさんの方は同人で発表されています。
 どちらもお勧めなので、一度どうぞ。

 余談ですが、セネカの名前もある同人作家の方の名前を使わせてもらっています。
 さて、解りますか?答えは後ほど。


 話を戻して、Kanonは時が経っても色あせない名作という条件を満たしていると思います。
 その条件とは何か?それは「触れた人間の心に何かを残す」ことです。
 確固たるテーマと物語に人を引き込む魅力。それこそが、KanonやAIRの魅力でしょう。
 それ以外にも魅力的なキャラクター、雰囲気を彩る音楽。
 全ての要素が高いレベルで安定していることが、より物語を際立たせています。

 今回の話はタイトルの通り「試練」です。
 KEYのHPでこの話の原型を発表したのですが、そのときのタイトルは「名雪のディシプリン」でした。
 そのため今回が完成版となります。

   恋愛だとか絆だとかは、それを成就させるまでも厄介です。
 が、実は維持するのはそれに輪をかけて厄介です。
 家族は助け合え、などといいます。
 しかし実際は勉強だ、健康だ、老後だ、金だと常に問題はついて回ります。
 要するに、くっつくまでも試練だが、くっついたら更に厄介な試練であるというわけです。

 更に、試練という言葉を使うなら「乗り越えて成長」せねばなりません。
 そうでなければ単なるAGONY(苦痛)でしょう。
 だからこそ、今回は2人が「真に結ばれた二人」になる試練という訳です。

   また、今回は全員「特殊技はなし」という条件下で書いてみました。
 前回は、立ちはだかる事件も相当なものでした。
 そのかわり祐一君たちのパワーアップも尋常ではありませんでした。
 デフォルトで最強(笑)の秋子さんにも今回は引いてもらいました。
 それであえて2人だけで物語を紡いでもらいました。
 秋子さんが前作のままだったら、セネカの両親一撃で倒しますからね……

 最も、祐一が気合で金縛りを吹っ飛ばしたりしていましたが(苦笑)

   今回の事件は、2人を成長させたと思うのですが、いかがでしょうか?
 よろしければ、ご意見やご感想をお聞かせください。

 また、セネカが歌っていた"Rock-a-bye-Baby"という歌は実在します。
 というか、CDカットされているなら教えてください
 ・・・完全な形で聞いたことがないんです・・・
 そして、歌詞はセネカたち一家を表しているようで、結構複雑な気分になれるかと思います。

 次に、キャラクターについて色々と。

  1:相沢祐一
 今回、彼が記憶を封印した理由を考えてみました。
 辛いことがあったから記憶を封印するといいますが、実際にはそうなることは稀です。
 逆に、そのせいで分裂症になったり、精神を乖離(多重人格化)することがほとんどです。
 そんなことを考えていた中から、今回の話の「精神の分離」というネタができました。
 彼も自分の魂を取り戻し、彼にとって新しいスタートではないかと思います。
 誰に対しても優しさを忘れぬ彼は、いい父親になるのではないでしょうか。
 誰かを守り、そして共に歩むこと。
 それが彼のディシプリンであり望みではないかと思います。

祐一:でも、あゆが復活したことになってるんだろう?
   だったらいまさら記憶を取り戻しても問題ないんじゃないか?
作者:言うな!せっかくの感動ぶち壊し!

  2:水瀬名雪
 前回に続いてヒロインです。前回のあとがきで彼女について結構書きましたが、今回は「母」としての名雪を書いています。
 彼女の母親、秋子さんは親の鑑というくらいの方です。
 では、名雪はどんな母親になるのだろう?という観点から、今回の話が生まれました。
 そしてもう一つ。彼女は「父親」を知りません。
 父を知らない彼女は「両親がいる家庭」を知らないわけです。
 無論それは彼女にとって何の問題でもありませんでした。
 それでもどこかで「両親がいる家庭」を望んでいたとも思います。
 彼女が祐一を好きになった(=家庭を作ることを求めた)ことがその証。
 それはどういうことなのか考えること、それが「名雪のディシプリン」です。

 加筆した3人の家庭生活は、書いていて結構楽しかったです。
 秋子さんやあゆ、真琴も含めた彼らの姿も描きたかったと、今にして思います。

名雪:一つききたいんだけど、エピローグって本編からどれくらい経っているの?
作者:秘密。
名雪:う〜、気になるよ。
作者:まあ、祐一がどこまで夜の生活をしっかり管理したかということだ。
名雪:(顔真っ赤)う〜〜〜〜誤魔化してる。しかも言い方が酷いよ〜。


  3:相沢・水瀬・セネカ(七瀬瀬音香及びその両親)
 オリジナルキャラです。しかもKEYのお約束「死人キャラ(笑)」です。
 オリジナルを絡めるのは結構好きなのですが、彼女は自分でも気に入っています。
 モデルは特にいません
 が、小さい頃の名雪が髪を下ろした姿をイメージしていただけるとよろしいかと。
 彼女の姿は名雪と祐一の意識が作りました
 ゆえに七瀬瀬音香という子供の成長後の姿ではないのです。
 2人に似ているのはそういうわけです。だから娘というよりむしろ分身なのかもしれません。
 彼女の姿が確定した(=本編での姿になった)際に2人よりも若干幼いです。
 これは、彼女の死の瞬間の姿の影響です。
 つまり「赤ん坊である」意識が前面に多少出たため、年齢が若干下がったのです。
 背中の傷痕は、彼女の精神に「死の瞬間」が刻まれていたため、それが反映された結果です。

 実は彼女は、初期の構想では最初から名雪の体を狙って復活することを狙っている完全なる敵役でした。
 で、最後に祐一と対決するという構想でした。
 が、DEPART FROM THIS WORLDの反省点として戦闘は止めたいと思いました。
 それに、3話を書いているあたりで、祐一とセネカは絶対に戦わせたくありませんでした。
 なおかつ「純然たる悪意」はKanonらしくないという点で設定が大幅に変わって今の形になりました。

 また、彼女の両親の本名はそれぞれ「七瀬修司」「七瀬夏葉」となります。
 親が子を思う心は何よりも強い。
「家族愛」というテーマにからめて作り出されたキャラクターです。
 モデルは特にありません。
 結構怖いお二方でしたが、子を想う親は悪鬼にも菩薩にもなり得るということで。

 それ以外にも本編では、秋子さんと出会う姿が祐一の想像でありましたが、一度書いてみたい気もします。
 因みに生前は七瀬という苗字ですが、某乙女を目指す人とは関係ありません。

セネカ:で、結局誰から名前考えたの?
作者 :VENOMというサークルで活動している或土(あると)せねかさんだ。
    漢字は海辺の街ということで、浅瀬の音と香りをイメージした。
セネカ:Kanonのアンソロジーでも活動しているね。ところで、名前使うってこと言った?
作者 :うぐぅ……大丈夫だろ?
    キングダムハーツの同人誌を認めないディズニーじゃないんだから………
セネカ:つまり、完璧に勢いだけで決めたんだねっ。
作者 :やかましいわい!!


  4:遠野美凪(及び遠野家の人々)
 AIRからのゲスト出演です。若干AIRのネタバレになってしまいましたが、まあご愛嬌ということで・・・
 7年前の2人を助ける役割を演じさせたいということで、彼女に白羽の矢が立ちました。
 彼女はAIRの美凪編を終えられた方ならご存知でしょうが「死を乗り越えた」人です。
 そういった意味から、2人を導く役割を持ちました。
 問題と思うのは、AIRのキャラクターをどこまでゲストとして使って良いかです。
 彼女の場合は、許されるか否かのぎりぎりの境界線上にいると思います。

 遠野家の人々は、私の完全なる想像になります。
 美凪の母は本編では声しか登場してないので、下手にオリジナルの描写は止めようとあのような形になりました。
 が、美凪の父は浅田次郎の小説「鉄道員」の主人公「佐藤乙松」がモデルになっています。
 雪の中で一人ホームに立ち、旗を振って列車を送り出すという描写はそのあたりから来ています。
 高倉健さんの、素晴らしき演技に乾杯(謎)
 因みに、コミック版で登場したキハ12型は、今は北海道のどこ探してもありません。
 後継機種である22型は江差線周辺で昔使っていましたが、今はもう使われていないはずです。


美凪:ぽっぽ〜・・・ですか?懐かしいですね、お父さんも言っていました。
作者:なるほど、そんなものか。
美凪:でも、あとがきとはいえ鉄道マニアにしかわからないネタはどうかと思いますが。
作者:いいだろうが別に。
美凪:反省のない子はおしおきです・・・えい、17分割。

 すぱっ、ぶしゃっ、どろっ!

作者:ぐあああ・・・なんだそれはっ!
美凪:「直死の魔眼」です。ご存知ありませんか?
作者:同じ遠野でも・・・キャラ違う・・・がく


  5:水瀬秋子・月宮あゆ
 メインとなるのは上記の4人なのです。
 が、Kanon純正キャラが2人だとKanonの話ではないと突っ込まれそうだったので急遽出番を増やしました。
 彼女達ももう少し活躍させたかったとは思います。
 しかし半端に見せ場を作るよりは、サブキャラに徹しさせたほうが全体のバランスが良いだろう。
 そういう考えでこのような形になりました。

秋子:ですけど、やっぱり中途半端ですね。バランスとして。
あゆ:うぐぅ〜、だってボクたちはクライマックス直前に祐一君に色々言っただけだもん。
秋子:私達の出番を期待した方、申し訳ありませんでした。
あゆ:次に期待してね!

秋子:次・・・あるんでしょうか?
あゆ:うぐぅ、不吉なこと言わないで……


  6:佐倉芹香
 もう一人のオリジナルです。生前のセネカの血縁者ということで用意しました。
 ところが、あまり活躍する機会が得られず、彼女に関しては反省点が多いです。
 デザイン上のモチーフは特にありません。
 但し、服装などは「天地無用・魎皇鬼」の主人公「天地」の母親「阿知花」がそれに該当します。
 天地無用もいい話なのですが、OVA第3シリーズはまだかなあ……


 最後に、一言。
 某所の掲示板で、前作DEPART FROM THIS WORLDを複数の場所で発表したことに批判の意見が寄せられていました。
 こういうのを嫌う人たちがいるのも分かりますが、これはあくまでも管理人の了承を得てのことです。
 それに、複数のHPで発表したことにもきちんとした理由があります。

 それは「置かせてもらっているHPの管理者に自分が力を込めて書いた話を見てもらいたい」からです。
 大塚りゅういちさん、空理空論さんは、かつて別の縁で知り合い様々な意見をいただきました。
 それは自分にとって大きな糧です。
 2人へは、そのお礼という意味合いがあります。
 月渡ねこさんは、Kanonの小説作家として素晴らしい腕があると知りました。
 ゆえに、ぜひとも自分の作品を見ていただきたいと思ったことが理由です。

 無論、多くの人に見てもらいたいという私なりの理由もあります。
 しかし、複数の場所に作品を置く時は、きちんと管理者との間で取り決めたことだということを忘れないでください。


ご意見、ご感想などお待ちしております。

                   2002年 9月

             OROCHI(b963008t@tobata.isc.kyutech.ac.jp) 拝


 おまけ

真琴:やったぁ、ついに真琴がふっか〜つ!思えば本編と前作で2回も死んで、それでもようやく…
あゆ:あ、あのね真琴ちゃん。
真琴:なによあゆあゆ!せっかく真琴が復活して真琴の活躍が始まるのよ!
あゆ:そうじゃなくて、もう終わり。
真琴:え?どゆこと?
あゆ:今回は祐一君と名雪さんの話。で、もう終わっちゃったの。

(1分経過)

真琴:なによそれ!!聞いてないわよそんなこと!!
あゆ:だ、だって真琴ちゃんは「秋子さんの子供」として再生したんだよ。本編中では秋子さんのお腹の中だし。
真琴:あうぅぅぅ〜(泣)


Last Episode
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