『鈴問水天・亞凛参る!』


第17話「解放」

まろんと戦っている太助達(・・と言っても太助はやられたが。)
「次は・・私がいこう。」
しゅたっとキリュウが短天扇から、おりてくる。
「・・・万難地天さんか。」
「まろん殿!・・あなた弱みをにぎられていたとしても、
私たちをだましてたのだな・・・?万象大乱!」
石をかなりの大きさで投げる、当たったらかなりのダメージだ。
「!」
よけられずに、倒れ込むまろん。
「い・・いた・・・。」
「あの子、反射神経はないようね。」
花織がにかっと笑う。
「もう一回行くぞ。万象大乱!」
今度はそこらにいた蜂を大きくしておそわせる。
「・・・『王の言いつけ』」
蜂が、まろんの肩につく。
「あの女の子を襲うのよ。」
蜂がキリュウの所に行く。キリュウはあわててよける。
「さて・・と、こんどはどのカードがいい?」
ぱらぱらとタロットカードを引く。そして少し笑っている。
「・・どうやら、今のまろん殿は操られているらしいな。
・・さっきのは、操られていない頃・・・か。万象大乱!」
タロットカードを米粒みたいに小さくする。そしてしゃっととる。
「どうだ?なければ抵抗てぎないだろう。」
「・・・・私の・・・カード返して!!」
彼女が叫ぶとカードが浮き上がって、キリュウの方に攻撃する。
「くっ・・・!万象大乱!」
まろんに攻撃するキリュウ。だかよけられる。
「くっ・・・。少し傷がっ・・・」
「き、キリュウさん!」
シャオが走ってキリュウの方にむかう。だか楊明があわてて、止める。
「シャオリンさんが行くと、もっと被害が多くなりますよ。
いっきに二人やられるかもしれないし・・。」
「そうだよ、シャオ姉。キリュウ姉は強いんだから、きっと頑張ってくれるよ。」
「・・・はいっ!」
二人に言われてにこりと笑うシャオ。そして真剣に勝負の方を見た。
「・・・・万象・・・大乱!」
ゆっくりと立ち上がって万象大乱を唱え始める。
「痛っ!・・よくも・・やってくれた!」
まろんがキッと、キリュウをにらむ。
「神経質だなー。」
たかしがひそひそ声で言う。
「たかし君、そんなこと言っちゃだめだってば・・・。」
乎一朗があわてて言う。
「なんでなのだ?私はあなたに攻撃をしてないぞ。カードだけだ。」
「!!」
「・・・・カードに攻撃すれば、まろんさんに攻撃が当たるようですね。
その中でも、あるカードに集中攻撃すれば、いいですね。」
「ほんと!?楊ちゃん。」
「間違えないよ。・・でも・・」
楊明が有る言葉を言おうとしたとき!
「『鏡』」
カードから風がでてきた。しかも、キリュウの所だけだ。
ぼゅおおおおおおおお
「くっ・・・!」
「あなたをこの中に封印してやるわ!」
「あっ・・・!キリュウ!」
キリュウがカードの中に入る。
「き・・キリュウさん・・。」
「ふふふっ。上がりっ、上がりっ。・・次は誰が来るの?」
カードにはキリュウが封じられている姿があった。
「・・私が行きます!」
・・楊明だ。
「頑張ってくださいー楊明さん。」
「まっかせてくださいー!!・・さて。」
元気に手をふると、まろんの方を見る。
「あなたみたいな人があたしに勝てるの?」
「当たり前ですよ。・・あなたみたいな人、ちょっと弱点を知れば、
ルーアンさんもキリュウさんも勝てましたよ。」
それを聞いてむっとするまろん。そして震えながらカードを引く。
「ふうん・・。それは終わってから言って欲しいねっ!『つるの国』」
つるが楊明を襲う。
「来たれかまいたち!」
つるを跳ね返し、まろんの黒い服装をやぶる。
「・・どうです?これであなたのバリアーも無くなりましたね。」
あくまでもにこやかな楊明。みんなは応援する。
「・・確かにね。でも『あまのじゃく』」
まろんの姿があっというまに楊明の姿にある。もちろん黒い服装も、統天書もある。
「私の姿に・・。なるほど、あまのじゃくですか。それに統天書もあるし・・。
まあ、いいです。来たれ台風!」
あっというまにまろんをとばす。
「・・・。まだです!」
なんと台風の中から、飛翔球にのっている姿が見える。
「・・そこまで一緒ですか。来たれ真空!」
ぱんっ!とおおきな音がなったかと思うと、台風がすごい勢いで回り始めてる。
これならまろんでも・・・。
「消えよ台風!」
台風も消えてしまった。それでも楊明はひるまない。
「しょせんあなたは私のまがいものでしょう?私のすべては真似できないんですよ。」
にやっと笑って言う楊明だったが、まろんは、もっと高笑いをする。
「そんなこと言って私の傷一つつけられてないじゃないですか。」
「なっ・・・・」
そのころ見物者は
「本当にそっっっっくり・・・・。」
・・という一言がほとんどだった。
「来たれ上流気流!!」
それであっぷあっぷとおぼれるまろん。
「・・ぷはぁっ。何するんですかー。来たれ熱炎!!」
「なんですとー!!来たれ吹雪!」
「来たれ雷!!」
「来たれ突風!!」
「来たれ空気圧!!」
「来たれ真空!!」
勝負は互角。
「はぁ・・はぁ・・・」
「「ああ・・つかれた・・・」」
汗を拭く二人。観客者はどてっとした。
「・・なーんちゃって☆スキあり!来たれ熱湯!!」
まろんが楊明に攻撃をする。楊明はかかって、倒れ込む。かなりの熱さなのだ。
「・・卑怯な・・ことを・・。あなたそれでも私を真似したつもりですか!」
キッとまろんをにらむ。
「ふん。あまのじゃくはそーゆうものですよ。・・へらす口はあるようね。来たれ雷!」
「・・・くっ!」
負けずに言っていた楊明だったが、ついにダウン。
「よ、楊ちゃん!」
花織が楊明の側にいく。
「楊明さん!・・もう許せませんっ!私が行きますっ!!」
ぐっと支天輪をかまえたシャオがまろんの前に立つ。
「へええ、ずいぶん怒ってるのね。・・・なんで?」
元の姿になって、ふふっと笑うまろん。
「・・・・翔子さんに出雲さん、太助様にルーアンさんに楊明さん・・・・。
こんなにも傷ついた人がいるのに、怒らずにいられません!!」
「あなた・・。人が傷つけられると怒るのに・。じゃあ『光』」
ぱんっ
光が発射して、花織、ゆかりん、熱美、那奈がいっせいに倒れ込む。
それを見てシャオはわなわなと震え出す。もちろん亞凛もだ。
「こっこのやろー!!卑怯だぞ!」
「そうだよっ!!」
「・・うるさい。あなたたちはただそこでぐたぐた言ってるだけでしょ?
無力で役ただすなのよね。・・あなたもどうしてこんなやつらのことなんか。」
それを聞いてカチンっと来たたかしと乎一朗だったが、何も言葉がです、黙り込む。
「それは・・・・。この人たちのことが・・・大切だからです。」
シャオがその言葉を呟くとまろんの顔が真っ赤になる。それに驚くシャオだったが、落ち着く。
「来々北斗七星!!」
「・・『邪悪な霊』」
北斗七星と霊が戦っている時、まろんがシャオの側にちかよってきた。
「・・あなたは、この人たちのことが大切なの・・?」
「・・そうですわ。いっつもはげまさられたり、教えてもらったり、優しくもらえたり、 本当に大切な人達なんです。・・だから、まろんさん・・・・。まろんさん?」
まろんは震え出す。
「何よ・・。私なんか・・大切にしてもらえたことなんか・・・なかったんだから!!
・・・あなたなんか犠牲者よ・・・・。大切にしてもらってるから、そんなことが言えるのよー!!」
ばっと霊の力が強まる。北斗七星も辛くなる。
「北斗七星!!頑張って!!」
「私の気持ちはあなたたちなんかに分からないー!!!」
もっともっと霊の力が強まってまわりにいたたかしや乎一朗にダメージ。
「きゃっ・・・・来々塁壁陣!!」
これでなんとかみんなを守れるが霊の力は強まるばかり・・・。
「来々・・・きゃっ!」
ばっとシャオの手にカードが刺さる。
「くっ・・・。」
そしてその時・・・・・!
ずばっ
「きゃっ・・・・」
霊の攻撃がシャオに当たる。そしてついに・・倒れ込む。
「あっ・・・シャオ姉っ・・・・。」
亞凛がシャオの側によろうとすると、足がふざいだ。
「お次はあなたね・・?・・まったく、この四人とも結構たいしたことなかったわ。
・・みこどに私の罠にはまってくれちゃって。」
「なっ・・・・。」
むかっむかっむかっむかむかむかむかむかっ
「・・やだ、そんな顔で見ないでよ。」
くすくすと笑い出すまろん。だか亞凛の怒りは笑いごとではすまなかった。
「もう・・・許さない!!調子に乗って!!・・・この女を鈴問水天の名により、明よ!!」
すると、まろんの姿がはっと消える。だか透明になっただけだ。
「白感無!」
「まさかあれをやるつもりじゃ・・・いいぞー!!天使様ー!!」
そう、たかしが言ってるのはうの恐ろしい空間だ。地、無、天、炎、限の空間だ。
「風舞の空間!」
まろんが竜巻のようなのに、飛ぶ。
「あーあ・・・。ちょっと落ち着きなさいよ。」
まろんがふふふっとお気楽に笑う。
「地、無、天、炎、限の空間!!」
・・ついに出た。
「・・重いっ!!なんなの・・?この重さは・・?」
「ありゃゃあ、君、ダイエット少しした方がいいね。あははっ。」
「なんですって!?このっ・・・。」
カードをとりだそうとしたとき、カードもとばされた。
「いいぞー!!亞凛ちゃーん!!」
みんながいいっせいに手をふる。
「くう・・・。ほかにカードは・・・。そうだ、まだこれがあったんだわ・・。」
ぴっとあるカードを出した。
「『毒の匂い』」
まろんは自分はマスクでしているから、良いとしても、亞凛は毒をあびてしまった。
「どう?苦しい?」
「うう・・・。」
さすがに苦しいのかうなり始める亞凛。・・・がにかっと笑うと唱えだした。
「無の空間!!」
ぱっとあたりが暗闇になる。
「はっ!まっくら・・。なんで?・・・・・・・・そうか・・。ここは無・・。
あたし事態がなくなっちゃうわけね・・・・。まあ、いい。」
ふっとまろんは薄気味悪い笑いをうかべる。その異変に皆は気づいた。
「こんなやつ、我を裏切ったまがいものだし、使い物にならないし、死んでもいいか・・。」
「なっ・・・。そんなこと言ってまただましてるつもりなんじゃないの!
それで助けてもらえよーったってそうや問屋はおろさないんだから!!」
「ふんっ・・やってみるか?」
「ちょっと待て・・・・・。亞凛。」
ぐっと亞凛の足をつかむ太助。亞凛ははっと太助の側による。
「どうしたの?主ぃ、苦しいの!?」
「違うよ・・。その子はたとえそれが罠だとしても、助けてやってくれ・・・・。
亞凛、頼む・・・・・。」
「でも・・・っ!!みんなを傷つけたのにっ・・・!!」
「・・・わかってる。でもな・・・」
「・・・・しょうがないね。分かったよ、この子は助けてあげるっ。解!」
すうっと明るくなる。そのとたんにまろんは倒れ込む。
「あ・・れ・・・?私・・・ぐっ!!」
いままでくらった傷をおさえる。そこから血がとびたしてくる。
「大丈夫か?」
「太助君・・・・・。私の・・負けですっ・・・・。」
そしてついに気絶してしまった・・・・・。
「こいつは元は普通の人間だからな。今までの傷はそうとうのものなんだろう。」
「寡碎っ!!そういえばどこに・・・。」
「後で話す。今はとにかく怪我人をっ!!」
寡碎に言われて残っているものたちが怪我人を背負う。



太助の家−
「みなさん・・・。その・・すいませんっ!!」
いきなりみんなの前でぺこりと謝るまろん。
「別にそんなのは後だよっ。・・・質問していいか?」
どうぞとするまろん。
「じゃあさ、どうしてあんたは、いきなり神経質になったり高笑いしたりするわけ?
多重人格か?」
「・・・私いつも悪いこととかするときは、あーゆう風になっちゃうんです。
誰かに操られたり・・・・。おぼえてないのもあるんですけど。」
「はいっ!」
次は花織。
「あのおー・・・。それって誰かに操られているって事ですよね?誰にですか?」
「それは・・・その・・・おしえたら・・・
私だけでなくみなさんが殺されてしまうかもしれない・・。」
少し困った顔で話すまろんにけろっとする皆。(殺されるって言うところでは少しいやだったが。
「何いってるんですか!あたしたちには精霊がついているんですよ!」
「そうです!そんな人へでもないですって」
自信たっぷりに言う二人にまろんは少しほっとしたような顔をして話し出した。
「私は、ある中三の春の時の帰り道に・・。
黒い服を着てて、髪は紫で少し顔が見えないって感じの人に出会ったのです。
その人が私に『一週間に一回私の所に来なさい』・・って言ってたんです。
だから、行っていました。そして私のほしいものを何でもくれれたのてす。
だから、いい人だなって思っていたときにその人が私に告げたのです。
『さんざんあなたのゆうことを聞いてあげた。だから今度は貴様が我の言うことを聞くばんだ』
と言ったのです。それから私は操られて自分で人を傷つけられたりして・・・。」
まろんは途中で泣き出した。みんなは励ます。
「その言うこととは?」
「・・私まず本当は転校生の寡碎くんを殺せと言われていたのです。
だからまず心を傷つける方がいいって言われたんだと思います・・・。
だから仲間たちを殺して心を傷つけた方がっ・・・・・・・・。」
「なんでそんなのをいったんだろう?」
「ほんとよね。寡碎はそー簡単に怒らないって言うのに・・・。ばかなやつ!」
ルーアンがバカにしたように笑う。
「その次に私は誰かの力が必要でキリュウさんの力を借りようと屋上へと呼び出しました。
それで太助君達にテープを聴かしてここに・・・。」
「あの霊はなんだったのだ?」
「それは、皆さんが私に信頼を与えるための罠・・だと思います。」
だんだんしんこくになる顔。
「あのお・・・なんで私の統天書にそのこととか消えてるんでしょうか?」
「私の力で読めなくしました・・すみません。」
すまなさそうに謝るまろん。楊明はいやいや、という顔をする。
「・・じゃあ元に戻してくださりますか?」
「それが・・・今の私ではできなくって・・・・。」
少し鳴き声で言う。楊明は困った顔をしていたがそのうち笑顔になっていった。
「じゃあ・・そのタロットカードかしてくれます?」
楊明の問いにまろんはあわてて出す。
「これがタロットカードですか・・・。どうですか?カサイさん」
「何がだ?」
「何か妖気は感じますかって。」
「む・・・。確かに感じるな。だか今はうっすらとしているな。」
それがどうした、という顔のカサイ。
「あのさあ、もしかして・・・その妖気が無くなったらこのまろん姉は解放されるって・・こと?」
「そうです。よく分かりましたね、亞凛さん。最近ぼけてきたあなたなのにね。」
くすっと笑う楊明。
「でもなあ、そんなことできるのか?」
「やっぱりそのまろんを操ってたやつを倒すしか方法はないわね・・。」
むずかしい顔になって考え込む皆に気を晴らそうとシャオがお茶を持ってくる。
おかしも。
「これ出雲さんからもらってきたお饅頭と和菓子なんです。良かったら食べてください。」
にこりと笑う説明より先にルーアンが目を輝かして食べる。
「きゃ〜♪おいし〜い・・・ルーアン幸せ〜」
「まろんさん、良かったらどうぞ。」
「・・・はい。あの・・・・どうしてそんなに私に優しくしてくれるんですか?」
不思議そうな顔で皆をみつめるまろん。
「何いってるのよ!すぎたことを気にしないーの。」
「別に全然迷惑じゃないから、ねっ。」
「・・・ありがとうごさいます。」




第18話「学校でおこったハプニング」

「暑い・・・・。なんとゆう暑さだ・・・・。」
「それくらい我慢しなって。もう夏なんだからしかたないよ。」
暑がっているキリュウと扇風機にあたっている亞凛。
「しかしな・・・・。この暑さは・・・。」
「キリュウちゃんと亞凛ちゃん。冷たいジュース持ってきたよっ。」
ドアから入ってきたのはまろんだった。
前回の人騒ぎがあるため、ここでしばらくくらすことになったのだ。
・・・・だか前より元気になったようでちゃんづけしたりしているらしい。
「あ、ああ・・・・。ありがとうまろん殿・・・。」
「んーおいしー♪やっぱカルピスは最高っっ!」
がちゃ
「はあ・・・。やっぱりだめです。」
ドアから入ってきたのは金髪の女の子楊明だ。
「どうしたの?楊明姉。」
「あ、亞凛さん。実はまろんさんを操っている奴をさがしてたんですけど、
一応ちょっとぐらいはわかったんですけど、必要な分はやっぱり消されているんです。」
ちょっと困った顔の楊明。
「・・・・でもさ、また何かどんどん分かってくるかもしれないし。気楽にいこーよ」
「・・・そうですね」



ところかわって花織の家。
「ああ・・・なんかつまんない・・・・。誰か遊びに来てくれないかなあ。
そうだ!ちょっと学校に行ってみよう!今日ゆかりんがなんか行くって言ってたし。
行って来まーす!!」
だだっと元気に走っていく花織。
そう、ゆかりんが学校のプールで遊んでいるらしいのだ。
「あっそうだ!ついでに熱美ちゃんと楊ちゃんもさそおっと♪」


「えっ、プール!?」
「そ、プール♪こんなに暑いんだし。どう?何なら七梨先輩とかもさそって・・・♪」
「もしかしてそれが目的で来た?」
花織はちょっとぎくっとする。
「でもプールかあ・・・・。うん、行ってみよう。あ、亞凛さん。
亞凛さんもどうですか?それと頼みがあるんですけど・・・。」
「え?」



「おーいゆかりんっ。」
「あっ、花織!!それに熱美ちゃんと楊ちゃんと亞凛さんまで。どうしたの?」
「どうせならみんなで来た方がいいと思って・・・・あれ?楊ちゃん?」
ぞはに楊明と亞凛がいない。3人はあわててさがす。
その本人は更衣室で着がえていた。
「さて、いいですよ。」
「空の精を鈴問水天の名により明せよ!」
すると楊明の持っていた浮き輪が透明になる。
「よーし、これでよしっ!」
「楊ちゃん!」
その声にびくっとする楊明。
「どうしたのよ?急にいなくなっちゃって・・・・。」
「なんでもないよ。それより早く着がえましょ。」
少しあわてた感じだったが、花織達は着がえる。
実はなぜ浮き輪を透明にしたかと言うと楊明の背はプールに届かないのである。
「おーい。着がえたぁ?」
「はっ早いですね・・・亞凛さん。」
「だってねー・・・。」
それは亞凛の水着を見れば分かるもの。
「できました・・・。」
そして皆がいできあがったもの。
「って亞凛先輩!」
亞凛の水着は下はやぶれたスボンで上はあつうの水着でおへそがででる水着なのである。
ボードなんかもある。(もちろんサングラスもかけている)
「さすがスポーツ少女・・・。」
と感心している二人であった。
「で楊ちゃんは・・・。」
楊明にしては少し派手な水着であった。オレンジの水着なのだ。もちろん眼鏡ははずしている。
「くぅーっ二人とも可愛いなあっ。あたしももっとおしゃれしてけばよかったあ・・・。
なんせ今日はひまわりの水着なんだもんー。」
花織が涙声で言う。
「花織・・・。それより楊ちゃん、浮き輪は?」
「今日は透明浮き輪なのよ。たまにきすいすい〜っとおよぎたいってね。」
へええ〜っと二人は言う。
「さーて、ボードで泳ぐぞ〜っ!!」
「ちょっと亞凛先輩。そんなに広くないですよ・・・。」
「だったら大きくしたらいいじゃんか、ね。楊明姉。」
ちらっと楊明を見てウインクをする。(おいおい)
「えっ、でも・・・。」
「透明にしてあげたお礼だよ、ね?」
「・・わかりましたよ。まったくあなたはマイペースで無茶苦茶ですねえ・・。」
呆れながら統天書を開く楊明。
「空の精が地の精の力を借りよ・・万象大乱!」
するとプールが学校のはばまで大きくなる。
「さあ!どんどんあそぼー!!」
ひょいっとボードで泳ぐ亞凛を見ながら溜息をついたりしている楊明達。
「さて・・と。私もおよごっかな。・・あれ・・・・?そういえばこのプールって・・・。」
「どうしたのー?早くおよごーよ。」
「あっはい。」
たったった・・・。

ぴんぽーーーん
「は、はあい・・・。」
夏ばて気味のキリュウは遅れながらドアに出る。
「・・あれ?亞凛は?」
「しょ、翔子殿・・・。亞凛殿に用があるなんて・・・珍しいな、どうしたんだ?」
よろよろになりながらも翔子に話す。
「ちょっとな。・・・・あがらせてもらうぞ。」
「ああ・・・・。」
そしてキリュウの部屋に行った翔子。
「で?どこいったんだよ?亞凛は?」
「楊明殿と一緒に学校のプールにいったぞ。・・・・また私の力を借りて。」
「ふーん・・・・。え、プールに!?」
翔子が驚いた風にキリュウを見る。
「あ、ああ。・・・そうだか、どうしたんだ?」
「あのプールはのろわれているんだよ!
午前11時になると手があたし達をひきずりこむんだぜ!」
翔子のいったことに少し驚いたキリュウ。
「それは大変だ!急いで行かねば!」
「ああ!」



そしてプールでは・・・・・。
もう午前11時がまわらんとしていた。
「はあはあ。楽しいねー、ゆかりん。」
「本当。このプールなんか呪われてるって言ってたけどさ。どこがなんだろー?」
ぽーんとボールをはじきかえすゆかりん。
「あれれ?でもなんか人が少なくなってるよ。もしかして・・・・。」
ざばっ。
「きゃあっ!!」
みんな(亞凛と楊明意外意外)が叫ぶ。プールから手が出てきたのだ。
「た・・・・大変!!亞凛さんっ。」
「うん!!」
「来たれ氷河・・・。」
「なげ!」
楊明が氷河を呼び出して亞凛がそれをなげる。
ガッ!!!!!
大きな音がして手がプールに戻る。・・が花織たちはもうプールの中にひきずりこまれてしまった。
「・・とにかくプールの中に入ってみよう!!」
「そうですね。どっちにしろこの状況をほっとくわけにもいかないし。」
そういってプールの中に入った。


そのころ翔子とキリュウは・・・
「・・はあはあ。」
すでに学校についていた。
「げぇっ!!もう誰もいないじゃんかよ。」
「うむ。・・・・このプール何か怪しいぞ・・・。一回中にはいってみよう。」
「・・だけどなあ。」
「うだうだ言わずに行くぞっ!」
「ちょ・・ちょっとまて!」
嬉しそうにプールに入るキリュウ。
プールは冷たくてきもちいから早く入ってみたかったのだろう。


花織は・・・。
「・・んもうっ!!どこなのよ、ここはー!!」
ヒステリーをおこしていたのだった。たしかに起こすのもわからないことはない。
「・・でもどうして息ができるのかな?それにプールの中ってこんなに広かったんだ・・・・。
なんてちがうよねっ。」
ぶつぶつ言っていると・・・
がっ!!
「きゃあ!!」
転ぶ花織。
「だっ・・・誰!?あなたは?」
そう、花織の前にたっていてたのは
黒くて長い髪をしていて少し変わったかっこうをしていて弓矢を持っていた女性だった。
「・・・私は戦助光天李撲(せんすけほうてんリプー)・・・。」
「え・・・?ということはシャオ先輩たちと同じ精霊・・・・?」
リプーは黙って頷く。しばし花織は悩んでいる顔をしている。
「・・私と勝負する。よろしか?」
「・・わかりました。その代わりあたしがかったらあたしの精霊になってくれますよね?」
「・・それ戦いの掟ならば私従う。」
その反応に少し呆れたような顔をした花織だったが、こくっと頷く。
「では、そちらからどうぞ・・。」
「はっはい。」
(まいったなあ。相手は精霊なのにいっ!!で、でもやるしかないわよね・・・。)
「・・といってもどうすれば・・・そうだっ!!
あのおー、ちょっとハンデとかしてくれます?」
期待してそうな顔だったがリプーは顔を横にふる。
「ハンデだめ。それ戦いと違う。」
「なんでですかあっ!?人間と精霊じゃあ人間が勝つに決まっているでしょう?」
「だめって言ったらだめ!・・そうだな、そなたが知り合いの精霊の力をかりるのなら良いぞ。」
「ええっ!?そんなこと・・出きるのですか?」
「ああ。では・・・どの精にする?」
「え〜っと空の精!」
「空の精・・・。楊明君か・・。よし、空の精の力をこの娘に与えよ」
ぴかあーっと花織の体が光り姿形が楊明そっくりになる。
「ではあらためて・・・」
「よ〜し行くぞお!来たれ台風!!」
おかまいもなしに自然現象を与え始める花織。
楊明になってるということで頭もすっきりしていて自然現象を操れることになっているんだ。
「もいっちょ!来たれ炎!」
炎の台風になった。
「よ〜し、これで良し!あとはっ・・・。」
そういうとリプーが矢をかまえてこちらをにらめつけていた。
「・・・・・。」
だか無言でこちらを見つめなにやらぶつぶつ言っている。
「・・・・主人の恨みは我の恨み。地の果てまで追いかける・・。
その怒りは光天の心にあり、我の心にある・・・太杢懺心!!」
そう唱えたとたん矢を放つ。すごい勢いで・・・。
「きゃあ!!」
花織は地面に倒れ込む。
「・・・・これでおしまいか?」
「ま・・まだです。来たれ地震!」
ぐらっぐらっ
「ほう・・・。だか本当の楊明君ならもっと違う手を考えただろうな・・。」
「い・・・いちいちうるさいですね!!私には私のやり方が・・・。」
と、言おうとすると矢がはねかえってきた。
「きゃっ!!な、なんで?」
「さっきのをそなたはよけたのだ。この矢は当たらないかぎりどこまでも行く・・・・。」
「なんですってえ?くぅっ・・・・どうすれば・・・
そうだ、この矢を破壊すれば・・・来たれ雷!!」
矢に雷を放つ。だが・・・・
ぱしゅっ!
矢がとびちって中から光の玉が花織をおそう。
「きゃあっ・・・・」
ついに気絶する。
「死んだか・・・・。やはり楊明君と普通の人間とでは能力をえても・・・。」
立ち去ろうとしたとき、花織の手がリプーの手をつかみ・・・。
「む・・・?」
「まっ・・・待ってください・・・・・。
あ、あたし・・・負けられないんです・・・。だから・・・・・。」
よろよろになりながらも必死に立つ花織。
「・・・・やめよう。」
「・・・・え?」
「こんなハンデのある勝負なんて私はきらいだしな・・・。
しかたない、そなたの精霊になろう。」
「ほ、本当ですか!?やったあー!!」
「・・・あまり飛び跳ねては傷に響くぞ。・・・とにかく傷のてあてを。ヒーリング!」
花織の傷をいやし、一息ついたところで・・・・
「・・・御主人君、そなたの名前は?」
「あたしは、愛原花織ですぅ♪」
「そうか・・・。よろしくな、花織君様・・・。」
「うんっ!・・・・はっ!いっけなーい!ゆかりんたちのこと忘れてたー!!」
「ゆかりん?」
「とにかく急ぎましょう!!」

つづく




第19話「気づく者・気がつかない者」

「ど・・・どうしよう・・・ゆかりん、あの怪物・・・あきらかに私たちをねらっている・・。」
「ほ、ほんと・・・。」
震えながら抱きつきあうゆかりんと熱美。
ずじゃ!!
「きゃあ!!」
「あ・・・あれ?」
「へっへー、あたしだよ。」
「花織?・・と!?」
花織の後ろにいたのは背の高い女性だった。
「あの・・あたなが私達を助けてくれたのですか?」
熱美の問いに頷く。
「この人は戦助光天リプー。あたしの精霊なのっ♪」
花織の言葉に驚く二人。そして自己紹介を始める・・。
「あの、私熱美ですっ!なかよくしてくだざいっ。」
「私はゆかりです。ゆかりんって呼んでくださいねっ。」
慌てながらもしっかりと話す二人にリプーは“ふっ・・・”と笑みを浮かべる。
「よろしく、熱美君にゆかりん君。」
そしてくるっとそっぽをむいた。
「ねえ・・・あの人ってなんか綺麗ね〜」
「本当っ・・・・。ルーアン先生とは違う大人の魅力を感じられるよねぇ」
熱美とゆかりんがひそひそ声で言う。花織は呆れたように言う。
「何言ってるの?今からリプーが宿敵の話をしてくれるんだからちゃんと聞かないと!」
そしてリプーがこっちをむき、静かに話し出した。 「貴方(あなたって読むんじゃなくてきかた)達の宿敵は以前の私の主・・・
すべての精霊の力をつかえるという・・・千破羽(ちはう)君様・・・。」
【すっすべての力を操る!?】
「ああ・・・だかちょっことだかな。精霊だってそれぞれ切り札をもっているわけだし。
それを使えるわけではない。」
落ち着いた顔で話すリプーに花織達は唖然としていた。



「いたた・・・・う〜ん重い・・。」
「楊明殿!!私はそんなに重くないぞ!?」
「き・・・キリュウさん?」
キリュウと楊明は目覚めた。
「まったく・・やっと目覚めたか。」
楊明は黙って統天書をぺらぺらとめくり、あるページで止めた。
「・・・・ええと。つまり・・・ええっ!?」
「何を一人で騒いでおられる。説明さられよ。」
「・・・あ、すいません。実は・・・」


「すべての精霊の力を操る・・・!?」
「ええ。それに花織ちゃんは戦助光天李撲さんにあってるようですね。」
「リプー殿と!?ああ、よかった。私はあの方とは気があうからな。」
少し嬉しそうに言うキリュウ。
「キリュウさんと気があうんですか・・・じゃあ無愛想なんでしょうね。」
とぼそっと言ってたがもちろんキリュウの耳にとどいた。
「・・・リプー殿はそんなに無愛想ではないぞ。少なくとも私よりは。」
「やけに素直ですねえ。見直しました。」
「そ・・そうか?えっと・・・」
照れ始めるキリュウ。楊明はくすっと笑った。
「・・・・そうだ。今度リプー殿に遊んでみてはどうだ?きっとおもしろいぞ。」
「ええ?どーゆーことですか、それ。」
「それはリプー殿は全然挑発とかに惑わせない、怒りをおさえられる者なのだ。」
「へえ・・・誰かとは大違いですね。」
「そうだな。」
「何かまわりがやけに静かですね。どうしてでしょうか?」
きょろきょろと周りを見る楊明。
すると後ろから人影が見えた。
「誰だっ!!」
と短天扇と統天書をかまえて戦うモードに入る
「ちょっと待ってよ、あたしだって。」
「・・翔子殿?」
「ちょっと待ってくださいよ!なんで山野辺さんがここに!?」
「ここへ行く途中に会ったのだ。」
それで楊明は納得すると紙が落ちてあることにきずく。
「なんですか、これ・・・えぇーと『山野辺翔子に強い試練を与えよ』ですって。」
「・・はあ?あたしに?」
「うむ、良いことだな・・・では・・」
やる気満々のキリュウに翔子をあたふたとする。
「ちょ、ちょ、ちょっとまってよ。罠かもしれないだろう!?」
楊明は溜息をつくと統天書を読み始めた。
「罠ではないです。」
「ほら、私も翔子殿に試練など与えたくないか・・・試練だ、耐えられよ。」
びしっと言うキリュウに呆れ顔な翔子。
「わかったよ・・。あーあめんどくせー。」
背伸びをするとかまえる。
「でも『強い』ですからねぇー・・・」
「万象大乱!」
珊瑚などを大きくするキリュウ。翔子は驚きながらもよける。
「いってー・・後でおぼえてろよ!」
【後はないかもね・・・うふふふふ】
「!?・・・てめ・・・もしかしてあたしを殺すわけじゃないだろうな!」
「?」
【さあ・・ね・・・】
そしてガッと二人の服をつかむ翔子。その様子に驚いた二人だったが慌てて試練をする。
「来たれ空気圧!」
ぱんっと翔子の手がはなれて下にずずずっと下がる・・・・。
「来たれ真空!!」
げほげほっ・・・
「この野郎・・・」
「試練だ、よけられよ。万象大乱!」
「おわっ!」
「来たれ竜巻!」
「おわっ!」
「うーむ、さすがです、山野辺さん。」
「今回の試練は竜巻の中に入り・・・」
その言葉でずいっとキリュウと楊明の頭をがんっ!ときつくたたく。
【ううっ!】
「ふさげんな。あたしはそんな試練まっぴら・・・」
翔子が逃げ出そうとしたとき・・
「万象・・・大乱」
石でとうせんぼをした。
「試練の途中で逃げたすのは情けないぞ。」
「山野辺さん、試練をやらないと最も強い人ず私達をやっつけにやって来ますよ。」
「・・わかったよ。」
「では・・・来たれ突風!」
「万象大乱!」
「・・・・っ!!」
翔子はずいずいと歩いてくる。だか途中で後ろにさがったりした。
「う〜、このぉ!!」
「翔子殿、がんばれ。」
「・・・・」
なんとか二人の元に行けた翔子。
「七梨の試練がこんなに強い物なんてな・・・。」
はぁはぁとして呟いた。無理もない、翔子だってキリュウ達の元に行けるのがやっとなんだから。
「これはまだ序の口だぞ。翔子殿。」
「ちょっとまってくれ。この試練はどれくらいまで・・」
「山野辺さんが気絶するまで、です。」
「ええっ!?」
驚いた顔で楊明を見る二人。楊明はてへへ、と舌を出した。
「冗談ですよ。えっと・・【それは自分達で決める】らしいですね。」
「・・・そうだな、ゴールを決めとくか、あそこまで。」
「ええっ!?あんなに遠く!?」
キリュウは黙って頷く。翔子は溜息をついた・・。



「んー、どこかなあ?みんなは・・。」
亞凛だ。まだ誰ともあってないのできょろきょろしていた。
ずしゃ!!!
すごい炎の玉が亞凛の方にむけてむかってきた。亞凛はよけられずその場にくずりおちる。
・・・・がなんとか生きてるみたいだった。
「・・だ、誰だよ?」
「・・・こんにちは、鈴問水天亞凛さん。我は千破羽・・。」
「ちはう?変な名前ー・・・。」
亞凛は挑発したが千破羽は動揺しなかった。
「・・・・うちのあれを倒したそうだな。」
「・・・あれ・・・???あれって何だよお。」
「理解力がないようだな。万象大乱!」
すごく大きいものが亞凛の前にただすむ。
「これはキリュウ姉の能力・・・?なんでこんなことができるのっ!?」
千破羽は相変わらずくすくす笑っている。
「何がそんなに可笑しいんだよー!!!」
亞凛が怒鳴るとぴたりと千破羽の手が止まり・・・
「まだ気づいてないのか?私がまろんを・・・お前達を操ってたことをな・・・。」
「!!!」
「ふふ、驚いたか?まあそりゃあ驚くだろうな‥。
さてそなたの能力、使わせてもらうぞ。白感無!!白亜紀の空間!」
ぴかぁーと昔の空間になる。
「はくあき・・・?そうか、これは恐竜の時代の空間だなっ!!」
そう言うとどすんどすんと足音が聞こえた。
「うわわっ!!テラノサウルスだぁー!!でもこれくらい・・。えいっ!!」
キックをする。テラノサウルスは倒れ込んだ。
「ふっふっふー。これくらい精霊にかんしては朝飯ま・・。ぎゃっ!!」
今度はつかまえられた。
「水雨美!!」
ぴかぁーっと光ったかた思うと釜で恐竜を倒していた。
「ふう、まったく・・・ん?」
北の空から赤くなってるのが見える。
「なんだあれ・・・?」
ごごごごご・・・
「げえっ!?隕石!!」
それにあたふたと逃げる亞凛。だが・・・
ぐっ!!
「う゛っ!!」
火の玉が亞凛の足にぶつかり、倒れ込む。
「いったいなー。何すんだよっ、この野郎!!ってかまず回復・・・。
って回復の術なんて持ってない・・・。」
そんなことをいってる間に雨も出てきた。


そのころ家ではー・・・
「・・ぐかー・・・はっ、あたしとしたことが眠ってしまったわ!!
きゃあ〜たー様とシャオリンは・・なにー!!お買い物デートですってえ!!
いそいで行かなくちゃっ・・・・。」
外に出ようとしたとき・・・・。
がちゃ
「あら?ルーアンさん。」
「きゃあっ、びっくりしたぁっ!!」
驚いた表情のルーアンに二人はきょとんとした顔で見た。
「それよりキリュウと楊明と亞凛は?」
「・・・あら?そーいえばいないわねえ。」
「あっおかえりなさい。太助君、シャオリンちゃん。」
「あ、あんたー・・・。そーいえば何してたのよお?」
「あの、ついついいい天気だから、寝ちゃって・・・。」
その答えに呆れ顔になるルーアンだが自分が寝てたことも思い出して咳払いを一つした。
「それより無愛想娘と歩くなんでも辞典とはちゃめちゃ暴走バカはー?」
「・・・ルーアン先生もひどいあだなつけますねえ。たしかプールに行ってたらしいですけど。
友達の愛原さんと楊明ちゃんと亞凛ちゃんが言って、キリュウさんが翔子ちゃんの誘いで・・
っていうかなんか急いでたなあ。」
「じゃあもしかして昼食ただ食いしてくるかもな。」
「それはよかったですわ。ちょうどいっぱい買ったことですし・・・・。」
二人ともお気楽に行ってたがルーアンは少し考え込んでいた。
「あたし・・ちょっと噂を小耳にしたのよね。実は11時になるとあのプール、
人の手がでですいこまれるとか・・・。」
「何?」
「きゃあっ!!びっくりした〜・・・か、寡碎・・・。どうしてあんたそんな格好・・・。」
そう、寡碎の格好は、ミイラっぽかったのだ。
「・・いや、せっかく夏だし、肝試し大会でもやろうかと・・・。
それよりプールから手が出る、か・・・。使えるな。」
「なんてのんきなこと言ってるのよ!!キリュウ達がのみこまれたかもしれないのよ!」
「だからってあの3人がついてるんだろう?」
それに考え込むルーアン。
「まろんさん、何か心当たりとかないですか?
・・・そこにまろんさんを操ってる人がいるとか・・。」
「私は千破羽のいる場所を知らないです・・・・。」
その答えに はあ と溜息をつく太助達だったがシャオがぽんっと手をたたいた。
「ともかくそのプールに行ってみてはどうですか?
もしかしたら何か手かがりがあるかもしれませんわ。」
「それもそうだな・・・・。」
そして急いでプールにむかった。


「・・・やっぱりいないですね・・・・。」
「もしかしたら、本当に・・・・。」
これくっと唾を飲み込んでおそるおそるプールに向かう・・・・。
「たっ太助様!!これって楊明さんの浮き輪じゃ・・・?」
(透明はもう切れている)
「これは亞凛のボードだな・・・・。」
「やっぱり飲み込まれたんだわ。・・中に入るしかないけど・・・。」
「ちょっと待って!!」
急にまろんが叫ぶ。それにくるっとみんなが振り替える。
「あの・・・ちょっと占ってみていいですか?」
「占い?まあ、いいわ・・・。」
「太助様あ、占いって何ですか?」
「それは・・・え〜と・・・。」
ごたごた言ってる間に占いが始まる。
「学校にあるプールの運勢を調べたまえ!」
そしてぴかぁっとプールが光り、消えたかと思うとまろんがこっちをふりむいた。
「中に入るのはちょっとやめた方がいい。でもこの中で強力な者はむかった方がいい・・
が孤独になるのを恐れるな。・・・です。」
「ふうん、えーとあたしとシャオリンとカサイと・・・。」
「太助様は私のおそばで守らなければ・・・。」
「ちょっと待った!ラッキーアイテム、ラッキカラーは?」
「えっ・・・。」
まろんは目を丸くしてカサイを見る。だがちょっと咳払いして明るく答えた。
「ラッキアイテムははあと、ラッキカラーは赤です。」
「はあ・・・?
「太助様、はあとって何ですか?」
「シャオリン、こんなのよ。」
そういってルーアンがはあとの形の手にする。シャオはなるほど!という顔をしたが・・・。
「私が思うにはみなさんのはあとを使って倒せるのかなあ、と思うんだけど」
「そんなあほげた敵がいるわけ?」
「そんなの分からないですよー。うーん・・・・。」
「と、とにかく・・・必要な奴は行く、必要じゃない奴は残る!!」
といったが結局全員行くことになった。
そして行く前にルーアンのコンパクトを見る。
「ふーん・・・どれどれ・・まずはキリュウから。・・・無事そうね。
それに楊明もふりょーじょーちゃんもいるわね。」
ほっ・・・と肩をおろす皆。
「あの3人小娘は・・・。これまた無事そうね。・・・あら?この精霊・・・?」
「精霊!?」
そして太助がぐいっとコンパクトを見る。
「わー、やっぱり精霊だあ・・・。」
「まあっ!リプーさんですわ。こんなに元気そうでっ。」
「うーん・・・この子はちょっと苦手ねえ・・・。」
「りぷう?ああ、あいつか。」
そしてがわがわと言っていたらルーアンは亞凛にうつる。
「きゃあっ・・・!!」
「あ、亞凛・・・!!」
そう、亞凛は傷だらけで倒れているのだ。いや、死んでいるように見える。
「・・亞凛ちゃんはきっと千破羽と戦っているんだ。」
そして一斉にまろんの方を見る太助達。そしてまろんは少し戸惑った。
「ど、どうしたの・・・?」
「どうしたの?じゃないわよ!!あんた宿敵の名前しってんだったら言いなさいよ!!」
そう言ってルーアンがまろんの服をつかむ。
「だっ・・・だって楊明ちゃんが知ってたから・・・・。」
「・・そうなの?」
ぎゅっと服をつかむ腕が強くなる。してまろんはこくこくと頷く。
「じゃあ仕方ないわね。・・・さてと・・・日天に従う者は存し日天に逆らう者は亡ばん
  意志なき者我の力を持って目覚めよ陽天心召来!!」
そしてプールが意志をもつ・・・。
「よおし、これで私の意志のままよんっ♪さーとて陽天心プール。
中にいる小娘3人組と歩く何でも辞典と、
めちゃめちゃ暴走バカと無愛想娘とふりょーじょーちゃんをひっぱりだしなさい。」
そして陽天心プールが頷く。
そしてしばらくするとでてきたのは・・・・。
「きゃあっ!!!びっくりしたあ・・・。あっ!!ルーアン先生っ!!」
「あー、びっくりした・・・。」
「・・・・うう、苦しい、けほけほ。」
「・・・?」
そこには3人組と李撲がいた。
「花織君様、何か戦いか?」
「ううん、違うよ、リプー。」
そして次に出てきたのは・・・・。
「・・ぷはぁっ。なんなんですかあ?」
「・・こ、これも試練〜・・・・。」
「しょ、翔子殿、しっかりさられよ。」
そしてそれは楊明、翔子、紀柳であった。
「あら・・?陽天心プール、亞凛は・・?」
ルーアンが尋ねると陽天心プールは首をかしげる。そこでルーアンも首をかしげる。
「仕方ないわね。ちょっとコンパクトで・・・。」
そして皆もコンパクトの方を見る。そしてでてきたのは・・・。
「ひ、ひどい・・・・!!!」
みんながみんなそーいう顔になった。
亞凛が血だらけになって倒れてる姿があった。
「これは・・・・もしかして・・死んでるんじゃないの?」
「そんなあ・・・・っ!!!」
肩を落とす者と涙を流す者がいた。
「でも、まだ死んだかどうかわかりません。一応行ってみるしかないですよ。」
その言葉に全員が頷く。
そして彼らは危険な戦いへと行くのだった・・・!!

つづく




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