『鈴問水天・亞凛参る!』


第14話「寡碎、学校に行く。」

「主ぃー。朝だよ」
亞凛がひょこっとドアから、のぞきこんだ。
「早く起きないと、今日体育の授業(また頼まれた)10周にするよ。
主ぃたちには、疲れるんでしょ」
「ふわーい・・・。」
あくびをしながら、着がえる太助。そしてドアを・・・
「おはようございます、太助様。」
「あ、ああ・・・おはようございます、シャオ。」
「おはよん〜♪たー様。」
「お、おはよん・・・・ルーアン。」
「・・・お、おはよう・・・主殿。」
「おはよう、キ、リュウ。」
「ぐんも〜にんです♪主様」
「ぐんも〜にんぐです・・。楊明。」
そして精霊たちとの挨拶が終わった後、太助はふう、と溜息をついた。
(はあ・・・どんどん個性的な精霊ができちゃって・・。まあ、みんな可愛いから、
いい・・・・ってえっそーいうもんだいじゃなくてさあ・・・。)
「おっはよー♪主ぃ」
背中に抱きついた亞凛。
「お、おはよ・・・。もうちょっとましな挨拶できないのかよ。」
「いいじゃん、別に。今日はみーんな早起きだからね。」
そしてまたすたすたとリビングに行った。



「・・・おはようございます、主人」
少し寝ぼけ気味のカサイが起きてきた。
「あ、おはようカサイ。・・・・なあ、そーいえばカサイって学校どーすんだよ?」
「学校?なんですか?それは・・・。」
「・・・。なんか説明すんのが、めんどうだなあ・・・。
とりあえず、生徒と先生が勉強おしえてはい、さよなら。」
それにこくこくっと頷くカサイ。
「なるほど・・・。」
「私が思うには、カサイさんって背が高いですし、中三の方が良いでしょう。」
すいっと楊明が言う。
「じゃあこれから、先輩、と呼べよ。」
にかっと笑うと、外にでで行った。
「ぐぬ〜。」
亞凛がなぜか、くやしそうにしている。
「ねえっ。カサイっていやなやつだよねえ!?」
「たしかに・・・。意地悪い所もある。でも・・・。」
「顔だけは・・・、見込みがあるな・・。」
うーむ、と考える那奈。
亞凛もカサイの所にいこうと、外に行く。
「けっちゃくつけてやるんだからー。」



「見つけたぞー。水雨美!!」
水の剣を出した。
「なっ、何すんだよ・・・。亞凛?」
亞凛はきっとにらめつけた。
「だって、さっきこっそり亞凛に言ったでしょー。「けっちゃくつけてやるっ」
ってー・・・。だから、亞凛けっちゃくつけに来たのっ。もんくあるか!」
ふんっと鼻を切らす亞凛。
「だってなあ・・。亞凛だってたまには、楊明姉みたいに・・。人で遊んでみたいんだよぉっ」
カサイはぽかーーーんという顔をして亞凛をみた。
「でもなー、そのカサイが許してくれるかはどーかわかっんないんだよねー。
・・・とにかく、しょーぶ!!!」
亞凛は剣をカサイの方にやった。カサイはよけたが、石が透明になった。
「ほう・・・。触れると透明になるのか・・。じゃあ僕が反対にあそんでやろうか・・。
いくぞ、時よ、とま・・。」
どかぁっと、またもや剣をふってくる亞凛。
「そんなことしたら、亞凛が遊ばれちゃうじゃんかー!!!」
亞凛はますます猛烈に剣をふる。
「ちょっと待て・・。待てってば!!」
「待たないよっ。どーせなら、昔の主ぃとおばあさんの敵とってやるんだから!!」
そこでカサイの手の動きが止まる。
「まだそのことひきずってるのかよ・・。どうせ、時戻したんだろ?
だから、きっとそいつらは生き・・。」
「ちがうよぉ・・。もうきっと亞凛がいてもいなくっても、おばあさんも主ぃも死んでた」
「・・・そうか。」
「な〜んちゃって☆」
亞凛が、カサイを剣でたたく。
「なっ!?」
「ラッキぃ〜♪今日は亞凛の勝ちだよっ!」
そういうと、亞凛は逃げていった。

「へえ・・・。ここが、その学校ですか。」
カサイは、落ち着きながら、そんなことを言う。
「きゃーっ、見てよ、あの男の子っ。」
「転校生かしら?かっこいいわね〜。」
「私のクラスに入ってくるといいな〜っ。」
・・そんなうわさがひろまった。
「んじゃあ〜、職員室に行きましょ、カサイ。」
カサイはこくっと頷いた。



教室ー・・・
「うーむ・・。はたして、カサイ殿は上の学年にいくのか・・。」
「残念ですね、一緒のクラスがよかったですわ。」
二人が少し残念そうな顔をする。
「二人とも、何がそんなにかなしいんだ?」
たかしがすたすたと歩いてきた。そして話をきくと・・。
「そーいえば、あのこの前いたかっこいーやつか・・・。」
たかしは元気がなくなったのか、机にすわり、なにやらぶつぶつ言っている。




「今日は転校生を紹介するぞ。では・・」 ただいまここ、3ー1。カサイのクラスらしい。 「・・・・。時真闇天寡碎。」 「きゃーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!かっこいいーーーーーー!!!!」
周りの女子が叫ぶ。そこで男子や先生がびくっとする。
「あれ?寡碎くん、その剣は何?」
「幻天鬼だ・・・。文句あるやつはたたっきる。」
その言葉にほとんどがこおったが、質問した子だけが、“ふーん”という顔だった。
「で、では・・。中村のとなり・・・」
カサイはだまって座る。
「寡碎くんっ。あたし中村まろん。よろしくねっ♪」
その子は、さっき質問してきた子、おだんご髪で、マフラーをしていて、
くりっとした瞳の好奇心大せいの女の子だった。


「来たれ、嵐!!」
1ー3で楊明ははなにやら必死に統天書を見ながら、唱えてる。
「どう?楊ちゃん。」
「うん・・・。これは、とても協力な霊ね、倒せることは倒せるけど、
ここにいるみんなが、のらわれることになっちゃうよ・・・。」
「そんなのいやよ・・・。」
みんな震え出す。
「うーん・・。どうしたら、いいのかしらね、・・ともかく、精霊6人をつれてくるしかないか。」
そうすると楊明はくるりとドアの方をむき
「ちょっとまってよ、楊ちゃん。あなたがむこういってるまに、
霊が私たちにおそってきたら、どーすればいいのっ?」
「・・・しかたないわね、来たれ雷!」
そういって楊明は霊をしびれさしていき、じゅうたんを作った。
「すぐ来ますから。」
ぴゅっ


「大変です、シャオリンさん、ルーアンさん、キリュウさん、亞凛さん!!来てくださいっ。」
「どーしたんですか?楊明さん。」
「話は後です!!さっ、来てください」
四人はおろおろしながらも、なんとか来た。
「えっ!?霊?それは大変だな。えっ〜と、カサイ殿っ。」
「何か呼んだか、万難地天」
「万象大乱!」
あっというまに幻天鬼が大きくなる。
「亞凛殿!持ちあげて。」
「えっ?う、うん。」
亞凛はとまどいながらも持ち上げる。
「なるほど・・良い考えですね、キリュウさん。亞凛さん、それをふりまわすんですよ。」
「わかった、とりゃあ!!」
「さすが、亞凛さん、力つよいですわね♪」
お気楽そうに言う皆。
「少しはくらったようだな・・・。では、後は・・。」
言い終わる前に今度は霊の攻撃。皆はあわててよける。
「あらぁ?この霊さん、私たちの攻撃を真似してますねっ。
・・・人の真似をするのはいけませんよ・・・来々車騎!」
シャオが車騎で、攻撃!!だか霊はぱくんとのみこむ・・・。
「ちょっとばっちいわねぇ〜、いっくら何でもあんなもんあたしでも食べきれないわ!
シャオリン、もう一回車騎よ。」
シャオは少し驚きながらも、もう一回大砲。
「陽天心召来!」
大砲に陽天心召来をかけるルーアン。
「ふふふっ、すごいでしょ〜あたし。きゃ〜〜〜〜ルーアン頭いい〜〜♪」
「とどめですっ。来たれ地震!!」
その大砲は霊に直撃・・・・。しかも陽天心が加わってるので、倍象している。
「これでしばらく動けませんよね♪」
「ふう・・・一件落着というわけか・・・。」
皆がふぅと溜息をついた時・・・・・。
ばばっ
「ありゃっ!?」
亞凛がこの霊の手につかまれた。
「亞凛さんっ!?」
「油断も隙もない・・・・っていうことか。」
「ちょっとあんた!!亞凛をはなしなさいよ!!」
だがますます亞凛を握る手は強くなる。
「・・ぐぅ・・・っ」
痛がる亞凛。
【ふっ・・・こいつが一番よわっちいと見た】
その言葉に亞凛は・・・。
「何お・・・。ゆる・・・さないーーーー!!!」
亞凛の目は、紫色に光っている。
「そういえば、亞凛って切れると、紫色の目になるのよね・・。
その時はもう手におえないほど怖くなるのよねえ・・・。」
ルーアンが少し震えながら言った。
「シャオ殿みたいにか。」
「ふっ・・・・亞凛を完全に怒らせて無事だったものはいないんだからね・・」
「・・ちょっと待て。外でやった方がいいぞ。ここでやったら、学校が亡くなるから。」


そして外。
「じゃあ行くよっ。白感無!!地、無、天、炎、限の空間!!」
亞凛が唱えると、まず、その霊は・・・押しつぶされる。
【ぐあ!?重いっ・・・・。なんでた!?】
「それは体重が重ければ重いほど、重くなる地球の空間だよ。あれ・・・もうこれで終わり?
まだ四つの空間があるのに・・。よわっちいやつじゃなかったっけな。」
「なあ・・・ルーアン殿。」
「何よ・・。」
「亞凛殿って本当におこると怖いんだな・・・。」
【ぐあ・・・。これしきのことでは・・・。】
「そっか・・・。君は霊だから、あんまり重たくないんだねっ。
ちぇっ、残念だなあ。じゃあ無の空間へ言って見よー。」
そしてしゅっと何も無くなる。
【・・・・・!?】
「ここは無の空間。空気もなければ、光もない。人類もない。
そして自分もだんだん無にされていくんだよ。」
亞凛の声だけ聞こえていく。
【そんな・・・っ助けてくれ、もうそんなことしないから!!】
「本当・・だね?」
【ああ、本当だ!!約束するから・・・。】
「だめ。君のその瞳では、まだ信じられないんだもんっ。」
霊はふらぁっと、していく。正気がなくなったらしい。
「やっぱ“無”はあまりにも残酷すきかなあ。
ちょっとお仕置きあたえようと思ってただけなんだけど・・。ま、いっか。元に戻れ!!」
ぴょんっと学校の運動場に飛び乗る亞凛。霊も気絶しているが、生きていることはたしか。
そして今の状況をルーアンのコンパクトで見ていた皆は亞凛を偶然とした目で見つめている。
(もちろん太助もいる。)
「どうしたの?」
「亞凛。お前怖いな・・・。」
「えぇ?まあ白感無スペシャルバージョンはとっても強いわざだけど・・・。」
亞凛は?という顔をしている。
「あれって限の所では完全に死にますよ。だんだん協力になっているってことですね・・・。」
皆また震えながら亞凛の方をみつめる、亞凛は無邪気に笑っているだけであった・・・



そして・・・・・。
「やっぱりあの人のまわりにはいろんなボディガードがいるらしいわね・・・。
それじゃああたしも、精霊をやってみようかなぁ。ふ、ふふふふ・・・・・・。」



♪あとがき
・・・・・・・・。あーちゃんむちゃくちゃ怖いですよ、あんなの。
自分で書いててなんだかだんだん震えてきた・・・・。亞凛を怒らすのはきんもつ。
いつもはへら〜っとしてるぶん、怒るとかりこわいんだ。





第15話「怪しげな人物」

学校。
「あっ、おっはよーーーー♪寡碎くん。
「・・・・。」
すたすた。
「ちよっとまってよ、寡碎くん。あなたに伝えたいことが・・・・って。」
だが、カサイは無視をする。まろんはあっけない顔をしていたが、すぐふっと笑う。
「うふふっ。・・・・放課後が楽しみねっ。」
・・・・とにこにこと笑っていた。


「うむ・・・。いい味だ、亞凛殿。このスイカは・・・?」
「出雲兄からもらったんだよ。出雲兄って優しいんだね。」
「まあ、女性に優しいがモットーっていう人ですからね。あ、ちょっと私にもくれます?」
キリュウ、楊明、亞凛が仲良しそうにおしゃべりをしている。
「それよりあの昨日の霊はなんだったのだ?私には謎でしかたないな・・。」
「それが総天書にも載ってないんです。」
「えええっ!?そんなあ・・・なんでだろ?別に、たいした問題じゃないのにね・・・・。」
「うーむ・・・。」
「誰かに消された・・・とか?」
「それもあるねっ。」
「でも、その“誰”とは?」
「知ってたら苦労しませんよ・・。」
そしてしばらく考えこむ3人。
「・・・とにかく、お二人とも調べといてください、私も調べときますから。」
すると、たったと走っていった。
「じゃあ亞凛も、行くね。いい情報まってるからねーっっ」
亞凛が手を振ると、キリュウも手をふった。
「それじゃあ私も・・。ん?」
キリュウが座っていた椅子に何か紙切れみたいなのがあった。
「えっ〜っと、屋上に来られたし・・・。果たし状みたいなものか。
う〜む、何か試練になるかもしれぬな。」
そしてキリュウはやれやれという感じで屋上にむかった。



そして太助、シャオ、ルーアンは・・・。
「太助様、もう帰る時間ですよ。」
「ああ、わかってるって。・・・・ん?」
「どうしたの?たー様。」
「テープが入ってる・・・。」
「なんでテープが・・!?」
驚く3人。
「ちょっと一回かけてみたらどう?」
「でものろわれたり、しないでしょうか?・・・・でも、一応、やっといた方がいいですね、
もしもの時は太助様、私がお守りしますからねっ。」
ルーアンも負けじ、という。
「たー様、あたしがいるから、呪いがあっても、幸せにしてあげるからね〜。」
そしてテープレコーダでながす。
「しっ、ながれたぞ・・・。」
【・・・・・・。私、メリーさん・・・・今屋上にいるの。・・・・・】
ぷつん・・・・と切れた。
「何よ、これ。・・子供の遊び?」
「でも、ちよっとこわいですぅ・・。」
沈黙が続きながらも、帰る3人。
「た、太助様ぁ〜・・・・・ちょっと屋上にいってみませんか?」
横にふる太助。それもそのはず。
「俺たち死ぬぞっ。」
それで、二人の腕を引っ張る・・・。



「さあ、出てこい。さっきの果たし状、つけもらったぞ。・・・・。聞こえておらぬのか?」
「あっ・・・・すいません。今手が離せなかったもので。・・・。
果たし状なんかじゃないよ。あなたにちょっとたのみたいことがあっただけ。」
キリュウははて・・・?と思いながらも。
「・・・・といてみよ。」
「あなたのその能力。かしてほしいの・・・。」
「・・だめだ。信用ならんな。」
キリュウがすいっと言うが、その女の子は、ふんっと鼻であしらった。
「ねえ、どうしてもだめなの?」
その時・・・!
どしゃあああああああ
「あぶない!!」
「あっ!」
キリュウをかばったのは、カサイのクラスメイト、中村まろんだった。
「あ・・・大丈夫か!?ひどい傷だな・・。よし、そなたはそこで待っていられよ。」
そしてキリュウはすいっと立ち上がる。
「この前の霊の仲間とようだな・・・。万象大乱!!」
その言葉の直後に、太助たちが来た。
「ちょっとどうしたのよ!?」
「あなた達は・・・、実は・・・。」
「・・よし。あっ、主殿たち。えっと・・・。実は、この方と話していると、
急に霊がおそいかかったのだ。それで、この方は私をかばって・・・。
傷はなかったか?ええと・・。」
「大丈夫・・。私は中村まろん。」
「そうか・・。まろん殿か。ところでその頼みとやろを」
「えっ・・・?頼み・・・?ああ、そーいえば・・・。もういいですよ。ではっ。」
まろんはくるっと後ろをむき、たったったっと走っていった。



そして楊明、亞凛はー・・・・・・・
「ただいまー。あれ?誰もいないね、楊明ねぇー。」
「そうですね・・・。そのあいだにトランプでもしときますか?」
「わーいっさんせー!!亞凛は、ミルクもってくるねっ。」
だだっと、れいぞーこに走っていく亞凛。楊明はにこっと笑っている。
「はいっ、楊明姉の分!」
「・・・・ありがどうございます。さっ、何します?
ババ抜きは、二人だと、すぐわかってしまいますしねー。」
「統天書使うのはなしだからね。」
「わかってますって。うーん、何にしますか?」
二人が悩んでいるとき・・・・。
パシャ!!
「つ、つめた・・・。」
「これは、この前の霊!!は・・はくしゅっ!!早いところやらないと・・。」
「わかりました。来たれ熱風!!」
吹っ飛ぶ霊。
「とりあえずこれで安心・・・。でも寒いよ・・・。ぶぇっ。」
「亞凛さーん・・・。暖かい空間など出来ますか?」
「楊明姉だって出来るんじゃないの?まあ、いいやっ。白感無!
えっと・・・何の空間にすればいいのー?」
「あべこべの空間とか。」
「ああ、そっか・・。あべこべの空間!」
ぽわん、と二人の周りが暖かくなる。
「はあ・・・。暖かい〜・・・。ちょっと暑いぐらいかも。」
「とりあえず一件落着・・・。おわっ!」
霊が急に出てきて、二人を吹っ飛ばす。



「・・・・さん、亞凛さん。」
「ん・・・。あれぇ?ここは・・・。」
「どうやらバスの上・・・らしいです。あ・・・あれっ!?統天書がとられてるー!!」
「えっ・・・・?飛天美もないー!」
あわてる二人。
「あれ・・・?飛天美とは何ですか?」
「亞凛の武器だよ。みんなは『水雨美』って言ってたけど・・・。」
あわてながら、亞凛は言う。
「あーん、どうしましょう!!あれがなきゃ私たちはただのかよわい少女・・・。
はっ、まてよ。私には誰にも負けない知性があるし、
亞凛さんには誰にも負けない運動神経があるんでしょう。」
ぽんっと手をたたく楊明。亞凛はなるほど、と言う顔をしている。
「だったら、その知性で、ここから出る方法とか?」
しばらく考え込み・・・。
「あ、そうですー。亞凛さん、私をおんぶしてください。」
「うん、はい、どうぞ。」
「無茶かもしれませんが・・。このバスから、飛び降りてください。」
「・・うん、わかった。よぉーし、えいっ!」
ドンっ!!



「はー、なんとか行けたね。次は?」
「・・・・あ、はい。とりあえず家に戻りましょう。」
こくっと頷く亞凛。
「そういえば、ここどこだっけ?」
「あっ、そういえばここどこか忘れてたぁ!!・・・ちょっとおろしてください。」
楊明に言われておろす亞凛。
「統天書なしでもできる技・・・。んー・・・・。」
「楊明さんと亞凛さん!!」
少し大人っぽい声が聞こえた。・・・・それは・・・
「あっ、出雲兄だぁ!」
「どうしたんですか?こんな所で・・・。」
「はあ・・・。どうして宮内さんなんだろう・・。まあ、いいです。」
楊明はこほん、と咳払いすると、亞凛の耳にひそひそと話した。
「わかった。ねぇー、出雲兄。」
「はい?」
「統天書知らない?」
「統天書・・・・。そーいえばそれらしき本が、神社のカラスが、加えていましたねえ。
でもちがうとおもいま・・・。楊明さん?」
楊明はごごごごごごと、炎がもえている。
「な・・・。どうしてとってくださらなかったんですか!!
キザでもそれぐらいわかってくれてると思ったのに・・。
でも今は統天書がない今、天罰をすることができませんね、
亞凛さんもその時は、手伝ってくださいよ。では!!」
楊明はまた亞凛におんぶしてもらった。



宮内神社・・・・。
「よーし、カラスを探すぞー!!」
「おー!!」
ぱたぱたと探す二人。でもなかなか見つからず・・・・・。
「いないねー、カラス。カラスは頭がいって言うしなあ・・・。
こんな時に飛天美があれば・・・。」
「見つけましたっ、亞凛さん!!」
「わかった。捕まえるね!」
ひょんっとジャンプし、カラスを捕まえる。
「これで良し、と。」
「早く投げてくださいっ。」
楊明は興奮している。・・・そして・・・
「きゃ〜やったわ!やぶれていないようですね。心配してたんだから〜、わーい♪」
しっかりポーズを決めている。
「うふふっ。・・・・さて、飛天美の居場所は・・。こんな所にいたんですか、
亞凛さ〜ん。ちよっと待っててくだしさいね〜」
じゅうたんに乗って楊明は飛んでいった。その間に出雲が帰ってきた。
「亞凛さん!・・まったく、こんな所で無茶をしていらしたんですか。」
「出雲兄・・・。あっ、そういえば楊明が天罰を手伝ってくださいね、って言ってたっけな・・・。」
亞凛はすっと電信柱からおりると・・・
「無茶なんかじゃないよ。それより出雲兄!天罰、飛天美が見つかったら、するからね〜。」
「?」



「亞凛さ〜ん。」
「あ♪楊明姉ー。飛天美、見つかった?」
「はい、なんとか・・・。」
亞凛はにっこりと笑っている。
「よしよし。・・・ねえ、出雲兄に、天罰・・。」
「もちろん与えますよ。」
統天書をめくり出す楊明。それに気づいてあわてて出雲は、それを止める。
「ちょっ・・・ちょっとまってくださいよ!
たしかに統天書をとらなかったのは、悪かったですが、天罰なんて与えないでください!」
「・・・。私の大事な統天書が無くなったのに、あなたはそれをとらなかったんだから、
きっと私に何か恨みがあるんじゃないのでは?」
「だ、だから、そんなことは〜・・・。」
「目が泳いでいます。・・・わかりました。じゃあ亞凛さんにやってもらったら良いのですね。」
「はあ!?」
「それじゃあ亞凛さん、頼みます・・・。」
「え、あ、うん。」
よくわからん、と言う顔をしている亞凛だったが・・。
何か出雲がすごい事したんだなあ、と思い・・・。
「・・・でも、なんの空間にすればいいの?」
「例えば、ですね・・。」
「わかった。白感無!氷河期の空間!」
「ぎょえええええええええ!!」
震えだす出雲。亞凛は、少し可哀想かなあ、とおもっていた。
「まあ、これで反省をすることでしょう。さっ、亞凛さん、家に帰りましょう。」
「うん♪」
「ちょ、ちよっと待ってください・・・。」
「・・・しかたないですね、来たれ、炎!!」
ぼっ、ぼっ。
「ふう、何とか、助かったようですね・・。
まったくお二人とも。理不尽に攻撃するのはやめてください。
統天書と飛天美が無くなったくらいで、悩んで・・。
私に言ってくだされば良かったのにっ。」
ふぁさっ
「なんですって?」
「なんだって?」
いっきに二人の目つきが変わる。
おまけに最後のふぁさっ、がしゃくにさわったらしい・・・。
「飛天美は亞凛たちに、とっても必要なアイテムなんだからねっ。」
「そうですよ!・・それにせっかく助けてあげたのに、その言葉は!!
ひどすきます!来たれ真空!」
「げっ!?苦しい・・。」
そしてぱたん、と統天書を閉じる楊明。
「これでかんべんしてあげますっ。さっ、行きましょっ。」
亞凛の手を引っ張る楊明。少しふんって感じであった。
「楊明さんにとっては、ましな方だったかも・・。ごほっ。」




七梨家。もう太助たちも帰っていた。
「あ、楊明、亞凛。」
「聞いてよ!今日実は・・・。」



「その霊って一体なんなんでしょうか?」
「調べてみます。」
楊明がだまだまと統天書をめくる。
「そういえば今日の放課後も来たな・・。弱いやつだったから、良かったが・・。」
「えっ、ほんと?亞凛たちも一緒だったら、良かったのにー。」
身をのりだす亞凛。
「こ・・・これは!」
「どうした楊明っ!?」
「消されてるんです・・。」
ゆっくりと立ち上がる楊明。
「これは何者かに消されています・・。一度はあったもの・・。来たれ雷!!」
そのページに雷をおとす楊明。
「やっぱりびくともしません・・。じゃあどうやって、このページをけせるんでしょうか?」
「こほ・・こほっ。ちょっと楊明。どういう事よ!?」
「あ、そうだわっ。ルーアンさん。このページに陽天心をかけてください。」
「・・陽天心召来!」
だか何もおこらない。
「やっぱりだめか。」
「・・よーするに、そのページは何をやっても消せない、と言うことだろう?」
「・・そうですね。どんな強力なやつでも・・・。
それに、そんなことをやったら、統天書が壊れてしまう・・。」
悩み出す皆、その時・・・。
「なんだ、みんなあつまって・・。ん?それは・・・」
「あ!そうだっ、霊に詳しいカサイなら、どうするかわかるんだろー!?」
「なんですか、主人。・・・・・ああ、そのページを消せる方法ですか。
それは無理。それをやった霊をこらさないと・・。」
そしてますます悩み出す。
「とにかく、いつおそってくるか、分からないですから、誰かみはりをつけることにしましょう。」
こくっと頷くみんな。一体、どうなっているのだろうか・・・。




♪あとがき
ふー、今日は色々つかれた・・・。でも、この話はいつまで続くんだろう…
・・・?少なくとも、夏休みぐらいには終わるかも。





第16話「今日は任務日和♪」

しーんとしずまる七梨家。今日は学校が休みで、騒がしいはずなのだが・・・。
昨日の霊の話でしっくり来ている太助達。だかそれも気づかず、元気な者がいた。
それは・・・・
「はあ・・いい天気。きーめった!今日は任務をしーよお。」
そう、亞凛だ。カーテンを開けてにこにこしている。
「んー?どうしたの、みんなぁー。・・・・シャオ姉、朝ご飯は?」
「出来てますわ♪さっ、どーぞ。」
シャオも怖がってはいるが、元気にしているようだ。
「わあ。今日のおみそしるも味が濃くておいしいねっ!」
「そうですか?ありがとうごさいます。」
どよーんとしている太助達にくらべて明るい二人。
「まあ、いつまでも怖がっててばかりじゃだめだしね・・。」
椅子によろめくルーアン。それを見てみんなも来た。
「んんっ、おいしーおいしー」
そしておいしそうに、食べ始める。



10時ー・・・。
「さっ、任務をはじめるからね。えーっと・・・・」
サングラスから紙を取り出す亞凛。そして唱えだした。
「鈴問水天の名により、我の主に与える任務をしめせ!」
そういうと、紙に文字がででくる。
「へー、こんな試練か・・・。さっ、主。はい。どうぞ・・。」
笑顔で紙をわたす亞凛。
「ああ・・・。ふう、どれどれ・・・。」
紙を見ると目を飛び出す。
『町内一周してこい』
「なんだよこれ・・。どういう意味があんだよっ。」
「さあねっ♪でもきっと意味があるはずだよ。」
「・・・そうなのか。」
そういうと、太助は走っていった。



「さて・・・と。亞凛は、亞凛の質問講座でもしよーかなっ。」
そういって、みんなに電話をかけた。



そしてリビング。
「何なんですかっ、亞凛先輩。急に呼び出して。」
花織がけんか腰で言う。
「それにわたしたちまで呼び出して・・。」
熱美とゆかりんが控えめに言う。
そう、ここには、シャオ、ルーアン、キリュウ、ヨウメイ、亞凛、カサイ、那奈、
翔子、出雲、たかし、乎一朗、花織、ゆかりん、熱美がいるのだ。
「あれ?そういえば太助君は?」
「任務中だよ。」
「それで?何のために呼び出したのよ?」
みんなに注目された少しとまっどっていた亞凛だったが、しばらくすると、にこっと笑って答えた。
「亞凛と亞凛の武器、飛天美に何か疑問はないかなあ?」
そしてしばらくみんな考え込んでいると・・・・
「わかった。はい!!」
「はい、たかし兄。」
「天使様ってさあ、どうしてそんな短い髪型なんだ?まあ、ショートでも可愛いけどよ。」
ふっと笑うたかし。そのくだらない質問に、皆はあぜんとする。
「だって髪長いと動きにくいじゃん。」
あっさりと答える亞凛。
「でもなあ・・・・。ロングヘアーだったら、美人で大人っぽく・・。
でも、今のままの可愛いしなあ。でも、そっちの方が天使様っぽいしなあ・・。」
「野村さん。そんな変な理由はやめてくれます?」
つつく楊明。それにたかしは、黙り込む。
「はい。」
「翔子姉。」
「その飛天美ってさあ、なんで透明なんだ?」
「亞凛には透明じゃないんだよねぇ。・・・精霊にも見えるんだよね。」
そして精霊軍の方をむく亞凛。皆はこくっと頷く。
「透明なのはっ・・・うーん、そういうアイテムなんだよね、これって。
でも主ぃにも、見えるんだよね。」
「じゃああたしにも見せることとか、できるか?」
「うん、まあ・・。」
「ええっ!ずるいよう、そんなの!」
「あたしもみたいですう!」
あまりのはんこうに翔子は頭を抱える。だけど・・・。
「そんなの早い者勝ちだろ。なっ、亞凛。」
「うん。」
よくわからないけど、頷く亞凛。
「全員が見ることはできないのですか?」
「できないことはないけど・・・。それやると、亞凛の力が弱まったりするんだよ。
・・まあ、体力とか、スピードとかね。」
それを聞いてええっ!と驚くみんな。
「じゃあやらない方がいいな。あたしはあきらめる。」
「さっか・・ありがとね」


「では、次の質問は?」
しばらくしてから、手が上がる。
「えーと、熱美姉だったね、どうぞ。」
「あ、はい。亞凛先輩の能力を教えてください。」
「あ、そっか・・。熱美姉とかゆかりんは、私の能力知らなかったんだね。
では、まずね・・。風子力。これは、亞凛の吐息で出来た子人なんだよ。
けっこう力が強くて働き者なんだよ。」
「へええ、そうなんですか・・。」
「で、水雨美。これはみんなが、『飛天美』とまちがえちゃったんだよね。
おもしろいから、ついついすすめちやったけど。・・・・水の武器をあつかえるんだ。」
「おもしろいって・・。水の武器って?例えば?」
「例えばねー・・・。水雨美!」
水の釜が出きあがる。
「わー、綺麗な釜ー♪」
にぎあう皆。
「その釜は切ると、透明になったりするんだよな。・・まったく、おっかない。」
「ちょっと亞凛が説明しよーと思ったのにぃ〜〜〜」
カサイの頭をぽかぽかたたく亞凛。
「へえ・・。この人がカサイさんかぁ・・。かっこいいなあ、素敵♪」
ゆかりんと熱美がうっとりする。
「じゃあ次は・・・白感無。空間をあやつれるんだよ。例えばね・・・。ミラーの空間!」
熱美の周りがすきとおった鏡になる。
「へえ・・。すごいですねえ。」
「一番すごいのは、地、無、天、炎、限の空間だがな・・。」
その状況をしっている者だけがぼそっとつぶやいた。
「うん、あと二つあるけど、それはのちほどね・。」
なぜか亞凛の顔は暗くよずんでいる。その顔を見て、熱美は引く。



そのころ太助はー・・・・
「ふう、ふうだいぶ走ったな。ちょっと休もうか。」
ひょんっと誰かの家のそばに座る太助。
「・・しっかし、この家ってなんなんだろう?・・・ちょっと入ってみようかな。」
そろ〜り・・・
「あれ?誰もいないんだ・・・。」
「あの〜・・・・」
肩をたたかれた太助。びくっとする。
「う、うわあ!!あ、なんだぁ、人か・・。」
「何かごようですか?」
にぱっと笑う女の子。
「えっ・・・。いや、別に通りかかっただけです。では・・。」
あわてて帰ろうとする太助。
「・・・・・。ちょっと待ってください。・・良ければ占ってあげましょうか?」
「え・・。占うって・・・?俺を?」
「はい。どうですか?」
「・・・それじゃあ占ってもらおうかな。」
「わあい、ありがとうごさいます!!」
その子は嬉しそうに言って太助におじきする。太助もあわてておじきする。
「では・・、そこに座ってくださいな。」
「はい。」
そして女の子は、タロットカードを手にする。
「占ってみますね。あなたの未来を・・・。」
すっと占いを始める。太助は驚く。
すっと取り出す。
「・・・・惑われる少年・・・。」
「えっ!?俺のこと!?」
その子はゆっくりとカードを太助に見せる。
絵は、なにか黒いかたまりに、囲まれてる少年の絵だった。
「このカードの意味は、とても驚くことが多いらしいです。」
「は、はあ・・。あっ、お、俺もうそろそろでるんで。それじゃっ。」
はばっと出ようとしたとき、その女の子に手をつかまれた。
「・・・・えっ」
驚く太助。
「私を・・・私をおいて・・・・行かないでっ・・・・」
その子はがくがくと震えている。太助は驚きつつも、優しく言う。
「どうしたんですかっ?」
「聞いてくれる?私の・・・悩みを」



「はい」
その頃亞凛たちはのんきに質問講座を始めている。
「はい、シャオ姉。」
「は、はい。あのぉ・・・あの、ずっと前に、私を川に落とした任務があるでしょう?
・・・なんでしたんですか?」
それにざわめきが広がる。
「それはね、主に任務をわたすときの紙に『主の人や物を大切さをさぐる』
っていう任務だったんだよ。それで主ぃもすごく怒った。
つまり、それだけシャオ姉が、大切だったと言うことだねっ。」
シャオは、少し照れつつ嬉しそうにしていた。それにうんうん、と言う物が3人ほど。
「俺も大切にしてるからな!」
たかしが負けじっと言う。
それにシャオは笑顔で返す。
「あっ、まだ質問があるんですけど・・。
これはちょっと失礼かもしれないんですけど、いっていいでしょうか?」
「いいよっ。」
「あの・・・・・・。亞凛さんってどうしてそんなにちびなんですか?」
【・・・・・・・・・・。えええええええ!!!】
それを聞いて驚くみんな。
「あのさ、他にましな言い方はないのかな?」
少し嫌そうな顔をしている亞凛。
「だって、他に言い方が思い出せなくって・・。」
申しなさけそうに、ぺこぺこ謝るシャオ
「そんな・・そんなの・・気にしてたのにー!!!」
急に立ち上がって大声で怒鳴り出す。それに皆がびくっとする。
「シャオリン、この子の前では、「弱い」と「ちび」は禁句よ・・。
そのうち、怒り出す確率もあるわね・・。」
「え!?亞凛殿、私からもお願いするから、あれだけは・・・。」
「ほんとーにごめんなさい・・。代わりに亞凛さんの好きな物を一ヶ月つくりますから・・・!!」
「ほんと?」
それを聞いて、嬉しそうに顔を上げる亞凛。みんなは転ぶ。
「はいっ。何が良いですか?」
「んーとね、餃子と唐揚げと、おきまりのミルクとね、おいしーい魚!」
中途半端な食べ物・・。
「わかりました。とっておきのをごよーいしますね。」
安心した顔で台所に行く。
「よーしっ、ほかに質問はー!?」
ごごごごごごごと燃える亞凛。
「ルーアン先生みたいだな、ありん・・・・。」
「ん?何か言ったかしら?」
「別に。」
で、次に質問をしたのは・・。
「はい。」
なんと珍しく楊明だった。
「んん?めずらしいね・・・。さ、どうぞ。」
「亞凛さんは私に習いたいことはないんですか?」
そして亞凛はしばし考える・・・。
「・・そうだね。人で遊べる方法とか。」
「・・わかりました。」
妙ににやついてる二人。ぞぞっとするものが数人。
「他に質問は?」
「はいー!!」
ゆかりんが元気よく答える。
「はい、どうぞ。」
「亞凛先輩さんの好きなタイプは?」
「タイプ・・・・?ってなんだっけ?ああ、魚のたいだね。ぷは・・?♪ってことかな。
たいのふ・・・?わかった。たいの踊りってわけだね。・・で、それがどうしたの?」
すっかりぼけてきた亞凛。それくらいは知っているはずなのだが・・。
「あのねえ、亞凛ちゃん。好きなタイプってゆうのは、異性の好みってわけですよ。
あなたなら、これくらいは分かるでしょう?」
楊明にどやされててへへとべろを出す亞凛。
「へええ・・・。そうだね、好みはー・・・ないね、特に。」
あれだけ考えてこんなあっさり・・。
「じゃ、じゃあ星神の中で好きなのは?」
「わかるでしょ、ゆかりん・・。」
「それより、亞凛さんと、星神の関係ってよく知らないですわね。」
「おまけとかでやれば?」
「しかし空理殿が楊明殿の小説で考えた短編だそ。」
「そうですね、いいんでしょうか・・。」
「おいおい、話が変な方向に行ってるぞ。」
「で、なんなんですか?」
「秘密♪」
「隠さないでちゃんと言ってください!」
「わかったよ・・・・。」
「ゆかりん。私が後でゆっくり教えてあげるから。」
楊明に言われて座り直すゆかりん。
「せっかく教えてあげようと思ったのにぃ・・・ま、いいや。ほかに質問は?」
「・・・・はい。」
出雲がそぉーと手をあげる。
「どうぞ。」
「亞凛さんは何でそんなに運動神経がいいんですか?」
「体質なんだし・・・。何でって言われても・・・・。」
ちよっと困った感じで出雲を上目遣いで見る亞凛。
「そ、そうですか。ならいいです。」
あっさりと認める出雲に亞凛は喜ぶ。
「次の質問なんですけど、亞凛さんは、どんなご主人につかえてきたのですか?」
「色々。・・・・・っていったら、だめだよね。例えばねー・・・・
亞凛は貧しい暮らしをしている人もいたし、えらーい人にもしたし・・ね。
みんな心優しい人だったから、任務もしやすかったよ。」
にこりと笑う亞凛。
「そうですか・・・・。やっぱり亞凛さんも精霊ですねえ。」
ふぁさっと髪をかき上げる出雲。
「当たり前だよ。なんだと思ってたの?」
「いっいや・・・・・。ほかの精霊さんに比べて亞凛さんは人間っぽいなあ・・・と思って。」
「宮内。亞凛の運動神経を見ろよ。・・・・人間に見えるか?」
那奈が出雲に耳打ちする。
「・・・・確かに。」
「では、次の質問!」
「はい!」
花織が、いきよいおく答える。
「はい、はげおさん。」
「だからはげおじゃないですって・・!!まあ、いいです。亞凛先輩。」
身を乗り出す花織。
「このお茶を見てください。」
黙ってお茶を見る亞凛。
「何もないけど・・・・?」
亞凛が上を見ると花織がふふんと笑っていた。
「ではお茶を飲んでみてください。」
「・・・何かたくらんでる?」
「いーえっ。・・でも・・・・はげおさんって呼ばないのなら、別に飲まなくていいですよ。」
「花織・・・。やめときなって・・・。」
「大丈夫よ。ちょっと反省してもらうだけなんだからっ。」
心配する熱美に花織はウインクする。
「・・へえ・・・。じゃあはげおさん飲んでみてよっ。」
「はげ・・ってまた言いましたねえ!!もう勘弁なりません!無理やり飲ましてあげますー!」
そういう前にごくっと飲み干す亞凛。
「あっ・・・・」
「おいしいね、このお茶。」
唖然とする花織。
「ちょっと楊ちゃんっ。何が起こったの・・?」
「つまりね、花織ちゃんは、亞凛さんがはげおさんって呼ぶのがいやだったんだろうね。
それで何度も言わさないよーに、お茶じゃなくて青汁にしたわけ。ちょーまずい青汁をね。」
「まったく小娘・・・。たしかにあたしもはげおさんって言われたら、いやよねー・・。」
それを聞いて、亞凛は謝る。
「ごめんねっ・・・。亞凛、ちょっとついつい調子にのっちゃって・・・。ごめん。」
ぺこりと素直に謝る亞凛。花織は、戸惑った顔をした。
「別に、もういですよ。謝ってくれればっ・・。」
「ありがとーーー!!花織ちゃん大好きー!!」
「ちょっと抱きつかないでくださいよお!」
それを見て笑い出すみんな。



ずずずずずず・・・・。
お茶をゆっくりと飲む皆。
「じゃあほかに質問は?」
「はい。あのさー、亞凛の別れ方ってどんなんだ?」
それを聞いて亞凛の目は点になる。
「・・・。なっ、何ってふつうだよ〜。ごくごく普通っ。」
あたふたと手をふる亞凛。
「ほんとかぁ?・・・それにしちゃリアクションが多いけどなあ。」
「・・・・う」
「那奈さん、あの・・・。」
「ん?」
「私が思うには、大変亞凛さんの別れ方は辛いと思うんです・・・。」
「ええ?そうなのか。やっぱ嘘ついてたな。このっ!」
亞凛を捕まえて大声で叫ぶ那奈。
「まあ、いいや・・。じきに教えろよ、亞凛。」
こくっと頷く亞凛。次の質問は・・・
「はい、あたしよ、あたし。」
ルーアンがせんべえを食べながら言う。
「・・ルーアン姉、せめて食べてから言って。」
「細かいことは気にしないの。・・・・じゃ質問よ。
あんた毎朝、そんなに早く起きて何してんの?」
「テレビ見たり、運動したりとか。」
「・・そんな朝にどんなテレビがあるの?」
「・・・朝はニュースとか色々あるじゃんか。」
「そうなの・・・。じゃあたまにはあたしも朝に起きてみようかな♪」
またおせんべえをがぶっと食べるルーアン。
「うーむ・・・。」
「どうしたんですか、亞凛さん。」
「・・・鈴問水天の名により、我が主、七梨太助の任務を終了!」
ぴゅっとサングラスをとって、何かが書いた紙をサングラスに戻す。
「あの何をしたんですか?」
「よーするに、任務は終わったってことよ。」
「・・・・七梨太助ももうずく帰ってくるな。」
「だけどなんでわざわざこんなことを?」
「あたしのせんべーを食べてるので急に腹が空いてきたんでしょ。
それで゛たー様も一緒に食べようと思ったんじゃないの。」
「そゆこと☆さあ、主が帰ってくるまで、ご飯を用意だぁっ」 そして台所に行く亞凛。あわててシャオも行く。
「ちょっと待ってよ。僕たちは?」
「・・どうせなら、夕食も一緒に食べてはどうだ?」
【わーい!!】


ご飯を作るがわ。
シャオ、ヨウメイ、八穀。
「さーて、亞凛さんの言ってたメニューと太助様の大好きなメニューもたしますわ♪」
「腕によりをかけましょう〜。ねっ八穀さん。」
黙って頷く。


食器などのお手伝い
亞凛、出雲、熱美。
「まだかな、まだかな♪」
「あわてなくても大丈夫ですって。」
「おさらってここに置くんですよね・・・。」



太助が帰ってくるか見張り
キリュウ、たかし、ゆかりん、楊明
「私はあっちの方を見てくるっ・・。」
「俺はここで後輩二人を守るぞぉ!!」
「守らなくてもけっこうです!あ、ゆかりん。あっちの方行ってて」
「うんっ。まかせて!」


おふろをわかす、部屋割り(ちなみにとまっていく)
那奈、翔子、花織、ルーアン、乎一朗、寡碎
「さーて、太助とシャオだよな・・。」
「うんうん。」
「ちょっとお、なんであたしと野村先輩がっ・・・!!」
「そーよ。勝手に決めるんじゃないわよー!!」
「ぼ、僕はルーアン先生と・・・。」

「・・・・・・・さわがしいやつらだ・・。」


そして15分
「あ、主殿!」
キリュウが太助の方に駆け寄る。太助が帰ってきたのだ。
「何ほんとか?おお、たすけぇー!!!」
「主様!・・・主様?」
太助の顔はなぜか暗かった。
「どっどうしたんですか?」
「・・・ともかく家に!!」


「みんな・・・ただいま。」
少し戸惑いながらもみんなに挨拶をする太助。
「太助様っ。・・さっきから、どうしたんですか?」
「いや・・・。亞凛。」
「な、何?」
いきなり言われてびくりとする亞凛。
「あの任務って・・・意味があったんだな・・・。」
「た、太助っ。おふろにするか?ご飯にするか?」
「・・ご飯にする。」
「た、太助様っ!元気になってくださいねっ」
にっこりと笑うシャオ。


そしてご飯−
「わあ、おいしいね!」
「ほーんと。最高ね!!がづがづがづ」
「おいしいよ、シャオ。」
にっこりと笑ってシャオを見る。
「それより七梨先輩、どうしたんですか?」
「いや・・・あのな、誰にも言えないんだこれだけは。」
「ええ?なっ、なんでですか!!」
「あの子に誰にも行っちゃだめだって・・・。」
「あの子?・・・・誰ですか、太助君。」
「それも言えない。・・・ごめん。」
それっきり太助は口を閉ざす。
「・・・・・。闇が泣いている・・。」
カサイが呟く。
「闇が泣いている?・・・はっ!!来たれ空気圧!」
ぱりーんとガラスがわれる。
「ここの家は何かにおそわれていますっ!!!・・・来たれ雷!」
必死に戦う楊明。精霊たちもそれにかせいする。
「なんかこの前とにているな。」
「・・そうだね。何かひっかかるな。そうだシャオ姉。ひそひそ・・。」
「・・・来々天高!!」
天高がばさっと飛び立つ。
「なるほど、そういうことですね・・。来たれ雷の壁!」
ガラスの方に壁を作る。
「えーっと、誰でもいいですから、ここの壁の方に写真をとってくださいっ。」
「あたしがするよ!・・でもそれになんの意味があるんだ?」
不思議そうにしている那奈だったが、素直に写真を撮る。
「あっ、天高!、そんなに傷だらけで・・っとにかく来々長砂!」
長沙でなんとか傷をいやした天高。
「ごめんなさい・・。」
後ろから黒い服を着た女の子がとぼとぼと来ている。中村まろんだ。
「きっ、君は!」
「・・ごめんね、急に襲いかかってきたもんだから・・。あたし、実は・・。
弱みをにぎられていて、それで霊とかを呼びだしたりしたんです。
だから、今一度戦ってください。そしたら、あなたたちに霊はうろつかないわ。
・・もちろんあたしにかったらだけどね。」
「ちょっと待てよ!今日言ったことと・・・。」
「太助君。わかっているよね。あなたが一番信頼感があったの。
だから、ここに懲らせる任務をしたのよ。」
ちらっと太助の方を見る。
「ちょっと待ってよっ。・・全部君がしくんだこと!?」
ばっと亞凛が立ち上がる。
「そーゆう質問は後で。・・今は戦ってください。」
「・・そーするしかないよーね。」
「ありがとうごさいます。では・・始め!」
いきなり戦うなんて言われて戸惑っていたが、そのうちこうげきを始める。
「来々車騎!」
ドン
みこど直撃。・・が
「この黒い服は、そーゆうのをよけるためにあるもの。」
「万象大乱!」
まろんを小さくするキリュウ。
「やったわ!これで・・」
皆が喜んだのもつかのま。まろんはタロットカードを引く。
「『巨人』」
そしてすくすくと元の大きさに戻っていく。唖然とする皆。
「ちょっと待ちなさいよー!あんたもしかしてだましてるんでしょ!?」
ルーアンが怒鳴る。
「そんなのも後でいいます。さ、戦いを始めましょう。」
だか攻撃はない。
「・・・こないの?じゃあこっちからいく。『竜王』。」
ぴかーんと湯気がわいたかと思うと竜が出てきた。
「来たれ、雷!!」
竜の持っていた玉が割れる。
そのとたんに、楊明に襲ってきた。
「!!来たれ吹雪!!」
強力な吹雪が起こる
「よう・・めい・・どのぉ・・」
「これくらい我慢してくださいよ!そっ、それより相手が攻撃してきそうになったら、
かならず反撃してください。いいですね!」
頷く。
だかまた、竜は攻撃をしてきそうになる。
「水雨美!」
水の大水害が竜におそう。
「そろそろ・・ね。」
すると後ろから、竜がおそいかかってくる。
「えっ!?なんで・・・ここに竜がいるのに!?」
そして後ろにいた翔子・出雲は吹っ飛ばされる。
「ここにいるのはの式神よ。本物はそっち。」
「なっ・・・すみません、主様。私・・・・。いいえっ!!もう許せません!」
楊明が大声で怒鳴る。
「やったわ!楊明切れたわねっ!」
にらめつける楊明。
「来たれ絶対震度!!」
そうすると、竜はたちまち震え出す。
「どうです?これなら鈍い竜王さんも震えるでしょう?あははは!!」
高笑いで笑い出す楊明。まろんは少しいらだちを感じていた。
「よくもやってくれたね・・。『太陽』」
ぴかーと竜の体は光って回復。
「なっ・・・。」
「どう?これでなんどでも回復できるわ!あははは!」
まろんも高笑いをする。(どっちもどっちだ。)
くやしがる楊明はますます怒り出す。
「・・・。楊明。おつかれさん。後はあたしにまかせて。
ふりょーじょーちゃんといずぴーの回復でもしといて。」
「ですが・・・。わかりました。」
ぐっと翔子と出雲の所に行く。あわててシャオも行く。
「さっ、やるわよ。太陽の光よ、集まれ!陽天心召来!!」
「そんなもの・・え?」
ルーアンがねらっていたのは、カードだった。とたんに竜も消えた。
「そんな・・・。」
「さすがですルーアンさん。・・私も後で見返してやらなくっちゃ!!」
「そうか・・・。じゃあ『恋人』」
ふわっと太助(カードの)がルーアンの方に駆け寄る。
【ルーアン・・。俺、ずっと前から・・・・・。】
「え?・・たー様・・。」
「ちょっとまてぇ!俺はそんなことっ・・」
急いで二人に駆け寄る太助。・・が
ごんっ
「はいっ二人リタイヤ」
棒で殴った偽太助。床に転がる二人。
「油断は禁物・・。」
「こ、こんなのありなのおおおおおおおおお!?」
・・花織の叫び。


つづく


♪あとがき
はあ〜、つかれたぁ〜・・・・・・・・・・・。
お次は、ついに決着!では、また!!


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