『鈴問水天・亞凛参る!』
第11話「時真闇天再び!!」
「はあー、あの時真闇天さんって何のために来たんでしょう・・・」
「うるさいわね、そんなの統天書見ればいいじゃない」
ルーアンがせんべーをがつがつたべなからいった。
「あはは、そーですよね・・・。」
「んん?その笑い方は、統天書にものってないのねっ!」
「ち、ちがいますよぅ。別にそんなの調べるほど、気にかかることじゃないでしょ?だから・・」
「わかったわよ。そーゆうことにしてあげる。それより話しかけないでよね。
あたしはいそがしいんだから・・」
そしてまたがつがつとたべはじめた。
「さてっ、じゃあ今日は亞凛さんをちょっくらからかってみましょうか。謎をとくために・・」
(何よ。気にかかってるんじゃないの。・・まったく。)
「はあー。いい天気だねーーー♪主ぃ。」
ところかわって太助と亞凛。
「そうだな。」
「亞凛さんっ。」
楊明が走ってきた。
「あっ、楊明姉。なんか用?」
「はい。実は時真闇天さんのことで・・・ひっ。」
その時、亞凛の顔が恐ろしい顔に変わっていた。
「あいつのことを思い出すとむしずがはしってくるー!!!」
「わかります、亞凛さん。私もキリュウさんのことを考えると・・」
おいおい、お二人さん。親密な仲になってますなー。
「ところでその人の名前、カサイさん、でしたっけ・・・?」
「うん、そーだよ。変な名前、でしょー。」
「確かに。あ、主様、いたんですか?はっ!もしかして立ちぎきしてたんですか・・・」
「そりゃあ、聞こえるだろ。それより楊明。お前、どうしてそんなこと聞くんだよ?」
「だって、気になるんですもん。」
「・・・・・・・。」
「とにかく、今度は私のお部屋でおしゃべりしましょう。それではっ。」
そして楊明は手をふり、走っていった。
「はあ、言い香り・・・はー、たまには、こういう自然かんじるのも悪くはないな。」
那奈が嬉しそうに言う。
「んー?こつづみ・・・・親父からだ。きっと、太助あてなんだろーなあ。
まあ、いいや。あけちゃえ!!」
こづづみをぺりっとはがす那奈。なかにあっのは・・・
「なんだ、これ?剣?あっ・・・手紙。なになに・・えーっと太助。
あたしは那奈だっつーの。「太助。元気にしてたか。実はまちがえたものがある。
実はこの前わたしたもの、『水雨美』のことだか、あれは『飛天美』だったんだ。
まちがえで、ごめん・・・ではでは、あー、あと、この剣は清い心のもちぬしだけさわったら、
何か起こる剣らしいのだ。ではでは・・・」だってさ。
ふーん、あたしには関係ないよな。ふわあ、だいだい清き心のもちぬしじゃなし・・・」
とかいってもべだべたとさわっている那奈。
「ははっ・・・なんてなんにもおこるわけないよな!!!!」
ピカァー
「初めまして、主人。僕の名前は時真闇天寡碎です・・・。」
「なにっかさい・・・」
那奈はすこし驚きながらもおちついた表情で話す。
「主人の悪いところをなおすためにやってきました・・・・
って、ここなんかみたことあるような、風景だよな・・・。まあ、主人の名前は?」
「あたしは七梨那奈。あたしもなーんかあんたとあったような・・・。」
ふむ、と考え込む二人。
「あ、なんですか、これは?」
カサイがゆびさすのはテレビだった。
「それはテレビだよ。スイッチ押してみな。ああん!!そんなところじゃないって・・・!!」
カサイはテレビの画面を押していた。
「あ、ここか。うーん、なんだろう、この不思議生命体は・・・」
「それは、いないいないばあ、っていう幼児のテレビ番組のぬいぐるみだよ。
ぽちっぽちっとボタンを押すカサイ。なにかにこにこ笑っている・・・
「さて、主人。」
すいっと立ち上がるとなにやら剣を見ている。
「ふんふん、主人の弱点は、そんなものですか。以外ですねぇ。
では・・・我が時真闇天の名により、この七梨那奈の弱点を使らん!!」
ぴしぃーと剣を那奈の方向にむくカサイ。
「な、なんだぁ?」
ぴくっ、ぴくぴく
「どうしたんだよ亞凛。」
「うん、なんか変な感じがするんだよ。」
「変な感じ・・・ねぇ。」
ガチャ
「ただいまー。」
「なんだと、太助!!姉にむかってなんてことをいうんだよ!!!」
那奈が何もないところにグーで殴りつけているところが見える。
「あっ、なにしてんだよ、那奈姉!?」
「ばっ、ばかやろ〜〜〜〜っ」
しまいに泣き出した那奈。
「もうそろそろ・・かな。よし、主人。もういいですよ。」
那奈ははっとした。
「何するんだよ、カサイ!?」
「カサイ・・・あーーーっお前はーーーっ」
「ん・・・?亞凛・・・。まったくあいかわらずうるさいな。
いいかげんその性格なおしたら、どうだ?」
「なにおーーーっ。そっちだってその意地悪いばかな性格なおしたらどうだよっ。」
「おいおい、キリュウと楊明みたいに、ケンカするのはやめてくれよ・・。」
「はい、主人。」
カサイは素直に那奈の言うことを聞いた。
「ふむふむ、どうやらカサイさんの主様は那奈さんみたいですねぇ。」
「えっ・・・那奈姉の!?」
「というわけで改めて言います。僕は時真闇天寡碎と申します。
主人の悪いところをなおすために、この剣、幻天鬼から、出できた。よろしくお願いもうる。」
「カサイ殿、その剣はどんな能力をつかえるのだ?」
「この剣は、人の実力や弱点をみやぶることができる、時を止めたりもな。
わかったか万難地天。」
「私のことはキリュウでいい。あ、それと、
なんで亞凛殿とカサイ殿はそんなに仲が悪いのだ?疑問だ。」
「そんなの・・しらねえよ。今回のおまけで見てくれよ。」
「おまけ・・・・?」
シャオリンが笑顔でお茶を持ってきた。
「はい、カサイさん。あったかいお茶でもどうぞ。」
シャオの青い長い髪がカサイの目に入った。
「?どうかしましたか、カサイさん。」
「いや・・この前の僕の主人も青いような髪だったとなあ・・・。」
「あら、そうだったんですか?うふふ、なんだかおもしろいですね。」
「いや、おもしろいっていうか・・・。」
「なあ、それよりカサイ。さっき那奈姉がやってたことさあ・・・・。」
「ああ、あれか。あれは幻覚だよ。げ・ん・か・く。」
「げんかく?・・でも、俺たちには何も見えなかったぞ?」
「たってそれは主人しかみえないんだ。こういったら、わかりやすいよな?」
ふーん、と太助は椅子に座る。
プルルルルルルルル
「あっ、電話だ。」
太助が手話機をとる。
「はい、もしもし。七梨ですけど・・・。」
「あっ、七梨せんぱーい♪明日、ちょっとみんなで遊びにいくんで楽しみにしててくださいねっ。
それだけですから。じゃあ・・。」
「えっ、ちょっと愛原・・・・。切れた。」
「主様、花織ちゃんたちが遊びに来るんですねっ。よかったじゃないですかあ〜。」
「かおり?」
「そういえば・・・カサイってどうやってみんなに紹介すればいいんだろう美少年だし・・・。
もてる確率も・・・。」
「ふつうに紹介すればいいんじゃないの。別に何も問題になるわけじゃないしさ。」
「うーん・・・どうだろう。」
「なあ、かおりって・・・。」
「明日になればわかるよ。それにくるのは愛原だけじゃないとおもうしさ。
それよりおなか空いたな。」
「あっ、太助様、夕食の準備が出来ましたわ♪」
そして皆はリビングのせきにつく。
「・・・不思議だな。この時代は・・・。こんなに平然と料理が食べれるなんて・・・」
「当たり前だろ。ここは・・・ずいぶんと時代が変わってる。亞凛も・・そう思った。」
しばらく沈黙。
「それより主人。僕はどこに寝ればいいんでしょうか。」
「あー・・・・そーいえばそうだなぁ・・・男同士、太助と一緒に寝ればぁ?」
「はっ、もしかして、主人、寝相がわるいのですねっなおさねば・・。」
その言葉に呆れる那奈。
「カサイさん、それは違いますよ。寝相がわるいのはこの中の誰かさんですから。」
その言葉にキリュウはぎくっとする。
「誰かさん?誰かさんとは・・・?」
「・・・はい。それはキ・・・・」
「万象大乱」
「あたっ。何するんですか、キリュウさん。いくらなんでも私がそんなこというわけ、ないでしょう。
冗談ですよ。まったく、冗談が聞かない人ですね・・。」
「あなたは一番いいそうなタイプだ・・・。」
「宿敵同士が一緒にくらしてるとは・・な。」
カサイが静かに言う。
「よし、僕は万難地天と知教空天が寝ている部屋にする。」
口をあんぐりとあける皆々。
「なんでなのだ、カサイ殿・・・・。」
「お前らの仲悪さをなおしてやろうといってるんだ。」
「そんなことしなくても別にいいんですよ。
それより、亞凛さんとの仲を悪くしないように気をつければいいじゃないですか」
しばらくカサイはじっとだまった。
「こいつなんかとはもう一生口を聞きたくないくらいなかよくなんてなりたくないのだ。」
「なんだとーっ!?もう許せない。水雨美!!」
水の釜みたいなのがカサイの腹に飛びそうになった。
「なにをするんだ・・。闇よ、幻天鬼から飛びたぜ!怪旦万!」
幻天鬼から、霊が出てきた。
「やめろーーーっ!」
ぴたっととまった亞凛とカサイ。
「でも、主っ。」
「でも、じゃない!!二人とも自分の部屋で反省しろーーーっ!!」
はいっととぼとぼ歩く亞凛。だかカサイはだまって座っていた。
「おい、お前も・・・。」
「僕はお前の精霊じゃないぞ。だいだい部屋なんてまだ決まってないしな。」
「あ、そっか。でも・・・とにかく、どこでもいいから、部屋に入ってくれよ。
これ以上、ケンカされたら、たまりゃしない。」
「亞凛がいなくなったんだから、ケンカなんてしないだろ。」
太助は黙った。
そしてしばらく長い沈黙が入った。
「なあ、カサイ。ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・」
「なんですか、主人。」
「さっきの、怪旦万ってどんな技なんだ・・・?」
「ああ、それは闇のかたまりを霊みたいにしただけですよ。いわゆる風子力みたいなもんかな。」
ふーん、と那奈が椅子にもたれこむ。
「あの、カサイさんってけっきょくどこに寝るんですか?」
「さっきこいつが言ったとおりに適当に入るよ。だれの部屋に入るかわからないけどな。」
少しにっと笑うカサイにためらう皆。
「はあ・・・おなかいっぱい♪ルーアン幸せー・・・。」
気がつくと、ルーアンが全部皆の分まで食べていた。
「あーっ、私の唐揚げさんが・・・あとでゆっくり食べようと思ってたのに・・
・・ルーアンさんっ」
楊明がキッとにらむ。だかルーアンはとぼけたような表情で話した。
「何よ、あんたらが勝手にはなしてたからじゃないのー。あたしは悪くないわ。
ふんっ。」
「だけど、人のご飯を取るって言うのは悪いことだと思うぞ。ルーアン。」
「あーん・・・たー様までぇ。ひどいわ〜〜〜〜〜」
ぎゅっと太助に抱きつくルーアン。
「・・・よし、お前のその悪いとこを直そう。」
「え!?」
つづく
第12話「ルーアンまっけないもん」
「いやよっ。なんでおかしたべちゃいけないのよぉ。」
うえん、と小さく泣くルーアン。カサイが厳しく言う。
「当たり前だろう。一週間は食べ物を食べたり、さわったりしちゃいかんからな。」
「そんなの、あたしにとっては耐えられないわ!!」
「カサイ、いくらなんでもそれは厳しすぎるんじゃ・・・」
「甘いぞ、七梨太助。こいつのおかげで守護月天の料理がたいなしになったんだぞ。」
「確かに、それはこまりますう・・・。」
シャオが少し困った顔をする。
「だから、今度からはちゃんと気をつけるっていってるでしょ!!」
「だめだ。そんなこと言ってやるつもりだろ。」
「・・陽天心召来!」
ついに耐えきれなくなって椅子や机がカサイにぶつかりそうになる。
「やるか・・・。」
剣を軽く振り、椅子や机を壊す。
「やるわね・・・。でも、あたしの能力はこれだけじゃなくってよっ太陽の光よ、集まれ!
陽天心!しょーーーーーーーーーーーーーーらい!」
すると黒天筒の中から、太陽の光が集まり、それが、陽天心する。
「ルーアンさん、それは危険ですよっ。それは、星神の北斗七星をもしかしたら、
こす力持つ・・・・。」
その言葉に驚く皆。
注・麻衣の勝手の思いこみです。
「そうか・・・。それはたしかに、危険だな・・・。まさに、慶幸日天のスペシャルわざだな。」
「そうでしょ?だから、しょーじきにおかしをあたしにわたしなさい。」
「・・・・・・。そんなにこのおかしがほしいか?
そんなにおいしいんだったら、一回食べてみようかな。」
ぱくっ・・・・・もぐもぐ・・・。
「あっ・・・・あたしの・・・・チョコ・・・・。」
それに構わず、ぱくぱくと食べる寡碎。
「どうだ。これでもうおかしはないぞ。・・・・っぱあ。けっこう甘くておいしかったな。」
「・・そうね、今回はあきらめるわ。ここであたしが戦っても、
もうチョコはかえってこいんだもの・・。」
「カサイっ!何もここまですること、ないだろ!」
亞凛が怒鳴る。
「たまには、こういう反省した方がいいんだよ。なんだよ、一週間のことだろ。
食い意地をはらないためだ。」
「でも、カサイ。食い意地をはらないのは、ルーアンじゃないだろ。」
「・・・・・・・。主人、これは僕の役目なんですよ?」
「・・・・しかたないな。一週間だけ、それをしてみるんだ。」
その言葉にカサイは少し喜んだ。
「そうですか。ありがとうございます。」
ぺこっとお礼すると、ルーアンの部屋に入っていった。
「まあ、カサイ殿の気持ちもわからんでは、ないがな・・・。
それに、ルーアン殿のおかげで、むちゃくちゃお皿のおかずがなくなったことか・・。」
「何よ。あたしは今なにもしてないでしょ?おかしもさわってないのに。」
「そんなこと言って黙って食べてるかもしれないからな。」
「・・・。しつこい男ねえ。」
ピンポーン
「あっ、もしかして小娘たちがやってきたのかしらん♪」
「こらっ、逃げるな。」
するとぱたんとドアが閉められる。
「こらー、あけろー」
「じゃあねっ。あ、やっぱ小娘たちね・・。あら、野村くんと遠藤くんやいずピー、
不良じょーちゃんまで、いるじゃないの。いったい何の騒ぎ?」
ルーアンがででくると花織が言う前に翔子か゛はばっと言った。
「いやあ、得に意味はないよ。なあ、それより家にいれさせて、もんねーかな。」
「・・・・・だめよ。」
「えっ!?なんでっ!?」
「悪いけど、今とりこんでるの。今日はあきらめなさい。」
ドアをしめようとすると出雲が顔を出してきた。
「でも、今日はとっても大切なことが・・・。」
「さっき意味はないっていってたでしょ。あんたもしつこいのねえ。陽天心召来!!」
たんすが翔子たちをおそってくる。
「わかったよ・・・。帰ればいいんだろっ。」
パタン
「んー・・・やけに早かったわね・・・。心配だから、みはりをつけておこーっと。」
「ちょっとちょっとルーアンさん、なんで私が見張りしなきゃいけないんですかーっ!!」
「うるさいわね、そんなの統天書みればわかるでしょ。大勢はあんたの方が楽なの。
キリュウはきっと試練なんとかいうでしょーから。」
それで楊明は困ったように一息つく。
「はあ・・・。じゃあ統天書で調べてみましょうか。」
「山野辺先輩、あんな簡単にででいいんですか?!」
「そんなのわかってるよ、ったく。あたしにだって作戦があるんだからな。
まず、なんとかルーアン先生に分からないようにすけっとを探す。
そしてあっちも何か用意してるかも、わからないから、作戦をたつ。で、どうだ、愛原。」
「良い考えだね、山野辺さん。」
「で、そのすけっとっていうのは?」
「ふふ・・・。それはな。」
「えっ、亞凛がすけっとになるの。」
「そうなんだぁ。協力してもらえるかぁ。」
「んー・・・いいよっ、別に暇だし。」
ボールを持ちながら、にこっと笑う亞凛。
「では、みれがあたしたちのすけっと、亞凛だ」
「よろしくね♪」
「えっ・・・・亞凛先輩・・ですかぁ。」
「おお・・天使様、危ないときになったら、言ってくれよ。」
「亞凛ちゃんなら、役にたちかもね。」
「これも・・運命・・ですよ。」
四人は口口にそんなことをいっている。
「で、すけっとって何すればいいの。」
「それはだなあ・・・・・。まず四人で騒いで、そしてその声に気づいた誰かが、ドアを開ける。
そこに立っていたのは何と亞凛。亞凛はここの家に住んでるんだから、何も言われない。
そしてなんとか家に入れる。だが、そのすきに愛原が木から、パチンコをうつ。
それで気絶する。そのすきにはいる・・・。どうだ、かんぺきだろ。」
呆然とする四人。だが、亞凛だけは、分かった、と言う顔をしていた。
「はい」
乎一朗がさっと手をあげる。
「なんだ遠藤。」
「あのさあ、いっぱい質問があるんだけど、パチンコを移っていっても、よけられるかもしれないよ。
ここの家庭はみんな反射神経いいし・・・・。にぶいひともいるけどさ。」
「よけられたら、つづけて、やるんだ。きっとそいつは
『これくらいは誰でもよけられる』っていうすきに・・なあ。」
「策士だね・・。」
すると、またはいっと手をあけだ。
「はい!!!俺の出番がないだろ??」
「・・・・。そんな質問は許可。」
翔子は呆れ顔で言った。
「はーい、それが問題でひどい目にあったりするんじゃないですかぁ?
その時は山野辺先輩、責任とってくれるんでしょうねー・・・。」
「それはあたしのせいじゃない。足をひっぱったやつが責任をとる。
なに、理由を話せば、きっと分かってくれるさ。」
あいかわらず、すいっと答える翔子。
「・・・・じゃ、じゃあシャオ先輩や、楊ちゃんだったら、どうするんですか?!」
「その時はその時、楊明だったら、統天書をうばうか、・・・・まあ、
シャオが出たときは絶対とおしてくれるだろ。」
「でも、私たちがピンポンを押したとき、ふつうシャオさんがいっつも出るでしょう。
なのに、いっつもぐーぐー寝ているルーアンさんがで出来た。
シャオさんにも、でで来れないわけなどあるんじゃないでしょうか。」
決まりにふぁさっと髪をなでる出雲。
「そんなのわかんないだろ。たまたまルーアン先生が通りかかってでたんじゃないか。
それに、そんなこと言ったら、殺されるぞ。」
決まりにきついことをいう翔子。出雲はぐさっとささった。
「・・・さて、もう質問はないな。よし、始めるぞー。」
ピンポーン
「はい、今・・・。」
でてきたのは、楊明だった。そして亞凛があわててにこっと笑う。
「あれれ、なーんで亞凛さんがこんな所にいるんですかぁ、あ、ちょっとまってください。
統天書で調べてみますから。」
その時に木から、パチンコがひゅっとおちてきた。楊明に突撃。
「よ、楊ちゃん・・・。」
だが、あたっただけで、倒れてはいなかった
「いたたた・・・。なにするんですかっ、みなさん。
家に入りたけば、勝手にはいればいいじゃないですかー!!
それより、このおとしまえは必ずつけないとね・・・。来れ・・・。!」
「えいっ。」
亞凛が統天書をとった。
「ああーっ何するんですか、亞凛さん・・。返してください」
「ちょっと待って!楊ちゃん。あたしたち昨日の電話でみんなで遊びに来るって言ってたでしょ?
だから、入ろうとしたら、ルーアン先生が、ドアをしめて大変だったの。だから、わかって、ねっ。」
楊明はしばらくだまり、ふぅと溜息をついた。
「うん、わかった。通らしてあげる。それより亞凛さん、統天書返してください。」
「はいっ。」
「よし、いいですね・・。さっ、どーぞ。」
ドアをあけ、翔子たちを通らす。
「ありがとう、楊ちゃん。」
「いえいえ。それより、花織ちゃん、主様に会いに来たんでしょう?」
「うん、それもあるけど・・。」
その時太助がドアから来た。
「あ、たかしたち、来てたのか・・・。どうぞ、あがって。」
「あ、七梨先輩♪はーい。あがらせてもらいまっ・・・」
翔子が花織の方をぐいっと引き寄せて、怖い顔をしてにらめつけた。
「愛原、わかってるな、余計な真似すると、容赦しねーからな。殴るからな。」
「なっ・・・乙女の肌に傷つけるなんてことするの!?山野辺先輩、許せませ・・・」
そういう前にごんっとたたかれた。
「いたい・・・ひ−ん。」
半べそをかく花織。翔子は涼しい顔をする。
「あの・・愛原・・。」
「いや、いいんだ。軽くたたいたたげだから。それよりあがらせてくれ。」
他の一行は呆然とする。花織はますます翔子をにらめつけた。
「あのさぁ・・・俺、お前らにちょっと言いたいことが・・・」
するとばたんとドアがあがった。
「はあ、慶幸日天のやつ・・・ん?客か、七梨太助。」
呆然とする皆。
「ば、ばか・・。でてきたらだめだって・・・あ、おほほほほほ、みなさん、お久しぶり〜♪」
苦笑いをするルーアンまででできた。
「誰ですか、この美少年は・・。まあ、私ほどではないですけどねっ。」
ふぁさと髪をなでる出雲。ふっ、きまった。と言う顔をしていた。
「ん・・・・なんだ、このキザやろうは・・・。」
〔き、キザやろう・・・〕
かちん、と固まる出雲。半なきしている。
「失礼だろ。寡碎!!」
ばんっと机をたたく亞凛。そこらじゅうのお茶がこぼれた。
「本当のことをいったまでだ。」
「本当のことなら、なんでもいっていいのか!!」
「まさか、亞凛の宿敵かぁ」
翔子がぼそっと言う。
「・・・そうだ。よく分かったな。・・鋭いヤツだ。名前は何という?」
「山野辺翔子。」
「ああ、耶麻之邊祥子か。」
「違う。山・野・辺・翔・子」
「あ、山野辺翔子か。すまん、まちがえて。」
カサイが頭をぽりぽりとかいて、言う。
「俺は、野村たかし。熱き魂の男だ・・。」
「あたしは1の3の愛原花織ですぅっ。恋する乙女です♪」
「僕は遠藤乎一朗。ルーアン先生ともっとなかよくなりたいんだ。」
「わ、私は宮内出雲です。宮内神社で働いています。」
それぞれ自己紹介が終わった。
「僕は時真闇天寡碎。七梨那奈様の精霊で、悪いとこを直しに来た。以上。」
「ええっ、那奈さんが主人!?」
出雲が叫ぶ。
「んー、何か呼んだか宮内。んん?なんだよ、その驚き方は・・・。」
「いいえ、別に・・・。それよりもっと詳しく教えてくださいよ。」
「・・・・・・・・・・・・。物わかりの悪いヤツだな。これ以上は何もはなさん。」
厳しく言う。
「・・・・・たとえばどんな能力とかぁ。」
「わかった。見せてやろう・・・・。時よ、止まれ!!」
すると、カサイ以外の全員が止まった時間もだ。
「ふっ・・・・」
ばしぃと出雲に剣をむけるカサイ。
ずばっずばっ
「これでよし・・・。時よ、動け!!」
「へ??い・・たたたたたたっ」
見ると出雲が傷だらけになっていた。
「どうだ、これが僕の能力だ・・・。わかったな。」
「じゃなくて時を操ったんだよね。」
「いたたたたたたっ。」
出雲は周りをぐるぐると回った。
「ちょっと静かにしてくださいよ。出雲さん。落ち着きません。」
「そ・・そんなこと言ってもしかたないでしょう!!い・・・たたたたっ!!」
「お茶ができ・・・あらっ、出雲さん、大丈夫ですか?!来々長沙!」
それでなんとか傷をいやした出雲。
「でも、あんたも怖いももの知らずよね。幻天鬼の切れ味はただものじゃないんだから。」
「私はただ、能力を知りたいと・・・」
「大丈夫だって。宮内の寿命はゴキブリ並だからな。」
・・・がくっ
〔・・・・カサイさんめ・・・この恩はかならす返しますからね・・・〕
出雲が殺気立てていると
「それよりカサイさんって美少年ですねー。ゆかりんや熱美ちゃんが好きになるタイプね・・・。」
「ゆかりんや厚魅?」
それで呆れたように言う。
「ゆかりんと熱美ですよ。まったく・・・あなた、まじめだけど、
シャオ先輩並にぽけぽけなんですね・・・」
「ぽけぽけ?」
「ねえ太助様、私ってぽけぽけなんですか」
(確かに・・・にてるかも・・・・)
そこにいるほとんどがそう思った。
「まあ・・・よくはわからんがそれは・・・“悪い”意味なんだな?」
お茶をのみながら、ぎろっと花織の方を見るカサイ。
「別に悪い意味じゃないですよ。ね、楊ちゃん。」
「う、うん。だから、カサイさん。怒らないでくださいよ。」
「・・・ふん、まあいい。」
椅子に座るカサイ。またお茶を飲んだ。
しばらく沈黙。
「・・・それより、ルーアン先生。今日、別にとりこんでることなんてなかったじゃないですか?」
「あ、ああ・・それはね・・。」
「僕が慶幸日天の食い意地を治そうとしてたんだ。・・まったく、慶幸日天なから、
食い意地をもつなんて・・・・情けない。」
すると、くやしそうにカサイを見るルーアン。
「・・・へえ。でも、別にそれは性格なんだかから、しかたないじゃないか。」
(ああ、不良じょーちゃん。いえ・・・山野辺さん。
あんた気が合わないと思ってたら、案外いいやつじゃないの〜〜〜)
「性格だろーがなんだろーが、悪いところをなおすのは、僕の役目なんだ。」
「でも、那奈姉の悪いところをなおすのがあんたの役目だろ?
なんでルーアン先生の悪いとこなおしてだよ。」
(確かにそうだわ。なんであたしの悪いとこなおしてんのよ!!)
カサイはしばらくだまり・・・・
「それは俺だけじゃあない。万難地天だってそうだろ。ほかのやつに試練を与えたり。」
「それは自分から、試練をやっくてくれ、とか言うからだろ。」
すばやく言う翔子。ちょっとちがう気がするが。
「・・・・・毒舌なやつだな。まあ、いい。それじゃあ多数決で決めよう。いいな。」
毒舌・・・・?そうでもない気がするが。
「じゃあそーいう所をなおした方がいいと思う人・・・・・・。一人か。
ではそーいう所をなおさない方がいいと思う人・・・・・。ほう、かなりいるな。
だけど、シャオ、上げないのは、なんでた?」
「・・だって、カサイさんは悪いところをなおすのが役目なんですから、
そんなによってたかってするのは可哀想ですわ・・・・。」
その言葉に溜息をつく皆々。
「守護月天・・・・・。」
「一週間は長すぎるとおもうんなら、二日だけでもしてあげましょう、ね?」
「ちょっとまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
何勝手に決めてるのよ!!!!?あたしだっていっぱい食べたいんだから!!
うー・・・もう我慢なんないわ陽天心召来!!」
巨大ソハァーがカサイにむかって得激。
「あー、亞凛以外にカサイを殴らせないぞー!!!」
その反応にどてっと転ぶ太助たち。
「おい、亞凛・・・・」
「えーい、水雨美!!!」
水の釜でソハァーを壊した亞凛。
「変化!!」
水の釜が今度は、水の銃になった。
「もしまたケンカしたら、これうつからね!!」
びくっとする二人。亞凛の目は紫色に光っていた。
「よーし、主ぃ♪ケンカとめらせたよ♪」
だか太助は怒っていた。
「おい・・亞凛・・・なんてこと・・・してくれたんだよぉぉぉぉ!!!!
ソハァー代かえせー!!」
「えっ?」
・・・けっきょく、亞凛が怒られることになってしまった・・・・・・。
第13話「亞凛は家庭的?」
朝・・・・。
「がああああああ!!!遅刻したぁー!!」
太助はパジャマのままでどだとだと歩き回った。
「シャオ!!がっこ・・・・」
急いでいると、亞凛がエプロンを着ていた
「あ、おはよう主ぃ。シャオ姉なら、まだ寝てるよ。」
「寝てる・・・・?ああ、そっか。まだそんな時間なんだ・・。
ってえ!!!なんでそんなカッコなんだよ!?」
「何言ってるの、今日は日曜だよっ。それに、亞凛がこんなカッコしてておかしい?
ちょっと動きにくいけどさ。」
亞凛は少しふくれっ面で太助を見た。
「ああ、日曜なのか・・。そりゃあ、おかしくないけどさ・・・ってえ!!」
またもや口をあんぐりする太助。なんと、くまのクッキーを焼いているのだ。
「?あ、これか。かわいいでしょ!星形のもあるよ♪」
(ほ、本当に亞凛か・・?)
「あ、主ぃ、寝ていいよっ☆おやすみー。」
亞凛は強引に太助を追い出した。
「ちょっとあり・・・。ふう、何なんだ一体・・・。」
ー皆が起きたー・・・・
「ふわわわぁ、よく寝た・・・ぎょえええい!!」
ルーアンが亞凛の服装に目をやる。
「あ、おはようルーアン姉ぇー。」
「何よ、そのかっこうは。」
「エプロン。」
「じゃなくて何でそんなもん着てるのよ」
「シャオ姉が、お料理作るなら、えぷろん着た方がいいっていってたから。」
「へえ・・あ、そ。あんたらしい理由ねー。」
ルーアンはあくびしながら、椅子に座っていた。
「あー、おなかすいた・・・シャオリン、朝ご飯・・・。」
「今日は亞凛さんに頼みました♪」
さっき作っていたクッキーである。ルーアンはぱくりと食べた。
「ふーん・・けっこううまいじゃないの。変わった味だけど。」
そうすると、どんどん口にいれていった。
「えっ、ほんとですか?私もたべますー。」
楊明がぱくっと食べると・・・・・。
「けっこう甘いですね・・あ、あんこが入ってますっ。」
「クッキーにあんこ・・?悪くはないけどね。」
うーむ、と悩む二人。
「わーい、おいしいんだねっ。じゃあみんなもどうぞ♪
この中にはひとつ“あたり”があるんだよっ。」
「あたりって・・・?」
「とってもおいしくて八殺くんに選んでもらった商品なんだ。んではずれはねえ・・。
二つあるんだよっ超激辛と、まっずいもの。楊明姉が食べたのは、ふつうのやつ。」
「あれがふつうですか・・。」
呆れ顔の皆。だか亞凛は構わずにこりと笑う。
「・・ちょっと待ってくれ、激辛って水を使うんだよな?」
「それくらい我慢しなきゃ。」
キリュウは青い顔をしている。
「大丈夫だよぉ。キリュウ姉があたるわけじゃなし。」
「私が一番それっぽい・・・。」
がくっ
「おはよう・・。」
「あ、おはようこせざいます、カサイさん。」
「んー・・なんだこのクッキーは・・・。」
ぱくっ
「あ・・・。」
もぐもぐ ごくん
「・・・・・」
「カサイ・・さん?」
「まずい・・・・。まずいーーーーーー!!!!!」
うえうえっとしているカサイ。
「はーい、カサイ、はずれ。」
「お前・・。僕にどんな恨みがあるー!!」
冷静なカサイがこんなにあわててるっとことは、そうとうまずいらしい。
「恨みなんてないよ。(あるけど)だだ運だよ、運。」
「・・・だと?」
ケンカモード
「ちょっと待てえ!!」
ぴたっと止まる二人。
「二人とも、ケンカなら外で・・。」
「しかたない・・一番うまいのをよこせ!!」
「何言ってるのよぅ!あたしがおいしいのをやるんだからっ!!」
「残りは激辛かあ・・・。うっ・・・。」
「お饅頭なんかもほしいなー。」
わいわい言う皆。
「それじゃあ私もいただきますね。」
ぱくっ
「まあ・・・。とってもおいしいですわ。これがあたれなのですか?」
「わ〜♪シャオ姉があたりだあ〜♪」
ぼーぜんとする皆。
「しかたない・・。この赤いのを食べてみよう。」
ぱくっ
「かっ・・・からぁ〜!!!」
「二回連続はずれ賞・・・。」
お気の毒、だと思う皆。
(はあ・・良かった。これで安心して・・・)
ぱくっ
(かっ、辛い・・。)
「そういえば辛いのが二個あったんだよね。」
「・・・・。」
「もしかしてキリュウさん、その辛いのを食べちゃったんですか?」
「大丈夫だよ。辛いって言っても、キムチを一回食べただけだし。」
「それでもこの子には辛いのよ・・。」
ルーアンが呆れ顔で見ていると、
「それでもからいの?キリュウ姉ってば、デリケートだねっ。可愛い♪」
その言葉をいうとキリュウの顔がぼっと赤くなった。
「キリュウさん、熱いのですね。今お茶入れてきますから・・。」
キリュウがお茶を飲んで、一息ついたころ
「おい、亞凛。いつのまにあんな言葉・・。」
そういうと、亞凛は、“ばばん”とある雑誌を見せた。ルーアンが読んでいるような雑誌だ。
「この本って色々なことがかいてあったんだよ。主ぃも見る?」
そういう前にルーアンがばっと雑誌をとった。
「ちょっとあんた!!!いつの間にとったのよ?あたしがこっそりかくして置いたのにー!!」
「だってよくそれ見て笑ってるんだもん。だから、そうとうおもしろいんだなあ。
っておもったんだよぉ。」
「・・あんた、どこまで読んだのよ?」
「最初のページだけ。」
ルーアンはふぅと溜息をついた。
「ううむ、何か気になりますね・・。」
しばらく沈黙がつづいた。
あとがきぃ〜・・・・。
こんにちは、です。今回の話は“おまけ”ってかんじでした・・。
たまにはこうゆーのもいいかなって・・。
だから、2、3話はおまけってかんじの話がおおいかもしれないのですが、多めにみて・・・ね♪
しかしこの話はいつまで、つづくのだろう。
第12話「ルーアンまっけないもん」
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