まもって守護月天!+ 〜エデンの戦士たち〜

第3巻 時空を断つ剣


 

 

 

TAKA(KOURAN)

「あっ、自己紹介がまだだったね。僕の名前は影龍…“邪哭八龍”の一人さ。」

「邪哭八龍だと…?」

「そう、君達に封印されたね。」

「何、訳のわかんねぇこといってやがる!」

「そうか、きみは“マッシュ”じゃないんだね。…まぁいいや。あのお方に君を消せって言われているからね。」

「マッシュ…」

「(どうした、三神!!)」

「いや、なんでもねぇ。気になることは多くあるが、あいつを叩きのめして聞くしかなさそうだしな。」

「叩きのめす?わらわせないでよ。叩きのめされるのは君だよ。」

「なに!?」

そのときには、影龍は三神の後ろに回って、剣を振り下ろしていた。

「ぐぁぁぁぁ!」

「(大丈夫か!三神!!)」

「ちぃ、油断したか。」

「今度はこっちから行くぜ!はぁぁぁぁ!!!」

が、しかし影龍は三神の攻撃をいともたやすくよけていく。

「ねぇ?どこ狙ってんの?当たんないよ。」

「くそっ、何てすばしっこい奴なんだ!」

「まったく、こんな雑魚相手の僕を派遣しなくてもいいのに…」

「俺は雑魚じゃねぇぇぇぇ!!」

ズバッ!!

「ぐぅぅ。」

「どうだ!」

「ふふふ…まだだよ…」

闇夜に浮かぶ月の力を借りん――月影の太刀!

ガキィン!!

「へぇぇ、僕の攻撃を防ぐなんて、雑魚といって悪かったね。これなら本気を出して戦えそうだよ。」

「何、だと。」

「(三神、思い出したぞ。あいつはお前達の先祖が封印した邪哭八龍だ。)」

「封印した?いったいどういうことだ?」

「(あいつらは昔人類を新たな段階に導こうとした奴らなんだ。――ドラグナーの力を借りてな。)」

「ドラグナー?」

「(三神、来るぞ!!)」

「何一人でぶつぶつしゃべってんだい!」

「ちっ、これでどうだ!魔人斬り!!」

ガシャァン!!

「いいよ、そうこなくっちゃ。」

「くそう。全然効いちゃいねぇ…こうなったら…」

「(何をするきだ三神!!)」

「あの必殺剣をぶちかますんだよ!」

「(やめろ!あれはまだ未完成なんだぞ!!)」

「今の俺ならできる。そう、守護月天の力を得ている俺ならな!」

星宿の長であり、南方に輝く星よ、今こそ汝を召喚せん…来々!南極寿星!!

「な、なに!?」

「はぁぁぁ!!時空の彼方に消えうせろ!!必殺!時空双破斬!!!

ズシャァァン!!!

会場は光の渦に包まれた――

 

 

 

KURODO

「なんだったんだ、いったい…」

「大丈夫?クロード?」

「ああ、なんとか…それより、みんなは…?」

「俺たちはだいじょうぶだぞ。」

「俺たちも何とか…」

キーファ、太助と次々に無事の合図が送られた。

「でも、いったい今の光は何だったんだろうね。」

「おそらく、時空剣技だな。」

「時空剣技…?」

聞いたこともない言葉に疑問を抱くクロード。

「ねぇ、キリュウ。時空剣技って、いったい何なの?」

「マリベル殿。時空剣技というのは、敵を永遠に終わりのない時の最果ての彼方へと、転送させる技なのだ。」

「でも、時空剣をつかうと、その術者にも大きな負担がかかるわ。まったく、三神君といい、公ピーといい、何を考えているのかしら…」

「ね、ねぇ…あれ見てよ!」

「な、なに!!」

アルスの指差したモニターには、時空剣が当たったはずの影龍が立っていたのだ…

 

 

 

TAKA(KOURAN)

「ハァ、ハァ…」

「(大丈夫か!三神。)」

「な、なんとかな…しかし、ここまで時空剣が、俺の体力を奪うなんて思っていなかったがな。だが、これで終わっただろ…」

「まったく、危ないなぁ。もう少しで時の彼方だったよ。」

「なんだと…」

「どうやら、もう力が残っていないようだね。」

「畜生…やるなら早くやれよ!」

「ばかだなぁ…なんで君を一番初めに殺さなきゃいけないんだい?まずは…」

影龍は、シャオの方を向いた。

「!!てめぇ!!」

「ふふふ。死んでもらうよ!」

黒き闇夜の鎌よ相手を切り裂け!ダークサイズ!!

「シャオーー!!」

「い、いや…」

「死ねぇぇぇ!!!」

そのとき、三神の体が光に包まれた――

天と地を貫く大いなる翼…マーベルウイング!!

ズシャッ!!

「な、なぜ…」

「てめぇだけは許せねぇ!貴様のようなクズは今ここで成敗してくれる!」

「あ、あの技は…しかし、こいつはマッシュじゃ…」

「今一度時空の彼方へと消し去ってくれる!!時空対翼斬!!

「ぐぅぁぁぁ!!!僕が、ドラグナーでもない人間ごときにやられるなんて!!」

そして、あたり一面が闇に染まると、影龍は影も形も消えてなくなった。

「大丈夫か、シャオ…」

「はい、ですが三神さんこそ…だ、大丈夫ですか!三神さん、三神さん!!」

三神はシャオの無事を確認すると、その場で倒れていた。

 

 

 

TASUKE

「シャオ!大丈夫だったか!!」

「太助様!大変です!三神さんが…」

「どうした?シャオ…?」

と、そこへキーファが近寄ってきた。

「三神さんが倒れたんです!」

「な、なんだって!!」

キーファと太助は事情を聞きすぐさま戦いの行われていた会場へと向かっていった。

「おい、大丈夫か!」

「どうですか?キーファさん…?」

「だめだ、返事がない。これはちょっとやばいかもしれねぇ…。」

「まったく、力につかいすぎた馬鹿はここか?」

「あ、貴方は…?」

シャオの言葉に白衣をきた男が返事を返した。

「俺は、ボーマン。クロードが試合やるって言ってたから観客席でけんぶつしてたんだが、そこの馬鹿が倒れたのを見てここに降りてきたって訳だ。」

「おい、そこの兄ちゃん。これを飲ませてやれ。」

「あ、ああ…」

 

 

 

TAKA(KOURAN)

「ここは…?」

「ようやく目がさめたか。」

「あんたは…?」

「俺か?俺はお前を助けてやったボーマンってもんだ。よろしくな。」

「あ、ああ…」

ガチャッ…

「おい、三神大丈夫か?」

「太助か…ああ、俺あいつと戦ったあと倒れたんだな…」

「三神、無茶しすぎじゃないか?」

「あの時はああするしかなかったんだ。」

「そうだよな。俺たちを守ってくれたんだよな三神は…」

「おい、どうしたんだ太助?」

「いやなんでもないよ…」

ガチャン…

「なんだったんだ?あいつ…」

「ああ?あいつの連れがお前を助けてくれたんだぞ。感謝しとけよ。」

「つれって…」

「シャオだったか?あの子が気づかなかったら今ごろお前はこの世にはいなかったぞ。」

「そうか…あとでお礼をいっとかなくちゃな!」

「ああ。そうしてやれ。」

「でさ、今みんなはどうしてるの?」

「なんでも、これからレオンとか言う科学者のガキが話があるって、みんなを王の間へ連れて行ってたぞ。」

「分かった。俺も行く。」

「おい!まだお前の体は完治してねぇんだぞ!」

「大丈夫だ。自分の体くらい自分で分かる!」

ガチャン…

「だったら、ぶっ倒れるまで戦うんじゃねぇよ…」

 

 

 

ALL(EDEN`S MEMBER

「わりぃ、わりぃ…遅くなっちまった。」

「三神!もう大丈夫なのか?」

「ああ、なんとかね。」

「よかったですね。三神さん。」

「ああ…」

「ところで、僕たちをこんなところへ呼んで何をするんだろ?」

「さぁなぁ…何かはなしがあるって言ってたが…」

「みんな集まってるね。」

「あんたが、レオンか?」

「そうだよ。君達がここに集まってもらったのは、今から1000年以上も前の大戦『人龍戦争』の事を知ってもらうためなんだ。」

「人龍戦争…」

 

 

第3巻エデンの戦士後書き

今回は、影龍戦がメインでした。(三神の一人舞台だったような…)

以前の後書きにも書きましたが実は、この話はRPGにしようと思って書いていた原案がベースになっています。

もし、見たいという意見が多ければそちらも小説化して公開していこうと思っています。

なお、そのときにいっしょに原案を考えてくれたG君、Tさん、H君、C君、S君、M君ありがとう!(こんなとこで感謝しても…)


次回予告

邪哭八龍がなぜ人類を恨むのか――次回、人類の犯した過ちとシャオ達がなぜ精霊となったのかが判明する。

「――遥かなる昔、人間界とは違うもうひとつの異世界、邪龍ティアマットを崇拝する龍族が存在した。

 その中でも狂信的な崇拝者たちが、人間の過ちをティアマットにより粛清させようとした集団――邪哭八龍が起こした動乱のことを、

 人間たち科学者は『人龍戦争』と、言っている。」

「俺達は、エデンの戦士たちの末裔だ。そして、今ここに10人そろっている。これは何かの偶然だと思うか?」

「で、これからどうするんだ?まぁ、邪哭八龍を倒すしかねぇと思うが…」

「太助様は必ず守って見せます――そして、皆さんも。」

次回まもって守護月天!プラス〜エデンの戦士たち〜 第4巻 人龍戦争。

 

ひとは、誰かになれる――


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