まもって守護月天!+ 〜エデンの戦士たち〜

第2巻 現れた邪哭八龍


大会当日

 

 

 

「三神様ですね、お待ちしておりました。では選手控え室へどうぞ。」

三神たちは受付嬢に言われた控え室へとはいった。

「うわぁ…強そうなのがいっぱいいる…。」

「このなかに、ディアスも…」

「あたしがいれば怖いものはないわね。」

「こんなことしてて俺はいいのかぁ?」

「強そうな人がいっぱいいるね、キーファ。」

「そうだな、アルス。」

「私はどんなことがあろうと太助様をお守りします。」

「これで主殿への試練が見つかる。」

「この大会で優勝して、たー様と…」

「俺の強さを思い知らせてやるぜ。(そして、シャオと…)」

「(ふっ、久しぶりに腕が鳴るぜ。)」

10人(+1人)がそれぞれの思いを抱いているところに、さっきの受付嬢がやってきた。

「三神様の対戦相手を紹介しておきます。対戦相手は、ディアス様です。」

「へ…」

いま、ディアスっていった?

「おいおい、始めっからそんな強敵が相手かよ…」

「あと、試合のルールは、2人1組です。別に、1人でもかまいませんが…」

そういい終わると受付嬢は控え室から出て行った。

「おい、誰が戦う?」

「俺が行こうか?」

「いや、キーファ僕が行くよ。」

「クロード、お前の気持ちも分かるが、俺に行かせてくれ。」

「いえ、三神さんここは私が…」

「シャオがいくなら、あたしもいきたい。」

「ここはたー様とあたしでしょ!」

「ルーアン、そんなに俺を殺したいのか?」

「主殿を危険な目にあわせるわけには行かない、私が行こう。」

「キリュウちゃんが行くなら僕が行くよ!」

「僕も戦ってみたいな。」

「だぁ〜〜〜!!!こんなんじゃいつまでたっても決まんねぇよ。ここは公平に…」

「「「「「「「「「「公平に…?」」」」」」」」」」(珍しく全員。)

「ジャンケンだ!!」

三神の提案にほとんどがずっこける。

「ふざけんな〜!!」

「三神、こんな重大なことをジャンケンなんかで決めていいのか?」

「だったら、キーファと太助にはなんかいい考えがあるのかよ?」

「「う…」」

二人が反論できなくなったところで誰が行くかのジャンケンが始まった。

で、その結果決まったのは…

「つっしゃぁ!!俺が行くぜ!」

三神と、

「太助様、がんばってきます。」

シャオであった。

「三神、ドサクサにまぎれてシャオになんかしたらあたしが承知しないわよ!!」

「なんかってなんだよ!!」

「シャオ…がんばって。」

「はい…」

「じゃぁ、行ってくるぜ!!」

 

 

 

TAKA&SYAO(KOURAN)

『では、第5試合、一回戦目の始まりです!!』

ワァァアァァァァ!!!!

「なんだ?あっちは一人だと…」

三神たちと逆方向から現れたディアスはなんと一人だった。

「(一人で十分だと…面白い。)」

「おい、公嵐そんなに興奮するな!」

「(三神!!お前も一人で戦え!)」

「なに〜!!んなむちゃくちゃな…」

「(いいから戦え!!これほどの屈辱があるか!)」

「それはお前の偏見だ!―まぁ、いいけどよぉ…なぁ、シャオ。」

「はい、何でしょうか三神さん?」

「ここは俺一人で行く。」

「えっ?」

「あっちも1人なんだ、2人で戦うのはフェアじゃないだろ。」

「でも…」

「大丈夫だ、俺には公嵐がついている…」

「…分かりました。がんばってください三神さん。」

「あ、あと支天輪貸してくれないか?」

「はい、別にいいですけど…」

「サンキュー。」

『おーっと、これはおもしろいディアス選手に触発されてか、三神選手1人がリングにあがったぁ!』

「ほう、そんなに早死にがしたいのか?」

「…それはどうかな。」

はじめ!!!

 

 

 

KURODO

「何を考えているんだ三神は!!ディアスと一人で戦うなんて…」

「なぁ、クロードそんなにディアスって強いのか?」

「ああ、強いも何も…ディアスって言ったら剣士のあいだではその名を知らない人はいないほどの剣豪なんだぞ!」

「それはちょっとやばいかもなぁ…でも何で三神は一人でいったんだ?」

「どーせシャオにかっこいいとこ見せようと思ったんじゃないの?」

「いや、それはちがうぞ。マリベル殿…」

「違うってどういうこと、キリュウちゃん?」

「シャオ殿は、少し体調が悪いのだ。しかしそのことを見抜くとは三神殿はたいしたものだ。」

「そう、だったのか。キリュウ?」

「正確に言えばシャオリンだけじゃないわよ。あたしも、キリュウもここに来てからずっとなの。」

「ルーアン…」

「(しかし何なのだ?この感覚は。)」

「(なんなのよ、この変な感じ…)」

 

 

 

TAKA(KOURAN)

「(三神、お前も気づいていたのか?シャオリンが体調を崩していることを。)」

「まぁ、ね。お前が理由もなしに一人で闘えって言う方がおかしいからな。」

「(しかし、そのことに気づいただけじゃなく、シャオリンが力を使わないように支天輪まで持ってくるとはな。)」

「おっと、どうやら話しなんかしている場合じゃないみたいだな。」

「はぁぁ!!!」

ガキーン!

「くっ、何て重い攻撃なんだ。」

『おーっと、始まって早々ディアス選手、連続攻撃!!しかし、三神選手も負けてなぁい!』

「てやぁ!!」

ガキーン!

「くそっ、このままじゃ無駄に体力を消耗するだけだぜ…」

「(しかたない…三神!支天輪を夢幻刀清流丸の柄に通せ!)」

「なに?…こうか…っ!!なんだ!!?」

三神が夢幻刀清流丸の柄に支天輪を通すとあたりが激しい光に包まれた…

 

 

 

TASUKE

「どうしたんだ?テレビがいきなり光に包まれたけど…」

「ね、ねえ太助君あれ見てよ…」

「どうした、アルス…って三神がシャオの服着てる!?」

「あれってコスプレでしょ…三神ってそんな趣味があったの?」

「公嵐殿も考えたな。あれを使うとは…」

「あれってなによ?」

「あれは、夢幻刀の力なんだ。僕が以前紋章剣を習っていたときに講師の人が、いっていたんだ…」

「『この世界には、精霊の力を宿すことのできる特殊な剣がある。そのなかでも、精霊器を媒体にして爆発的にその剣の

 能力を高めることのできる剣を夢幻刀と呼ぶ。』って。」

「じゃあ、今三神はシャオの能力を得ているっていうのか?」

「そういうことになるね。」

「でも、公ピーも無茶なことをするわね。三神君は人間でしょ。」

「公嵐殿のことだ、何か考えがあってのことなのだろう。」

 

 

 

 

TAKA(KOURAN)

『おおっと光に包まれた三神選手、服装が変わっているいったいなにをしたのかぁ?』

「おい、公嵐何だよこの格好は!」

「(見てのとおり、シャオリンの衣装だ。)」

「んなの見れば分かる、俺が聞いているのはどうして着ているかだ。」

「(教えてなかったか?まあいい。精霊の能力を媒体に攻撃力を激増させるこれが夢幻刀清流丸の能力だ。)」

「なに!?清流丸にそんな能力があったのか。どうしてもっと早く教えてくれなかったんだ!てゆうかこの衣装は何とかなんねえのか?ちょっと恥ずかしいぞ!」

「(衣装の事はあまり気にするな。まぁ一応はお前に合った格好になっているはずだ。あと、夢幻刀の能力は体力を著しく消耗する諸刃の刃なんだよ。)」

「なるほど。でもこれで守護月天の能力が一時的に使えるわけだな。」

「(そういうことだな。)」

「ふ、夢幻刀か…」

「さすがは、剣豪、夢幻刀のことを知っているとは。」

「少しはまともに戦えるか。」

「いつまでそんなに余裕でいられるかな?」

「はぁぁ!!!」

鳳吼破!!

『おおっと、鳳凰だ!!ディアス選手剣から鳳凰型の衝撃波を繰り出したぁ!!』

「ちぃっ!!来々、塁壁陣!!」

ドカァァァン!!!

『さぁ、三神選手は無事なのでしょうか!…無事だぁ、三神選手大蛇の結界を張っている!!』

「いけぇぇ!!来々、天鶏!!敵を燃やせぇぇ!鳳凰破!!」

ドォゴーン!!!

『三神選手、次はディアス選手と同じく鳳凰を繰り出したぁぁ!!』

「く、やるな…こうでなくては面白くない。」

「そっちこそ。」

「じゃぁ、そろそろ本気でいくぜ!!来々、天陰!秘剣斬空閃…奥義ソーディングエアライド!!」

ガキーン!

「…どうだ!!」

「それがどうした?」

「な、なに!!」

「(おかしいぞ、三神…いくら剣豪と言えども守護月天の力と夢幻刀の力そして、三神の剣技を合わせた攻撃を受けてまともに立っていられる人間がいるわけねぇ。)」

「でも、現に立っている人間がそこにいるじゃねぇか!」

「ん!?おい、公嵐、ディアスの剣から何か出てないか?」

「(三神も気づいたか。多分あれが原因だ。あれを破壊すれば何とかなるんじゃないか。)」

「なんとかって、んなめちゃくちゃな…」

「(そんなことをいっている場合か!行動をしないと何もおきねぇぞ!)」

「わぁったよ、…来々、瓠瓜!!」

「全てを吸い込めぇぇ!!バキュウムブレス!!」

「ぐぅっ…」

「(今だ!)」

「七つの星々よ、我に力を貸したまえ…来々、北斗七星!!ひぃぃさつつ!北斗七星断!!」

バキィィン!

「やったか!?」

ディアスの剣は真っ二つに分かれ、その中から一人の少年が姿をあらわした。

「な、なんだ!?」

「さすがだね、エデンの戦士さん。」

「てめぇは誰だ!?」

「あっ、自己紹介がまだだったね。僕の名前は影龍…"邪哭八龍"の一人さ。」

 

 

第2巻エデンの戦士後書き

いきなりですが、誰が三神が守護月天の力を得ると思っていたでしょうか?

第2巻では、三神の持っている夢幻刀の真の力が発揮されました。

コスプレをして対象の人が力を発揮するという案もパクリです。(GB版テイルズ…)

まぁそれ以前に考えていた案なのですが…小説にしたのがGB版テイルズの後に完成したのでパクリと思われても仕方ないと思います。

あと、邪哭八龍の名前は以前僕が製作していた某RPG製作ソフト第3段で使用していたキャラクターの名前を使いました。

なお、この名前の考案者は僕ではありません。(だめじゃん!!)

では、次回また会いましょう。


次回予告

遂に姿をあらわした邪哭八龍彼らの目的はいったい…そして、三神の究極の奥義が影龍に炸裂する!

「(三神、思い出したぞ。あいつはお前達の先祖が封印した邪哭八龍だ。)」

「くそう。全然効いちゃいねぇ…こうなったら…」

「ばかだなぁ…なんで君を一番初めに殺さなきゃいけないんだい?まずは…」

「シャオーー!!」

「太助様!大変です!三神さんが…」

「君達がここに集まってもらったのは、今から1000年以上も前の大戦『人龍戦争』の事を知ってもらうためなんだ。」

次回まもって守護月天!プラス〜エデンの戦士たち〜 第3巻 時空を断つ剣。

 

ひとは、誰かになれる――


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