まもって守護月天!+ 〜エデンの戦士たち〜

第1巻 開幕!ラクール武術大会


大会前日…ラクール城城下町

 

 

TAKA(KOURAN)

「ここがラクールか。」

「(空気がよくて気持ちがいい、悪くないな。)」

「そんなことどーでもいいじゃねえか。それより受付はどこなんだ?」

「(あそこじゃないのか?)」

「ああ、そうかもしれないな行ってみるか。」

鷹たち(たちなのか?)は受付と思われる場所へといった。

「ここが、選手受付会場か?」

「はい、そうですが、招待状はお持ちですか?」

「招待状ってなんだ?」

「(あの手紙のことじゃないのか?)」

「あ、そうか…これでいいのか?」

「はい、三神鷹様ですね、どうぞ。」

言われるままに奥に進む鷹。

しばらく進むと、広いホールへと出た。

「ここが、対戦相手を決める会場です。ところで、三神様はお一人なのですか?」

「え、まあそうだけど。それがどうしたのか?」

「この、ラクール武術大会は10人1組のチームバトルなんですよ。」

「よーするに、仲間を連れてこいと?」

「はい、10人集まったらまたいらしてください。大会受付終了まであと10時間近くありますから間に合うでしょう。」

「わかった、集めてみるよ。」

 

「とはいったものの…10人も集まるのか?」

「(考えもなしに言ったのか?)」

「悪かったな、考えもなしで。」

「(…おい、この先がなんか騒がしくないか?)」

「え、確かに騒がしいな。わあっ!!」

そこで一人の女の子とぶつかった。

「大丈夫か?」

「はい。」

「か、かわいい…」

三神は少女に見とれてしまった。

「あの〜?」

「は、はい?」

「太助様を見ませんでしたか?」

「太助様??」

「(彼女は精霊だな。)」

「せ、精霊!?」

「え、どうして分かったんですか?」

「(俺のことを忘れたか?守護月天。)」

「俺の頭の中でいっても聞こえないっつーの。」

「(しかたないな、ちよっとお前の体を借りるぞ。)」

「へいへい。」

ここで紹介しよう。公嵐は、三神の体を一時的に借りることもできるのだ。

ついでに、借りても公嵐の口調はそんなに三神と変わらないため普通のひとでは気づかない。

「ひさしぶりだな、守護月天。いまはシャオリンだったな?」

「まさか、公嵐様ですか?」

「ああ、そうだ。ところでなぜお前がこんなところにいるんだ?」

「(シャオもラクール武術大会に招待されたんじゃないのか?)」

「うるさい、三神。」

「???」

「すまんな。これは一種の独り言だとおもって気にしないでくれ。」

「はい、わかりました。」

「(普通気にするだろ?)」

「いいんだ、彼女は少しポーっとしたとこがあるからな。」

「(そんなもんなのか?)」

「ところで、公嵐様はどうしてここへ?」

「俺は、ここの武術大会に参加しようと思ってきた。」

「そうなんですか。実は私もそうなんですよ。」

「ほう、ではいっしょに参加しないか?」

「はい、公嵐様がいると心強いです。」

「(お前、顔広いな。)」

「ふっ、精霊だけだがな。」

こうして三神と公嵐は一人仲間を増やした。あと残るは、8人…

 

 

 

TASUKE

「シャオ、どこいっちまったんだ?」

「どーせ道草食ってんじゃないの?」

「そんなことをするのはルーアン殿ぐらいだ。」

「うるさいわよ、キリュウ。」

「しかし、こうも遅いとは…なにかあったのではないのか?」

「シャオ…」

そこに二人の青年が通りすぎていった。

 

 

 

KURODO

「クロードぉどうするんだよ。」

「うーん、僕とアシュトン、それにレナとセリーヌさん、ボーマンさん、プリシスを入れたとしても6人か。

 でも、セリーヌさんがもっと早くこのことに気づいていれば仲間探しも簡単にできたかもしれないのに…」

「仕方ないんじゃないの?セリーヌさんしっかり大会のルールを聞いてきたわけじゃないんだから。」

「アシュトン、普通聞くだろ?」

「うーん、どうしよう…」

そこで3人の、いかにも連れ待ちの少年、少女、女性とあった。

「…シャ…」

その中の少年がなにかを言ったらしいがクロードとアシュトンには聞こえなかった。

「ねえ、そこの肩に龍背負った人。」

「ん、今誰か僕のこと呼んだ?」

呼び止めたのはさっきすれ違った3人の中の女性だった。

「(うわーすごく派手な人だなあ、セリーヌさんといい勝負だな。)」

と考えているクロードと、

「(あの赤髪の娘かわいいな…って、僕にはプリシスがいるじゃないか!なに考えているんだ僕〜!!)」

私欲と格闘するアシュトンであった。

 

 

 

ARUSU

「ねえ、ラクールについたのはいいんだけど、仲間を7人どう見つけるの?」

「そうねえ、とりあえず強そうな人に一人ずつ声をかけてみるってのはどう?」

「マリベル、それじゃあ日が暮れちまうって。」

「なによお、じゃあキーファも何か考えてよね。」

「そーだなぁ…ここにある酒場に行ってみる。」

「何で酒場なのよぉ。」

「酒場には、強いやつがごろごろ要るって相場が決まってんだよ。」

そうなのか?キーファ。

「じゃあ、酒場に行ってみよう。」

キーファの言われた通り酒場に行ってみたアルスたち…が、

「ねえ、ちょっとゴロツキ悪いお兄さんがいっぱいいるよ」

「あ、ああそうだな、アルス。」

「まったく、キーファの言う通りにしたからこうなったのよ!」

が、アルスたちの来たタイミングがあまりにも悪すぎた。

「お前ら、ここがどこだか分かってんだろうな?あん?」

そこには棍棒を持ったでかい男が居座っていた。

「ええ、分かってきたのよ。地味で薄汚い酒場ってね。」

「地味で薄汚いだぁ?何だその言い草は、あ?」

「まったく、態度がでかい、図体がでかい…最悪。」

「お、おいマリベル!!」

「この女…!」

馬鹿でかい男はついに切れた。

「女だと思っておとなしくしてりゃつけあがりやがって!!」

『わー!!』

もうだめだ、そう思ったとき、

―空にたゆとう精霊たちよ、

今こそ汝らの力を使わん…

空天破!!

そこに爆風が吹荒れた。

「行くぞ、シャオリン!」

「はい、公嵐様!」

「な、なんだ!あいつら…」

「そこの3人、下がってな。」

「いや、俺達も手伝うぜ。」

「ふっ、いいだろう。」

『行くぞ!!』

「―天明らかにして星来たれ 青龍の星は召臨を厭わず月天は心を帰せたり 来々 梗河!!」

「いくぜ、火炎斬り!!」

「あたしを女だからってなめないでよ!メラ!!」

「てやーー!!」

「秘剣斬空閃!!」

ズゴーン!!!

馬鹿でかいゴリラ男は吹っ飛んだ。

「いててて…」

そこには、クロードたちが立っていた。

「て、てめェは…!!!」

ゴリラ男は思い出した、クロードのフェイスガンによって吹っ飛ばされたことを。

「ずらかれ!!!」

ゴリラ男はあっという間に立ち去っていった。

「まったく、こりないやつだな。」

「シャオ!!」

「太助様!!」

「(こっちはこっちで感動の再会やってるし…)」

「で、今までなにがあったんだシャオ?」

これまでの経緯を述べるシャオ。

「そうなのか。ありがとう、公嵐さん…」

「へ?俺、三神だけど」

「え、三神さん?」

「ああ、公嵐ってのは、俺の意識の中にいる精霊だ。」

「へ〜。」

「でも、精霊が呼び出せたのは俺だけじゃなかったんだな。」

「俺も同感…」

『はぁ、お互い大変だよなぁ…』

「(でもいいじゃねえか、太助は。)」

「(なんで?)」

「(いつもシャオといっしょなんだろ?うらやましいぜ…はぁシャオの寝顔かわいいだろうなぁ…)」

「また敵が増えた…」

などと思う太助であった。

「ねえ、君の名前なんていうの?」

アシュトンがキリュウに尋ねる。

「わ、私は…」

キリュウは顔を真っ赤に染めて慌てふためいている。

「まったく、キリュウは恥ずかしがりやなんだから。」

「へ〜キリュウちゃんっていうのか。かわいいなまえだね。」

さらにキリュウは赤くなった。

「なあ、お前名前なんていうんだ?」

「僕の名前は、クロード・C・ケニーって言うんだ、クロードでいいよ。」

「俺は、キーファ・グラン、キーファでいいぜ。」

「ところでさ、みんなラクール武術大会に出るんだよね?」

「そうだが、アルスそれがどうかしたか?」

「僕と、キーファ、マリベル、三神さん、太助君、キリュウちゃん、シャオちゃん、ルーアンさん、クロードさん、アシュトンさんで

 ちょうど10人なんだけど。」

「「「「「「「なに〜!!!」」」」」」」(シャオとキリュウ以外)

「確かに、10人だ。」

「でも、キリュウさんや、シャオさんを戦わせるなんて、僕はどうかと思うんだけど。」

「クロード、それならあたしが保証するわ。シャオは十分強いわよ。」

「確かにマリベルの言う通りだ、あの8角形のアクセサリーから出てきたやつはかなり強かったぜ。あと、三神も半端じゃなく強い。」

「へー、そうなんだ。」

「俺が思うに問題は太助だな。」

「なぜだ、三神?」

「公嵐が言う限りでは、ルーアンも、キリュウも十分戦うことはできる。だが、太助は普通の人間だろ?」

「確かに、武器らしい武器なんて何にも持ってないよね太助君…」

「アシュトンさん!俺だって十分戦えるよ!」

「しかたないな、とりあえずこれを貸してやる。」

三神は太助の方に西洋剣を投げた。

「これは?」

「そいつは、ヴァトラスの剣…剣の持ち主とともに成長する剣だ。」

「でも、剣ってこんなに軽いものなのか?」

「そいつなりにかんがえているのだろう、剣の精霊が雇ってんだからな。」

「へぇー…」

「話がついたところで、そろそろ行かない?日が暮れちゃうわよ。」

「確かに、ルーアンさんの言う通りですね。」

「じゃあ、受付会場へ行こうか。」

三神たちは受付会場へと急いだ。

 

 

 

ALL(EDEN`S MEMBER)

「確かに、10人ですね。では、明日の10時にまたここに集まってください。」

 

――――受付を済ませた三神たち、

「ふー、これからどうするキーファ?」

「ああ、そうだなあ…とりあえず、泊まるホテルはいっしょみたいだな。」

「でも、2部屋しかないよ。」

「ルーアン、たー様と一緒がいい!」

「俺は、シャオと…」

ゴツッ!

「いて、なにすんだよマリベル!」

「ふつー男女別々でしょ、まったく…シャオ、ホテルについたらかぎ掛けるようにね。」

「なぜですか?」

「三神がヨバイするから。」

三神は豪快にずっこけた。

「かわいい顔して結構ひどいこというなぁ、マリベルって…」

「太助様、夜ばいってなんですか?」

「え、それは…夜に…」

「わーっちょっとまったぁ!!」

「何だよ、三神?」

「俺をいじめてそんなに楽しいか?」

「「「「「「「「うん。」」」」」」」」(やっぱり、シャオとキリュウ以外)

プチッ…

「…お前ら、もう許さん、奥義斬岩剣!!」

「わ〜逃げろー!!」

こうして夜はふけていった…

 

 

第1巻エデンの戦士後書き

今回のエデンの戦士たちは、主要キャラ達の出会いがテーマとなっています。

結構一人一人の個性が出せていてよいと僕は思いますが…どうでしょうか?

しかし、今回はいろんな所から武器や剣の名前をパクっています。というか、この話以降どんどんパクりだします。(だめじゃん!)

奥義斬岩剣なら分かる人は結構いると思いますが、(月天知っている人はラブひなも知っているというのは僕の偏見か?)

さすがにヴァトラスの剣の元ネタが分かる人は少ないと思います。(しっていたら貴方は相当のガンダム好きです。)

次回はディアスと三神が戦います。この話に重要な邪哭八龍も登場します。では、次回にまた…再見!(月天知ってたら分かるでしょう?)


次回予告

ついに、ラクール武術大会が始まった。それぞれに新たな決意を固め初戦へと向かう――

だが、そこに潜む世界をも揺るがす敵がいるとは誰も知るよしもなかった…

『では、第5試合、一回戦目の始まりです!!』

「何を考えているんだ三神は!!ディアスと一人で戦うなんて…」

「(しかたない…三神!支天輪を夢幻刀清流丸の柄に通せ!)」

「あれは、夢幻刀の力なんだ。僕が以前紋章剣を習っていたときに講師の人が、いっていたんだ…」

「なるほど。でもこれで守護月天の能力が一時的に使えるわけだな。」

「あっ、自己紹介がまだだったね。僕の名前は影龍…“邪哭八龍”の一人さ。」

次回まもって守護月天!プラス〜エデンの戦士たち〜 第2巻 現れた邪哭八龍。

 

ひとは、誰かになれる――


戻る