タイトル キネマ地獄へようこそ(笑)その5ー3シャオリン編
ジャンル コメディとギャグ(予定)
コメント お待ちかねシャオリン版エンディングです。

6その3、キネマ地獄へようこそ(笑)

七梨家前にて、午後5時過ぎ、Xタイムは午後9時から11時である。
(ふうー、どうやら、誰にも悟られずに、ここまで来た。あと約6時間、頑張らなくては。)(太)
 太助は先ほどまで、乎一郎と一緒に、たかしの補修に付き合っていた。
何かしていないと落着かないからだ。それと罪悪感も多少ある。
2人は、荷物(たいした量じゃないが)と着替えに家に帰っていった。
「ただいまぁ。」
と、太助は玄関に入り、靴の揃えながら、現在、家に上がり込んでる人物を靴で確認する。
(ひい、ふう、みい・・・山野辺も宮内出雲も、来てるな。よし、作戦通りだ。)(太)
やはり、購買部での駄目押しが、効いたのだろう。
部屋に入って着替えを終えて、リビングに入ると、コカを抱いて楽しく談笑している翔子と奈々、
出雲持参の薄皮饅頭の空箱を前にして、満足そうなルーアンと離朱。
キリュウはここには居ないようだ。恐らく自室で扇風機に、かじりついているのだろう。
視界端には憔悴しきった宮内出雲の姿が目に入った。
(何が、あったかは、あえて聞かないでおくとしよう。
さらば、宮内出雲、お前のことは、忘れない・・・)(太)
心の中で、多分、今日は復活しないと、思われる、宮内出雲に数秒、黙とうする太助。
そして、いつも通りに振る舞う。
「おーい、シャオなんか手伝うことないか?」
と、言ってキッチンに入って行く、太助。
そこには、シャオがハミングしながら、夕飯の準備をしていた。
「ふーん、ふふーん。」
シャオは、料理に夢中で、どうやら気づいていないようだ。
「おーい、シャオー。」
返事はない。まだ聞こえてないようだ、
(おいおい、いらなんでも、この距離で、聞こえてないのか?・・・どうしようか。)(太)
「もしもーし、シャオリンさーん、返事して下さーい。」
太助は、とうとう、シャオの耳元で、ささやいた。
「きゃあ!?」
っと、シャオ包丁の持った手が、太助の髪を数本薙いで、顔前を通り過ぎ、(危ないなぁ)
両手を挙げてままのシャオがこっちを向いて、
「あーびっくりした。いきなり、何をなさるんですか?太助様。」
「ビックリしたのは、こっちだよ・・・って、まあいいや。
それより、何か手伝う事無い?なんだか、やる事なくてさあ。」
「あら、太助様、わざわざすみません。じゃあ、そのにんじんの皮を剥いてくださいませんか?」
「よし、おっけーシャオ。」
2人の楽しい時間が流れる。
(なんかぁ、このやり取り、新婚さんみたいだなぁ・・って、何て素敵な妄想してんだ?!俺。)(太)
なーんて、妄想しながらやってると、お約束通り、指をさくっと切る。(何故か右の指)
「あっ、太助様、指から血が・・・」
「あー、こんなの唾つけて、舐めときゃ直るって。」
「それも、そうですね。」
と言って、おもむろに、太助の右手を持って、口を近づけ、太助の指を舐めるシャオ。
「!!シャ、シャオ!?」
返事が出来ないので、目線を向けて意思表示をして、何ですか?と首を可愛くかしげる、シャオ。
「シャ、シャオ!そんなこと、しなくていいよ!」
太助は思わず調子で言ってしまった。びくっ、として、太助の指を放すと、
シャオは、一雨降る直前の空の模様のような顔をして、
「・・・・太助様、・・・ご、ごめんなさい。」
沈黙・・・・・なんだか気まずい時間が流れる。そして、静かに雨が降る・・・・
・・・ぽたりと、床に一滴。
「!!」
 なんだか、体が勝手に動いたような気がした。そうしなきゃいけない、ような気がした。
気がついたら太助は涙ぐむシャオを抱きて、そっと、頭を撫でていた。
「シャオごめんよ、泣かないでくれよ。俺が強く言い過ぎたよ。
だから、泣き止んでくれよ。シャオが泣くと、俺もとっても悲しいよ。」
涙を止めようとしても。今度はうれし涙があふれて、只々、頷くシャオ。
二人はしばらく、そうしていた。

夕食後、恐怖の時間は刻一刻と迫っている。しかし、まだ、誰も気づく気配は無かったみたいだ。
大勢の夕食は、楽しかった。誰も気づかないだろうとタカをくくっていたが、
だが、油断してはいけない。(平行世界(爆)では、ここで失敗したのだから)
しかし、太助の気持ちとは、関係無しに、事態は急展開する。
「おい、七梨。」
「なんだよ。山野辺。」
「・・で?今日は一体なにがあるんだ?」
「何のことだ?」(こいつ、だけは、油断ならねえ。)(太)
「しらばくれるな。何かあるのは解ってるんだ。」
「・・・じゃあ、降参か?」
(ふふっ、甘い、甘い!その程度で、このあたしを、騙し通せると思ってるのかい?
七梨、悪いな、今日はあたしの勝ちだ!)(翔)
「いいや、答え合わせだ!」
(そーいえば、以前シャオに聞いたんだよな。映画がどうとかって。ようやく思い出したよ)(翔)
そう言って、不敵に笑う翔子。
「!!」
太助は絶句した。そして、残ったわずかな平静さで、廊下に出ないか?と翔子に合図を送る。
翔子は頷き、太助と一緒に廊下に出る。
「なあ、山野辺。解っちまったのか?」
「今日の水曜映画ショー・・・だろ?」
露骨に顔色を変える太助。翔子は勝利を確信し、そして
「悪いな、七梨・・・。」
翔子は短くそう言って・・・どす、どす、どす、と、強烈なボディーブローを3発入れた。
別に恨みがある訳ではない。
「・・っが、な、何を?・・・」
うめく、太助。
「まだ、足りないかな?」
さらに、どす、どす、どす、と。さらにもう3発。
「うぐっ!?・・・」
太助は息が出来ない。ていうか、意識がヤバイ。目がうつろだ。
「よし、こんなんもんか。」(やりすぎです。)
と一言漏らした後に、
「おーい!シャオ!大変だ!!」
と叫ぶ。シャオが駆けつける。呼ぶときに「七梨が」と入れなかったのは、
余計な奴等が、来るのを防ぐためだ。
駆けつけたシャオに翔子は小声で耳打ちした。
「シャオ、いいか、良く聞けよ。今、七梨は、腹がとっても痛いみたいなんだ。
でも星神に看てもらうのは嫌だから、シャオに看て欲しいって、わがまま言ってるんだよ。
こまったやつだよな。」
と、翔子は太助が喋れないのを良い事に、嘘八百をでっちあげる。
「まあ、太助様ったら・・・(こまった様な顔、でもちょっと、嬉しそう)解かりました。
私が守護月天として、責任を持って太助様を・・・・じゃない方がいいんですよね?この場合。」
「おっ?良く解ってるじゃん。一人の女の子として、大事に看病してやれ、
七梨は大喜び間違い無しだ!」
(・・・守護月天じゃない私を一人の女の子として見てくれる・・・
ああ、ここは平和で良い時代ですね・・・本当に、この時代に呼び出されてよかった。)(シャ)
口に出すと翔子に怒られそうだったので、心の中でつぶやくシャオ。
「じゃあ、翔子さん、太助様をお部屋に運ぶの手伝ってもらえませんか?」
「ああ、良いとも、でも2階か、こいつは骨が折れるな。」
「?いえ。そこまでですよ。私の部屋に運びましょう。」
これは、さすがに翔子も予想していなかった。
もし考えて、言ったなら、なかなかの策士だぞ!と翔子は思う。
まず、そんなことは無いはずだが。
そして、翔子は、太助の横について、看病しはじめるシャオを確認すると、
「七梨、今日だけは、いい夢見ろよ!」
と、言って、翔子はリビングに入った。面白いことは即実行、これが翔子の生き方だ。

「おーい、みんな、聞いてくれ。今日の水曜映画ショーはなあ・・・・」


キネマ地獄へようこそ(笑)


了


長い長い本当の後書き
 ふー、ようやく、書き終わったよ。キネマ地獄へようこそ(笑)
本編としては、一応これで、終わりです。ここまで読んで下さった皆様どうもありがとう!
シャオファンに喜んでいただければ幸いです。シャオ編は、一度、でっかい没を書いてしまって、
今までより苦労しました。(苦労の割には、あまり良い作品ではありませんが、
って言うか、途中で書くのだるくなったし、多分最低の出来でしょう)
その他、補足の話は今後、外伝の形で書くかも知れませんが。ここはひとまず終了です。
では、ボヤキあんど愚痴をば。
 書いていて思ったこと、シャオリンは書きにくい!!なんて受け身なキャラなんだ!
今の私には、あれが限界です。勘弁してください。
ルーアンか花織ちゃんのつめの垢を煎じて飲ませたいくらいです。
(でも、それやっちゃうとニセモノ呼ばわりされちゃうんだよね)
てな訳で今回、翔子さまに助けて頂きました。
翔子さま、貴方のおかげで、このSSも無事、書き終える事ができました。
(あと、空理さんの書きこみもヒントにしました。)
 今回のことで、私の中に新たに浮上した言葉。
「鬼!悪魔!翔子!」今回の翔子さまは血も涙もない鬼の所業を行いましたので。
(翔子さまファンの皆様ごめんなさい)
 あと、友人であり会社の先輩でもある、LONG、Kさんの
「○○ってなんかキャラ違くない?」とか手痛い指摘をありがとう。
おかげで、修正がはかどったよ。でも、「10話くらいまであると思った」とか、
大風呂敷なことは言うのは勘弁してください。これはショート・ストーリーなんだから・・・
やっぱ人の意見は大事ですよね。うわっち、これは、ちょっと支離滅裂。
 聞かれたこともあるので、ネタばらしを少々、
時期の設定は「万難地天の憂鬱」の後で「宮内神社のシャオリン」の前です。
(最も使いやすい時期だと思います。)あと、出雲が撃沈されたのは、
「奈々と出雲の第一回思い出話大会」を強制参加で開かれたからです。
コメンテーターは翔子さま、出雲お兄さんには最悪の企画ですね。では、こんなとこで、

ご意見、御感想はメールでも受け付けております。
ふぉうりんのアドレス
fou_rin@f5.dion.ne.jp
です。
では、皆さん、次の作品でお会いしましょう! 再会!

2000年7月30日 ふぉうりん
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