タイトル キネマ地獄へようこそ(笑)その4
ジャンル コメディとギャグ(予定)
コメント 余計な事をやってしまった。また犠牲者が増えた(笑)

5、出雲フォーエバー(爆)

 昼をやや過ぎた頃、購買部、
(終業式の日でも、部活やってる人のために購買部ってやってるもんなんです。昼ごろで閉まるけど。)
「おや、太助君、あなたが、ここに来るなんて、めずらしいですね。」
と、宮内出雲。
「ああ、今日は、乎一郎と一緒に、たかしの付き合いで、補修をね。
たかしが昼までの分、終わんないから、乎一郎が教えて、俺が昼飯調達係。」
と返す太助。すると、出雲は。
「すると、シャオさんは、お帰りになったと、・・そうですか。分かりました。
夕方にでも、母手製の薄皮まんじゅうでも持って伺いますよ。」
(何!?ゆ、夕方あぁ!?、それでは、宮内出雲が、
今日の映画の存在に気づくかもしれないじゃないか!?これは、まずいぞ!)(太)
太助は内心の動揺を押し隠しつつ、一瞬、間を置き、
何やら勝ち誇った様な表情で、こう言うのであった。
「そうか・・・夕方かぁ・・・流石のあんたも、昼間っから白昼堂々、
あの環境には行けないって訳か・・・うん、そりゃ、そうだろうな。」
(なんだか、今日の太助君は、先程、翔子さんが言っていた通り、
いつもと、様子が違って挑戦的ですね。)(いず)
「どうしたんですか?いつもの、貴方らしくない。
嫌な顔ひとつしないで・・・ところで、あの環境って一体どういう意味なんです?」
(ふっ・・・掛かった。)(太)太助は自分の勝利を確信した。しかし、顔には出さない。
「ああ、それか。聞きたい?聞きたいのぉ?精神衛生上、聞かない方が良いと思うよ。
多分聞いたら、絶対後悔すると思う。」
「もったいぶらないで、いいから、話して下さい。」
(なんだか、いつもの太助君らしくなくて、不愉快ですね)(いず)
「よーく、聞いてくれよ。あんたにとっては、飛び切り悪い話だ。
まず、家にはシャオのほか、キリュウやルーアンが居る。
まあ、ここまでなら、ルーアンに、変なアダ名でからかわれるだけだが、
それに加えて、奈々姉や多分、山野辺も居る。・・・これ以上、説明いる?」
「・・・・・・」額にてを当て、しばらく出雲は無言でいた。そこで、太助は駄目押しに行く。
「そうか、夕方か、これで安心して補修に打ち込めるってもんだ。
いやあ、ここに来て、思わぬ収穫だ。」
どんなに、わざとらしく言っても、最早、こうなると、売り言葉に買い言葉だ。
「太助君、誰が夕方に必ず行くと言いましたか?それは、私へ対する挑戦ですか?
私にも、プライドって物があります。いいでしょう、受けて立ちましょう!
これから、すぐ、ここを片づけて、貴方の家行きます。そして、太助君
、貴方が帰って来た頃には、私とシャオさんの間に入り込めない位、親密なってさしあげますよ!」
と勢いよく啖呵(たんか)をきる、出雲。冷静になって後悔するのは、もうしばらく、先のようだ。
「あっ、そうなの、ふーん、出来るんだったら、頑張ってねぇ。あっ、そうそう、パン。」
「パン!?そんな物、もう、残り少ないから、全部差し上げますよ。
今日はもう、店仕舞いです。さあ、これ持って、さっさと、お行きなさい!」
といって、売れ残りのパンを太助に乱暴に渡す出雲。
「サンキュー。それじゃ、俺も補修頑張るから、あんたも、頑張ってな、
・・・無理だと思うけど。(ボソッと)」
「何か言いましたか!?」
「いや、別にぃー。」
そう言って、3人分にはやや多いパンを抱えて、走り去る太助であった。

午後、七里家前
(なんで、私はここ所に居るのだろう。太助君に挑発されたから?
いや、ちがう私はシャオさんに会いに来たのですが、・・・インターホンを押す、
指が動かないのは何故でしょう・・・)(いず)
多分、事前情報と本能で、この先には魔女が3人待っている
(彼にとっての天使も一人居るのだが、多分、たどり着けない)地獄しかない、
という事が、解っているのではないだろうか。
 出雲には、インターホンは地獄へのスイッチ、扉は地獄へ直通の扉にしか見えなかった。
・・・どうましょう。このままここに立ちつくすと、ただの不審人物になってしまう。
かといって、ボタンを押す勇気?(この場合は勇気でしょう←ふぉうりん)がない。
・・・かといって・・・
などと、心の中で葛藤していると、無情にも、内側から扉が開いた。
中には魔女(失礼)が立っていた。
「よお、よく来たな。宮内。」
「なっ、奈々さん!?どうして私が居ると?」
声がどことなく、うわずっている出雲。
「あん?なに言ってんの?磨りガラスから、見えたから、客かな?
って思って開けたら、おまえが居たんだよ。まあ、立ち話も、何だから、上がれよ。」
といって、出雲の返事も聞かずに、ぐいぐい引っ張る奈々。
「おーい、シャオ!宮内が来たから、茶の準備よろしくな!」
はーい、わかりました。とシャオの明るい声が聞こえてきた。そのとき出雲は、はっと我に返った。
「奈々さん!私はシャオさんに会いにきたんですよ!!あなたに、かまっている暇なんて・・・」
しかし、というか、もちろん、奈々の耳には届いていない。
太助の部屋の前まで、出雲を引きずって行くと。(凄い腕力だな。)
「おーい、翔子!お前の言った通り、宮内が来たぞ!こいつで遊ぼうぜ!」
そして、魔女の待つ、地獄への扉は開かれた。
ギィー・・・バタン。

さらば宮内出雲。君の笑顔は忘れない・・・・・・・だめかな?


中書き何ぞを。
本書での、第三の犠牲者が出ました。(笑)(一人目は太助、二人目はキリュウ)
本編には書けませんでしたが。こんなエピソードも準備しました。
奈々が出雲を翔子の前に連れてきて、恐ろしい台詞を言います。
翔子と出雲が、太助と奈々に血の繋がりを新たに認識する。って話です。
そこまで、書いちゃうと、身意味に出雲いじめが長くなってしまうので。
やめました。これでも十分長い気がするし。
一応、次で終わる予定です。太助君の運命は如何に(笑)

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です。
では、皆さん、次回「キネマ地獄へようこそ(笑)その5」でお会いしましょう! 再会!

2000年7月27日 ふぉうりん
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