タイトル キネマ地獄へようこそ(笑)その3
ジャンル ギャグとコメディ(予定)
コメント 学校で太助君孤軍奮闘です。私の書く太助君は汚れまくりです(笑)
4身内をおさえろ!
太助はある事実に気づき、そして、考えていた。
以下太助内部思考。
(うーん、どうしたもんかなあ・・・喩え我が家の危機を回避してもだな、
放送された映画を、他のみんな、特に山野辺と宮内出雲に見られた日には、
これから暫くいじめ倒されるに違いない。
なんとしても、あの2人にだけは、見られるのを阻止しなくては、
さてどうしたものか・・・放送局の爆破、電波塔の破壊、強烈な妨害電波、
・・・だめだ、どれもテロリズムに満ち溢れてる。犯罪行為だ。しかも、ほとんど実行不可能だ。
もう少し、前向きで身近な所から・・・・・!!
おお!今日は、7月19日で終業式ではないか!!明日から夏休み。
喩えクラスの人間に見られたも40日も立てば忘れてしまうものだ。
人の噂も49日って言うしな。(※75日です)
と、いうことは・・・あれを観てあれが俺だと分かり、
なおかつ、夏休み中に顔を合わせる人間・・・・そうか、
身内を家に集めて、どうにかすればいいだな。ふむ、幸い今日は終業式だから、たかしあたりが、
「明日から夏休みだ!今日は太助の家で遊ぶぞ!!」
とか言うに違いない。今日ばかりは、企画好きなたかしに感謝しよう。
その流れでいくと・・・・愛原はまず確定だな。
宮内出雲は多分勝手に来る、いや今日だけは、是非来て欲しい
(まさかこんな風に、あいつに家に来て欲しいなんて思う日が来るとは・・・)
あとは、山野辺かあ、あいつは一筋縄では、いかないからなあ。
うーん、「今日は、なんだか自信がないから、シャオを守って欲しい。」って頼めば、
間違いなく来るだろうけど。そんな情けない事言ったら、
あとで山野辺から奈々姉、キリュウに伝わって、
想像もしたくないくらい、素敵な事態や試練が待ってるに違いない。
(それじゃ、タイトルが「キネマ地獄へようこそ(笑)」じゃなくて
「試練地獄へようこそ」になっちまうしなあ。←ふぉうりん)
では、言い方を変えよう。それは、後で考えるとして。ひとまず希望の光が、見えてきたぞ、
よし、なんとかなりそうだ!!
太助内部思考終了。
と、そこまで考えをまとめると、ほぼ、いつも通りの顔にもどり
「シャオ、ルーアン、心配かけたな、もう考え事は終わりだ。
これからは、いつも通りの俺だ。静かにしててくれてありがとな。」
シャオは笑顔でうなずき、ルーアンは神妙な顔をしていたが、特に気にもとめない太助であった。
学校はすぐそこだ。校内あんな顔してたら、翔子あたりに、あっと言う間に看破されてしまう、
ところだったであろう。意図していないところで絶妙な切り替えをみせる太助であった。
学校にて、2年1組の教室、
太助内部思考
(終業式も終わった。通知票ももらった、(歴史にだけ、無意味に10とか付いていたが、
因みに5段階評価だ。があえて気にしない)あとは、ホームルームだけだ、
そして、たかしよ愛原よ、早く俺の元に来い!いや、来てくれ!
そして、今夜は俺の家で遊ぼう!と言ってくれ!)
しかし、ホームルームが終わってもたかし、どころか愛原も来ない
。おかしい、どうしたと言うのだ!?これでは、俺の計画が丸つぶれではないか!
たかしの事(と自分の事)が心配になった太助は、様子を見にたかしの席へ。
そこには、机に伏せた、たかしの姿があった。
「たかし何かあったのか?」
すると、たかしは無言で通知票を差し出してきた。凝視する太助。
・・・・・これはヒドイ・・・太助は励まそうと思ったが。たかしが静かに首を振る。
そこへ乎一郎が来て。
「あれ?それ、たかし君の通知票?うわあー・・・あれ?なんか、はさまってるよ?
招待状?・・・補修授業か・・・・これ、今日からじゃないか?」
「!!今日?!」
(そうか、だから遊びの企画をしに、来なかったのか、しかし、まずいぞ。
いくらなんでも、夜までやらないだろうし、疲れきったら、まっすぐ家に帰るだろうし。
このままでは、非常にまずい、これだけはやりたくなかったのだが・・・)
「なあ、たかし、今日、俺の家に来ないか?もちろん補習授業が終わったらさ。
シャオに沢山美味いもん作ってもらって、みんなで、騒いでさあ。
・・・だから、たかし、元気だせよ!お前がそんなだと、こっちも調子が狂うんだよ。」
たかしは、感動して、目と同じ幅の涙を流して喜んだ。しかし、太助の心は、なんだか痛んだ。
(俺は、嘘は付いてないし、たかしに元気で居て欲しいのも本当だ。
しかし、この気持ちはなんだ。やはり目的が間違った所のあるからなのか?)
その光景を遠目に見ていた翔子は、今日の七梨は、何かおかしいと判断し、シャオに尋ねるのであった。
「なあ、シャオ、今日の七梨なにか変じゃなかったか?」
「太助様なら今日は、考え事がしたい。と、おっしゃってましたが。どうかしましたか?」
「・・・そうか。ありがとな。シャオ。べつに、大した事じゃないよ。」
そう言って、やはり、なにかあるな。と口元をニッと引き上げ、太助たちに近づいていく翔子。
「よお、七梨。なんだか今日のお前は、やけに友情に厚いなぁ。」
などと、かまをかけてみる。翔子。
(ここで、うろたえては駄目だ。全てが水の泡になる。落ち着いて対応だ。)(太)
「なんだ、山野辺。お前も、俺達の友情に混ざりに来たのか?」
「ばーか。そんなんじゃねえよ!」(なに!?普通に返してきやがった!
今日の七梨はなかなかガードが固いぞ、これは絶対になにかある!!ならば・・・)(翔)
「七梨が家に人を誘うなんてめずらしいから、何かあるのかなぁって思っただけだよ。」
(さすが、山野辺。もう気づいたか、だから、自分から誘う手は避けたかったんだ。
しかし、ここで飲まれて、負けてしまってはいけない。
今までの俺の苦労が・・・ならば、ここは、)(太)
「何かあると思ったのか・・・。なら自分の目で確かめに、うちに来てみたらどうだ?
別にどっちでも俺は構わないけどさ。」
(ほほう。今日の七梨は何時のなく強気だなあ。あたしと勝負しょうってのかい?
七梨にしては、いい度胸だ、その挑戦、受けてたつぜ!!)(翔)
「よし、解った行ってやるよ。首をあらってまってろよ!」
(あたしに勝負を挑んだ事を後悔させてやるよ!こいつは、面白くなってきたぜ!)(翔)
しかし、この時点ですでに太助の、もくろみはすでに達成していた。
これを勝負と言うならば、間違いなく太助の勝ちであろう。
「うん、待ってる。じゃーな、山野辺。」と言って山野辺を見送る太助。
(ふー、山野辺はどうにかなったな。よし、まずは一安心だ。あの様子だったら、
宮内出雲に何か吹き込むだろうな。ここまで上手く行くとは・・・後は愛原か、)(太)
(あの不良お嬢ちゃんと、まともにやり合うなんて、よっぽどの事があるのねえ)(ル)
などと思いつつ、その様子を静かに見守るルーアンの姿があった。
「ルーアン先生どうかしたんですか?」
「あ。え?遠藤君。どうもしないけど。」
「え?そうなんですか?ルーアン先生なんだかいつもと、違う事考えてそうだったから。」
(あら、この子も、なかなか、鋭いわねえ。)(ル)
「あら、そう。心配してくれてるのね。どうも、ありがとう。遠藤君。」
「ぼ、僕、ルーアン先生に、そう言って貰えるだけで、し・幸せです!!」
顔を上気させて喜ぶ乎一郎。
(ああ、たーさまも、このくらい、素直に喜んでくれたらなあ。)(ル)
と、思って視線を戻すと、既に太助の姿はなかった。
キネマ地獄へようこそ(笑)その4へ続く。
ここまでの後書き(中書きかな?)
なんだか、太助君、大活躍ですね。今回はなんだかシリアスっぽい?話になってしまいました。
まさか、翔子さんに口で勝つとは・・・多分、最初で最後でしょう(笑)
なんせ、ここで口を割ったら、話が終わってしまいますからね。次回は全員集合で七梨家です。
え?花織ちゃんですか?文末で姿を消した太助が、たかし同様、
補修でショックを受けてる所に現れて騙し・・・もとい、誘います。
それはもう、花織ちゃんは目を、きらきらさせながら、目幅の涙を流して大喜びです。
花織ちゃん視点で見ると、落ち込んだ所に、都合よく登場して励ます太助は、まさに王子様ですね。
またしても心の痛む太助でした。
ああ、私が書くと太助君の心が汚れていっているような気が・・・(笑)
ご意見、御感想はメールでも受け付けております。
ふぉうりんのアドレス
fou_rin@f5.dion.ne.jp
です。
では、皆さん、次回「キネマ地獄へようこそ(笑)その4」でお会いしましょう! 再会!
2000年7月24日 ふぉうりん
2000年7月26日 一部修正
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