タイトル キネマ地獄へようこそ(笑)その2
ジャンル コメディとギャグ(予定)
コメント 太助君はまず、足場固めから始めますが・・・。まあ読んでみれば解ります。

3.真摯な少年と照れ屋の少女

 太助たち3人は登校中あった。
 何時になく、まじめな顔で考え込む太助、それを心配そうに傍らで見守るシャオ。
一人で何かぶつぶつ考え事をしているルーアン。三者三様である。
因みにキリュウは留守番である。なぜなら家の前で、こんなことがあったからである。

「シャオ、ルーアン。今日一日、どうしても考えなきゃいけない事があるんだ。
一日中おかしな顔をしてるかもしれないけど、気にしないでくれ。」
と、真顔で言い放つ太助。
「キリュウ。今日は試練は無しにして、家に居てくれないか?
どうしても今日中に考えなきゃいけない事があるんだ。頼む!この通り!!」
両手を合わせて、いつになく、真剣な太助の態度に、
流石のキリュウも、訳有りだと、判断し、太助の頼みに了承した。
「うむ、いいだろう。承知したぞ。主殿。ただし、明日の試練は2倍辛いぞ。覚悟されよ。」
「ありがとう!キリュウ!キリュウなら、きっと解ってくれるだろうと思ってたんだ。
本当にありがとう。サンキューな。キリュウ。」
 と、喜びをあらわに、たかし張りに熱く語りながら、
思わずキリュウの手を両手で力一杯、ぎゅうっと握り締めてしまう太助。
「・・・あっ、あの、あ・主殿!?」
「ん、どうした?キリュウ」
「・・・ん、あ、あの・・・そっ、その・・・て、てを、・・・だな・・・・
い、イタッ、痛い・・・あ、あるじどの・・・」
顔と耳をりんごよりも真っ赤にて、だんだん言葉がよどんできて、
なんだか今にも泣き出してしまいそうなキリュウ。
「ん?て?ああ、手か、ごめん、ごめん、つい嬉しくってな。
その、試練がなくてって意味じゃなくて。キリュウが俺を信用してくれたって、事がだよ。」
 と笑顔で言って太助が手を放すと、キリュウは真っ赤な顔をうつむかせて。
クルッと振り向いて、そのままドアを開けずに家のほうに駆け出し、
ドシンと大きな音を立てて、ドアにぶつかり尻餅をつくキリュウ。
「くうぅ、あ痛タタタタ・・・・。」
「オイ、大丈夫か?キリュウ」
と言って手を差し伸べる太助。
「あっ ありがとう・・・・・主殿」
 顔をレッドシグナルのよりも赤くさせて、消え入りそうな声で、太助の礼を言うと、
勢いよくドアを開け、階段をドッダッダッダと駆け上がり、
ドンガラガッシャーンと落ちる音まで聞こえてきて、
「ウオッ!?何があったんだ?キリュウ!?」と奈々姉の心配の声のオマケ付きで、
「奈々どのぉぉぉ!!わー!!」と、とうとう泣きだしてしまった。
「・・・・・・・・・・」
 汗ジトで立ちつくす3人。
「た、太助さま。一体どうしたんでしょうね?キリュウさん。それにしても大丈夫かしら?」
「さあ(汗)・・・でも多分、大丈夫なんじゃないかな?奈々姉もついてることだし・・・。
さあ、行こうか。」
それにしても、相当動揺してたな。キリュウのやつ。
普通あそこまで照れるか?俺はそこまでの事をしたのか?俺が悪いのか?どど、思っている太助。
 キリュウを心配するシャオと太助の、そんなやりとりを余所に、
ルーアンは一人、真剣な顔をしていた。
以下ルーアンの内部会議(笑)
ふーむ、あのキリュウをあそこまでさせるほど、たーさまは喜んだってことよね。
これはなにかとーっても深い秘密があるに違いないわ。
あーら、ルーアンったら、とっても冴えてるぅー。と思っていると、
ルーアンの頭の中にポンと煙と音を立てて、天使の格好をした、エンジェルーアンが現れた。
「だめよ、ルーアン。た−さまが、そこまでなる程の悩みか何かがきっとあるのよ。
それも私たちに知られたくないようなやつが。
ここは、たーさまの為にも、そっとしておくのが一番よ。」
ところが、次に悪魔の格好をした。デビルーアンが現れて。
「はんっ、なに甘い事、言ってるのよ。たーさまがそこまでしてるのよ、
暴いてゆすった方が、おもしろい・・・じゃなくって、一緒に秘密を守った方が、
たーさまの好感度大幅アップじゃないのよ?と、言う訳でさっそく秘密を暴きましょ。」
相当ろくでもないことを言っているが。かなり魅力的な事を言っているデビルーアン。
こうなってしまうと、最早選択の余地はなしだ。
・・・・ルーアン内部会議終了。圧倒的多数により、
「たーさまの秘密を暴いて、一緒に守って好感度大幅アップ計画」が可決されたのである。

 と言う訳で、いつもと打って変わって、水を打ったように、
もとい、嵐のまえの静けさのような、三人登校風景であった。

キネマ地獄へようこそ(笑)その3へ続く

ここまでの後書き(中書き?)
本来なら邪魔者のキリュウを排除して、とっくに学校にたどり着いてるはずだっだんですが。
なんだかキリュウ大ブレイク(意味二重)でキリュウショーになってしまいました。(汗)
俺的本日の大当たりです。どつぼです。すべてのキリュウファンに捧げます。
泣かせちゃいました。怒った方はごめんなさい。
今度、必ず、「キネマ地獄外伝、真摯な少年と照れ屋の少女、キリュウスペシャル、超拡大版」
を書きます。ていうか書かずにはおれん。いや書かせてくれ!
ルーアン内部会議はルーアンファンの方に捧げます。

なお、御感想の方は、メールでも、承っております。
ふぉうりんのアドレス
fou_rin@f5.dion.ne.jp
です。
では、「キネマ地獄へようこそ(笑)」その3でお会いしましょう。 再会
2000年7月24日  ふぉうりん
2000年7月26日  一部修正
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