二次創作「護って守護月天」
タイトル「キネマ地獄へようこそ(笑)その1」
ジャンル コメディ(予定)
前書き 小説第一巻の「キネマ天地へようこそ」のその後のお話を、私のアレンジで書いてみました。
安易なネタなんでどなたかが同じようなネタで書いていないか心配です。
もしあった時はふぉうりんアレンジってことでご勘弁を
1楽しい映画鑑賞
それは、七梨家の習慣である。
「さて、今日の「水曜映画ショー」は何がやるのかなぁ?」
と言って新聞を表のポストに取りに行く太助。
七梨家では水曜の夜は民放で放送する映画を観る習慣がある。
(もちろんこれは私の勝手な設定)
やや、世間ズレしている。シャオやキリュウに少しでも早く現代に馴染んで欲しくて
太助が提案したのだ。え?ルーアン?適応力の非常に高い彼女には、そんな物必要なく、
その時間は、自由に過ごしている。と言う訳だ。
ルーアン曰く「ずっとテレビの前に2時間も座ってるなんて退屈だわ。
あたしはじっとしているのが嫌いなのよ。」である。
そう!これは、キリュウさえ居なかったことにすれば(ひでぇ)
シャオと二人っきりと相違ない状態なのである!!
と言うのはあまりのもヒドイので一歩譲って家族団欒の時間としておくことにしよう。
どちらにしても、太助にとっては週に一度の素敵な時間なはずである。
それに、これに関しては、ルーアンも黙認している節があったりするが。理由は以下の通り。
理由
じっとしているのが退屈
(この前は、ばっちり居眠りしちゃって、危うく風邪をひくところだったわ)
映画鑑賞中に騒ぐと、たーさまにすごく怒られる。
(この間、堅焼きせんべいをバリバリ食べてたら、なんだか知らないけど、ものすごく怒られた)
2時間位二人でほうっておいても、オクテな、たーさまが、どうこうするとは思えない。
(だから、キリュウも居るんだってば!!)
などなど
と言う訳でルーアンは基本的に参加していない。
奈々姉?あのお方がそんな野暮な事する訳ないが、こっそり後ろで、
シャオや太助の様子を観てたり観てなかったりで・・・。
奈々姉なんかには、映画なんぞよりキスシーン等の度に無意味にうろたえたり、
顔を赤らめたりする太助を観ている方が、はるかに面白い、
「ふっ、若いな我が弟、まだまだだな、中学生」ってなかんじ
でほくそえんだりしていたが・・・最近あまりの太助の進歩のなさにいい加減呆れぎみ。
視界内に入る太助の不甲斐なさに切れそうに、
(いや実際この前切れて無意味に大喧嘩になったか)
なるので基本的に不参加。
キリュウは静かに見てるし、とまあこんな具合でなかなか良い感じな状態、
(ホントは星神たち、特に離朱が居るかもしれないが、退屈ですぐに寝てしまう)
なのである。
ときどき、アクションシーン(特に爆発もの、脱出もの)など観て、
フッと、微笑んで「これは試練に使えそうだ。」などとつぶやくキリュウ。
「俺を殺す気ですかい?そいつは勘弁してくれよ。」と思う太助であった。
それに、シャオやキリュウにいろいろ聞かれるが、
一つ一つ説明していくのも悪くないと思っている。
もともと、そういった目的なんだし。ふたりとも黙ってちゃんと話を聞いてくれるし、
全くもって、素晴らしい家族の団らんだ。
毎週楽しみにしている時間なんだが、しかし、
今週ばかりはそれが悪夢の様な事になろうとは、もちろん太助は知る由もなかった。
2悪夢の序曲
それは、一枚の新聞紙から始まった・・・
鼻歌を歌いながら新聞を広げテレビ欄を見る太助。そして、ある一点を凝視する。
「・・・!!!!!!!」
太助は全身の血の気一気に引くのを感じた。
額に汗が浮かんだ。多分、背中も汗ばんでいるだろう。
バサバサバサ、新聞を持つ手が震えている。歯もカタカタいっている。
震えが止まると、バサリと新聞を落とす。
ついにこの日が来たか。この日が来る事を全く予想してなかった訳ではない。
いづれ来ることは分かっていたが、いざ来るとうろたえてしまうものだ。
キリュウなんかがこの場に居たら
「心の試練が足りないな、主殿。」
などとたしなめられそうだが、そんなものはこの非常事態の前では微々たるる物でしかない。
太助にとっては、それ程の一大事なのである。
(おちつけ、おちつくんだ七梨太助。今、手を打てば、そう、
今のうちに手を打っておけば、どうにかなるんじゃないのか?
そうだ!まずこの新聞を処分しよう。証拠隠滅をしてから、ゆっくり考えるとしよう。
それが良い。それにしても、天災は忘れた頃になんとやらだなまったく。)
どうやら、落ち着きを取り戻しつつある太助は、
廊下にだれも居ないの確認するとを今日の新聞をたたんで、
今度ちり紙交換にだす新聞の束に何食わぬ顔で突っ込むのだった。なかなか良い判断だ。
以下、数秒前の太助の内部思考。
(ふー、誰も居ないみたいだな。
よし、この新聞を懐に入れて後生大事に部屋に持って行こうとすると・・・、誰かに会いそうだし、
仮に誰にもみつからずに自分の部屋に隠してもシャオが掃除の際に発見してしまいそうだ。
リビングも同じ理由で却下。さてどうしたものか・・・おっ、
あんな所に今度のちり紙交換用に縛っておいた新聞の山がある!これを使おう。それが良い!)
と言う訳である。これで一応一安心だな。新聞のことは、今日一日、とぼけ通せばいい。
これで危機は回避された。と太助は思った。
そんでもって朝食の時間
「いただきまーす」
あいもかわらず、ルーアンはガツガツ食べている。他の四人は談笑も含めながらマイペースだ。
「主殿、今日の新聞を知らないか?何処にも見当たらないのだが・・・」
勉強家のキリュウはこの世界で、普通に生活をしていても
恥じをかかない程度の知識は欲しているのである。
太助はキリュウには悪い事したかな?と思いつつも、とぼけてみせる。
「新聞?今日は俺も見てないよ。おかしいな、新聞配達員が寝坊でもしたのかな?
それとも、配達ミスでうちに配る分がなくなったとか、
そういえばこの地域はうちが最後っぽいからなあ。」
もちろん最後ののは嘘八百のでっち上げである。いくらでっち上げでも、
何食わぬ顔で言えば信憑性があるものだ。(山野辺直伝・・・って嘘です)
「・・・そうか、それは残念だ。しかし、新聞配達員殿にしっかりしてほしいものだ。
せっかく今日の水曜映画ショーは何をやるか楽しみにしていたのに。」
キリュウの言葉の水曜映画ショーのあたりで、太助の眉がぴくりと動いたが、
それに気が付く者は誰一人として居なかったようだ。
「キリュウさんも楽しみにしていたんですか?
水曜映画ショー、私もとっても楽しみにしてたんですよ。」
とシャオ。
(なんだなんだ?この流れは非常にまずくないか?
新聞なんかなくても、水曜映画ショーを見んとする勢いだ。
さすがに新聞だけではどうにもならないか。さてどうしたものか・・・)
などと考え込んでる太助に、シャオが、
「太助様?なんだかお顔が恐いですよ。どうなさいました?お料理がお口に合いませんでしたか?」
心配そうにシャオが話し掛けてくる。
がシャオの心配を余所にさらに難しい顔になる太助。どうやら聞こえてないらしい。
「太助様!?お返事してくださいよぉ。
ねえ太助様ってばぁ、太助さまぁ・・・・・・・・ふ、ふぇー」
シャオは泣き出す寸前だ。その時シャオの異変に(自分のせいなんだが)気づいた太助は。
「えっ?あっ!?シャ、シャオ!?どうしたんだ?
ごめんごめん、考え事をしてだけなんだ。ホントごめんよ。朝飯?ああ、とってもうまいよ。」
と言って食べるペースをアップさせる太助。
(うわあー顔に出ちゃったか・・・こりゃ試練が足りない証拠だな・・・)
などとキリュウ的思考でモノローグする太助。
「そうなんですか?よかったー、てっきり、お食事ががお口に合わないのかと思って心配しましたわ。」
ところがどっこい、話はそこでは終わらない。
「おい!太助!せっかくシャオが作ってくれた朝メシを、
こっちが見てて不味くなるようなしけたツラするんじゃねぇ!
今度してみろ!パロスペシャルだからな!」
パ・パロスペシャルですか?奈々姉、おっきい、お友達しか解らないような技を使うのは勘弁して下さい!
と心の中で呟く太助であった。
「ふっ、まだまだ、試練が足りないな主殿・・・」
そのころ、野村たかしは自宅にて、新聞を広げる。(もちろんテレビ欄しか見ない)
「えーっと、今日の水曜映画ショーはっと・・・・「きらめき記念日」!?
あれー。おっかしいなあ、見た事ない映画なのに、初めて聞くタイトルじゃないぞ?
おかしいなあ?なんでかな?・・・まいっか。」
キネマ地獄へようこそ(笑)その2へつづく
ここまでの後書き、私の処女作「キネマ地獄えようこそ(笑)その1」いかがでしたか?
ここまで読んで下さってありがとうございます。感謝感激雨あられです。
まったくもってこの文章は目茶苦茶です。(笑)内容が重複している部分さえあります(爆)
今回は私が作品紹介のとき書いたお亡くなりになられた太助君の「静かで平和な安らぎに満ちた時間」
を返してあげてみました。最初だけだけどね(笑)
今回の「2、悪夢の序曲」のほとんどは最後の数行の為の布石です。
引っ張るだけ、引っ張って、思いっきり落として見たかったんですよ。
なお、このお話は守護月天小説版第一巻を読んだ人でないと、理解できないオチになってます。
万人向けじゃなくて本当にごめんなさい。
小説第一巻を読んだことのない人は一度読んでみる事をお勧めします。
新しい「守護月天」の世界観が開けるかもしれませんよ。
ご意見、御感想はメールでも受け付けております。
ふぉうりんのアドレス
fou_rin@f5.dion.ne.jp
です。
では「キネマ地獄へようこそ(笑)その2」でお会いしましょう。再会。
2000年7月22日 ふぉうりん
2000年7月23日 一部修正
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