5月13日は瞽女にとって絶対に欠かすことの出来ない日でした。高田寺町の天林寺は瞽女の護り本尊の弁財天を祀る高田瞽女仲間の檀那寺ですが、この日、高田瞽女全員が集まって「妙音講」(みょうおんこう)を開きました。弁天様をご開帳してもらい歌を奉納したりお斉をいただいたりして1日過ごします。このとき和尚さんに「瞽女式目」を朗読してもらうのが一番大切な儀式でした。式目は、瞽女の由来と戒律や掟を述べてあるもので、次のような文で始まります。 |
一、 |
瞽女仲間の総領(座元)は40年の経験を積んだ者とする。
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一、 |
仲間で不行跡ある者は年落之罪とする。 |
一、 |
在所の名主、庄屋は瞽女に宿を貸し稼ぎをさせること。 |
年落之罪(としおとしのつみ)は修行した年数を三年五年と減らされることです。すべて修行年数がものを言う瞽女社会では年落しは大変な不利益と屈辱を味わうことになります。不行跡の仲で最も罪の重いのは男と交わることでした。 |
昭和初期の妙音講の様子