dhcpd の動作に必要な設定ファイルや監視対象ポート番号等の情報を、dhcpd 起動時にオプションとして渡すことができる。
起動スクリプトで dhcpd を起動する場合、オプションを予め /etc/sysconfig/dhcpd ファイルに記述しておくことで可能となる。
dhcpd の起動オプションは次のように記述する。
DHCPDARGS="オプション1 オプション2 ・・・・"
- DHCPDARGS= の後ろにダブルクォーテーションで囲ったオプションの文字列を続ける
- オプションとオプションの間はスペースで区切る。
- オプションが1つの場合、ダブルクォーテーションを省略できる。
- /etc/sysconfig/dhcpd ファイルで指定できるオプションには、次のようなものがある。
- ifN
dhcpd が監視対象とするネットワーク インターフェースを指定する。
if と N : インターフェースの種類とその番号。 ( 例 : eth0 )
- -p <ポート番号>
dhcpd が監視するポート番号を指定する。 デフォルト値 : 67
DHCP サーバーは指定された UDP ポート番号を監視し、1つ上の UDP ポート番号に応答を返す。
デフォルトの場合、DHCP クライアントはポート68でサーバーからの応答を待つ。
- -cf <ファイル名>
設定ファイルのファイル名(フルパス名)を指定する。
デフォルト値 : /etc/dhcpd.conf
- -lf <ファイル名>
貸し出し記録(リース データベース)ファイルのフルパス名を指定する。
デフォルト値 : /var/lib/dhcp/dhcpd.leases
dhcpd はコマンド ラインで起動する場合に限り、デバッグ モードで起動することができる。
デバッグ オプションは次の通り。
-f
- フォアグラウンド プロセスとして dhcpd を実行する。
-d
- dhcpd のログを標準エラー出力(通常はモニタ)に出力する。
デバッグ モードの起動例
- コマンドラインに次のように入力する。
- デバッグ モードの dhcpd を停止するには [Ctrl] + [C] のキーを押下するか、他のターミナルで dhcpd (のサービス)を停止する。
【 デバッグ オプション使用上の注意 】
- デバッグ オプションは、/etc/sysconfig/dhcpd ファイルに記述してはならない。
たとえ記述しても上手く機能しない。
- デバッグ モードで起動した場合[ 起動OK ]の表示出ない。 またコマンド プロンプトも戻らないが、
この状態で正常に起動されている。
- デバッグ オプションを /etc/sysconfig/dhcpd に設定したままサーバーを再起動すると、
起動プロセスが dhcpd 以降に進まない(サーバーの起動が完了しない)状態になってしまう。
そうした場合は次の措置を行う。
- サーバーを再起動する。
- grub または lilo の OS 選択画面にてシングル モードで起動するように編集する。
- シングル モードで起動したら /etc/sysconfig/dhcpd を修正してからサーバーを再起動する。
1つの物理ネットワークを2つのサブネットが共有している時の dhcpd.conf の設定例。
ただし、どちらの設定情報が割り振られるかは host で指定しない限り特定できない。