パソコン実習室
DHCPサーバ (dhcpd-3.0) の設定
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V.起動オプション

 dhcpd の動作に必要な設定ファイルや監視対象ポート番号等の情報を、dhcpd 起動時にオプションとして渡すことができる。
 起動スクリプトで dhcpd を起動する場合、オプションを予め /etc/sysconfig/dhcpd ファイルに記述しておくことで可能となる。
コマンド ラインから dhcpd を起動するのであれば、オプションはコマンド ライン上に並べる。

起動オプションの書式

dhcpd の起動オプションは次のように記述する。

 DHCPDARGS="オプション1 オプション2 ・・・・"

  • DHCPDARGS= の後ろにダブルクォーテーションで囲ったオプションの文字列を続ける
  • オプションとオプションの間はスペースで区切る。
  • オプションが1つの場合、ダブルクォーテーションを省略できる。
  • /etc/sysconfig/dhcpd ファイルで指定できるオプションには、次のようなものがある。
    • ifN
      dhcpd が監視対象とするネットワーク インターフェースを指定する。
      ifN  : インターフェースの種類とその番号。 ( 例 : eth0 )
    • -p <ポート番号>
      dhcpd が監視するポート番号を指定する。 デフォルト値 : 67
      DHCP サーバーは指定された UDP ポート番号を監視し、1つ上の UDP ポート番号に応答を返す。
      デフォルトの場合、DHCP クライアントはポート68でサーバーからの応答を待つ。
    • -cf <ファイル名>
      設定ファイルのファイル名(フルパス名)を指定する。
      デフォルト値 : /etc/dhcpd.conf
    • -lf <ファイル名>
      貸し出し記録(リース データベース)ファイルのフルパス名を指定する。
      デフォルト値 : /var/lib/dhcp/dhcpd.leases

デバッグ オプション

 dhcpd はコマンド ラインで起動する場合に限り、デバッグ モードで起動することができる。
デバッグ オプションは次の通り。

 -f

  • フォアグラウンド プロセスとして dhcpd を実行する。

 -d

  • dhcpd のログを標準エラー出力(通常はモニタ)に出力する。
    ※ /var/log/messages への記録と同時に、モニタにも同じ内容を出力する。

 デバッグ モードの起動例

  • コマンドラインに次のように入力する。
    /usr/sbin/dhcpd -f -d


  • デバッグ モードの dhcpd を停止するには [Ctrl] + [C] のキーを押下するか、他のターミナルで dhcpd (のサービス)を停止する。


【 デバッグ オプション使用上の注意 】
  • デバッグ オプションは、/etc/sysconfig/dhcpd ファイルに記述してはならない。
    たとえ記述しても上手く機能しない。
  • デバッグ モードで起動した場合[ 起動OK ]の表示出ない。 またコマンド プロンプトも戻らないが、 この状態で正常に起動されている。
    ※ 起動時のログは、コマンド ライン(ターミナル)に出力される。
  • デバッグ オプションを /etc/sysconfig/dhcpd に設定したままサーバーを再起動すると、 起動プロセスが dhcpd 以降に進まない(サーバーの起動が完了しない)状態になってしまう。
    そうした場合は次の措置を行う。
    1. サーバーを再起動する。
    2. grub または lilo の OS 選択画面にてシングル モードで起動するように編集する。
    3. シングル モードで起動したら /etc/sysconfig/dhcpd を修正してからサーバーを再起動する。


W.複数サブネットの設定例

 1つの物理ネットワークを2つのサブネットが共有している時の dhcpd.conf の設定例。
ただし、どちらの設定情報が割り振られるかは host で指定しない限り特定できない。
# グローバル設定(各サブネットに共通のパラメータを記述する)
# 同じパラメータが他の宣言内部で設定された場合、宣言内部の設定が優先される
ddns-update-style none; # DNS更新を行わない
option domain-name "project.ed.jp";  
option domain-name-servers 10.2.3.234;  
option time-offset 32400; # GMTからのオフセット
default-lease-time 21600; # デフォルト リース期間(秒)
max-lease-time 43200; # 期限要求された場合の貸出期間(秒)
     
# 共有ネットワークの宣言
shared-network Big-Office {
  # 1つ目のサブネット
  subnet 10.20.30.0 netmask 255.255.255.0 {
    option routers 10.2.3.1; # default gateway
    range 10.2.3.101 10.2.3.200; # リース可能アドレス範囲
    }
     
  # 2つ目のサブネット
  subnet 192.168.1.0 netmask 255.255.255.0 {
    option routers 192.168.1.1; # default gateway
    range 192.168.1.101 192.168.1.250; # リース可能アドレス範囲
     
    # このサブネットではアドレス貸出期間を短く設定する(グローバル設定より優先される)
    default-lease-time 3600; # デフォルト リース期間(秒)
    max-lease-time 7200; # 期限要求された場合の貸出期間(秒)
     
    # 特定のクライアント(MACアドレス)に対して固定IPアドレスを与える
    host hostname {
      hardware ethernet 12:34:56:78:AB:CD; # クライアントのMACアドレスを指定
      fixed-address 192.168.1.99; # 当該クライアント用のIPアドレス
    }
  }
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