余談旅行記


<三日目-2002.8.9 午前 勝山-山梨へ>

 湯原温泉での一夜をのんびりと過ごし、ふと翌朝気がついてみると、携帯(重ねて言うがPHS=H"なんですけどね…)が、圏外のままである。そう言えば、先日の真鍋島も圏外だったし、そういう意味では昨日一日ほとんど連絡をとることができなかったわけだが、ま、そういった方がよかったのかもしれない。…もし、PHSを利用している方で、こちらに来られるようなことがあるならば、そのつもりであった方がいいでしょう。
 そういえば、コンビニも温泉街
にはなかった。…でも、この方がいいように個人的には思える。
 朝食もそこそこに、湯原を後にする。
 本物の山椒魚を見ることができたので、あとは、「沢桔梗」でも見ることができないものであろうか…というくらいの気持ちはあったが、それ以外にこれといった目的地があるわけではない。前回の岡山訪問で廻りきれなかった鍾乳洞でも見ようかな…と思ったが、万が一のことを考えて、一応携帯が圏外にならないところまで出てみることにする。
 勝山まで南下したところで通話圏内に戻る。…案の定、連絡が入っているじゃないか…。連絡を入れてみると大したことではなかったが、それでも現実に引き戻されたような気分にさせられる。現代人の悪い病気である。…誰かと連絡とってないと自分の存在意義を見失ってしまう…。自分はそれでも、そういった傾向は薄いと思っていただけに、ちょっとショックを覚える。
 気を取り直す為に再び携帯圏外へ出る。折角の休日なんだから、ゆっくりしよっと。
 と、いったわけで、道路を走っていた時に目についた「神庭の滝」という観光名所の看板に誘われるままに行ってみることにする。
 行ってみると、滝をメインに野生の猿がいたり、「鬼の穴」といわれる洞穴があったりと、なかなか面白い。「鬼の穴」に至っては、洞穴入り口まで荒い石の多い階段を200mほども昇らないといけないうえ、中は数十mほどしか入っていけなかったのだが、前日の真鍋島での山歩きを考えればたいしたことではない。この洞穴、観光用の部分の更に奥へ3kmも続いているらしいのだが、財宝でも埋まっているとか、「〜の顎」とかいった怪し気な名称のついたところでもあるというのなら入ってみてもいいかな…と思わないでもないが、とくにそういったこともないらしいので、あっさりと出てきてしまう。
 猿は餌付けされていたので、大人しい。…ま、それだけのところであるといってしまえばそれきりだが、ゆっくりと気分を落ち着けるにはいいところかもしれない。

 駐車場へ戻り、車に乗り込むが、どうも一度世俗に戻った気分はなかなかどうして気掛かりとして残ってしまっている。
 しかたないので、これで、一応岡山旅行を切り上げて大阪に戻ることにする。
 ま、山椒魚も見れたし、温泉にも入れて、滝にふれ、湯原温泉の土産物店で目にした小判の形をしたお守りも買ったことだし、手毬唄気分は十分堪能できたので、いいか…。沢桔梗を見ることが出来なかったことだけはちょっと心残りであるが…。

 かくして、勝山より中国自動車道落合インターへ出て、一路大阪方面へ。さようなら岡山。また来る時まで〜〜!

 大阪近郊某所にてその夜までを過ごし、深夜ふたたび名神高速道路から東名高速、更には中央自動車道を経て山梨へと向かう。
 山梨県の明野村にある山梨県フラワーセンターというところに沢桔梗があるのでは…と気付き、行ってみるとやはりあった。
 こうして沢桔梗を見ることが出来たので、手毬唄ストレートフラッシュの完成できたと一人ほくそ笑む。…沢桔梗が岡山でないから、カードのマークが違ってるんじゃないか…などという野暮なツッコミはこの際無視することにしよう…。

 これにて今回の旅行は終了である。
 またしても岡山県の何ケ所かは見ることは叶わなかったが、これが最後ということでもないであろう…と、次回に期待を残しつつ、帰って来ることとなったのであった。
…はたして、それがいつのことになるかは判ってはいないが…。
                                     了

 

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