#1「あーぶくたった、にいたった」
(三一書房刊「あーぶくたった、にいたった」所収)
1999年3月26日〜28日 於 西陣北座
演出 藤原康弘
出演 池田一平、広田ゆうみ、吉本和孝、川口えり子、鬼豚馬、中村健、伊藤周晃
−−あなた、風、吹いていますか……?
金の屏風、弁当箱、ラジオ体操、電信柱、遅れた小包、そぼ降る雨、
小さな生活をただ続けてゆく人々。
そしてその頭上高く、あの風が吹く−−。

 

#2「眠っちゃいけない子守歌
(三一書房刊「メリーさんの羊」所収)
2000年2月26日〜27日 於 燐光群梅ヶ丘BOX
2000年3月4日〜5日 於 京都大学文学部学生控室
出演 藤原康弘、広田ゆうみ
いろいろなことを忘れてしまった。
忘れてしまったことも忘れてしまった。
何もない男の部屋に、「話し相手」の女が訪れる。
−−トシコかい……?

 

#3「部屋」
(三一書房刊「ハイキング」所収)
2001年3月10日〜11日 於 スタジオ・ヴァリエ
演出 藤原康弘
出演 広田ゆうみ、出口和行
−−あなた、帰ってきたのよ、私……。
打ち棄てられたアパートの一室。
テーブルの上には、あの日のお茶がそのままに。
−−あなた、帰ってきたのよ、私……。
終わらない螺旋階段のように、それは繰り返される。

 

#4「いかけしごむ」
(三一書房刊「ドラキュラ伯爵の秋」所収)
2001年5月12日〜13日 於 スタジオ・ヴァリエ
出演 広田ゆうみ、藤原康弘、出口和行

−−ここは街の最も深いところです……。ここから先は、ありません……。
「ここに坐らないでください」と書かれたベンチ、手相見の行燈、ぶら下がる命の電話。
暗い夜、黒眼鏡の女は待っている。

 

#5「星の時間」
(三一書房刊「メリーさんの羊」所収)
2001年11月10日〜11日 於 スタジオ・ヴァリエ
出演 藤原康弘、広田ゆうみ
一本の樹の下、猫を探す男と、そこで「レストラン」を開く女。
ぎこちない食事を供し供されながら、
風吹く夜の向こう、二人は「あのひと」の足音を聞いている−−。

 

#6「もうひとりの飼主」
(単行本未収録、別役実初の一人芝居)
2002年7月6日〜7日 於 スタジオ・ヴァリエ
演出 藤原康弘
出演 広田ゆうみ

にゃあお……と女は猫を呼ぶ。
ローラという名のその猫は、けれども、姿を見せることはない。
あなた……と女は誰かを呼ぶ。
あなたと呼ばれるその人は、けれども、どこにもいない−−。

 

#7「この道はいつか来た道」
(三一書房刊「遊園地の思想」所収)
2002年12月7日〜8日 於 スタジオ・ヴァリエ
出演 藤原康弘、広田ゆうみ
−−この道はいつか来た道なんです……。
電信柱のある路上。
時は冬。
アカシヤの花は初夏に咲く。

 

同上作品にて

京都芸術センター主催事業
New Produce Project-2 
幸せな演劇〜競作・別役実作品集〜
(プロデュース・橋本裕介)
2003年2月6日〜11日  於 京都芸術センター に参加


註:厳密には、〈小さなもうひとつの場所〉としての参加ではなく、演出家・藤原康弘の参加という位置づけである。

 

 

#8 「クランボンは笑った」
(三一書房刊「金襴緞子の帯しめながら」所収)
2004年3月20日〜21日 
於京都大学文学部学生控室
出演 広田ゆうみ、藤原康弘

 

−−月夜です……。だから出てきました……。夜行性の、猫科の動物のように……。

月光の下、パラソルをさして女はたたずむ。
現れた男は、白い手袋を外さずにお茶を飲む。

鳥が啼く。
猫が追う。

遠く、北行きの最終列車が走り去る。