旧約聖書 「伝道者の書」 1章〜2章 ダビデの王の子である伝道者の言葉。 無意味だ、無意味だ、全く無意味だ。 この地上でいくら労苦しても、何の益も無い。 いくら時代が変わっても、地はなにも変わらない。 太陽が昇ったり沈んだりして、同じ事を繰り返す。 風もあちらに吹いたり、こちらに吹いたりして、ただ空気が動いているに過ぎない。 川の水も海に注いでは、また、元に帰り、同じことを繰り返す。 すべては無意味な反復を繰り返すに過ぎない。 歴史は繰り返し、この地上に全く新しいものは無い。 たとい誰かが「これは新しいものだ」と言っても、すでにあったものだ。 過去にあったものは、人の記憶に残っておらず、将来起こることは、だれも知らない。 (中略) 知恵が増えれば、悩みも増え、知識を増せば悲しみも増す。 そこで私はこう思った。 「今度は快楽だ。存分楽しんでみるのだ」 しかし、これもやってみれば無意味であった。 笑い転げてみたところで、ばかみたいだ。 快楽なんて、一体何なのだ。
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