禁断の蜜を吸う男 |
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中学生の頃だったか、小学校の高学年の頃だったのか… はっきりした時期的な記憶はない。 しかし、甘酸い記憶だけは、はっきり覚えているる。 近所に久美ちゃんと呼ばれていたおねえさんが住んでいた。 今思えば女子大生くらいだったのだろう。 ある日久美ちゃんに呼ばれ、生垣で囲まれた大きなお屋敷に遊びに行った。 帰り際に突然彼女は、『ちょっとまって。いい事教えて上げる』 と言った。 不思議そうな顔をしている私を見ながら、 彼女は悪戯っぽく笑いって言った。 『じゃ、ちょっと目をつむって』 なんだかいつもの久美ちゃんと様子が違うので 私は目を閉じた振りをしていた。 久美ちゃんは私の手をそっと持ち、自分に近づくように私を導いた。 久美ちゃんの髪から良い匂いがした。 『そう、そこをそっと触って…』 『ゆっくりと優しく…』 薄目の私には、ぼんやりと赤っぽいものしか見えない。 なんだか悪いことをしているみたいで、恐くて目が開けられなかった。 久美ちゃんに言われるがまま、私は久美ちゃんの言葉に従う。 『そのままナメて…軽く吸って…』 何だか苦いし、久美ちゃんとは違う匂いがした。 恐くなって、目を開けてしまった私を見て、 久美ちゃんは悪戯っぽく笑いながら言った。 『駄目じやない、ツツジの花の密は甘いんだから』 |
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