はじめてのひとり旅
    (わたしの夢ひとつ)
  何年前のことだったか、私の心の中に「一人旅」をしてみたいという夢が広がっ
た。けれど、どうしても人の手が必要だからずっと諦めていた。こうやっていくつも
の夢を諦めてきた。ところが有償ボランティアの会社から旅行のプランを聞き、挑戦
することに決めた。旅行に行くための計画は2ヶ月かけて進められた。いかに有意義
な旅ができるか、いかに安く旅行ができるか、会社の人が旅行プランに頭をひねって
くれた。サポートするボランティアも私の介助がよくわからなかったから、旅行のた
めに何度か外出をして介助の仕方を覚えてもらった。秋、紅葉が見られる季節に一泊
旅行に出かけた。
 初日は、くじゅう花公園でお弁当を広げてランチ!ゆっくりとした時間をすごし、
山道の紅葉に見とれながら湯布院へ。普段の生活ではできない時間をおくった。
よくTVに出てくるような露天風呂に入り、夜遅くまで起きて、いろいろな話をした。
このまま夢なら覚めないで欲しい・・・と思うと全く眠れなかった。

 2日目は、朝早くから散歩に出かけた。さすがに11月間近となると肌寒く感じた
が日頃できないことで、とてもすがすがしく感じた。そこで、おみくじを買い、2ヶ
月早いお正月気分を味わった。いつもなら、自分で引くこともないおみくじを引い
た。大吉だった!おみくじの中は、「いいことは、今までのご褒美と思い、悪いこと
はこれからの課題として、自分の努力にかかっている」ということだった。散歩の
後、朝食を食べた時、牛乳がとても新鮮で美味しかった。食事が終わり、チェックア
ウトをした後、湯布院の小さなお店をいくつも回り、おみやげを買った。
 夢いっぱいの旅、おみやげも買ったけれど、それ以上に、自分の胸に思い出という
宝石ができた。いつかまたこんな旅がしてみたいです。