紅の豚


監  督
宮崎駿
脚  本
宮崎駿
原  作
宮崎駿
声の出演
ポルコ(森山周一郎) ジーナ(加藤登紀子)
フィオ(岡村明美) ピッコロおやじ(桂三枝)
カーチス(大塚明夫) マンマユート(上條恒彦)
バアちゃん(関弘子) ほか
自ら魔法をかけて豚になった第1次世界大戦の元イタリア空軍の英雄ポルコは、今はアドリア海の空賊を捕らえる賞金稼ぎである。日頃ポルコに手を焼いている空賊たちは、アメリカのパイロットのカーチスを雇い、エンジン不調につけ込んでポルコを撃墜、ポルコはなじみの修理工場に愛機の修理を依頼する。社長の孫娘フィオに修理を申し出られ、その後愛機は完成したが、国家反逆罪で秘密警察からつけ狙われ試験飛行もできず、ぶっつけ本番のフライトを決行。フィオは飛行後の再調整を名目に、無理やりポルコの島に同行するが、成り行きで自分がカーチス再戦の賭けの対象になってしまう。はたしてポルコとカーチスの勝負の結果はいかに・・・。

特別に難しいストーリーではありません。
綺麗な空と海を格好良い飛行艇が飛び回る様は、観ていてとても気持ち良いです。
舞台は1929年に起きた世界恐慌まもないアドリア海(イタリア半島の東側)。世界恐慌では、物価が急落し、企業は倒産、全世界の失業者は2000万人にも達したと言われています。しかもこの当時は社会保障がほとんどなかったため、失業=飢え死にをも意味したそうです。空賊達がはびこる訳もわかる様な気がしますね(^^;
俺は作品全体の雰囲気はなんとなく「カサブランカ」っぽい作品だと思います。
豚がハンフリー・ボガート?いえいえ本当にポルコはキザで格好いいんです!(^^)




作  品  の  ポ  イ  ン  ト

本編の主人公、ポルコ・ロッソ。
本名はマルチェリーノ・パゴットと言います。ポルコ・ロッソ(イタリア語で赤い豚)というのは空賊達の付けた彼のニックネームです。

弟1次大戦中、イタリア空軍のエースとして名を馳せた名パイロットでしたが、宮使いを嫌い、自ら魔法をかけて豚になり、空賊を捕らえる賞金稼ぎに身を馳せます。

・・・って、
あなた魔法使いだったんですね?(^^;

声はあの森山周一郎氏。
超〜激シブです(^^)


ポルコの愛機、サボイアS21戦闘飛行艇。
ただ一機のみ造られた試作機という設定。

真っ赤な流線型の木製モノコックボディがとても綺麗な、単葉の飛行艇です。 しかし実物のS21とは全く形状が異なり、モデルはマッキM33という機体かと思われます。

イゾッタ・フラスキーニ・アッソ製水冷V12エンジンを600馬力にチューンアップ。 機首に7.92mmシュパンダウ機銃を2丁装備。尾翼の紋章は、ポルコの故郷であるジェノバの市章です。


ポルコの宿敵?空賊マンマユート団。
ポルコには毎度苦汁を飲まされてます(笑)

しかし空賊といえど、豪傑なボスはケジメを重んじる律儀な性格の男。風呂嫌いで、歯も 磨きませんが、味のある憎めないヤツラなんです(^^;

人質として園児を誘拐するこのシーンでも、
「15人全部連れて行くんですか〜?」
「仲間外れがいたらかわいそうじゃねえか!」、って(笑)

この後、事件の連絡を受けたポルコに散々あしらわれ、機体は半壊してしまいますが、貧乏なため修理部分を塗装する事もままならない有様です(笑)

飛行艇の機種はわかりません(^^;
(もしかしてオリジナル?)


「ホテル・アドリアーノのマダム・ジーナの前では、空賊も賞金稼ぎもいい子にしてるってよ。」

そう、ジーナは飛行艇乗りたちの憧れのマドンナ。彼女の歌を聞くために彼らは彼女の店にかようのです。

彼女は若い頃、共に青春時代を過ごした3人と結婚した過去があります。 ポルコと彼女はお互いに想いつつも、ポルコは仲間のためにいつも身を引いてしまったようです。 しかし3人とも戦争や事故で死んでしまい、当時の仲間はもうポルコだけ。 ポルコを本名で呼ぶところからも、昔なじみということが読み取れます。

声はあの加藤登紀子。
セリフまわしはドヘタクソでも、歌は超一級品です(^^)


打倒ポルコをもくろむ空賊連合と、連合に雇われたアメリカ人のドナルド・カーチスの並空飛行のシーン。

濃紺なカーチスのR3C非公然水上戦闘機は、大きなフロートと胴体から生えたスパンの短い複葉が特徴です。

「シュナイダーカップで2年連続イタリア艇を破った機体」という物語中のポルコのセリフからもわかるとおり、 R3Cはもともとスピード競技専用の機体であるため、武装したこの機は非公然ということになります。

尾翼の紋章は、カーチスいわく
「幸せを運ぶ幸運のガラガラ蛇」だそうで(笑)


エンジン不調のため、旅行がてら修理にミラノまで。

騙し騙し飛んでいたところへ、そんなポルコを見つけたカーチスから不意の勝負をかけられてしまいます。
善戦するもエンジン不調がたたり、結果は無残にもボロボロ。

「飛べない豚はただの豚さ」

ジーナにそう電話で言い残し、ポルコは傷ついた愛機と海路・陸路でミラノへ向かいます。


飛行艇修理会社ピッコロ社の設計主任で、若干17歳の社長孫娘フィオ。

「設計はフィオがやるよ」
そうピッコロおやじから聞かされたポルコは、度肝を抜かされます。

「冗談じゃない!」
一旦は断るものの、結局はフィオの情熱と才能を認め、愛機の翼を任せることになりました。

ただし、「徹夜の仕事は美容に悪いからダメ!」という条件付きで(笑)


新しいS21の心臓部、フィアット・フォルゴーレAS2V12エンジン。
出どころは秘密?(笑)

1927年のシュナイダーカップでカーチスに敗北したエンジン。
「それはメカニックがヘボだったからだ」、そうピッコロおやじは言い、チューンアップを施します。 建物を吹っ飛ばすほどのこのエンジンは、おやじいわく「当たり」のシロモノ。

物語中の会話でよく出てくる「シュナイダーカップ」とは、水上機の発展を願うフランス人富豪ジャック・シュナイダー(鉄 鋼王)の提唱によって1913年に始まった水上機のレースのことです。 1913〜1931年の間に計12回開催されました。


飛行艇修理の作業者は、なんと全員女性!
(しかもみんな親戚)

その訳は、不況のこの時代、男手は出稼ぎに出払ってしまっているため。ばあちゃんまで小遣い稼ぎで働く始末です(笑)

って事は、いくら身内とはいえ、ピッコロ社はきっちり給料制ということですね。(そりゃ〜そうか)

でも力仕事はまあ置いといても、仕事のきめ細かさという事では、女性の方が良いのかもね(^^)


戦友フェラーリンがポルコの身を案じ、お忍びでご忠告。

反国家非協力罪、密出入国、ワイセツ物陳列罪、ハレンチな豚でいる罪で逮捕状・・・って、散々ですな〜(^^;

「国は豚を裁判にかける気は無いぞ!」
つまり、自由をあきらめて軍に入るか、捕まって死刑になるかの2択しかないぞ、そう言っているのです。


完成した新生サボイアS21F。

秘密警察につけ狙われているため、試験飛行も出来ず、工場裏の運河からいきなりの本番飛行を決行!

フィオは飛行後の再調整を名目に、即席の腹部座席を作り、半ば強引に同乗してフライトをアシストします。
新しい愛機もフィオも、相当じゃじゃ馬みたいですね(笑)

ちなみに生まれ変わったS21にFの末尾記号が付くのは、設計主任フィオ・ピッコロ嬢に敬意を表してのことだそうです。

途中、軍は包囲網を引くものの、フェラーリンの道案内もあり、2人は無事アドリア海へ飛んでいきます。


一方、その頃カーチスはというと、
「国に帰って映画俳優になり、その後は大統領になるんだ!」
そう豪語し、ジーナにプロポーズ。

しかしジーナに一笑され、
「ここでは恋はもっと複雑なのよ、ぼうや」、とキツい一言(笑)

お互いが態度に出さないだけで、年月が経った今もポルコとジーナの恋は現在進行形。 ジーナはポルコが切り出すのをずっと待っているんです。

ところで俳優を経て大統領ということは、カーチスのモデルは、名前からも察するにドナルド・レーガン大統領なんでしょうかね。レーガン大統領がその昔、飛行艇乗りだったかどうかは知りませんが(笑)


アジトに帰ってきたポルコを待ち伏せていた空賊連合。

直した飛行艇を壊してしまおうとしますが、
「あなたたち、それでも飛行艇乗りなの!?」
そうフィオに一括され、全員シュンとうなだれてしまいます。

そんなやりとりに割って入ったカーチスは、フィオを人目見るやいきなりプロポーズを決行。

見てくれが良けりゃ誰でもええんかいっ(^^;

交渉の末、カーチスとの再戦は決まり、名誉挽回のチャンスはゲットしましたが、話のなりゆきでポルコが負けたらフィオはカーチスと結婚する事になってしまいました(笑)


夜中にフィオがふと目を覚ますと、ポルコの横顔が人間に!

実際にはフィオの見間違いなんですが、彼女の目には真実が映った、そういう事なんでしょうか。 まあどうであれ、この辺りから彼女のほのかな恋心は始まっていた様です。
姿は豚でも激シブですからねぇ〜、ポルコは(^^;

この後の回想シーンでは、若かりしポルコの素顔を見る事が出来ます。


二人のバトルは始まりました!

狙いをつけたら撃ちまくるカーチス。
かたや終始優勢なるも何故か撃たないポルコ。

「豚は殺しはやらねえんだ」

ポルコはカーチスの疲れたところを狙って、カーチスに当たらぬようエンジンだけを撃ち抜くつもりなのです。

作品中で一番見応えある空中戦のシーンです。


ポルコは弾詰まり、カーチスは弾切れ。

機関銃が使用不能になっても意地の張り合いは止まらず、艇内の物をやたらめったら相手に投げつけ始める2人。

こうなったら子供の喧嘩と同じです(笑)

それでも決着はつかず、結局最後には2人とも着水し、勝負の行方は自らのコブシでつける事になりました。


壮絶?な格闘の末、ダブルノックダウン!

「また一人女の子を不幸にする気なの?」

駆けつけたジーナにそう喝を入れられ、ポルコは10カウントぎりぎりでなんとか立ち上がり、見事勝利!

「ポルコ、ありがとう!!」
「軽いもんよ〜」
言葉とは裏腹に、ボロボロのヘロヘロ(笑)

それにしても、「また一人」って・・・・
もちろんジーナの事なんでしょう。
ポルコってば本当に罪なヤツ!(^^;


無理やりポルコにジーナ艇へ押し込まれながらも、フィオは別れ際にポルコの不意を突いてKISS!(#^^#)

そしてフィオはポルコへの想いをここで終わらせるのでした。(俺の解釈ですが)

しかしこの直後のカーチスとの会話のシーンから、ポルコは人間に戻ったであろうと思われますが、体型は全く変わってないのはただの中年太りという事なんでしょうかね?(^^;

そして、自分自身でかけた魔法のハズなのに、なぜ乙女とキスをしないと解けないのでしょうか・・・

謎は深まるばかりです(^^;


時は経ち、飛行技術もレシプロからジェットにシフトする時代へ。
アドリアーナに通う元(まだ現役?)空賊たちも、年月とともに歳を取り、ラストに初老の姿を見せてくれますが、あの2人もかなりいい歳になるはず。

白髪になったジーナとか想像しちゃいませんか?(笑)