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海外特別篇 #12 カフェ・ゲルストナー(Gerstner)


海外特別篇の第12回目は、カフェ・ゲルストナー。かつての、オーストリア・ハプスブルグ皇帝家の皇室御用達だったケーキ屋さん、ゲルストナーが美術史博物館(Kunsthistorisches Museum、美術史美術館とも)の中で運営するカフェです。ゲルストナーは、国立オペラ座のビュッフェなども含め、ウィーンに幾つかのお店・カフェを出している老舗だそうです。

ついでに美術史博物館についても少し。美術史博物館は、時の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の命令によって、1871年から1891年にかけて建設された博物館。宮殿かと見まごうような非常に壮麗・荘厳な建築および内装ですが(ルーヴルなど欧州には元宮殿の美術館が多くありますので、事実、RINはパンフレットを読むまでそう思っていました)、最初から「博物館」として建築されています。

またその収蔵品も、「芸術史(ドイツ語のKunstは本来、美術よりも広い概念)」を名乗るだけあって、古代エジプトからギリシャ・ローマ、中世、ルネサンス、バロックまで、絵画だけでない様々な芸術品が網羅されています。絵画のコレクションは、ルーベンス、ブリューゲル、ティッツアーノ、ティントレット、ベラスケス、レンブラント、フェルメール、デューラーらの作品などが中心。中でも、ルーベンスとブリューゲルのコレクションは、その主要作品の過半(と言ってもいいのかな?)があることで非常に有名な博物館です(クリムトなど19世紀・20世紀の絵画はベルヴェデーレ宮殿上宮のオーストリア・ギャラリーに収蔵)。

ごく一部の作品が、2002年10月から12月まで東京(東京芸術大学大学美術館)、そしてこのページを書いた2003年1月現在、京都の国立近代美術館で「ウィーン美術史美術館名品展」として公開中です(道理で幾ら探し回っても、幾つかの作品が見つからなかった訳です。いくつかの有名作品が無いなぁ、とは思っていたのですが、大規模な貸し出しを、それも日本に対して行っているとは夢にも思っていませんでした)。
 
と、カフェのレポートでは無くなりそうな感じになったので、話を戻します。

このカフェ・ゲルストナーは、なんといっても、その立地が凄いです。美術史博物館の(日本で言う)2階中央の、非常に広大な空間を占めてるのですが、その周囲の壁はすべて黒紫色に光る大理石。3階部分の床がないので2階分以上の高さがあるのですが、その空間を支える幾本もの大理石の柱にはびっしりとルネサンス様式の細かい装飾が施されており、空間自体がひとつの芸術品のようになっています。ものすごい重厚感が圧力のように降りかかってきます。
  
クラシカルでも、モダンでも、カジュアルでも、そしてもちろんアジアンでもない、一種特異な、荘厳な雰囲気を持つ空間です。今回、多くのカフェを訪れましたが、ここの雰囲気は本当に独特でした。結論として、博物館併設のカフェの水準を越えるものでは決してないと思うのですが、この建築と雰囲気を味わったというだけでも、十分に価値があったと思います。
 
RINが頼んだのは、Cremesschnitteと書かれていたベリーのケーキと、温かい紅茶。
紅茶は、お湯の入ったグラスと、ティーバッグとが出てくるタイプ。欧州では決して少なくないタイプですね。Messmerというメーカーの茶葉を用いていました。これに関しては特にいうことはありません。自己責任ですし(笑)。
ケーキは、少々スポンジ部分がパサついているような気もしましたが、美味しかったです。ウィーンでは、ザッハーとデーメルとでザッハトルテ、ハース&ハースでリンゴのタルトと、こういう滑らかな食感、かつ味の濃いものは食べてなかったのでちょっと新鮮な感覚でした。今回、ウィーンとパリで食べたケーキの中で、一番日本のケーキ屋さんで売っていそうなケーキだったと思います。
 
他にはあまり書くこともないので、早々に結語。
本格的なお茶の時間を楽しむことはできませんが、博物館併設のカフェとしては充分、訪れる価値のあるところだと思います。個人的には、ルーベンスやブリューゲルとはちょっと雰囲気が違うと思いますので、ティントレット、ベラスケス、ラファエロなど、南側のイタリア・スペイン・フランスの絵画を鑑賞した後に入るのがオススメです。

※注 本ページの美術史博物館およびカフェ・ゲルストナーの概要に対する記述は、
『地球の歩き方・ウィーンとオーストリア 2000〜2001版』の記事と、美術史
博物館の日本語パンフレットの記事を一部で参考にしています。
 
お店データ
所在地 1区、Maria-Theresien-Platz
美術史博物館(Kunsthistorisches Museum)内
電話 不明
営業時間 カフェ 不明
博物館 10:00〜19:00
定休日 月曜日および祭日
アクセス トラム1、2、D、J Burgring下車すぐ。
U-Bahn(地下鉄)2号線 Babenbergerstr.駅からでも徒歩約3分。

また、ウィーン中心部のケルントナー通りにもお店があります。多分、ここが本店。
お店データ
所在地 1区、Kaerntner Strasse 15
電話 5124963
営業時間 8:30〜19:00
定休日 日曜日および祭日
アクセス U-Bahn(地下鉄)1・3号線 Stephansplatz駅から地上に出て、
南に徒歩2分ほど。
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Last Update: 2003/01/25


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