身毒丸 世田谷パブリックシアター 2015.1.29 19:00~21:20
アフタートークゲスト:大槻ケンヂ
20:55本編終わってキーボード音だけ残って客電付いてる状態がしばらく。
カーテンコールなしで、帰っていく人もちらほら。
21時過ぎて
音なくなってステージに椅子4つ運ばれ。
4名登場。手話の方後ろに2名。
オーケン黒長袖シャツ、黒革パンツ、黒Tシャツ、赤革靴、黒ハット。
「それではアフタートーク始めます。本日ゲストは大槻ケンヂさんです」
「よろしくお願いします~」
「J.Aシーザーと、あと滅多に出ないんですが、今回バンマスやってくれたa_kiraです」
「早速なんですが、今回ご覧になった感想とかございましたら」
「はい。僕は嫌いなものが何一つなかったというか。なんというか、少年の頃からこうあってほしいという世界観がそのまま
あったので、感動しました。嬉しくなっちゃいましたね」
「大槻さんは寺山さんをお知りになったというか、関係性が」
「いや、僕はお会いしてないですね」
「どういう経路で寺山さんを」
「こんなこと言っちゃ何ですけど、中二病ってやつですかね。中学くらいに文庫本で、本屋さんで書を捨てよ、町へ出ようとか、
オーラを発してる文庫があったので、それを買って。寺山さんは大人になると難解でわからないんですけど、当時中学高校生の時で
ビシビシ、ガインガイン響いて。でも最初に知ったのは竹宮恵子さん、あれっ?萩尾望都さんだったかな?でっかいのにぽっくり下駄履いて
さらにでっかかったって漫画を描いてて。それで寺山修司さんを知ったんですね」
「天井桟敷を生でご覧になったことは?」
「ないです」
「これは前に天井桟敷でやったのは?」
a_kiraさん「1978年です」
「あの、渋谷の天井桟敷ってのはまだあったんですか?はぁ~あとあと」
「当時の記録みたいなものはあるんですか?」
「一応ビデオに撮っていて。ほとんどシーザーばっかり撮っていて周りが何も。大槻さんはとこの前コンサートで」
シーザーさん「はい。今回話があったのが2,3年前だったんですよ。その時に、主役の女優さんが決まればやっていいと。なかなか
決まらなくて。その時バンドを最初に考えていたのが、筋肉少女帯なんですよ」
「えぇっ。それは、荷が重いですよ普通。はぁ~そうですか」
「それでバンドができて、再演ってことと、やっていって、コンサートやるようなバンドができたので」
「いや~驚いたな。こないだ犬神サアカス團のイベント一緒に出させていただいて、シーザーさんのバンドと、それが僕はショッキングで
何て言ったらいいか、音楽ロック的に言うと、ディープパープル的なものを感じたんです。70年代ロック、に、日本語のちょっとこうアングラな歌詞が
乗っている。あぁこういうのあるなって思って。シーザーさんギター弾いておられて、途中で譜面が落ちて、それでシーザーさんがギター置いて拾って
あ、鳴ってなかったんだギター。それもよかったです」
「弾いてんだよ」
「プラグインされてないだけで」
「あ、そうですか」
「ご承知の通り弾けないんですよ。21の時切ってしまって、それで作曲の方に専念しようと思って。彼らと一緒に演劇ワークショップに対抗して
音楽ワークショップを」
「今再演しても、ご覧のように若い方も観にいらしてるし、そこが面白いというか。寺山さんを中心に当時若い人が、家出をするように集まってきたと。
僕はちょっと後の世代だったので、そういうのに強烈に憧れていたんですよ。こないだ小椋佳さんに会ったんですけど、小椋さんも寺山さんのラジオに
ギター持って行ったら「ちょっと君歌ってくれよ」と言われてそれがきっかけだったという話をね。今日思ったのが、これを中高生の時に見なくてよかったなと。
あると思うんですけど、トラウマアートっていうんですかね。全く今回のはそれだと思いましたね。中高生の頃に見ていたら、多分人生違う方向に
行ってたような気がしますねぇ」
「今回当時のメンバーはJ.Aシーザー一人で、僕もまだ入ってなかった。特にA_kiraなんかまだ若いし、中学高校からJ.Aシーザー憧れの人間なんで
どうですかやってみて」
「いやもう夢のようで」
「人生曲がったタイプですか」
「曲がりましたね」
「役者やろうとして来て、ギター弾くと思ってなかった。今回やることになって、彼はギター弾くんだって知って」
「当時の楽曲をアレンジしたんですか?」
「そうです」
「そういうことで、過去と現在の音楽のミクスチャーになっていて、いやぁ面白いなぁと思って。チラシを見ていたら、今回のチケットがディスクユニオン
新宿プログレッシブロック館で売っている、ちょっと笑ったんですけど。あぁそういう辺り、と思って。やっぱりプログレの感覚があるんだけども
ラストの楽曲は僕はあと世代だけどもピンクフロイド思い出すんですけど、また違う、昔と今のミクスチャーなのかな」
「やっぱりお芝居を見ているというより音楽を聴いている感覚ですか?」
「あぁ僕は両方ですよね。色々見ているうちに、役者さんの出入りとかも気になって。何かまやかしがあって、この辺で何かあったらあの辺で誰か
控えているんだろうな、こっちの方で誰か出てくるな、次から次へと出て来る人が、なんというか、僕の好きな人しか出てこない」
「それ相当曲がった方じゃないですね」
「いやぁ、そうっすね。今日はハッと、俺はこういう方面を追いかけてるつもりだったのに今そうじゃないは。今ぐいっと引き戻されました。影響されやすいんで。
赤い襦袢で出るんだろうなぁ、筋肉少女帯で」
「シーザー的には再演ってどうだったんですか」
「音楽は変わってないね。録音されてないのもあったので、今が完成形というか。当時のスケジュール表出てきたんだけど1週間ですからね。
音楽とアートと。バンドが練習して、芝居が稽古して。全く演出はこういうのじゃなかったです。当時の衣裳部屋にあった衣装でやってたので。
バックは右側のだけが本物で、あとは後から。今は見世物小屋もなくなってきて、新宿の花園神社でやってますけど、そこが最後ですね。さいたまの
辺りで1つだけ残ってたけど、そういう形で興行できなくなって」
「僕が少年時代こういうった、こういったと言っていいのか、お芝居というのは、そこら辺から若いもんさらってきて出してるんだろう、まぁ子供の頃ですよ。
そういったイメージがあったんですけども、今日見たらやっぱりそのイメージがあったんで嬉しかったです」
「みんなまっすぐ来たんですよ?親に引き戻されて帰って行った子もいますけど。だからひっぱってきたことはないです。もし引っ張ったとしたら寺山さんの
魅力が引っ張ったと」
「僕も自主的にきましたから。最初から人生曲がってる方にしか進んでないんで。この年になってまだ続けてるってことは、親戚からすごいって言われますね。
忙しいのはいいことだ。金がなくても忙しいのはいいことだ。今仕事ない人の方が多いって言われます」
「いや~嬉しいな僕は」
「また何かコンサートを一緒にやるとか」
「今回思ったのが、こういった見世物小屋で、怪しげな世界があって、不条理なセリフがあって、おどろおどろしくてっていうロックバンドって結構あるんです。
僕より下の世代にもたくさん。そういうロックバンドたちのやらんとしてること、突き詰めようとしてること、が、あぁ!これだったんだ!というのがわかって
寧ろそのよく一緒にやってるバンドの真意がわかったっていうのが新たな発見だったんですけど。それがあってからシーザーさんのバンドとやらせて
もらったら面白い作品ができるんじゃないかと思いましたね」
「是非」
「えーそれでは10時退館なので、後片付けもありますんで、名残惜しいですが今日はありがとうございました」
「はーい」
ぞろぞろと退場。
戻る