ビールのお供にホラートークショー
2017.7.28 LOFT9 19:30~21:30
道先案内人(MC):LeChat
1部 ホラー漫画を語ろう ゲスト:大槻ケンヂ
2部 「闇芝居」を語ろう ゲスト:山口綾子/船田晃
開場してから開演まで人間椅子がかかっていました。スペシャルドリンクノンアルと2種類販売。ノンアル売り切れ。
1列15人くらい。テーブルありなし列。
ステージテーブルにマイク2つ。
るしゃさん登場、黒クロス柄ミニワンピース。黒髪ロング両サイドお団子リボン。
ご挨拶あってオーケン呼び込み。
「私の参加しているバンド初音階段にコラボしていただいて大変お世話になっていて、私が一番尊敬しているミュージシャン、大槻ケンヂさんです」
オーケンの登場SEも人間椅子。オーケン上手側着席。
オーケン:黒音符柄シャツ、ファンタズムTシャツ、黒パンツ、紺ハット。
「お久しぶりです~。いつぶりだろう?」
「ライブ以来なので」
「2年か3年ぶりなんですね。あ、お水とかいただけますか。まだ飲まないよ、お水ください。何か飲むの?」
「るしゃビール」
「何が違うの?」
「私の好きなオレンジが」
「へー!じゃあそれ、いや、今お腹空いてるから後にする」
「ご飯もありますよ」
「今日は何の話で」
「最初はホラー漫画という話で」
「僕あまりホラー漫画読まない」
「ですよね~」
「世代だから、もう大昔よ。恐怖新聞とか、亡霊学級とか。あと漂流教室、楳図かずお先生、洗礼はリアルタイムで読んでました。ほんとに怖くて、教室でみんなで
袋とじにしたもん。ホチキスで、あまりに怖くて。みんなやってたよ」
「そんなに?」
「怖かったぁ~」
「恐怖新聞そんなに怖くない」
「頼んでもないのに新聞が投げ込まれて、読まなきゃいいのに読んじゃって、1日?結構な尺で人生が縮んでいくんだよね」
「そうですね。怖かったですか?」
「怖かった怖かった」
「えー」
「死ぬほど怖かったけどなぁ。でも、心霊とかに対する概念が、やっぱりるしゃちゃんの時と違ったんじゃないかな」
「そんな問題なんですかね?」
「恐怖の描写が違ったと思う。例えば映画で悪魔のいけにえとか、怖い映画があって、血みどろぐしゃぐしゃな内容なんだけど、血は一滴も流れない。当時は描写が
血を出すことじゃなくて、血を見せないで驚かすとか、恐怖漫画も今と見せ方が違うんじゃないか、って今の知らない、どういうのがあるの?」
「って言っても今もそんなに変わらないと思いますよ。あのテイストが好きでホラー漫画かなって」
「あぁそう。古賀新一先生とかね、怖かったなぁ」
「楳図かずお先生好きですか?」
「リアルタイムで読んでいて、毎週ギエー!ギャー!って読んでいて、最後に実はタイムトラベルもので、ちゃんと完結してるんだって知った時の驚き」
「男の子だけが帰ってこれるんですね」
「盲腸の手術するところ覚えてる?」
「あぁはい」
「意外と感動させるんだよね。蒲生君って言ったかな、できると思う!シュタっと手を挙げるんだな。少年物として感動させるところも好きだったけどやっぱ未来人とか
怖かったなぁ」
「あれは怖いです」
「大林宣彦監督で漂流教室映画になった時、未来人が原作と違って、巨大なゴキブリ、人間よりちょっと大きいゴキブリに描かれて、そのゴキブリがピアノ弾くんだよ」
「えっ?どういう流れで?」
「大林監督が一番とんがってる時代で、もうわけがわかんない。楳図先生は対談した時に大林監督の漂流教室はちょっといかがなものかと思ってるところが」
「ちょっとそれはないんじゃないかな、みたいな。私その流れ気になりますね、ゴキブリがピアノ弾くまでの」
「いや!未来人が襲ってくるんだけど、蜘蛛みたいやつじゃない原作だと。それが大林監督の映画ではゴキブリなんだよ。それだけ、バグズライフみたいなことだよ」
「あー、はいはい」
「ファンシーになっちゃった」
「私結構伊藤潤二先生とか」
「僕ね、潤二先生くらいになるともう近年なんですよ。ほんとに昨日今日の話だから。もう51なんだけどレッドホットチリペッパーズなんて昨日今日デビューしたあいつら
後輩じゃねーか。あの後輩がよ。楳図先生は子供の頃からいらっしゃって、伊藤先生は大人になってから登場した方だからあんまり読んでなかったの」
「私は結構一緒くたにしちゃったけど」
「映画が先だったの」
「あーちょっと面白かった映画」
「ギエー!すげーな映画と思って原作読んだらもっと変で、びっくりしちゃって。あれ阿部サダヲさんが出てるじゃない。ほんのちょい役で出てるんだけど、僕伊藤潤二さんも
阿部サダヲさんもうずまきの映画で知ったんですよ。その後に古田新太さんと大阪の打ち上げで飲んでる阿部サダヲさんに偶然会った時に、当時相当な人気だったけど
俺不勉強で知らなくて、阿部サダヲさんに「あっ、うずまきに出てる人ですよね!」」
「代表作はオーケンさんの中ではうずまきだったんですね」
「阿部サダヲさんも「えっ?」て顔されて、未だに悪いことしたなぁ」
「でもなかなかないんじゃないですか」
「映画は結構観てらっしゃるんですよね」
「中学になってから、後追いでエクソシスト、」
「あー怖いですねぇ」
「ウィリアムピーターブラッディって人が書いた本で、原作は西洋合理主義、英米がやってたのがベトナム戦争があって、合理主義がもうダメだと。どこに行けばいいか、
キリスト思想に行けばいいか、それは明らかにダメだったから、どうすればいいかわかなんなくなっちゃった。ていう時に、純真な女の子が突然汚い言葉を吐いたり異様な
ことを始めたと。これが、精神病理学的なものか、つまり合理主義的に解決できるものか、それとも悪魔憑き、宗教のキリスト教的に解決できるものかってことを国民が悩む。
神父さんと学者しか出てこないけど、その頃のアメリカの人々の不安が全部書いてある」
「へー」
「最終的に落としどころとしては、パズスって出てくるんだけど、でもよくわからない」
「でも家壊れて」
「家壊れちゃうの2じゃなかったかな、バッタがいっぱい出てくる、2だ」
「私ホラー映画のジャンルで言うと悪魔系が好きで」
「形而上の、合理的じゃなくてそれ以上の世界がこの世をコントロールしているっていう映画の方が好きってことよね。腑に落ちるんじゃなくて、悪魔いるんじゃね?って」
「ん?悪魔いるんじゃない?って何ですか」
「幽霊の正体が実は風に揺れた柳だったというよりも、本当に悪魔なりゴーストなりがいてっていう」
「あの、悪魔自体が好きなんですよ、悪魔好きなんで」
「どんなのが好きなの?具体的に」
「え?誰とかですか?悪魔で言うと」
「悪魔で誰!すごいね、えぇ?悪魔で言うと誰?」
「いやアスタロトとか」
「なに?アスタロト?お菓子の名前的な。あー!ベルゼブブとかそういうのだ」
「すごいいっぱいいてあいつら階級もあるんですよ」
「へぇ~。そのアスタロトはどのくらい」
「そうでもないです」
「そうでもない辺りが好きなのね」
「単純に、私が好きな漫画に出てきたアスタロトがかっこよかったという」
「美形なんだ」
「美形でした。そもそも悪魔大図鑑を読んでいて、本来の悪魔はすごいブサイクなんですね」
「ものすごい表紙が怖い子供向けのやつ?まんだらけで1万円くらいで出てる」
「私アマゾンで買ったのでちょっと」
「
ちゃんとしたやつかなぁ。僕らの頃はジュニアチャンピオンコースというのがあって、学研の。悪魔大図鑑の絵と写真が半端なく怖いんだよ!当時はCGなんてもちろんなかったし
子供だからそれが映画のワンシーンなのか、絵なのか、ほんとにそういう怖いのが居て写ってるのかわかんなくて」
「あ、そういうのじゃないです。聖書に描いてあった絵で」
「永井豪先生のデビルマンなんてのは」
「大好きです!」
「あれは悪魔美形だしね」
「あれは終わり方が好きですね。結局みんな死ぬ。私死んでほしいんですよ」
「みんな死んじゃう系が好き」
「そうです。死んだらこっちはうわぁっってなるんで」
「夢も救いもないやつだ」
「若干の人は。漂流教室みたいに誰か一人は生き残るのはいいです」
「あれはいいよね」
「悪魔のいけにえでよかったのは、車いすの青年が出てきて、まぁ彼は残るだろうと思ったら結構半ばで殺されるんだよ」
「そういうのいいですよね~」
「ホラー映画でこの人生き残るだろうなって人が意外に死んじゃうのいいよね」
「いいですね。この人未来があったはずなのにこんな事に巻き込まれてこんなちんけなことで死んでしまってみたいな」
「
それは結構病んでるんじゃ。まぁあるね。シャイニングで少年とテレパシーで辛うじて通じてる黒人のおじさんが、いとも簡単にジャックニコルソンのお父さんに殺されちゃう。
あれ衝撃だった。早いなっ!活躍しないんだ!」
「何故か黒人さんって必ず死ぬ運命にないですか」
「そうだね」
「生き残ることないですよね」
「最近のホラー映画は誰が生き残るかがわからないね」
「そうですね」
「みんなが読めるようになったから」
「僕のおすすめの映画はドンコスカレリ監督のファンタズム」
「聞いたことあります」
「C級映画なんだけど、曖昧模糊とした話なんだけど自分の心情と、これからどうなってしまうんだろう、生と死の不安、ちょうど少年の気持ちをホラーにしているので僕好きです」
「へー、ファンタズム」
「あまり評価高くない。2,3もあるんだけどどんどん酷い映画に」
「あるあるですかね」
「3は主人公ぽい人が車横転するんだけどそれが亀に驚いて車ひっくり返る」
「えー?ダサ」
「亀だ!ってバーン」
「亀助けようとしたんですか?」
「走ってたら亀がいたんで」
「タイミングに驚いちゃって。亀もびっくりですよね」
「
逆に、好きな映画を紹介してくださいよ。今日ツタヤでサスペリア2とエルトポを借りてきたとこなの」
「じゃあそれ返す時にまた借りてくれます?私が紹介した」
「うんうん、借りたいです」
「楳図かずお先生の紙の左手悪魔の右手」
「あ、観ました。金子修介監督」
「あと何だろうな。あたし結構鳥なんで、忘れちゃうんです観て。だから何回も観て楽しむんですけど。おばけとかじゃないですけどエスターって」
「悲しいやつ、観たかな」
「緑っぽいジャケット」
「間違えて超人ハルクとか。シュレックとか借りちゃって」
「シュレックではないです残念ながら。僅差で違います」
「もう一つ是非」
「すごい好み別れるんですけど、レックって」
「
それは近代の。あのね、僕ある時からホラー映画観なくなったんです。それは、スティーブンスピルバーグのプライベートライアン、戦争の映画でね、残酷描写が変わっちゃったんです。
それまでのはどんなに人体切断とかあっても、とにかく笑えたの。リアリティを求めるのとは違うベクトルだった。ところがスピルバーグがプライベートライアンを撮って以降残酷描写が
どんだけ観ている人がドン引くかって方向に行っちゃったんだよね。スピルバーグはそれで戦争の悲惨さをと思ったんだけど、解釈がそっちに行っちゃったので。レックはブレアウィッチプロジェクト
から来ているカメラ揺れ揺れもの?」
「あ、それ系です」
「むごいやつ?監禁されてく映画?」
「うん、閉じ込められて」
「あー」
「
でも観てくれるって。あの面白いところって、ゾンビ系、感染していくから建物に閉じ込められちゃうんですけど、でも、話が進んでくとゾンビじゃないんです。そこが賛否両論なんですけど
私は結構好きだったんで」
「こうだと思っていたことが実は違う、あぁいいですね。3くらいまである」
「やっぱり例に漏れず途中からどうしたかなって」
「オーケンさんの好きな映画で悪魔の植物人間。事前に観とこうと思ったんですけど、どこにもなくて」
「一時期新宿のツタヤが変な品揃えで」
「タイトルすごい好かれたんですけど」
「撮影監督がフリークス」
「DVD持ってます。あれいいですよね」
「いいよね。誰が好き?」
「くっついてる女の人」
「
あぁ。両手両足のない人が、たばこに火を点けるのあれ器用だよね。フリークスの現代版やろうとして、フリークスという言葉は使えないけどもちろんのこと。見世物小屋の話で。
その中で目がね、力入れると眼球が半分飛び出す人がいる」
「画像検索で見ました」
「その人はさ、特技であって健常者のこと怒ることないじゃん!」
「力入れなきゃいいんですよね」
「
ただの宴会芸じゃん。ま、子供の頃先生に怒られて目が出ちゃって怒られたとか、あったんだろうね。あとセンチネル悪魔の番人って映画があって、いよいよ地獄の扉が開かれた
時に出てくるのがそういう特徴のある方々で、それダメだろって。でも面白い映画です」
「観ます」
「最近ネットに落ちてたりするんだよね」
「でも悪魔の植物人間はなかったです。アマゾンプライムとかに」
「オーケンさん自身の怖い体験は」
「僕は定番の話なんですけど、小学校2年生の時に落武者の生首というのを見まして」
「え、何でですか?」
照明が怪談仕様に暗くなりました。
「
ありがとうございます。真昼間ですよ。帰ってきたんだけど家に鍵がかかっていて。昔の昭和の家だったので、家の側面を回って庭の方から入れたのね。だから庭の方に回ろうと
思って家の側面を回って庭に入ったんです。当時庭にゆりかご型のブランコがあったんです。ふっと何気なくブランコを見たら、そのブランコの上に、いわゆる落武者ですね、平家とか
ああいう落武者の生首がブランコに乗ってたんです」
「揺れてたんですか」
「ブランコの天井部の上」
「あぁ、支えの」
「
生首が真っ青な顔で漫画みたいに口から血を垂らしていて、僕の方を振り向いてニヤリと笑ったの」
「それは、そういう飾りじゃなくて」
「そんな飾りのブランコあんまり見たこと、赤ちゃん本舗でもないし」
「霊現象ってことですか」
「
僕はギャーっと叫んで、声も出なかったかな、近所のミヤザワ君の家に駆けこんだ。勇気のある子でじゃあ見てきてやるよ!」
「勇気ある」
「
大槻、何もなかったよって。こわごわ二人で見に行っても何もなかった。ただブランコの上に、トマトの箱、トマトの入った箱が置いてあって、それだけは覚えてる」
「ブランコですよね。箱乗ります?」
「結構幅ある」
「あっ、鉄みたいパイプじゃなく」
「トマトの入った段ボール」
「差し入れですかね」
「悪魔の差し入れ」
「さっきは悪かったなみたいな」
「あなるほど!その解釈は初めて」
「ミヤモト君が行った時にはなかった」
「ミヤザワ君です」
「あ、ミヤザワ君が行った時に箱あったら、あれ箱だよって言いますよね」
「
ただ僕は、霊というものをあんまり信用していない。だけど残留思念、人がそこに生きていて恨みつらみを残して死んでいったそのデータ、がどういうシステムかわからないけれども
その場に滞留残留していることはないこともないこともない。それをどういう人間の脳のシステムか、察知する機能」
「第六感」
「
というか電気的なものだと思うのね。わかんないけどさ、シナプスが続いてどうのということがあるのかもわからない。いわゆる落武者の幽霊がそこにバーンと出てくる、そこまで
ダイレクトなことはそうはないと思うんです。ただ子供には確かに脳の機能的な問題かわかんないけど、残留思念的なものと交信することはあるのかなぁ何てことは思う。それによって
相当昔に亡くなった落武者のね、霊と交信してしまった、そのデータを見た、データを感じて視覚として捉えた、あーそうだったのかもしれないな。僕はT型構造、宮沢賢治がそうだと
言われてるんだけど、幻視的な、想像したものを見てしまう人というのは、結構な数いる。霊能者と言われてる人は脳の構造がそう」
「想像」
「後期自閉症とかさ、ぱっと見たものを全部記憶しているとか」
「特殊な」
「
脳の構造。子供の頃はある人いるんだって。僕も直感動で親とかから聞いた落武者とかの怖い話が残っていて、どういう訳かそれが幻視としてブランコの上に現れたんじゃないかと
今では解釈しているんだけど」
「じゃあトマトは」
「トマトだよねぇ」
「そのトマトどうしましたその後」
「僕はね、トマトが嫌いなのよ」
「私もあんまり好きじゃないです。生はダメ」
「一緒一緒!熱したりするとトマトジュースとかはね」
「じゃあトマトが嫌いだから箱の事は覚えてないと」
「
なんせ子供の頃だから覚えてないけど、自分の体験の中で唯一あった霊的な体験と言えばそれだったかなぁ」
「かなりインパクトありますよね、落武者とか見たくても見れない存在じゃないですか。今いないし武者が」
「落武者かどうかもわからないよね」
「えっ?」
「そういう髪型の」
「えー珍しい!そういう髪型の残留思念だったかもしれないですね」
「このハゲー!的な方だったかも」
「側頭面だけ生やして」
「いらっしゃるいらっしゃる。無理やり持ってくと謎の航空評論家」
「あー、やむを得ず残してある」
「見たなってことだったのかな」
「オフの姿を。準備中だよって」
「
もし本当の人間だったとしてなんで大槻家の庭で。本当の人間だった説もある、イリュージョンとして」
「え、ひとんちで練習してたってことですか?」
「そこよ!」
「それはそれで問題ありますね」
「
怪人二十面相は読んでくとただ一人の少年を、探偵団を驚かすために結構手間暇かけて、悪さするんですよ。だから、少年大槻ケンヂただ一人を驚かすために、
ブランコに幕とかして首だけ出して、イリュージョンを俺に仕掛けてくれた人かもしれない。るしゃちゃんありがとう!」
「親切な人ですね」
「真のエンターテナーだよね」
「そうですよ。ノーギャラで働いてくれてたんですよ」
「
あるいは、父シゲオ母ケイコなりが、ギャラを渡して賢二を驚かしてたのかも。ちょっと変わり者の親戚が居て、賢二が言うこと聞かないんで、1回驚かすといいですよ」
「お父さんだったんじゃないですか?」
「
あーっ!シゲオかぁ!去年亡くなったんですよ。今際の際に何か俺に言おうと。ケンジィィィ、あぁそうかもしれない。ありがとう、すごい有意義な、1本の映画になりますね」
「えっ、なる、かな」
「楳図かずおだったってのは?」
「生首がですか?結構変装しましたね。結構自分のアイデンティティ捨てて」
「
そう、ボーダーを脱ぎ捨てて。でも意味がわからないなぁ。当時先生高田馬場に住んでたからね、そんな遠くない」
「じゃあワンチャンある」
「つのだじろう先生、うーん」
「私、申し訳ないんですけど生首よりもトマトの事気になる」
「トマト気になるよねぇ」
「トマトめちゃくちゃ気になる~」
「でもねそれは非常に名探偵ですよ、シャーロックホームズ的ですよ」
「そうですか」
「
僕はこの話を何十年も何百人にも語ったですよ、怖い話ないですか聞くもんだから。でも、誰一人トマトに食いついた人いなかった」
「うっそーそこ一番気になるとこじゃないですか」
「それホームズですよ」
「ありがとうございます」
「はー素晴らしい。犬が吠えなかった、吠えなかったことが問題です、そうだね!」
「ちゃんとトマトを見て欲しかったかなぁって。何個くらい入っていたとか」
「そうだね。ほんとにあれはトマトだったのか」
「そこから。えっ中身はちゃんと確認して」
「いや確認も何もトマトの箱が」
「何でトマトって」
「そうだよね。何でトマトの入った箱を、ブランコの上に置いてたんだぁ?おかしいよね!」
「はい、一つ聞いていいですか?お忙しいと思うんです今。一つだけ、あの、大槻さんは、箱を見たじゃないですか。中身見たんですか?」
「見ました」
「じゃあ下ろしたってことですか。よじ登るわけないですよね」
「そうだよねぇ。見たような記憶があるだけなんだ」
「結構高いところにあるから」
「そのブランコはね、そんなに高くなくて」
「じゃあその状態で中身がわかる」
「
部屋の中に入ったら庭の方が低くなってたからちょうど見えたと思う。でも大槻家に関わるものすごい闇が今見えてきたのかも」
「お父さんお母さんに相談しなかったんですか?」
「
もちろんしたけど賢二何言ってんだい、夢でも。でもねぇそういえば変なことが多かった。うちね、下宿やってたの。二階に住んでた人がノイローゼになって、近所の川で
自殺未遂をしたことがある、母が言ったの」
「うんうん」
「
慌てて見に行ったらすごい浅い川でくるぶしくらいまでしか水がない、膝くらいかな?膝くらいまで浸かって呆然としていた。母さんはそれを見たよ。それが何十年か経って
それを母にそんな話あったよ、って言ったら何言ってるんだい、そんなことないよ」
「えっ怖い」
「
何十年も下宿やってたけどそんな人は1人もいなかったよ。賢二、夢でも見たんじゃないのかい?」
「怖ーい!お母さん・・・オーケンさんのお母さん、ほんとにいらっしゃいますよね?」
「
闇が結構あって、突然言い出すんだよね。母は10人兄弟で、母が何番目かで、その母が後妻さんさんなんだよね。つまりおじいちゃん再婚してた。俺それを知ったのが
ついここ10年だからね」
「あっそうなんですか」
「必ずその時に、賢二、知らないのかい?」
「喋り方」
「怪談ぽく言うんだよね」
「リアルにそういう風に言うんですか」
「
言うよ。夢でも見たんじゃないのかい?おかしいよな、ノイローゼで自殺未遂した若者が、居なくなったことになった、途中から。おかしい、うちのおじさんがさ、何年か前に
亡くなったんだけど、おばさんと同じ日の同じような時間に」
「なんか先祖に、先祖が何か呪われてるんじゃ。末代まで祟ってやるーみたいな」
「母は何か知ってんだと思うんだ」
「えー怖い。吐かせましょうよそこ」
「
そういうことがあって父ちゃんが警察の取り調べなんか受けて、親父が殺したんじゃないか、やりかねないな、それは冗談として。それから親父は寝たきりになって、父さん
それからおかしくなったよねぇ」
「喋り方。そんな喋り方怖過ぎますよ。うちの親も結構スピリチュアルでおかしい」
「スピリチュアルなの?」
「スピリチュアルぶってる」
「あ、ぶってるの。なんですかカリフォルニアのヒッピーみたい」
「私が体育祭出たくない時があって、捻挫したって言ったんですよ。そしたら、あやっぱりね。こないだあんたがね、階段下りてくる時に足掴む手が見えたの」
「えへ、それ色んな意味で面白い」
「ほんとかどうかわかんないですけど」
「嘘の怪我を見抜けなかった」
「見抜けない上、自分の手柄みたく知ってたよ、だって見たもんあの手」
「闇ありますね、るしゃ家も大槻家もね」
「アンティークマニアなんですね。絵とか買ってくるとたまに霊が出るらしくて」
「あぁうんうん」
「お祓いしたらいなくなったとか言ってるから」
「
そういうことあるよね。神経症の一部だと。アンジェリーナジョリーの元旦那は、古い家具恐怖症」
「へー」
「
自分で言ってたけど、それは霊的な原因霊証と考えるか、アンティーク恐怖症、そういうものを見ると怖くなる、それが霊によるもの、合理主義かオカルトか、そのせめぎ合い
なんだよね」
「うちの母はじゃあ出てきてほしいと思っているのかな」
「スピリチュアル、オカルト派なんだろうね」
「何でも霊」
「るしゃちゃんは」
「私は信じてない派です。心霊体験ぽいことはしたことあるんですけど、それでも頑なに信用しない」
「どうして」
「なんか怖いから。いると思ったら怖くなる」
「そんなこんなで間もなく終わりの時間に」
「あぁほんとぉ」
「何の話してるかわかんなかった」
「唯一の恐怖談を、新しい視点から掘り下げてくれてほんとありがとう!とても有意義でした」
「相当尺取りましたよね」
「トマトだよねぇ」
「そこわかったら教えてほしいです」
「報告します」
「折角なので大槻さん、筋肉少女帯や特撮の告知を」
「
えーっと来週筋肉少女帯で亡くなったhideさんのイベントがあって、新木場コーストに出ます。あと8月の18日に池袋ブラックホールというV系の人がよくやる小さな箱でね
こじんまりとしたワンマンを。毎年やってんだけど自分の好きな、筋肉少女帯や特撮とまた違う、全然違う方向の曲もやりたいんだよっていう曲もやらせてもらう、プライベート
なライブ」
「あっいいですね」
「ありがとうございました」
「こちらこそありがとうございました。ちゃんと観ます、悪魔の植物人間。大槻ケンヂさんでしたありがとうございました」
るしゃさんがお見送り
。
オーケンがステージ下りたとこでプレゼントやら渡す人がどんどん後ろの席からも集まり、受け取り待ち。
「はいありがとうございました。いやいや、全然なんか、色々もっと聞きたかったですね。だいぶトマトに、ちょっと聞きたい話皆さんもいっぱいあったと思うんですけど。
2部は怪談師の山口さん、闇芝居のプロデューサーの船田さんをお呼びしてますので、そちらも見ていってくださいね。ここで15分の休憩をいただきますので、飲み物
食べ物どんどん食べてくださいね。それでは一旦失礼させていただきます。ありがとうございました」
~15分休憩~
闇芝居について。るしゃさんおすすめ回の視聴。
怪談。
質問コーナー。
終演後2ショットチェキ会。千円ですって。
以上
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