原宿ゴシック&ロリータ万博 2002.3.3 18:00~19:00
大槻 嶽本 香奈 司会 お客 の色でお送りします。
17時過ぎに会場へ到着。受付っぽいところがあったけど、再入場の手続きしてるだけみたいで
私はチケット見せるだけで入場。黙ってればタダで入れそうだったなぁ。
入り口付近にはゴスロリちゃんがわんさか。すごいすごい(^_^; 中に入ると人形や服が展示されていて
少し見ていたら、奥の方にステージがあって人が集まっていたので慌てて移動。3列目くらいに落ち着く。
「本日3回目のお色直しです」と司会の方が登場。「かわい~い」の声。着物地ロリの衣装。かなり短い
スカートで、黒のパニエの中が見えそうです。網タイツどーんという感じ。そう、男の方です(笑)。
「この服、かわいいでしょ。私のスタイリストさんが作ってくれて。本日は写真撮影は禁止。わたくしを
撮りたい方は、入り口でブロマイドを買ってくださいね。さ、とびっきりのゲストをお迎えいたします。
雑誌ケラ!でもおなじみの、かわいいかわいい香奈ちゃんのライブショウをお楽しみください」
蛇苺の前奏で香奈登場。ピンク&白の衣装。頭に大きなリボン。髪が金でパーマでした。
「ありがと~。香奈です。今日はおしゃれをしてここにやってきました。みんな、おしゃれをして、楽しい
ですか。今日は、新しい家族、こざぶろうと来ました。こざぶろうは名前の通り男の子ですが、ナース姿
です。ということは、看護、士ですよろしく。では、もう一曲歌います、かび」
「ありがと~、香奈でした~」「香奈ちゃんかわいいわね!あたし、同じ人間に生まれて来たのに神様
恨んだわ。許せな~いかわいすぎて」「大きいですね」「好きでこう生まれてきたわけじゃないのよ」
「背が」「あ、あたし厚底だから、あら同じ厚底同士、やだ~。あたし国際女優だからこれくらいないとね」
「普段はどういう服装なの?」「今日は赤のチェックのスカートと革ジャンで」「ファッションへのこだわりとかは
あるの?」「ぴぴぴと感じたら」「それは才能を持ってるってことね」「なんで頭そんなに、でかいの?」
「いっぱい詰まってるからよ~」
「香奈ちゃんどうもありがとうございました。さ、この後もまだまだ続きます。しばしお待ちください」
香奈ちゃんを見て帰る人もいて、運良く最前に行けました。端っこだけど。
「お待たせしました。今日はこれが目当ての人もたくさんいるんじゃないかな。もったいぶらずに行きます。
まずロックバンド特撮の大槻ケンヂさんです」オーケン、ベージュチェックの帽子に革ジャン、ナイロンズボン
でした。「こんばんは~」「こんばんは」「今日はどうもありがとうございます。そしてもうひと方、作家の
嶽本野ばらさんです」黒シャツに黒スカート(白レース)。場内「キャー」の歓声が。オーケンの時より大騒ぎ。
「大人気ですね、野ばらさん。本日はお越しくださいましてありがとうございます。お二人のご関係というのは?」
「今日あったんですけどね、でも5,6年前に京都のホテルで」「一夜をともに」「全く昼間だったんですけどね」
「僕がライターとかやっていたころに、大槻さんにインタビューをして」「僕は大概インタ
ビューとかの人は忘れ
ちゃうんだけど、とにかく妙な、妙な佇まいで、微妙に震えながら、人の目を見ないで話をして」(笑)
「名刺を貰って「嶽本野ばら」って書いてあって、こいつぁカタギじゃねぇなと」(笑)「それで凄く印象にあって、
それで最近雑誌とか出てきて、あ、やっぱり。」「嶽本さんはどういう印象を?」「僕は筋肉少女帯のころに
ライブとか見てたから」「へぇ~そうですか。ナゴム時代」「何回か行ってるけど確実に覚えてるのは京都の
ビックバンで、泯ひさこと筋少の対バン」「今分かる人いる?15年くらい前の香奈ちゃんみたいな。
ちょっと変わった系列の女の子。戸川純さんみたいな。何が凄いってステージで蝉を食べるって」(笑)
「それでチラシに「アタシが本当のバカよ!」って。そんなことえばってどうするっていう。」「彼女は今九州に
帰って、携帯電話の代理店をやってるとか」「こんなところで泯ひさこの話してもしょうがない。でも前に高田で
会ったよ。「何してるの?」って聞いたら「今あたしは旅人」って」(笑)「旅人って商売あるんですか?」
「ゴシックな格好して、20代のうちはいいけど、30代、40代になってどうしようって考えたことないですか」
「みんな、このまま行こうぜ」「ぜだけつけ足したような」「だって、男子でー、いい年をしてるにも関わらず
こんな格好した大人だって、ちゃんと生きてるんだよ。大丈夫だよみんな」「ちゃんと生きてるかどうかは分かり
ませんが」(笑)「微妙なところだね」「あたしもその点は何も言えませんので」「ま、辛うじてだね」
「ちょっとファッションのお話をお聞きしたいんですけど」「昔からロリ系のファッションが好きで、ジェーン、MILK
あたりがずっと好きだったんですけど、似合わなくなっちゃったんですね。筋肉とかついて、普通の男になって。
でも最近またロリ心が爆発して、いいかー!って思って」「開き直るポイントというのは?」「最近このスカートを
BABYで見つけて、あまりに可愛いんで、これバックが」立って後ろ見せる。プリンセススカートですかね。
後ろが切れててパニエが見える感じのやつ。「かわい~い」「自分では着る機会がないだろうけど、いいや、
資料として持っておこうって買って。家に帰ってクローゼットに入れようと。でも、履いてみたくなるじゃん。
履いてみたら、変じゃなかったの」「変じゃないかどうかは微妙なところだけど」(笑)「僕は今日お会いしてびびった
けど」(笑)「女装でもなく、ドラァグクイーン的でもなく、普通に違和感なく、あるけども。変じゃないでしょ?あ、また
ロリができるって」「インタビューの時は普通の格好で?」「ライターの時はライターとして自分を消して」「これで
インタビューに来られたら、俺が話を聞きたいよ!って」(笑)「できるだけ怪しまれないよう、自分の気配を消して
ノーマルな人間の佇まいになるように心がけて」「だって野ばらって名刺に書いて」「ただもんじゃないなって思ったね」
「大槻さんはファッションは」「俺は全然わからないから、ポンチョで十分な野郎だから、今日はテリー伊藤のコスプレ
なんですけどね」(笑)「サングラスを掛けると、ほら」オレンジのサングラスしてみる。おー、テリーさん(笑)
「まっとうな、堅気な仕事はしてないから、どんな格好してても怒られないですけど。だから遊んでしまうことは
ありますね。俺ブランドとかわからないから。例えばどういうところのが」「うんとね、大槻さんはがたいが男の子
だから、入んないですよね。だから、マーブルビジブルとか。そこだったらがたいの大きな人でも入る感じの服
作ってるから。ラフォーレのアトリエピエロですか?そうだよね」「コーディネートしてもらったらどうですか?」
「俺ね、こういう格好ホント好きなのね。フェチなの」(笑)「ロリータ系の服見るとくらくらくるの。たまんないよ~」
「バンドをやってる時って、こういう子は」「いっぱい居ましたね。筋肉少女帯ってやってたんですけど、ケラさん
という人とナゴムというのをやっていて。そこに来る女の子をナゴムギャルって言って、みんなこういう格好でした」
「じゃあこういう格好はナゴムギャルなんだ」「いや、正確に言うともう一つトランスレコードというのがあったんだけど
今うんうんってうなずいた人は30代かな」(笑)「そこに来る女の子はみんな今日みたいな感じでしたね」「ナゴムは
可愛い感じで、ランドセルをしょったりとか」「今ランドセルの子っているの?」「うんとねー、たまにいますね」
「ランドセルの中何入ってるんですか?」「普通にお化粧とか。でも、筋肉少女帯がメジャーデビューしたころの、
大槻さんの衣装って結構今みたいな」「何言ってるんですか、僕はビジュアル系の元祖ですよ」(笑)「あのね、
そうなの、だよ」「嶽本野ばらさんが今認めてくださったんだよ!」「みんなゴシック系とかいうとマリスのマナ様
とかのイメージを持つと思うけど、大槻さんはゴシックなの。でも笑いを取っちゃうから」(笑)「ゴシックに思われない
だけで。」「グラビアとか撮ったらどうですか?」「俺ねぇ、一回上から下までゴシックでがーって出て、お客さん
引かせたい」「みんな引く?」「いやぁさ、20代のバンドとかと対バンするじゃない。楽屋でメイクしてさ、肌ののりが
違うの、化粧ののりが違うの」「アタシまだ19歳でわかんないですけど」「どの口が言う」(笑)「スキンケアとか大事
なんですよ。嶽本さんはスキンケアは」「もうガンガン。寝る前は夜用の化粧水と乳液と美容液は」「夜用ってことは
朝用、多い日用、少ない日用とか」(笑)「僕子供でわかんない」(笑)「どの口が言う!そうですか、スキンケアは
怠らない。普段お化粧は」「基本的に人前に出る時は。若い頃は肌ぴちぴちつるつるだったので大丈夫だったん
ですよ。でも年齢がいって老けたなぁと思ってからはスッピンでは通らないだろうと。それからはずっとスキンケアは」
「三輪明弘さんみたいになるとかっこいいですよね」「う~ん、そうなるか、楳図かずおになるか」(笑)「あ~、それは
難しいところですねぇ。でも野ばらさんは結構楳図系ですね」「先生の若い頃の写真とか見ると、自分でもそっくり。
楳図先生と、僕と、森村泰昌は同じカテゴリ」(笑)「三輪さんはなんかよく見るんだよ」「僕も伊勢丹で見た!」「なんか
すっごい黄色いんだよ。それでごぉーって歩いてるからさ、ピカチュウみたいなんだよ」(笑)「楳図かずおも高田馬場
で見かける。ああいう人はよく、野ばらさんとかも見かけるのかなぁ」「あたし東中野で大槻さんお見かけしましたよ。
ぼーっと夢遊病みたいに歩いてらして、お声かけようかと思ったんですけど」「多分BOX東中野に出かける途中だった
んでしょう。ちょうどね、僕の小説が映画化されて」「あの、映画の話出ましたけど、見てらっしゃる映画とか」「今日
集まった方とか見とくべきだって」「なんだろうねぇ」「ホラーものとか」「えっと、オーメンとか」「1ですか?」「2ですね。
あのね、サントラがすごいゴシックでかっこいいの。グレゴリオ聖歌っぽいというか。一時期ぼく毎日エンドレスで
聞いてた。あとね、あれ何でしたっけ。女の子が修道服で」「サスペリア!1,2どれが」「サスペリアは1ですね」
「イタリアの監督で、映像はいいんだけど話が繋がってないのね。悪く見える人がほんとに悪いっていう。オチも
ないという」(笑)「映像はずっとゴシックテイスト溢れてていいですね」「どういうのがいいかねぇ。ああー、あのねぇ
タイトルがゆえに絶対ビデオ化されない江戸川乱歩の「恐怖奇形人間」っていう映画があって」「それは問題大きく
なりそうですね」「絶対お薦めですよ。たまにレイトショーとかでやると、やっぱりサブカルチャー好きのちょっと世の中
から外れた男の子女の子が爆笑につぐ爆笑で、最後は花火で終わるんだけど、全員が拍手喝采、「うわー!」って」
「お客さん見るのも楽しいですね」「あとね、手前味噌なんですけど僕が書いた小説ステーシーが映画になったんです
けど、これが映画としては出来が最低なのね。15歳までの女の子がゾンビになってしまう話で。出来が悪すぎて、
変なトリップ感覚が」(笑)「見てると脳汁が出てくるような」「それ何色ですか?」「ピンクの脳汁がかーっ!って出て、
やがて青に変化してくみたいな。みなさん好きだと思いますよ」「原作とは」「原作とは全然違います」「ぼくもこないだ
映画になったんですけど、これがかなりのレベルの酷さで」「楳図かずおでいったら漂流教室くらいで」「もっと酷い。
大学の映画研究科とかが作るレベルの」「何ていう原作なんですか?」「世界の終わりという名の(なんとか)なんです
けど」「へこんだ!」「へこみまくりですよ」「よくないと原作者としてはへこむものですか?」「ある程度は自分の原作は
素材だから、監督に託してまぁ文句はあるだろうけども、ある程度は譲歩しようと思って渡しますよね。でも、譲歩でき
ないくらいのものがあがってきた時はへこみますね」「STACYもそうで、凄いショックで、「あーもうだめだ!」って思った
んだけど、あの、楳図かずおとかの漫画で脳開けるとことか、いやなんだけど見ちゃうっていう。ああいう。ビデオとかも
見ちゃうっていう。やっぱマゾヒズムみたいのがあるのかな。自分の作り上げた子供たる作品が、こんなにグレちゃって
もうお父さん悲しい!でも、そのいじめられる感じがまた気持ちいいというか」「愛があるんだ~。子供がグレてしまって
タトゥー入れてしまってもたとえ体いじっておちんちん切っちゃっても」「切っちゃったらちょっとね、どうかと思いますけど」
「僕はあの映画に関しては子供としては勘当ですね」「楳図かずおも漂流教室で、これがまた酷い映画でさぁ、すんごい
文句言ってたね。ここにも小説とか漫画とか書いてる人いっぱいいると思うけど、それも覚悟の上かなと。あ、俺見てない
けどマリスミゼルの映画ひどそうだね」「僕も見逃してますね」「ファンの子いるんじゃない?見た人いる?」「見たー」
「美しかった」「彼女たちには同じものが流れてるから」「あ~」「家にいる時は何していますか?」「ほとんど寝ている
かなぁ」「ちなみにどんな服装ですか?」「家で仕事する家業じゃないですか。だからまぁ、結構だれた格好してるん
ですよ。ジャージなんだけども」「ジャージですか」「なんだけども、コムデギャルソンの。2年くらい前からかな、急に
川久保玲がジャージに目覚めたらしくて」「絵が浮かんじゃいますね」「お似合いになるんじゃないですか?」「うーん、
多分似合ってないと思うけど、普通のジャージと比べると何かが違う。かっこいい」「そろそろお時間なので、告知みたい
なのはありますか?」「4月の終わりに小説が出ますね。ラフォーレ原宿を舞台にしたものを」「野ばらさん、あとで写真
撮る時「ぐわし」してください」(笑)「ぼくは楳図じゃないって」「このさいだから」「じゃあ大槻さんテリーの」「そのほかには」
「あとはサイン会ツアーをするくらい」「大槻さんは?」「僕は今特撮というバンドをやってるんですけど、アジテーターという
アルバムを出していて、皆さんに聞いて欲しいのが1つ。あー、タイトル忘れたなぁ。ゴスロリちゃん綱渡りから落下すって
いう」「それはね、皆さん聞いた方がいいよ。こないだ頂いたんですけど。ゴシック&ロリータ
な人はとりあえず」「パラシュート
から落下するんですか?」「綱渡りから落ちちゃうっていう。ゴスロリ、ゴー!ゴスロリ、ダッーシュ!」「きゃはは。それは
発売中」「電車ってバンドもやってまして、勉強ってアルバムが出てます。それと3月の20何日かにリンダリンダラバーソウル
というバンドブームの話。レピッシュとかジュンスカイウォーカーズとか、筋肉少女帯とかそういういうバンドが総登場する
エッセイみたいものを出しますので、それを是非読んでいただけたらと」「グミチョコは?」「パイン編を角川ミステリーで
連載することに。なんでミステリーなんだという」(笑)「はい。今日のゲストは嶽本野ばらさんと大槻ケンヂさんでした」
以上
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