
平成18年3月吉日
伊勢原市議会議員 渡辺紀之
H18年度伊勢原市予算編成について
今回、H18年3月定例会は2月22日より3月24日までを会期として行われております。
主にH18年度予算編成における様々な議案が上程されました。そのなかで、大きな問題として、予算編成に着手する段階では約16億円もの財源不足が見込まれるということがありました。
そのなかで、編成過程の努力で、最終的に約13億円となり、その解消にむけた
財源確保の一つに旧第二庁舎跡地を事業公社に売却を計上しました。そのこと
を「苦渋の選択をした」と言う執行者側のプロセスなどの方向性や考え方が
議会をさることながら、周辺住民を巻き込んだ問題となり、その説明責任の
対処の仕方が今後、市政運営をする上で、大きな課題と考えます。私はこの
「第二庁舎跡地の売却の取り扱い」は大きな問題ですが、予算執行をする上で、否決するまでもないと考えます。その理由は下記のようなH17年度の状況や、
H18年度の予算編成の仕組みなどから、市民に対してやるべきことはしっかり
実行し、指摘するべきはしっかり議員として申し入れを行い、市民生活の
向上にむけて更なる努力をつづけてまいります。皆様にも充分ご理解いただき、ご意見、ご感想は随時、受け付けておりますので、よろしくお願いします。
H17年度の状況
@「行財政改革を基本とした財政再建のスタート」の年
A「市民との「パートナーシップ形成を進める」
B「伊勢原行財政改革推進計画」の策定
C各種審議会等の公開や委員の選定・決定の明確化
D「いせはら21プラン後期実施計画」を策定
E「伊勢原市市民参加推進」の策定
H18年度の重要施策のキーワード 「改革」と「協働」
「改革」は更なる行財政改革の促進。「協働」は「パートナーシップ」のまちづくりの推進
具体的には
(1) 市民参加による市政の進展
(2) 市民力の伸長と地域の活力創出
(3) 市民参加からの市民サービスの向上
H18年度予算編成上の最大の課題と取り組み
(1) 財政の健全化
(2) 土地開発公社、事業公社の経営の健全化
(3) 「いせはら21プラン」の着実な実現
(4) 枠配分予算編成方式の導入
H18年度一般会計予算規模 269億7,900万円(昨年より6億6,500万円、2.5%増)
H18年度特別会計予算規模 220億8,900万円(昨年より6億9,200万円、3.2%増)
(6会計の合計)
総合計 490億6,800万円(昨年より13億7,500万円、2.8%増
一般会計の概要 増加した要因
@
扶助費の増加・・・障害者福祉関係事業の対象者の増加。生活
保護者の被保護世帯数の増加。医療費の増加(小児医療助成事業費の
増加)1億1,268万7千円増加。
A
補助費の増加・・・秦野伊勢原市環境衛生組合負担金の増加。
焼却施設の耐震補強工事費など1億2,367万3千円増加。
B
普通建設事業費の増加・・・東部土地区画整理組合に対する
区画道路整備等助成金の交付。市道58号線等の市道整備事業費の増加。丸山城址公園整備事業費、伊勢原自由通路整備事業費の増加。
5億1,585万5千円増加。
C
繰出金の増加・・・各特別会計の繰出金も増加。7,799万4千円
増加。
H18年度予算編成に着手した段階。
財政調整基金からの繰入 6億2,000万円(見込めない)
市有土地売却収入 1億5,800万円(見込めない)
歳出の増加など 5億2,200万円
13億の財源不足
財源の確保
前年度繰越金 1億円
老人保健医療事業特別会計 繰入金 2億円
財政調整基金繰入金 2億円
小計 5億円 調達
市有土地の売却
市営西峰岸住宅跡地(競争入札方式) 1億円
旧第2庁舎跡地(事業公社に売却) 7億円
小計 8億円
合 計 13億円調達
H18年度末の財政調整基金残高 561万9千円
市債について
普通債 10億850万円計上(6,914万5千円減少 ▲0.3%)
公債費比率 11.9% 起債制限比率 15%
H18年度予算編成重点配分について
(1) 子育て支援/教育環境の充実
・ 0歳児の通院に係る医療費助成。養育者の所得制限の撤廃
・ 幼稚園就園児補助金。所得制限を撤廃
・ 児童コミュニティ事業。伊勢原小、比々多小に新設
・ 「児童虐待防止モデル事業」を実施
/・小中学校校舎の耐震補強工事。小学校2棟。中学校1棟
・ 準飛散性建材アスベスト除去。小学校屋内運動場2棟
・ 教育用コンピューター及び教員用コンピューターの整備の推進
・ 伊勢原独自の35人学級の実施(小学校2年生まで拡大)
・ 中学校給食「スクールランチ(学校内弁当注文販売制度)の実施
(2) 安全・安心のまちづくり
・ 防犯ベストの増強。青色灯を設置した防犯パトロール車の設置
・ AED(自動体外式除細動器)合計33基設置
・ 災害時要支援者支援マニュアルの作成。防災手帳の配布
・ 自動扉化(市役所通用口)
・ 「みんなのトイレ化」(市民文化会館の活用)
・ 市道及び公共施設のバリアフリー化
・ 地域防災計画の改訂「風水害編」を追補
・ 防災資機材、防災行政用無線、消防車両、消防用水利の整備
・ 消防団員への指令方式の改善(携帯メールによる発生現場通告)
(3) 地域活力アップ戦略(「伊勢原力」の強化)
・ 商業振興計画の策定
・ 「伊勢原テクノフェア」の開催
「H18年度重要施策大綱」
@「家庭における子育て支援」事業
・ 育児支援家庭訪問事業
・ 要保護児童対策地域協議会と連携し児童及び保護者支援
・ 「子育てサポーターの増員」やサポーターのスキルアップ
A「子育てと仕事の両立支援」
・ 延長保育、障害児保育、病後児保育のサービスの充実
・ 民間保育所に対して運営補助。駅前保育所の開設。
・ 届出保育施設の認定保育施設への移行を支援。入所待機者の解消
B「小・中学校教育の充実」
・ 指導補助員の配置
・ 特別支援教育の充実
C「地域福祉の推進」
・ 地域福祉計画の施策の展開に向けた「点検推進委員会」の設置
・ 成年後見制度支援事業の市民周知
・ 在宅サービス及び施設サービスの供給量の確保
・ 認知症、閉じこもり、うつ病などの介護予防の取り組み
・ 地域包括支援センターを創設
・ かかりつけ医療の推進
D「安全・安心体制の強化」
・ 防犯灯の整備
E「市民活動の支援」
・ (仮称)市民活動促進指針の策定
・ 市民活動支援助成金制度の運用
・ 市民活動サポートサンター機能の設置
・ (仮称)高部屋コミュニティセンターの建設
F「商工業・サービス業の振興」
・ 起業支援、経営の革新を支援
・ 異業種交流支援
・ 企業立地促進条例に基づいた企業誘致の促進
G「農業・観光の振興」
・ 大田地区農業地域環境整備事業の促進
・ 県営ほ場整備事業の促進
・ 高部屋地区「農村振興総合整備事業」の導入
・ 「大慈寺太田道灌公募所」の第3期工事、整備完了
・ 歴史文化財散策コースの設定や解説案内板の設置
H「都市基盤の充実」
・ 伊勢原駅自由通路整備事業の推進
・ 伊勢原駅北口周辺沿道整備街路事業の具体化
・ 都市計画道路の整備(田中笠窪線、西富岡馬渡線、牛塚下原線の推進)
・ (仮称)伊勢原北インター周辺整備
・ 下水道の整備(第3系列水利処理施設に対応する汚泥処理施設工事)
I「良好な生活環境づくり」
・ 愛甲石田駅南口周辺地区の市街地環境改善方針の検討
・ 比々多地区コミュニティゾーン形成事業
・ 公園美化推進団体を支援・育成
・ 環境基本計画の推進「環境行動の手引き」の作成
・ し尿処理体制の見直し、伊勢原市単独希釈投入施設の建設
・ 電動式生ごみ処理施設の購入費補助
J「市民参加の推進」
・ 「伊勢原市市民参加推進指針」の推進のための審議会の構築
・ 「わたしの提案制度」「市政出前ミーティング」「市長室サロントーク」の拡充
・ 「テーマ別市民会議」の運営委員会を創設
・ 「いせはら電子会議室」の運営委員会を創設
・ 行政評価システムの確立
K「行財政改革の推進」
・ 「伊勢原市行財政改革推進計画」の着実な実現
L「電子市役所の構築」
・ 施設予約シシテムの稼動
・ 電子入札システムの試行運用
「伊勢原市行財政改革推進計画」の取り組み
@「市民・NPO・企業等との協働によるまちづくり」
市民活動促進指針の策定。市民活動支援助成金制度の活用
A「簡素で効率的な行政執行の確立」
2. 事務事業の見直し・・・交通災害見舞金の廃止。宿直の民間委託→非常勤特別職員
3. 助成額・手当額の見直し・・・チャイルドシート購入助成限度額の引き下げ
4. 補助金の見直し・・・福利厚生事業補助金の廃止
5. 電子自治体の構築・・・「施設予約システム」。「電子入札システム」の試行
6. アウトソーシングの拡大・・・伊勢原小、比々多小に新設する児童コミュニティクラブの民間委託
7. 職員数の削減・・・正規職員数4名削減
B「財政の健全化」
1. 給与・手当の見直し・・・旅費日当の廃止
2. 土地開発公社及び事業公社の健全化・・・代替地の処分と損失補てん
3. 不要公有財産の処分・・・市営西峰岸住宅跡地の売却
4. 負担金、使用料の受益者負担の適正化・・・下水道使用料の改定。保育料
国民健康保険税。介護保険料の改定
5. 市債新規参入の抑制
以上、様々な状況や重要施策や大綱の計画は目白押しなわけでして、それが故に約13億もの財源不足が発生してしまう訳であります。私は今回の予算編成はH18年度から導入した「枠配分予算制度」の提案者であります。それが今回、いくら経常経費と云いながらも、このような財源不足になることは、あまりにも信じ難いことであります。執行者側にも今回の編成の組立て、さらに考え方や姿勢を再検討していただき、次年度以降の予算編成に活かしていただきたいところです。