画像の縮小

 画像の縮小について書きます。縮小はリサイズとも言われるようですが、リサイズには拡大も含むのでしょう。しかし別の分野ではリサイズに別の意味もあるようで、ちょっと使いづらい言い方と思います。
 また、画像の拡大・縮小と言っても、拡大するケースは少ないでしょう。デジカメ画像を拡大することはあまり無いと思います。印刷出版など業務用途では画像を拡大するケースもあると聞きますが、一般向けとして拡大についてはあまり考えない事にします。

 業務用のある画像処理ソフトには、リサイズの手法に三通りあると書かれてあります。WEBによればまだ多くあるそうですが、主にはやはり次の三通りのようです。
 1.ニアレスト・ネイバー法
 2.バイリニア法
 3.バイキュービック法

 これらの得失について述べると、やはり1.はあまり良くないでしょう。結果として画素を飛び飛びに取り出すだけですから、いわゆるジャギーが目立つようになります。
 一般には3.の評価が高いようですが、3.が拙いケースもまれにあります。と言うのは、3.の場合は自動的にシャープ化処理も行っているのと同じで、その度合いを指定できませんから、問題はそこにあります。
 2.は結果が素直ですが、いくらかボケた感じになります。(それを嫌って1.を選ぶ人も居ますが、1.はやはり良く無いでしょう。)つまり、2.で縮小して、その後にシャープ化すれば良いのです。当サイトではこのやり方を薦めます。

 しかし実際に、他所のWEBを見ると、縮小の仕方が拙い画像が多く見受けられます。恐らく、知らずに1.のやり方を選んで縮小しているものと思われます。現実には、どういう手法で処理されているかなんて知らずに、縮小処理しているのがほとんどかもしれません。あるいは先に書いたように、手法によっては縮小後にボケて見えるから、それを嫌っての事かもしれません。しかし良い判断ではありませんね。
 それにしても、ディスプレー機器上で画像を見て判断するという事は、案外熟練の要す事かもしれません。あるいは老眼や遠視のせいかもしれず、筆者の理解の範囲外です。


 それから言いわすれましたが、鮮明画像の場合、縮小は必ず長さで75%以下にすべきです。90%ぐらいに縮小すると鮮明さが無くなります。なぜか?それはデジタルだからと言う事でしょう。ただデジカメのオリジナル画像のように、最初から不鮮明な画像の場合はこの限りではありません。

 (デジタルかディジタルか、多分ディジタルの方が発音は近いのでしょうけど、例えばディジタル協会などと法人登記する場合、ディジタルだと受理されなかったからという説があります。つまり「ディ」という発音が五十音表に無いという理由からです。今はそうでも無いかもしれませんが、先に書いた事情から、デジタルという言い方が定着してしまったという事でしょう。)


シャープ化処理

 シャープ化処理は重要な画像処理です。画像のリサイズや、あるいは小角度の回転処理など、画像の変形操作により画像のシャープネスは低下します。これは避けられない事で、従ってシャープ化処理も普通の画像操作として必要になります。
 しかしこれは目の錯覚を利用しているだけで、分解能が向上するとか、本当にシャープになるわけではありません。従って、シャープ化処理は画像処理の仕上げに一度だけ実施というやり方が勧められます。

 シャープ化と簡単に言いますが、アンシャープマスク処理も含めて考えます。シャープ化処理とアンシャープマスク処理とでは演算式が異なりますが、効果はほぼ同じです。一般には、アンシャープマスク処理が好まれる傾向があるので、これについて述べます。が、理論的な事はやや難しくもあり、効果についてのみ述べます。
 普通、処理の度合いを(%)で表しますが、単なる指標数値と考える方が良いでしょう。次に距離という指標があります。これは演算で考慮する範囲です。他の画像処理ソフトには、距離1.5Pixelと実数で指定できるものもありますが、距離はあくまでも整数で、1か2か3です。1の場合は隣の9画素を考慮して計算します。2の場合はもう一つ隣まで24画素を考慮して計算します。距離を3まで考える必要はあまり無いと思います。(距離を実数で与える場合、度合い数値に影響を与えていると想像します。)他に閾値を与えるソフトもありますが、その場合は0か1かでOKのはずです。

 このアンシャープマスク処理の、距離指標の違いによる結果の違いは、分かり難いですが、WEBに出すような小さな画像のとき、距離=1で処理すれば良いと思います。
 一方、デジカメのオリジナル画像の場合は、距離=2で処理するのが良いようです。(ただしFovion機の場合を除いて。)一般の、ベイヤー配列式のデジカメの場合、2×2の4Pixelで1画素を形成している「様なもの」ですから、その画像の場合、距離1Pixelでは効果が有りません。距離2Pixelで100%ぐらいが一つの目安です。

 しかしデジカメのオリジナル画像を、仮に長さ1/2に縮小すると、いくらか鮮鋭な画像になります。つまり4Pixelで一人前だった画素を1Pixelにまとめたわけですから。そんな画像の場合、距離=2Pixelでアンシャープマスク処理をかけると、変になります。どう変になるか、あくまでも見た目の印象ですから説明は困難です。しかし最初からシャープな画像に、距離2Pixelでアンシャープマスク処理をかけると、絵がきたなくなると言って間違いありません。
 つまり画像を縮小した場合、普通は、距離=1Pixelのアンシャープマスクが適当です。



 サンプル画像はいずれ改めて付けましょう。

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