©2010葉流奈津 (2010/04/25) 
はじめに

 一般的に、画像処理や画像編集あるいはフォトレタッチと言い方が種々あります。が、どうも言葉の定義は様々で、人によって意味する所は違うようです。フォトレタッチと言うと、切った貼ったをする様で、やや気になります。しかし、単に画像処理と言うと、画像認識や画像抽出など広い範囲を考える人も居る様です。それで、どちらかと言えば画像編集と言うのが良さそうです。
 しかし、画像編集という言い方の認知度は低いように思えますから、やはり初心に戻って、画像処理と言う事にします。それでも内容的に、画像編集と言う方が合っているかもしれません。

画像処理とは

 画像処理というと曖昧ですが、ここでは写真画像のトーンを変える事など、と定義します。
 デジカメで撮った画像をそのままでなく、トーンを変えるのは基本的な操作でしょう。
 また、写真画像をWEBや一般の文書で使う時、縮小(リサイズ)の要求は高いものです。
 さらに、形の歪みまで直す事も、最近では求められます。歪曲補正と、あおり補正です。
 ここでは、このような画像の編集や調整について述べ、そのソフトの紹介をします。

写真のトーン

 写真のトーンという言い方は耳慣れないかもしれませんが、コントラスト(明暗差)と色合いと考えて差し支えありません。(厳密には違うと考える人も居るでしょう。)写真のトーンは、日本では調子とか諧調とか言われる場合もあります。
 カラー写真でもコントラストは重要と思います。つまり明るい部分と暗い部分の差ですが、それより中間調での明暗勾配が重要でしょう。コントラストが強いと明瞭な写真になり、弱いと眠そうな写真になります。眠そうな写真が必ずしも拙いとは思いませんが、どういう写真に仕上げるかは作者の意志によるものです。
 色合いも重要ですが、これの判断は割りと難しいものです。しかし、青っぽいとかその逆だとか、写真を見てそう感じる場合はあるでしょう。それを直すのが色合い補正です。画像データの場合、これらの補正または変更は、割と容易に行えます。

 一方、明度・色相・彩度という見方をする場合もありますが、これは指標が見えないので合理的とは思えません。つまり表示の見た目でしか判断できませんから。具体的には次のように考えます。つまり、色相を変えると色バランスを壊し、彩度を変えるとナチュラルカラーから離れる、という事です。つまりそれらを直接さわる事が適切とは思えません。

 また、従来的な意味でのトーンと異なりますが、写真画像のシャープ感を変える事も重要です。一般に、画像を拡大したり縮小したりすると幾らかボケて見えるようになります。それでシャープ化はごく当然の処理です。
 しかしシャープ化と言っても、目の錯覚のようなもので、本当にシャープになるのでなく、むしろ画像を荒くする処理ですから、何度も繰り返すのは不適切です。リサイズ(拡大または縮小)後に一度だけ、という具合にとどめるべきです。

コントラストを変える

 コントラストは、レベル補正とトーンカーブで簡単に変えられます。
 補助的に、画像のヒストグラムを見る方が良いでしょう。

 上の作例は、元々コントラストの低いシーンでしたが、コントラストを強める事で立体感が表現できました。しかし元の曇天の雰囲気が無くなったとも言え、雰囲気重視の立場からは賛成されないかもしれません。
 写真のトーンについては、本当は難しい問題があるのです。つまり写真で「何をどう表現するか」という問題。しかしそれは感性の範疇ですから、当サイトでは原則として対象にしません。

色合いを変える

 色合いを変えるのは、3原色のR,G,Bレベルを変えるのが分かりやすいと思います。(他の画像処理ソフトには色相変更と言って、色を完全にずらすやり方もありますが、あれは良くありません。色が壊れて不自然になりますから。)
 R,G,Bレベルを変えるのは、レベル補正で行うか、トーンカーブで行うか、どちらかでしょう。普通のやり方として、トーンカーブで中間調のみR,G,B個々のレベルを上げ下げするやり方をお薦めします。

表示機器の問題

 一般的に表示機器、つまりディスプレー機器やプリンターによって、色合いやコントラストは変って見えます。だから、それの調整は重要な問題です。自分の場合、WEBサイトから「良好な写真画像」をいくつか取り寄せ、それが自然に見えるように調整しています。
 一般的にWindowsのPCでは、青味が強く設定されている場合が多いようです。それで、グラフィックドライバーで色温度を下げたり、ディスプレー機器のR,G,Bレベルを変えたりします。しかし目の慣れもありますから、絶対必要とも言いません。

シャープ化処理

 シャープ化処理は機能的に、[シャープ化]と[アンシャープマスク]とがありますが、効果は似たようなものです。度合い数値をどれぐらいにするかだけの問題ですが、結果の評価にはいくらかの熟練が必要になると思います。

 デジカメ画像をプリントする場合、一般的に、シャープ化する方が良く、距離2ピクセルで100%ぐらいと強めにかけますが、その画像はプリント専用と考え、終わったら捨てる方が良いです。強くシャープ化した画像は、その後に加工しずらいものですから。
 しかし、プリンタードライバーによっては、シャープ化も(あるいは諧調補正も)勝手にしてしまう場合もあります。特に「おすすめプリント」の場合など。この場合、シャープ化は(多分)不要です。
 プリンターの場合、シャープ化だけでなく色合いやガンマ調整など難しい問題があるものです。どういう設定が良いか十分試して置くのが良いでしょう。つまり、画像をディスプレー機器で見て良いように調整して、そのままプリントできるようにプリンター設定して置くのが良いでしょう。

画像の形状補正

 これは「レンズ歪曲の補正」、「画像の傾き補正」、および「あおり補正」の事です。これらについては機会を改めて述べます。が、別に書いたソフト使用手引きを見ていただくのも良いでしょう。本来は、概念が分かった上で使用手引きを見る、というものでしょうけど。


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