写真画像の取得

  画面に表示する写真画像の取得方法には主に下記があると思います。
   ・写真プリント(印画紙)をスキャナーで入力
   ・リバーサル(スライド)をフィルムスキャナーで入力
  このほかにデジタルカメラによる方法もあり、画面表示には一番手ごろな方法ですが、本稿では
 割愛します。
  私が行うのはほとんど写真からのスキャナー入力で、写真の仕上がりには注意したものを使い
 ます。サイズはポストカードか大キャビネ(13×18cm)相当です。

  フィルムスキャナーによる画像の場合は光学的に拡大するせいでしょうか、シャープ感が少し足
 りないような気がしますが、あまり詳しくないのでこの点については何とも言えません。写真の色調
 を重視する場合は、リバーサルから直にスキャンする方が良いと思いますが、フィルムスキャナー
 の性能が今ひとつということであれば、少し工夫して解像度を上げてスキャンして、後で縮小する
 という方法はどうでしょうか。例えば600×400の画像が必要な場合は1200×800または900×600
 となるようにスキャンして、1/2または1/1.5に縮小するというわけです。
  (画像を縮小した場合は画像処理の最後にシャープ化処理が必要です。)

   最近分かったのですが、CCDスキャナーの場合は、デジタルカメラの場合と同様に、CCDの3画素で
   分担して R、G、B を読み込み、1画素についての残り2色は周辺画素から補完するようです。
   そうであれば、理屈の上では分解能は低下するはずです。
   そのせいか、CCDを使ったスキャナーの場合は、読み取った直後の画像はややシャープネスが不足
   するように感じられます。

  写真からスキャンする場合は150dpi 程度ですから、スキャナーの性能としては余裕があります。
 私の場合は、その後で表示サイズ調整も兼ねて、画像サイズを長さで2/3程度に縮小します。
  いずれにせよスキャンする前にスキャナーの感度設定が必要で、これはプレスキャンして明るさ
 とコントラストを調整する方法が一般的と思います。スキャナーで自動設定される場合でもそれが
 最良とは限りません。読み取った画像の輝度分布が15−250であれば理想的です。0-255が良い
 ように思われがちですが、それではハイライト部が読み飛ばされ、ハイシャドー部が読みこまれて
 いない可能性があります。つまりコントラストが強すぎるように読みこまれているわけです。
  (注:画像の輝度はRGBそれぞれ0から255の数値で表します。)

  このようにしてまず良好な画像を取得することが重要です。それから画像の補正を行いますが、
 これはグラフィックアートのように画像をデフォルムすることとは違います。画像の輝度レベルを
 補正して、適正な階調となるようにすることです。これは画面に表示して見た目で行うためディス
 プレー装置の性能に影響されがちですが、ハイライト部とハイシャドー部の輝度レベル数値を調べ
 ながら行うのが良いようです。


 画像の補正

 ディスプレーに表示する画像の補正についてお話します。
 入力源がデジタルカメラであろうと、プリントまたはフィルムからのスキャナー入力であろうと、
画像データの補正は必要と考えます。

 補正する処理内容はレベル補正または階調補正と呼ばれるものです。これは画像処理ソフト
PhotoShopなどにあるレベル自動補正機能ではありません。それではなく輝度レベルを手動で
平均化する機能のことです。例えば輝度レベル15-250の範囲を0-255にするという処理です。
(この例のように15と250という数値を人が指定できれば、手動補正ということになります。)

 この数値の決め方は画像のヒストグラムを参考にしますが、画像の一番明るい部分と一番暗
い部分の輝度レベルを調べて、この両方の輝度値を平均化する範囲に指定するというのが基本
です。
 ハイライト部もハイシャドー部も通常はRGB値がバラバラですから、それらの平均的な値を選ぶ
ようにします。RGBごとに平均化レベルを指定できるソフトの場合でも、RGB値を全て同じ値にし
ないと全体の色合いが変わってしまいます。
 これで通常はかなりクリアーな画像となるでしょう。
(しかしハイシャドー部が 0、ハイライト部が255が必ずしも良いとは限りません)

 しかし最初の画像の段階でハイシャドー部のRGB値が(0,0,0)で、ハイライト部が(255,255,255)の
場合もあり得ます。この場合はレベル補正が不要であるか、または画像のコントラストが強すぎ
てスキャン失敗の画像であるかのどちらかです。後者の方が多いかもしれません。
 デジカメの場合は自動露出ですからこういうケースは少なく、スキャナー入力の場合は明るさ
またはコントラストの設定が不適切だとこういうケースが多くなります。

 スキャナーの場合もプレスキャンによって、自動的にパラメータを決められる場合が多いと思い
ますが、それが必ずしも最良とは限りません。
 読み取った画像の余白を切り落とした後で、ヒストグラムを調べて全体的な輝度範囲が15から
250ぐらいであれば理想的と思います。

 (補足)最近のスキャナーの場合は、読み取り段階でレベル補正やガンマ補正ができるもの
  があるので、これは必ずしも当てはまらないようです。ともかく写真の最暗部から最明部ま
  でが 0-255 階調の中に入るように読み込めば良いわけです。

(ヒストグラム処理で輝度範囲の数値が表示される場合は、どこか1ピクセルでも(0,0,0)か
(255,255,255)の個所があれば、範囲としては0-255になります。しかし、これは除外して考え
ます。)

 基本的にはこの15から250の範囲を0-255に広げれる事がレベル補正の目的ですが、表現
意図によってはそれほど広げなくて良い場合もあります。
注意:ディスプレー自体のコントラストによって画像を見た印象は変わるので、実のところ
   これはかなり難しいのです。自分のディスプレーで最良にしても、他人のディスプレー
   では必ずしも最良とは限りませんので。自分のディスプレーのコントラストの傾向を
   ある程度つかんでいる方が良いでしょう。特に液晶ディスプレーの場合は。

 それから必要に応じてガンマ補正や色合いの補正を行いますが、これは絶対必要というもの
ではないかもしれません。
 次に画像のシャープ化ですが、これには賛否があると思いますが、私の場合はシャープ化
処理を弱くかけます。PhotoShopなどの場合は「少しシャープ」メニュでも強すぎますので、
度合いを指定できるシャープ化処理をかけます。

 画像を縮小した場合は、アルゴリズムからいって必ずボケ処理がかかったようになりますの
で、この場合は必ずシャープ化処理を行います。
 また、一度シャープ化処理をかけた画像を再び補正しようとしても、画像の劣化が大きくなる
ばかりですから、シャープ化処理は最後にすべきです。

 以上は画面に表示する場合の話で、プリンターに出力する場合は必ずしも適切とはかぎりま
せん。



 補足

 私が普通に行う画像処理をまとめると、次のようになります。

 ・輝度レベルの平均化
 ・必要あれば画像ガンマ値の変更
 ・必要あればトーンカーブによる中間調コントラストの増大
 ・最後に弱くシャープ化処理

 トーンカーブといっても、せいぜい右図の程度です。
 これは中間調のコントラストを上げることが目的ですが、
 結果として中間色が純色に近づく傾向もあり、派手な感じ
 になってしまいますので、いつもやるとは限りません。
 
 色調変更はごくまれに行う場合もありますが、
 これはR,G,B別のガンマ値変更によって行います。

 以上の画像処理には自作の画像処理ソフトを使用します。
 シャープ化処理は得意の機能で、
 シャープ化の度合いをパーセント数値で指定できます。
 これは画像のエッジを立たせる機能ですが、微細な明暗模様
 の場合は、明暗のコントラストが増大する効果もあります。

 画像処理はあまりやり過ぎると、表示写真が画一化する恐れ
 もありますので、注意したいと思っています。

 なぜ画像処理するかということ

 根本的問題が最後になってしまいましたが、それはディスプレイ装置に写真を表示する場合は、
 その上で最もよく見えるようにしたいと考えるからです。
 スキャナーで読み取った画像は、いわばネガフィルムのような素材に過ぎないと思いますので、
 写真の焼き付け・引き伸ばしの場合と同様に、表示写真の諧調を整えるために行っています。


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