小倉先生の傾度風

この一般気象学は、大変に良く纏まった良い本ですが、部分的に理解しがたい所があります。

このテキストのp.143に載っている図6.12で言えば、BCDの線上に示される風は実在しないと私は考えます。C点の風(流れ)を持って、次ページの図6.13に示される慣性振動の説明をしていますが、図6.13に示されている慣性振動は、非地衡流として考えるべきだと私は考えます。非地衡風は、緯度30度付近では、1日周期の振動をします。(非地衡風のページ参照)

もしも、これをC点の流れとすると、図6.12の図を良く吟味すると分かりますが、大変大きな流れ(風)になります。気圧傾度がほぼ0であるのに、強い高気圧周辺で吹く風よりも強い風が吹く事になります。こんなことは無いと、私は考えます。