1997年春、ヘール・ボップ彗星に魅せられてにわか天文ファンになり、木星や土星の観望時期が近づくにつれ望遠鏡がほしくなった。
人類が月までいったころ、レンズキットを購入して作った望遠鏡で星を眺めていたのを思い出し、手持ちの望遠レンズを流用して自作?(組み合わせただけ)してみた。 |
・対象確認アダプター
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一眼レフカメラのレンズに望遠鏡用のアイピースを付けるだけであるが、アイピースの取り付け部に工夫が必要であり、レンズキャップ等を使用して自作する予定だった。
ところが、天文関係の雑誌で同様な物を見つけたので、誠報社の”対象確認アダプター”を使用している。これは、レンズキャップを加工して、アイピースアダプターを取り付けた物で、24.5mm , 31.7mm用の2種類があり、主要カメラメーカーのものはその場で作ってくれた。(本来の使用目的は写真撮影の際の対象確認用) |
![]() | 最近、Newtonから”ピン出し君”という名称で同様の製品が売られているが、こちらは予めピント位置の微調整ができるのと、マウント部にケンコーの”Cマウントアダプター”が使用されているため、強度的にも問題はなく、カメラレンズにデジカメを付けてコリメート撮影する目的にも使用できそうである。(未テスト) |
カメラレンズを望遠鏡に使用するためには、マニュアルでピント合わせができることと三脚の座台がついていることが必須であり、条件を満たす手持ちのレンズは 80-200mm f2.8 , 300mm f4.5 , 500mm f8 の3種類だった。
ズームレンズは使いにくいため、とりあえず他の2本のレンズを使用して、屈折と反射望遠鏡もどきにしてみた。 倍率は、レンズの焦点距離(mm)÷アイピースの焦点距離(mm)となり、アイピースの交換で倍率を変えることができる。実用的な倍率は、レンズの有効径(mm)程度だが、できの良いレンズなら、有効径(mm)の2倍程度まではなんとか使える。 |
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300mm f4.5 のレンズに5mmのアイピースを付けた例。口径67mmで倍率は60倍となり、木星の模様や土星の輪も見ることはできるのだが、ファインダーがないため、視野にいれるのが結構大変だった。
最初は20mmのアイピースをつけて視野にいれ、順次アイピースを交換して使うことで何とか使えていたが、このレンズは高倍率での性能低下が著しく、実質的に60倍程度までしか使用に耐えなかった。 |
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500mm f8 の反射望遠レンズに20mmのアイピースを付けた例。口径63mmで倍率は25倍だが、アイピースの交換で100倍までは何とか使えた。このレンズは座台がないため、最初は銅板と1/4Wのナットを加工して座台を自作していた。
そのうち、90mmの鏡筒バンドが入手できたのでこのような格好になったが、本来回転させるレンズフード部を固定しているため、レンズ本体側を回転させてピント合わせなければならない。 ほぼ同一倍率にして比較してみると、反射望遠の方がコントラストの高く、高倍率にするとその傾向が大きくなった。 |
![]() | 85mm f2.0のレンズに12.5mmのアイピースを付けた例。これは双眼鏡代わりに使用しているが、アイピースの交換で倍率を変えられるのが便利である。 300mm f4.5のレンズに20mmのアイピースを付けて、すばるや天の川付近を見ると多数の星が見えて、中型双眼鏡で見ているような気分にひたれる。 |
15倍程度以上では三脚がないと見にくく、50倍程度以上になると微動装置が必須となる。
本格的な微動装置は高価なので、ビクセンの微動ユニットを使用している。同社の微動雲台の方が微動範囲も広く、使い易そうだが、ちょっと見程度には微動ユニットでも十分使える。 |