VOR-RO


電波で流星観測
電波を使用した流星観測では、FM放送や50MHz帯のアマチュア無線(HRO)を使用するのが一般的だが、HROの電波は福井から送信されており、横浜の南向きのベランダで受信するのは困難だった。
八王子の有名なHROのサイトの情報を参照していて、航空機の位置を測定するためのVORを使用されていることを知り、これなら西から南向きのベランダで受信できる可能性がありそうなので、2013年のふたご座流星群から試行していた。
2014年のしぶんぎ座流星群で、いくつかのエコーを受信できたので、その方法をまとめてみた。

ワンセグチューナ(DVB-T+DAB+FM)
USB接続の地デジチューナを使用したソフトウエアラジオ(SDR)が一部の無線家で流行っているので、実験してみたら、28MHz〜1700MHz程度のオールモード受信機になることが判った
USBワンセグチューナの一部で試せるようだが、一番感度が良いといわれている「DVB-T-DAB+FM」(ヨーロッパの地デジ用)の個人輸入品をヤフオクでゲットして使用たが、現在では個人輸入しなくても、アマゾン等でも入手できる。

構成機器
付属のアンテナは地デジ用なので他の周波数には感度が悪く、集合住宅の室内ではFMくらいしか聞けなかった。

アンテナ用のコネクタが「MCX」という特殊な物なので、「MCX-BNC」変換コネクタをヤフオクで探し、ついでにクリップで付けられる「BNCのアンテナ基台」を見つけた。 最初は50MHz帯のHROの受信を試み、サガ電子の50/144MHz用ホイップアンテナを使用していたが、福井のHROは南向きのベランダでは受信できなかったので、徳島のVOR-ROに変更してからは、以前から広帯域受信機(DJ-X3S)で使っていたワイドバンドアンテナ(70MHz〜1000MHz)RH975を使っている。

VOR-RO用アンテナ
ワイドバンドアンテナ(70MHz〜1000MHz)RH975を115MHz程度に合うような長さにして、カメラ三脚にクリップで固定して使っている。

SDR用のソフト(SDR Console)
ソフトウエアラジオを始めた時は、SDR#というソフトを使用していたが、複数波の同時受信やメモリ機能が便利なSDR Consoleに変更した。
利点は、最大4波の同時受信ができること、周波数のメモリを簡単に使えること、SDR#より感度がそさそうなことなど、ほとんどの機能でSDR Consoleが良い。
ただ、ACARSの受信はSDR#だとちゃんとデコードして画像になるが、SDR Consoleだとデコードできない。FMステレオの音もSDR#が良く音質はSDR#が勝っているようなので、VOR-RO専用だとSDR#のほうが良いかもしれない。

HRO(VOR-RO)用のソフト
HRO用のソフトとしては、HROFFTが有名だが、Web上では公開されていないこともあって、同じ機能のMROFFTを使用している。

SDR ConsoleとMROFFTの同時使用
HRO(VOR-RO)を行うには、受信機の音声をPCに入力してFFTを行う必要がるため、SDRを使用したVOR-ROでは、PC(Windows7)で、SDR ConsoleとMROFFTを同時に動かし、PCのイヤフォン用出力をそのままMIC入力に入力し、音声のレベルを調整して、エコーがない時にMROFFのカウントがしない程度のレベルに調整している。

SDRの周波数調整
USBのワンセグチューナで使用している基準の水晶発信子は精度があまり良くないので、既知の周波数の電波を受信して周波数を補正する必要がある。SDR Consoleでは、ppmで補正の値を設定できるので、現在は、羽田のVORを受信し、MROFFTでVOR信号が900H前後に表示されるように調整している。(私に場合、補正値は-47ppm)

ふたご座流星群のエコー(2013/12/14 08:01)
2013年のふたご座流星群で、初めてVOR-ROでの流星のエコーと思われる信号を受信した。この時は、HRO用の50/144MHz用アンテナを使用していたが、115MHzあたりの感度は思わしくない・・

しぶんぎ座流星群のエコー(2014/1/4 AM1時〜4時)

2014年のしぶんぎ座流星群では、アンテナをRH975に変更し、115MHz用程度の長さに調整して使用した。受信感度が少し上がったのか、1/4 2:00前後に複数のエコーを受信することができた。