2009年1月1日~2009年6月30日

□2009年6月30日(火)

 市役所で聴き取り調査。2つの課の説明を受けて終わったのがお昼過ぎ。冷房で身体が冷えていたこともあり市役所の食堂でラーメンを食べる。私には「昔ながらの中華そば」という感じで、たま~に食堂で食べる時はいつもラーメン。ここの一番人気はタンメンというので一度味見をしたことはある。しかし麺つゆの塩味系は昔〝つわり〞の時に一口食べただけでゲッとなって以来遠慮している。あの時は何を食べても同じだったと思うけれど、たった一度のそんな経験を今だに身体が憶えているのだから、人間って不思議。

 先日産直ケースに「日本きゅうり」が1本入っていたが、弟のつれあいの話ではきゅうりの「古漬け」にはこの日本きゅうりが使われるという。近所にきゅうりの古漬けを道の駅に出荷している人がいて、この日本きゅうりを栽培しているそうだ。そういえば古漬けのきゅうりはヒョロっと細長い。このきゅうりにしてこの古漬けあり、か。

「開かれた議会を目指す会」のMLで埼玉県久喜市が議会基本条例を可決したという報告があった。執行部の反問権を認める、日曜議会の実現、予算委員会・決算委員会を常任委員会として設置など。議員間の自由討議は入らなかったようだ。

 県内でも開かれているといわれる我孫子市では、議場の大型ディスプレイで各議員の表決態度を記録しているようだ。議員は自席でボタンを押す。賛否の総数だけでなく議員一人ひとりの議案に対する賛否の態度がわかることは大事。市民も関心のあるところだと思う。成田市議会を例にとれば、議場の採決で賛成しながら時には市民向けに「あれはおかしい」などと発言したり書いたりする議員もいるようだ。「反対だと思っていた」という市民の声を聞いた。まぎらわしい。

 我孫子市の議会改革としては「議会報告会」の実現も近いようだ。また、改革派市長として知られた前市長の時に「自治基本条例」が否決されたが、県内唯一「常設型住民投票条例」がある。来年は「子どもの権利条例」が提案される予定だという。



□2009年6月29日(月)

 いくつかの用事が重なったのでお弁当とパソコン持参で市役所へ。午後、ある地域がかかえる問題について、住民から相談を受けた。(問題の)構造はシンプルに見えるが、いろいろな思惑がからんでいるようで整理が必要。

 マンモスの牙に彫られた3万5千年前の「ビーナス」(高さ約6㎝の裸婦。私の知る限りこれまで発見されたどの裸婦よりも乳房や臀部をストレートに強調)が発見された同じ洞窟で、今度はハゲワシの骨に5つの指穴を開けた同じ年代の笛(長さ約22㎝)が発見されたという。場所はドイツ南部ウルム郊外の洞窟で、ほかにもマンモスの牙に彫った水鳥も発見されているらしい。後期旧石器時代に属す年代で、いずれも今のところ人類最古とみられるビーナスであり、楽器であり、彫刻と言われる。

 3万5千年前のヨーロッパではすでにアフリカから渡った現生人類(新人)のクロマニヨン人が知られているが、発見場所がドイツとなるともしかして(旧人)ネアンデルタール人か、はたまた新旧人類の混血の可能性も・・・などと私の想像がふくらむ。



□2009年6月28日(日)

 各チャンネルのワイドショー番組はマイケル・ジャクソンの急死と政治劇場満載。マイケルはさておき、国政はもはや液状化現象を起こしている。日本の政治の現状が不安定であることはいまや先進国の中で常識。かつては、政治はダメでも官僚がしっかりしているから大丈夫、などといった見方もあった。しかし、既得権にどっぷりと漬かって国政をコントロールしてきた官僚政治の弊害を脱却しなくては、民主主義の確立はない。

 官僚頼みの政治というのは政治家が力不足ということ。能力も使命感も責任感もアテにならない政治家を選んできたのは国民だから、責任は国民にある。結論は日本の民主主義が未熟だということになる。政治の貧困によるツケを負うのは国民。ここまできたら総選挙では〝一票一揆〞の威力をみせないとね!

 今日は〝めだかサミットinよつかいどう〞と銘打った第11回全国めだかシンポジウム(8月8日、9日・於四街道市)の案内を見ながら、メダカを飼いたい誘惑と闘った。これまでも骨董市で買った大きな鉢に水草とめだかを入れて飼育してみたいと思う事があった。小鳥と同じで、小さな魚は見ていて飽きない。熱帯魚は彩り豊かだけれど飼う気はない。やっぱり、めだか。でも、生きものを飼うについてはなかなか決心がつかない。

 神戸に住む古い友人から「夏に向い食欲が落ちる事もあろうかと思い、明石の焼き穴子を送りました」というメール。わーい、大好きな穴子丼が食べられる!食欲の減退という経験はないけれど、このトシになると気遣ってくれる人がいるのが何よりも嬉しい。

□2009年6月27日(土)

 昨日・今日と、朝日県版で富里市議の飲酒運転の記事。19日の市議会最終日の懇親会で酒を飲み送迎バスで市役所まで送られた議員の一人が、駐車場に置いてあった自分の車に乗って帰宅したという。飲酒運転で警察沙汰になったという内容ではなく、目撃した複数の議員が議会で問題にし、ついでにマスコミに流したようだ。富里市議員会は本人か議長に事実関係の説明を求めるとともに、当分の間懇親会での飲酒を自粛するという。

 「懇親会での飲酒の自粛」というところで、飲酒なしの懇親会がどういうものか想像して可笑しかった。だいたい、この種の懇親会というのは議会と執行部が酒を酌み交わす宴会のこと。酒席に付きものだったコンパニオンは最近自粛傾向にあるが・・・。

 ちなみに、成田市議会も6月議会中に全ての常任・特別委員会がそれぞれ執行部(所管の部署)との懇親会を行った。構成メンバーが替わったことや執行部の人事移動などが理由。市長は原則すべての宴会に顔を出す。「いやー、全議案をご可決いただいてありがとうございました・・・」とか言って議員に酒をついで回るのが慣例。

 ところで新聞記事によれば、富里市の議員発言として「懇親会にはほとんどの議員が出席しており、公務に準ずる」らしい。へーえ、そんな解釈初めて聞いた。付き合っていられない。

 以上の感想は飲酒運転を擁護するものではない。念のため。

 国連女性差別撤廃委員会の委員プラミラ・パッテンさんが「ワーキング・ウイメンズ・ネットワーク」の招きで来日。女性差別撤廃条約の選択議定書の批准を求めて政府関係者と意見交換したという。国連で女性差別撤廃条約が採択されて30年、批准書採択10年の節目だ。

 選択議定書は人権侵害を受けた個人や団体が国連の女性差別撤廃委員会に通報できる制度、重大で組織的な権利の侵害についての情報には女性差別撤廃委員会がその国の協力を得て調査に乗り出せる制度などを盛り込んでいる。

 しかし、例によって自民党の中には「我が国には伝統に根ざした法制度がある」とか「国連に助けを求めるほどの女性差別は今はない」、はたまた「堕胎・離婚促進法だ」などといったメチャクチャな意見などがあって批准を阻んでいる。

 これまで先進国の中では日米が批准を拒んできたが、米オバマ政権は批准に前向きだという。「女性差別撤廃条約を批准したということは政府が性差別をなくす約束をしたということ」(パッテンさん)。日本もその責任を果たすべきだ。


□2009年6月26日(金)

 午前中は成田市婦人防火指導員協議会の総会に出席。1979年ニュータウンで発足して今年は30年という。消防の大会などでよく紺の制服に同色の帽子、目が覚めるような赤いスカーフの会員さんを見かけていたが、1年交代制で自治会から毎年200人前後の指導員が委嘱され30年間でのべ6400人になるという。多くの女性が指導員を経験することで地域の防災に寄与していることを知る。 

 総会終了後には記念講演。(財)市民防災研究所の岡島醇さんの豊富な経験に基づく講演を聴く。私も祖母や父から聞かされた関東大震災の時の話(多古町の実家でも火災で真っ赤に染まった西の空や、風にのって紙などの燃えカスがヒラヒラ飛んできたとか・・・)、阪神淡路大震災発生後1ヵ月して長田地区に入った時の体験などを思い出しながら、時々こうした話を聞く必要を感じた。

 産直野菜が届く。今日のケースは大根、ジャガイモ、人参、玉ねぎ、キュウリ、パセリ、レタス。今日の目玉は「日本きゅうり」。3本入っていたうちの1本を見てムムム!ひょろ長くてしっかりしたトゲがいっぱいついている。突然変異?でも、『産直ニュース』を見て納得。昔ながらのキュウリなのだそうだ。お試しに少し作付したらしい。苦味が少し強いと書いてあったが、キュウリの風味が凝縮された感じ。

   ★下が昔ながらの「日本きゅうり」

 さっそくサラダを作る。最近はサラダ用ドレッシングを買わない。クレイジーソルト(どこでも売っている米国製ハーブ&スパイスミックスで、岩塩・ペッパー・オニオン・ガーリック・タイム・セロリー・オレガノ)とザータル(ヨルダン川西岸地区ジェニーンの女性共同組合が作ったもの。国際人権団体アムネスティの物品販売で手に入れる。ザータルと呼ばれるマージョラム系ハーブを乾燥させてすりつぶし、酸味のあるシューマック・ゴマ・オリーブオイル・塩を混ぜたもの。オリーブオイルといっしょにパンに塗って食べても美味しい)、それとオリーブオイルを適当にサラダに入れて混ぜる。

 「スーパー・スター」マイケル・ジャクソンと、「チャーリーズ・エンジェル」のファラ・フォーセットの死亡ニュース。マイケル・Jは、最近の報道を見ていてとても長生きできそうにないと思っていた。闘病を知らなかったぶんファラ・Fの死のほうが「えっ!」という思い。

□2009年6月25日(木)

 6月議会最終日。午前中は障がいのある児童のプール授業について教育センターでの話し合いに参加。終了後遅れて公民館へ。「歴史と今を語り合う女性の会」例会。すると携帯電話が鳴って議会事務局。全員協議会が始まっているらしい。なんでも昨日自宅にFAXを送ったらしい。あらま、今朝は慌ただしくてFAXをチェックするのをうっかり忘れていた。議員になって初めて全員協議会を欠席。

 女性の会を1230分に切り上げてお昼を食べる間もなく1時からの本会議に出席。私の投票行動は副市長2人制議案(19日の日記参照)と(仮称)大栄野球場の建築・電気工事2議案の計3議案に反対。

 その後いったん休憩に入り、学校給食費未納の保護者に対する訴え(佐倉簡易裁判所)3議案の委員会審議を経て本会議。支払督促7件2871620円中、相手から異議申し立てがあった3件について訴訟へ。3件の中に該当するかどうかは知らないが、稀に義務教育は無償だから給食費も払う必要はない、という考え方の保護者もいるという。また、経済的に払えない場合は免除措置もある。いずれにしても、よく話し合って解決してほしい。

 続いて副市長2名、教育委員1名、固定資産評価委員1名の人事案件の採決。私は国土交通省からの天下り副市長人事に反対。その他は賛成。現教育長が副市長になるためいずれ教育長のポストを約束された新教育委員には前保健福祉部長で定年退職した女性が選任された。どうせなら副市長だったらよかったのに・・・。

 議会推薦の農業委員4人が紹介されたが、待ちに待った女性が入っていなかった!聞くところによれば人選の過程で委員のなり手がいなかったようだ。農村地域で周囲を気にしたのかしら?あるいは周囲も女性を応援するような環境になかったのだろうか。いずれにしてもガックリだ。女性が男性と力を合わせて頑張っているからなんとか日本の農業も成り立っているのに。

 成田市の農業委員会を見ていると農転(農地転用)の通過点みたいなことしかやっていない。教育委員会制度と同様に実態は形骸化していて、地方制度調査会では見直しの対象となっている。女性ゼロのおかげで、夕方微熱。風邪をひくのかしら?夜千葉で残土・産廃問題ネットワークの月例会があったけれど欠席。寝る。

□2009年6月24日(水)

 知人の我孫子市議によれば、6月議会に提出されていた陳情「議会場に市旗・国旗掲揚を」は、議会最終日の本日議会運営委員会―本会議を経て2227名の継続審査となったらしい。我孫子市議会は議運も傍聴OKで、14名の傍聴があったという。  

 私はこれまでどのようなセレモニーでも〝日の丸(旗)に頭を下げない、君が代を歌わない〞できたけれど、まだ議場に日の丸を掲げていない議会があったことを知って、新鮮な驚き。白井市や流山市でも日の丸は掲げていないようだ。どうやらそうした自治体を狙って国旗掲揚の陳情運動のようなものがあるらしい。流山市議会にも市外の人が中心の陳情があったという。

 朝日新聞科学欄に「身近な電磁波、体に大丈夫?-電磁波って何?携帯の子供への影響など調査開始」(09.623)という記事。

 地球そのものが巨大な地場だし、宇宙からの様々な電磁波の中で人類も進化してきた。しかし、いま問題とされるのは自然界の電磁波ではなく、送電線や電波塔、各種家電製品やパソコンなどからの電磁波も含めて、文明の利器から発せられる人工の電磁波のこと。

 過去に2回議会で一般質問をしたことがある。1回目は成長期の子どもの脳と携帯電話、送電線と小児白血病などの疫学的調査を参考にして、「疑わしきは避ける=予防原則」を提案した。2回目の時は成田市環境基本条例の公害の定義に電磁波を加えるよう求めた。いずれも一定の理解は示されたものの「研究する」、といった答弁だった。

 ダイオキシン、環境ホルモン、電磁波、化学物質過敏症など、いつも社会的に認知される前から「予防原則」を訴えてきたせいか、行政とはほとんどかみあわなかった。電磁波の時も「3年早い質問」と言われたっけ。

 〝電磁波は人類最後の公害〞という科学者もいる。すでに送電線と小児白血病、携帯電話と脳腫瘍などは疫学的なデータも示されている。WHOも90年代以降電磁波が健康に与えるリスクなどについて各種の国際プロジェクトを実施してきた。近く国際がん研究機関(IARC)から日本含む13カ国の評価の検討結果が出されるという。電磁波や化学物質はその性格上これから人類に影響を与えていく可能性がある。関係機関はいっそうの継続的な調査の実施や情報公開に努めてほしい。


□2009年6月23日(火)

 八ツ場ダム住民訴訟が今日で弁論終結。04年9月千葉県に対して1300名余の住民監査請求、11月却下、1129日提訴から4年半。裁判長も463ページに及ぶ最終準備書面をじっくり読む時間が必要と言い、判決言渡期日は1222日1時10分より。

 結審から判決まで半年という期間は、門前払いではないと思いたい。その前に、東京都の住民訴訟では1審敗訴だったけれど、もし7月都議選で民主党などが過半数をとれば八ツ場ダムからの撤退も可能。さらに政権交代なら民主・共産・社民は八ツ場ダム建設には反対なので判決を待たず無駄なダム建設は中止となる。

 また、都議選の前に、6月26日群馬、30日茨城でそれぞれ1審判決が言い渡される。いよいよ目が離せない。

 今日は裁判員制度で使用されるという201号法廷。数えたら98席、一番大きな法廷らしい。原告・被告席の後ろ左右両壁にはパワーポイントなどに使用できる大型画面。今日も意見陳述を補強するデータや映像が流された。裁判長席、原告・被告席、証言席にパソコンがセットされている。それと、飲んだところは見なかったけれど、弁護団の机の上にペットボトルが置いてあるのを初めて見た。持ち込み可なの?

 ここにきて、「政局」が面白い。自民党の古賀選対本部長が衆院選で自民党からの出馬を要請したことに対し、宮城県の東国原知事は「私を自民党総裁候補にして選挙を戦うなら」と迫ったらしい。それをマスコミから伝え聞いた橋下大阪府知事が「シャレでないなら、度胸ある」とコメントしていた。東国原知事の「人気」をあてにしたものの、逆に足元をみられて振り回されている自民党。やっぱりなりふりかまわなくなってきた。なんでもアリの自民党、次は何が出てくるか・・・。


□2009年6月21日(日)

 夏至。もう7年くらい前から「100万人のキャンドル・ナイト」に参加している。午後8時から10時までそれぞれ思い思いに~電気を消してスローな夜を~過ごす。全国各地でさまざまなイベントも行われ、当時から趣旨に共鳴してイルミネーションを消したりする施設(東京タワーとか)もあった。いまは地球温暖化防止、CO2削減という錦の御旗のもとに国が旗振り役で期間も1週間くらいの消灯運動(「ライトダウンキャンペーン」と名付けているらしい)に発展しているらしい。そうなるともう私の腰は引けてしまう。ただ電気を消せば良いというわけではない。ひとりひとり便利さに頼る生活を見なおしてみませんか、ということでもあるのだ。

 だから、私のキャンドル・ナイトはこれまで通り夏至のこの夜に限る。電力を使うようなことはしない。ろうそくの炎とアロマの香りの中でヨガをやったりお風呂に入ったり好きなワインを飲んだりして五感を解放する。本当は北欧かどこかの人たちのように、焚き火を囲んで白夜のお祭りを楽しんでみたいけど・・・無理ね!

 ところで本格的な夏になると、よく電力不足が喧伝される。でも「寒過ぎる電車、寒過ぎる職場をなくすだけで十分」対応できるという。それに最近は家の冷房温度(1度上げると10%節電)や家電製品も買い替え時は省エネに優れた製品を選ぶなど、節電意識も広がってきた。

 平成8年、私も所属していた市民団体が「1%節電の意見書」を成田市に提出するよう議会に請願をしたことがある。諏旨はこれ以上原子力発電施設を増やさないためであった。しかし、節電はいまや地球温暖化防止のため。原発は逆にCO2削減に効果的だなどという声まで出る始末。

 確かに、地球温暖化は疑う余地はない。その主な原因とみられるCO2の削減は待ったなしだ。しかし、半減期が2万数千年という放射性廃棄物、事故・放射能汚染・地震災害など、リスクが大きすぎる原発に頼らず、安心・安全な自然エネルギーの開発/利用を進めてほしいものだ。

 日本はこれまで欧米に比べ自然エネルギーへの関心も研究予算も低かった。しかしこのご時世、国の補正予算で教育予算の中に学校施設の耐震化とともに太陽光発電への補助がついたらしい。成田市ではこれから新設する学校中心に(既設校は調査の上可能なところから)設置していくという。


□2009年6月19日(金)

 総務常任委員会。副市長2人制議案に反対。ほかの委員は全員賛成なので委員会としては採択された。

 市長に就任してすぐ、前市長が2人にした助役を行政改革を理由に1人(自治法改正で副市長)に戻した人が、今度は前市長が助役を2人にした時と同じ理由で1人を2人にするという。しかも、国とのパイプを太くしたいという理由で2人のうちの1人は天下り。要するに天下りを受け入れるための2人制ということだ。

 国(国土交通省?)に人選を頼んでいるという。あるいは何らかの事情で天下り先を探している国に押し付けられたのかもしれない。まぁ、いずれにしても情けない話だ。空港関連事業が目白押しというけれど、1000人も職員がいるのだから、地元自治体として国と対等の立場でやり抜こうという気概を持てないものかと思う。どんなパイプをどう太くしたいのか知らないが、いまさら国の天下り役人を年俸1400万円で受け入れ、関係を深めようなどとは行革も地方分権も心もとない話だ。

 今日は桜桃忌。太宰治が生まれ、そして女性と玉川上水で入水自殺し遺体が発見された日。39歳の死。最後の日々は、いつどう死ぬかという誘惑に抗いながらのデカダン生活だったのかもしれない。今年は生誕100年ということで作品の出版や映画化、青森県金木町の斜陽館はいつも以上に太宰ファンで賑わっているようだ。朝日「天声人語」に「いまや時代を超えた国民的作家」という表現があった。

 私が乙女だった頃は、優越感と劣等感のはざまで人生を考え始めた多感な若者たちにとって、太宰の作品は必読書に数えられていた。私も、文学少女というほどではなかったけれど彼の作品はほとんど読んだ。線を引いたり、書き写して大切に味わいたい言葉がたくさんたくさんあった。

 敗戦で焦土と化した日本で、「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ」「戦闘、開始」と、シングルマザーの道を選んだ没落貴族の娘かず子。青春のヒロイズムを刺激してくれた『斜陽』が今は懐かしい。

□2009年6月18日(木)

 県議会で大野博美さんの代表質問を傍聴。知事はただ渡された「紙」を棒読みするだけ。こういう場面でこそ持論を展開できる絶好の機会なのに、自分に関する質問ですら誰かが書いた紙切れをおざなりに、かったるそうに、ため息をつきながらただ読むだけ。声にも力がない。再質問では担当職員が答弁用紙を用意するのが間に合わないほど。最後に知事しか答えられない質問が残り、紙が渡されずしばし呆然。どうやら本会議というTV放映もされる公開の場での「論戦」など頭にはないらしい。このツケは遠からず彼を知事に選んだ千葉県民に回ってくるだろう。ふと、「存在の耐えられない軽さ」という映画のタイトルを思い出した。

 知事に請われて教育長になった鬼澤さん(元成田市教育長・文科省)を久しぶりに傍聴席から眺めた。パチンコ森田に対する青少年への影響についての答弁など、彼の本意ではないと思いたい。小うるさい堂本さんに代わって森田知事誕生で「思い通りになる」と喜んだ県庁の幹部たちにとっても、このありさまではいずれお荷物になるのではないか。手荷物では済まないだろう。 その後、成田市で計画中の安定型産廃最終処分場の件で確認のため、井村弘子さんと産業廃棄物指導課へ。雑談の中で、成田でも新清掃工場で採用予定のシャフト式など「溶融炉」について思いがけず彼らの認識を知る。溶融スラグの問題やランニングコストなどに関し重要な示唆を得た。

 衆院で審議されていた臓器移植法でA案が採択された。判定拒否権は認めるものの脳死は一律人の死、その場合本人の意思が不明の場合は家族の同意で可能、0歳からの臓器提供可能というもの。

 他人の臓器があれば助かるという病気の人にとっては朗報かもしれない。費用の面も含め、国内での移植を望む患者や家族の気持ちは痛いほどわかる。しかし、特に小児医学のジャンルでは子どもの脳死判定は難しいという。いずれにしても、移植医療に引きずられて「脳死は人の死」と決めつけるA案にはおぞましさと危惧の念を抱く。参院での厳格な修正決議を求めたい。 



□2009年6月17日(水)

 教育民生常任委員会を傍聴。その中で(仮称)大栄野球場観覧席等新築工事案件2件も審査されたが、電気設備工事の価格をめぐる質疑の中で市の資料の不十分さが露呈。建築では予定価格約5億3400万円中、メインスタンド4億8200万円、スコアボード、バックスクリーンで5200万円。電気工事約1億8500万円中メインスタンド7900万円、スコアボード、バックスクリーン1億0600万円。その中の磁気反転式スコアボードの金額の適正について、他の類似施設の調査資料をもちあわせていなかったこと。磁気反転式スコアボードについては工事との関連で金額に幅があるため。

 「スコアボードで1億かよ」という声もある。市も予定価格を積算する段階で参考事例として他の施設を調査しておくべきだったのではないか。

  JA冨里店でルバーブを買った。久しぶりにジャムを作る。独特の風味がある。以前畑を借りていた時に植えていたので毎年ジャムにして楽しんだが、その後すっかりご無沙汰だった。なかなか手に入らないので、お店で見つけた時はとっても嬉しかった。



□2009年6月16日(火)

 首相の諮問機関第29次地方制度調査会が「平成の大合併は(平成10年3月の特例法期限切れとともに)一区切りとすることが適当」という答申。

 1999年には3232あった市町村が来年3がつには1760になるという。そうした中で「住民の声が行政に届きにくくなった」という声。これは住民と行政の間の物理的な距離の問題だけではない。基礎自治体はいわば地域コミュニティでもあり、顔が見える範囲が望ましいことはいうまでもない。〝一極集中広大な過疎〞では、いくら交通手段が発達してたからといっても、地域が生活の場である子どもやお年寄りを中心にきめ細かな対応が難しくなる。成田市の合併でも、「道路などは良くなってきたが役場がなくなって不便、淋しい」という声が下総や大栄地区のほうから聞こえていた。

 また、財政危機を利用して合併特例債をぶらさげ、強引に合併を進めてきたことのツケを住民が負わなければならなくなったところもある。「今後は広域連携や都道府県が補完」という提案も含め、今回の地方制度調査会の指摘は、合併の嵐が吹き荒れた頃からわかっていたことではないか。

 成田市を含め周辺市町村では、県や経済界などが音頭とりになって次に空港圏大合併の声があった。あれはどうなるのかしら?

 地方議会については、①定数の法定上限の撤廃、②会期制を前提としない弾力的な議会運営、③議会に経営状況を報告する第3セクターの範囲の拡大などが挙げられているという。

(午前)経済・環境常任委員会、(午後)空港対策特別委員会。午後傍聴。

 県は年間発着数30万回による経済効果の9市町版?を作成中とのこと。それぞれの自治体の経済効果を試算中らしい。発着数30万回というのは、空港会社の常務がいみじくも語ったけれど「能力的には」という但し書き付き。それによれば、「Aランは1日370便という制約があって現在13万5千回だが能力的には15万回OK、Bランは滑走路と誘導路の現状から6万5千回だが、2500メートル滑走路が完成すればAランと同じ能力があるから15万回OK。合わせて30万回」という話なのだ。それをもとに都合のいいデータをかき集めてそろばんをはじくというのは、言ってみれば〝とらぬタヌキの皮算用〞ではないの?

 9市町の首長らは昨年ミュンヘン空港を視察して自治体間の温度差が縮まり、共栄思想の信者になったようだ。そこで、30万回のプラス面は9市町による推進協議会で、マイナス面は4者協(国・県・成田市・空港会社)で扱うらしい。

 首長らの協力を得るために美味しいとこ取りだけさせるこうした分け方は、いかにも空港会社らしい。

 ここ数年、業界を中心に「24時間空港」待望論が語られるようになった。右肩あがりの経済発展など既に過去の遺物なのに。騒音地域の住民の中にも、空港の経済効果しか見ないで騒音は苦痛だけれど「地域振興」という飴次第では我慢・協力してやると、ものわかりの良いことを言う人もいる。しかし心身のストレスは抱えたままだから、成田市と京都大学が共同実施した疫学調査結果にみられるように、騒音からくる心臓疾患や神経症などのリスクにさらされていることを無視できない。

 さらに忘れてはいけないのが、Bランの南端では農家2軒や畑が耕作されている。最近「週刊金曜日」に鎌田慧さんのルポルタージュが掲載されていたが、頭上40メートルに飛行機を飛ばして追い出そうとするやり方はバブル時の民間地上げ屋の手口そのもの。合意形成もできていないのに計画をドンドン進めて有無を言わせない、言っても金と権力を盾に既成事実を積み上げ聞く耳を持たない。公共事業の進め方の一番悪い見本がここにある。

 それと、いわゆる〝成田トンネル〞といわれる空域の制約もある。以前管制官からその模型をみせてもらったことがあるが、現状ですら管制官が神経をすり減らしている。

 さまざまな「制約」を取り払っての空港容量拡大とはどういうことか。現実から目をそむけての共生・共栄推進には疑問を感じる。



□2009年6月15日(月)

 新駅・基幹交通網整備促進特別委員会。新高速鉄道の進捗状況、成田湯川駅周辺整備、北千葉道路(R464)、圏央道についての報告があった。新高速の起工承諾書は100%、用地取得率は97%で、数件が未契約で交渉中とのこと。

 また、アクセス会社との質疑の中で、事業費総額約1260億円の予定が1015%程度削減される見込みとの認識が示された。用地買収は旧鉄建公団(今の名称は忘れた)に委託と聞いていたが、工事の発注業務は「鉄道運輸施設整備機構という国の組織」がやっているとか。この種の総事業費はこれまで当初予定より膨れ上がるのが普通だったけれど、このところ国も地方も入札改革で一般競争入札が導入されてきたことが事業費圧縮につながっているのかな?

    2009.5.14撮影

     (左)空港方面 中央右が成田湯川駅舎。 (右)印旛沼方面 松崎本線函渠

      成田・安食線 松崎古代の仮設陸橋より(PHOTO BY MACHIKO)

 委員会は資料だけもらって控え室でTV放映を聴きながら、内職。市議会会議録を検索して、市民から受けた相談に関する資料集め。その後、担当課から聴き取りをする。

 世界初、東大の研究所の電子顕微鏡でキャッチした新型インフルのウイルスは、「インゲンのような形」らしい。これまでCDC(米疾病対策センター)が公表していた円形のものは、実は遠心分離機で「ちぎれたウイルスの断片」とのこと。1千分の1ミリほどの長さだそうだが、そのインゲンみたいなウイルスが先に伸びて増殖していく姿は、円形ウイルスの増殖では感じないようなモゾモゾとおぞましい感じ。

 ところで、TVでそれを説明する研究者をみておおっ!左の耳の縁5ヵ所にピアス。右の耳には(穴があるかどうかは判明しなかったが)ナシ。理由を聞いてみたくなるほど見事なコントラストだった。



□2009年6月14日(日)

 千葉市長選挙で民主・社民・市民ネット推薦の熊谷さんが勝利!開票間もなく当確。政令指定都市では全国最年少の31歳。若さを心配する声もあるが、たいていの人がそうであるように役がつけばそれらしくなる。むしろ若いからしがらみが少ない。政治の世界の垢もついていない。それに、当選インビューでは堂々と落ち着いて若さへの懸念を吹き飛ばした。今回の選挙をいっしょに戦った人たちとともに、千葉市を市民主権の政令指定都市にしていってほしい。

 この結果は、都議選や総選挙を控えて麻生自民党政権にとっては脅威だろう。鳩山総務相辞任に加えて追い詰められた自民党の対応に注目。自民党には政権維持のためにはなんでもアリの「知恵」がある。いったん手放した政権を奪取するために「自社連立」のような常識を覆すアッと驚く策さえをとってきた。・・・とはいえ、最近の政権運営をみていると、そんな策士もいなくなったようだし、いてもそれで一致団結できないほ党内はバラバラのようだし、万策尽きたというところかしら。週刊誌の広告だったか「とっくに賞味期限が切れたのに防腐剤でもたせている」という表現があった。

 森田知事も県都・政令指定都市にぶっちぎりの若さとイケメンの新市長誕生に心穏やかではないかも。元気モリモリ若づくりしても勝負にならない。なんとなく、森田知事が農村部の顔、熊谷市長が都市部の顔といった雰囲気になってきたみたいだ。今後に注目。

 印旛沼はいま野鳥の繁殖期。ヨシ原には絶え間なくヨシキリの声が響く。その中に「チッチッチッチ・・・・」と澄んだか細い声。一瞬虫の鳴き声かと思って立ち止まる。でも、そこから小さな小さな鳥が飛び立ったのでああ鳥だったのね・・・。なんて美しい音色でしょう。

 黒っぽい首の長い大きな鳥が羽ばたきながら沼から田んぼに降りていく姿・・・ほかにも同じ姿を3回見た。猛禽類ではない。まさか・・・。

 稀少鳥類のための人工ヨシ原造成はいまのところ形だけ。ヨシの植え方は角川地先の造成地より工夫が見られる。でも、サンカノゴイの繁殖期に入っているのに、まだ重機が動いている。夜行性とはいえ、子育て時は昼でも餌をとるために姿をみせるという。さらにすぐ隣ではラジコン模型飛行機の同好会が沼の堤防周辺(ということはヨシ原上空)を飛ばしている。これでいいのかな・・・。

   今も重機が動く人工ヨシ原。左側が印旛沼の堤防。
   夏至が近づく森の中は心身のリラクゼーションに最高。

   (左)オカトラノオが咲き始めた。 (右)ホタルブクロのやさしいたたずまい。

    アオサギさんもリラックス(坂田が池)  PHOTO BY MACHIKO 



□2009年6月13日(土)

 3日前にハッと気付いて心臓がドッキン。右の乳房の下に親指の爪くらいの薄い色のアザがあるのは昔から知っていたのだが、その色が赤黒く変色していたのだ。いつからそうなったか、全く覚えがない。アザの色が変化したということは・・・と心配になって今日皮膚科に行った。

  老人性のシミ取り、ピアスの穴開け、顔の湿しんで通院したことのある同じ多古町出身の皮膚科医院だが、とにかくいつも混んでいる~。受付を済ませていったん外に出て用事をすませて戻り診察まで約3時間かかった。「心配ありません。毛細血管が切れて出血したんです。圧迫などで起こります」と言われてホッ。圧迫といえばブラジャーくらいしか思い浮かばないでいたら、ドクターは私の肩をポンとたたき、「キスマークみたいなものです」とすまして言った。

 この年齢になると、身体に現れる「いつもと違う」症状に敏感になる。数年前ある集会で発言中に思わず頭に手をやるほど、生まれて初めての頭痛が2分位続いた。痛みはその時だけだったがクモ膜下出血を心配して翌日神経内科でCT。異常なし。知らない人たちの中で緊張していたせいかもしれない。我が子の世代のようなドクターに「また痛くなったら、どうしましょう」と言ったら「市販の鎮痛剤でも飲んで下さい。ノーシンとか」と、言われた。なんでたくさんの頭痛薬の中から「ノーシン」という昔からある頭痛薬の名前が出てきたのか、気になりながらいまだにわからないでいる。

 3年くらい前は喉の筋肉が緩んだような、いつもと違う感覚があって耳鼻咽喉科で診察を受けた。異常なし。もしかして・・・と胃腸科を受診。「どうしました?」と聞かれて、症状を言う前に「胃カメラで食道と胃を診ていただきたいんです」と言ったら、気の早い人だとばかりに笑われた。事情を説明して後日胃カメラとなったが、異常なし。

 心配したけれど、自分の頭の中や胃の中を見ることができた。ちゃんと脳みそが詰まっていた!胃の中ってなんてきれいな色でしょう!感動することも少なくなってきているせいか、そんなことも新鮮な驚きとなってきた。そろそろ自分の身体に執着する年齢ということか。



□2009年6月12日(金)

 梅雨空を 映す水面に 早苗伸び (茂)

 新清掃工場整備特別委員会。2時から始まり、10分の休憩をはさんで終わったのは5時過ぎていた。入札参加条件を変更前に戻すというのはよいとして、肝心のなぜ入札中止に至ったのかについての市の検証が経過説明に終始していた。指名審査会に至る前担当部長と課長の確執は、現部長個人の想像で話されるような性格のものではない。行政の長である市長の責任において検証した結果を明らかにする義務があると思う。

 指名審査会に〝政治家〞である市長は加わることができないが、巨大プロジェクトの入札条件変更が担当部長の一存で行われたと考える市民は少ないはずだ。当初から「天の声」で変更されたという声があった。市長の責任における検証というのは、自らも検証するということ。それができるか。

 新清掃工場建設に向けた今後のスケジュールは、6月中に指名審査会、入札公告、8月上旬入札書郵送期限、8月上旬開札、中旬仮契約、9月議会に契約案件提案、という流れという。

 WHO(世界保健機関)は新型インフルの警戒レベルをフェーズ6に上げた。パンデミック(世界的大流行)の初期段階という認識。これから冬を迎えるオーストラリアなど南半球で感染が広がっているのが決め手だったらしい。いまのところウイルスは弱毒性だが感染力が強いという。しかし、いつ強毒性に変異するかわからないので監視が必要。WHO医務官によればパンデミックは3年程度は続くという。風邪の予防原則はなんといっても帰宅時のうがいと手洗いをきちんと実行することが一番。風邪かな?と思ったら、症状に対応する薬を飲んで早く寝る。いつになく高い熱が出たら発熱外来に行く。そんなところかな。

 ところで、新型インフル(名付けて「2009インフルエンザ」)は成田市議会が今秋予定している海外視察にも〝影〞を落としている。参加しないことを決めている議員を除き、2年前に10人余りがヨーロッパへ出かけたので、今回は残りの10人余りがどこかへ出かける予定。ちなみに昨年は中国咸陽市との姉妹都市20年セレモニーに出席するとかで10人位が出かけた。いまどき海外視察する地方議会は指で数えられるほどだろうが、成田市は「国際都市」の「伝統」のせいかなかなかやめられないようだ。

 ただ、実施は決まったがインフルエンザ関係で流動的らしい。成田でインフルが流行するようなら中止も?でも、どの程度の流行を尺度に考えるのかしら?確かに、学級閉鎖が出るような時期に議員が海外視察しているようでは非難を浴びるだろう。いずれにしてもパンデミックなのだから、いっそのこと止めちゃえばいいのに。ついでに、これを機に旅行会社におんぶにだっこの海外視察も終りにしたらいい。



□2009年6月11日(木)

 火曜日から始まった一般質問が今日で終了。私の質問の1回目全文は「議会レポート」に掲載。詳細はインターネット中継で。

 新清掃工場入札中止問題で、情報誌4月号市長インタビューの内容は事実を述べた、という市長答弁。この6ヵ月の混乱の原因は市役所の官僚体質によって惹き起こされたというのが市長の言い分。それで「不自然な入札参加条件の変更」の真相が解明されたかというと、説明にはイマイチすっきりしない部分があるので分析が必要。

 3月議会の私の一般質問で、指名審査会に公正・公平・透明性をもたせるために、関係職員の出席を求めて意見聴取ができるよう審査会規定の改定を求めたが、検討するという答弁だった。さっそく6月から専門性の高い案件を審査する際には関係職員を加えることになった。9日の議員の質問の中で指名審査会委員長の副市長が答えた。

 農家が農協に米を出荷する際に受ける検査の中で、斑点米(カメムシに汁を吸われたおコメの黒い斑点)規格を削除することについて、市が前向きな姿勢を示したことは嬉しい。政府に働きかけるべく関係機関と協議するという答弁だった。

 食味や安全性に関係なく、精米すれば消えるのに、等級をつけて買い上げ価格に差をつけるのに、精米時して販売する時は1等米も2等米も同じ値段。農家はカメムシ駆除に大量の殺虫剤をまく。それがミバチなど有用昆虫にも及んで大量死の原因となる。環境汚染、生態系の破壊。儲かるのは農薬会社だけ仕組みはどう考えてもおかしい。

 場外編だが、5日から男女共同参画計画あじさいプランが市のホームページの計画・政策のページにアップされた。市の重要なグランドデザインなのに、なぜ掲載されていないか質問すると通告したら、即アップしたので質問はしなかった。担当部のページに掲載していたのを移動したようだ。うっかりしていたのだろうが、はからずも男女共同参画に対する成田市の関心のレベルが露呈したということかなぁ。

 今日午前3時25分、月探査衛星「かぐや」が役割を終えて月面に落下したという。しかも、落下させた場所は地球から見える月面という「配慮」が心憎い。昨年、月の「地平線」から昇る地球の映像がかぐやから送られてきた時の感動が忘れられない。

 4月末に政府がまとめた「宇宙基本計画」案では、毛利衛さんの提案で月の資源探査などを目的に有人を視野に入れたロボットによる月探査」が盛り込まれたという。必要な費用などは議論にならなかったらしい。

 衛星需要にあわせて、昨年は開発継続に否定的な意見が続出した中型ロケットの開発も盛り込まれ、冒頭では「宇宙産業の競争力不足を指摘するなど全体として産業界の意向が強く反映されている」(毎日新聞)。こういう飽くなき欲望に接すると、興醒めだ。ただ、好奇心に加えてそんな人間の欲望が科学の進歩を後押ししてきたことを思うと複雑な思い。



□2009年6月6日(土)

 昨日から6月議会が始まった。初日は議案の提案だけなのだが、今回は2年ぶりの議長・副議長と委員会の改選があったので、すべて終了して自宅に帰ったのは今日の未明。委員会の委員長ポストをめぐる綱引きが長引いた原因。議会は多数決の原理が支配するので、議会のポストなどは多数会派が絶対有利。とはいえ、モロモロの力関係ですんなり多数派の思い通りにならないこともあったりする。そのあおりをくって一人会派でポストとは無縁の私などは数時間待たされるというわけだ。昨日は議長・副議長が根回しよろしくすんなり決まったからよかったものの、これが加わるとまた長引く。かつては東の空が白んできたり、あるいは登りかけた朝日を背に帰ったこともあるから、今朝はまだ早い方といえるだろう。

 もっとも、こういう日はすんなり帰れないというのはおり込み済みなのでパソコンや読み残しの本を持参し、控室で過ごす。おかげで一般質問の準備もはかどった。

 委員会改選で、私はこれまでと同じ総務常任委員会と新清掃工場整備特別委員会に所属することになった。また、今年から審議会への議員参加が見直されてほとんどの審議会から議員が引きあげることになったが、法で定められていたり、広域連合などいくつかの審議会や一部事務組合などへの議員参加が残っていて、私は都市計画審議会の委員になった。

 ナスとミニトマトの花が次々と咲いている。ナスは大好きな野菜なのに自分で育てるのは初めて。もう、眺めているだけで嬉しい!幹も葉も元気いっぱい、かなり大きくなりそうなので倒れないように支柱を立てた。



□2009年6月4日(木)

 民主化を求めて集まった若者たちに立ちはだかったのは「人民解放軍」だった!銃と戦車の前に多くの若者が命を落とした天安門事件から20年。東西冷戦構造が崩れていく中で、毛沢東亡き中国でも学生たちを中心に民主化要求が噴き出したことを知った時は私の血も騒いだ。20年の歳月が過ぎたいま、天安門で流された血はあがなわれただろうか・・・否。

 1956年、政治的自由を求めて立ちあがったハンガリーの人々をソ連軍の戦車が踏みつぶしたハンガリー事件は幼くて記憶にないが、改革民主化を求めた1968年「プラハの春」をワルシャワ条約機構軍が蹴散らした時、そして天安門に集まった若者たちを人民解放軍が弾圧した時、「労働者国家」とか「社会主義国家」といっても、国家と軍隊の本質というのは古今東西いずこも変わらないと思い知らされたものだ。

 出生率がまた少し上がったらしい。08年統計では1.37で3年連続だという。新聞1面大見出し。やはり少子化は脅威なんだ・・・。とはいえ、出生率を押し上げたのは30代、団塊の世代の子どもたちといわれる。私の娘の世代。産めるのは今しかないという初産か、いまのうちにもう1人という2人目or3人目の出産が多いのではないかしら。しかし、今後も出生率を増加させていくには夫婦が安心して仕事と子育てができるような政策が必要。

 バブルがはじけて不況の波が押し寄せた90年代始め、成田市内のホテルで講演した早坂茂三さんが「自民党がいま一番恐れているのは経済不況ではない、少子化だ」と断言した。確かに、人口が減れば労働力も減り、経済は縮小傾向になる。経済界に支えられた自民党にとっては政権基盤が危なくなる。対応策は外国人労働者を入れるか、女性にも働いてもらうか。自民党がしぶしぶ男女共同参画社会を受け入れたのは外国人労働者への排外主義が根底にあったからでないか。

 でも、その男女共同参画も現在のレベルでは、自民党の政策では少子・高齢社会を乗り切れないということかな。




□■□2009年6月3日(水)

 午前中は議員団研修会。講師は桐蔭横浜大学法科大学院教授の鈴木満さん。題は「自治体の入札改革の進捗状況と課題」。すぐ気が散ってじっと聞いていられない性分の私も、最後まで集中できる興味深い内容だった。議員のほか執行部からも多くの職員が参加して鈴木さんの話をきいた。

 鈴木さんは入省した農林水産省から公正取引委員会へ出向、とりわけ主席審判官の経歴が示すように、入札談合事件を知り尽くしたひと。談合が政・官・業の癒着から生まれる構造、全国の入札改革の豊富な事例とその成果など、経験に基づいた話だった。「一般競争入札は税金を最も効率的に使える仕組み、会計法規は納税者の立場からつくられたもの、入札改革は会計法規の原則に戻ること」という発言は私の頭でもスッキリ整理できた。

 さらに、最近入札改革が進む中で国が建設業界の不満の穴埋め策として推奨し、成田市も昨年試行的に実施した総合評価方式については、癒着が生まれるとして否定的。そして業者育成を入札制度でやろうとするのは、そもそも無理で、地元業者育成は別のところでやるべきだと言う。私もまったく同感。

 午後は議案説明会だったが、あーら、まっ、議決にかけられる1億5000万円以上の契約案件5件のうち、4件が同額くじ引き!要するに「くじ引き談合」の疑い濃厚。午前中鈴木さんから談合あの手この手の話を聞いたばかりだったせいか、議員の中から笑い声が漏れた。談合防止のために知恵を絞って頑張っている自治体の事例を考えると、成田市はまだまだ工夫の余地があると思った。ということは、市民の利益が損なわれているかもしれないということだ。

 同じく副市長2名制の復活提案。執行部から1名、もう1名は空港関係で国土交通省の天下りが来るという「噂」。あくまでもウワサ。小林前市長が副市長2名の条例を制定したのを、現市長は就任早々1名に改正したはずなんだけど・・・。副が1人では心細くなったのかしら。それとも・・・天下りは渡世の義理で押し付けられたのかな?



□2009年6月2日(水)

 一般質問の打ち合わせ。質問するからには一応こんなことを聞きますよ、と伝えることくらいは礼儀だろうと思っているので受け入れている。でも、いつもこれでいいのかしら?と思ってしまう。

 疑似症患者を遺伝子検査した結果陽性となったため、千葉県にも新型インフル患者が発生したという。昨夜市長名で危機管理課からFAX通知があった。

 読んでいてハテナ?と思う箇所があった。確認事項が4つあるのだが、その3点目に市民にお願いすることとして「手洗い、うがい」と、ここまでは常識の範囲でフムフムと呼んだのだが、そのあと「アルコール消毒・検温の励行」とあった。フツーの健康な市民の日常生活の中でアルコール消毒や検温とは少し大げさじゃない?そこで危機管理課に聞いてみたら、アルコール消毒といっても、今はシュッ、シュッ、と吹きかけてすぐ乾いてしまうスプレー式があるという。知らなかった!でも・・・検温にいたっては風邪気味でもないのに励行する必要ないのではないのか。一般質問打ち合わせのあと説明に来てくれた危機管理課からは「ご理解を」といわれた。

 きっと学校ではいつにも増して子どもたちには手洗い・うがいが励行されていることだろう。ただ、気になるのはお手拭き。濡れたタオルやハンカチには菌が繁殖しやすく衛生的ではない。以前フランスのソーという町でお世話になったマブリエさんの話だと、学校では手洗い後紙で拭くか温風機で乾かしているという。子どもたちが濡れたハンカチを使わないように気をつけているらしい。なるほどね。



□■□2009年6月1日(月)

 昨日の朝日新聞「きょういく特報部2009」が小学校低学年で使われる算数セットを取り上げていた。~算数セット「もったいない」なぜ新入生全員が購入?読者から意見続々~という見出し。まだ新入生全員に購入させる地域があるようだ。もちろん、学校が備品として購入して貸し出したり、使わなくなったものを学校に持ち寄ってもらい希望者に無料で渡して再利用するなど、いろいろな事例も紹介されていたけれど、どうやら算数セットは相変わらず保護者を悩ませているようだった。これはもう、1にも2にも学校や教育委員会の姿勢の問題ではないかと思う。

 実は算数セット等教材について、私は平成8年9月、10年9月の2回一般質問をおこなったことがある。成田市については当時保護者が購入する教材として算数セットやそろばん、リコーダー、ピアニカ、カスタネット、粘土、画板、電卓などがあり、保護者の経済的負担はもとより、中には使用時間がきわめて少ないものもあり、使い終われば家庭ではもてあましてごみになりかねない。もったいない。きょうだいのおさがりを使えるとか、学校が備品として用意して、子どもたちが再利用できないか・・・と質問した。周囲のお母さんたちからの強い要望でもあった。

 教育委員会の答弁は前向きで、平成10年にはそろばん、電卓は学校の備品となった。粘土板・粘土などは保育園・幼稚園で使用したものをそのまま小学校で、算数セットは上の子のものを使う家庭が増え、引き出しは不要になったら学校に譲ってもらい再利用を考えているということだった。保護者の経費負担の軽減、リサイクル意識を高めるためにも再利用を一層推進するとの答弁。

 その後どうなったかしら?と思って教育委員会に聞くと、あの頃の答弁から後退していないようなのでひとまず安心した。あとで具体的に聞いてみたい。

 太陽の活動が落ちているという。活動の指標である黒点の数が200年ぶりの低水準らしい。1718世紀の70年間黒点がほぼ消えて「ミニ氷河期」になったことをあげ、その前兆ではないかというのが研究者の予測。温暖化問題がクローズアップされているが地球史的には氷河期に向かっている。太陽活動によるミニ氷河期と人類の手による地球温暖化がどのようにクロスするのか、関心がある。





□2009年5月31日(日)

 TVの報道番組で母子家庭の保護者が窮状を訴えていた。それとともに保護者の経済力の差で子どもの教育の機会がスタートから不平等になっていることが赤裸々に語られた。切実な問題だ。政府が最優先して取り組むテーマの一つだと思う。やればできるのにやらないのは政府の教育政策の貧困が原因なのだ。「貧困の連鎖」に危機意識をもつなら、まず未来を担う子どもたちに教育の平等を保障するところから始めてほしい。公教育は大学まで無料にすべきだ。

 2002年、NPO視察のため県内有志で英国を訪れた時のこと。親子3代仕事をもてずに生活保護を受けているという貧困世帯の連鎖を断ち切る政策に着手していた。それは、おじいさんや父親が働いている姿をみたことがない3代目の若者が教育と仕事を得ることだった。その政策を担うNPOも数ヵ所視察した。

 社会のセーフティ・ネットとしてある生活保護だが、なぜ生活保護を受けなければならないのか・・・誕生間もないブレア政権は、彼の「エデュケーション、エデュケーション、アンド・エデュケーション」という演説のもとで、若者の働くチャンスを広げていくために教育や職業訓練と、その間の経済的な保障を整備しつつあった。

 北欧を視察した時のこと。当時北欧諸国でも10%前後の失業率(日本とは算出方法が異なる)。デンマーク政府は高齢労働者に対して「仕事を若者に譲り、年金と、(有償・無償)ボランティアなどをしながら地域社会で老後を豊かに過ごして下さい」と勧めているとのことだった。

 いずれも、若者の失業は社会にとって深刻な問題という認識からきた政策であり、提言なのだ。若者が労働によって賃金を得、それをもとに生活し、家族をもって未来につなげる・・・この連鎖をこそ取り戻さなければならないのだ。我が国はどうだろう?





□2009年5月30日(土)

 時々優しい霧雨が降る午後、緑に濃く深く包まれはじめた坂田が池―風土記の丘を歩く。霧雨といっても遊歩道の頭上のほとんどは樹木たちが枝を交わしていているので濡れることを気にしなくてもいい。湿った土や草木が放つ心地よい匂いを胸いっぱいに吸い込みながら1時間余り歩くと、グリーン・シャワーで心身が洗われたような気分になる。森林浴とはよく言ったものだと、いつも思う。

 それだけではない。せっかちなウグイスの「ホー・キョキョキョキョキョ」と鳴く声に思わず笑ったり、シジュウカラの力強い声には心が引き締まる。満開のテイカカズラの香りには歩みを止めてうっとり。林床にはドクダミの白い花が咲き始めた。梅雨の兆しを感じる。サラシナショウマが去年より増えていているのが嬉しい。紫陽花や旧学習院講堂そばのラベンダーの蕾もふくらみ始めた。歩きながらの楽しみがそこここに溢れている。

 ところでこの前来た時青い網囲いで「坂田が池友の会」というNPOにより「合鴨圃(ほ)場」がつくられているのにはビックリ。アイガモさんたちが道路を挟んだ田んぼにくりだして稲の苗を荒らしているからだという。何か美味しい餌でもあるんじゃない?無農薬・有機農法でアイガモ農法というのがあるから農薬に頼る農業から転換する良い機会だと思うけれど、このあたりの農家は興味ないのね。

 いちおう囲ってはあるけれどほ場の外で遊んだり、今日も池で元気に餌を探しているアイガモさんたちもいるから、出入りは自由なのだろう。「管理」はどうしているのかしら?田植えから1ヵ月あまり、苗も株が増えてしっかりしてきたけれど、7月までほ場に囲い込むようだ。 

  PHOTO BY MACHIKO 坂田が池公園につくられた「合鴨圃場」(09.5.14撮影)





□2009年5月29日(金)

 6月議会の一般質問締め切り。私は①男女共同参画社会基本法10周年にあたって②新清掃工場入札問題について③斑点米規格に関する米の検査について、の3点について質問する予定。

 朝日朝刊1面に「やっぱり卑弥呼の墓?奈良箸墓古墳」という記事。歴史民俗博物館が放射性炭素による年代測定の結果、築造時期を240260年と絞りこんだという。卑弥呼の死亡時期は250年頃といわれ、『魏志倭人伝』にある卑弥呼の墓の築造時期と重なることからひょっとして墓の主は卑弥呼かも?ということらしい。

 私の好きなジャンルなので大変興味深いニュースではあるが、気になったのは「倭国(現在の日本)」という表現。これは正しくないのではないか。邪馬台国が畿内であろうと九州であろうと、列島の一地域である。「現在の日本」などという表現は誤解を招くだろう。なぜあえてこういう括弧付きの説明を入れたのか理解に苦しむ。

 留守の間に届いていた産直野菜のケースからサニーレタスがはみ出していた。葉物の季節到来。これからしばらくは馬に食べさせたいような葉っぱが増える。今日は大根、サニーレタス、サラダ菜、チンゲン菜、カブ、ズッキーニ、そら豆。鈴木加代子さんの「産直ニュース」では春先の強風が畑で巻くように吹いたため、そら豆に被害がでたらしい。今日のそら豆は強風に負けず実ったもの。有難くいただく。初物ズッキーニも嬉しい。明日はラタトゥイユ・ニソワーズをつくろう。今や世界のお惣菜となったラタトゥイユはニースの生まれ。





□2009年5月28日(木)

 「歴史と今を語り合う女性の会」例会。一番盛り上がったのは相続と遺言の話。むかし法律事務所に勤めていた頃に扱った事例などを参考にしていろいろ話したら、みんな他人事ではない世代なので話題が沸騰。かなり詳しい人もいて、いまや女性たちにとってとても身近なテーマであることを実感した。

 21日から裁判員制度がスタートした。私にとって一番苦痛を強いられるのは人を裁くということ。そして一番守れそうにないのが「守秘義務」。自分が参加した事件の評議の内容は死ぬまで誰にもしゃべるな、しゃべったら罪と罰!なんて・・・。「墓場まで持って行く秘密」という言葉は聞いたことがある。政治家の汚職事件の時だったかしら?真相を胸におさめて秘書や運転手、事件の一方の当事者である民間人が自殺したりした時に耳にしたことがある。或いは人には誰にも語ることなく秘め続けることもあるだろう。でも、それは自分の意思でそうすること。この制度は普通の国民を犯罪を裁く場に強制的に参加させたあげくにしゃべるな。

 それで思い出したが法律事務所に勤めて最初にボスから言い渡されたのはお客さん情報の守秘義務。「君がここで知ったことを成田に帰ってしゃべらないでね」と。たいていの仕事には同じような決まりはある。でも裁判員制度は国が刑事事件の表決にかかる守秘義務と罰則規定をすべての国民に課すわけで、「しゃべらないでね」では済まない。社会の空気は堅苦しくなりそう。私は納得できない表決はしゃべっちゃうかもしれないので裁判員をお断りする。

 千葉県弁護士会の佐野会長が26日の朝日県版で「職業裁判官でも誤った判決は絶対に出ないとは言い切れない・・・市民が検証できる制度にするためには評議の内容はできるだけオープンにし、裁判員の氏名などが特定される情報は例外的に秘密とするべきだ」とコメントしていた。私はそもそも制度そのものに反対なのだが、せめて検証できる制度になるまで国民の参加を見合わせてほしいものだ。

 朝日夕刊1面「人脈記」の「大逆事件残照」は今日で8回目。早野透さんの文章は平易だが熱い。彼は足(きめ細かな調査)と情熱(真実を求める心)で書く。来年は天皇制絶対主義国家により無実の罪をきせられた幸徳秋水ら12名が処刑されてから100年になるという。

 私は高校時代に『寒村自伝』(荒畑寒村・著)を読んで大逆事件を知った。「自由・平等、平和、軍備の撤廃、男女差別打破・・・」(平民社宣言より)。「秋水は『100年後、誰かが私に代わって言うかもしれない』と獄中で書き遺した」という。秋水、あなたの意思は日本国憲法に活きている。






□2009年5月27日(水)

 臨時議会。人事院勧告に基づく条例改正4件と、地方税法改正に基づく専決処分の承認2件など7議案。私の評決態度は、人事院勧告については一般職員の期末手当、勤勉手当の引き下げ(成田市の場合1人平均8万3000円の減額)については反対、連動する議員、特別職の職員、教育長の期末手当の引き下げは賛成。

 今回の人事院勧告は民間の不況を勘案しての緊急措置ということだが、調査期間は通常47日間なのにたった18日間で済ませ、対象数も4分の1とのことで拙速。日本の公務員はストライキ権などを奪われている。人事院はそうした公務員の利益を守る役割もある。この不況の中で引き上げはありえないが、消費経済への影響も考えるとせめて現状を維持すべきではないか。景気の良い時は公務員など見向きもせず悪くなると公務員たたきをやる世間の風潮に引きずられた引き下げではないか。給与の出所が税金ということもあるが・・・。悩ましいけれど、反対した。

 本会議に先立って全員協議会が開かれた。新型インフルへの対応のほか、市長から「新清掃工場整備及び運営事業の今後の進め方」について報告があった。それによると、この間の成田・冨里両市の協議や検討を経て0812月4日指名審査会以前の50t日×2炉に戻すことを確認したとのこと。あれだけ「安全・安心」優先と言っていたのに、こんどは「12月4日以前の積み重ねを大切にする」と言う。半年間の空転は何だったのかしら?

 本会議終了後、新清掃工場整備特別委員会の協議会が開かれた。本来、全員協議会の前に特別委員会が先だろうに。もう特別委員会では話したくないのね、きっと。とはいえ、今日のその話もとっくにまるで見てきたように外部で流布されているのだからオ話にならない。

 昨日図書館で調べものをしたついでに目にとまった児童書を3冊借りた。グリムの「赤ずきん」はバーナディット・ワッツの絵に魅せられた。特に森の絵は赤ずきんならずとも花を摘みながら奥へ奥へと入っていきたくなる。絵をジ~っと見ているだけで気分転換。「エリザベスは本の虫」(文=サラ・スチュワート、絵=デイビッド・スモール)はとても幸せな気持にしてくれる絵本。「かわせみのマルタン」(文=リダ・フォシェ、絵=フェードル・ロジャンコフスキー)はかわせみの生態を自分が観察しているような気分にさせてくれる。自然や生き物たちの絵も鮮やかで、わくわくするほど楽しい。





□2009年5月25日(月)

 今日届いた『てんとう虫情報』(発行・反農薬東京グループ)の5月25日号によれば「環境省の08年度農薬飛散調査―除草剤ラウンドアップの1ヵ月後の土壌残留が判明」とのこと。これまで、グリホサートは「微生物に分解され、土に残らない」と宣伝されてきた。

 環境省の農薬飛散リスク評価手法等確立調査検討会は06年から飛散実態の基礎的データを知るためのモニタリング調査を行っているが、昨年は除草剤グリホサートアンモニウム塩液剤(ラウンドアップハイロード)の100倍希釈液を用いた散布試験(089161ヵ月間)だった。飛散量、気中濃度、土壌中濃度、葉中濃度などが調査された。

 私も有人ヘリコプターで水田への農薬空中散布が行われていた2000年、2001年の2回、横浜国立大学花井研究室の協力で「たまごの会」の仲間と飛散調査を行ったことがある(『たいむ』39号で報告)。

 調査場所は目の前に田んぼが広がる中郷小学校で、門を基点に内と外径5ポイントで調査。00年には約200メートル離れた山際のプールまで飛散が確認された。そのことから市は翌年中郷小前と、同じく田んぼに隣接する松崎保育園の周囲を飛散範囲が有人ヘリより狭まるといわれるラジコンヘリでの散布に切り替えた。それにふまえて実施した私たちの調査では、風速0メートルでも松崎保育園の遊具にフサライド系殺菌剤の飛散が確認された。要するに、有人であろうと無人であろうと、風がなくてもあっても空気は流れるわけで、周囲の住民への影響を考えれば農薬散布は十分な周知と相当の緩衝帯が必要ということだ。それよりも、できるだけ農薬を使用しない方法を考えてほしい。

 ところで、農薬は触れたり浴びたりしなければいいというものではない。農薬は散布後揮発して空気中に放出される。気中濃度が一番の問題。無・低農薬の野菜や清浄な水は買うことができるが、空気は買えない。

 ラウンドアップは米モンサント社の製品で、遺伝子組み換え作物にも使われている。しかし、最近の情報では米国やインドその他でラウンドアップに耐性を持つ雑草が出現し、生産量の減少が報告されている。組み換え作物以外の雑草を枯らすということで使い続ければいずれ耐性植物が現れることは想定していたが、やはり・・・と言った思い。

 フランス2を見ていたら、カンヌ映画祭で私の好きなシャルロット・ゲンズブールが女優賞を受賞したというニュース。




□2009年5月23日(土)

 数日間留守にする時は必ず吹き込んでおいた自作メッセージをうっかり忘れてしまったため、韓国に行っている間あちこちに心配と迷惑をかけた。伝えてあったのは身内と議会事務局(には視察の行程表、視察先とその目的など)。

 留守電を入れても折り返しの電話がないことで「病気で入院しているのかもしれない」「独居(老)人の孤独死かも」「前市長の贈収賄事件の頃『もう(しゃべるのは)やめとけ』という電話が入ったりしたから、また清掃工場問題で嫌がらせがあってホテルにでも泊っているのかもしれない」et ceteraet cetera。私の妹に電話で問い合わせをしてくれた人もいた。本当に申し訳ないと思い、反省。

 千葉大学の大学院生Mさんも何度か電話をくれた一人。今日彼とそのグループ8名が成田市内を見学する計画を立てていたようで、朝、連絡が入った。私はすでに予定が入っていたので空港周辺は知人を紹介して案内してもらうことになった。夜の電話ではとても充実した見学会だったと喜んでいたのでホッとしたが、「ごめんね~」。

 出先で前韓国大統領ノ・ムヒョンさんが亡くなったことを知らされる。情況から自殺の可能性が高いという。韓国で交流した人たちの中には80年代の民主化闘争を経験した人たちも多く、キム・デジュン、ノ・ムヒョン政権下で拡大してきた市民的自由が現イ・ミョンバク政権で後退しつつあることに危惧していた。不正資金疑惑の中で命を絶ったノ・ムヒョンさんの死に、彼らはいまどのような思いでいるだろうか。



□2009年5月22日(金)

 あら、また森田報道。新知事誕生以来嘆かわしい事態が続いている。彼に投票した県民はこんなことを望んでいたのだろうか。森田氏は全日本剣道連盟の段位もないのに自分のプロフィールに剣道2段と明記していたという。それを指摘されて「恩師から『分かった、2段許す』と言われたから2段と40数年間言ってきた」と言う。もしマジに言っているとしたらお粗末この上ない。こんなレベルの言いわけをする人にこのまま県政をまかせられるだろうか?

 おまけにアノ『週刊文春』も「史上最悪『タレント知事』の仮面を剥ぐ」「森田健作汚れた『青春の巨匠』」という記事。

 「連日の失速報道」に危機感を感じたのか、今日突然「アクアライン800円を8月から実施する」と発表したそうな。失地回復を狙ってのことだろう。

 日本国民の新型インフルへの対応、なんとも異様。韓国に行っている間マスクなど見たこともなかった。しかし、空港や機内ではあっちにもこっちにもマスクをかけた人がいる。多分、ほとんどが律儀な日本人じゃないかしら?

 政府方針では臨時休校は学校ごとの判断というが、通常のインフルならともかくこれだけ騒がれているのに学校が自主的に判断するなど考えられない。O-157への対応を思い返せば学校が自主的判断などできないと思う。そもそも教育委員会がそんな「自主」を許さないだろう。国→県→市町村に行くほど規制が厳しくなるのは目に見えている。

 機内検疫の原則取り止めは当然の措置だ。ほかにやることがあるだろう。

 ニュータウン中央通りのユリノキに1本、花をつけたのがあった(写真)!20日に京畿道議会を訪問した時スオン(水原)市内にユリノキの並木があり、伸び伸びと育ったユリノキに花が咲いていたので帰っていま一度観察したところ1本だけ、いくつか花をつけた木があった。さっそく車を止めて撮影。嬉しい~。

    PHOTO BY MACHIKO





□2009年5月21日(木)


 18日から今日まで韓国スタディ・ツァーに参加。千葉県議2名、市議2名、市民3名(千葉1名、東京1名、神奈川1名)の7名が参加。テーマは〝市民自治と平和の創造〞。韓国の地方自治と市民自治の現状を知ること、国境を超えた平和の取り組みの可能性について、議会や市民団体などとの率直な意見交換を行った。私にとっては初めての韓国。過密スケジュールをこなしながら参加者が「目的は130%達成」というほど充実した3泊4日だった。それもこれも、発案者の吉川・川本両県議、そして現地でコーディネートしてくれた啓明文科大学教員岡田さんのおかげ。

 議会関係では京畿道議会、ソウル特別市議会を訪問。その他諸般の事情で就職先がない博士号をもつ高学歴ワーキングプアと社会科学研究所を中心とする若手研究者が合流して創設された「自由研究空間スユ+ノモ」、「自由で独立的」な民間シンクタンク(財)希望製作所での意見交換、市民・学生・議員で構成された京畿市民フォーラムのシンポジウムへの出席と交流会、韓国挺身隊問題対策協議会訪問、安重根義士記念館、西大門刑務所歴史博物館と独立公園、復元された清渓川と「清渓広場」、市民による平和博物館の見学、日本大使館前で元軍隊慰安婦だったハルモニが毎週行っている水曜集会(864週目)への参加など。いずれまとめて報告書を作成する予定。

 ハプニング?は900棟余りの韓屋(ハノク)と呼ばれる伝統家屋が軒を並べる北村(ブッチョン)を散策中にあの「冬ソナ」で観光スポットになった中央高校(ドラマではチュンチョンの高校という設定なのだが)に遭遇したこと・・・!

(左)スユ+ノモのカフェで研究者と食事も交えて5時間に及ぶ交流。各自の研究とゼミ、市民を対象にした講座などを開設。研究室や仮眠室、託児室もあり、研究だけでなく食事など生活の大半をここで共にする。

(中)復元された清渓川。ソウル中心部を流れる川をパク政権時代に高速道路で覆った。現大統領がソウル市長時代に復元した。

(右)(財)希望製作所で。行政職員をインターンシップで受け入れたり、市長や議員など地域のリーダーを養成する講座や行政との協働事業なども行っている。研究員は「ソーシャルデザイナー」。

(左)旧日本軍の軍隊慰安婦にされたハルモニの日本大使館前水曜集会。駆け付けた人たちと。中央風船をもっているのは飛び入りした足立。この日は60人くらいが集まった。

(中)京畿道議会の議員の案内で臨時議会を傍聴。韓国の教育長は公選。この日は市長の教育政策を批判する新教育長が当選後初めて出席。

(右)ソウル特別市議会の議場で。採決は議席に供えられたタッチパネルで行う。各議員の議案に対する表決態度は正面議長席の両側に掲げられたスクリーンで即座にわかるようになっている。しかし議案によっては「秘密」になるという。議長さん自らが説明、案内してくれた。





2009年5月21日

  視察の最後は市民がつくった平和博物館。現在はBSE問題に端を発したロウソク集会1周年展が開かれている。1年前、100万人ともいわれる人々とロウソクが大河のように流れるソウルのメインストリートを写した写真の前で。

 帰って新聞を広げたら、20日、エコテックの管理型産廃処分場をめぐって旭市と銚子市の住民2名が千葉県の設置許可取り消しを求めて争っていた行政訴訟の控訴審で東京高裁は1審を支持し、千葉県の控訴を棄却したという判決。

 控訴審を傍聴してきて、裁判長のノラリクラリした訴訟指揮にイライラしたこともあったけれど、判決では「許可処分するにあたっては(廃掃法の)00年(改正)法が適用される」として、県が改正法に定める措置をとっていないことに対して「手続きをとることを要求した法の解釈に反する重大な瑕疵があるというべきである」と言い切った。原告だけでなく産廃問題にかかわる人たちにとってもビッグニュースだ。千葉県は上告すべきではない。





□2009年5月16日(土)

 予想されていたことだが、新型インフルエンザの国内感染が確認された。渡航歴のない高校生3人らしい。14日朝日オピニオンに医師で厚生労働省検疫官木村もりよさんが、今の機内検疫はインフルが広がっている国から直接帰国した人が対象で、これらの国から別の国を経由して帰国する人は対象になっていないから「ウイルスはすでに国内に入っていると見るべきだ」、政府の言う「水際作戦の徹底」が「実は無意味で、この労力は国内対策の充実に向けるべきだ」と言っていたのを思い出した。

 木村さんは、秋以降に予想される国内での広がりと強毒化の可能性に備えて、機内検疫で使っている労力や資金を「発熱外来」など国内態勢の整備、公立病院などには一般外来とは別に新型インフルの疑いのある患者を看る場所を確保(ウイルスの拡散を防ぐ施設の設置)する必要があると言う。また、半世紀以上前の船の時代に制定された検疫法や、都道府県が実施主体になる感染症法の見直しなど教えられることが多い提言だった。

 民主党の代表選挙で鳩山由紀夫さんが新しい代表に選ばれた。差し迫った使命は政権交代。今や多くの調査で政権交代は国民の常識となりつつある。その受け皿の中心は民主党なのだから、気を引き締めてほしい。私も、民主党政権になってぜひ実現してほしい政策がいくつかある。
 
 千葉県のホームページの森田知事定例会見動画は知事に都合の悪いところをカットして流しているという。政治資金とかパチンコ森田とか・・・。やっぱりね、と思った。

 有権者の政党不信を利用して本当は自民党支部長なのに「完全」無所属と言って県民の投票行動を誘導して当選した時、一番心配したのは千葉県の情報公開への影響だった。こういう人が知事になると行政にとって都合の悪いことは隠す、嘘をつくといったことになりはしないか。ことほど左様に早々と、まず自分に「マイナスイメージ」を与える部分をカットするところから始めるとは先が思いやられるというものだ。





□2009年5月15日(金)

 県と市がそれぞれ約1億円ずつ、産廃業界が約2,500万円支出して後始末をした芦田の産廃不法投棄場所跡地にある焼却炉。跡地は市が購入して一時放置自動車置き場になっていたが、今は時々地区の老人クラブがゲートボールを楽しんでいるようだ。しかし、入口正面にはこの焼却炉が立ちはだかっている。これは県や市の環境行政の負の遺産ともいえるものだ。あれからもう12年が過ぎた。

                    PHOTO BY MACHIKO

 私が議員になりたての頃、近所に住む方から「青や黄色の煙が出ている。何を燃やしているか心配」という相談を受けたことがある。不法投棄が始まった頃も写真を撮って市に訴えても「産廃の管轄は県、伝えておく」ということで単なる窓口、写真も机の中にしまったままだったという。農村地域では、環境問題を声にする住民は「変わり者」と見られていた。

 そんなある時、あれよあれよという間に産廃の山ができ、別件で逮捕された業者が「千葉県の成田に医療系廃棄物を埋めた」と自供したことで大騒ぎとなり、結果は県・市で2億円もの税金を投入して後始末をやる羽目となった。第一義的には許可権のある千葉県の責任。しかし住民が頼るのは地元自治体だ。「変わり者」の話に耳を傾け、現場を監視していたら巨額の税金を遣わずにすんだのに。あげくの果てに市は住民の不安を鎮めるためにその不法投棄跡地を購入。放置自動車置場やたまにやるゲートボールで「有効活用」しているというわけだ。

 その後市の環境行政もずいぶん変わったと思うが、まだ視点にズレを感じる時がある。条例や法律に沿ってやろうとするほど、住民の命と健康が二の次になりかねない構造がある。行政の限界だと〝理解〞したくないので、時々市内の状況をチェックして歩いているのだが、この焼却炉もその一つ。





□2009年5月14日(木)

 「女3人寄れば『姦しい』」という女性差別的漢字があるが、確かに2人よりは会話も増えるし、時に混線して賑やかになる。でも、それもまた楽しい。そんな中で、子育て中のXさんから最近周囲で小児ぜんそくが増えているという話を聞いた。数年前、全国的に小児ぜんそくが増えているという記事を読んで成田市の小児ぜんそく患者数を問い合わせてところ、小学生で全国平均の3倍ということがわかり、関連して議会で質問したことがあった。直接子育て中のお母さんからそうした話を聞くのは初めて。

 日本の新1年生の約4割が何らかのアレルギー性疾患をもつといわれる。これは都市部も農村部も差異がなく、特に最近は農村部の増加が目立つと言われている。1番多いのはアトピーだが、ぜんそくも急増。なぜ増えているかは複合的な問題があるのだろう。ただ、疫学的には殺虫・殺菌剤など農薬系化学物質が揮発して空気を汚染し、症状を悪化させることがわかっている。これから夏に向い、家庭や住宅地、田んぼや畑などでこうした薬剤が使われる機会が増えるので赤ちゃんやアレルギーの人には注意が必要だ。

 18日から3泊4日で韓国にスタディ・ツァー(テーマは市民自治と平和の創造)に参加する予定。昨日から事前の学習に追われているが、それとは別に最近送られてきた「イカロス」(KKマイ・チケット)から山田さんの「今週の一言」はとても参考になった。特に新型インフルエンザ関係で前回は検疫のこと、今回は旅行の時に持参する薬のことも参考になった。

 また、今は連日新型インフルの報道に目を奪われがちだが、「今一度感染症のリスク全体像を思い起こす必要がある」という言葉には、この問題に対する今後の示唆を与えてもらった。

 待ち望んでいたニュータウン中央通りのユリノキだが、まだ蕾もつけないところをみると今年の開花は望めないかもしれない。だって、風土記の丘のユリノキはいま花盛り。

 ユリノキの花(風土記の丘★09.5.14撮影) PHOTO BY MACHIKO





□2009年5月13日(水)

 「母子加算」が4月に廃止されて1ヵ月余り。生活保護を受けている母子家庭に加算されてきたものだが、予想されたとおり収入の少ない母子家庭を直撃しているという。(5.13朝日新聞)4月に廃止対象になったのは約5万世帯、そのうち約3万世帯は病気などで就労が困難という。母子加算を廃止して就労支援に切り替えるという政策の転換だが、母親が病気で働けない生活保護家庭の家計をいっそう苦しいものにしているという。影響を受ける子どもたちの現状も切実だ。「ママ、私高高いけないんでしょ」「修学旅行、行かなくてもいい」といった子ども声には胸が詰まる。

 健康であっても、母子家庭をとりまく現実はとても厳しい。正社員でも男女の賃金センサスは全国平均で約6割といわれる。それだけでは家計を維持できず夜パートに出るといったダブルジョブでクタクタのお母さんを知っている。子どもを育てながら、だ。そうした過酷な生活から病気になって生活保護を受けることになった人たちが多いのだ。

 就労支援はもちろんだが、その基礎となる生活支援を通して女性が安心して子どもを育てていけるような政策がなぜできないのだろう。

 私も30代半ばさしかかる頃夫と別居―離婚の経験があり、その間生活を立て直すのに実家の両親や弟夫婦、妹の世話になった。当初は娘を実家にあずけて都内のカルチャースクールに就職した。金曜日の夜実家に戻り、日曜の夜東京に戻る生活を1年続け、その後実家に「出戻り」。成田市で仕事を始めて2年間居候した。離婚が成立して娘と2人で「独立」したのは別居から3年経っていた。

 その頃、ひと足先に大学時代の友人が離婚して子どもを連れて実家に戻り、実家の支援で教員免許を取って都立高校の教員になった。「あなたもそうだったの~?」と共通したのはそんな時目に入るものといえば美容院などにあった女性週刊誌の求人案内。仕事のキャリアがない、住居も定まらない子連れ女性を雇ってもらえそうなところは温泉旅館かキャバレー。「子連れ可、テレビ付き個室あり」という案内をじ~っと見つめていた・・・といったところが共通していたことを憶えている。彼女も私も学生から主婦になったので就職経験がなく、離婚を決意した頃子どもと2人でどう生きていくか途方に暮れていた。

 誰もが親の援助を受けられるわけではない。親に代わって国が支援するのは当然ではないか。

 鴻池内閣官房副長官が辞任した。新型インフルエンザ問題への対応に追われていた最中、国会議員の特権であるJR無料パスを使って2泊3日の不倫旅行をしていたという。1月に議員宿舎の自室のキーをこの女性が使って出入りしていることが発覚した時は「天地神明に誓って男女の仲ではない」とか言っていたが、「天地神明」も地に落ちたものだ。こういう男を破廉恥という。 さらに加えて任命責任を問われた麻生首相のコメント。辞任理由が「健康上の理由」ということから「健康まで任命責任というんでしょうかねぇ」。こういう男をなんと言ったらいいのかしらね!





□2009年5月12日(火)

 千葉地裁の八ツ場ダム裁判を傍聴。ダム建設をめぐる住民訴訟は1都5県で争われているが、昨日東京地裁では東京都の1審判決が出た。住民敗訴。水余りの代表のような東京なのに、行政の主張をそのまま追認し、はじめに結論ありきの公正な判断を欠いた判決内容。でも、この間裁判を通してマスコミ各社の報道もあり、関係住民の間に「おかしい、無駄」といった考えが広がってきている。裁判はこれからといってもよい。とりわけ財政危機に見舞われている千葉県の財務会計上の問題は深刻だ。弁護団も「止めるまで頑張る」という決意。

  昨日、西松建設からの違法献金事件で公設第一秘書が逮捕・起訴され事件で出処進退が注目されていた民主党の小沢代表が辞意を表明。途中いったんは続投を決意していたものの、ここにきて代表で居続けることは政権奪取の足かせになると考えてのこと。「お詫びから始まる選挙では戦えない」という声は身内から出ていたし、なんとしても自民党政権を倒し政権交代を実現するという小沢氏の志からすれば、無念だろうが辞め時だったのだろう。私は民主党支持者ではないが、この際民主党が良いの悪いのと言っている場合ではないと思う。政権交代もないような国に民主主義はない。

 手間と時間がかかるけれど、「強力」なリーダーに頼ろうとする誘惑を断ち切りながら粘り強く民意が政治に反映するような政治システムを構築していくことに意味がある。それは、国も地方も同じだ。誰かにおまかせの「おまかせ民主主義」「観客民主主義」が日本の民主主義を、政治を硬直化させていることを一人ひとりが考えてほしい。





□2009年5月10日(日)

 「母親になるのにベストな国ランキング」というのがあって、10回目の今年日本は158ヵ国中34位という。世界120ヵ国以上で活動する国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」(英国)が母の日を前に各国の公的データをもとに発表した調査結果。「子ども指標」8位と「女性指標」36位の総合らしい。

 いっぽう、総務省が子どもの日にちなんで行った推計では、全人口に占める14歳までの子ども比率の推計が35年連続減で13.4%。人口3千万人以上の国の中で最も低かったそうだ。ちなみに65歳以上の人口比は22.5%。

 また、日本総合研究所の調査では、女性の就業率向上を妨げる「壁」は都市部の育児、地方の介護。育児のサポートが少ない都市部ほど女性の就業率が低く、地方では親の介護に直面する40代後半から就業率が急落という。

 手元にある3種類の調査結果を見ただけでも、何をなすべきか誰の目にも明らか。男女共同参画社会を実現していくには女性(男性)が安心して仕事をしながら子どもを産み育てられる社会環境をつくっていくことがアルファでありオメガではないかしら。まだまだ道通し、ね。

 今日は大栄に行く途中、R51の野毛平工業団地入口の400Mくらい手前で斜面林の中に数本のニセアカシアを見つけた!自然にのびのびと育っていて、見ていて気持ちよい。

 4月の強風の時に気付いたのだが、これまでニセアカシアは風に倒れやすいという「理由」で台風シーズン前に青々とした枝を伐採していたのだが、今年は枝をつけたままあの強風をしのいだ。必ずしも枝のせいではなかったのね!ユリノキも台風が来ると枝が折れたりするのがあって強風に弱いと思われてきたけれど、4月の強風では若葉に少し傷がついたものの枝が折れることはなかった!これでひと冬幹とともに成長した枝の方が風への抵抗力があることがわかった。

 これまで「街路樹」について考えさせられることが多かった。今年度の街路樹委託管理事業費(害虫防除を含む)の予算は1億1795万円。市民が街路樹を街の一部として愛し、楽しむための工夫も考えてほしいな。





□2009年5月9日(土)

 中央郵便局通りのニセアカシア(ハリエンジュの別名)の花が目に慣れてくると、これまで見過ごしていたニセアカシアに気付くようになった。花が咲いていなければ気にとめることはなかったのだろうが、いま花盛り。昨日も三里塚の本城に行く途中、成田と冨里の境界の道を通ると、2ヵ所でニセアカシアの高木が花をつけているのが目にとまった。ただそれだけのことなのだが・・・。

 花といえば、古来桜を指すというが、「花は橘」という言葉もある。柑橘類の花の香りが漂い始めた。思わず立ち止まって香りを味わいたくなるようないい匂い。沖縄の知人によれば、山原(やんばる)も私が大好きなイジュの香に満ちているという。

 森田知事の「偽装〝無所属〞(ゲンダイ)」がらみの記事が次々と出てくる。日本経済新聞は4日(月)Wide nipponで「『完全無所属』看板に疑問符」と題し、森田氏が政党支部を迂回して企業献金を自らの資金管理団体に回す手法を使ったことについて7段抜きで仔細に報じている。今日は朝日新聞で07年に福岡県の公立高校で行った講演料50万円を政治資金として処理したこと。同じく日刊ゲンダイは知事選を支えた「元気モリモリ、千葉を日本一にしよう会」の団体事務所が「自民党東京都衆院選挙区第2支部」へ移転したという話。

 「元気モリモリ」は知事選で〝完全無所属〞をPRしていた団体だ。森田氏は自分が代表をつとめる党支部は解散手続き中と言っていたが、つじつまを合わせられなくなってうやむやにしようとしているのかしら?何しろ自民党支部も森田健作政経懇話会も、そして今回移転した「元気モリモリ」も、同じ住所・電話番号というのだから。

 ところで、公立高校で行った講演は「努力はうそをつかない」というタイトルだったそうだ。





□2009年5月7日(木)

 山萌えて 染まる水面に 早苗かな(茂)

 今日届いた兵庫農漁村社会研究所の所長保田茂さん自作の句。05年4月、残土・産廃問題ネットワークちばが第6回明日への環境賞(朝日新聞社)を受賞した時のパーティで名刺交換して以来、毎月ビレッジライフ懇話会の案内を送ってくれる。この頃は案内冒頭の俳句とその解説が待ち遠しい。

 今年に入ってからは、2月「立春や 路傍の草も 騒ぎおり」、3月「屋敷跡 梅ひたすらに 匂いおり」、4月「花冷えに 負けじと桜 卯月かな」・・・4月はもう一句、第16回の地域農政フォーラムの案内で「くすのきの 新緑街を 輝かせ」・・・ひと月ひと月、句を通して自然の移り変わりにすっと入り込めるのが嬉しい。

 懇話会やフォーラムは神戸市で開かれるのでまだ参加したことはないが、メールで丁寧な案内文を読んでいると、いつか一度参加してみたいなと思う。

 市民からの情報で、4月24日付け朝日新聞の記事を読む。横浜市、神戸市、福岡市のごみ焼却施設建設の発注工事をめぐり、談合で不当に価格がつり上げられたとして市民がメーカー5社を訴えたものだが、1、2審は談合があったことを認めメーカー側に賠償を命じ、メーカー側が上告していた。最高裁第一小法廷は上告を棄却し、5社に計約67億円の賠償支払いが確定したという。敗訴が確定したのは日立造船、タクマ、川崎重工、JFEエンジニアリング、三菱重工の5社。この中で成田市の新清掃工場入札問題に関係しているのはJFEエンジニアリング。

 上記はメーカーの談合による価格つり上げ事件だが、成田市の新清掃工場建設は現在入札がストップした状態。

 たとえば、成田市は価格の点でトン当たりの建設費が約3000万円という直近の実績をもつ1社を排除して2社で入札を実施しようとしたわけだが、成田市がはじいた予定価格はトン当たり約5000万円。その差2000万円。×212トンは?これでは官製つり上げじゃない?

 入札競争は市が提示した予定価格をめぐって行われるわけで、2社入札による落札価格によっては、市長の責任が問われることになったかもしれない。商法でいう「善良なる管理者の注意義務」のようなもので、1社を排除することで競争性が低くなり、その1社が参加すれば支払わずに済んだ税金を余分に支払うことになる・・・。

 排除された1社の直近の実績と落札価格の差額を成田市の損害として監査を請求し、結果によっては市長に損害賠償(市に損害を与えたことによって市に返還せよ)を請求する方法もある。あくまでもた・と・え・ば、のハナシ。

 連休明けということもあって、市役所ロビーの定額給付金相談所が賑わっていた。担当課の話だとこれまでも毎日400人位の人が訪れたという。わざわざ出かけてくるのは大変ではないかと思ったが、多くの人は外出したついでらしい。対応しているのは派遣会社の社員で手なれた感じ。それにしても、申請書のほかに身分証明と通帳orカードの写しを添付せよとは面倒くさい。高齢者の中にはコピーするだけでも難儀する人もいるのでは?それにしても、金を配るだけでこんな大げさにやるほどの政策でもないのに。





□2009年5月5日(火)

 久しぶりに湿った空気が心を休ませてくれる。用事があって上野まで出ると昼過ぎから雨が降り出した。小雨に煙る大都市の新緑も美しい。食事をしながら窓の外に目をやると、藤の花が今を盛りと咲き誇っている。

 そういえば新型インフルエンザもフェーズ5で止まっているようだ。最高のフェーズ6(すなわち世界的大流行=パンデミック)を宣言するかどうかはあと数日様子をみる必要があるという。私みたいにこのような騒ぎが肌に合わない人間からすれば、一日も早くマスコミの大騒ぎが終ってほしいと願うのみ。もっとも、そうなればあのマスは次のターゲットを探すだろうが。・・・と新型インフルに世界の眼が集まっている間に、強毒型鳥インフルエンザウイルスがインドネシアの豚1割に広がっていることがわかったらしい。人にも感染するタイプのウイルスもみつかったそうだ。人類はこれまで数々の感染症と闘ってきたが、ウイルスとの闘いに終わりはない。それだけは確かだ。

 SFの古典的名作『火星年代記』(レイ・ブラッドベリ)の中で、火星人が滅びた原因は水疱瘡だった!。人類だっていつなんどき未知の猛毒ウイルスに遭遇するかわからない。生物兵器の開発も行われているし、製薬会社は薬品開発でいろいろなウイルスを使って実験している。不確実性の中で生きる私たちにできるのは情報を選択する知恵と、自らの生活の質をきちんと確保すること。そして自然を破壊しない、させないこと。私たちはその中から病いに効能がある薬の素をいただいているのだから。

 帰りに中央郵便局の前を通るとあら~っ!ニセアカシアの花が咲いてる!4月28日に写真を撮った時は蕾にすら気が付かなかった。さっそく家に帰り、雨の夜ではあったが郵便局通りに出かける。局前の道路際の木には花の房がたくさんついて枝がしなっていた。中台中学校あたりまで歩くと、咲いている木といない木がある。どうしてかしら?枝が多くて葉がワサワサと繁っている木が花をつけていないような気がする。傘をさしながら花の下にたたずむのもなかなか・・・と、勝手にロマンチック。
  PHOTO BY MACHIKO

 こうなると、中央通りのユリノキの開花が見逃せないが、まだ蕾をみつけていない。5~6月に咲くと書いてあったのでこれからソワソワが続きそう。





□■□200954日(月)

 電車に乗るのに市役所の駐車場に車を置いた。駐車場の周囲には新緑をまとったクスノキが植えられていて、葉を一枚摘んでもむと清涼な樟の香りが広がった。

 クスノキは亜熱帯の山岳地帯から西南日本にかけて焼畑を中心にした照葉樹林文化を育んだ樹木たちの仲間で、広辞苑によれば南国から渡来したので「楠」と書くのだそうだ。個人的な好みかもしれないが、クスノキが植えてあるとなんとなく街並みに落ち着きというか風格を感じる。

 昨日録画しておいた憲法記念日特集の番組を見る。これまで憲法記念日といえば9条にスポットがあてられてきたが、格差社会の広がりと貧困が社会的な問題になっている日本の現状を反映して、25条への注目度も高かった。NHKの「JAPANデビュー②天皇と帝国憲法」や、ETV特集「憲法25条生存権を考える」での経済評論家内橋克人さんと反貧困ネットワーク事務局長湯浅誠さんの対話はとても充実していた。

 「天皇」についていえば、明治維新によって久しぶりに天皇が歴史の表舞台に引っぱり出されたところから始まる。それまで、全国津々浦々の人々の暮らしの中で知り得る権力者はせいぜい代官あたりで、将軍や領主などは顔すら知らなかったのではないか。そうした時代が長く続いた。ましてや「天皇」がどんなものか意識も認識もなかっただろう。その証拠?に維新後、天皇が京都御所から江戸城に引っ越すに当たり、江戸町民は両方とも正一位ということで「お稲荷さんと天皇と、いったいどっちが偉いんだろう?」と噂し合ったというくらいだ。

 維新によって近代国家を構築するには自分たちの統治権力を正当化するイデオロギーを構築し、ハクをつける必要があったわけで、天皇の万世一系も神格化もガッチガチの宮中祭祀も、ほとんど全て明治政府が国民をマインドコントロールするために作り上げたことは周知の事実。

 敗戦によって日本国憲法が公布され国民主権となったものの、天皇条項は残った。これからの憲法論議の行方によっては、いずれ天皇条項についても国民に問われる時がくると思う。





20095月3日(日)

 憲法記念日。朝日新聞で連載している「虚の時代」で田母神俊雄・元航空幕僚長をとりあげ、更迭後ギョーカイが「タモちゃん現象」と呼ぶブームが起きたことの裏でそれを利用する右派勢力の存在を取り上げている。もっとも、考えてみればギョーカイもそれを利用しているのだが。

 記事によれば「タモちゃん」は講演に引っ張りだこ、半年間で100回を超えるそうだ。近所にあんなオッサンがいて「日韓併合は会社の『対等合併』」「日本が侵略国家だったというのはぬれぎぬ」とか勝手にしゃべっている分にはアナクロオヤジですむ。しかし、あの右派現代史家秦郁彦氏すら「歴史の事実に反し、学問的には相手にされない」という歪曲史観を人を集めて聞かせるとなると話は別。意図は明白。

 田母神氏の講演を聴いて「テレビで見ると怖そうだけど、話を聞くといい人みたい。勉強になりました」と言った女がいたそうだ。女たちよ、そんな男たちの口車に乗って道連れになるな。ものわかりのいい女になるな。

 田母神氏はじめ彼を利用しようとする勢力の言っていることは要するに内弁慶の強がり。国連で北朝鮮の「飛翔体」発射実験に対する対応の中身を審議していた頃、自民党政治家の中には興奮して威勢のいいことを叫んでいたのがいたらしい。国連の対応やその内容次第では「国連脱退も」という声も出たという。バ●じゃないの?





□2009年5月2日(土)

 朝日新聞の全国世論調査で憲法改正を「必要がある」という意見は53%、「必要ない」33%。「必要がある」と答えたその理由としては「新しい権利や制度を盛り込むべきだから」が最多で74%。「9条に問題があるから」は15%。その9条については「変えないほうがよい」が64%を占めたという。ちなみに「変える方がよい」は26%。政府自民党によるあの手この手の9条改悪策動も、国民に根付いた平和主義を崩すことはできないでいる。

 九条の会・千葉地方議員ネットワークと九条の会・ちばけん共催の「憲法九条の集いin千葉」が開催された。習志野文化ホールは1500人の座席だそうだが、満杯。会場に入れなかった人たちのためにロビーにもイスが用意され、会場の様子を中継するTVがセットされた。

 講師でイラク支援ボランティアの高遠菜穂子さんは、厳しい状況が続く中、人々の暮らしをとおしてイラク復興が非暴力で行われることへの祈りにも似た期待を語り、日本で集めた医療救援物資(ベッド、車イス、血圧計その他)のコンテナが着いた後の記者会見が現地の新聞で大きく取り上げられたこと、そのことよりも日本人として受け入れてくれたことが嬉しかったという。自衛隊派遣以降日本人に対する視線は厳しく、狙われる危険もあった。「04年にイラクで誘拐された女性が09年にカムバックした」と書いてくれ、ウェルカム、ウェルカムと言って受け入れてくれた喜びを語った。高遠さんの勇気と優しさがにじみ出る話だった。

 もう一人、私にとって「憲法学者」といえばこの人!即座にその名前が浮かぶ九条の会呼びかけ人の一人奥平康弘さんの講演。九条の会発足のいきさつから日本国憲法への熱い思いと問題提起に時間の経つのを忘れた。

 「古典的」護憲運動に対し、1990年代に入って自衛隊の海外派兵が現実のものとなってから、例えば箕輪登さんのような『我自衛隊を愛す、ゆえに我憲法9条を守る』(共著)という個別的自衛権は違憲ではないが集団的自衛権は違憲だから改正には反対、イラク派兵は憲法違反というような考えの人たちとどのように共同戦線をはっていくかが問われる時代になった。それはまた同時に世界で9条を共有するにはどうするかという問題提起につながる。日本国民のみでなく、世界の人々がリアル・ユートピアとして理解するように、と。

 また、軍国主義国家は軍事優先で市民的自由を徹底的に弾圧した、9条守れということは市民的自由を守れということでもある、という。さらに昨年来厳しさを増す経済危機の中で憲法25条(生存権)がクローズアップされてきたが、9条と25条、守るということは一緒だといった発言は深く心に残った。

 二人とも、9条を世界に広めること、それがまた日本にフィードバックしてくることについて説いていた。昨年2日間にわたって催された幕張メッセの9条世界会議もあふれかえる大盛況だったが、今日も9条に熱い思いを寄せる人たちがいかに多いかを実感させる集まりだった。ちなみに九条の会は全国に7000位あるらしい。




□2009年4月30日(木)


 市民グループと酒々井町にある佐倉市と酒々井町共同設置の清掃工場を訪ねる。佐倉市民ネットワークの議員を通したので「ちょっとお話を・・・」というよりも、行政視察の時のような受け入れ体制をとっていただくことになってしまった。でも、訪問した目的は達成。事前に目的を話しておいたので、とてもわかりやすい資料を用意しておいてくれて助かった。

 清掃工場には隣接して酒々井町の余熱利用施設とハーブガーデンがある。ハーブガーデンを訪れるのは久しぶり。すでに4時を過ぎていたのでお店は閉まっていたが、中を散策するのは自由なのでみんなでハーブの花や香りを楽しむ。

 私は清掃工場の話を聞く30分ほど前に到着したのでハーブショップに寄る。サービスでレモングラス、レモンバーム、スペアミントの3種でつくったハーブティーを御馳走になった。ハーブの香りを胸一杯に吸い込んでリフレッシュ。ベランダハーブには限りがあるのでまた畑を借りてハーブを栽培したくなった。

 豚インフルエンザがついにフェーズ5に引き上げられた。世界のニュースも日本のニュースもモノモノしい。情報提供や啓発、注意は必要だけどなんだか私の肌がザワザワしてきたな・・と思い始めたところに本日付最新の田中宇NEWS(http://tanakanews.com一部有料)が送られてきた。タイトルは「豚インフルエンザの戦時体制」。米国の現状はテロ体制と同種の有事体制作りの戦略だという。

 類似点1は、何年もまえから事前の宣伝報道、地球温暖化も同じ。類似点2は、テロは犯罪捜査当局、伝染病は公衆衛生担当が主導して解決すべきなのに、米国では、それらの当局(FBIやCDC)よりも、本土安全省や国防総省が主導権を握って対応に当たっていること、米本土安全省は米国民に強制的な検疫調査を行う準備をし、国防総省も検疫活動に参加する計画書を作っているという。類似点3は、いずれも特定の企業がもうかる構図。テロ戦争は軍需産業、豚インフルは製薬会社、地球温暖化は欧米先進国が途上国からピンハネする経済収奪。私のザワザワの原因もこれで納得した。




□■□2009年4月29日(水)

 今日は私の誕生日だが、生まれた時から休日だということに加えて何となく記憶残っていることが一つだけある。それはたいてい好天に恵まれるということ。いよいよ春先の不安定だった天候も安定し、大地は解放されていのちみなぎる季節を迎えた。樹木が放出する精神安定物質フィトンチッドの量もこの時期が一番多いというのもうなずける。心身のリラクゼーションは森の中が一番。

 印旛沼で造成していたサンカノゴイなど希少鳥類用代替えヨシ原の様子を見るために大竹地先に寄った。工期は3月末ということでほぼ形は出来上がっているように見えたが、中にはまだ重機が入っていた。ところどころにポシャポシャッとヨシが植えられていた。ここがヨシ原になるには、やはり相当な時間がかかるだろう。

(左)今年1月造成中。左側が印旛沼の堤防。  (右)完成したヨシ原予定地。左隅に株植えのヨシ

(左)上右の位置の対面から。池?の水際にヨシが植えてある。右側が印旛沼の堤防。

(右)湿地環境で根付いたヨシ。いずれも、PHOTO BY MACHIKO





□■□2009年4月28日(火)

 
 まだ4月だけれど五月晴れ~!ということで昨日・今日と橋賀台1丁目から3丁目まで「たいむ」のポスティング。そよ風に吹かれながらのウォーキングといったところかしら。でも、いつもの山道と違うのは、思いがけない出会いがあったり、完璧なガーデニングに思わず立ち止まってうっとり眺めたり、あるいは無造作に植えたようでいてそれぞれにふさわしく思い思いの風情を漂わせている山野草に感動したり、街路樹の写真を撮ったり。

 豚インフルが世界に広がりつつあるようだ。警戒レベルもフェーズ3から4に引き上げられたようだ。つまり、「豚から人へ」から「人から人へ」の新型インフル、人間の感染症なったということ。市の健康増進課から豚インフルへの電話相談窓口、国(厚労省℡03-3501-9031)と県(佐倉保健所℡043-483‐1133)・同成田支所℡0476-26-7231)対応についての相談窓口に関するFAXが入る。受付時間は保健所9時ー5時、厚労省9時ー9時のお役所時間。

 ◎注意というのがあって、厚労省は空港周辺に一時隔離施設500室を確保して対応にあたることになったが、施設名は公表されていないという。隔離施設を確保したけれど公表しないということってどういう意味?隔離しなくてはいけない患者が出て収容する施設が市内にあるというのに、市民はそれがどこにあるのかわからない、多分ホテルだろうけれど。わかったようでわからない措置だ。

●「花の咲く木には花を」ということで昨年は枝を伐採しなかったユリノキとニセアカシア。新緑に輝いている。蕾がふくらみはじめるのも、もうすぐだろう。

(左)ユリノキ・・・ニュータウン中央通り橋賀台1丁目から赤坂署まで(右)ニセアカシア・・・郵便局通りから中台4丁目外周まで

●例年どおり枝を伐採されたアメリカフウとプラタナス。伐採を繰り返した結果こぶのように固まった枝先からやっと新しい葉が出てきた。足立は植物の性質にとって合理的な理由がない限り、こうした伐採には反対。

(左)アメリカフウ ヨークマート近く(右)プラタナス 橋賀台外周 いずれも28日撮影。 
 PHOTO BY MACHIKO






□2009年4月27日(月)

 昨年11月、出雲市で開催された男女共同参画宣言都市サミットに総務常任委員会の有志3人で参加したのだが、共同で報告書をつくりたいというので、私のぶんA4サイズ4ページと添付1枚を提出。「まちこの日記」や12月議会一般質問、会報「たいむ」紙面などですでに公表済みをまとめたもの。

 ところでこの時はちょうどよい機会だったので、ついでに同年5月出雲市が実施した松くい虫防除の殺虫剤空中散布の際、児童・生徒中心に約1300人の被害が発生したことに関して農林政策課の話を聞いた。その後の報告では今年2月、出雲市は今後10年間の散布中止を決めたという。完全中止とならなかったのは残念だが、いずれそうなるだろう。「百害あって一理なし」だから。 こんなことを思い返したのは、ただいまポスティング中の「たいむ」70号を読んだ人から電話をいただき、水田への空中散布をはじめとして農薬散布が環境に与えることについていろいろな話を聞いたから。これから田畑に限らず住宅地その他でも殺虫・殺菌剤などを使う量が増え、化学物質にデリケートな人たちにとっては辛い時期を迎える。私も市の担当課を通していろいろ要望してきたが、とりあえず周囲への周知、ご近所への配慮が必要だと思う。

 新清掃工場入札中止問題に対する小泉市長の情報誌での発言と、それを記したこの「日記」や「たいむ」70号を見て市民から寄せられた情報を確認するために、関係する自治体と同市議会の会派に電話で聴き取り。市長がなぜ誌上で特定メーカーの名前と自治体名を挙げてメーカー排除を正当化したのか、聴き取りの範囲では関連性がみつけられなかった。

 また、遅ればせながら読売新聞4月22日県版の記事を読んだが、市長コメントについても焦点が定まっていないようで心もとない。それに、記事で初めて知ったのだが「6月議会で再度説明し、議会終了後に入札公告できるようにしたい」らしい。なんだ、3月議会の頃には「6月議会に契約案件を提案したい」ようなことを言っていたけれど、それはナシなのね。とにかく、「クリーンで開かれた市政」(市長の公約)をお願いします!






□2009年4月26日(日)

 成田ニュータウン自治会連合会の定期総会。今年は31回を数える。もはやニュータウンというよりオールドタウン化してきて、自治会の中には少子高齢の波が押し寄せてきているところもあるようだ。ニュータウン自治会連合会には地区内に住む7人の議員の1人として顧問を委嘱されて参加。私は23年前にもっぱら仕事の関係でここに住んで以来、自治会やPTA、その他の地域組織とも関係なく、地元意識が希薄な議員活動をやって来たのだが、気がついてまわりを見回すとニュータウンは生活の場として一番身近だし、思い入れもある。「まちこのまちづくり」を提案するにも住民意識の点で共有するものが多い。昨年議員を顧問にという声がかかった時は少し躊躇したが、新しいまちづくりのために尽力してきた自治会連合に敬意を表し、他の議員に倣って引き受けている。

 朝日朝刊1面トップは「特別支援学校生、急増」、教員・教室が足りないという記事。児童生徒数は文科省のまとめで08年度112334人。10年前の98年度から28.5%増となっている。増加の主な原因として、現場の教師の声として「注意欠陥・多動性障害(ADHD)など発達障害の子どもが増えている」ことがあげられている。要するに、これまでは通常学級に通っていた子どもたちの中から、ADHD、学習障害、アスペルガー、自閉症など「発達障害」のレッテルを貼られた子どもたちが養護学校への進学を勧められていることが急増の原因なのだ。「困っている親や子を支援するのは大切なことだが、根拠のないレッテルを貼ることは決して支援ではない」とCCHR JAPANは言う。

 発達障害とは、精神医学の診断マニュアルに近年登場した障害であり、客観的な診断の手法や根拠はいまだ存在していないという専門家もいる。表面的にあらわれた行動の結果だけで障害と識別するこの診断マニュアルには多くの欠陥があり批判もある。「発達障害」が増えているのではなく、させられる子どもが増えているということだ。

 文科省特別支援教育課は「保護者が子どもの障害を受け入れ、就職も支援する専門教育を望むようになってきたためではないか」と言っているが、一面的に過ぎる。それに、教室も教員も足りずにどうしてキメ細かい専門的な指導ができるというのか。

 夜のNHKスペシャルでは10年目を迎えた介護保険の制度破たんともいえる現実が取り上げられていた。老老介護の中、介護疲れで倒れて腰を骨折した車イスの妻が、這って移動するパーキンソン病の夫を介護する様子が紹介されていた。ショートステイを利用したくても施設が足りず途方にくれる現実は、同情を通り越して怒りを感じる。人間の命と尊厳にかかる医療・福祉を営利にしてはいけない。

 教育といい、医療・福祉といい、そのうち何とかなるだろうと小手先でいじっていても問題は深まるばかりではないか。考え方を、制度を、抜本的に変えなければ。





□2009年4月25日(土)

 昨年から今年にかけて高病原性鳥インフルエンザの心配をしていたら、今度はメキシコで豚インフルエンザが発生、世界保健機関(WHO)は62人が豚インフルに感染したと発表した。米国の患者からも同じウイルスが発見されたという。豚から人ではなく、人から人に感染するウイルスで、専門家は「人型に適応したウイルスに変わった可能性がある」という。

 成田空港でも早速豚インフルについてメキシコからの入国者を中心にチェックを始めたようだ。成田市は空港のあるまちなのでこうした問題にも無関心ではいられない。エボラ出血熱や西ナイル熱など感染症への対応を質問したことがある。

 航空機の中で乗客がエボラ出血熱を発症したら成田に着陸した飛行機をまるごと隔離することもありうるとか、旅客機や貨物機に西ナイル熱のウイルスを運ぶ蚊が紛れ込んでいて着陸後成田周辺で繁殖したらどうなるかとか、いろいろ情報が入ってきて気になったので市の認識を質問した。自治体レベルでは何よりも住民への啓蒙・啓発が大事。感染が疑われる事態になれば一自治体レベルの話ではないので各関係機関との連携対応することになる。ベトナムなどでサーズが猛威を振った時に空港検疫所を視察したが、検疫所内での対応とさらに感染症科がある成田日赤病院との連携もあり、訓練なども実施しているようだった。






□2009年4月24日(金)

 また胸の痛む事件が起こった。大阪市西淀川区で小4の女児が母親の内縁の夫の虐待によっていのちを奪われ、遺棄された。しかも周囲は、虐待が疑われていたのに救うことができなかった。最悪の事件だ。

 保育園の卒園式の映像ではとても幸せそうに手をつなぐ母と娘だった。何よりも、母親のまなざしが愛情に満ちていた。しかし、連行される彼女はまるで別人のようだった。その落差が哀しい。娘の虐待死を防げなかった彼女の再婚生活が幸せでなかったことは、確かだ。内縁の夫という男の顔を見て、もしかして彼女も夫からDVの被害を受けていたのではないかと気になった。

 07年度中に児童相談所が対応した児童虐待相談件数は40,639件で、前年度より3,316件(8.9%)増加しているという。2000年に成立した児童虐待防止法や児童福祉法の改正などにより、地域で親と子を支える仕組みがつくられていく中で、虐待と思われる事実を知った時は児童相談所や市町村担当窓口、福祉事務所に「通告」をする義務が課せられた。件数の増加は、こうしたことも反映しているようだ。種別では身体的虐待16,296件、保護の怠慢・拒否(ネグレクト)15,429件と多い。東京都の調査(H17)では虐待をしているのは実母が63.3%、実父21.6%。

児童虐待に至る親の心理については、望まない出産や望まれない子どもへの苛立ち、配偶者の出産や子育てへの非協力や無理解に対する怒り、育児ストレス、再婚者の連れ子に対する嫉妬や憎悪などが挙げられている。

 親が幸せでなくて、どうして子どもが幸せになれるだろうか。子どもの権利擁護を第一に、虐待をなくしていくには親子を孤立させないような、地域のネットワークやサポート体制の整備が必要だ。





□2009年4月23日(木)

 「歴史と今を語り合う女性の会」例会。会員のお嬢さんが現役で芸大に入学したという報告があり、今日は受験や教育、子どもをめぐる話題で盛りあがった。

  成田市の防災メールに時々「不審者情報」が流れ、子どもたちの前で下半身を露出する変態男が登場する。いろいろな所に出没するがどうも同一人物のようだ。ほとんどビョーキなのだろう。夕方「たいむ」を印刷しながらTVを見ていたら、有名タレントが午前3時頃の公園で一人全裸になって騒ぎ、通報で駆け付けたお巡りさんに「公然わいせつ罪」で逮捕されたというニュース。アルコールの血中濃度は意識を失う寸前の泥酔状態だったらしい。酔うと靴下を脱ぐ人を知っているが、ぜーんぶ脱いでしまうような人は知らない。TVのコメンテーターが「よほどストレスがたまっていたのでしょう」と言っていた。でも・・・丑三つ時を過ぎた時間にビルの谷間の公園で全裸になって「バーカ」とか独り大声を出している姿は、ハタ迷惑なことこの上ないが痛々しい感じがしないわけでもない。

 NHKハイビジョンのプレミアム8で作家の宮城谷昌光さんが前回に続いて中国の戦国時代(前403~前221)と、そこに生きた孟嘗君(もうしょうくん)の人心掌握術、斉の興隆と命運について1時間30分語る。血縁を基盤とする封建制が崩壊し新しい秩序を求めて争う諸侯の権力闘争や、実力主義による人材登用や食客の重用、花開く古典思想(春秋末期から戦国時代)を網羅していてとても興味深い話だった。






□■□2009年4月22日(水)

 中台第二保育園の完成式。加良部保育園の老朽化と耐震強度不足があって代替え施設として建設されたもので鉄骨平屋建て。定員150名のところ現在は加良部保育園から移った子どもを含めて0歳児から5歳児まで128名。それぞれの部屋から園庭に出ることができ、事務室からは庭が一望できる。よく整備されたとても気持ち良い施設だ。 

 式は玄関から一番遠い遊戯室で行われた。廊下を歩いて行く途中0歳児から5歳児までの部屋の前を通るのだが、覗くと1年ごとの成長を目の当たりにできる。式には5歳児も参加し、元気に合奏と歌を聴かせてくれた。ゆるゆるおばあちゃん顔のひとときだった。

 今日は千葉県議会の臨時議会が開かれた。都合で傍聴できなかったが、TVニュースと知り合いの県議の話で行って見たような臨場感。森田知事は所信表明で「一切の利権政治とは決別する」と言っていたが、芝居がかっていてウソっぽい表情だった。まぁ、顔に出るぶん「正直」なのだろうが。

 今日の週刊誌広告にはデーブ・スペクターが「森田健作知事、それで〝男〞はないよ」という見出し。20日の週刊誌の見出しは「〝青春の虚像〞」。当選以来さんざん。

 その森田氏とは「話ができそう」と言っていた千葉市長が、工事入札をめぐり100万円の収賄容疑で警視庁に逮捕された。あと2ヵ月足らずで引退するというのに、因果なことだ。

 夕方、いつもボランティアで「たいむ」をポスティングしてくれるKさんのお宅に仕上がった「たいむ」を持って行き、実家のお母さん手作りの野蕗の煮物をいただいた。春の野の香り・・・。この時期みずみずしい野蕗をみかけては「美味しそー」と、食べることばかり考えていたので嬉しい。




□2009年4月21日(火)


 このところ慌ただしい毎日で・・・と書いて、否パソコンのキーを打って、「慌」という字をしみじみと見てしまった。心が荒れるか・・・まぁ、落ち着かずそわそわしていると荒れもするだろう。漢字って書いたりたり読んだりはあたりまえとして、字を見るのも面白い。ついでに藤堂明保さんの『漢字源』を開いたりするとつい時間が過ぎてしまう。

 漢字で思い出したが、最近のTVワイドショーを賑わしたのが不「完全無所属」森田知事と、(財)日本漢字能力検定協会の理事長親子。私も不勉強で、漢字能力検定というのがそんなに国民的?事業だとは知らなかった。漢字ブームを利用してずいぶんボロ儲けしたらしい。財団法人にならなければ商売上手と称賛され、誰からも文句を言われずに儲けて使えたのに。でも財団法人としての社会的信用を背景に事業を拡大させたのだろうから、ワンマンのオーナー社長と同じように好き勝手にはいかない。やり手の理事長親子が財団を私物化した、という構造かしら。(全然関係ないけど、古い知り合いで長男を真字(まな=漢字)、長女をかな(仮名)と名付けた人がいる)

 そんなわけで「日記」をつける心の余裕もなく、あら~っという間に週が明けてしまったが、今日は「たいむ」の印刷に入ることができた。またしばらくの間私は狭い部屋で印刷機と折り機の間を行ったり来たり。その合間にポスティング。「たいむ」発行の年4回だけ会えるポスティングのボランティアの方もいる。そうした人たちに支えられて、70号。専門の業者が作ったようにスッキリきれいにはいかないけれどハンドメイドの味があっていいと、密かに勝手に思っている。

 今日は千葉県に情報公開請求してあった資料の開示があったので午後は県庁へ。分厚いコピーをもらって帰る。夜外に出るとカエルの声が響きあって、雨上がりの湿った空気がとても気持ちよかった。ボロ雑巾のような私の感性が息を吹き返すひととき。





□2009年4月16日(木)

 「風楽」でお昼を食べながら約4時間、市民運動を通して私の選挙を担ってくれた女性たちと新清掃工場や廃棄物をめぐる諸問題について話し合う。新清掃工場建設についてこれまでの経緯を整理しながら、それぞれ環境問題に取り組んできた立場から市民としてできることをやるという。いざという時ものすごいパワーを発揮する人たちなのでいろいろ教えられることの多いひとときだった。

 先日「日記」でとりあげたミツバチの話題。養蜂家で東京農大客員教授藤原誠太さんの話では、「集団失踪」ではなくミツバチたちは巣の外でバラバラに飛び散って死滅したのだという。「原因の要」は数年前から有機リン系農薬に代わって使用されるようになった農薬〝ネオニコチノイ系殺虫剤〞にあるらしい。人体への毒性が有機リン系の3分の1以下といわれ、低農薬・減農薬をうたい文句に散布量が増えている。

 有機リン系殺虫剤は神経毒だが、この農薬も昆虫の知覚神経をマヒさせ、免疫系も弱体化させるのだそうだ。〝高度な社会性昆虫〞ミツバチのコミュニケーション能力など社会性を維持するあらゆる能力を奪い、加えて、例えて言えば昆虫に認知症とエイズを同時に患わせるような影響与えるという。

 藤原さんは「研究者・農薬会社・農協などが引き合いに出すダニやウイルスの影響を否定する気はないが、ミツバチたちがネオニコチノイドで免疫力が衰えてしまったがゆえにダニやウイルスに汚染されてしまったといえる」。人間には低毒でも、その1001000分の1の量でミツバチ社会を破壊してしまう。ミツバチ大量死の「真の原因」は「低農薬だから安心安全」と思い込む人間の行為にあるということだ。

 書店に注文しておいた『越境の古代史―倭と日本をめぐるアジアンネットワーク』(田中史生著・ちくま新書)が届いた。先日朝日書評欄で千葉大の広井良典さんがとりあげているのを読んで即、注文。久しぶりに届くのが待ち遠しかった本。

 学生時代に読んだ本に「もともと倭人とは海をはさんで朝鮮半島と九州の沿岸地域に住んでいた人たちを指す呼び名」と書いてあったが、田中さんも古代史にあっては「国家や国境すら自明のものではない。高句麗があった時代、列島には『日本』と称した国もない」という。その強大な王国高句麗は現在の中国と朝鮮にまたがっていて、どちらの国の歴史なのかというホットな綱引きがあるという。近代の国民国家論にがんじがらめにされ、世界戦争の20世紀を経て21世紀は民族・宗教間の紛争や「テロとの戦い」の中でネオ・ナショナリズムが台頭する一方、経済活動をベースにしたグローバリズムは地の果てまで広がる。こういう時代こそ頭を冷やし、田中さんが言うように「現代人の想像も及ばぬダイナミックな動きをみせる列島古代のあり様に、歴史のとらえ方に関するいくつかの重大な示唆を求めてみたい」。





□2009年4月15日(水)

 昨日久しぶりに降った雨のおかげで空気が清々しい。久住まで行った帰り道寄ったお宅で、見事に咲いた鉢植えのシンビジウムや庭に咲いている色とりどりの花をいただいて帰る。ガラスの花瓶にさして玄関に置くと、胸が躍るようなライラックの香り、清楚なスイセンの香りなどが狭い空間を満たして・・・花畑にたたずむ気分!

 午後、「森田健作氏を告発する会」が地検特別刑事部に854名の委任状をもって告発。「不完全無所属」森田氏の告発を済ませて戻った代表や世話人有志、県議の話では、特別刑事部長が告発状を受け取ったらしい。4時から記者会見が行われたが、会見室に詰め掛けたマスコミの数から関心の高さがうかがわれる。私は記者会見前の写真を撮って成田に帰る。

    PHOTO BY MACHIKO

 そろそろ「たいむ」70号をつくらないと・・・。






□2009年4月14日(火)

 朝、電話で起こされる。「鬼澤さんて、どんな人?」という問い合わせ。千葉県教育長に、かつて小川市長時代3年間成田市教育長を務めたことがある文部科学省企画・体育課長鬼澤佳弘さんの名前があがっているという。森田知事の方針とかで、22日の臨時県議会に人事案件として同意を求める。文化行政や体育教育などに通じているということは知っていたが、このたびは来年の国体開催に手腕が期待されているらしい。

 それよりも、森田知事がすでに千葉県教育の右傾化宣言をしている中で、鬼澤さんはどのように教育行政を担う考えだろうか。懸念される幾つかの点で見解を伺いたいものだ。

 午後市議会全員協議会。成田国際空港(株)より2500m平行滑走路の工事が「5月末日までに完成できる見込み」とかで、今年10月下旬供用開始の予定だという報告があった。ただし発着回数22万回への容量拡大は、施設整備が整う来年3月になるという。

 しかし、北伸して2500m滑走路となっても、滑走路南端には頭上40mを航空機が飛ぶ民家と農地が陸の孤島のように残ったままだし、容量拡大に対応した騒音問題については個別対応だという。結局最後まで地上げ屋的手法から脱却できないままだ。

 全員協議会の後、新清掃工場整備特別委員会の協議会。新環境部長・環境計画課長がオブザーバーで出席。肝心の進捗状況などが見えないので、まわりくどい話に終始。情報公開の徹底といずみ清掃工場がどの程度延命可能か調査を求めた。

 今日配られた資料に地域情報誌連載記事の中の市長へのインタビューがあり、一連の「不自然な」流れの中では窺い知れなかった市長の心情が吐露されていた。インタビュアーは佐藤仁志さん。

 そこでは、「混乱を招いた最大の原因は私自身の力不足」と反省。その上で、「現実には、担当課長レベルで情報の流れが止まっていた」ような(市役所という官僚社会の)体質があり、「人事権を含めあらゆる手段を使ってそうした体質を変えるべき」だったと語る。

 そして「今回のトラブルを成田市役所の体質改善の突破口にしなければならない」というのだが・・・「トラブル」だの「体質改善」だの、なんだか他人事というか問題のすり替えみたいに聞こえるけれど。・・・まぁ、「新体制の下で議会や市民が心底納得できるよう説明」すると言っているので、ぜひ聞かせてほしい。

 終わってから、その「新体制」の人から、先日『まちこの日記』に書いた「2社に見積もり等要請か?」の話、「そういうことは全くありません」とのこと。わっかりました。まだそんなどころではなさそうだ。





□2009年4月11日(土)

 春らんまんの・・・というより汗ばむ陽気の中で残土・産廃問題ネットワーク千葉のフィールドワーク。今回は成田市にある2ヵ所の安定型産廃最終処分場を見学。

 見学先は午前中大室で新たに稼働を始めた処分場、午後は芝処分場に隣接する津富浦に拡張計画がある処分場で、場内は業者の説明を聞き、その後処分場周辺を歩く。専門家から調査のポイントを聞きながら歩く田んぼのあぜ道には野の花盛り。処分場はどちらも水田に隣接していて複雑な気分。安定5品目を埋め立てるとはいえ、安定型処分場は山を切り開いた素掘りの穴に産廃埋める構造。

 最近立て続けに出た最高裁判決で安定型処分場建設がストップしたその理由は「安定5品目といえども安全とはいえない」。「廃掃法」の抜本的な改正が必要なのだが国の動きは鈍い。そうした中で、成田市の2ヵ所は判決後に許可されたり許可がおりようとしている施設だ。地権者や狭い範囲の住民が処分場を受け入れたとしても、もし汚染につながる事態が発生すれば影響は周辺住民にとどまらないわけで、これからも定期的に観察していきたい。

 夜は「森田健作氏を告発する会」の立ち上げ。週末なのに70人を超える人が集まり、活発な意見が交わされた。選挙で自らの所属政党を隠して「完全無所属」などと詐称し、選挙民の政党不信を利用して当選した者を放置することはできない。県民を愚弄するものだ。15日、公職選挙法及び政治資金規正法違反で千葉地検特別刑事部に告発する。

 その森田氏だが、今朝の朝日朝刊によれば10日に開かれた賛成派の会合で八ツ場ダム推進の立場を鮮明にしたという。3月15日掲載の読売新聞のアンケートでは「ダム建設費全体で9000億円、千葉県の負担金も760億円に及ぶことから、関係都県と十分協議し・検討した上で対応を考えるべき」と慎重。しかし・・・知事になったとたん「やらなきゃだめ。早期完成のために議連の先生方のお力添えを賜りながら、県として頑張りたい」と言ったらしい。

 私が尊敬する銚子のオバサマが「単純バ●ほど怖いなぁ」とため息をついていた。

(左)大室で稼働を始めた産廃処分場内を見学。(右)「森田氏を告発する会」設立総会。右端の立って挨拶をするのは代表に選ばれた井村弘子さん。





□2009年4月10日(金)

 朝日朝刊を読んでいたら、千葉市長が「あんな公約できるのか」「ただ元気がいいからできるということではないのではないか」と、森田知事の成田―羽田間リニアモーターカー構想に疑問を呈したという。かつて自分の有力後援者が多額の市税を踏み倒しているのを黙認した人だが、あの腐った事件の時もそういうまともな言葉が聞きたかった。

 隣の記事には県とコンビニ大手が県産食材を使って共同開発した弁当の商品化の話。栄養士を目指す大学生のコンテストで選ばれたものが商品化されたらしいが、彼女たちを前に試食した知事「うまいなあ。いいお嫁さんになれるよ」と言ったとか。それに対して大学生は「たくさんの人に喜んでもらえるようにつくったので食べてほしい」と話したという。新知事の感覚のズレが浮き彫りになった感じ。

 その森田知事だが、知事になったとたん隠しようもない日頃のなせる業がポロポロ表に出てきている。昨日発売の週刊誌でも、マルチ企業の広告塔になって多額の献金をうけていたという記事が載ったらしい。

 真偽のほどは確かめていないが、新清掃工場の再入札に向けて成田市が「2社」に見積もり等を依頼したとか。

 今日は明日の産廃処分場見学の資料づくり。それと、土木課から大竹―辺田線の道路拡幅工事の設計図ができあがったということで話を聞く。




□2009年4月9日(木)

 昨日と今日の2回、朝日新聞に特別支援教育についての記事が掲載された。4月で3年目を迎える特別支援教育。それまで特殊学級、盲・ろう・養護学校と呼ばれていたものが特別支援学級・学校に名称を変えた。しかし、この制度の「目玉」は「発達障害」と呼ばれる学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの子どもたちを「特別支援」の対象としたことだと思う。

 記事ではその「発達障害」の子どもたちへの特別支援体制について、2年を経過した現状と課題をいろいろな角度から取り上げていて、教えられることが多かった。

 「通級指導教室」が足りない、教師の専門性の不足、通常教室と通級教室の連携がないなどから、自治体によって学ぶ条件が異なり、格差が生まれているという。 確かに、自治体の意欲や財政力が子どもたちの教育環境に一定の影響を与えることはある。しかし、文科省は国の制度としての責任をもつべきだ。

 以上は、この特別支援教育を前提にした感想なのだが、そもそも私は子どもたちに舌をかみそうな「障害」の名前をつけ、特別化することに疑問を感じている。しかも、「障害」によっては幼い子どもに向精神薬などによる薬物治療を容認しているのは将来に大きな問題を残すと思う。世界の流れは統合教育。

 今日はユダヤ暦でニサンの14日。その「死と復活」によってキリストと呼ばれたナザレ人のイエスが十字架の刑に処せられた日。キリスト教の歴史と文化が人類に与え続けている影響力を考えると、信仰心のない私だが今日は彼に思いをめぐらせてみたくなる。




□2009年4月8日(水)

 満開の桜の花に包まれて橋賀台小学校入学式。新入生の妹や弟も来ていて賑やか。アットホームな雰囲気も楽しい。私もすっかりおばあちゃん顔になっていつもは使わない筋肉がゆるみっぱなし。健やかに、幸多かれと願う。

 今日は仏教の開祖ゴータマ・シッダールタの誕生日で花祭り。私が幼い頃、花祭りは近所の小さなお寺で一番華やかなお祭りだった。狭い境内に屋台の店が立ち並び、演芸も行われた。釈迦牟尼像を置くあずまやを花で飾るのは子どもたちの役目。年長の子どもがリーダーになって野山に出かけて花を摘み、色とりどりの花であずまやを飾った。今も心に残る子ども時代の幸せな思い出の一コマ。

 花といえばミツバチに異変が起こっているらしい。satochibaMLで千葉日報の記事が送られてきた。アメリカではハチ社会に異変が起こり、巣の中と外で働くアリたちがある日突然一斉に失踪してしまい、卵を産むだけの女王アリと幼虫、そしてハチミツだけが残されるという〝事件〞が頻発しているという。名付けて「蜂群崩壊症群」。原因はまだ不明だが、「未知のウイルスや大量に使用された薬物の副作用ではないか」という見方がある。

 近年ミツバチは高収益果実栽培の受粉のため農業に利用されるようになった。分子生物学者の福岡伸一さんは「動的平衡」が敗れたせいではないかという。「特別な品種だけが選別されて極端に均一化され」たことが原因ではないかといわれる。均一化により外部からの攻撃や干渉に対する抵抗力や復元力を奪ってしまったのではないか、と。

 植物の単一化は病気や気候などの変化に弱いと聞いていたが、多様性を排除し、「動的均衡」を破ると何が起こるか、環境や生命社会・経済の問題にも適用できるという福岡さんの警告には納得した。

 こうしたミツバチ社会の異変は日本も例外ではないらしい。国内の養蜂業者の間でも原因不明の大量消失が相次いでいるという。オーストラリアからのミツバチ輸入が病気の発生により昨秋を最後にストップしてしまい農家が頼る花粉交配用ミツバチが不足しているそうだ。「高齢化した農家が急に手作業に変えるのは厳しい」と、授粉期を迎える県内のスイカやメロン栽培農家は危機感を募らせているという。受粉できなければ収穫も減るわけで、こういうところにも「現代農業」の脆さが露呈。自然の仕組みを極端に変えると自然は逆襲する。





□2009年4月7日(火)

 吾妻中学校入学式。新入生呼名で女子を「さん」、男子を「君」付けで呼ぶ。私が市議として入学式に招待されるようになって初めてのこと。同じく招待される橋賀台小の卒業式(入学式も)では男女ともに「さん」だったが吾妻中ではこれまでは呼び捨てだった。それも、担任が威圧的なくらい大声で呼び捨てていた。小学校とは違って中学校では指導も管理も厳しくなるゾ、と予感させるような・・・。だから、子どもたち一人ひとりの人格が尊重されたようでホッとした気分。

 ある教育学者によれば中学時代は「人間の一生の中でもっとも複雑で、急激な成長と成熟、発達をとげる時期」だという。それは同時にもろく不安定で、子どもにとって急激な変化が起こりやすい時期でもある。良くも悪くも振幅が激しい。「体の中を嵐が吹き荒れている状態」とは、ある作家の言葉。シュトルム・ウント・ドランク時代を迎えた子どもたちはそれだけでも大変なのだ。

 それにしても、親の経済力が子どもの学力や進路に影響を与え、それが格差社会を助長するような現実は政治の責任。既に4半世紀も前からその兆しは指摘されていたのに放置してきた。教育費は大学まで原則無料とするような制度改革が必要。「蛍の光、窓の雪」といった子どもの自助努力で解決できるものではない。子どもたちから夢や希望を奪い、可能性を押しつぶすような社会ではこの国の未来が思いやられる。

 戸籍抄本が必要になって多古町役場に行ったついでに実家へ。姪がパソコンで名刺をつくってくれてあったのを引き取る。5年ぶりのリニューアル版。

 道中、水を張って田植えを待つ田んぼが目立つ。うららかな春の日差しを浴びてキラキラ光って眩しいくらい。苗代かけで人の姿も。農家に生まれ育ったせいかしら、田んぼが動き出すとなんとなく嬉しくなるのが不思議。





□2009年4月6日(月)

 農村まわりの時にはいつでも山野草を摘めるようにハサミと水を入れた小さな器を用意していくのだが、今日も嬉しい収穫。農家からもいろいろ参考になる話を聞くことができた。

 芽吹きを迎えた野山のそこここに桜が花開き、自然の息吹を五感で感じ取れる季節になった。山際や田のあぜには野の花が色とりどりに咲き、ウグイスの鳴き交わす声が響き渡る。彼らが暮らすエリアに立ち入ると鳴き方は実に様々。以前はホー・ホケキョと鳴くための練習かと思っていたがそうではないようだ。しばし、耳を澄まして鳴き声を楽しむ。田起こしも始まっていて、用水路を流れる水の音も心なしか力強く感じられる。心地よい、癒されるひとときだ。

 昨日は北朝鮮がミサイルを発射。かの国の国営放送では「人工衛星」は軌道に乗ってキム・イルソン、キム・ジョンイル両氏を讃える歌を地上に送っていると言っていたが、米は「衛星軌道進入には失敗」と発表。いずれ解析すれば「飛翔体」の正体はわかるだろう。それにしても人騒がせな国だ。それに踊らされて日本政府・マスコミの反応もまた大げさ。ニューヨーク・タイムズの東京支局長は「ワシントンやソウルの冷静さに比べて日本は騒ぎ過ぎた・・・バランスに欠け、パフォーマンスに負けたと言える」と語っている。

 録画してあったサンデープロジェクトを見ていたら、発射が確認されたあとの声明で日本政府は国民に「冷静な対応」を求めていた。「冷静に対応してくれ!」と言いたいのは国民のほうではないか、まったく。

 今回の件で自民党内には「ミサイル防衛(MD)を強化しろ」「PAC3をもっと各地に配備せよ」などという声があるらしい。北朝鮮の「脅威」を口実にしてひと儲けしようとする軍需産業とその利権に群がる政治家に惑わされてはいけない。




□2009年4月5日(日)

 鬼泪山国有林からの山砂採取について、森林法との関係で宇都宮大学名誉教授の藤原信さんから話を聞く。藤原先生からはこれまで、山林への松くい虫防除農薬空中散布やゴルフ場乱開発、残土・産廃処分場建設、八ツ場ダム建設など各種市民運動にかかわる中でいつも適切なアドヴァイスをいただいてきた。

 森林法といっても、これまで残土・産廃処分場建設で林地開発について少し耳にしているくらいで、国有林からの山砂採取がどのような根拠や手続きで行われるか無知に等しく、久しぶりに「勉強した!」気分。すぐ忘れてしまいそうなのが怖いけれど・・・。でも、「森林土壌の生成は1年1ミリ、千年で1メートル。山砂採取事業について(株)ちばぎん総研の調査報告書は『一時的には自然の生態系を壊す』というが、相当長い間影響を与え、復原は不可能」という言葉はしっかり記憶にインプットされた。

 今朝の朝日新聞に、昨日鎌ヶ谷市にある国史跡「捕込(とっこめ)」に近い公園で馬にちなんだ「とっこめ桜まつり」があったという。鎌ヶ谷周辺は江戸時代小金牧と呼ばれ、野生馬の放牧場が広がっていた。

 成田市でも牧の歴史と文化を残す南三里塚五十石捕込の遺構を何と残せないものか折にふれて考えてきたので、「とっこめ桜まつり」に胸が躍った。

 実は、佐倉七牧の一つ取香牧があった成田市にも、2つの捕込があった。「古込(ふるごめ)」と呼ばれたところは成田空港となり、今は地名のみ残っているが、「新込(しんごめ)」は県道松尾線沿いの林の中にひっそりと昔の姿を残している。捕込跡としては完全なかたちで、私は議員になってすぐ長谷川市長に①調査②史跡として保存することを要望した。長谷川市長はゴム長靴をはいて現地を訪れ、私有地だったので購入も考えて交渉してくれたのだが、地主は捕込の価値は認識しているものの、事情があって実現しなかった。その後小川市長の時に予算がついて調査が行われ記録として残されたものの、史跡保存にはいたっていない。 

 「捕込」は、放牧された野生馬の中から主に運輸・交通などに使う3歳馬を選ぶために馬を追い込み、仕分けする場所のことをいう。高い土手を築き、中は4つくらいの部屋?に区切られている。馬追いの時は近在の農民が駆り出され、また捕込の土手の上はお酒やご馳走持参の見物客でにぎわったらしい。調査では飲食に使用した器などが出土している。屋台も出たとか。娯楽の少ない当時は一大イベントだったわけだ。





20094月4日(土)

 知事選終了後初めての鬼泪山(国有林)連絡会の集まりで市原へ。これからの運動について様々な角度から話し合う。新知事となる森田氏は連絡会のアンケートで鬼泪山国有林の山砂採取には「反対である」に○をして理由を述べている。曰く、「採取事業の再開による国有林の破壊や地域住民の水源汚染、大量の土砂流出による海洋汚染と漁業への影響、その他、マザー牧場に隣接する景観破壊が観光資源の喪失、産業廃棄物の不法投棄など、無視できない問題を含んでいる。」知事になってもこの認識に変化はないか、よりきめ細かな対応が必要になった。

 終了後交流会。10時過ぎ千葉発の成田線に乗ると・・・やっぱり若い女性で賑わっている。休日を楽しんだ娘たちがシンデレラタイムに間に合うよう帰る時間帯なのだろう。

 自民党支部長なのに「完全無所属」と言って県民をだました森田氏について、今度は政治資金規正法違反の疑いが新聞報道され始めた。今日の交流会で誰かが「モレモレ森田だね」と言っていたけれど、今後の展開が注目される。市民グループも公職選挙法235条違反と政治資金規正法違反で告訴する準備を始めた。

 政府・防衛省・マスコミが大騒ぎしている北朝鮮の「人工衛星」だが、今日は発射されなかったらしい。





□2009年4月3日(金)

 11日に残土・産廃問題ネットワークちばが行う市内産業廃棄物処分場見学会の準備。この間業者との交渉を引き受けてくれている環境対策課のカウンター前に段ボール箱が山と積まれていたので聞くと、2階から4階に移動するという。組織改革の結果同じ2階フロアのエレベーター寄りに「健康こども部」が置かれるらしい。環境対策課は私の議員活動の中で比較的多く出向くところで、20年近く馴染んだ場所。

 午後、図書館に本を返しにいったついでに幾冊かの月刊誌に目を通す。空調が完備し、座り心地の良いイスに座ってゆったりと読書できる時間はとても貴重。その月刊誌だが『論座』の廃刊に続き、『諸君』も廃刊。百家争鳴的な議論噴出が好きな私にとっては淋しい。でも高校時代からずっと、揺れ動く自分の考えを確かめる時に参考にしてきた岩波の『世界』がある限り、嘆くまい。

 最近は科学雑誌も充実していて、いつも胸がときめく。今日は~進化する進化論~特集が掲載された日経サイエンス4月号とクロード・レヴィ=ストロース生誕100年を特集した『思想』0812月号を借りる。




□■□2009年4月2日(木)

 20年度政務調査費の収支報告書を提出。

 桜が咲き始めて、あたりの景色がやわらかな春色に染まり始めた。この季節にいつも思いだすのは『源氏物語』の一節。光源氏の息子夕霧が一瞬遠く垣間見た義母紫の上を「春のあけぼのの霞のあいだから、咲き乱れた樺桜を見るようだ」と思うくだり。古今東西、いろいろ女性を表現する言葉に接したけれど、これほど心を惹きつける言葉を私は知らない。

 5月21日ともいわれる裁判員制度のスタートを目前にして、国会議員による「裁判員制度を問い直す議員の会」が発足したという。いまからでも遅くない、おおいに問い直してくれと言う気持ち。

 裁判員制度とは・・・●指名されたら辞退ができない!(指名されたら辞退できない!(断れるのは法令で定められた特別に場合だけ。「人を裁きたくない」では辞退できない)●プライバシーは丸裸にされる!裁判員候補者の選任手続きでは身上や思想に関わる質問を受け、正直に答えないと処罰される●死刑判決も多数決で出てしまう!陪審とは全く違う。無罪を主張して通らなかった裁判員も死刑判決を出した一員となる●評議の中身をもらせば処罰!(生涯にわたって秘密を守る義務が課せられる。夫婦の間でも秘密を洩らせば最高懲役6ヵ月。●被告人は一切拒絶できない!被告人は裁判員の参加を絶対に断れず、「時代の気分」による袋叩きの危険にさらされる●裁判は処罰のための儀式の場になる!3日間で事件の5割が、5日間以内に9割が判決を言い渡される。裁判員不在の密室で主張や証拠を整理させ、裁判員はただの「お飾り」(裁判員制度はいらない!大運動・事務局パンフより)

 陪審制度とは全く違うこの裁判員制度、国民が処罰権を行使する立場に立つことはありえないので、利用されるだけ。「通知」がきた人の7~8割が「出たくない」と言えば制度は成り立たないという。悩んでいる人は℡033348-5162FAX0333485153(大運動事務局)新都心法律事務所へ。






□2009年4月1日(水)

 「歴史と今を語りあう女性の会」の会員福井有紀さんが、『泉水記』『カウチポテト』に続く第三歌集を出版した。題して『団塊の世代』(324首)。ご本人はたおやかな風情の方だが、選ばれた言葉の奥底に熱い息吹を感じる。

・ぐるぐると接客用語に巻かれたる繭玉として人生の賭け

・自主性にルージュ変へゐてフレーズは「アジアの未来」と喚起しており

・不可価値をかくも愛しみ火曜日はまるく独自なジョークが似合ふ

経済協力開発機構(OECD)の予測によれば、日本の09年実質経済成長率はマイナス6.6%。米国マイナス4.0%、ユーロ圏マイナス4.1%を大きく下回るという。米国への輸出激減で内需もフリーズ状態。輸出依存型の「好景気」の実態を目の当たりにした半年間だった。

 09年の世界経済成長率も前年比マイナス1.7%で戦後初のマイナス成長、世界貿易も過去80年で最大の下落(6%減)になりそうだという。

 こんなにマイナスのオンパレードでは将来にプレッシャーを感じる人も多いだろう。でも、成長神話にこだわらずもう一度身の丈に合った暮らしを考える時かもしれない。私などはバブルで浮かれた時代の雰囲気にはどうしても馴染めず居心地が悪かったが、こういう時代になってやっと落ち着いた気分でいられるようになった。





□2009年3月31日(火)

 今日は塗装屋さんが入ったので大掃除。肺に沁み込んだ塗料の匂いを消すために空気の良い場所にドライブ。道中こぶしの花が眩しい。そういえば南三里塚には天に向かって伸びたこぶしの巨木があって、見る者をして一瞬、取香牧や御料牧場が広がる昔日の三里塚(旧遠山村)に引き戻すかのようだ。惚れ惚れとする、実に見事な立ち姿。

 ニュータウン中央通りのユリノキも枝先の芽がふくらんできた。もう私の頭の中ではユリノキの花が咲いた情景が描かれているのだが、咲くまでは気もそぞろ。これまで秋になると花芽となる枝はおろか手足をもぐように全ての枝が伐採され、植樹してから一度も花をつけられなかったユリノキ。成田市は去年の秋にやっと枝の伐採を止めた(それと、郵便局通りのニセアカシアも)。やっと当時の担当課I課長が「花の咲く木には花を咲かせましょう」と言ってくれた時は感動した!今年の私は桜もユリノキもニセアカシアも、だ。

 それに比べて昨日はユーウツな一日だった。29日の知事選は森田健作(本名・鈴木栄治)氏が自民党の県議や市議などの応援を背景に無所属で立候補し、「完全無所属」というふれこみで圧勝した。周囲に自民党がウヨウヨいても、否、いるからこそ区別化するための「完全無所属」「純粋無所属」という県民を欺く言葉を叫び続けた。その結果、「政党と関係なさそうだから入れました」とインタビューに答える人がいたように、無党派層の支持も43%と圧倒的だった。

 ところがどっこい、実は自由民主党東京都衆議員選挙区第二支部の代表(支部長)であることがバレてしまった。当選するために偽装して「完全」無所属を名乗り、政治的・思想的素性を隠して無党派県民を騙したわけだ。

 ・・・しかし、マスコミも事前にわかっていて選挙が終わってから「どういうことですか?」などと間抜けな質問をするのもおかしな話。公職選挙法の選挙妨害を避けたのかもしれないが、有権者の知る権利からすれば森田とどっこいどっこいではないか。

 マスコミはさておき、こういう人は知事になってからも自分に都合の悪いことは隠したりウソをついたりするかもしれない。先が思いやられるというものだ。この際「人を思いやる気持ち」「心の教育」は言わない方がいい。ちゃんちゃらおかしい。まぁ、そういう人ほど自分を棚に上げて子どもたちに道徳だの公共の精神だのを要求する傾向にある。身近にもいる「よく言うよ」ってタイプ。 

 おだてればそのまんま東や橋下両知事に負けじとばかりパフォーマンスで千葉を「売り込み」そうだが、県民の目線にはほど遠いところでゲンキ!ゲンキ!と「日の丸」ハチマキで扇を振る姿を想像してしまう。なんだか嫌な夢を見た気分・・・いや、これが千葉県の現実なのだ。私がいま一番懸念しているのは教育の右傾化。要するに、わが身のいかがわしさ、無責任さ、歴史認識の浅薄さを隠すために権力をカサにきて子どもたちに犠牲を強いる道徳教育・世界から物笑いの歴史教育を押してつけること。





□2009年3月28日(土)

 今日は心と体がバラバラになりそうなくらい疲れた。ポカリ○○○○に皮ごと丸しぼりシークヮーサージュースを混ぜて一息ついた。「ぬちぐすい(命薬)」という沖縄語(ユネスコ発表では独自の言語)は、体や心を元気にしてくれる食物や物事を指す言葉だという。

 産直野菜もまさにぬちぐすい。昨夜は遅く帰ったので玄関に出しっぱなしだった産直野菜を茹でたり下ごしらえしたり・・・。露地から収穫してすぐ届くので土がついたまま。洗い落すのが面倒という人もいるが、私にはそれがあたりまえなので苦にはならない。にんじんを洗っていると良い香りがしてきて思わず鼻を近づけて嗅いだり、春の日差しの中で元気に育ったほうれん草を見ただけでポパイの気分になったり、産直野菜は食べる以外の楽しみもあるから嬉しい。

 鈴木加代子さんの「農家だより」では、トラクターの後ろを追いかけるたくさんのセキレイや、百舌も混じって餌の虫を探す様子や、姿は見えないけれどコゲラが木をつつくリズミカルな音、ウグイスが鳴く練習を始めたことなど、野菜が育つ自然環境の醍醐味も味わうことができる。

 佐渡で自然放鳥されて生存していた8羽のトキのうち3羽が本州に渡ったのは以前話題になったが、さらに1羽が渡って餌を探しているのが確認され、結局佐渡と本州半々に分かれたようだ。興味深いのは、本州に渡った4羽すべてメスで、残ったのはすべてオスという事実。何故メスだけが・・・というホントウのところはわからないようだが、一般的にはメスが新しい環境を求めて渡ったのではないかということ。その理由はシンプルで、子を産み育てるメスにとってはより適した環境を求めて行動する生存本能があるからではないかという。

 これはすべての生き物に共通すると思う。もともと種の保存の選択権はメスにあるのだ。人類も本質的にはそうなのだが、文明の発展とともにそうでなくなった理由を考えると疲れるので今日のところはこれ以上追及しない。





□2009年3月27日(金)

 県選管に後援会の収支報告を提出。会計Iさんの印鑑を預かって行ったが訂正個所もなく済んだ。その後県知事候補吉田たいらさんの事務所に寄り、6時過ぎまで電話かけのボランティア。広い事務所でやっと空いた席をみつけて座ると、隣は元県議のIさん。久しぶりに会う。私だけでなく、県内各地からボランティアで駆け付けた人それぞれに懐かしい再会もあるようで、Iさん曰く「同窓会みたいね」。

 昨日市役所に行く途中のこと。R51から京成成田駅東口ロータリーに入る停止線のところで止まると、右手の芝生から出ている高さ50センチメートル、直径20㎝くらいの管2本が目にとまった。よく通るがこれまで気にも留めなかった。たまたまその1本から蒸気のようなものが出ていて、下の芝が枯れていた。そもそも地上に首を出したアレはなんだ?

 とりあえず管財課に聞くと、ナニかはわからないがあの場所は東口再開発の時に再開発課が関わっていて、今は道路維持課の管轄らしい。

 今日、当時再開発に関わっていた技官・再開発課長から電話があり、東口再開発の際に地域集中冷暖房計画で設置した供給会社の地下プラントの一部で、たまに地上に蒸気を抜いているようだ。東口に建設されるビルに蒸気と冷水による冷暖房を供給する計画だったらしい。しかし、エネルギー源がガスで石油より少し割高とか。その後東口に建ったビルのうち2つしか加入していないとういう。CO2削減という点では、はるかにクリーン・エネルギーなのだが。





□2009年3月26日(木)

 「歴史と今を語り合う女性の会」例会。新しい参加者3名を迎えて教育・福祉などで盛り上がる。女性はもっと自分たちにとって住みよいまちづくりに声をあげていってほしい。私は、女性が安心して子どもを産み育てることができる社会こそ誰もが安心して暮らせる社会だと思っているので、女性の声を着実に政治に反映させていきたいと願う。将来「母権社会」を復活しようなどというのではなく、人類社会もここまできたら半分は女が権力を持つべきだ。だから、女性は自分たちが気持よく暮らせる社会にするために、政治を変えていかなければいけない。

 県知事選には、男女共同参画バックラッシュ組の「無所属」候補がいるが、アナクロニズムも甚だしい。「俺は男だ!」なんて粋がっている場合か。「ナントカ日本一」などというパラノイア的政策ではなく、もっと千葉の暮らしに根ざした政策を聞かせてほしいものだ。女たちよ、カッコ付き男に騙されるな。

 以前、たった一日のミスコンのために800万円余の税金をつぎ込むことに反対し中止に追い込んだ時、市の幹部から「何か(男に)恨みでもあるの?」と言われた。その発言自体セクハラなのだが、十数年前にはまだ「セクハラ」という言葉は一般的に知られていなかった。別に個人的には男に恨みはない。要するに未婚女性の品評会に税金を使うな、ということ。

 NOPACMLによれば、北朝鮮の「人工衛星」発射に対し、クリントン国務長官が合衆国は「迎撃しない」と発表したという。米国のオバマ大統領はもともとミサイル防衛(MD)に否定的。ヒラリーの発言はその帰結。NOPAC3実行委代表は「かくして日本だけが『迎撃』で熱くなっているという異常な事態」という。夜TVを観ていたら、すっかりその気になった制服組が日本海のイージスが迎え撃ち、外れたらPAC3で迎撃などと興奮している。それをタレ流すメディアのいやらしさ。男たちに武器を持たせるな!というのが人類数千年の教訓なのに。いまだに男社会とは死んでも死にきれない。




□2009年3月25日(水)


 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、日本が昨年に続いて連覇したという。今朝テレビで初めて見た。原監督が「(功績は)未来永劫」と言うのを聞いて、ふとミスターが現役を退く時「(巨人軍は)永久に不滅です!」と叫んだのを思い出した。「巨人軍」が骨の髄まで染みついた人って結構この種の言葉が好きなのかな?確かに「偉業」ではあるが、それにしても日本全国WBCで熱狂しているかのようなマスコミの報道ぶりだった。

 昨日公設第一秘書の起訴を受けて行われた民主党小沢代表が記者会見。続投を表明した。政権奪取を目の前にして、さぞかし無念だったろう。「剛腕」と恐れられた人の弱さもさらけだした。人間だもの、と思う反面泣くのは家に帰ってからにしてほしいとも思う。「うそ泣き」という国民はいないだろうが、興ざめした国民は多かったのではないか。

 「お詫びから始める選挙では勝てない」と小宮山洋子さんが辞職を求めていたことに同感。民主党がどうであれ政権交代が必要だと思う私みたいな外野席の人間でも、民主党候補が選挙に専念できるよう身の振り方を考えてほしいと思う。

 国際人権NPOアムネスティ日本支部の物品販売で買ったブナの芽エキス(ガチュリン)で作った美容液。子どもも男性も使えるスグレモノ。とっても肌に合ったので追加注文したのが届いた。・・・ブナの木は150年も生きる永遠の若木・・・こうした宣伝につられて買ったが、ガチュリン効果はさておきカモミールの香りが気分をリラックスさせてくれる。夏は自分でカモミールの花を煮出した保湿液を作って使ってきたが、美容液にまではチャレンジできなかった。





□2009年3月24日(火)

 情報公開の手続きで県庁へ。関連する担当課でいろいろ聴きとり。帰りに県庁近くにある知事選候補吉田たいらさんの選挙事務所に寄る。6年くらい前、私のパソコンがウイルスで汚染された時に助けに来てくれたMくんが忘れていったコウモリ傘をついに返す!

 6年の間には何度か市民集会で顔を合わせる機会があったし、共通して付き合いのある市民ネットワーク千葉県の事務所に預けておいてもよかったのだが、いつも「あら!忘れた」と、私のせいで返せなかった。車のトランクに閉じ込められていた傘はやっと持ち主に返されてメデタシ、メデタシ。Mくんは千葉大大学院生で、現在吉田たいら選挙事務所の常駐?ボタンティア。広い選挙事務所だが、彼のような若者からシルバーまでたくさんのボランティアで満杯、熱気を帯びていた。

 夜、NT赤坂地区振興検討協議会。すでに議会への説明で市は企業庁所有の約2ヘクタールの土地のうち1ヘクタールを購入する交渉に入り、図書館・中央公民館(1.9ヘクタール)の建て替えまでは両施設の駐車場として一体的に利用するという説明を行っている。

 そこで今日は残り1ヘクタールにどのような施設の進出を望むかについて話す予定だったのだが、どうも・・・企業庁は2ヘクタール購入を望んでいるようで、市も売買交渉の中では残り1ヘクタール購入に「含み」を残しているような話も。まだ1ヘクタール購入も交渉が成立したわけではないのでそういうこともあるのかと思うが、なんとも先が読めなくなった。

 北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」に対し、日本政府は慌てふためいているようだ。誰かが「黒船襲来のようだ」と言っていた。混乱ぶりの極め付けはこれ。なんと日本上空を通過する「人工衛星」からブースターなどが落下した場合に備えてミサイル防衛(MD)による迎撃用PAC3を秋田・岩手の2ヵ所に配備するという。

 それに対し、「政府筋」には「当たるわけがない」という発言があるらしい。「実験で今から撃ちますよと言って、ぴゅーっと来るから当たるんで、いきなり撃たれたら当たらない」と言ったとか。全く正しい、その通り。

 ただ、もしも、もしも上空で当たったら(命中したら)、地上の人たちには頭上から破片がバラバラと落ちてくる。下に住む人たちにしてみれば当たらないことを願うばかりだ。放っておけば海に落ちるのだから。MDは役に立たないばかりか国民を不安に陥れ、莫大な税金の無駄遣い。





□2009年3月23日(月)

 朝、成田空港で貨物機が着陸に失敗し、バウンドして横転炎上、操縦していた乗員(2名)が亡くなった。死者が出る事故は開港以来初めてという。防災メールや市からのFAXでも経過の知らせがあったが、お昼のTVニュースで映像を見て初めて惨事を目の当たりにした。事故機の直前に着陸した旅客機のパイロットからは風が巻く「ウインドシア」に注意するよう報告されていたようだ。

 以前、航空安全会議のメンバーで元パイロットFさんの空港周辺調査に同行した時、「2~3月に吹く強い西風は北総台地上空の気流を複雑で不安定にする」という話を聞いたことがある。それから、接地の瞬間に炎上したことについても積み荷が何か関心が持たれているようだ。いずれにしてもまだこの事故の原因は不明。

 「春分の日」も過ぎ、いよいよ春本番。花の便りも聞かれるようになった。周囲の桜の蕾も開花の瞬間を待つばかり。慌ただしい毎日だけれど、ふと気が付いたら冬の終りから春にかけて時々「発症」していた不整脈が、今年はない。6年くらい前から自覚するようになり、心臓のエコー検査やホルターをつけて24時間心電図をとったこともあるが、別に病気ということではないらしい。それで、ドクターもそう言っていたので更年期のせいにしていたけれど、今年は全く自覚がないことに気付いた。まぁ、嬉しいことだ。

 今日の朝日科学欄に興味深い記事。本来は成人T細胞白血病(ATL)を起こすウイルスの研究のために研究者が集めたモンゴロイド系少数民族3500人分の血液試料(岡田・田島コレクションと呼ばれる)が、「近い将来人類史の謎を解く貴重な手がかりになると期待されている」という。

 約20万年前に東アフリカに誕生したといわれる現生人類(ホモ・サピエンス)がどのようにして世界中に広がっていったのか・・・遺伝子を解析することでその謎が解ける日は近いかもしれない。

 思い出したのはNHKがかつて放送した「日本人はるかな旅」。国立遺伝学研究所に保管されているDNAデータバンクで縄文人29体のDNAを調べたら、そのうち17人がシベリア先住民のブリアート人と同じだったという。ほかは朝鮮半島、台湾、タイの人と同じ遺伝子が各1人ずつといった具合。

 氷河期、対馬海峡は川のように細く、瀬戸内海は干上がり、東京は平原、北海道はサハリンを介して大陸とつながっていた頃、いま日本列島と呼ばれる地にはアジア各地から人々がやってきた。私たちはその末裔というわけだ。





□2009年3月20日(土)

 14年前の今日、日本社会を震かんさせたカルト集団オウム真理教による地下鉄サリン事件が起こった。12人が死亡、5千人以上が負傷した。いまだ被害者や家族の心身の傷は癒えず、救済法も昨年成立したばかり。

 1月には阪神淡路大震災が発生したが、事件を契機にマスコミは「オウム」を追いかけ、テレビを中心にオウム情報を垂れ流し続けた。一見すべてをむき出しにしたような報道合戦の中で、しかし、地震とともにオウムは社会全体に重苦しい影を落として行った。天災と人災の違いはあるが、いつ自分が被害者になるかわからない不安。日本人があたりまえのように思っていた「安全神話」が崩れたのだ。

 40年くらい前ベストセラーになった『日本人とユダヤ人』(イザヤ・ベンダサン=山本七平著)という本の中で、「日本人は水と安全はタダだと思っている」という言葉があってとても興味深かったのを憶えている。日本人は鍵をかけずに暮らしていて、夏などは家じゅう開け放ち、夜寝ているのが道路から見える、日本には「金を湯水のように使う」という言葉があるが、砂漠の民にとってが湯水は金のように使えない、ユダヤ人にとって水と安全はとてもコストがかかるものだといった意味の指摘は新鮮だった。

 でも、いまや日本もペットボトルの飲料水売り上げは右肩上がりだし、安全な暮らしのために個人も地域も自治体も相当な注意を払うようになった。まったく、隔世の感あり、だ。 





□2009年3月19日(木)


 情報公開条例を使って請求していた資料が今日開示された。新清掃工場関連で、昨年10月1日付の市長よりガス化溶融炉シャフト式メーカー4社への協力要請書類一式。コピー代で2090円。

 現在の政治に「大いに不満」60%。「やや不満」31%。「日本の将来像を示していない」91%、「民意を全く反映していない」35%、「あまり反映していない」52%。そして85%の人が医療・福祉への予算配分を増やすことを願っている。また、今の所得格差を62%が「行き過ぎ」と考えている。

 2月~3月中旬に実施した朝日新聞全国世論調査の結果。政治に対する国民の評価は惨憺たるものだ。政治の責任はきちんと追及しなければならない。同時に、そういう政府、政治家を選んだ自覚を持つことを願う。よく言うではないか、政府は国民の政治意識のレベルを反映したものだと。政治を変えるには国民も変わらなければならない。それが民主主義の政治制度。いいかげんに「おまかせ民主主義」とサヨナラしければ、ますます泥沼政治にはまり込むだけだ。

 元祖市民革命のフランスでは「反資本主義新党」(NPA)のスポークスマンが注目を集めているという。「2月にイデオロギー色を薄めて出直した新党の顔」で、オリビエ・ブザンスノさんという34歳の郵便局員。02年、07年の大統領選挙では「革命的共産主義者同盟」(LCR)の大統領候補として得票率4%台を獲得し、07年には12人の候補中5位と、大健闘したそうだ。最近のフィガロ紙の世論調査では、サルコジ大統領のライバルとして最も適した人物として23%の支持で第1位だったとか。既成左翼政党に満足しない労働者や若者たちの声を代弁しているようだ。彼が支持される理由に「国民との距離が近く、ことばが心に直接響く」と、ルモンド記者の解説。

 朝日新聞の世論調査でも、政治家の「資質」として、「専門家の考え」(27%)よりも、「国民の1人としての感覚」(63%)を求めている。その思いを選挙でどう示すかが問われているといえるだろう。政治は暮らし。まず、生活感覚のない政治家には退いてもらおうじゃないの。





□2009年3月18日(水)

 2月20日から始まった3月定例会が終わった。すべての議案が執行部の提案どおりに可決。私は、議案10号成田市任期付職員の採用に関する条例制定と、同50号平成21年度成田市一般会計予算に反対し、討論を行った。全文はホームページの「議会レポート」参照。3月で定年退職する幹部職員15名が最後に紹介された。

 後で聞いた話だが、総務部長で退職する浅野さんによれば彼が初めて就職した年の成田市一般会計予算は8億円だったそうだ。21年度は569億円。人口125000人で割ると一人当たり455200円。佐倉市の2倍強。市民の満足度はどうだろう。公正・公平・無駄に使われていないか、そうした視点でこれからもチェックしていくのが議会の仕事。 

 多古町桜宮自然公園で稲の不耕起栽培をしている鳥井報恩さんからMLに写真付きで嬉しい便り。今朝、カワセミの撮影に成功したという!

 「去年の秋から公園の池の周辺でカワセミが盛んに餌を捕る行動が観察された」そうだ。写真撮影にチャレンジするもなかなかピントが合わず、今朝、何とか撮れたのでMLに流してくれたらしい。素晴らしい!

 カワセミが初めて私の記憶に登場したのは幼い頃。父の自転車に乗せられて栗山川の堤防を通りかかった時のことだ。河川敷のヨシ原にある水たまりの上をスッと青いものが横切った。それまで見たことのない青い色で、子ども心になんと美しい鳥だろうと息をのんだものだ。父が名前を教えてくれた。当時知っていた鳥はスズメやカラス、タカ、それと白サギくらい。白サギの大群が田んぼに舞い降りる姿もうっとりしながら見とれていたが、カワセミの青はショックだった。 近々お彼岸で多古町の実家に行くので、桜宮に寄ってみようっと!

    PHOTO BY TORII






□2009年3月17日(火)

 午前中は橋賀台小学校の卒業式。心身の成長著しい卒業生と、在校生の一番前に座っている1年生の姿を見比べて6年間という子どもの年月を思う。保護者も感慨ひとしおだろう。

 ところで、自分の子ども時代と比較のしようがないけれど、卒業生の歌を聴いていて、曲はともかく歌詞がなんだか難しそう。「蕾」というのと「栄光の架橋」という2曲。でも、子どもたちは心をこめてとても上手に歌っていた。小学生には・・・と思ったのは老婆心かもしれない。こんなことをあれこれ考えるようになるなんてトシだなぁ。

 思い返せば、「蛍の光」や「仰げば尊し」だって、小学校の卒業式では文語調の歌詞をよく理解でないまま何となくそんな気分で歌っていたものだ。卒業セレモニーだから、少し背伸びした歌がふさわしいのかもしれない。

 午後、全員協議会。追加議案2件(20年度補正)と報告事項3件。追加議案は定額給付金と子育て応援特別手当及びプレミアム券。

 報告事項の中では公津の杜複合施設の修正案が出された。以前の計画では蔵書4万冊だった図書館が8万冊に増えたことは良かった。公津の杜とその周辺の開発状況をみていると、10万冊くらいの図書館があってもいいのではないか。当初計画の時に希望したのだが、350席規模の小ホールがメインだったので4万冊で収められていた。市民にとって期待度が高い施設。PFI方式から公設方式になったことも、納得。

 全員協議会終了後新清掃工場整備特別委員会協議会。市長に提出する委員会としての「(仮称)提案書」は「とりまとめ事項」という名称になり、内容の確認その他。





□2009年3月16日(月)

 東京高裁809号法廷を傍聴。控訴原告千葉県、同被告旭市の住民。海上地区で建設計画中の管理型産業廃棄物最終処分場の差し止めをめぐり、1審では住民が勝訴したものの、千葉県が不服として始まった控訴審も今日結審を迎えた。

 飯岡大地の水ガメの上に建設されようとしている処分場。法廷に入りきれない傍聴人が詰めかける中で、原告2名による意見陳述が行われた。1審千葉地裁勝訴の一翼を担った地質学の坂巻先生が「生活に根ざした感動的な陳述だった」と感想を述べていたが、それは傍聴者全員に共通するものだったといえる。地元からかけつけた処分場近くの松ヶ谷地区に住む農家の女性たちもハンカチで目頭を押さえていた。

 約3ヵ月間という宇宙滞在に挑戦する若田光一さんを乗せて、スペースシャトル・ディスカバリーが打ち上げられた。若田さんは高度400キロの空間にある国際宇宙ステーション(ISS)内で米ロの乗組員とISSの保守作業を行うと同時に、ISS内にある日本の有人宇宙施設「きぼう」内での様々な実験を通して無重力状態が人体にどのような影響を与えるか、自ら「モルモット」になるというようなことを述べていた。

 そうした自己犠牲的かつ勇気ある人々がいて人類は未知の世界を切り拓いてきたのだと、改めて敬意を抱く。ただ、アフリカを出たホモ・サピエンスのご先祖様が地球の隅々にまで広がっていったのと、地球から飛び出して宇宙に向かうのとでは本質的に異なるだろうな、という思いはある。

 人類は地球環境の中で育まれた生物なのだから、それを超えた世界で生きるようにできていないということ。宇宙空間だろうと、月だろうと、地球環境を整えなければ生きられない宿命を克服することは、できない。

 でも、それでは夢も希望も進歩もないので、せめて地球に人類が生存しているうちに火星くらいまでは到達してほしいな。私が人類に期待するのはそこまでで、とてもレイ・ブラッドベリの『火星年代記』の世界ではない。それから先はSF小説の世界でお楽しみというわけだ。嬉しいことに想像力は銀河をかけめぐる、どころか銀河はるかに飛び出せるし、宇宙創世の神秘を見届けることができるもんね!





□2009年3月15日(日)

 昨日の朝日県版をみて、市民も「医師不足」が身近な病院にも迫っているのを実感したことだろう。成田日赤は夜間・休日など時間外の受診については、まず初期急病診療所(成田市急病診療所(小児科・内科・外科 ℡271116)の利用を求め、その上で、医師の紹介状なく受診する場合は診療費に時間外療養費として5250円(税込)の負担を求めることになった。また、内科が初診完全紹介制となり、紹介状がなく受診を希望する場合も5250円(税込。これまでは3000円)の負担となる。紹介患者優先は従来通り。いずれも4月1日から。

 この件は2月末に成田日赤の院長が市議会全員協議会で説明した。医師の確保には苦労しているようだ。特に内科がピンチらしい。それがまた医師を過重労働にさせる。医師不足といっても、目下のところ勤務医の過酷な労働環境を避けて開業する医師が増えているので正確には勤務医不足ということのようだ。

 同じく、以前1年8ヵ月住んだことがある鳥取県の鳥取大学医学部付属病院の救命救急センターでも教授を含む全救急医4名が「抗議の辞職」をしたという。辞めた教授の話では「肉体的にも精神的にも限界。救急医療に熱意をもった学生がいても、厳しい労働環境と貧弱な設備を知ると進路を変えてしまう。問題は鳥取大学だけの話ではない、一つの大学や病院だけではどうにもならない。国は現場の実情を知ってほしい」という。

 04年から始まった新医師研修制度で研修医が研修先を選べるようになり、設備が整った都市部に集まるようになったことも原因しているらしい。

 幼なじみの勤務医くんも悲鳴のようなメールを送ってくることがある。胃潰瘍をかかえているらしいから相当なストレスなのだろう。国の医療制度、政策が患者も医者も追い詰めている現実に胸が痛くなる。





□2009年3月14日(土)

 昨日の新清掃工場整備特別委員会を報じる今朝の新聞報道の中で、成田市は「入札参加条件見直しの可能性を示唆」したという。また、「入札が見込まれる3社について、市独自に、技術面や経営面での安全・安心を検証してから入札手続きを再開したい」(いずれも朝日新聞)そうだ。

 「入札参加条件の見直し」については、すでに予算特別委員会で明らかになっている。12月の入札公告では一部事務的ミスで訂正したが、さらにそのままの参加条件では経営審査で結局1社しか残らないことが明らかになったので一般競争の体裁を整えるには見直さざるを得なくなるし、さらに、運転管理費も20年間で計168億円と算出したのが昨年秋ということで、例えば高騰していたコークスの値段が下落していることなどを考慮して積算し直すという。それ以外に、12月4日の指名審査会で50t以上2炉を106トン以上2炉の実績に変更した、そうしたことの変更もありうるのか。

 また、「3社について検証」というなら、これまで「2社でいく」と断言してきた市長の発言は変更前に戻すと理解していいのか。

 いずれにしてもこれまで市長の発言と現実のズレで執行部の発言がコロコロ変わってきたので、どうなることやら。「こんな状態で清掃工場できるのか?」という市民の声もある。

 今日は光ファイバーに接続するための手続きをした。やっとわが団地にも全棟に光ファイバーの設備が導入された。私の工事は4月になるらしい。最近はインターネットへの接続を待つ時間が気になっていたのでよかった。





2009313日(金)

 10時から新清掃工場整備特別委員会の協議会。続いて11時から特別委員会。12月4日指名審査会での不透明な入札参加条件変更から始まった新清掃工場建設をめぐるこの間の委員会審議内容をとりまとめ、特別委員会として市長への「(仮称)提案書」を提出することを確認した。

 提案事項は、およそ次のような趣旨。[①指名審査会で50トン×2炉以上の実績を106トン×2炉以上の実績に変更したが。過去の経緯から機種選定委員会の意見を尊重して指名業者推薦書にあるように50トン日×2炉以上が適切と考える②安心・安全を検証する検討委員会については市長の判断によるものと考えるので、委員会としたは関与しない③入札公告についてはすでに議論は尽くされているので行政の責任において早急に進めるのが望ましい。]

 私は、一般質問で指名審査会規約の一部改正を求めた際に市長が「検討する」と答弁したので特別委員会の意見として提案することを要望した。

 また、自分でも問題の流れを整理する意味で、昨年10月1日に市長名でガス化溶融炉シャフト式製造メーカー4社に協力依頼した要請文書一式を、情報公開条例に基づいて今日開示請求した。

 千葉日報を開くと、オバマ米大統領は11日、ホワイトハウスに「女性・少女会議」を新設する大統領令に署名したという記事が目にとまった。「政府15省の長官など25名の閣僚級メンバーが定期的に会合を開き、男女平等に寄与する政策づくりを話し合う」という。

 オバマ大統領は「大統領令」(命令)を使って次々と自らの政策を実現しつつある。乱用という批判もあるようだが、ブッシュ共和党政権との違いを鮮明に打ち出すには有効な制度。私も、米国のこととはいえ政権交代とはこういうことだという政治の醍醐味を味わっている一人だ。

 先日も、ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)の研究に連邦政府予算を使えるよう大統領令に署名した。キリスト教右派の圧力でブッシュ政権が制限してきたものだ。へぇ、と思ったのは、署名する時は署名式典というのがあって、この時は難病の人や受精卵を使わない万能細胞(iPS細胞)に世界で初めて成功した京大の山中教授も招待されたという。パーキンソン病を患う俳優マイケル・J・フォックスの喜びの声も放送された。

 誰だかが「オバマは政治の伝道師のようだ」と評したことを思い出した。いまのところ彼は多くの国民に希望や勇気をあたえている。





□2009年3月12日(木)

 都立七尾養護学校の元教諭や保護者が自民党都議3人と東京都を提訴した裁判に東京地裁の判決が言い渡された。思わず拍手!

 2003年に都立七尾養護学校の性教育を視察した都議が「常識では考えられない、感覚がマヒしている」などと批判し、それに乗じて都教委が教諭を「厳重注意」処分にしたことに対し、東京地裁は都議らの行為を「教育への『不当な支配』」とし、都教委の処分を「著しく妥当性を欠き、裁量権の乱用」だとして慰謝料を支払うよう命じたもの。

 私も知的障害児をもつ保護者から話を聴いたりして、当初から都議及び都教委の言動に怒りを感じてきた。知的障害のある子どもたちへの性教育は、学校や現場の教員が子どもたちが最も理解しやすいように教材を工夫し、保護者の理解のもとに行われてきたのだ。にもかかわらず、この件はその後国会などでも教材のみをとりあげて「行き過ぎた性教育」批判が行われてきた。

 これは時期を同じくして始まったジェンダーフリー・バッシングと同質で、男女平等社会への流れに抵抗するウルトラ右派政治家たちの極めて悪質なキャンペーン。残念なのは、いま日本にはこうした政治家が権力中枢にウヨウヨいること。

 県知事選にも同類が一人立候補していて、威勢のいいことを言っているんだけど・・・。





□2009年3月11日(水)


 午前中は吾妻中学校の卒業式。もうずいぶん前から最後に全校生で歌われていた式歌「大地讃賞」が、今年は別の歌になっていた。新しい歌もなかなか感動的。難しそうな歌だが本当に、素晴らしい合唱だった。一人ひとりの子どもたちにコングラチュレーション!ところで、私のグランドサンも13日が卒業式。龍ちゃん、おめでと~!

 午後から予算審査最終日。断片的にテレビ傍聴した中での感想だが、なかなか充実した審査だったと思う。議員もずいぶん勉強、調査し、鋭い質問も出た。逆に、執行部がそれに対応できない場面もあった。これまでずっと、執行部にとっての成田市議会は「うちの議会は最後は賛成してくれる本当にいい議会」として、自らの政策立案能力を磨くよりも多数派工作を中心に議会と仲良くしておくことに力を注いできた。そろそろそのツケが回ってきたのではないか。

 議会も、市長「与党」と称して議会多数派が市民の見えないところで活躍?し、公開の場での発言が軽視されてきた。

 しかし開かれた議会を目指していけばそれは通用しない。地方議会の公開が進み、成田でも委員会の傍聴や本会議のインターネット放送が始まった。現在成田ケーブルテレビから委員会の放送を求められているが、いずれそのうち実現するだろう。それには公開に見合った、或いは公開に耐えられる?ように議論の中身を充実させていかざるをえない。議会も行政も変わらずにはいられない。





□2009年3月10日(火)

 午後から予算特別委員会を控え室でテレビ傍聴。教育費の文化政策では思わず内職の手を止めてメモ。

 成田市に「文化政策」があるかといえば「のような政策」しかないということはわかっていたけれど・・・それは、国際文化会館改築のコンセプトにも通じる。コンサルに委託して出来上がったものを市民に提示してパブコメなど市民の意見を聴く前に、市民がどのような文化会館を望んでいるかというところから市民参加の計画づくりを始めるべきだ。

 文化会館は成田市の文化政策を施設として表現する箱モノだ。だからどんな内容の施設にするかイの一番は、市民が求め、市民にとって使い勝手のよいもの。すべてはここから始まるわけで、その他の機能(能楽堂その他)は二の次だと思う。このあたりをはっきりとさせてから基本設計に入るべきだ。

 昨日録画しておいたHV特集の「1919パリ講和会議‐20世紀をつくった6ヵ月」を観た。20世紀は戦争の世紀といわれた。地域限定戦争が広域化し、さらに世界を巻き込んだ第一次大戦は、戦闘員(兵士)よりも一般市民の犠牲を強いる現代の戦争の始まりでもあった。戦後処理のためにパリに集まった戦勝国27ヵ国、帝国主義列強による領土や権益の争奪戦のすさまじさ。レーニンはそれを「強盗」に例えたけれど、手に汗握るドキュメンタリー番組だった。

 このあとは林健太郎さんの『ワイマル共和国』((1963年中公新書)が興味深い。古い文庫本だけど、私にとっては手放せない1冊。

 敗戦国ドイツでは革命が起こってドイツ帝国が倒れ、ワイマル共和国が誕生した。当時世界に例をみない民主的憲法ワイマル憲法を持った共和国も長くは続かなかった。戦勝国はベルサイユ条約でドイツに払いきれないほどの過酷な債務を負わせ、その中からヒトラーのナチスが台頭し政権をとるまでの歴史が当時最新・最良の資料を駆使して書かれている。

 高校時代の師は「世界史はナポレオン以降が面白い」と言っていた。実際の授業は中世で終わってしまったけれど。私は高校で世界史を必修することはとても大切だと思っている。





□2009年3月9日(月)


 予算特別委員会が始まる。ノートパソコンその他を持ち込んで、傍らにノートを置いて気になったところをメモし、内職?をしながら控え室でテレビ傍聴。

 「衛生費」新清掃工場関連の質疑で、4月以降に予定されている入札の際、入札参加業者の経営資格条件(公告では1000点以上)や建設費や維持管理費の積算(現在はトンあたり5000万円、維持管理で20年間168億円。)の見直しがあるだろうということがわかった。

 入札に競争性をもたせるために2社を堅持するには経営資格で1000点に満たないJFEを入れるのに条件を変え、建設費はこの間のシャフト式各社の入札実績や用役費のコークス市場価格の変動などで積算額を下げるということ。

 建設費や維持管理費が今より低く積算されるであろうことは良いとして、最も低い価格で見積もりを出した業者を排除しておいて、2社入札のために経営資格条件を変える・・・入札中止から2ヵ月余りの間にこのあり様では市民としては「何をやっているのだ」といったところ。

 12月4日の入札参加条件の突然の変更、1219日の入札公告の「事務的ミス」、1月5日入札中止の公告、そして再入札にあたっての参加条件の再変更・・・この3ヵ月余りの新清掃工場建設をめぐる紆余曲折(混乱)の責任が市長にあることは誰の目にも明らかではないか。この際、メンツにこだわらず白紙撤回して出直したほうが市民の理解が得られると思う。





□2009年3月8日(日)

 市民人権擁護の会(CCHR)日本支部から7日の朝日新聞と産経新聞に掲載された「抗うつ剤」の危険な副作用が厚生労働省から発表されたという記事についてメールが送られてきた。 厚生労働省は抗うつ薬のパキシル、ジェイゾロフト、デプロメール、ルボックスの4種の抗うつ薬を服用して攻撃性が増すなどの副作用が疑われる例が4年半の間に42件報告があったことがわかったため、調査を開始したという。

 産経新聞には「バイクをけったり、車を殴る」「男子高校生が『このままでは人を殺してしまう。刑務所に入れてくれ』と要望した」などの報告が載っている。最近、「誰でもよかった」といった衝動的な殺人、猟奇的な殺人、或いは発作的な自殺が増えているが、こうした薬物の影響を指摘する声が専門家からも出ている。

 朝日新聞によれば、パキシルの使用患者は2000年販売開始以来推定使用患者が100万人を超えているという。現代病といわれるうつ病患者も増える一方だ。安易な使用に歯止めをかけるためにも、副作用調査は必要だ。

 この問題を政府に働きかけてきた「CCHR」は米国に本部を置き、精神医療とその領域で乱用されてきた向精新薬の危険性に警告を発してきた市民団体。  

 私は5年くらい前からADHDと「診断」された子どもたちへの向精神薬リタリン使用について一般質問などで取り上げてきた。そのきっかけはCCHR日本支部から米国の実例等詳細な資料を提供された時から始まる。 

 リタリンは、一昨年厚生労働省もようやく安易に処方できないような仕組みを作った。しかし、「特別支援教育」の充実ということで、これまでは教育の対象であった子どもたちがさまざまな病名の「障害児」と診断され、特にADHDの子どもには「症状を抑えるためにリタリンは有効」だとされている。リタリンは覚せい剤と同じカテゴリーの向精神薬。欧米の、特に米国の子どもたちの悲劇(薬物依存症や心臓疾患など)を繰り返さないためにも、問題にしていかなければならない。





□2009年3月7日(土)

 昨日は総務常任委員会。来週9日(月)~11日(水)まで予算特別委員会の予定。11日は午後から。成田市09年度の一般会計569億円、特別会計と合わせて7953,705万3千円の予算を審査する。人口約12万5千人の自治体としては全国屈指の予算規模だろう。

 私の感想では、自治体規模からいって果たしてこの巨額予算を公正・公平・無駄のないよう有効に使いこなせるだろうかという不安をいつも感じている。とりわけ大規模事業が軒並みだから相当慎重な財政運営をしないと将来に問題を残す。そういう意味で、総務常任委員会で機構改革関連の議案が提案された、その目玉の一つが「財政部」の設置というあたりに、市長の問題意識もあるのだろう。説明を吟味すると視点が少し異なるが議会がしっかりチェックしていけばよいレベルなので賛成した。

 今日は知事選に立候補している吉田たいらさんの事務所に用事があったのと、ついでに知人とお昼を食べる約束をしたので千葉へ。事務所にはたくさんのボランティアが作業をしていて、広がりを感じる。八ツ場ダムや鬼泪山国有林の山砂採取に反対の姿勢を示すなど、3月1日の事務所開きまでに政策もスッキリしてきたので私も応援することにした。

 夜、BS2で「第81回アカデミー賞授賞式のすべて」を放送していたので2時間30分、最後まで見てしまった。いまや名実ともに世界を代表する女優となったメリル・ストリープが主演女優賞候補(16回ノミネートされ過去に何度かオスカー女優となっている)ということもあって最前列中央に座っている姿は圧巻だった。農婦から王妃まであらゆる役を演じきる彼女は私も大好きな女優。久しぶりにミーハー的にハリウッドのお祭りを楽しんだ。





□2009年3月5日(木)

 総選挙を目前にしてなんだかヘンな雲行きになった。3日、民主党小沢代表の公設第1秘書が違法献金事件で逮捕された。政治資金規正法違反容疑。昨日は小沢氏の記者会見。「何らやましいことはない」として代表辞任を否定し、東京地検特捜部の強制捜査を「不公正な権力行使」として強く批判した。

 時が時だけに強烈な衝撃が走った。国策捜査と疑われても仕方ないほどのタイミングだが、特捜も密かに内偵を進め、動かぬ証拠をつかんだから一気に踏み切ったのではないか。民主党が権力の座に着いたら面倒くさくなるので、今しかない、と思ったのだろうか。このあたりのタイミングについては、前市長逮捕時の千葉県警の動きをふと思い出した。

 政治と金をめぐる田中・竹下・金丸につながる「『田中派的なるもの』VS.検察、最終頂上決戦」(朝日・素粒子)は、とてもわかりやすい。いずれにしても「事件」については今後を見守るしかない。その上で私としては、それでも政権交代!だ。どこかでコメンテーターが言っていたが、「民主党の危機管理能力」(ダメージ・コントロール)に注目したい。そんなわけで昨日は用事で出かけた以外ほぼ一日テレビを見ながらデスクワーク。一所懸命集中すると背中が疲れる。

 今日は啓蟄。このところ寒かったから虫や卵には受難。でも、虫や卵が生き延びて農作物に害を与えないためには冬の寒さが必要。それは無農薬・有機栽培の農家も、農薬に頼る農家も同じだ。大地のこと、農作物のこと、農薬のことを一番知っているのは農家、使わないですめばそれが一番だとみんな思っているのだ。時々農家を訪ねると、「農薬は使ってないよ!」と言って自家用に育てた野菜をお土産にもらう。そんな時は知り合いの都会育ちの環境活動家が「農家は農薬漬けの作物を消費者に食べさせて、自分たちは安全なものを作って食べている」と憤慨していたのを思い出し、可笑しくなる。





□2009年3月3日(火)

 午前中は新清掃工場整備特別委員会。執行部より環境影響評価手続きと都市計画変更手続きについての報告のあと、「『安全・安心』を検証する検討委員会」についての提案説明があった。 それによれば、委員会の構成は市民(新清掃工場機種検討委員会に参加した成田・冨里市民)6人、議員(成田・冨里の議会代表)、専門家は機種について決定しているので加えない(場合によってはオブザーバーとして全国都市清掃会議、千葉県環境研究センターに加わってもらうことも検討の余地あり)、会議は原則公開。検討課題は入札参加条件を「改めて」検討してもらうとのこと。

 執行部からの要請に対し、議会としては「検討委員会」に参加しないことを委員長が伝える。「指名審査会の決定は正しかった、入札は2社でやる」と言うのだから、いまさら何を・・・だ。市民や議会の不信に対するガス抜きか、4月以降に予定される再入札までの間(ま)をもたせるためか、はたまた・・・。

 それにしても、既に役目を終えた機種検討委員会の市民委員や、「代表」と言っても会派振り分けの議員、場合によっては1月に検証を断られた全国都市清掃会議も引っ張り出して屋上屋を重ねようという発想がわからない。 

 ・・・ところが、議会が検討委員会への参加を蹴ったことで「市長が2社を3社に戻すきっかけ(場)がなくなってしまったのではないか」というマスコミの声も。

 「検討委員会」設置にそういう深読みもあったのか・・・と思ったが、いやはやそこまで読んであげなきゃいけないのぉ?

 午後は新駅・基幹交通網整備促進特別委員会を傍聴。

 「ひなまつり」に春の雪。夕暮れ時、障子越しの光の中に浮かび上がるひな人形を眺めるのが好きだった。そのうち小さなぼんぼりの灯りが部屋をあたたかく照らし出す。ひな人形を飾った部屋は時間が静かに、ゆったりと流れていくようで、子育て中は至福のひとときだった。両親が娘の節句に贈ってくれた段飾りだったが、私も十分楽しんだ。その人形もいまは実家の物置にしまいっぱなし。今年こそ、今年こそ思いながら・・・。





□2009年3月2日(月)

 25日から始まった会派代表質問、個人の一般質問が終わった。明日からは委員会が始まる。公開だから一人でも多くの市民に傍聴してもらいたい。

 終了後、新清掃工場整備特別委員会の協議会。明日の委員会に向けた打ち合わせがあった。一般質問で飛び出した「(仮称)安全・安心検証委員会」が話題になった。

 帰ると、某マスコミから電話があって、堂本知事が今日空港南側にある「最大地権者」を訪問したという。

 ふと8年前の2月を思い出した。堂本さん編集の『無党派革命』(2001年6月築地書館刊)にも彼女の「日記」として2月17日のことが記されている。私もこの「日記」でちょっとふれたが、その日10時頃暫定滑走路建設中の現地へ立候補表明直前の堂本さんを案内し、偶然、畑作業から帰るその地権者と遭遇した。30分ちかく立ち話。「戦後、民主主義を教えられたが国がそれを実行しなかった」という地権者に、堂本さんは日記で「35年前に国がきちんと住民の声を聞く社会アセスメントをやっていればこんなことにはならなかっただろうに。高圧的な国家権力は当時も今もあってはならないはず。市民主権の政治が真の民主主義を実現するのだと確信します」と記している。

 しかし、知事となってからの空港問題への対応は、この時の感想とは全く異なるものだった。気持を伝えられる人が知事になったと思った地権者の失望は大きかったのではないか。

 今日の訪問は知事として空港問題への一つのけじめであり、同時に後を吉田たいらさんに託すことを伝える儀式だったのだろう。さすが政治家。





□2009年3月1日(日)

 このところ春が足踏みしているようだ。冬から春に移り変わる時期の天候の変化を、ある国では気難しい「老女」に例えたり、また別の国ではこの時期の生まれは「気まぐれ」だという。日本では「女心と秋の空」といったところかしら。

 でも、いよいよ春3月。今日は父の92歳の誕生日。レイテ島からセブ島に逃れてジャングルで7ヵ月、修羅場を生き延びた強運の人。伯父も今年は92歳になる。9日には我孫子市に住んでいる伯母が89歳の誕生日を迎える。

 先日、電車で成田駅に着いた伯母と一緒に親せきの病気見舞いに行ったが、私まで励まされて心の温まるひとときだった。この頃ふと自分の老後を考えることがある。相当頑固でわがままなババになることだけは確かだろうな。

 朝日の日曜読書欄に『レッドムーン・ショック スプートニクと宇宙時代の始まり』(マシュー・ブレジンスキー著)という新刊書の書評が載っていた。評者は「いかにスプートニク・ショックがその後のアメリカと世界を変えていった重大事件であったか・・・米航空宇宙局(NASA)も、アポロ計画も、すべてはスプートニク・ショックの生んだ子たち」だという。いまや日本でも軍事がらみの「宇宙基本法」などといった法律が作られる時代。宇宙覇権時代の幕開けだったのだろうか。

 でも、私にとってのスプートニクはいまだにロマン。1957年、よく晴れて空気の澄んだ季節だった。夕方ラジオの連続子ども番組を聴いている時、5時40分頃だったかしら、もうじきソ連の人工衛星が南から北の方角に通過するので外に出てみましょう、という放送があった。夕暮れ時の透明な空を見上げていると、当時実家の庭の隅にあったセンダンの大木の上をツー・ツ・ツー・ツと点滅しながら糸のように光が過ぎて行った。そのあと星の輝きが迫って来て、不思議な感動につつまれた。家に入るよう呼ばれるまで空を眺めていたことを憶えている。スプートニクは私にとって宇宙との懸け橋だった。


□2009年2月28日(土)

 ポケット6法(09年版)を買おうと書店にいったら、噂どおりのオバマ本がずらりと並んでいた。就任1ヵ月。26日の朝日オピニオンでは「『最高司令官』として危機対応の立案と実行の全過程に目を配り、ほぼ予期された線に沿って素早くかつ安定的に対策を打ち出している」(古矢旬東大教授)、国際政治学者では「経済がこれだけ下向きになりながらも人々が希望を失わない様子をみて、政治なるものが崇高な職業たり得ることを改めて感じた。」(細谷雄一慶大准教授)といった評価。

 私が一番共感したのは、国連人口基金(UNFPA)東京事務所長の池上清子さん。キリスト教右派に配慮してブッシュ前大統領が02年からストップしていたUNFPAへの拠出の再開を決めたことに関連して、「『国連回帰』は勇気を与える」として「途上国のすみずみで保健活動や教育など、草の根活動に取り組む多くの人たちを勇気づけている」という評価。私も1月23日、彼がそのための大統領令に署名したことを知って胸を熱くした一人。

 そのオバマ大統領が27日、イラクでの戦闘任務を1年半で終了させると発表した。ブッシュ政権がテロとの戦いを口実に始めた侵略戦争、後始末は大変だろう。このダーティーな戦争に使われた戦費は6年間で1兆ドルにふくらんでいるという。しかし、それが米国の経済危機をどう圧迫しようと全く同情の余地はない。米軍は一刻も早くイラクから撤退すべきだ。

 一方で彼は主戦場をイラクからアフガニスタンに移そうとしている。tanakanewsによれば「アフガンは『ソ連の墓場』となっただけでなく、次は『NATOの墓場』となろうとしている」という。このままいけばその先には「米国の墓場」が口を開けているということかしら。増派によってアフガンが「オバマの『ベトナム』」(NYタイムズ)になるかもしれない。歴史から学ぶべきだ。

 冬の寒さの中でも矢車草の青のような花を咲かせてくれていたローズマリーが、いまが満開と思われるくらいの花盛り。摘んだ花を製氷器に散らし、水を張って楽しんだ。ウイスキーのオンザロックローズマリー風とでもいおうかしら。邪道かな?





□2009年2月27日(金)

 このところプライベートなことで気忙しかったのと一般質問の準備が重なって日記を書く気分もヒマもなし。昨日一般質問を終えてひと息付く。

 今日は雪が降った。この冬初めてじゃなかったかしら?今夜の気分は「シロカニペ ランラン ピシカン コンカニペ ランラン ピシカン」~銀の滴 降る降る まわりに 金の滴  降る降る まわりに~(アイヌ神謡集・知里幸恵訳)。

 先週読んだ新聞記事の中に、ユネスコが世界で約2500の言語が消滅の危機にさらされているとの調査結果を発表というのがあった。日本では、アイヌ語が「極めて深刻」、最も危険な状態にある言語と分類されたという。15人しか話せる人がいないらしい。ほかに、八丈島や南西諸島の方言も独立の言語とみなされた。

 学生時代に人類学サークルの後輩たちが実施した八重山でのフィールドワークで、収集した資料を読んでカルチャー・ショックを受けたのを思い出した。まさに異なる言語。その八重山語と与那国語も「重大な危険」にあるらしい。さらにさらに、沖縄語、国頭語、宮古語、奄美語、八丈語が「危険」と分類された。国際的基準では固有の文化をもつこれらの言語を「方言」ではなく独立の言語と扱う。

 ところで、25日から始まった代表質問・一般質問を通して、新清掃工場の入札をめぐる手詰まり事態にちょっとした変化があった。25日の会派代表質問でリベラル成田より「安全・安心を検証する機関でも設置したらどうか」との提案に、担当部長が「検討する」と答弁。待ってましたとばかりに朝日新聞が昨日の朝刊で報道した。それらをもとに一般質問で「検証機関」について聞いたら、まだ白紙でなにも決まっていないようなことをいう。でも、その結論は尊重するとか、なんとなく検討してみたフシもうかがえる。新清掃工場整備特別委員会との関係や、検証機関の性格や役割などについて、3月3日の特別委員会に何らかの報告があるのだろうが、私はそのような機関は必要ないと思う。

 だって、「指名審査会の決定は正しかった、入札公告の訂正は事務的ミスだった、より高いレベルでの安全・安心のために入札は2社でやる」これが市長の言い分。それなら何をいまさら検証するというのだろうか。時間と労力の無駄。この間、「引き続き議会の皆様にご理解得られるように努めたい」とか「いましばらく、理解を得るため・・・」と言っているが、時間をかければ「理解」できるような性格の問題ではない。どうも時間稼ぎをしているフシがある。





□2009年2月21日(土)

 今日の朝日新聞1面に入札関連の記事が載っていて、市区町村の3割が「談合の疑いが極めて強い」といわれる落札率95%以上だという。どちらかといえば一般競争入札を導入しているところは落札率が低めで、導入していないところが高止まりのようだ。市区町村レベルでの一般競争入札導入は6割くらいらしい。

 もともと公共事業の入札は明治時代に制定された会計法で一般競争とすることが定められている。その後例外的に指名競争や随意契約ができるとされたが、いつのまにか指名競争入札が主流になってしまった。そして、これが談合の温床とされるに至った。だから、国も地方も一般競争入札の導入を入札改革の切り札としている。

 一般競争入札は条件を満たす不特定多数の業者が入札に参加することで談合がやりにくくなり、競争が激しいほど落札率は低くなる。それはまた自治体にとって節税効果をもたらす。

 去る1月20日にも入札関連の大きな見出しが躍った。予定価格をめぐる業と官の癒着を防ぐため全国的に定着しつつあった公共工事の予定価格の事前公表だが、事後公表に逆戻りする自治体が増えつつあるという。予定価格公表により最低制限価格も予測しやすくなり、公共事業が減少する中で低価格でも仕事をとろうという業者側の事情があること、その結果手抜き工事をする恐れがあるためという。

 これについて私の知っているある学者は「予定価格の公表などせずに競争させる。低価格の場合はできるかどうかの審査と工事検査を厳格にやることでカバーできる」という。成田市でも指名競争入札中心の頃は予定価格の9899%台で競争が行われ、落札率は高止まりだったが一般競争入札の導入でだいぶ改善された。同時に現在は最低制限価格スレスレの落札もある。これがそのまま手抜き工事につながるというのだろうか。

私の知る限り過去に落札率99.78%でも安普請があった。一方、市の積算が適正なら最低制限価格でも工事は可能であるということだ。そして最低制限価格を割って応札すれば失格となる。手抜きや質の問題はいちがいに価格だけに転嫁できないと思う。何よりもまず、行政が現行制度の中で厳しくチェックしていくことではないか。





□2009年2月20日(金)

 定例市議会が始まった。3月18日(水)まで。議会は年4回の定例会のほかに臨時会があるが、毎月報酬が支払われているのだから月1回くらい開いてもよいのではないか。議会改革の最前線ではこの定例会制の見直しについての議論はあるようだが、みるべき結果はない。

 報酬では福島県矢祭町のように出た時払いの日給制にする自治体もあるし、土・日曜日の開催、夜間議会などを試みるところもある。また、緊急課題への対応で休会中(定例会の期間外)に委員会が開かれることもあるけれど、月1議会となると相手(行政)のあることなので調整が難しいだろう。でも、どこか先進的な自治体で始めてみないかな。

地方自治、住民自治の視点でいくなら、以前直接話を聞いたことがある米国の地方議会のように週1回夜開いてもいいのではないか。夕方から始まり、申し込んでおけば議員でない市民の発言もOK。委員会といっても「市民委員会」スタイルで、テーマごとにいろいろ設置されていて専門家を含む市民が中心になって話し合う。

 民主主義はもともと直接民主主義から始まった。人類社会が発展する中で政治制度として整備される中で便宜上代議制が主流になった。だから自分たちが血と涙と汗で民主主義を勝ち取った国々は、住民投票を含めできるかぎり直接民主主義の手法を活かそうという姿勢が生きている。民主主義の原点を忘れない議会は目からウロコだ。

体外受精した受精卵を取り違えて移植、妊娠したもののミスがわかって妊娠9週目に人工中絶したという記事。女性やその夫の肉体的、精神的苦痛は理解できる。体外受精は06年で約6万6000人だそうだ。誕生する赤ちゃんは1年に約2万人。生殖医療が進歩する中でたぶん、体外受精はこれからも増えるだろう。今回の問題は「被害者」ともいえる女性と夫への同情と今後こういうことのないような安全マニュアルの徹底が話題の中心になるのは当然。ただ、こうした生殖医療の複雑な一面も感じる。アクシデントの陰で、赤の他人のカップルの受精卵とはいえお腹の中でスクスクと育っていた胎児がいた。そのことにも想像力を働かせてほしい。





□2009年2月19日(木)

 成田市の09年度当初予算は567億円(特別会計を合わせると約795億4千万円)。前年度比4%増。法人市民税は約33億2千万円で14<%減収の見込み。成田市の財政基盤を支える固定資産税は約181億6千万円で1%増。

政策の中身は3月議会で審査するが、身内からも「(成田市は)金がダブついている」といわれるような税金の使い方では困る。無駄はないか、公正・公平に使われているか、適正な使い方とは何か、様々な角度から見ていきたい。

今日はメールの「ごみ箱」が削除できなくなってしまい、結局相談3か所目の「高度なご案内」センターの遠隔操作で回復してもらった。しかし・・・向こうで操作しているのを目の前のパソコン画面で見ていると不思議な気分になる。もう、これは私の世界ではないナ。

体調も落ち着いたので議会の準備の合間にお昼は妹と外食。でも、食べる量はいつもより少ない。現代人は栄養過多なので食事は腹8分でなく7分でいいと聞いていたから、本当はこのくらいがいいのかも。ありがたいことに胃腸の存在などいつもはほとんど気にならなかったのだが、今回は胃がシクシク痛み、下痢までした。やっぱり・・・内臓も老化してきていることを自覚。これを機会に胃腸のこともないと。





■□2009年2月18日(水)

昨日は一般質問の打ち合わせ。午後千葉に用事があったのだけれど、熱っぽかったのでそのまま帰宅してダウン。関節が痛み、そのうち胃のあたりも痛んだ。胃が痛むなどというのは記憶にない。もしかして風邪で胃腸をやられたのかも。胃腸にきた風邪は初めて。医者にみてもらうのに出かけるのもつらい。それに、ほかの風邪にうつるのもイヤ。葛根湯と胃腸薬を飲んで寝てしまう。夕方になって、お腹が空いたのでお粥を作ったけれど食べる気力もなく、ショウガ湯に葛を混ぜて飲んで今朝まで約18時間ベッドの中。久しぶりにたっぷり眠ってスッキリさわやか。節々に痛みの名残りはあったけれど熱も下がりずいぶん楽になった。

今日は午前中新清掃工場整備特別委員会の協議会とそのあと特別委員会。執行部の議論はかみあわない。「専門家の検証はもうやらない、入札は4月以降に再開」することになるという。傍聴の人が多かった。

午後は議案説明会。予算関連もあるので議案書はいつもの倍の厚さ。終了後議員団幹事会。

ウォールストリート・ジャーナルに載った中川前財務・金融相がもうろうとした表情で正面をむいたまま手を横に伸ばし、白川日銀総裁の前のグラスを取ろうとしている写真が朝日新聞に転載されていた。漫画チックで思わず笑ってしまった。やっぱりビョーキなんだろう。風邪はたまたまひいていたとして、アル中と腰痛は確かのようだ。それにしても・・・「保守の論客」といわれるが、彼と同類の保守で粋がっている男って意思が弱かったり根性が据っていないのが多い。いや、だから格好つけているのだろう。国家、国家と騒いだり、ジェンダー・バッシングをやる男にはこのタイプが多い。

 ヒラリーが疾風のごとくに日本(といっても滞在したのは東京)を駆け抜けた。米国務長官の最初の訪問先が日本、そして近々セットされた日米首脳会談で麻生首相はオバマ政権誕生後にホワイトハウスを訪問する最初の外国首脳ということで日本政府は気をよくしている。日本を重視している証拠だと、喜んでいる様子をみるとなんとなく白けてしまう。要するに米国が重視しているのは日本のカネと軍事力を引き出すことでしょう。もちろんそれは承知のことと思いたいけれど。それに、あの1年以上に及ぶ過酷な大統領選挙を戦いきったヒラリーと日本の政治家を比べることはやめた方がいい。格が違い過ぎる。





□2009年2月16日(月)

 
 0810月の実質GDPが同年7~9月期と比べ3.3%減、年率で12.7%の減という内閣府の発表。2ケタ減は第一次オイルショックの影響を受けた1974年1月~3月期以来35年ぶりで主要国では最悪とか。輸出の減ったのが影響しているらしい。そう簡単には回復しないのではないかという専門家の声も。

35年前といえば、私は育児で大忙し。国民総生産がどーのこ-のという記憶はないが、娘が生まれた1972年の冬頃から始まったオイルショックはよく憶えている。ティッシュペーパーや洗剤を買うのに数に制限があったり順番を待った時もあった。いつも1個しか買わないのに「おひとり様1個限り」と表示されたり、「予約」も始まった。当時小平市の新興住宅地にあったわが家はプロパンガスで、それも制限されるようになるという噂。乳のみ児を抱えた新米ママとしては、ミルクを温めるのはどうしよう、お風呂はどうしよう等々心配したものだ。

それにしても・・・主要7ヵ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)終了後の記者会見での中川財務相にはぶったまげた。「風邪薬をちょっと多めに飲んだ」なんて、誰が信じると思う?白々しい。「呂律(ろれつ)がまわらず目うつろ」、それは酔っぱらいでしょうが。秘書官や随行員はああいう時には体を張っても人前に出すべきではない。

夕方からまた冷たい北風が吹き始めた。ところで、一昨日は春を通り越して夏日のところもあったらしい。どうりで暖かいというより、暑かったわけだ。三寒四温を繰り返しながら春を迎えるというが、突然の夏日では人間を含む生き物たちも面喰ってしまう。今年は早々と春一番も吹いたし、暖冬だった。・・・ということは農作物に害を与える虫や卵も多く生き延びて農家を困らせるだろう。

昨日はお店のレジのそばに「忘れてごめん、バレンダインデー」と書いたワゴンが置いてあって、売れ残った?チョコレートが並んでいた。微笑ましくもあり、商魂たくましくもあり。実は私も忘れていた。半月くらい前にどこかのお店にチョコレートコーナーができた時にはいよいよ商戦が始まったな、と思ったけれど。最近は忘れることのみ多くて・・・




□2009年2月14日(土)

トヨタ自動車の企業城下町である愛知県豊田市の09年度法人市民税収が、08年度当初予算442億円に対し96%減の16億円に落ち込む見込みだという。16億円というのは1969年度当初予算の水準らしい。

 2年前に総務常任委員会で行政視察した時、豊田を誘致して名前も豊田市に替えたことなど歴史的な経緯も聞いた。景気に左右される法人市民税とはいえ、1年の間にこの落差は大きすぎる。それだけトヨタ自動車の業績悪化が急激だったということだが、これも企業城下町の宿命だ。

話はかわるが豪華な能楽堂を見せてもらって「さすが豊田市」と感心したことを思い出す。成田市も国際文化会館を改築する際には能楽堂もつくりたいようなことを言っていたが、成金趣味に終わらないことを願う。

これまで審議会等市長の諮問機関に議員が委員として参加してきたが、議会改革を検討する中で議会の側から委員を辞退する方向で決着し、これに合わせて、おおむね6月を目途に法律で定められたものや広域を除く審議会等の議員枠が外され、3月、6月議会に条例改正案が提案されることになった。

 私もずいぶん前から審議会等の委員から議員枠を外すように予算要望・政策提案を行ってきた。もともと、議員が審議会等の委員になることは「違法ではないが適当ではない」という行政実例がある。審議会等で諮問される内容はいずれ条例や事業となって議会に提案され、議員が是非を決定する。議員は議会で議論すればよい。審議会に参加することで議会の意思決定のプロセスが歪められるおそれや、委員報酬は報酬の二重取りという問題もある。これでスッキリした。

今日はポカポカ春の陽気。知事選の話や書類の整理で疲れたので気晴らしに夕方ベンジャミンを新しい鉢に移し替えた。24年前に買って以来2年に1度、根が動き始めるこの時期に土を替え、成長に合わせて鉢を替えてきた。





□2009年2月13日(金)

春一番が湿った土の匂いを運んでくれた。胸がときめくようないい匂いだ。今日は3月議会の一般質問締切り。とりあえず6項目の質問を通告しておいた。

キャノンの工場建設をめぐる脱税事件の全容が少しずつ明らかになってきた。いやはや、逮捕された容疑者が大手ゼネコンにあっせんした工事の受注総額がわかっただけで1千億円を超え、受け取った「謝礼」(名目はコンサル料、裏金)総額は約45億円とか。また、建設業などの業種では受注額の3%まではコンサル料として社内や国税当局が認めているらしい。今回はそれ以上の増額を要求し、裏金づくりとなったらしい。

これは民間の事件だが、たとえばリベート3%の話などは公共事業をめぐる癒着や汚職の構造にもつながる。おなじ犯罪でも公共事業のばあいは税金を食い物にするぶん、なおさらたちが悪い。

実家で実った甘夏みかんでマーマレードを作った。自家用と娘に送るのとで甘夏は15個。皮をむくのがタイヘン。でも、気分転換になってよい。コトコト煮詰めていると狭いキッチンがみかんの香りに包まれる。出来上がったマーマレードをビンに詰め、大満足。





□2009年2月12日(木)

 麻生内閣支持率が14%(朝日新聞7・8日調査)という数字がでて、あららら・・・と思っていたら、今日は小泉元首相が痛烈な麻生批判。郵政民営化にイエスかノーかという、まるで国民投票のようなシングル・イッシューの衆議院選挙をやってのけた人ですもの、当時閣僚だった麻生首相の「郵政民営化には賛成じゃなかった」といった発言にキレたのだろう。おまけに定額給付金についても「3分の2でやるほどの政策ではない」と言った・・・ということは再議決に反対するつもり?マスコミが色めきたった。

 それにしても、政府・自民党の有様は目を覆うばかりだ。ひょっとして私たちは半世紀余り政権を握ってきた政党の最後に遭遇しようとしているのかもしれない。とすると、衆院選を2回くらいやるうちに政界大再編かな。でも、政治家たちの離合集散より、まず政権交代が先だ。

ダーウィンの誕生日。生誕200年を迎えた。『種の起源』(1859年発行)で説いた進化論は、聖・俗に圧倒的な影響力をもつキリスト教世界に激震をあたえ、ごうごうたる非難の嵐が巻き起こった。社会科学、人文科学にも大きな影響を与えた。

進化論的な思想や研究は別にダーウィンの専売特許?ではなかった。当時は産業革命やアメリカ独立戦争・フランス革命など市民革命を経て、人権思想に裏付けられた市民社会が成張しつつあった。哲学ではヘーゲルの弁証法がマルクスの弁証法的唯物論・史的唯物論に発展し、さらにエンゲルスとともに史的唯物論で人類社会の発展を証明していた。

 昔読んだダーウィンの伝記に書いてあった話だが、そのマルクスは『種の起源』を読んで感銘を受け、自分の著書『資本論』をダーウィンに贈呈したらしい。ダーウィンは読みかけて止めてしまったようだ。畑?違いで興味がなかったのかな。

進化論もその後いろいろ検証や改良を経て科学的基礎を構成する理論となっているのだが、いまだ頑として受け入れない人たちもいる。ブッシュ政権に大きな影響力を与え、選挙では必ずその動向が注目されたキリスト教原理主義などからすれば、進化論は絶対に受け入れることができない論理だ。聖書の一言一句を神の言葉だと信じている彼らは、人類がサルと同じ祖先から枝分かれして進化してきたなどと考えることすら忌まわしいと思っている。『旧約聖書』には全能の神が人を創ったと書いてある。米国の州や郡や町などの中には学校教育で聖書の天地創造を教え、進化論をタブーとしているところもある。(米国の最新調査では進化論を信じているのは39%だそうだ。)

 同じ『旧約聖書』から枝分かれしたイスラム教が進化論をどう位置づけているかは知らないけれど、原理主義的な人たちはやはり認めないだろうな。





□2009年2月10日(火)

 大室の山林に建設された産業廃棄物最終処分場が2日開業し、同じく芝と津富浦にかかる処分場の拡張も事前協議が終了して許可待ちということなので、公害防止などを含む地元区と業者との「協定」があれば手にいれたいと思い担当課に。予想に反してその「使い道」をナンダカンダといろいろ心配されちゃって、いったい、協定の内容を知り資料とする以外ほかの何に使うと思っているのかしら?

結果として協定書のコピーはもらったが、区長や社長の名前を墨で塗ってある。区長や社長の名前などは別に知っていなければ困るわけではないし、知ろうと思えばいつでも知ることが可能。社長名などは企業のホームページに堂々?と載っている。要するにどーでもよいこと。こういうのは守るべき「個人情報」とはいえないと思うのだが。知人に愚痴っているうちに思わず可笑しくなってしまった。要するに私って何するかわからないと思われているってことだよね。その「何」が「何」だか私にはわからないが。まぁ、そんなふうに思わせちゃって不徳のいたすところ、アハハ・・・だ。

今日は穏やかな春の日差しにつられて農村廻り。梅の香りが漂い、暖かさにつられて「ツー・ピー、ツツー・ピー」と、シジュウカラの鳴き声も。そろそろ縄張り作りの準備を始めたのかしら。ちょっと早いかな?田んぼの畦にはイヌフグリが花盛り。山際の水路にはしぼられた水がサラサラ流れ、のどか~。




□2009年2月9日(月)

総合開発審議会。2006年4月~2011年3月までの現行5ヵ年計画の2007年度末までの進捗状況の報告と、次期実施計画(2011年4月~)策定に向けた作業について0910年のタイムスケジュールの説明、成田新高速鉄道関連の事業報告があった。

次期実施計画策定については、市民5千人のアンケート調査と総合開発審議会の意見を聴くと言っていたが、パブリックコメントを要望しておいた。こうした自治体のマスタープラン策定過程にはできるだけ多くの市民が参加することが大事。

今日の審議会で注目点は、基本計画に対し従来「5ヵ年計画」として位置づけられてきた年次計画を3ヵ年、或いはローリング形式の採用などが検討されているという担当課長の発言。政策の実効性やタイムリー性への柔軟な対応を考えればいろいろ参考にしながら導入していってもいいんじゃない?効果がなければまた変えればいい。行政も硬直した前例主義の時代ではない。職員がアタマの中まで硬直化してしまうと市民が困る。

帰りに寄ったお店の花屋さんで、桜の隣りに丸くて黄色い小さな花をたくさんつけたミモザ(ギンヨウアカシア)の束が並んでいたので買う。桜もミモザもどちらも観賞用に栽培されているもの。先日南仏プロバンスからのニュースレターでミモザの便りを聞いたばかり。さっそく一番大きなガラスの花瓶に活けたら殺風景な部屋もすっかり春の雰囲気。





□2009年2月8日(日)

堂本知事にとって吉田さんは「マイ・ボーイ」といったところかしら。蛇足だが、以前英国のサッチャー首相が(お気に入りの)ゴルバチョフ旧ソ連書記長をそう呼んだという新聞コラムを読み、その時彼女がゴルバチョフを見る視線をふと重ね合わせた私の勝手な感想。昨日いすみ鉄道の吉田平さんが県知事選に立候補を表明。それを受けて堂本知事が勇退を表明し、2人の共同記者会見の記事を読んだ。

8年前の2月、何日かは忘れてしまったが知事選立候補表明直前の堂本さんを囲み、県内のトップをきって成田でタウンミーティングを開いた。その日の堂本さんは朝私の案内で暫定滑走路建設中の現地を視察。そこで頭上40mを航空機が飛ぶことになる農家と偶然出会い短い会話があった。そして、急きょ声をかけて集まってもらった成田・富里市民と市内でタウンミーティングをやり、午後千葉市民ネットワークの集会に出席した後立候補表明となったように記憶している。

 どうして立候補表明当日の午前中にそういうスケジュールになったかはちょっとしたワケがあるのだが、8年前の知事選では私もポスター貼り、ウグイス、京成成田駅前での堂本さんを囲むリレートークの司会、チラシのポスティングや駅でのチラシまきなど、まぁ、自分の選挙でもやったことがないポスター貼りなどいろいろなことをやったことが思い出され、懐かしい。

2期目の選挙応援は遠慮しようと思ったが、森田健作さん立候補の危機感もありほんの少しかかわった。まさか3期目はないだろうと思っていたが本人はやる気だという噂も伝わっていた。だから、ここで勇退したことを評価したい。しかもただ辞めずに「マイ・ボーイ」をゲットしたことはさすがだと思う。でも、思い入れが強そう・・・なんとかママにならないことを願う。

吉田さんがどういう人かは、報道で知るのみ。でも、私もこの年齢まで生きてくると外見だけでも多少男の質をみる目ができてくる(と、思いたい)。男も50歳にもなればその人の内面が表に表れてくる。初めて写真を見た第一印象はいまのところ悪くない。





□2009年2月7日(土)

 千葉大学予防医学センターの市民講座が市役所で開催された。都合ですべてを聴けなかったが、私も成田市に対して農薬や環境ホルモンなど化学物質(過敏症)に関連した取り組みを提案してきたことから、予定された4つの講演のうち、「生活習慣を見直して体にたまる化学物質を減らそう」(深田秀樹准教授)と、「環境と健康について:環境改善型予防医学の実践『ケミレスタウンプロジェクト』」(森千里教授・予防医学センター長)の2つを聴いた。

森さんは昨年JICA国際会議場で開かれた化学物質汚染に関するシンポジウムでも同様のテーマで講演したのを聴いた。ただの専門家ではなく、研究から得たものを自治体・住民、企業も巻き込んで積極的に啓発し、実現していく姿勢を強く感じた。

千葉大学のケミレスタウン・プロジェクトについては1昨年柏市にある千葉大学の柏の葉キャンパスを視察したことがある。ケミレスハウスの中を見学し、専門家の説明を聞く機会があった。アレルギーや化学物質過敏症が急増しているが、ケースはさまざま。予防医学的にいえば、化学物質を少なく(ケミレス)していくことが基本。「予防原則」(疑わしいものは避ける)にも通じる考えだ。そんな配慮がなされた環境ユニバーサルデザインに基づくまちづくりの提案は素晴らしい。

21世紀は予防医学の時代」という視点からの「Town of Public Health」構想。今を生きる自分たちの健康だけに目を向けるのではなく、未来世代も健康に暮らせるような生活やまちづくりを考えるということ。森さんは柏に続いて成田でもこうしたまちづくりを勧めていたが、果たして成田市がこの価値観を共有できるかどうか・・・。

トヨタ自動車はこの3か月で3度目の業績下方修正をしたという。営業赤字は4500億円。世界経済の「成長神話」を信じて増産してきたツケが回ってきたらしい。1昨年に行政視察した時は豊田市も余裕たっぷりだったけれど、昨年12月頃はトヨタ関連の法人税収が予測できなくて新年度予算が組めないという話だった。その後どうなったかしら?私もこれまで、「トヨタ栄えて農業滅ぶ」(大潟村・坂本進一郎さん)という言葉をよく使わせてもらった。実際、自動車を売って食料を買えばいい、というのが政府・財界の政策。しかし輸出に頼りすぎたいびつな政策も「神話」に基づくものでしかなかったといえる。今こそ、置き去り(というより政策的に見捨ててきた)農林水産業や食糧自給率の問題にも腰を据えて取り組むべき時ではないか。政治にも価値観の転換が必要。





□2009年2月6日(金)

新清掃工場の入札中止に関連する問題をめぐって富里市議会の経済環境建設常任委員会が開催された。私は時間の都合がつかなかったので傍聴できず、後でおつきあいのある市議からおおよその話を聞いた。この問題を担当している委員会として成田市議会の新清掃工場整備特別委員会に情報交換の場を求める意向だという。

同常任委員会でも先日、同じシャフト式で稼働している習志野市清掃工場と、ただいま建設中の日光市清掃工場を視察した。視察後の感想として、昨年12月4日成田市指名審査会で入札条件を変更して排除された川崎技研の酸素式シャフト炉については、コークス式よりも高く評価する声が多かったようだ。

また富里市議会では、もともと入札参加が見込まれていた3社に戻すべきだという考えが大勢を占めているという。確かに建設費でいえば、特別委員会で視察した酸素式の南魚沼清掃工場はトン当たり4000万円、日光市は3080万円(消費税込み)。これに比べてコークス各社はトン当たり限りなく5000万円に近い。ではトン当たり3080万円で建設出来るかということで日光市は調査し、ゴーサインを出した専門家の1人が、成田市が入札条件の検証を依頼して断られた全国都市清掃会議の技術部長だった。

また、地球温暖化で削減が命題となっているCO2だが、助燃剤のCO2排出量についていえば酸素式はコークス式2社と比べS社の2分の1以下、J社の3分の1以下という数値が出されている。これは、酸素式炉がコークスベッド炉の改良型として開発されたことによる。

 ・・・私はもともとストーカ炉がいいと思っていて、溶融炉の特定メーカーの肩を持つ気はないが、2社より3社のほうが競争性は高い。それに、素人が単純に比較しても入札条件を100t/日から212t/日に変える合理的必要性はない。新清掃工場整備特別委員会の協議会でも確認したことだが、市は会社の将来性が心配だというが10年先、20年先の会社の将来を誰が保証できるか。また、いざという時の保険があるし、運転管理をする特別会社はさしあたり20年間成田市の丸抱えなのだからつぶれることはない。

ところで、成田・富里市議会はもとより市民の声はさらに厳しいことを執行部はどのように考えているのだろうか。議会さえなんとか説得できればいい、と考えているとしたら、甘い。





□2009年2月5日(木)

 朝日新聞「声」欄に「『障害』の表記変更には疑問」として、行政用語として障害を「障がい」とすることに疑問の投書が載っていた。10日ほど前に載った同趣旨の投書への共感を述べている。投書の主は全身まひで30年車いす生活を送っている人。「『害』が悪いという印象なら『障』もたいして違わない。名称を基本的に変えるならまだしも、この程度の変更で社会の意識が変わるとは思えない」と、述べている。ここまでは私も同感。そのあとの主張をそのまま受け入れることには躊躇するが、障害のある人が「害」を「がい」に変えることに疑問をもつ発言には注目したい。

 成田市でも、国の法律や県条例などを除いて、障がい者福祉課の窓口や関連する文書は「がい」が使用されている。しかし、投書した人が言うように「障」だって「さしさわり」「さえぎる」「邪魔をする」といった意味だから「害」と同じように「負」のイメージを与える漢字。「障」をそのままにして害のみひら仮名にすることで何かがすぐ変わることはないだろう。しかも行政言葉で終わっている限りは。

 それでも、、障害のある人や障害者をかかえる家族が「害」という漢字に傷つき、「がい」にしてほしいと願うなら、行政においてはそうすべきだろうと思う。それに、もしこれから行政だけでなく社会一般に使われるようになれば、「害」のイメージが薄れて、そのうち「『がい』ってどんな漢字だったっけ?」という時代がくるかもしれない。ちなみに、心身の障害を英語ではdisorderと言い、(心身機能の)不調、異常、のほか、乱れる、狂う、乱暴、無秩序まで、やはり良い印象を与えることばではない。言葉は文化だから簡単に変えることは難しい。でも人類社会は人権思想を受け入れて21世紀を迎えた。だから、新しい表現も必要かもしれない。漢字を仮名に変えるだけでなく。





□2009年2月4日(水)

 昨日届いたニュース・レターを読んでいたら、南仏プロバンスでは、寒さは厳しいけれどミモザの便りが聞かれるようになったという。パリ郊外のソーという町で5月下旬に催されたプロバンス市(いち)を思い出しながら、一番大きな花瓶に思いっきりミモザを活けてみたいと思った。3時過ぎにはたれ込めた鉛色の雲が切れ始め、あたりが柔らかな暖かい日差しに包まれた。立春。外出した時はウールのコートを着て黒クマみたいだったけれど、途中で脱いだ。

久しぶりに囲護台と南平台の境界?をエスエス製薬側に抜ける道路を通ると、南平台側の林の一部が切り開かれていた。この一帯が市街化する過程で残された貴重な林なのだが、やはり宅地になるのかしら?林のそばだからと越してきた人の話だと、以前はタヌキが子どもを連れて出没したり、秋になると庭の木の実を食べに鳥が頻繁に訪れたという。そのうち家のそばに道路がつくられ、周辺の林や畑が宅地になった。おそらく、この林が消えるのもそう遠くはないのかもしれない。住宅街に昔の風情を残す林があるのはアメニティとしては最高なんだけどね。

公津西土地区画整理事業で「はなのき台」が造成される時に、谷津田環境と隣り合わせて暮らしてきたニュータウンの住民の中に反対の声があった。その時に「ニュータウンだって自然を破壊して造った。そこに住んでいて反対というのはエゴではないか」と批判する人もいた。私は究極的には開発と自然保護は両立しないと思っているが、まちづくりの視点で言うとどこかで折り合いをつけざるをえない。悩ましい話だ。






20092月3日(火)

 発着回数30万回や周辺自治体をたばねた空港圏都市づくりが進む中で、天神峰の農家市東孝雄さんにとって耕作地に関する3つめの裁判を傍聴。火曜日は産直野菜の出荷日とかで、市東さんには大忙しの日なのだが裁判はそんなことおかまいなし。争点が共通している3つの裁判(うち1つは契約地でない畑を契約地として明け渡すことを許可決定した千葉県知事を相手に許可取り消しを求める行政裁判)を1つにして審理することを求める「併合請求」は当然だろう。千葉県が受け入れれば可能。

土地収用法でも取れなかった耕作地を農地法で奪おうというやりかたは「訴訟権の濫用」「信義則に反する」という主張を支持する。市東さんは「おじいさんが開拓してから親子3代、90年にわたって耕してきた農地を農地法でとろうというやり方は農地法の大本を破るもの」「1億8千万円補償するというのだからいいではないかというが、農地は単なる土ではない」という。農地法第1条にあるように、「耕す者に権利あり」と陳述した。

背後に国家権力が張りついたような裁判だ。今日はテレビドラマのように緊迫した場面もあった。空港会社や千葉県側の論理のずさんさが露呈したようなやりとりもあった。裁判終了後の記者会見で弁護団長は「記者がいるので手の内を明かさい」と言ったが、裁判はいよいよ佳境に入る。

今日は節分。新勝寺周辺は豆まきに集まった人たちでごった返していた。千葉駅でお弁当を買って帰ろうと地下に降りると、太巻き寿司が山と積まれてあった。あの、恵方なんとからしい。東北東を向いて願をかけるらしいのだけれど、もともと巻き寿司は大好きなので買って帰った。

 夕方、出先でうっとりするようなろう梅の香りが漂ってきた。梅、沈丁花、桜、キンモクセイなど、夕暮れは花の色も香りもひときわ濃くなるようで風情がある。





□2009年2月2日(月)

昨日と今日、異変を感じた!イヤホンで携帯ラジオを聴きながら「たいむ」をポスティングしていたら耳が静電気?でパチパチ。上を見上げると張り巡らされた電線や高圧線。その下で反応する。怖いのでラジオを聴くのはあきらめた。・・・当然ながら密集した住宅区域なのだけれど、みんな何ともないのかしら?

1月中旬から今日まで、いろいろな人の協力で「たいむ」69号をポスティングしてきたが、予定していた分の配布がほぼ終わった。いまや議員もホームページをもち、インターネットを駆使する時代ではあるけれど、私にはやっぱり「たいむ」でないと伝わらない何かがあると思う。

ところでオフィス・オートメーションやインターネット時代の到来でペーパーレスの時代が来ると言われてきたけれど、無理みたい。やっぱりコピーやプリントされた書類は減らない。私も時々整理しないとたちまち書類の山が襲いかかってくる。捨てるに捨てられない書類はたまるばかり・・・もう、何とかならないかしら?

今日は睡魔をこらえて昨日録画しておいたテレビ朝日50周年特番の一部と、辺見庸の「しのびよる破局」を観る。テレ朝50年の記録も、辺見庸の、脳出血と癌に侵された彼のおそらく実存をかけたにちがいない発言(あるいはモノローグ)も、どちらも私自身が生きてきた時代とともにあることを実感した。





□2009年1月30日(金)

今日は一日中雨が降り続く。晩秋の雨は「都に雨の降るごとく・・・」といった詩がふと思い出されるような侘しさを誘う雰囲気だが、旧暦の元日(26日)を過ぎて降る雨は春を運んでくれるので心も弾む。ニュータウン中央通り、ユリノキの花芽をつけた枝も雨に濡れて紫色に煙っていた。このところ少し慌ただしい日々を過ごしていたので雨の音は心身を癒してくれた。

午後、新清掃工場整備特別委員会の協議会。前回の協議会の時に今日の予定をメモするのを忘れ、30分ほど遅れて出席。2月18日(水)1030分より特別委員会を開くことになった。傍聴可。

この間2度にわたっていわゆる「怪文書」が成田・富里の議員に郵送されている。2度目は個人名も入ったきわどいものだが「怪文書」は「怪文書」でしかない。それよりも市民が注目しているのは、代議機関である議会がこの問題にどう取り組むかということだろう。徹底して公開の場での審議を求める。

市の執行部はまだ「専門家による検討」を考えているようだが、いずれにしても肝心かなめは昨年12月4日指名審査会での突然の入札条件変更に合理的必要性があったかどうか。多くの議員は執行部の説明に納得できないでいるのが現実だ。というか、説明に「納得した!」という議員の声が聞こえてこないのだが・・・。何かいろいろ思惑が入り乱れ、くすぶっているような雰囲気がしないわけでもない。「隠されているもので顕かにならないものはない」という格言もあるから、そのうち見えてくるのを待つしかない。

従って現在こう着状態といえるが、議会が賛成しなければ予算は執行できないのだから、執行部もそれなりの覚悟でやらざるを得ないだろう。議会は行政と折り合うことよりも市民が納得できる解決策を探っていくべきだ。

産直野菜が届く。冬野菜も少なくなってきて、今日は里芋、人参、聖護院大根、小松菜、カラシナ漬け。これからは里芋と人参が多くなる。『産直ニュース』にはいろいろな食べ方が書いてある。人参は人参ジャム、人参コロッケなどのほかに「にんじんごはん」。これには思わずノスタルジーを感じた。千切り人参と油揚げを味付けしたダシ汁で煮て煮汁と一緒に炊くというシンプルなものだが、実は子ども時代に「天神講」という子どもだけの祭があって、当番の家でにんじんごはんとお吸い物、おかずを自分たちで作り、地域で祭ってある天神様(学問の神様菅原道真)にお供えし、そのあと戻ってみんなで食べ、夕暮れまで遊んだ記憶。

天神講のごはんはたいていにんじんごはんだった。にんじんが嫌いな子どもも、この日ばかりは仲間入りしたいので食べた。天神様は少し離れた里山に祭ってあったので、そこまで子どもたちは神妙な顔で行列をつくってお供え物を持って行ったものだ。いや~、懐かしい。今ではフォークロアの世界だ。





□2009年1月28日(水)

 印刷機が「マスターがありません」というメッセージを出して動かなくなってしまった。マスターはまだ残っているのに。これまでも2回そんなことがあって修理の人に来てもらった。マスターをセットするところにあるセンサーの感度が落ちているようだ。今日来た人によればもはやギリギリのところまで調整してあるので部品を交換しないといけないらしい。11年も前に買った印刷機なのでさもありなん。よくぞ修理らしい修理もすることなくここまで持ちこたえたものだと、「たいむ」を印刷するたびに感謝していた。いよいよ部品交換(あれば、のはなし。もうない部品もあるそうだ)か、新しい印刷機と交換しないといけないのかしら・・・と覚悟した。でも、試しにマスターを新しいのに替えると、あらっ、動き始めた!どうやらマスターが少なくなるとセンサーが感知しなくなるらしい。とりあえず、「たいむ」69号はなんとか刷り終えたのでホッとした。メッセージが出たら残りはもったいないけれど新しいマスターと交換すればもう少し使えそう・・・と。相変わらず馴染んだものへの執着心が強いワタシ。というか、新しいものだと覚えないといけないのがおっくうなだけなんだけど。

 新清掃工場の入札中止問題からいろいろな話が耳に入ってくるようになった。極めつきはガス化溶融炉シャフト式決定に至る機種選定の改ざん!機種選定委員だった人に聞いたら、そんな噂が出てもおかしくないような集計のやり方だった。委員会審議やメーカー・ヒアリング、視察を経て16名の委員それぞれが最後まで残った4機種について第1候補から第4候補までを用紙に記入し、担当課に提出(FAX・郵送・持参)し、そこでまとめたものが委員会で公表されたという。

委員会の場で提出し集計したのではないという意味では、不透明さを残す。それと、集計の方法についても、総合的評価(点)よりも第1候補の◎の数でシャフト式に決まったいきさつもある。総合評価点なら別のガス化溶融炉流動床式のほうが高い得点だったことを考えると、そんなこんなが疑惑を生んでいるのだろう。





□2009年1月27日(火)

鬼泪山国有林(富津市)の山砂採取をめぐって9年ぶりに開かれた千葉県土石採取対策審議会を傍聴した。事前に傍聴席を120席設けると聞いていたので午前中予定を入れ12時過ぎに行くと、すでに受付を済ませた傍聴者の数は120人を超えていた。結局イスが150に増え、立っての傍聴も許可するという県の配慮となった。国有林の山砂採取に反対する市民や団体と、山砂採取業者が動員した傍聴者とが入り混じって、傍聴者数は受付によれば157名。でも、知り合いの千葉市議のKさんは締め切ったと言われて帰ったらしい。増やしたイスは早いもの順でくじ引き。私と佐倉市のNさんはその後到着したので、壁にもたれて傍聴。

審議会のメンバーは学識経験者といわれる大学教授4名と県議5名、関係業界代表5名、県職員(担当部長)1名の計15名。県議5名のうち、自民党の4名は業界が提出した請願の紹介議員である。これで公正な審議ができるというのだろうか?

今日は正副会長の選出、事務局からこれまでの経緯説明と今後の審議会の進め方など報告と提案があり、次回は審議会として現地見学が決まった。委員からは民主党の議員が、請願に添付されたちばぎん総研の業者委託調査報告書以外の第三者的なデータも審議会で採用してほしいという要望が出された。当然だと思う。ちばぎん総研の資料は業者からお金をもらって作成した(専門家に言わせるとバイアスがかかった)調査書。山砂採取の必要性を担保するためのもので、客観的なデータとは言えない。

終了後県議会棟の委員会室で連絡会の集会。鬼泪山を中心に3つの地域住民団体が結成され、運動の広がりを感じる。農業、漁業、酪農家、自然保護団体、鬼泪山に象徴される房総の自然・歴史・文化に思いをよせる多くの人々が力を合わせてこの問題に取り組もうとしているのを感じた。

銚子で環境問題に取り組んでいるTさんからイワシの一夜干しをたくさんいただいた。帰ってオリーブ・オイルとニンニクで炒め、沖縄から取り寄せている青切りシークヮーサー・ジュースをふって食べたら美味!

(左)鬼泪山から絞られた湧水は関山(せきやま)の水取り場に集まる。(右)夕闇迫る鬼泪山。鹿野山へと連なる。手前に広がるのはすでに山砂を採り尽くして荒野と化した浅間山跡。





□2009年1月25日(日)

県知事選にいすみ鉄道(3セク)社長の名前が登場した。県商工団体の幹部や成田空港関係者らが連名で「県政のかじ取りを」と立候補を要請したという。以前、堂本知事は自分が知事選に立候補したら「副知事には若い人を登用する」と発言したとかいう記事が載ったが、その「若い人」がこの人だという話は噂で聞いていた。

 堂本知事はまだ立候補に関する意思を表明はしていないが、副知事にと考えていた人が知事候補として要請を受けたということは、どういうことかしら?堂本知事はもはや立候補せず、意中の人を知事候補にしようと決意して空港関係はじめいい関係の経済界に根回ししたのか、それとも経済界が堂本知事―3セク社長副知事ではなく、この際知事には身を引いてもらって3セク社長を担ごうと先手を打ったのか・・・ワカリマセン。

山形県知事選では自民系現職を破って民主党などが応援した吉村美栄子さんが当選した。千葉県知事選にも女性が立候補を表明している。立候補に至るまでの政党間との経緯が新聞種なったがどうなるかしら?

大相撲初場所で朝青龍が優勝。場所前には気の毒なくらい総スカンだった。「けいこ総見」の様子で、あとはいつ引退するかに注目が集まっていた。観客も負けるのを見に来ていた人が多かったのではないか。でも場所前私が知る限りただ一人、元横綱曙が・・・「けいこ総見」の勝ち負けでは本場所を予測できない。自分もそうだが力士は体調を見ながら本場所に向けて調整していき、本場所に入ってからさらに毎日に取り組みで徐々に調子をあげていくものなので、心配することはない。本来の調子が戻るよう頑張ってもらいたい・・・といったようなことをコメントしていた。相撲ファンならずとも、今日の横綱同士の相撲には関心が集まったと思う。私も、ニュースで観た。





□2009年1月24日(土)

恒例の池坊成田市支部の初生け式と、市民ネットワーク千葉県の新年交流会に出席。

 初生け式の松竹梅はいつも見事。参加する支部の会員さんは和服姿で、琴の音が流れる中での式典はとても清々しい。いつもテレッと暮らしているせいか身が引き締まる。華道は門外漢だが、部屋のどこかに生花がある暮らしがしたいと思う。とはいえ、フラワーショップで買うのは主にバラかアネモネくらいで、ふだんはベランダのハーブ。ほかは機会をみつけては出先でちょっと横道にそれ、野の花を摘む。山際の道や農道に踏み込むと、何かしら季節の草花がある。太宰治は「富士山には月見草が似合う」と書いたが、私の部屋には野の花が一番似合う。花材によってはガラス製の花瓶も引き立つけれど、普段は手びねりで自作の陶製花器類を使う。ほかには友人作ですぼめた手のひらに乗るこっとりした可愛い花器。でも・・・なんといっても自己流。比べてみればやはり華道やフラワー・アレンジメントを習った人の活ける花はどこかが違う。なんで~?まぁ、いいっか。

初生け式とは一転して、市民ネットワーク千葉県の新年交流会はパワフル!市民ネットとは議員になって以来の付き合いで、各分野の市民活動の中で顔を合わせることも多い。私みたいにネットと付き合いのある国・県・市議会議員や首長も出席してたのしいひとときだった。

就任以来オバマ新大統領がたて続けに重要な大統領命令に署名している。キューバ・グアンタナモ収容所を1年以内に閉鎖し、対テロ戦での「敵」の拘束と裁きの見直し、ブッシュ時代にカットされた女性の自己決定権リプロダクティブヘルス&ライツに基づく妊娠中絶への国連途上国支援も含めた補助金の再開など、嬉しい報道が続く。





□2009年1月23日(金)


 入札等監視委員会を初めて傍聴した。年2回開催される。今日の審議対象は平成20年4月1日~9月30日までの間に行われた入札・契約。はじめに担当課から入札及び契約手続きの運用状況等についての報告があり、続いてその中から3名の委員が選んだ10件の事例が審議された。

足立まちこレポート「たいむ」69号の「入札改革の課題」に関する記事の中で、「入札監視委員会の設置が形だけのものにならないか気になる」と書いたが、3名の委員の真摯な姿勢、疑問点の指摘や改善要請については好感をもった。しかし、市の説明や答弁を聞いているとどうしても表面的な説明に終始する傾向が見受けられる。改革をしていくには、行政がもっと開かれないとせっかくの審議も表面的になってしまうのではないかと思った。

 ただ、委員長によれば前回よりも委員会の機能が理解され充実してきているようなので今後に期待したい。これは、成田市の姿勢にかかっていると思う。ついでに、議論しやすくするには行政側の参加をもっと絞るべきだ。多すぎる。入札に関心をもつ市民にもっと傍聴してほしい。今日は議員3名と市民1名だった。次回は7月。委員会を傍聴したのは、新清掃工場の入札中止に関する件がどのように扱われるか興味があったのだが、管財課長から「その他」として極めて簡単な報告があっただけだった。肝心なことは別途要請するということらしい。公開で聞きたかった。

ちなみに、平成20年4月1日~9月30日までの間に行われた一般競争入札248件(建設160、委託87、物品1)、指名競争入札24件(建設5、委託18、物品1)、随意契約339件(建設36、委託222、物品81)で、合計611件。指名停止は48件(契約違反1、不誠実な行為1、県からの通知によるもの46





□2009年1月22日(木)

午前中は「歴史と今を語り合う女性の会」の例会。

午後から新清掃工場整備特別委員会の協議会。途中で執行部が加わり質疑が行われる。「より慎重を期するため入札条件を専門家に検証させる」として入札を一旦中止したのだが、どうやら頼りにした(社)全国都市清掃会議からは断られたらしい。 

・・・図書は問題なし、技術審査もすでに終わっている、他の部門から(入札参加を)2社でいくか3社に戻すかどっちがいいかということはコメントしにくいだろう。(入札条件の変更理由が「安全・安心」ということから)要するに成田市にとっては会社の格付けの問題ではないか。しかし、将来的な格付けをどう見るかは金融機関や格付け会社に頼んでも難しいだろう・・・といった全都清・技術部長の回答だったようだ。もともと、専門家に検証してもらうような次元の話ではなかったのだから、回答はしごくもっともなことだ。

そんなわけで、入札は当面延期ということになるらしい。明日入札等監視委員会(傍聴可)が開かれる。委員は大学教授・弁護士・税理士の3人。20年度上期の定期会議らしいが委員から今回の入札に関しての説明を求められたらしい。渡りに船でお知恵拝借ということになるのかな。今日は4時過ぎまで質疑がおこなわれたけれど、なぜ担当課長を外し、1社を排除する入札条件の変更が部長の一存で提案されたのか、それが指名審査会ですんなり「そうだ、そうだ」と全会一致となったのか・・・担当部長と課長の確執を差し引いても疑問は消えない。






□2009年1月21日(水)

昨日・今日と、世界は米大統領就任式で盛り上がった。オバマ大統領の誕生がどれだけ多くの人たちに希望や勇気を与えてくれたか、はかり知れないだろう。私も、過酷な人種差別の歴史がいまなお根強く残る中で、ついにアフリカ系を選んだアメリカの草の根民主主義の力強さ、柔軟さ、政治制度としての民主主義の優位性を改めて感じた。記念に残すため、深夜1時過ぎからの就任式を録画した。オバマ氏が11月4日の大統領選に勝利した時の番組とこの就任式の模様を、自分が生きた時代のエポックメーキングな記録として残しておきたい。

それにしても、これほど就任演説に注目が集まった大統領もいないだろう。オバマ氏のスピーチライターは27歳の若者だそうだ。ケネディの時もそうだったが、大統領とスピーチライターは一心同体のようなもの。素晴らしいライターを得て、これから必要に応じて語られる大統領のスピーチが楽しみだ。ただ、今日からは日々実績が問われていくので、選挙中の「YES WE CAN!」では済まない。就任演説も引き締まった厳しいものであった。ライターには熟練した人生経験も必要になってくる。まぁ、大統領ともなればおかかえライターはほかにもいるのだろう。

ふり返って、我が国の政治のありさまはどうだろう。国民の心とこれだけかい離している状況は寒々として泣きたいくらいだ。もっとも、その責任は「おまかせ民主主義」に安住してきた国民にあるのだが。






□2009年1月19日(月)

 昨日・今日と、佐倉市議による「働きかけ」に関する記事が朝日新聞に掲載された。通称「働きかけ要綱」を情報公開請求して開示された内容で、02年~08年までに29件あったという。佐倉市の要綱では「働きかけとは」、①恫喝・威嚇・威圧・脅迫②強要③要求④要請⑤依頼⑥提言⑦その他と分類されている。記事によれば入札に関する要求が多く、時には職員に恐怖心を抱かせたようだ。

実は成田市にも同じ内容の「要領」がある。私は前市長の04年9月議会に、内部告発の保護も含めた「口利き要綱」の制定を求めた。答弁の感触は良かったものの2年あまり放置され、0612月前市長の汚職による逮捕をきっかけにやっと実現した。

その04年の質問の際参考にしたのが、三重県と佐倉市の通称「口利き要綱」。職員は職務を執行する中で様々な要望を受ける。法令に基づけば、正当な理由なく特定の人や団体、業者に便宜や利益を供与しないよう、適正に対応しなければならない。そうした要望を、報告や確認で終わらせず、記録として残し、何かあった時には事後検証や情報公開の対象とする仕組みが通称「口利き要綱・条例」だ。情報の共有、手続きの透明性を確保し、外部の不当な介入によって政策が歪められないように防止するのが、行政におけるコンプライアンス要綱・条例である。

 口利きするのは議員、行政のOB、市民、各種団体などいろいろ。成田市では「要領」がつくられて2年経つが、どうなっているのかしら?去年担当課に聞いたら、対象となるようなことはまだないということだったけれど・・・。

夜ニュータウン赤坂センター地区振興検討協議会。市の企画課より、購入価格の交渉があるものの、千葉県企業庁用地2ヘクタールのうち1ヘクタールを購入する考えであること、公民館(築30年)、図書館(築24年)の建て替え時期とのかねあいで生涯学習の複合施設などを考えていること、それまでの間は料施設の駐車場として使いたいといった土地利用について説明があった。また、今後も協議会を継続していくことを確認した。





□2009年1月19日(日)

山砂採取の許可を求めて千葉県土石審議会が27日に予定されている鬼泪山国有林(富津市)の現地見学会に参加した。地元住民の案内で一日がかりのフィールドワークは、久しぶりに心身ともに刺激的だった。

80ヘクタールの農業用水と日量2700トンの水道用飲料水を供給する水源としての鹿野山系鬼泪山。上総地域の歴史と密接に結びつき語り継がれた伝説、民話。鬼泪山を知りつくした地元住民の話に思わず引き込まれた。沢から絞られた水が関山に集められ(地元の人は水取り場と呼び、水は検査の結果そのまま飲めるという)、関山用水と染川の水となり、関山用水は流域の湧水と地下水の取水井戸を介して小久保(おくぼ)ダムに常時50万トン貯められ、農繁期は農業用水(4月1日~8月31日)、その他の期間は市の水道用水(9月1日~3月31日)として使用される。水利組合が了承すれば、農業用水として取水する期間でも、水道用水の回すこともできるという協定もある。水利組合の組合長さんは「天がくれた資源」と言う。地元の人たちが大切に守ってきた豊かな湧水だ。それは、山がなければ得られない自然の恵みでもある。

鬼泪山の海側にそびえていた浅間山はすでに山砂採取で消え、茫漠とした枯野が広がっている。将来鬼泪山の山砂が取り尽くされた時の姿。鹿野山の山際まで採る計画だという。明るい時に航空機で房総半島上空を通過すると、眼下には樹木を取り払い、砂を取り尽くし、地肌がむき出しになった採取場跡があちこちに見える。民有地で採れるところを採り尽くし、ついに国有林にまで手を出すとは・・・。業者は地元への「経済効果」を理由に許可を求めているが、儲かるのは一部業者だけ。国民の財産である国有林、県は許可すべきではない。

朝、バスに乗り遅れて久しぶりに駅まで自転車。千葉から安房鴨川行きの電車に乗ろうとホームで待っていると、見学会に参加する地質学者の坂巻先生と出会う。佐貫駅までの約1時間、専門分野を含めていろいろな話を聞くことができてラッキーだった。夜、NHKスペシャル「男と女」特集第3弾、「男が消える?人類滅亡?崩壊するY染色体▽精子も危機・・・」を録画。人類誕生以来エラーや突然変異を繰り返してきたY遺伝子だが、自分で修復できないためにいまやボロボロということを証明する本は何冊か読んだことがある。このままいけば500万年~600万年で完全に消滅する、或いは突然変異でもっと早まるかもしれないという。

以前女性天皇論争があった際、「万世一系の天皇家」の男系男子Y遺伝子にこだわっていた皇族がいた。遺伝子うんぬんは別として、血統一つとっても、男系より女系のほうが確かだというのはこんなところにもある。別に、Y遺伝子に恨みはないけれどね。

精子も、数・質・濃度ともに不妊予備軍がひしめいているらしい。以前、環境ホルモンが問題になっていた頃にも、まばらな数の精子がフラフラ泳いでいたり、奇形だったりの映像をみたことがある。環境ホルモンによる「オスのメス化」では、アノ自民党が億単位の調査費をポンと計上したことを憶えている。多分、男性社会の申し子であり、「男らしさ、女らしさ」にこだわっているから危機感をもったのだろう・・・と勝手に推察したけれど。





□2009年1月16日(金)

9日の新清掃工場特別委員会の報告を全議員に行いたいという執行部の要請で市議会全員協議会が開かれた。報告内容は入札中止に至った件に限ってということだった。「外部の専門家に検証してもらう」という、その専門家に依頼する窓口となる全国都市清掃会議には、本日担当者が出向いているとのこと。持参したのはこの件の入札に関する一切の資料。

9日の特別委員会では検証対象は「入札条件」だと答えていたが、いまさら何を検証してもらうというのだろう。成田市の示した条件が適正かどうかお墨付きがほしいのかしら?どこに委託するかわからないが、この間結果については「尊重する」「従う」と答弁のブレがあるので、「どう扱うか」再度確認したところ「検証結果を受けて、最後は私が決めます」と市長。22日に特別委員会の協議会が開かれる。これは公開ではないが、いずれ公開の特別委員会開催となるだろう。可能な限り公開していくことを委員長と確認した。

「ハリウッド映画さながら」と、米ABCニュースキャスター、チャールズ・ギブソンが興奮気味に語ったUSエアウェイズ社の米機のハドゾン川不時着。155人全員が救助されたという。「ダブル・バードストライクでエンジン2機いずれも停止」状態での着水だったらしい。飛行機の静音化でバードストライクが増えているようだ。揺れただけでソワソワしてしまう私には乗客の思いは想像がつかない。それにしても、パイロットへの称賛は惜しみないだろう。

「市議年金公費負担引き上げ要請へ」という記事が目にとまった。議員年金が2012年には破たんする見込みだということで、共済会が現在の16.5%の公費負担率の引き上げを総務省に求めることになったらしい。今以上の税金からの支出に納得が得られるだろうか。

議員は年金のために規定にそって報酬の一部を天引きされている。成田市議会は共済掛金として毎月7万5200円。期末手当の時は、たとえば昨年12月は9万9375円。3期以上努めると期数や報酬によるかけ率などで異なるが年金が支給される。それ以前に辞めた人は、掛けた金額の一定割合が戻ってくる仕組み。でも、破たんしそうなものを税金で補てんして維持するよりも、支給額を減らすとか、それでも維持できないなら解散したほうがよいのではないか。「恩給」をもらうために議員をやっているわけではない。





□2009年1月15日(木)

往復約7時間バスに揺られて新清掃工場整備特別委員会の視察。視察先は現在建設中の(仮)日光市クリーンセンター。処理能力は135t/日。選んだ理由はこの清掃工場の機種がガス化溶融炉のシャフト炉で酸素式であることだ。メーカーは川崎技研。成田市の指名審査会で資本金が少ない5000万円)、成田市の予定最大処理量212t/日の稼働実績がないなどの理由で「途中で問題がおこったら一からやり直さなければならないから不安」だと排除されたメーカーの炉だ。

 特別委員会では既に昨年7月に4年の稼働実績がある同メーカー同機種の南魚沼市清掃センターを視察しているが、今回はかなり焦点を絞った問題意識での視察となったといえる。今日の視察をどう活かせるかは、今後の課題。

 清掃工場担当課の話は日光市議会の部屋で聞いたのだが、休憩時間に話す機会があった議会の担当委員会委員長は、他の施設を参考に溶融炉の維持管理費がかさむのを気にかけているようだった。たしかに、「金食い虫」と言う人もいる。全国的に溶融炉の補修費が自治体財政を圧迫する中で、環境省と全国都市清掃会議が全国80ヵ所余りの溶融炉の運営費をデータベース化して契約額を検証できるようにするという。「外国で失敗した技術」(田中勝岡山大大学院教授)といわれる溶融炉。その結果には大変興味がある。

日光市は人口9万6千人。平成18年に今市市、日光市、藤原町、足尾町、栗山町が合併した。栃木県の4分の1の面積を占める全国3番目に広い市。ほとんどが山林。中心から少し外れると、あちこちに最近降ったらしい雪が残っている。高い山並みには雪が降り積もり、キリリと冷たい空気に心が引き締まる。

そういえば8年くらい前には住民投票条例を策定するというので今市市に、去年は田中正造の足跡を訪ねて仲間と足尾を中心にバスで回ったっけ。今日は帰りのバスの中で、「あの山を一つ成田に持って帰りたいねぇ」という声。「どこに置くの?」と言って笑ってしまった。でも、数百メートル級の山がまちの中にドーンと一つあったら・・・ありっこないか。でも今日はお天気が良かったので道中筑波山をいろいろな角度から楽しむことができた。夕焼けを背に黒ずんだ富士山がくっきりと見えたのも嬉しかった。あとは車疲れ。





□2009年1月14日(水)

新清掃工場を共同で設置する富里市の市議会経済環境建設常任委員会が開かれたので傍聴。富里市民のほか、成田市議会からも特別委員会の委員や関心を持つ議員が傍聴にきていたので、9時30分開始ギリギリに着いた私は委員会室に入れず、別室でマイクから聴く。

議題はこの間の入札問題で、成田市の環境部長と環境計画課長が参考人として呼ばれ、質問を受けた。部長の答弁はこれまでと基本的に変わらなかったが、12月4日指名審査会当日に自分の判断で入札参加条件を変えて1社を排除した理由について、これまで明確には語られなかった「動機」の一端を知ることができた。それは、安心・安全論のほかに、「ダンピングして(仕事を)とっている会社。途中で問題が起こったら一からやらなければならない」「一社は運転管理について見積りの中で全く欠落(白紙)している部分があった」ということ。これらは明らかに排除したメーカーが想定され、不信感を隠さなかった。

しかし、それが担当課長に相談もなく単独でなされたことについては「事前に相談すればよかったが・・・もう少し課長と相談していればよかった」という答弁。安心・安全論の理由はもっともらしい。しかし、指名審査会でそれが支持され全会一致であったということは、すでに根回しが済んでいたとも考えられる。12月3日に入札関連の調査結果が担当課から渡され、それをもとに担当課長に相談もなく12月4日の審査会で入札参加条件が変更されたことには説得力がない。

富里市及び市議会委員会の委員からの発言は、当然ながら厳しいものであった。委員長の「市民に疑念を生じさせたことを強く抗議する」という発言から始まり、担当課長からは「実務的分野については過去数年でクリアされていると思ってきたので(12月4日の成田市指名審査会での決定で3社が2社になったことは)私(課長)としては違和感をもった」「(提案図書等で協力してきた)3社については信義則として応札させるべきではなかったか」と言い切った。

成田市の課長も「3社は汗をかいて協力してくれている。排除された理由を自分から会社に説明できない」「2回(2度目は1114日締切)にわたり提案図書(厚さ10㎝位)を作成してもらった。その後12月4日の排除は信義則に反するのでは?と思う」と、富里市の課長に共感する思いを語った。

また、相川富里市長は「これまでは成田市の考えを了解してきた。今回の件(入札一旦中止)は1229日電話で聞いた。(入札は)3社で、と言ったら尊重すると言ったが受け入れるとは言わなかった。誰にも説明できるように透明性を担保してほしい。これからはエコ。エコを考えないでやるのはどうか。環境負荷の少ないものを。」

さらに参考人への質疑が終わって休憩後の委員会で、市長は質問に答え「稼働が23年4月以降にズレて実際に損害が出れば(成田市に)求めていきたい。できれば工期内に完成してほしい」。課長も「この件で正式な協議はまだやっていない。事務方としては(これまで成田市と)詰めてきたが、今回はそれ以上のなんとも言い難い状況が発生してきている。」と言い、委員から、「元(3社)に戻せと申し入れすべきでは?」という声に「その通り」と答えた。

外部に検証してもらうことを理由に入札を中止したが、まだ検証の委託先は決まっていない。また、その結果について、担当部長は9日成田市特別委員会での私の確認では「従う」と答えたものの、今日は「尊重したい」。グラついている。

・・・まだ今日のメモをまとめていないが、成田市はいったいこの問題をどう決着しようと考えているのだろうか。

昨日に続いて今日も午後は「たいむ」69号の印刷と折り。夜酒々井町のHさんから電話。いずみ清掃工場の高額な運転管理費について取り組んでいた頃に彼からの的確なアドバイスで問題の焦点を絞ることができた。今回もまた、思惑や感情に左右されない基本的な姿勢について簡潔にアドバイスをいただいた。有難い。





□2008年1月12日(月)

成人式。今年成田市で成人を迎えたのは1524人。途中車の渋滞を予想していたのだが、意外にスムーズに会場の国際文化会館に着いた。振り袖姿の華やかさは目を楽しませてくれるけれど、今日一日限りの華やかさ。現実との落差を感じる。「成人式」といった通過儀礼を行政主催でやっている国がほかにあるかどうかわからないが、公的な式典をやるならもう少し普通にできないものだろうか?

午後は富津市にある鬼泪山(きなだやま)国有林の山砂採取に反対する市民連絡会の今年初めての会合に参加。1月27日に千葉県の土石採取対策審議会が千葉県自治会館で開かれる予定なので、時系列で今後の活動を煮詰めていく。昨年12月には富津、安房、いすみ、3つの住民の会が発足し、シンポジウムや署名活動が行われ、連絡会の中心になっているのが心強い。

 富津の田倉産廃処分場反対運動で最高裁勝利を勝ち取った人たちも参加していて、今日は鬼泪山の活動資金のために自分たちが作った野菜のサラダセットと、うっとりするような香りのスイセンの花束を販売していた。両方ほしかったけれど、電車だったのサラダセットを買う。100円。5種類のサラダ用フレッシュ野菜と、ブロッコリーの袋をリュックに詰めて帰る。

朝日新聞の最新世論調査1011両日実施)で、内閣支持率がついに19%(不支持67%)になったという。また、補正予算に組まれた2兆円規模の定額給付金は「中止を」が63%、「配ったほうがいい」が28%だった。この種の数字はおそらく他のマスコミ調査も似たりよったりだろう。もともと強がりを言うタイプの人のようだが、今度は何と言うかしら?




□2009年1月11日(日)

 昨日は身近な人たちと、そして今日は付き合いで、新年会と旗開き。今朝新聞を読んでいてふと思うことがあった。朝日1面に「失職・・・そこに共産党」という大見出しで、不況が深刻化する中で政治に目覚め、共産党に入党する人が増えているという。まぁ、それは極めて自然な成り行きで不思議でもなんでもない。そもそも、共産党はこの世の圧倒的多数を占める労働の対価として賃金を得て暮らす労働者階級が政権をとるために結成された政党。1919年に結成されたコミンテルン(共産主義インターナショナル)日本支部としてスタートした。

高度経済成長期の一億総中流意識に染まっていた頃は、国民の中に自分が「労働者」だという認識が希薄になり、マルクスは古い、共産党は時代遅れと言われてきたけれど、資本主義社会が続く以上みかけは変化しても本質的な矛盾は残っているわけで、突如襲来したかのような金融危機や経済危機からTVキャスターまでが「資本主義が問われている」と言う時代、資本主義から発生する問題を指摘し続けてきた共産党が注目されるのは当然のことではないか。

 ・・・というようなことはさておき、何を思ったかというと、その共産党への入党が、記事をよむ限りだが結構簡単そうなこと。派遣切りされて共産党の地区委員会に相談し、闘っていくことを決めて1週間後に入党を誘われ、「入れて下さい」と即答したという。もちろん、ケースバイケースだとは思うが。

はるか昔の高校時代、倉橋由美子の『パルタイ』や柴田翔の『されど我らが日々』といった小説に書かれている共産党は、入党するには活動歴や思想の変革が求められてとても大変そうだった。恋人の資質や家族関係までチェックされるようなところもあったし、党組織そのものはとても閉鎖的に思われた。戦前の激しい弾圧や非合法時代をくぐり抜けてきたので、わからないわけでもないが、2冊を読んだだけで思想も活動もキビシそ~過ぎて私の肌には合わないと思った。戦後63年を経て、民主主義政治制度の中で共産党もいろいろ変わってきたのだろう。






□2009年1月9日(金)


 10時からの協議会に続いて11時から新清掃工場整備特別委員会。入札中止について市長・副市長も出席して説明があった。説明というのは「公告に事務的ミスがあり、このままスケジュールどおりに進めると議会や市民に誤解を招くということでいったん中止した。より慎重を期するため入札条件を専門家に検証させる」というもの。

なお、検証するのは入札関係のすべての図書で、現在のところ全国都市清掃会議に知識が豊富で公正な立場にある人を推薦してもらい検証の結果は従う、とのこと。費用はわからない、検証期間はできるだけ早くやりたいという。

質疑の中で指名審査会の委員長である副市長は「(当日入札参加条件が変更になって条件をクリアしない1社が排除された)指名審査会には問題はなかったが、公告に間違いがあった」と語った。

 しかし、指名審査会の決定に問題はない、公告の間違いは「事務的ミス」なら、議会や新聞で問題にされたからといってわざわざ外部に検証してもらう必要などないではないか。これまで事業計画を練ってきた担当課や入札事務を扱う管財課を外して「公正な立場」の外部に検証を依頼するということ自体、「不自然」。市自らの手に負えなくなって外部に放り投げたようなものだ。

なお、この問題に関しては市長から初めて「単に(値段の)安い高いだけでは心配。20年契約の事業で、特殊性、長期的確実性など安心できること、(3社から2社になった)規模については、不慮の事故、問題の発生などもろもろの判断から決裁した」といった発言があった。一方で入札で安い方をとるのは当然と言い、他方で価格で決めるのではないという・・・高い買い物を前に執行部に意思の一致がみられない。しかし最終的には市長の裁量権で決まるのだろうから、今日の発言は重要だと思う。

夜、冨里市の知り合いの議員から電話があり、今日成田市長から冨里市長にこの間の経緯と成田市21年度当初予算には新清掃工場関連予算を組まず、5月頃補正で議会に提出する予定だという報告があったらしい。冨里市では既に本予算に組んでしまっていたようだ。





□2009年1月8日(木)

どうしたのかしら、まだお正月気分が抜けないのかしら?それとも・・・!。今日は8日なのに9日と勘違いして市役所に行ってしまった。9日は11時から議会で新清掃工場整備特別委員会傍聴可)が開かれ、執行部から入札中止について説明がある予定なので。

どこで1日飛んでしまったのかわからないが、振り返れば、昨日7日は1日中8日(木)だと思っていた。6日の夜に書いた「日記」が7日の日付になっていて、朝そのまま送信しても気付かなかったところをみると、6日あたりでカン違いが始まったのかも知れない。昨日は木曜日と思って「たいむ」69号の原稿づくりに没頭していて、来週木曜日は日光市の視察が入ったので眼科検診の予定変更を電話しなくてはと思いながらつい忘れてしまうとか(実際は今日でよかったのだが)、夜は早々と眠くなったので寝てしまい、今朝も新聞やニュースを見ても日付は全く気にならなかった。何しろ9日と思っていたので。でも、団地のごみ集積場で青い袋が積まれているのが目に入り???生ゴミ収集は昨日(木)なのにもうこんなにたまったのかしら?などと思ったりしたっけ。誰かに迷惑をかけたりしなかったからよかったものの、困ったものだ。気をつけなくちゃ。

ただ・・・なんだか1日得した気分。というのも、これからのスケジュールを考えると「たいむ」を作るのは今しかない。昨日はとても焦っていたが、今日があったおかげで紙面を埋める原稿は「清掃工場の入札問題」を除きすべて完了。午後は衆院予算委員会で民主党の質問があったのでTV中継を見ながらひと息つけた。




□2009年1月6日(火)

 〝背伸びは嫌「草食系男子」という朝日の記事が面白く、やっぱりね、と思った。いろんな理由で団塊ジュニア以下の年代に「草食系男子」(異性と肩をならべてやさしく草を食べるような雰囲気の男子・森岡正博著『草食系男子の恋愛学』)が増えているという。「おっとりおだやか、家族と仲良し、スリムでおしゃれ、締まり屋さんで女性におごることはあまりない。がつがつと女性を追いかける『肉食系』ではなく、一緒にのんびりと草を食べるタイプ」といったところらしい。ほかにも背伸びし過ぎることを嫌う、自分が傷つくのも他人を傷つけるのもイヤ、濃密さや激しさより淡さや静けさが好き・・・そんなわけで、恋愛には淡泊、という。

そういえば去年、車離れを特集した記事の中で、「特に興味がない」という男の子のイラストが、ポーッと空を見上げてとっても穏やかな表情だったのを覚えている。あんなタイプの子かな。

 ついでに、以前電車の中で女子高校生2人と男子高校生1人が向かい合って座っていて、声の違いがなければほとんど仲良し女子(男子)3人組のおしゃべりといった感じだった。つまり、性の違いを全く感じさせない雰囲気だったので男子がいたのにちょっと驚いたくらいだった。あの子も草食系かな?

草食系という表現はとても面白いし、「日本が幸せになるヒント」(牛窪恵さん)だという考えに賛成。別の視点でいうと、母系原理的とでも言ったらいいのかしら?父系制に転換して以来、「男」のリビドーが支配してきた人類社会も、こんなに競争や紛争が続くと誰だって疲れてくる。

 同じ新聞で「日本の里100選」が発表された。「景観、生物多様性、人の営みを基準に現地調査」の結果選ばれたという。千葉県からは印西市の結縁寺(けちえんじ)が選ばれた。似たような景観を成田市でも見かけたが・・・。




□2009年1月5日(月)

イスラエル軍がガザ地区に地上侵攻を始めた。150万人がひしめく閉ざされた狭い土地に空と陸から攻めていけば被害を受けるのは住民。すでに死者500人を超えたという。ほとんどは民間人。これ以上の死者を出してはいけない。現地からの最新の報告は「市民のひろば」参照。

 今年は世界天文年。ガリレオ・ガリレイ(伊)が自作の望遠鏡で空を見上げて400年目。いまや人類は宇宙の起源にも迫ろうとしている。09年1月号の『日経サイエンス』を読んでいたら、これまではビッグバン(大爆発)説だったが、そうでないかもしれないという。最新理論はビッグバウンズ(大反跳。ビッグバン説は、時空が連続しているという考えのもとにビッグバン特異点といわれる時空が一点に集中して密度が無限大になった瞬間から時が始まるといわれてきた。ところが、ループ量子重力理論という理論では時空は微小な単位の〝時空の原子からできているという考えで、宇宙は1点に向かって収縮し、密度が一定限度を超えると重力は斥力に変わって収縮を止め、再び膨張し始めるという。つまり、これがビッグバウンズで、ビッグバン以前に宇宙が存在するという考えらしい。ビッグバン以前にも宇宙が存在したという理論の登場に少しホッとした。とはいえ、幼い私の頭を悩ませた疑問はさらに深まった。収縮と膨張を繰り返す宇宙っていったい何なの?

 「日本雁を守る会」araoさんによると、1226日朝、初め栄町にコハクチョウが渡来してきたそうだが、群れ全体が痩せていて、親が6羽いずれも首が黄色、ほかは幼鳥が44羽の50羽。首が黄色いのは泥湿地で餌をとっていたのではないか、幼鳥ばかり44羽は南下中の中継地でアクシデントがあって親と離れた幼鳥が大量に出て別に群れに張り付いたのを面倒見のいい親が受け入れて群れが形成されたのかも、という見立て。

4日現在関東地方で越冬するコハクチョウの渡来数は例年の半分くらいだそうだ。各地で餌付けを禁止したことが影響しているかもしれないという。各地の「ふゆみず田んぼ」などに集まり、その周囲で餌をとっているようだ。

本埜村の越冬地は餌付けをしているものの、個体数は100200の間で、いつもより明らかに少ないという。暖冬の影響で北海道の厚岸湾にはまだ6000羽のオオハクチョウが居残っているらしい。餌付け禁止、暖冬の影響、原因はもう少し様子を見る必要がありそうだ。





□2009年1月4日(日)

年の初めは静かでいい。少なくとも物理的な音が少なくなる。でも、子どもたちの声が聞こえないというのはヘンだ。かつては休みでしかもお正月ともなれば子どもたちが遊ぶ元気な声が聞こえてきたものだ。「子どもたち」はどこへいってしまったのだろう。これではいくら首相が「安心 活力」と書初めしても、この国は衰退していくばかりではないか。どこかで若者が言っていた、政治家は票にならない子どもや若者を切り捨ててきた」って。

 今年は政治も経済も激動の1年になるだろう。日本の政治でいえば今年の願いは政権交代。政権の座についたことがないのに民主党に政権担当能力があるのかないのかなどという議論はナンセンスな話だ。そもそも、役につけばたいていはそれらしくなる。大事なことは、国民の支持を失えば政権が変わるということ、国民が主権者として政権を決めるということを、はっきりさせるべきだ。

世界の政治でいえば、米大統領になるオバマ氏は、かつて選挙戦で主張していたイラクからアフガンへの兵力集中に深入りすべきではない。すれば墓穴を掘るだろう。「テロとの戦い」は軍事力では解決しない。

厚生労働省に面した日比谷公園に登場した年越し派遣村(1231日~4日)や、パレスチナ自治区ガザから送られてくる激しい空爆の様子を知らせるメールやTVニュースは、身辺の静けさがいま、ここだけのみせかけだということを伝えてくれる。

とはいえ、私のお正月はいつもと変わりなく実家に行ったりして過ごせたし、温泉の湯につかりながら遠くの山に沈んでいく夕日とともに明るさを増す金星を眺めることができた。今年初めて自分のために買ったのは、思わず手が出た一鉢のセントポーリア。初めて見る青紫の一重の花の色のあでやかさ、つつましいそのかたちに、見ると「種苗登録申請中」とある。350円でとってもハッピーな気分を味わった。さっそく窓際の仕事机の、パソコンの左に置く。

今年初めて歩いた坂田が池―風土記の丘のウオーキング・コース。昨年、ハスを刈り取ってしまったので寄りつかなかった渡り鳥が今年は舞い戻ってきて、やわらかな日差しの中でゆったりと過ごしていた(写真右)。

風土記の丘ではユリノキの巨木の枝先に花のガクがたくさんついていたので写真に撮る(左)。ニュータウン中央通りのユリノキ並木に花が咲きますように。・・・ということで、お正月のめでたさも今日で終わり。





□2009年1月1日(木)

新しい年が始まった。来し方行く末を思いながら、昨年百歳を迎えたフランスの人類学者クロ-ド・レビストロースの言葉が心をよぎる。「世界は人類で始まった。そして人類なしで終わるであろう」。自然史的にはいずれそうなる。しかしこの地にある限り、より善きものを求めるのが人類の英知であってほしいと願う。

月の地平線より昇る地球。08年「かぐや」からの映像。「世は去り世は来る 地は永久に長存(たもつ)なり」(「伝道の書」1章4節)