2009年7月1日~2009年12月31日

□2009年12月29日(火)

 新聞やテレビがこの1年を振り返り始めた。「成田市」の09年といえば、新清掃工場の入札中止問題からはじまり、羽田国際ハブ空港化問題でしめくくられるだろう。私もその都度思うことの一端を「日記」に記してきた。新清掃工場問題では市民にとって不透明感がつきまとったが、羽田ハブ空港問題で一気にはじけた感じ。ただいずれの場合も、小泉市長の言動を見ていると、民主主義の政治制度を実現していく根幹である「住民自治」の視点が無いか、もしくは極めて弱いことを感じた。政権交代を経て、今後〝地方分権〞は掛け声ではなく、政策として地域主権が具体化してくるだろう。首長としての資質が問われるテーマだ。市長の残り任期1年、市政運営に注目したい。ガンバってね~。

 国政では、「民主党が良いの悪いの言ってる場合ではない、とにかく政権を!」と願っていた歴史に画期となる政権交代が実現した。民主中心の連立政権は一般会計922992億円の10年度予算を組んだ。自民党政権とは違うな、というところも見せてくれたけれど、来年は違いをはっきりさせるために細部にこだわってもらいたい。それにしても鳩山首相の偽装献金「マザーゲート」事件や、小沢民主党幹事長の資金管理団体の原資不明金4億円不記載問題。首相は贈与税6億円の修正申告をして一件落着にもちこもうとしているが、小沢氏の件は現衆院議員の元秘書が逃げ切れずに不記載を認め、在宅起訴となるようだ。来年に持ち越される「政治とカネ」にまつわる問題が、政権の足を引っ張ったり政治を歪めることにならないか。目が離せない。





□2009年12月28日(月)

 13時から空港対策特別委員会が開かれ、続いて全員協議会。25日の4者協議会の報告があった。国土交通省からは「成田空港の能力向上に向けた飛行方式の見直しについて」。航空局首都圏空港課長が説明。NAAからは環境対策・地域共生策の基本的な考え方、空港容量拡大に向けた施設整備についてなど。年間発着回数30万回に向けて、同時平行離着陸方式の導入と新たな飛行ルートの設定や運用上の制限緩和の実施が具体的な日程に上ってきたといえるだろう。その実現には管制官の慣熟に1年位かかるとのこと。

 NAAによれば、今後運用制限の緩和、への字誘導路の改善、駐機場の増設をしながら同時離着陸運用の導入、新設誘導路の供用などすべてが順調にいって最速で2011年に25万回、2012年に27万回、2014年には30万回が実現する見込みだという。モチロン、30万回飛ばす需要があってのハナシだが。22万回の春ダイヤも組んでいないのに・・・パイは願望で膨らむものではない。

 ところで、肝心の対象地域の住民合意について市長は〝丁寧かつ迅速〞を繰り返した。12月議会でも「地元として(一刻も)早く30万回受け入れを表明せよ」といった議会の一部の声に押されるように「そう時間をかけてはいられない」と答弁していたが、丁寧に説明して理解してもらうことと迅速に進めることについては、住民と行政・NAAの間に認識のずれがあるのではないか。住民は同時平行離着陸がもたらす騒音を未だ体験していない。コンター図を広げて「だからご理解を」といわれ「わかりました」ということにはならないのではないか。説明の過程で、低周波騒音も含めて同時平行離陸による「ステレオ騒音」の実態を示すべきだ。数字だけではなく体感として実感できるような方法で。

 「みんな羽田にとられっちゃーど」と焦るあまり住民の合意、理解をおろそかにしては本末転倒、行政としてやってはならないことだ。





□2009年12月27日(日)

 「週刊金曜日」1225日号(1月8日号と合併)を読んだ。村上春樹の『1Q84』や小熊英二の『1968』がまな板に乗せられていて面白かった。『1Q84』にはいまのところほとんど興味が湧かないから読んでいないが、『1968』はいわば団塊ジュニアの息子が団塊両親の青春とその時代背景に関心を持って書いたようなものなので、我が身を振り返りながら読んだ。〝はぁ~〞とか〝わかってないね〞とか〝なるほどね〞といった雑多な感想にのみ終始した。でも、田中美津さんのように自分が評論(リブと田中美津論)されているとなると話は別だろう。「田中美津、『1968』を嗤う」は日本のリブ運動の先陣をきった彼女の面目躍如。私はもともとリブ運動には興味がなかったから当時の裏事情をほとんど知らないけれど、いま田中さんを読むと女の底力というか、凄みといったものを感じる。私がリブ運動に近づけなかった理由が整理できたことは収穫。

 それより一気に読ませてくれたのは〝本多勝一ロングインタビュー〞「俺があのルポを書いた時」。聞き手が烏賀陽弘道というのもゾクッとする組み合わせ。今は昔・・・といった感があるけれど、それがそのまま現代のジャーナリズム批判になっている。私は高校時代朝日新聞に掲載された『ニューギニア高地人』以来、一読者として本多さんのルポルタージュに魅了され、或いは影響を受けてきた。その後朝日新聞掲載のルポで関心をもったのは辺見庸さんの『もの食う人々』くらい。他の新聞のことは知らないけど。

ああ、もう、どこでもいいから飛び出したくなるようなルポルタージュを読みたいものだ。





□2009年12月26日(土)

 市教育委員会より9月以降土・日曜日を除いて毎日届いていた学級閉鎖等報告書が24日の第50号をもって終了した。22日には市内全児童生徒のうち欠席者は124人と激減し、学級閉鎖をしているクラスはないとのこと。猛威をふるった新型インフルもどうやらひと息ついたようだ。11月末までに市内全児童生徒の32%が新型インフルに感染したという。今回は低年齢の子どもの罹患率が高く重篤化する例も集中したというから、小・中学校の先生方だけでなく、保育園や幼稚園の現場でもずいぶん気を遣い、苦労されたことだろうと思う。

 市教委によれば、これまでは早期防止対応ということでクラスの1割位の発症者が出ると学級閉鎖にしてきたが、今後流行がさらに拡大した第二段階では多数の子どもが発症して授業を進めることができない場合の休業で対応するそうだ。前者は積極的臨時休業、後者は消極的臨時休業というらしい。

 以前「女性の会」の会員さんの中で学齢期の子どものいる方から聞いた話では、閉鎖したぶん冬休みを短縮して授業をやるということだった。今日に新聞では、学習指導要領の改訂で授業時数が増えていることも関係しているようだ。足りない時間を平日延長するか、土日にもってくるかは校長の裁量の範囲だという。これも、子どもや先生にとって大変。小学校時代は遊んで育った私などからみれば、やれ手洗いだ、うがいだ、マスクだとさんざん規制されたのだから、休みくらいは思いっきり遊んだらいいと思う。学力がどうこういうほどの時間差ではないよう思うのだ。教育熱心な人には「時代が違う」なんて叱られるかも。

 SatochibaMLによれば、コハクチョウが寒波に見舞われた北陸・日本海側から九十九里方面に向かって続々と渡来してきているそうだ!観察した人たちの報告では、本埜村では24日朝、一気に700羽増加し1050羽に。でも25日朝はたった40羽になっていたという。栄町では印旛沼周辺に600羽、ほとんどが本埜村から移動してあちこちに分散し、二番穂を夢中で食べているようだ。

 メールの送信人Aさんは、新潟の瓢湖や朝日池などから大雪に追われて信濃川をさかのぼり、長野から千曲川に沿って秩父連山を越えて雁坂峠から相模川、多摩川を越して千葉県へ渡来する〝渡りのルート〞が2005年~2006年に100年ぶりに開通し、今年はその2回目の渡りだという。これから1月初めにかけてさらに新潟県方面から移動するコハクチョウが増え、2005年~2006年以上の個体が移動してくるだろうと予測している。印旛沼周辺でコハクチョウに出会うのが楽しみだ。





□2009年12月25日(金)

 メリー・クリスマス!なのだが、ここ数日雑用に追われて〝外界〞との接触が途切れ途切れなのでクリスマス気分はほとんど伝わってこない。それらしかったのは先日寄ったコンビニの店員さんがサンタさんの服を着ていたくらいかしら。

 今日届いたメールによれば、12月県議会で自民党議員から「男女混合名簿の廃止」を求める発言があり、鬼澤教育長が「千葉県総合計画」で検討するという答弁をしたとのこと。男女混合名簿の見直し或いは廃止が千葉県の「総合計画案」の中に入るのだろうか。

 森田氏は知事になる以前から男女平等教育を歪める発言をしてきたことは周知の事実。「千葉県の教育を元気にする有識者会議」なるもので子もたちにアナクロニズムの自己チュー歴史観や道徳教育を押し付けようという、具体的な動きが始まっているということも耳にしている。

 男女混合名簿については、堂本暁子知事誕生に合わせるように県教委から市町村教委に男女平等教育を推進するために混合名簿の導入を進めるよう通知があった。それまで、私も一般質問などで幾度となく導入を求めたのに実現しなかった混合名簿だが、県教委通知によってアッという間にほとんどの小学校があいうえお順になった。中学校は思春期だナンダカンダと理屈をつけて男女別にこだわっているが、いずれ混合へと変わっていくだろうと思っていた。世界はもちろん、日本でも高校や大学、実社会では当たり前のことがなぜ義務教育現場では実施されてこなかったのか、その一因(教育委員会の体質)を知事が変わってわかった。でも、男女平等教育の前進だったから歓迎した。それが今度はまた知事が変わって、後戻りさせようとするのだろうか。

 男女平等を快く思わない森田知事誕生を機会に「男が先、女は後」を復活させたい人たちもうごめきはじめた。県教育委員会がこうした知事やその周辺の顔色を見て、かつての通知を反故にして混合名簿の見直しや廃止を決めるようなことがあるとしたら、教育委員会に対する県民の信頼は失墜するだろう。

 Uさんから小田原の実家で収穫したという〝みかん〞をいただいた。市場に出荷しないので自然のなせるまま、無農薬、粒もいろいろなのがあって嬉しい。酸味も甘味もキリッとして美味しい。そういえば私の実家の甘夏は今年久しぶりの不作。去年は柿。果樹も時々ひと休みすることがあるのだから、人間はなおさらね。





□2009年12月22日(火)

 県議会最終日。県庁不正経理問題について緊急質問があるというメールが届いたので傍聴。午前10時から1230分頃まで、6名が質問に立つ。

 なぜ?という問いに対しては、「職員のコンプライアンス意識の著しい欠如から長年にわたり放置され、内部検閲機能が働かなかった」に終始。コンプライアンスというのは法令遵守のこと。要するに、公務員として法を守らなかったという深刻な事態。40年も前から断続的に内部告発が行われてきたのに2002年度(平成14年度)以前は財務データがないのでいつから不正経理が行われていたかわからない、従ってさかのぼって調査はしないという。損害額返還金を割り振る算定基準もあいまいだし、全容が解明されないまま早々と幕引きをするために決めた知事ほか3役の減給10分の3×3ヵ月も、何を根拠として10分の3としたのか?と問われ「(根拠は)私(知事)」と答え、傍聴席からは失笑。

 知事は18日に不正総額366000万円、2245人の処分を発表した。重い処分は公金私的流用が悪質とされた5人のみ。指示してきた幹部は監督責任だけ、裏金づくりを指示されたヒラ職員934人と同じ「文書訓示」とは・・・。傍聴席から、この構図はトカゲのしっぽ切りではないかという声。「膿を出し切る」とか「今日を境に県庁生まれ変わる」とか見栄を切ったようだが、県民はどこまでそれを信じることができるだろうか。さるMLで流れてきた〝県庁不正経理問題(8)〞によれば、18日の発表内容も、県県接待や県幹部の私的流用がいっさい明らかにされていないため、実態を知る職員は「な~んだ」と見ているという。調査や処分内容決定はM総務課長がI副知事と相談しながら取り仕切ったそうで、知事は〝よきに計らえ〞という姿勢。そもそも知事には「経理問題特別調査結果報告書」の内容が理解できないはずだ、という。そういえば、今日の答弁も気の入らない様子で棒読み、多くは幹部まかせ。これで幕引きはないでしょう?

 入院した伯父のお見舞いに行って、久しぶりに全天の星を眺める機会を得た。牡牛座にプレアデス星団(昴)を見つけた時は本当に嬉しかった。遠視で乱視なのに、眼鏡をかけず一つ一つみることができた!カシオペアも北斗七星も、そして北極星もみつけた。確か、「冬のソナタ」で北極星をポラリスと呼んでいたわね。いつもはベランダから眺める私のシリウスも、凍りつきそうな闇の中でひときわ強い光を放っていた。そして、オリオンは格別。病気見舞いなのに胸が躍るようなプレゼントをもらった気分だった。





□2009年12月20日(日)

 このところメディアが鳩山政権による「天皇の政治利用」について取り上げてさかんに批判している。でも、歴史をふりかえると「天皇」が政治上の権力の座にいたのは古代の一時期と明治以降敗戦まで。その時代も、天皇家と姻戚関係をもつ有力豪族が寄り添っていて、政治の実権はそちらが握っている。そして娘が天皇の妻になり、その間に生まれた孫が天皇になり、さらに、さらに、という関係が新たな権力者が登場するまで続く。蘇我氏しかり、藤原氏しかり。武士も完全に権力を掌握した後、箔をつけるために各種の位をもらったり、皇室やその周辺貴族の娘と婚姻関係を結ぼうとした。

 明治維新の倒幕組は旗印に尊王攘夷をかかげ、京都御所でつつましく暮らしていた天皇を政治の表舞台に引っ張り出したし、その後に続く「大日本帝国」は、心中少しも天皇を「尊崇」していない維新の功労者たちが民衆を支配服従させる道具として天皇に「神格」を付与した。

 記憶に新しいのは米国。アジア太平洋戦争で無条件降伏した日本の占領統治をスムーズに行うため、ヒトラーと並ぶ戦争犯罪人として責任を問われようとしていた天皇を救い、利用した。

 なんでだろ~?と思って昔文化人類学を学んでいた頃自己流に調べてみた。おぼろげながら見えてきたのは、氏族や部族、部族連合などを経ていつの頃からか古代「天皇」につながる家系は武力による支配よりも祭祀をつかさどる家系へと役割をシフトしていったこと。稲作民族の大祭司といったところ。血統はあっちこっちから流入し途切れ途切れでも、「天皇」という権威はそれを利用する政治の実権を握った勢力によって様々なかたちで利用され(時に利用し)てきたのだ。いまさらカマトトぶって「政治利用」を批判するなど、ちゃんちゃらおかしい。

 NHKの日曜ドラマ「坂の上の雲」(原作・司馬遼太郎)が話題になっている。NHKもかなり力を入れて宣伝している。「明治」に学べ、「近代日本建国の英雄」に学べなどというキャンペーンではないでしょうね?・・・あれは生前の司馬遼太郎さんが映像化を許さなかった作品としても知られている。あの作品が明治の一面だけ肥大化して取り上げられかねないことを司馬さんは懸念していたのかもしれない。いつだったか司馬さんは、日露戦争の勝利からこの国の変質が始まり太平洋戦争へ暴走していくという歴史認識や、尊王攘夷論以降の偏狭な天皇制イデオロギーへの批判を語っていた。

 そういえば明日、倫理法人会という団体の成田支部があの田母神元自衛隊航空幕僚長の講演会を開くと言う話を聞いた。田母神という人は歴史の一面しか見ていない。軍人なのに敗戦の教訓もない。しかも核武装論者。世の中景気が悪くて企業も大変な年の瀬だから、ひとつ田母神氏の誇大妄想論というか、調子のいい話を聞いて憂さを晴らそうというのかな?もし経営に役立てようというなら、現実を見る眼がない人の話をきいても誤った経営戦略しかたてられないだろうからやめたほうがいいんじゃない?





□2009年12月19日(土)

 事務整理や掃除その他、積もった用事に追われて1日が過ぎた。途中、グランドサンへのクリスマスプレゼントを買いに出かける。クリスマスやお正月を控えた師走のお店はいつになく華やいだ雰囲気。つられて私も楽しい気分でプレゼント探し。今年はカードや写真を飾るおしゃれなアクリルフレームを見つけて赤い包装紙に包んで緑のリボンをつけてもらった。例えば、ということでババが選んだカードも入れた。ま、彼の好きなバスケット選手の写真でもいいし、そのうちガールフレンドとのツーショットとか・・・気に入ってくれるといいんだけれど。

 私はかなり気が短いほうでじっと待つのが苦手な性格なのだが、新政権に対しては、慣れないことをやっているのだからそんなにすんなりいくわけない、とにかく国民と約束した一つ一つの政策課題を未来志向で処理していってね~と、どちらかといえば比較的長い目で見ている。でも、子ども手当には所得制限を設けるべきではない、普天間基地移設問題は米国の〝事情〞に振り回されるな、〝知日派〞という名の利権屋集団(ジャパン・ハンドラー=日本対策屋というそうだ)の恫喝に屈するな、PAC3の追加配備予算は削除を!等々言いたいこともいっぱいある。

 そんな中でメディアが騒ぎたてるような、閣僚たちがそれぞれの立場からいろんな意見を出し合っている状況は「混乱」「不一致」というより政策の決定過程における情報公開的な意味があるのではないかと思っている。私の知っている幾つかの市民団体は、そのプロセスに注目しながら政権に対していろいろな意見(賛成・反対・叱咤激励など)を次々発信している。今はとにかく情報公開の徹底と説明責任を求め、議論が見えるような政権であることを願う。

 小沢氏には自民党幹事長だった頃から違和感があるけれど、彼の執念と馬力がなかったら政権交代は実現しなかったわけだから、当分の間〝小沢的〞なやり方が幅をきかすのは仕方ないだろう。私としては、いかに小沢的なものから脱却していくかが21世紀の市民社会を創る政治の試金石だと思う。





□2009年12月18日(金)

 母の命日で猪森台にお墓参り。4年前と同じようによく晴れて、乾いた冷たい風が吹いていた。水田や栗山川を見渡す高台で十数本の椎の木の巨木など樹木に囲まれているのでザワザワと枝を渡る音も大きい。そばに実家の畑があるので、12月中にイチゴの苗を少し植えることにした。来年は自分で収穫したイチゴでジャムを作るのが楽しみ。ついでにハーブも・・・などとまた畑でハーブを栽培してみたくなった。でも草取りに通うことを考えるとそんなに欲張れない、か。

 帰り道、生前母がそうしていたように近くの第六天(他化自在天)にもお参り。母はここに祀られている欲界の大魔王に何を祈ってきたのだろう。生きているうちに聞いておきたかった。その昔は田んぼを隔てた隣の地区に祀ってあったのだが何かの理由でそれができなくなり、頼まれて私の実家がある地区に移したのだという。それも何かの縁だと思う。このあたりは集落と地続きの畑や里山なので子どもの頃は恰好の遊び場だった。本当に懐かしい。

 産直野菜が届く。ケースの中は里芋、白菜、人参、キャベツ、小松菜、水菜。実家から近所の農家からいただきものの白菜、大根、人参を分けてもらってきたので、しばらくはセッセと野菜を食べることになる。でも、健康優良児のような白菜2個と極太大根をどう料理して食べようかと眺めていたら、なんだかもうお腹がいっぱい。とりあえず、今日は鍋。

 『産直ニュース』の鈴木加代子さんによれば、晩秋から気温が高めで雨が多かったので野菜の病気が心配とのこと。長年土壌消毒など農薬に頼ってきた農家は人参や白菜畑に被害が出て困っているらしい。無農薬・有機栽培歴25年目の鈴木さんの畑は、長年無農薬で栽培してきて土ができているから少しの病気で済むという。有益な微生物などが多く、野菜も強いそうだ。無農薬・有機に切り替えてうまくいくまでには10年位かかるらしい。農薬などが完全に抜け切るには2030年かかるとか。あらためて土づくりの大切さを教えられた。





□2009年12月17日(木)

 12月定例会最終日。提出された議案は継続審査の決算関連議案も含めて全て執行部の提案(原案)どおり可決された。私の表決態度は議案1号、議案21号、継続議案12号に反対。

 以前、当時の市長公室長が「成田市議会はホントにいい議会だ。必ず最後は議案を通してくれる」と語ったことを憶えている。その時の口調から「いい議会」とは「行政にとって都合のいい議会」と受け取った。確かに、執行部としては予算・決算含め提出議案が議会で修正や継続、否決されでもしたら困るだろう。メンツもあるし、面倒なことだ。だから、ナンダカンダ言っても議案を通してもらえる議会は「いい議会」という評価だ。

 しかし、議会本来の機能を考えれば、行政のやることをすべて追認するだけなら議会はいらないではないか、という意見も出てくる。先日の「開かれた議会を目ざす会」のシンポジウムでも、某議会のウオッチャーングの一人が「こんな議会ならないほうがいい」と言うと会場のあちこちから拍手がおこった。議会への失望が反感になり不要論になると、例えば鹿児島県阿久根市の市長のような「市民主義」を掲げるリーダーならぬミニ「独裁者」を産む土壌をつくってしまう。

 しかし、私たちは先人たちが血と涙と汗を流してかちとった民主主義の時代に生きているのだから、議会制度は否定するより活かすことを考えて行ったほうがいい。今できる一番の近道は、可能な限り開かれた議会にすることだ。議会が開かれるほど、議員の姿が見えてくる。いくら見えないところで重要な仕事をしていると言っても、市民一人ひとりは自分の見える範囲で議員を評価する。成田市議会も徐々に議会改革が進んでいて、来年3月議会からは委員会審議もネット中継されるようになる。議会・議員・行政ともに公開に耐えられるように変わらざるをえないだろう。11年4月には統一地方選がある。そこで議会を変えるのは市民だ。

 22日(火)に判決言渡し期日となっていた八ツ場ダム裁判は、来年1月19日に延期という通知。6月23日結審以降9月の政権交代を経て情勢が流動化しているため、原告より弁論再開申し立てをした結果裁判所の判断。弁論は再開しないとのこと。前原発言以来八ツ場ダムはメジャーになったのでもはや私などがあれこれ言わなくてもよくなった。あとは地元の生活支援策をしっかり整備してダム本体工事の中止が決定、それだけを願っている。





□2009年12月15日(火)

 1130分~歴史と今を語りあう女性の会・忘年会、3時30分~空港圏自治体連絡協議会(市役所)、5時~ニュータウン赤坂センター地区新興検討協議会(保健福祉館)と渡り歩く。

 空港圏自治体連絡協議会を初めて傍聴。協議会を構成しているのは空港圏と言われる4市(成田、富里、香取、山武)と5町(芝山、多古、神崎、栄、横芝光)の首長と千葉県、NAA。議長は会長の小泉成田市長。

 参加自治体首長の合意によって提案されたのは●現在飛行できない深夜・早朝時間(23000600)に騒音化住民の理解を得てリレー時間帯(延長時間帯を)設けることが可能か、その場合運航は低騒音機に限定し料金は騒音化住民の騒音対策に還元する●22時台は滑走路1本あたり10回に規制している運航規則を実態に則して見直す、といったもの。これまで内陸空港ということで配慮されてきた運航制限を取り払うよう迫っている。NAAからすれば、「皆さんが結集して規制緩和していくのは心強い」ということらしい。富里市長が「この場で決められないのか」という問いには「10時台10便は円卓会議で決まったことなので・・・手順を踏まえないと」とNAA。

 周辺の首長は羽田国際ハブ空港化を「成田空港の危機」と捉えての危機感もあって感情が先走っているようだ。芝山町長などは昨年首長たちでミュンヘン空港ほかを視察したことで踏ん切りがついたらしく「同じ窯のパンは美味しかった」と語り、「2本の4000メートル滑走路」の必要性、あるいは北への再北伸もあるが、(南側に未買収地が残る)「B滑走路の東に、若干ずらして新たに3500メートル滑走路を建設し、B滑走路は誘導路にする」などといった提案も。かつて空港反対派だったというが、賛成になったのをとやかく言う気はないけれど逆噴射みたいでコワい。でも集まった首長たちからすると、みんな芝山町長の勢いに感じ入っている様子。

 まさに「危機感をもつ中で意識をまとめあげていく」という香取市長の発言がピッタリの会合だった。首長たるものこういう時はいったんアタマを冷やして「意識をまとめあげて」ほしいものだ。

   空港圏自治体連絡協議会(09・12・15)PHOTO BY MACHIKO

 中央向き合って座っているのが4市5町の首長と千葉県、NAA。その背後はそれぞれの随行。手前は傍聴席で右側が報道席。あらっ!見渡せば女は私ひとり。 私はフェミニストを自称するほどの者ではないけれど、地域も空港もひと皮むけばこれが現実の姿ではないか。





□2009年12月13日(日)

 福島の大内果樹園で実った〝木洩れ日りんご〞が届いた。葉には一枚一枚役割があるから着色をよくするための葉摘みはせず、自然のままにゆったりと熟したりんご。「りんご畑の木洩れ日のような素朴な色合い」とはよくいったものだ。大内果樹園では減農薬でりんごを栽培するためにいろいろ工夫をしている。たとえば木の周りには虫よけにナスタチウムを植えたり、病気に敏感で果樹の病気をいち早く知らせてくれるというバラを実験的にりんごの木のそばに植えているという。こうすれば病気の早い時期に病気に対応できるから、農薬もごく弱いものを少量使うだけで済む。な~るほど、と思われる工夫が美味しい木洩れ日りんごになるのね。

 NHKスペシャルで「立花隆がんの謎に挑む」と題する思索ドキュメントを見た。自らもがんを発病し再発の可能性を抱えているせいか、海を越えてがんの核心に迫ろうとする姿には執念のようなものを感じた。それはまた、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死ぬ現代に生きる私たちの生き方を問う内容でもあった。

 どうやらがんはこの地球上で誕生した生命が生き抜いてきた進化の歴史そのものと関係あるらしい。がんは生命が海から陸へ、海と陸を行き来した生命にとって重要な進化の中で獲得した遺伝子HIF-1を使って増殖する。最後は「免疫力」が決め手だが、その代表である免疫細胞マクロファージもがんの進行を促進するというのだ。だが、マクロファージは傷口を治すのと同じように本来の働きをしているに過ぎない。がん細胞はいろいろあるが、悪さをするのは根源となるがん幹細胞というやつで、これがまた、全身にごく少数存在する生命の根源につながる幹細胞と同じあることだ。ここで、がんは生命そのものであるという結論に至る。

 京大山中教授の世界初のips細胞は人工的に作られた幹細胞だが、再生するips細胞とがん細胞は紙一重だという。再生力が高ければコピーミスを繰り返しがんもできやすい。複雑な生物ほど、進化とひきかえにがんのリスクを背負っているとは、皮肉な話だ。

 それでも、現段階でがんの全体像をとらえることは誰にもできないという。がん制圧には50年~100年はかかるだろうといわれる。ということで、再発の可能性をかかえた立花さんはホスピスの医師との出会いを通じて死と向き合う覚悟を語った。

4年前母をがんで失った。84歳だった。怖い病気、という程度の認識しかなかった私だが、この「ただものでない」相手の素性を教えられ、不安が増すというのではなく妙に冷静な気分になれた。





□2009年12月12日(土)

「開かれた議会をめざす会」主催のシンポジウムが東京の豊島区勤労福祉会館で開催された。タイトルは「賢い市民が議会を救う―まず〝議員仕分け〞をしよう!―」先に国民の熱い注目を集め官僚主導予算に切り込んだ〝事業仕分け〞をもじって、議員を仕分けしようというシリーズ第1弾★落とせダメ議員!

 「めざす会」には私のような議員のほかに全国各地で地方議会をウオッチングしている市民オンブズマンが多く加入している。今日から始まるこのシリーズは市民の立場から開かれた議会をめざす議会改革といえる。えびな市民オンブズマン、くにたち市議会を見ていく会、相模原市議会をよくする会・相模原市民オンブズマン、多摩市議会ウオッチングの会の4団体からそれぞれの議会の実態報告を行い、会場の参加者との質疑応答。その後で専修大学教授の小林弘和さん(地方自治・行政学)がコメンテーターとなって活発な討論が行われた。

 ところで、(ウオッチングできる範囲で)ウオッチャーの言う〝ダメ議員〞ってどんな議員のことかというと、〝器〞でない人、行政にヘイコラする人、他人に原稿を書いてもらって朗読する人、部分(地域)のことしか考えない人、専門分野を持っていない人、風見鶏・言行不一致(発言と表決態度)の人、市民の代表だと公言し市民参加を嫌がる人、正義の味方だと思っている人、人が良いだけの人、行政をチェックする意欲のない人・・・。

 ウオッチャーの中には失望の結果としての議会不要論や、不要論でやってしまうと行政をチェックできないから質の良い議員を選ぶための〝出馬検定試験〞を制度化したらどうか、民主主義の制度にあって議会は必要で大事な役割があるが現状はダメだからすごく変えていかなければいけない、行政も議会も変えなければいけない・・・と様々な発言。

 最後は、ウオッチャーの議会改革への熱い思いとそれゆえ生じかねない〝バイアス〞を小林さんが法制度的に調整しながら、まとめあげた。現行の憲法下で制度的に行政をチェックできるのは議会。が、議会がやるべきことをやっていない。議会に決定権を預けることの重さに気づいている市民も少ない。住民自治の担い手としての議会の役割をどうしたら活性化できるかということだ。これは議員とそれを選んでいる市民の問題である。

 (ウオッチャーの役割は)市民に対する事実の提供が大事。評価は可能だから評価ソフトでも作ればいい。だが、その評価を絶対だと思わないこと。(市民)それぞれの立場からの評価がある。画一的なマニュアルを作らず議会も行政も見てほしい。波風を立てることが大事・・・といった講評だった。
   09・12・12 PHOTO BY MACHIKO

 私も市議として来年は20年目を迎えようとしている。ずっと会派に属さず一人で、一議員として行政と市民に向き合ってきた。それでも、こうしてもっともラディカルな議会批判を聞くと初めて議員に立候補した時の初心を思い出す。それは2期目立候補を前に刊行した小冊子『はじめの一歩』(1995年)に記してある。時々読み返すが、また、読み返してみよう。

 今日はほかに環境団体の会合と佐倉の歴博で縄文講演会があったのだが、めざす会のシンポジウムを選んだのは我が身を振り返ってみたかったから。





□2009年12月11日(金)

 総務常任委員会。付託案件は一般会計補正予算と私有財産の取得(高規格救急自動車)の2件。今日で委員会審査が終了。議会日程は最終日(17日)を残すのみ。

 一般会計補正予算は大事な補正がたくさんあったから賛成したかったけれど、3日に先議された人事院勧告関連4議案のうち職員人件費を減額する1議案に反対しており、それを組み込んだ補正だったので反対。こういうのはわかっていてもとても悩ましい。でも補正は賛成多数で可決することはわかっていたし、ま、いいっか。

 フツーに考えてヘンではないかと思ったのが高規格救急自動車の入札。市の予定価格2899500円の自動車に対し、4社が入札に参加したものの2社が辞退。残った2社のうちA社は2,440万円、B社が3,500万円で札を入れた。A社とB社の間には1060万円も差があった。結局、予定価格の88.3%(含消費税)でA社が落札。同じ規格自動車でこの金額の差はどう考えるか?という私の質問に対し、担当課は「結果としてそうなった。あくまで推測だが、機材の価格の違いではないか」。予定価格は公表したかという問いには「『物品』なので仕様を説明し、予定価格は公表していない」と答えた。

 この種の入札に参加する車の製造業者や機材の業者は限定されている。仕様が示された救急車で機材に1千万円以上の差が出るなんて、常識的には考えられないと思うのだが。議案には賛成。

 昨夜録画しておいた「刑事コロンボ」。今夜こそ最後まで見届けようと決意したがやっぱり途中で眠ってしまい、最後の♫~♩メロディ♫~で目が覚めた!近頃は木曜日と土曜日にコロンボを放送しているので、気が付けばつい懐かしくてチャンネルを回したり録画したり。そして彼がウロウロ動き始めるといつの間にかうつらうつら・・・ドラマの始まりに殺人のタネあかしをしてしまうから気が緩んでしまうのかしら、でもそれなら見なければいいのに、何でだろ~。

 と、思い出したのがいつだったかの朝日新聞夕刊〝寄ってらっしゃい電脳喫茶〞の投書。お題に〝理想の男性・女性〞というのがあって、「東京の主婦」から「恋人なら『風と共に去りぬ』のレット・バトラー。激しく愛してもらう。結婚して子どもができたら、夫には『大草原の小さな家』のローラのパパ。頼りがいがあって、子煩悩で、奥さんを一途に愛しているところがいい。そして老年は『刑事コロンボ』のコロンボ刑事と共に過ごしたい」という、チョー・ムシのいい投書があった。激しく愛されたり一途に愛されるということは経験がないので実感がわかないが、コロンボと共に過ごしたいというのは老年になった私にはわかる気がする。だって、彼の姿を見、声を聞いているだけでたちまち眠りに誘ってくれるんですもの。





□2009年12月10日(木)

 午前中は教育民生常任委員会。都合で傍聴できなかった。午後は空港対策特別委員会をテレビ傍聴。

 これまで関係する人たちから聞き取りをしてきた結果だが、成田空港の容量拡大の象徴のようにうちあげられた年間発着回数30万回というのは、相当数字が独り歩きしているなぁという感じ。管制や空域でかかえている課題が整理されない限り、実現には相当の道のりを要するだろう。いずれにしても、成田と羽田で国際ハブの機能を持たせるというかねてから語られていたことが具体化してきたわけで、前原発言を待つまでもなく、管制空域は当分の間羽田を中心にして再編されていくことになるのだろう。

 それにもかかわらず、まだ22万回のダイヤも組んでいないうちから早々と12月中に発着30万回を想定したコンター図を示して「地元にご説明、ご理解」を求めるというのはどういうことかしら。前原発言のショックが覚めない今のうちに同意をもらってしまおうというのなら問題ではないか。だって、住民はいくら図面で説明されても、30万回同時離陸の場合どんな環境が出現するか想像できないと思うけど・・・。

 先日録画したBBC制作の番組を見て、地球の寒冷化には太陽だけでなく木星も影響していることを知った。地球が太陽の周りを回り続けているある時(時、といっても宇宙的な時間なのだが)、木星の引力に引っ張られて太陽から少し(どのくらいの距離かわからないけれど)遠ざかることがあり、その時地球が寒くなるようだ。それは、なんとなくわかる。(木星の引力のせいかどうかわからないが)地球丸ごと凍りついてしまった時代もあったようだ。

 ほかに、地軸が変わるとか、大陸移動(プレートテクトニクス)などでも地球規模で寒暖の差が現れるらしい。人類誕生以前から地球は暑くなったり寒くなったり。で、今の地球温暖化だけれど、CO2削減のために努力するのは大賛成だが、地球規模での温暖化が本当に人間のせいだけかどうかについては考えてしまう。どうも私は地球温暖化にしろインフルエンザの流行にしろ呑み込まれそうな大きな流れが起こると、ちょっと待った・・・と二の足を踏む性格らしい。





□2009年12月9日(水)

 経済環境常任委員会を控室でTV傍聴。仲町にある成田観光館の分館として上町にまちかどふれあい館が整備されたので観光館設置及び管理に関する条例の一部改正議案と、指定管理者関連の7議案。いずれも原案どおり可決。

 執行部からは3件、迎春対策、国営流域水質保全機能増進事業「印旛沼二期地区」について、スズメバチ駆除事業について報告があった。この中で、印旛沼二期地区事業については、沼を〝水がめ〞にする二期計画の話を聞いたことがあったので気になり、委員会終了後担当の農政課に話を聞いた。結果として、事業は印旛沼そのものに手を加えるものではないような認識なのでとりあえずホッとした。でも、この点は後でもう少し詳しく調べてみたい。

 印旛沼は戦後の食糧増産で大規模な干拓が行われた。その結果、沼は今のような形になった。私が20数年前に聞いた話では、さらに沼の水利機能を高めるために深く掘り下げて水を貯める二期計画があるというものだった。その後時々〝二期〞という言葉は耳にしたが、具体的な計画としてはあがってこなかったのでやれやれと思っていたが、やはりついに登場した。

 千葉県の貴重な自然であり資源でもある印旛沼の水質悪化(かつては生活雑排水、今は農業で使用する化学肥料や農薬などが目立つ)への対応は常に重要なこと。「具体的な取り組み」として、「循環かんがい」の強化(できるだけ沼に排水を流さず循環して使用)や環境保全型農業の推進をうたうことは賛成。また施設の更新は、戦後開発で老朽化していることはまぁ理解できる。でも、「地域特性を生かした農業の推進」。その内容は〝農地の集積〞や〝食料供給基地の強化〞このあたりになると、戦後農政の耳障りな言葉遣いに聞こえてしまう。

 沼の周囲を埋めて田んぼをつくり、そのうち減反(生産調整)が始まり、自給率40%を切るまで農業を崖っぷちに追いやっておいて、「食の安定供給に対する不安」解消を理由の一つに事業をやろうというわけだ。本当は何をやりたいのかしら?

 印旛沼周辺という「地域特性を生かした農業」というならほかにも方法がある。干拓でつくった田んぼを沼に戻せとは言わない。放っておけばもともと沼だった周囲の田んぼはあっと言う間にヨシ原に戻ってしまう。沼周辺は古来より野鳥の宝庫だ。この一帯を冬水(ふゆみず)田んぼ=冬季湛水にしたら、水質保全、地下水の涵養、浄化はもとより見事な生態系が出現するだろう。〝環境保全型農業〞などというとってつけたような言葉は時代遅れとなる。今では印旛沼周辺に冬水たんぼを広げていくことのほうがずっと未来志向だと思うけれど・・・。

                    PHOTO BY MACHIKO(2008年9月)

 印旛沼2景 (左)岸に近い浅瀬にはヨシやガマが生えて、エビや雑魚を捕る網が張られたり、生簀が置かれている。(右)北印旛沼の中央から望んだ印旛村方面。雲の流れによって波が立ち、沼に広がりを感じる。





□2009年12月8日(火)

 午前中医療問題特別委員会。特別委員会をつくって具体的に何をしようとしているのか傍聴したかったが、土曜日から喉が少し荒れていて熱っぽい時もあって治りきっていないのでとりやめ。特効薬は天然の塩で海水くらいの濃度の塩水。以前これで命を救われた(大げさかもしれないけれど、そのくらい劇的な効果だった)ことがあって以来、喉から気管支にかけての弱点がずいぶん改善された。私は昔ながらの製法で造られた塩のパワーを信じている。旅先でそんな塩に出会うと必ず買って帰る。いま使っているのはフェアトレードで手に入れたモンゴルの岩塩。

 午後は新清掃工場整備特別委員会。これはメンバーなので出席。新清掃工場の酸素式シャフト炉について、メーカーから説明があった。なんと、社長まで来て「当社の製品を選んでくれて感謝、期待にこたえられるものを造る」と気合の入った謝辞(だろうな・・・あれは)。部長、課長、営業部員など数人が出席。その後技術課長が酸素式シャフト炉の説明。いいとこだらけの話だった。機種選定委員会が「ガス化溶融炉シャフト式」を提言して以降、特別委員会での調査研究の大勢はコークス炉よりは酸素式のほうがコストや環境への配慮が払われているという認識だった。私も同じシャフト炉なら酸素式がベターという認識はあった。

 しかし、「ガス化溶融炉」についてはそもそも3Rの流れやゼロ・ウエイストとは相いれないという考えに変わりはない。成田市の廃棄物行政とも関係してくるので注目したい。溶融スラグについてはコークス炉より高品質のスラグが得られるという説明。しかし、重金属が封じ込められている溶融スラグを路盤材などでリサイクルするのは将来の汚染につながる。産業廃棄物と同様の処理をすべきだと思っている。

 その他、清掃工場用地の買収がまだすべて終わっていないようだ。工事の着工承諾は得ているようだが、急ぐあまりの見切り発車は本当によくない。余熱利用の付帯施設も10ヘクタール予定していたところが境界問題などで8ヘクタール余りしか確保できていないという。8ヘクタールで図面を引き直すなら、あらためて外注する無駄はやめて一級建築士の資格をもった職員を活用すべきだと思う。確か、保健福祉館もそうしたと記憶している。






□2009年12月7日(月)

 建設水道常任委員会。JR成田駅東口第二種市街地再開発事業の施行条例制定、市同路線の認定、水道事業会計補正の3議案が付託されていたが議論はなく原案通り可決。執行部から「成田市住生活基本計画」の制定と(仮称)まちかどふれあい館の竣工について報告があった。

 住生活基本計画は国・県の流れで成田市でも、という計画。すでに策定されている住宅マスタープランに替わるものだそうだ。マスタープランを改定すればいいことだと思うのだが、成田市に限らずこうして右へならえ、全国いっせい「住宅基本計画」策定なのだろう。〝地方主権の時代〞とはいえ、独自に策定する心意気の自治体、或いは予算がひっ迫していてコンサルへの委託料が惜しいから自前で策定するといったところはほとんどないだろうから、結局ほとんどの自治体がコンサルタントに委託することになる。そして、全国どこを切っても金太郎アメのようなマスタープランが誕生することになる。

 いまやどこもコンサルなしには行政は成り立たないような仕組みになって(されて)しまった。きっと官僚たちがあっちこっちのコンサル会社に天下っていて、仕事が流れるようになっているのかもしれない。このコンサル行政、何とかならないのかしら?

 まちかどふれあい館は観光館の分館として、上町に参道セットバックで移動する消防器具庫と同じ敷地に設置される。シンボル塔のような、あってもなくてもいいものをくっつけるというのがいかにも小金持ち自治体らしい・・・。

 ところで電柱地中化やセットバックで参道の趣がずいぶん変わった。いまはさまざまなイベントで間をつないでいるようなところがあるが、いずれマンネリ化するし、イベント頼みになりかねない。信心深い善男善女はもとより、参道そのものが魅力ある観光エリアとして人を集められるような〝参道づくり〞がほしい。すでにいくつかのスポットはある。みんなで知恵を出し合えば、参道を歩くだけで楽しい、美味しい、趣がある、アップダウンで運動になる、という人が増えていくだろう。ぜ~んぶひっくるめて、「参道で感動」コースも面白い・・・などと勝手に企画をたてて友人たちを誘おうと思っている。





□2009年12月6日(日)

 今日は洗濯や掃除などで半日コマネズミのように動いた。ひと息ついてから、図書館から借りた読みかけの本を読み切り、散らかった資料、新聞の切り抜き、郵便物の整理をしたり、録画したTV番組を見たりで、一歩も外出しなかった。

 いつも貴重な資料を送ってくれる「市民の人権擁護の会・日本支部」(CCHR JAPAN)より、厚生労働省が3日に発表した08年患者調査結果とCCHRの所見及び10年度診療報酬改定に向けた厚労省への要望事項が送られてきた。患者調査は3年に1度発表されていて、入院患者や通院患者の状況を分析している。その中で、この10年の精神科領域の伸びは異常だ。うつなど気分障害といわれる患者総数が199643.3万人、9944.1万人だったのが、0271.1万人、0592.4万人、そして08年には104.1万人と、初めて100万人を超えた。99年は新型抗うつ薬SSRIが日本国内で販売開始された年だ。

 精神科関係のその他データでは、精神科診療所数は1987年に1765ヵ所だったのが2008年には5629ヵ所、心療内科は1996662ヵ所が2008年には3775ヵ所(重複計上)に急増している。向精神薬の市場規模では、19991,331億円が2006年には2,787億円とうなぎ登りだ。こうしたデータは一体何を意味しているのだろうか?雇用の不安定や格差の拡大などの要因だけでは片づけられない、背後に「心の病を過剰に売り込むキャンペーンがある」と指摘する精神科医もいるという。

 また、先日閣議決定された自殺対策白書09年版では自殺者の46.5%が1年以内に精神科を受診しており、特に青年層で受診率が高く、処方された薬物の過剰摂取による自殺の事例が目立つということだ。青少年の早期発見・早期治療はどれだけの効果をあげているのかしら。

 実は精神科の患者数と治癒の関係を示すデータは欠落しているという。精神科でどれだけずさんな診断や投薬が行われようが、精神医療の妥当性を客観的・効果的に監督する仕組みがないらしい。情報が少ない患者は主治医を信じるしかない。また、ほとんど患者を診察せずに薬を処方するだけで診療報酬が高い通院精神療法を加算する乱脈診療も問題になり、昨年の診療報酬改定でこれに制限が課せられるようになったという。

 患者が増え続け、大量の薬が投与されていく現実は、社会的な要因や、潜在的な患者が表に出てきただけといった主張では説明しきれないものがある。精神医療のあり方についてCCHRのようにもっと患者の視点から声を上げていく必要があるのではないか。





□2009年12月5日(土)

 「不起訴を許さない!市民集会」(主催・市民ネットワーク千葉県)に参加。3月の知事選で森田知事が公選法違反・政治資金規正法違反の違法行為をしたとして県民有志が4月に行った告発したことに対し、千葉地検は9月30日不起訴処分とした。地検は当初「告発に基づいて調査しています」と言いながら半年も引っ張っておいて、しかも納得できる理由ではなかった。そこで検察庁に不服申し立てをすることになった。対象となるのは時効の関係もあって公選法違反に絞る。今日はその決起集会。

 講師は弁護士の菅野泰さんと神戸学院大学教授(憲法学)の上脇博さん。上脇さんは研究者であるとともに政治資金オンブズマン共同代表でもある。菅野さんからは検察審査会の法的位置づけなどを、上脇さんからは西松建設による二階経済産業大臣(当時)への違法献金の件を告発、検察庁が不起訴処分としたことに対して不服審査申し立てを行い、「不起訴不当」をかちとった。今朝の読売新聞では〝二階氏秘書略式起訴へ〞という記事も。私も告発状にハンコを押した一人だが、すべて事務局におまかせ。今日は脳ミソの活性になった。

 注文しておいたシュトーレンが届いた。娘の結婚以来クリスマスのデコレーションケーキは用意しない。あれを一人で食べる気はしない。日本のクリスマス用ケーキはイブの24日に食べきるように作られていて、25日になると鮮度が落ちた残りもの、といった感じ。とはいえクリスマスを迎える華やいだ雰囲気は無視できない。それに・・・私はクリスチャンではないし、25日がイエスの誕生日だとは思っていないけれど、その人の存在が人類に与え続ける影響を考えると、誕生の意味を静かに考える時を持ちたいと思う。

 そこで十数年前からシュトーレン、日本のスポンジケーキを生クリームやチョコレートで包むデコレーションからみればごっついジミ系で日持ちのする(少し時間を置いたほうがドライフルーツやシナモンの味が馴染んで風味が良くなる)クリスマスのお菓子を食べるようになった。ドイツではこれが伝統的なクリスマスのお菓子。




□2009年12月4日(金)

 委員会審議が始まった。今日は新駅・基幹交通網整備促進特別委員会。控室でテレビ傍聴しようと思ったが説明でパワーポイントを使用するようなので委員会室へ。成田新高速鉄道、成田湯川駅、国道464北千葉道路、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の進捗状況について説明があった。新高速・湯川駅周辺や圏央道の市内の芝周辺は何度か現地を見る機会があったが、神崎インター・下総インターは初めて。航空写真でみると、神崎インターは利根川のそばで田んぼの中。川の氾濫域だ。というよりもかつては堤防で区切るまで川と一体ではなかったかしら。多分地盤としてはズブズブだろう。ま、今の土木技術では朝メシ前だろうけど。

 7日からコペンハーゲンで始まる「コップ15」を前に、温暖化人為説の真偽につながりかねないような情報が飛び交っている。国連世界気象機関WMOが99年の報告書(その結論は「地球は1900年以降急激に温暖化しており、その原因は人類が排出したCO2などの温室効果ガス。国際的な排出規制が必要だ」というもの)の冒頭に示された地球の過去千年の平均気温のグラフ、1000年ダイアグラムには〝トリック〞が施されているというのだ。

 暴露されたもので一番注目されるのが、CRU所長が米国で温暖化人為説を主張する著名な学者に送った1999年のメールで、そこでは彼らが作成した1000年ダイアグラムがデータを操作して、実際は1960年以降気候が下落傾向にあるのに気温が上昇傾向にあることを示すトリックで隠すことに成功したと読み取れる内容が書いてあるという。また、データ・プログラムには気候の下落傾向を示す木の年輪データその他を使わないようにという〝警告〞があるそうだ。

 気象学で重視されている英国イーストアングリア大学の気象研究所CRUのサーバーがハッキングされネット上に公開されて発覚したらしい。1000通以上に及ぶメールやデータを分析すると、CRUなどが温暖化人為説を根拠づけるために歪曲などを行ってきたことがあきらかになりつつあるという。

このスキャンダルの真偽や行方がどうなるかはわからないが、いまや地球温暖化問題は世界の最重要課題の一つ。政治も経済も地球規模で転換期を迎えようとしている。その背後に「陰謀説」の1つや2つあってもおかしくないだろう。

 地球史的には1万年余り前に氷河期が終わって今は間氷期。そのうちまた氷河期が訪れるだろうというのが定説。間氷期1万年の間にも、温暖化と寒冷化が繰り返されてきたことも事実。日本だと縄文海進。縄文の一時期に列島の低地は海水に浸されていた。太平洋ー霞ヶ浦―印旛沼―手賀沼がつながっていたことはよく知られている。歴史時代に入ってからは、書かれた記録から寒暖が繰り返されてきたことがわかる。

 地球の気候変動の原因ではっきりしているのは周期的な太陽活動。今年にはいって、十数年ぶりに黒点の活動が衰えているという発表があった。

 昨夜のNHKクローズアップ現代にマイケル・ムアが登場した。新作「キャピタリズム」をひっさげて来日したらしい。これを制作し、「言いたいことを言ったいま安らぎに満ちている・・今度は本を書くかもしれない」と語っていたが、オバマのアフガン増派を知って早速抗議文を送ったというから、オバマでもう1作、制作されるかもしれない。アフガンが泥沼になる前にオバマに迫ってほしい。頼むわよマイケル!






□2009年12月3日(木)

 一般質問終わり。今回は16人中9人が空港問題、5人が新インフルエンザをとりあげた。

 空港問題の9人のうち7人が「羽田国際ハブ空港化」前原発言ショックで〝羽田に負けるな、それゆけドンドン〞。成田空港の発展のためには滑走路4000メートル2本、つまり25004000に、という声も出てきた!年間発着回数30万回について市長は「時間をかけてはいられない」と、羽田4本目滑走路のオープン前に成田市として受け入れを表明することに意欲をみせた。騒音区域の「住民に丁寧に説明してご理解をいただく」と言いながらも時間はかけられない、と。前原発言とその後の経緯に相当焦燥感を抱いている様子。

 成田市議会は1966年の閣議決定に対し全会一致で「反対決議」をしたものの、1ヶ月で撤回し「賛成」に転じた「歴史」を持つ。この際、どんな意見でもアリね。

 昨日の私の空港問題関連の質問で、時間が足りなくて私が聞けなかったのは1127日の毎日新聞に掲載された市長の「(空港)用地内の住居は騒音もすごいが、いつ飛行機がオーバーランしてくるかわからない危険な場所で、人命上の問題だ。例えば交差点の真ん中に人が立っていたら『あなた危ないですよ。そんな所にいちゃ駄目ですよ』というのは当然だと思う。タブー視するのはおかしい。直接的にはNAAと地権者の話だが、みんなで議論するのは当たり前。一日でも早く移動していただきたい。」という発言について。

 そんな〝危険〞な状況が発生するのを承知の上で強引にB滑走路を2180メートル暫定で整備したことには全く心配りがない。B滑走路南端に住む住民は、危険な場所に出向いて住んでいるわけではない。そもそも空港建設前から住んでいる人に「危ないですよ、そんなところにいちゃ駄目ですよ」と言うのは本末転倒。 

 以前、農家のおばあさんが「国はよ、突然ひとのツラ(顔)をぶん殴っておいて、『痛かっぺ、痛かったら言うことをきけ』と言っているのと同じだっぺ」と言った言葉を思い出した。前原発言に、「成田の歴史を知らない」と怒っていたけれど、歴史を知らないのはどっちもどっち。用地内住民をかかえる地元自治体の首長として一歩も動くことができない、動く気もない理由がわかった。

 新型インフルエンザに対しては、危機管理とは「危機だ!危機管理だ」と叫び、ふれ回る人たちの喧騒から住民を守り、冷静な対応ができるよう情報を提供し啓発することがまず一番にやることだと、つくづく実感した。





□2009年12月2日(火)

 昨日から一般質問が始まり、今日は10時から私の番。時間配分に失敗して、空港問題が質問しきれなかった。とほほ。

 答弁で、成田市のホームページに「子どもの権利条約」のコーナーを設けてその中でユニセフにリンクさせるなど、大人や子どもが条約の条文にふれられる機会をつくるということで、嬉しかった。ほかに、ユニセフ発行のイラスト入りで子どもにわかりやすい文言の条文(裏面は正規の条文)のカードブックの活用についてはこれから親になる人を対象にしたパパママ教室で配布するとか、人権擁護委員が学校に出向いて行う人権教室で教材として使用してもらえるといいな。

 とにかく、権利の主体である子どもたちが条文にふれたこともない状況を克服すべきだ。さまざまな機会をとらえて、条文にふれる機会は大人が保障しないといけない。先日の新聞で東京のフリースクールに通う子どもたちがつくった「不登校の子こどもの権利宣言」の記事があった。その13条にある「子どもの権利を知る権利」(朝日新聞1130日夕)、子どもたちも成長するに従って自分から求めるようになる。

 市長は今年お茶の間茶論で高校生と話し合ったと言っていた。テーマは「国際人としての未来・・・」というものだが、望ましい国際人の第一の条件は人権感覚を持つこと。権利条約を批准しているのは190の国。米とソマリアを除く国連加盟国全て。2国とも署名はしている。ソマリアは今年中に批准するらしい)と3つの地域(私が把握しているのはクックアイランドとバチカン、あと一つは?)。世界の普遍的な理念となった条約の内容を身につけるほど心強い教育はない。

 自民党政権時代は「子どもの権利」と言っただけで反発する保守をかかえていたので、あーでもないこーでもないと難クセをつけて国内法整備にも消極的だった。新政権で大きく前進してほしい。まずは14日~18日までジュネーブで開催される「国連子どもの権利委員会」作業部会での政府の対応を注目したい。ここでは「申し立て制度(個人通報制度・第3議定書)策定の作業部会設置が議題となる。日本は議案の提案国になってほしい。

 「オバマのベトナム」が始まった。来年夏までに3万人の兵をアフガンに増派するという。11年から米軍撤退を開始するための出口戦略とか言っているけれど、ドロ沼化することは想像に難くない。軍事戦略でアフガン戦争を解決することはできないと思う。米国はまた、ベトナムの〝悪夢〞をみようとしているのだろうか。





□2009年11月30日(月)

 或るメーリングで県庁不正経理問題の「第4弾」が流れてきた。今日はプリントしたら9ページ。新聞報道では伝わらない、内部にいて告発してきた人だけが語れる赤裸々な実態が、詳細に記されていて、思わず座りなおして読んだ。

 県の不正経理は過去35年にわたり、幾度か断続的に内部告発されたもののすべて隠ぺい工作が行われてきたという。昨年、いくつかの県の不正経理が会計検査院の検査で発覚した際、当時の堂本知事が内部調査を指示したところ、県は「調査の結果、不正経理はなかった」と報告したそうだ。しかし、今年2月に農林水産政策課の職員が逮捕され、続いて5月には県土整備政策課職員も逮捕され、ついに隠しきれなくなった県が実態調査をしたというもの。ウソをついたりシラを切って隠し続けてきた結果がコレだ。

 「不正経理5年で30億円、使途不明金は1億超」(9月7日発表)という調査結果には怒りの前にため息が出る。公費乱用もここに極まれり~。1997年頃までは大規模に行われていたそうだ。主な手法はカラ出張。職員が毎日のように出張したように出勤簿を改ざんし、莫大な裏金をねん出するという。その使い道は管理職などの飲み食い、官官接待(政府官僚や県幹部の接待)、議会工作(県議の接待)、タクシーチケット使い放題、ビール券・電化製品・運動用具の購入なのだそうだ。よくもまぁぁぁ。

 1975年5月に企業庁職員が職をかけて乱脈ぶりを告発して以降、1988年、1995年、そして1997年1月会計検査院の検査でタクシーの不正使用が発覚するも出所の住宅課だけで終わり、同年1・4月の告発と続いたものの、隠ぺい工作を経て、約35年の歳月が過ぎていたわけだ。それにしても「隠されているもので顕かにならないものはない」と言う格言があるが、ホントね~。






□2009年11月27日(金)

 今日から12月議会。本会議で市長の議案の提案理由の説明が行われた。一般質問は12月1日からで、私は2日の10時から60分の予定。今回は16名が質問する。

 今日の全員協議会で議員年金については「廃止」というのが成田市議会の意見としてまとめられた。また、その際の給付額は掛け金総額の全額(最低国会議員年金の廃止の例にならって80%以上)という意見が多かった。

 また、新たな特別委員会として、本日医療問題特別委員会が設置された。特別委員会を設置する必要性があるとは思わないけれど、いつものごとくいつの間にかそう決まっていた。

 中東ドバイ(アラブ首長国連邦)の破綻が円を14年ぶりに84円台という高値に押し上げているようだ。ドバイの首長が株式の大半を持つ政府投資機関ドバイワールドが資金繰りに行き詰まった結果だという。それにしても、傘下の不動産業ナキール社のやってきたことはハンパではない。中東の国際金融センターをめざしたドバイは、金融関係者の人口増を見越してペルシャ湾に巨大な人工島を4つ造り、150万ドルだの400万ドルだの言われる高級マンションを次々と建設し最終的には人工島に200万人が住む計画だったという。現在も建設中らしいが、金融危機以降マンション価格は10分の1以下で投げ売りされていて、来年は25%が空き家になり不動産価格はさらに3割も下がる見込みという。もちろん、金融センターにはなれないだろう。

 日本のバブルも、米国のバブルも、ドバイのバブルも、不動産がらみ。それだけならシンプルでわかりやすいけれど、米国以降は金融派生商品がからんで素人には危機の態様がわかりにくい。最近円高だな~、と思っていたら円高というよりドル安だと言われ、へぇ~、そういえばオバマ大統領が「米国はこれまでのようなローンによる消費で経済を回してはならず、代わりにアジアへの輸出で経済発展しなければならない。消費を控え貯蓄を増やし、政府も財政赤字を減らさなければならない」(1121日)とラジオ演説していた。米国の経済政策の影響かな?と思っていたら、それに加えてドバイの破綻が円を一気に急騰させているという。今後新興市場や国際金融にどのような影響を与えていくか、もちろん日本にも大ありなので目が離せないだろう。

 午前中の気持ち良い陽射しに誘われて洗濯。バシッと干して出かけ、日が暮れて帰ったら冷たく湿っていた。近頃はことのほか日没が早く感じられる。

 産直野菜が届いた。さつまいも、大根、白菜、ブロッコリー、葉付人参、ほうれんそう、京菜。ケースの中は冬野菜が満載。露地栽培の野菜は見ただけで元気になるから不思議。いつ頃からかしら、野菜を食べる量が減ると体力や免疫力が落ちてくるのを感じるようになった。私も肉食系から草食系に変化するのかしら?と思ったけれど、きっと単なる老化ね。サプリメントの類には全く興味がないので、(命にかかわる病気や事故にあわなければ)こうして日々の食事を通して体が徐々に老化していくのだろう。最後は老衰(脱水症状)で静かに息絶える・・・というのは出来過ぎかしら。





□2009年11月26日(木)

 午前中は「歴史と今を語りあう女性の会」月例会。今日のテーマは新型インフルエンザ。生後7ヵ月の赤ちゃんを連れて参加してくれた育児休業中のママは外出には細心の注意を払っているという。初めての赤ちゃんということで、その気持ちはとてもよくわかる。今日は恐怖をあおるような国やマスコミの情報に慌てず騒がず冷静に対応できるような資料を選んで話し合った。

 マスコミなどでは「ワクチン求め親奔走」「電話殺到、医院パンク」といった見出しが躍る。そんな中で、「インフルエンザは『かかって治す病気』・・・ワクチンで防ぐ病気ではない」「温かくして休養をとっていればせいぜい3日で治る病気」といった情報もまた、必要だと思う。もちろん、症状の変化を見逃さない注意はどんな病気でも同じだけれど。 

 国産ワクチン不足を補うために莫大な国費(1126億円)で輸入を決めたワクチン。同じ社の同じ工場で製造されたワクチンの一部がカナダで想定以上の副作用が報告されたということで、厚労大臣は調査団を派遣したという。輸入ワクチンは、国産ワクチンには添加されていない免疫補助剤(アジュバント)が入っていて、副作用への不安はぬぐえない。それでも、政府はメーカーの免責条項を入れた法律までつくって輸入するという。国産ワクチンでも10月末に医療従事者2万人に接種して4人に重い副作用が出たというし、国産なら安心というわけではない。・・・ということで、政府は7700万人に接種する計画のようだが、私個人はワクチン・ノー。

 市役所の大会議室で開催された成田空港対策協議会主催の講演会をのぞいてみた。〝成田の未来は明るい・・・世界の最新航空情勢と成田空港の未来〞と題して、講師は杉浦一機さんという「航空アナリスト」。ナントカ「アナリスト」というのはその専門分野の「おたく」っぽい人が多いので遠出してまで聞くことはないが、今日は市役所だし、その道の情報を得ることができて興味深かった。

 島国日本の航空行政が迷走している間に、世界の空は航空自由化(規制緩和)へとまっしぐら。EUを中心に国籍条項すら撤廃しようという流れの中で、その発想そのものについて行くのがやっとこサ。乗り遅れまいと新政権も後追いを始めているが、その中心に羽田機能の強化拡大があることは1012日とそれ以降の国土交通大臣の発言ではっきりした。成田が先か羽田が先かにこだわっている空港圏の自治体や経済界も、時間の経過とともに「(わかっちゃいるけど)配慮が足りなかった」といったところのようだ。

 しかし、2度の北伸によって供用開始にいたった2500メートル滑走路南端に農家や農地が残っている現実を考えれば、明るい未来だけ描いているわけにはいかないだろう。





□2009年11月25日(水)

 午前中は議員団研修会。ネタ切れのようで、今日は「こころとカラダの元気リフレッシュ法」というタイトルで、「こころ元気研究所」の所長さんの実技を兼ねた講演。それはそれで面白かったし講師に問題があるわけではなかったけれど・・・相当の講師料(当初1回10万円、途中から20万円)を払い議員を集めて行う「研修」としては???惰性でやるならやめたほうがいい。予算を使わなかったら市に返せばいい。それと新型インフルの流行で9月以降延期になっていた海外視察、3月に実施するらしい。予算を組んであるので年度内に使い切るつもりらしい。「(海外視察は)今行かないともう行けなくなる」という声もあったようだ。これもヘン。

 午後から議案説明会。その後全員協議会。議員年金がテーマ。千葉県市議会議長会より、去る11日に出された総務省検討会の案(A,B案と廃止を含む場合のの考え方)に対する全国市議会議長会・関東市議会議長会の見解に歩調をあわせたいので賛同してほしい、ついては付帯意見があれば明日26日までに各市議会の回答を出してほしいというもの。全国市議会議長会は検討会案には反対。給付水準、掛け金は従来通りとする、合併影響額は公費負担、議員負担と公費負担は6対4から5対5とする、特別掛け金については公費負担金を創設するといった、公費による負担を求めるトンデモアナクロな見解。廃止の場合については受給資格のある現職議員が一時金を選択した場合の給付額については掛け金総額の63%というのが検討会案だが、議長会は国会議員年金の廃止にならって80%とすべきだとしている。

 全国市議会議長会の主張する「公費負担」は住民の理解が得られないだろうという、まともな意見が多かった。が、成田市議会としての付帯意見をまとめるには至らず、27日に持ち越し。支給額を減らしても年金制度は残したほうがいいという考えもあったが、制度そのものが破たんしている今、制度設計を見直すよりも廃止の時だと思う。





□2009年11月24日(火)

 一般質問の打ち合わせ。「子どもの権利条約」関連の質問には教育指導課、学務課、障害学習課、子育て支援課、市民協働課が聴き取りに来た。今回は成田市政のグランドデザインの中に「子どもの権利条例」を位置付けて質問してみたい。

 連休中に市民から上福田の再生土埋め立て現場の貴重な写真が届いた。私が外からのぞいて見ていた以上に問題がありそうなので環境対策課に対応を相談した。駐車場にするといって山林を埋め立てているのだが、建築廃材が持ち込まれていたり、産廃のガラが摘まれている。さらには裏手の林道(赤道)に再生土の崩落がみられたり、とうてい駐車場に使うとは思えない現場の様子。しかし、この状態でも現在の市の権限で指導できるのは赤道や他の人の土地を崩落などで侵害した時だけで、あとは何もできない。県の産廃指導課に要望書を提出したようだが、〝危険〞がない限り県は指導する考えがないようだ。

 私は無届のままこれ以上放置することに懸念を抱いている。12月中に残土・産廃ネットと県産廃指導課の話し合いを予定しているので、再生土埋め立てについてもきちんと議題にして要望するつもり。

 夕方から有楽町駅近くのビルにあるにある外国特派員協会(外人記者クラブ)で、「団塊塾」の集まりがあった。団塊にこだわるつもりはないが、発起人の1人である栄町議の野田さんから誘われたのでのぞいてみた。どちらかというと、男性のほうが〝団塊〞で集まりたがる傾向があるね。20年近く前に「プロジェクト・猪」(団塊は1947年亥年生まれから始まる)というのを始めたのも男性たちだった。これは亥年生まれの国や地方議員の集まりをめざしたようで、私のところにも参加を呼び掛ける案内状がきた。が、欠席通知を出してそのまま。

 この団塊塾は菅直人さんが言い出しっぺの1人のようで、超多忙の中挨拶と握手をして帰った。厚労族議員のドンといわれた自民党議員を破った大泉ひろこさんや顔ぶれをみると民主党系の団塊同好会といった雰囲気。私にとっては新しい出会いの場、といったところかしら。

 面白そうだから・・・といっしょに参加した県議の大野さんと、有楽町駅のガード下にある韓国料理のお店でマッコリを飲みながら海鮮チジミを食べ、電車は佐倉まで一緒。その間ず~っとおしゃべり。





□2009年11月22日(日)

 千葉市文化センターで〝農地取り上げに反対し、生きる権利を闘いとる〞講演&ディスカッションの集いが開催された。主催は市東さんの会。食と農業・農地問をテーマに、日本消費者連盟事務局長の山浦康明さんが「危機に立つ日本農業―恐慌の中の日本農業」と題して講演、県議の吉川洋さんが千葉県の農政動向を報告した。その後農業の現場からの報告、全体のディスカッションで盛り上がった。私は総合司会。

 農業は国の基幹なのに、戦後の高度経済成長路線の中で切り捨てられ崩壊の危機にある。消費者運動の視点からの山浦さんの問題提起や、「1億4千万円の移転補償より一本のダイコンが大事」という市東さんの挨拶や、農業を生業とする現場農家からの発言も本当に胸に迫った。重い課題。私は農本主義ではないけれど、農林水産の第一次産業をきちんと復権させないと日本の未来はないと思っている。

 集いが終って懇親会。山浦さんは反グローバリズムを掲げて世界中から市民団体が結集したあの歴史的なシアトル会議以降、1回を除いてWTO国際会議が開催される都市に行っているようで、彼の自慢?は行った国際会議すべて、協定の妥結に至らなかったということ。・・・ということに示されるように、もはやWTOは機能していない。世界はG7からG20に移ったという認識には全く同感。

 昨日の、あの小春日和の一日とは打って変わって小雨まじりの冷たい日曜日だった。何かの小説でこの季節を〝気難しい老嬢(オールド・ミ×)〞に例えていたけれど、これも晩秋の味わいではないかし。

 帰宅して、今日は私のボージョレー・ヌーヴォー解禁日。このガメの新酒についていえば、何度も買って飲む気はない。まずいわけではないが、高い!特に美味しいというわけでもないので1本に1000円以上は払いたくない。かといってペットボトル入りの980円は買わない。それはワインを冒涜するものだ、とフランス人みたいに言う気はないが。ま、ミーハーとしてはとりあえず新酒の味見くらいしておかないと。今年のブルゴーニュ地方は天候に恵まれ、「歴史に残るヌーヴォー」の年になる・・・とのこと。で、味はそれなりどぇした。





□2009年11月21日(土)

 国際文化会館で開催されている産業まつりをのぞいてみた。市内の農産物生産者を中心に屋台が並んで、たくさんの人出。お昼時なのでつきたてのお餅やホタテとカキを焼く屋台には長い行列ができていた。とん汁もいい匂い。お赤飯も美味しそう・・・。旧知の人たちとの思いがけない出会いもあり、お祭りの賑わいを楽しんだ。おみやげに竹細工の豆腐すくいを買う。持ちやすくて形もとても可愛い。湯豆腐を食べるのが楽しみ。建物の中でもいろいろな催しが行われていたけれど、今日はほかに用事があったので屋台見物とおしゃべりで終わり。

 かつての産業まつりでは恒例の野菜品評会と同じ日に大ホールでミス成田・ミスエアポートのコンテストを催していた時期があったらしい。が、ダイコンやカボチャと一緒ではいかがなものか・・・と言う声があり、会場を市内の某ホテルに移した。よ~く考えればミスコンも女性の品評会のようなものだ。性の商品化につながる。市はミスコンに税金から約800万円を支出していた。しかし、私が議員になった頃には国の内外でミスコン批判が広がりをみせていた。私も税金を支出することに反対の声をあげ、最終的には市が実行委員会から退くことでミスコンが維持できなくなり中止が決定(1996年)したいきさつがある。

 蛇足だがその前、成田市のミスコン関係記事が新聞の全国版に掲載された時、ミスコン支持の八王子の男性から「容貌や体型はその人の持って生まれた特質とそれを磨く努力のたまもの。競って何が悪い。足立さんも口惜しかったら出場してみてはどうか」といった内容の葉書が届いた。オバンのシットと思われないようにずいぶん言葉には注意していたんだけど・・・。

 多古町染井の桜宮自然公園に寄ってから実家へ。桜宮は郷愁を誘うような晩秋の光と色と匂いに満ちていた。まとわりつくように飛ぶ赤とんぼ、足元から飛び跳ねるイナゴといっしょに天井田コースの山道を歩きながら、周囲からの絞り水が谷津に流れ込む心地よい音やひんやりと湿ったいい匂いを胸一杯に吸い込んだ。広場に行くと、里山の下草刈りの人たちが集まり始めていた。今日は作業日らしい。下草刈りが終わると、里山はしばらくの間静寂に包まれる。それがまた冬の里山の魅力でもある。

  桜宮自然公園(多古町染井)の谷津田 PHOTO BY MACHIKO (09・11・21)

 (左)天井田に向かう山道。左の田んぼでは不耕起で古代米を栽培している。

 (右)谷津の一番奥は湿地。周囲から絞られた水が集まってくる。生態系の宝庫。

  周囲の山には杉が多く植林されているけれど、かつては落葉樹の低木が自生していた。






□2009年11月20日(金)

 今日から始まった名古屋市議会で河村たかし市長が地域委員会の設置、市民税10%減税、議会改革(定数減・報酬減額)を提案した。今後議会で審議されるわけだが、河村さんの提案理由は明快。民主党の地域主権を先取りするもので注目したい。本来(市)税の増減は地域主権の最たるもの。12年くらい前、成田市でも小川元市長が都市計画税を減税した(元市長は選挙で都市計画税の廃止を公約したが議会の理解を得られず、全国一低い税率に落ち着いた)経緯を思い出した。 首長が税の増減に踏み込むには度胸がいるが、成田市などは政策として「税」をテーマにする財政的な環境(下地)があるのではないか。

 今日は国連で「子どもの権利条約」が採択されて20年。世界ではいまだに880万人(10年前は1千万人を超えていた!)の子どもが5歳まで生きられない。安全な水や薬があれば死ななくてもいいような下痢や熱で命を落としている。紛争もあとを絶たない。難民になって命を落とす子どもも多い。先進国の搾取のシステムに組み込まれた児童労働や、悪政に動員された少年兵。キーワードは貧困と紛争。原因は複雑だがその背景にあるのは政治の貧困、大人の責任だ。

 日本でも、相対的貧困率(可処分所得の中央値の半分以下、今回は114万円以下)が15.7%。ひとり親家庭の貧困率は54.3%で、先進国では最悪という結果が公表された。格差の拡大、子どもの貧困化、貧困の連鎖について真剣に考えなければならない時代になった。近年のみせかけの豊かさとその崩壊が子どもたちの生活・教育環境を悪化させている。心身ともに感受性の高い子どもたちにどのような影響を与えていくか、気がかりだ。

 ところでユニセフは、「この20年間で向上したが格差の拡大は深刻」と発表した。自分にできることはほんのわずかでも、まず医療や教育からと思ってマンスリー・サポートに参加している。





□2009年11月19日(木)

 12月議会の一般質問締め切り。今回は国連採択(19891120日)から20周年の「子どもの権利条約」と成田国際空港問題について質問する。

 全員協議会が開かれ、成田市の救急医療について成田市医師団と健康こども部からこの間の経緯その他報告があった。一次救急の時間外(23時~)対応について成田日赤に受け入れ態勢を整備してもらうのに、当初年間約3億7千万円と試算されていた補助金を精査検討した結果、成田日赤での10月の実績に踏まえ年間1億7千万円(内訳はアルバイト夜勤代1回20万円と時間外実働実績)という積算が出された。時間外実績は患者数によって増減する。12月議会ではその半額8500万円が補正で提案されることへの説明があった。なお、時間外・深夜利用の急患割合は成田市44%、富里市12%、八街市9%、佐倉市2%、印旛郡その他11%ということで、議員の中からは他の自治体の応分の負担も求めるべきではないかという声もあった。

 医師団の話を聞いていてまさに医療崩壊の一端をみるようでため息がでた。私は制度の抜本改革をするなら、(命にかかわる)医療と福祉を営利にしないような北欧スタイルの制度改革をやるべきだと思っている。

 成田市としては、ホームドクターによる日常の健康管理や時間外では23時までの休日夜間診療所の利用をさらに市民に啓発していく必要がある。

 それと、市でやるか日赤に委託するかはさておき、子育て中の親(特に初めての子育て)には不安がつきものなので、原則24時間電話相談が受けられるようなシステムを整備できないだろうか。

 今は昔だが、私は娘を武蔵野赤十字病院で出産した。そこで出産した2歳半まで子どもの健康状態を中心にいつでも電話相談に応じてくれる保健指導部というセクションがあって、とても心強かった。いまでも忘れられないのは、娘の初めての病気。朝起きて娘の部屋に行って「おはよー」とベッドをのぞきこむと、いつもは待ってましたとばかりに機嫌良くにっこり笑い返してくれるのにその朝はじ~っと私を見ている。そんなの初めて。母に電話したら体全体を見て変わりなければ熱を測れという。そういえば顔が少し赤い。測ったら38.2度。寝ぼけ眼の夫はさておき保健指導部に電話したら、突発性発疹かもしれないといわれ、どんな症状か教えてもらい、氷枕をあてて松田道雄さんの『育児の百科』を読みながら近所の医院が開くのを待った。やっぱり突発性発疹だった。核家族の新米ママは傍が考える以上にデリケートなのだ。子どもを抱えて医院に飛び込む前に、ワンクッションがあると心強い。





□2009年11月18日(水)

 国際文化会館で成田市表彰式。功労彰・功績彰あわせて41名と3団体が市と教育委員会より表彰された。市の表彰では男女共同参画推進懇話会で同じ委員だった地区保健推進員さんも。住みよい地域社会づくりは、ボランティア精神で活動してくれる人々抜きに語れない。心から敬意を表したい。

 思いがけず嬉しいことに高校の後輩(といっても孫に近い年齢の男子だけど)が国民体育大会で優秀な成績を収めて教育委員会から表彰された。彼を目のあたりにして母校が花の女子高から共学になったことを実感。時代の流れね・・・。

 でも、女子高を希望する子は選択肢が狭まって気の毒。この年齢になって「男はいてもよし、いなくてもよし。いたほうがよい男もいれば、いないほうがまし、な男もいる」と、「おひとりさま」の上野千鶴子さん流に悠長に構えていられるけれど、多感な思春期の一時期男女共学は私の選択肢になく、男子は通学の途中目に入るくらいでよい、程度に思っていた。それもバスと電車を乗り継いでも家から通える範囲に女子高があったればこそ、の思い出。

 90歳になるという方から葉書をいただいた。いつも「たいむ」を読んでくださっているようだが、「特に今回(第72号)は心を動かされ・・・」と励ましのお便り。アナログ人間の私も近年はインターネットのホームページに頼りがち。「たいむ」も5期目に入ってからはそれまでのA3からA4サイズに縮小した。印刷・折りに至るまですべて自分で作成し、ボランティアさんの力を借りてポスティングしているので配布地域や枚数は限られている。でも、「たいむ」を読んで手紙や電話、メールなどをいただくと、まだまだこうしたペーパーを使った活動報告は欠かせないことを改めて実感。むしろ私にとって「たいむ」は市民と私をつなぐ大事なツールといえるだろう。





□2009年11月17日(月)

 都市計画審議会。議案は3件でいずれも可決された。そのうちの1件に関係することだが、(株)ナリコーが一般ゴミの焼却施設を増設するようだ。今回の増設は航空機の発着回数30万回に対応するものというが、完成すれば一般ごみの処理能力は日量270トンとなる。成田・富里新清掃工場の日量212トンよりも処理能力が高い。(株)ナリコーはもともと空港用地の地権者などが空港とその関連施設から発生するごみを処理するという目的で設立した会社と聞いている。それがいまや空港関連の一般ごみは言うに及ばず、県内から集めている(これは浦安市議から聞いた話)医療系も含む産業廃棄物処理施設をもつだけでなく、建設業、葬儀社、焼き鳥店などを手広く事業展開する会社に成長している。

 国家予算の事業仕分けがいよいよ佳境に入っている。顔見知りの仕分け人の一人も「酸欠になりそう」な会場で奮闘しているようだ。今日は〝GXロケット〞の予算計上見送り、事業廃止が求められたという報道。GXロケット開発については会計検査院も「開発費の見通しが明確でない。不適切だ」、財務省も「H2シリーズがあるから開発を中止しても影響ない」という考えらしい。

 今朝のnopacmissileMLで流れてきた杉原浩司さんから情報では、このロケットは自民党の「無駄遣い撲滅委員会」(河野太郎さんなど)でさえも「開発凍結」を提案したものらしい。あるジャーナリスは「技術開発を失敗させる要素が全て盛り込まれた」とまで言う。既に推定650億円が費やされ、今後も最大1400億円強の追加投資が見積もられているようだ。これは当初計画450億円の約5倍。自民党の「国防・宇宙族」の画策で延命してきたものだが、麻生政権さえ、「現時点では判断できない」とGXロケットの本格的な開発継続にゴーサインを出せず、LNG(液化天然ガス)エンジンの地上での開発経費(58億円)のみが今回概算要求で計上されていたようだ。この仕分けにはまったく同感。宇宙の軍事利用をたくらむ事業はビシバシ切ってほしい。






□2009年11月13日(金)

 時々市内、とりわけ下総・大栄地区などを回る。何も気づかず通り過ぎることもあるし、時に「あれっ!?」と立ち止まることもある。今日は車検が済んだので車を引き取りに行った帰り道、6月頃県の産廃指導課の話では環境審議会での審議を経て許可といわれた安定型産廃処分場拡張予定地を見回った。まだ動いてはいない。

                PHOTO BY MACHIKO (09・11・13)

 (左)写真中央が既設の安定型産廃処分場 (右)隣接する埋め立て予定地 (いずれも津富浦地区より)

 その後、バブルの頃に山林を切り拓いて開発した某集合団地へ。住んでいるのかいないのかわからない住宅や、貸家の張り紙を貼った空家も目につくけれど、周囲は山林や畑に囲まれて緑深い環境に恵まれている。広い分譲地の中、緩やかなアップダウンが続き、ウオーキングにはもってこいの地形だ。ここへは私が「たいむ」をポスティング。年4回だけど、顔見知りの人もできて今日もちょっと立ち話。

 ウオーキングも快調なので団地に隣接した住宅地に足を延ばしたら、思わず足が止まった。普通の住宅なのだが、垣根にちいさな、プラカード様式の看板が2枚立てられていた。それぞれ別の会社の名が記され、「成田営業所」と書いてある。

 近年公共事業の発注にあたり、市内に「営業所」を置く「名ばかり準市内業者」が問題になっていた。「名ばかり」というのはたとえば、こうして民家やアパートに看板をかけ、電話は転送といった、実際にその場所で事業展開していないような業者のこと。市は今年の初めに登録業者をすべてチェックし、基準を厳しくした。そんなこともあって、これも名ばかり営業所かな?と思った。

 こういう時ケータイ電話は便利。契約検査課に2社のことを調べてもらったら、1社はY市に本社があり、合併前後も成田市に業者登録しているらしいが現在市と仕事の契約はないようだ。もう1社はまだ登録していないのでわからないという。





□2009年11月11日(火)

 今日から国家予算の「事業仕分け」が始まり、会場公開だけでなくインターネットでも誰でものぞくことができる。これまで政治は議員におまかせ、税金はお上に「とりあげられるもの」という認識だった多くの国民にはまさにカルチャーショックかもしれない。この仕分けが即予算に反映するわけではないが、旧政権のもとでこれまで行われてきた事業を検証する意味で新政権が渡らなければならない「ルビコン川」かもしれない。

 昔読んだ本の中に、米国の議員のもとには「As a taxpayer・・・」という書き出しで納税者から膨大な数の手紙が届くというようなことが書いてあった。日米納税者意識の違いがここにある。国も地方も税金で運営されているのだから、とりわけ納税者は自分の目で税金の使われ方に注目してほしい。今回の「仕分け」は内容の是非も含めてよい機会になるだろう。

 英国人女性の死体遺棄容疑で指名手配されていた男が昨夜大阪で逮捕された。市川市で警察の捜査を振り切って逃亡、2年半が経過していた。深夜行徳署に移送されて、今日から殺人容疑を含めた取り調べが行われる。事件については司法にまかせるとして、22歳の娘を無残に殺害された両親の無念の思いとともに、とりわけ殺人容疑者を子に持つ両親の心情について、親として深く心を動かされた。

 彼の両親が昨夜と今日2度にわたって記者たちの前に現れた。わが子はすでに死んでいるのではないかと思っていたが、生きて逮捕されてホッとしたという言葉に込められた複雑な心境を語ったことに共感した。どんな罪を犯したわが子でも、親として断ち切ることのできない深い愛情がある。「(個人的には死刑制度に賛成ではないが)遺族がそれ(死刑)を望むなら・・・事実を語り、罪を償ってもらいたい」と語る両親だが、とりわけ母親の「生きて捕まえてくれてありがとう」という言葉には、命育み産む性としての言葉に尽くせないたくさんの思いが詰まっていると思った。





□2009年11月10日(火)

 昨日政府の行政刷新会議が「事業仕分け」の対象として447事業を決めたという。仕分けの結果は国全体の約3000事業にも可能な限り適用されるようだ。対象事業には地方自治体に影響を与えるものもかなり含まれ、精査してみる必要がありそうだ。さらにこうした仕分けの結果、自治体は計画している「ムダな公共事業でかつ国のカネをあてにしている事業」について、対応が迫られることになるかもしれない。

 仕分け人(民間有識者を含む80人)も決まり、3つのワーキンググループに分かれて明日から国立印刷局市ヶ谷センターの体育館で開かれる。一般公開なので傍聴可。これまでの構想日本が実施してきた事業仕分けと同じスタイルだ。

 9時過ぎ、車検で多古町十余三の自動車修理工場へ。道中耕された畑から蒸気がゆらゆらのぼり、大栄地区から多古町に入るあたりから霧が立ち込めていた。久しぶりに朝霧の中をドライブ。私の車も製造から17年目。これが最後の車検かも・・・。

 市役所に行くと、ロビーにサツキの盆栽が展示されていた。市内の同好会による恒例の展示会。特別盆栽に興味はないが、展示会のたびに立ち寄り、草を中心にした寄せ植えの小品に魅せられる。今回枯れ野の風情を漂わせた添えが多く、会員の方からいろいろ話を聞くことが出来た。    PHOTO BY MACHIKO 





□2009年11月9日(月)

 ちょっと・・・風邪をひいたみたい。昨夜とても疲れたので早寝をしたのだが、朝起きたら熱っぽい。葛根湯を飲んでしばらくするとずいぶん楽になった。

 午後千葉市文化センターで「市東さんの農地取り上げに反対する会」の勉強会があって、前原国土交通大臣の「羽田国際ハブ空港化」発言以降の成田市はじめ周辺自治体と議会の動向について報告。質疑を通して私もずいぶん勉強になった。午前中裁判のあった市東さんも出席していて、久しぶりにお目かかる。3つの裁判をかかえ、さらに自宅・作業場・畑を囲い込む第3誘導路問題などで気分が晴れないのではないかと思いきや、ドーンと構えていてユーモアたっぷり。そういえば、お父さんの亡き東市さんもすごくシャイなのに、「国家が権力をふりかざしてきた時、人民には抵抗権がある」と、余裕たっぷりすまして語り、フフフと笑うような方だった。
   2009.11.9 於千葉市文化センター

 勉強会の後、帰りの電車で佐倉まで一緒だった鍼灸師でシャンソン歌手の方から聞いた話は目からウロコだった。動物の肉は血液を汚すという。近頃は年齢のせいかあまり肉類を食べなくなったが、かつては外食で300gのステーキを食べていた私にはこたえた。彼女は健康に開眼して28歳から○歳の今日まで魚も動物も肉は食べていないという。主食は玄米と豆を混ぜたご飯ですって。化粧は、米国がイラクを攻撃したその日から塗っていないそうだ。「戦場を思えば化粧などしている場合ではない、戦争を止められなかった自分にできるのはコレ!」とおつれあいに宣言したそうだ。でも、うっとりするほど美しいお肌。その心意気、すごいなぁ~。

 6日の新聞を読んでいたら、最遠の銀河団がみつかったという。102億光年の彼方。ビッグバンから約30億年しかたっていない。複数の銀河団ができる理論的な限界に近いそうだ。06年に英国で観測され、米航空宇宙局のX線天文衛星チャンドラが確認。地上でゴタゴタしている人類は覚醒すべきね!





□2009年11月7日(土)

 眼科の定期検診。特に変化なし。その後外房線に乗って勝浦市の鵜原というところに行く。管理型産廃参集処分場建設に反対する地元住民の会と残土・産廃ネットや県内の環境問題で活動している人たちとの交流学習会に参加した。この産廃処分場(総面積約5万7300㎡、埋立て面積約3万6000㎡、埋立て量約68万㎥)予定地は「リゾート法」施行後大手業者が開発した別荘地(リゾートタウン)やリゾートホテル、ゴルフ場、簡易宿泊施設などから200300メートル下った山の中、海に注ぐ川筋の水源地域一帯に計画されている。そして処分場予定地から約400メートル下ると〝日本の渚百選〞に選ばれた鵜原海岸があり、漁業が営まれ、夏は海水浴客でにぎわう観光スポットだ。

「鵜原産廃反対の会」ホームページより。写真中央一帯が計画地。

 そもそもこうした場所に管理型産廃処分場を建設べきではなく、「廃掃法」の適用以前の問題として千葉県は許可しないでほしい。先祖代々この地で漁業や観光を生業としてきた住民、風光明美な土地を求めて移り住んできた住民の立場からすれば、生活権や環境権などへの侵害といえる。住民がこの地で安心して暮らしていきたいという願いがかなうよう応援したい。

 ところで、外房線というのに初めて乗った。久しぶりにホイッスルのみで電車がスタートするのを体験。駅のアナウンスがゴチャゴチャ言わない。千葉から各駅停車に乗ったら途中駅で十数分の待ち合わせとか、不安になるくらいのどか~。鵜原駅まで1時間40分くらいかかり、着いたら無人駅周辺は街灯がポツンポツンと灯っている以外真っ暗。たまたま、一緒に降りた高校生数人に集会が開かれる鵜原青年館への道順を聞いたら、その中の一人が青年館の近くに住んでいるらしく、みんなから「お前が一緒に行け」と命じられ、私を会場まで案内してくれた。青年館は海のそばで、集会の間中波の打ち寄せる音がザザー、ザザーッと聞こえていた。夜の波の音はなんとなく不安にさせる。昼間ならまた違った雰囲気だったろう。明朝産廃処分場予定地の現地見学会が予定されているが、私は都合で帰る。






□2009年11月6日(金)

tanakanewsで目が点になった。4日版は「沖縄から覚醒する日本」というタイトルで最近の軍事同盟と沖縄の基地問題に関する日米間の対立の背後にあるものを分析している。彼自身は、北朝鮮問題は軍事でなく政治解決に向かっている・・在韓米軍が出ていくことは調印済み・・・中米はG2と銘打って日本の頭越しに戦略関係を結んでいる・・・日本の再生は対米従属から脱して国際自立するしかない・・・という考えのようだ。だから、民主党の「東アジア共同体」構想は今後の道筋として評価している。

 目が点になったのは米軍基地の沖縄県外移設先候補として日本海側なら○○、本土なら××、本土防衛なら△△、と挙げていく中で、本土のところで最初に「『失敗』の烙印を押された成田空港」が入っていたのだ!その他「JALにすら見捨てられた地方空港」等々。読んでみればきついジョークだと思うが、沖縄県民の意思が普天間は県外へ、基地は県外か国外に移設してほしいという中で、沖縄県以外の人々に対し、そんなに「北朝鮮の核が怖い」なら、さあ、どうすると問いかけているのだ。その先には、日米軍事同盟に対するこの国の在り方が問われている。それにしても成田空港に米軍基地機能を置いたらどうだなんて、冗談でも聞きたくない。

 大栄地区の方から庭に咲いているいろんな菊の花をいただいた。この頃急に気温が下がってきて菊も花や葉に微妙な衰えをみせるようになり、それがまた季節の移ろいを感じさせて趣がある。早速花瓶に投げ入れてテーブルに飾った。ほかに、ススキやセイダカアワダチソウも晩秋の野に誘ってくれる。セイタカアワダチソウといえば、一時期はススキを駆逐しそうな勢いだったが、いまはこの外来種もすっかり日本の秋に溶け込んでしまった。私はセイタカアワダチソウの黄色い花に霜枯れの季節最後の華やぎを感じるのだけれど・・・。





□2009年11月5日(木)

 午前中は相談を受けて市役所。10時に着くと庁舎の正面入り口に警察の車と菜っ葉服の人が数人。何事かと思って受付に聞いたけれどわからないとのこと。9時頃からいるらしい。何があったのかしら?

 午後は三里塚へ。県道から向かったのでずっと気になっていた場所に寄ってみた。すると・・・前回見た時よりも「山」がふくらんでいた!ごみの山。自社処分場と聞いている。素人目でも物理的にこれ以上積み上げるのは限界ではないかと思うが・・・。隣りの家が小さく見える。周囲は畑で落花生、さつま芋、ネギなどいろいろな作物が栽培されている農振地域。晩秋の遅い午後、農家の人たちが畑に出て収穫後の作業に忙しそうだった。

              PHOTO BY MACHIKO (2009.11.5)

 この近くにはかつて畑に水がたまるので改良するという理由で農地の一時転用を申請、約10メートルも深く土を掘り起こし、その穴に残土を埋め立てた後は放置、現在「駐車場」になっているところもある。周囲の住民の不安の種は尽きない。





□2009年11月4日(水)

 市内の学校の新型インフルによる学級閉鎖は、2日に19クラスだったのが「文化の日」をはさんで25クラスになった。子どもについていえば当分の間は誰でも感染する可能性を前提にした対応、感染―発症への注意が必要なのだろう。「わが子だけ」「自分だけ」感染しないための対策はない。健康な人ならかかっても死ぬことはないしかえって強力な免疫ができる、感染しても症状がでない「不顕性感染」も多いようだ。症状が出なかった場合も抗体をもつ可能性が高いという。多くの人々にとっては、普段の健康に気をつけるのが一番の予防というわけだ。

 いま一番必要なのは一番身近な自治体にしても、政府にしても、時宜にかなった正確な情報。ワクチン接種についていえば、昨日の新聞全面を使った政府広報(厚労省)はとてもわかりやすかった。

 午後の短いひととき、美郷台で「たいむ」をポスティングしていたら2人の女性と遭遇。その一角は私が初めて選挙に出た時から「がんばって!」と励ましてくれる女性が多かったところ。お一人は道路でばったり、そして積もる立ち話。もうお一人はたまたま庭に出ていてばったり。「家にあがっていって」と誘われたけれど、何しろ秋の陽はつるべ落とし、出直すことを約束して別れた時は夕闇が迫っていた。「たいむ」の多くはボランティアさんにお願いしているのだが、私もポスティングを大事にしているのはこうした思いがけない出会いがあること。

クロード・レビ=ストロースが1030日に亡くなったという。101歳を真近に控えていた。この「日記」にも記したが、昨年は彼が100歳ということを知って驚きとともに彼の著書を議論し合った学生時代を懐かしく思い出していた。私は当時早稲田大学の人類学会というサークルに所属していたが、レビ=ストロースの構造主義は文化人類学だけでなく社会学や哲学の分野でも最新の理論だった。当時の私には悲観主義的に思われた『悲しき熱帯』だが、あれは彼の警鐘だった。世界中が同じ単一作物「砂糖大根」を栽培するようになるだろう、という彼の予言は、いまグローバリズムのうねりとなって世界中が同じ「文明」の渦に巻き込まれていることで証明されたと思う。人類はこれからどのような道を歩むのか・・・彼亡きあと、21世紀を解き明かすような思想や理論は何かしら?





□2009年11月2日(月)

 成田市教育委員会からのFAXによる報告(No28)では、本日の新型豚インフルでの学級閉鎖は9校19クラスになるという。今日新たに10クラスが加わった。閉鎖期間による入れ替わりや増減がある。

 医療従事者から始まった新型豚インフルエンザのワクチン接種だが、今日から多くの自治体で妊婦や持病のある人などへの優先的接種が始まったという。今のところ量が不足しているから少しでも多くの人に打とうということで、医師の摂取量を減らす節約作戦や、無駄が出ない注射器の開発も行われているようだ。

 インフルワクチンについては「疫学者からみれば予防接種の中で最も効かないものの一つだ。・・・ワクチンを必要としない健康な人や、効果が証明されていないにもかかわらず重い副反応が出やすい妊婦や幼児にまでワクチンを勧める厚労省の方針に危機感を覚える・・・悲劇を繰り返さないためにも不要なワクチン接種といたずらな勧奨をしないことと、接種後の副反応調査、幅広い被害補償を国に求めたい」(母里啓子・元国立公衆衛生院感染症室長)という発言や、「効果は認められるから集団接種は必要」とする内科医などの反論が新聞(いずれも朝日)に載ったりした。私は、これまで何事についても「予防原則」を尊重してきたので、どうしても疫学者の発言に耳を傾けてしまう。せめて、接種を義務付けないでほしい。

「(仮称)議員年金を廃止する議員と市民の会」結成準備会に誘われた。現行の議員年金制度はもう、どう取り繕っても破綻している。存続のための方策をとれ(=税金を投入せよ)という議会決議をあげるところや、年金共済金掛け金の支払いを拒否する議員も出ている。総務省では地方議員年金制度検討会を設置し、年末にも廃止を視野に報告書を出すらしい。

 初めて議員になった頃、「3期12年議員を務めれば『恩給』が出るから頑張れ」と言われたことがある。実際は毎月の報酬天引の共済掛け金(報酬によって違うが成田市議会は月額75,200円)と税金投入を原資に「年金」として支給されるのだが、私にはこのシステムと、議員に年金という考えがいまだに理解できないでいる。

 もともと、地方議員の身分はボランティア(日当程度の有償ボランティア)でいいと思っている。そのためには地方自治体と議会のあり方を根本から見直していく必要がある。主権は人々にあるのだから民主主義をより直接民主主義的に成熟させていき、国会のミニチュア版のような今の議会制度自体を住民にもっと身近なものに変えていくことが望ましいと思っている。そんなわけで、この際まず特権的な現行の議員年金は廃止せよという声を上げるのは時宜にかなっていると思う。






□2009年10月31日(土)

 公民館まつり。「歴史と今を語りあう女性の会」も参加。今回は青年海外協力隊員としてカイロのNGOで2年間ストリートチルドレンを支援してきた会津素子さんのお話。パワーポイントでの映像と、感性豊かな体験談を聞くことができてとても充実したひとときだった。イスラム教国、エジプト文明発祥の地、スエズ運河、昔ナセル今ムバラクといった指導者の名前くらいしか知らなかったエジプトが身近に感じられた。素子さんと子どもたちの2年間はもっと多くの人に知ってほしい。特に子どもたちに。 PHOTO BY MACHIKO

 終わってから、出店したお店や歌、踊りでにぎわう公民館前の広場?でいい匂いにつられておそばを食べた。いわゆるリタイアしたおやじ蕎麦打ちサークルかしら?いるのね、成田にもこういう人たちが・・・。趣味とか道楽で始めたにしては蕎麦もつゆもとても美味しかった。

 夕方、出先で小さい子どもたちのワーワー、キャッキャッという賑やかな声が聞こえてきたので近寄ってみたら、ハロウィンの怪しげなお面や衣装の子どもたちとお母さんたちが集まっていた。可愛い・・・。そういえば、これまではほとんど気がつかなかったのだが、今年はハロウィングッズを並べたお店が目に入った。ハロウィンを子どものお祭りにしちゃおうという魂胆だとしたらさすが、商魂たくましい・・・。

 とはいえ、ハロウィンの行事やグッズが「国民的」に広がるのは難しいだろう。子どもたちのお祭りが一つ増えるくらいかしら。何よりもあの仮装グッズとカボチャではクリスマスとケーキ、バレンタイン・デーとチョコレートに並ぶことは無理でしょう。






□2009年10月30日(金)

 10時から1630分まで、日本教育会館一ツ橋ホールで開催された「二元代表制を機能させる議会改革シンポジウム~住民の期待にどう応えるか~」に参加。主催はJMAC構造改革推進セクターとNPO法人日本評価学会。JMACというのは三重県の改革支援から始まった行政改革〝仕掛け人の専門部隊〞だそうで、自治体職員との関わりも深いようだ。この主催団体の集まりに参加するのは初めて。たまたま「開かれた議会をめざす会」のMLの中で紹介する人がいて、議会改革全国リポート、実践プログラムの提案、2つの自治体議会による事例発表、事例に対する質問をもとに行われる双方向パネルディスカッションなどプログラム内容が豊富で興味があったので申し込んだ。

 会場には顔見知りの議員も2、3人いて、特に以前英国のNPO視察で一緒だったてるちゃんと久しぶりに会えて嬉しかった。お昼は二人ともおにぎり弁当持参だったので1時間、それぞれの議会の開かれ度その他について意見交換できた。

 帰ったら産直野菜が届いていた。ケースの中は午前中に収穫したサツマイモ、大根、かぶ、枝豆、サニーレタス。また秋の賑わいをみせてくれるようになった。元気な野菜たちを見ているだけで力が湧いてきそう。

 昼間てるちゃんとおにぎりを食べている時、昨夜放送されたNHK〝クローズアップ現代〞の「食がいのちを救う」が話題になった。〝食〞をおろそかにしている現状は深刻。食べることは嗜好や個人差があるとはいえ、いまや食事は主要なことではないようなことを言いながら片手いっぱいのサプリメントをガバッと口に放り込む大学教授兼作家という人のシーンはゾッとした。二人で「あの人結婚しているのかしら?」とか・・余計なことが気になってしまった。だって、食べることは自分の「いのち」そのものであるだけでなく、子どもや孫につながることだから。飽食の時代のツケが人々の健康を、子どもたちの未来をも蝕み始めたとしたら皮肉なこと。とにかく、保存料から着色料その他添加物たっぷりのできあいの食品(コンビニおにぎりにさえ10種類を超える添加物と聞いた)が多すぎる!05年に制定された食育基本法には食べることまで法律に指図されたくないと思ったけれど、ここまで食の崩壊をみせつけられると、私も口を出したくなる。





□2009年10月28日(水)

 下総町の集合団地に「たいむ」をポスティングしてくれているボランティアのお宅に行く途中、カー・ラジオから世界経済フォーラムが世界134ヵ国の「男女格差指数」(社会進出における性別格差)を発表したというニュース。聞いてもすぐ忘れてしまうので急いで車を山際に止め、メモった。日本は昨年の98位から75位に。経営や技術への進出で102位から54位になったことが改善の理由らしい。ただし主要国(G7)では最下位。ちなみに、ベスト3はやっぱり北欧。アイスランド、フィンランド、スウェーデン。その他主な順位は、政策決定(政治)の場への進出が110位(女性国会議員の数では105位)、高等教育への進学率は98位、賃金格差は99位、就業率格差は83位、賃金格差99位と、経済大国・先進国という地位はかちとったけれど、男女平等政策への立ち遅れが目立つ。こういうところが、戦後自民党政治の一つの限界であったともいえるだろう。

 夕方5時から始まった決算特別委員会の総括質疑を控室でテレビ傍聴。決算審査は今日で終わり。採決の前に帰る。

 今日の衆院代表質問では、自民党総裁が経済政策や普天間移設問題などで政府を批判すると、首相は「あなた方(=自民党)には言われたくない」「13年手をこまねいてきたではないか」などとやり返していた。ま、今は何を言っても自民党政権時代の政治が引き合いに出されるわけで、谷垣さんも気合が入らないと思う。

 夜、何気なく見たTVにくぎ付けになった。1986年に収録された司馬遼太郎さんの「雑談『昭和への道』」。その中で、「明治維新は素晴らしいものをもっていたが、思想は貧困だった。(中国の)宋時代にとなえられた儒教イデオロギーである尊王攘夷が日本に入り、水戸学などで先鋭化した。革命思想のくせに〝ピープル(人々)〞の思想がなかった」という発言には久しぶりに血が騒いだ。

 敗戦までの昭和は軍部に占領されていたようなもの、支配は人民を考えるが占領は猛々しい、(「魔法の森の占領者たち」のイデオロギーは)尊王攘夷に統帥権というインチキ法理論をくっつけたもの、戦時の参謀本部が平時も権力の中枢にいて天皇のスタッフとして(天皇を)「お上」という女官言葉で呼んでいた、等々容赦ない言葉が続く。司馬さんはノモンハンでボロ負けした時に戦車隊にいたらしい。その2年後に太平洋戦争。「そういう国に生まれた」という司馬さんの歴史を見る眼に惹き寄せられたひとときだった。





□2009年10月27日(火)

 議会の決算特別委員会。お昼をはさんで午前中1時間、午後2時間ほど控室でテレビの声だけ聞きながら傍聴。時々メモをする以外手が空いているので「ながら」仕事で市議会の議長あてに「議会改革にかかる要望書」を作成し、提出した。近頃考えていたことだ。内容は①「議会基本条例」制定をめざして議会に特別委員会を設置すべく議会運営委員会でそのための調査を行うこと、②請願・陳情者が(希望すれば)委員会審査で発言できるよう、議会規則に明記すること、以上2点。

 地方自治法が公布(1947)され62年。地方分権時代を迎え、二元代表制下での地方議会のあり方も問われてきた。今年は第29次地方制度調査会の答申や地方主権を重視する新政権も誕生した。広く市民に開かれた議会として市民参加のもとにどのような条例を策定していくか・・・成田市議会が議会基本条例制定に向けて具体的に動き始めるとしたら次の選挙以降になりだろう。しかし、現在条例を持つ議会が72、準備作業に入っている議会が100を超えるという。市民とともに議会を改革していこうと言う大きな流れを成田市議会でも受け止め、任期1年余りを残す中、調査研究に着手して次に繋げることが望ましいと思う。議運は既に伊賀市議会の条例を調査しているが、それで終わり。議運で議論されたという記録はない。委員の1人、2人が関心を持っているだけではだめで、委員会の課題としてとらえてほしい。

 ②については、つい1年半ほど前まで請願・陳情者が委員会審査の傍聴すらできなかったことを思えば、発言はなおのこと考えてもいなかったことだろう。でも、審査にあたって提出者が意見を述べたり、委員から質問をしたりする機会があってもよい。むしろそのほうが自然ではないか。求めれば出来るように規則で明記しておいたほうが良い。





□2009年10月26日(月)

 いつも自宅周辺の地区にポスティングしてくれているAさんのお宅に「たいむ」72号を届けて、お昼には帰るつもりが2時間よもやま話。深まりゆく秋、降り続く雨を窓ガラス越しに眺めながらホンワカ暖かいリビングがとても気持ち良い。そうか・・・時には暖房のぬくもりがほしい季節に移り変わっていたのだ。

 この頃少し慌ただしい毎日が続いていた。字のごとく心がカサカサ荒れていた。色づき葉を落とし始めた樹木や遠のきはじめた陽の光などが目に映っても、心は・・・といえばあれもこれもと追い立てられるようだった。台風20号の影響で雨が降り続いたが、今日の雨は心を鎮めてくれる雨だった。

 臨時国会で鳩山首相が所信表明演説を行った。何でもいいからとにかく政権交代を!と願ってきたので今は新政権のスタートをじーっと見つめている。首相は「無血の平成維新」という表現だったが、確かに「プチ建国」(朝日天声人語)のようでもあるからまだ悪口を言う気はない。でも、首相の政治資金問題や沖縄普天間移転問題、そして日本郵政の社長人事などでヘンな声が聞こえている。新政権に期待しているイの一番は〝情報公開〞、徹底した情報公開の中で、政策を遂行してほしい。政権が支持されるかどうかはまずプロセスの透明性、情報公開にかかっていると思う。

 夕方のワイドショーで首相の所信表明よりも扱いが大きかったのは覚せい剤取締法違反の罪に問われた女性タレントの初公判。黒いスーツ姿で薄化粧、これからは介護を勉強して仕事をしたいと言ったという。裁判官の心証を良くするためには地味でまじめそうな服装、人の役に立つ福祉関係の仕事をやると言うのはいわば法廷戦術の「定番」。事前に弁護士から指示されることだ。 芸能界の「覚せい剤汚染」が問題になっているが、芸能界だけだはない。女性タレントは「気分がすっきりすると言われた」「好奇心があった」と語っているが、彼女に限らずファッション感覚で手をつける子どもたちが増えているようだ。子どもたちは覚せい剤やそれが流通する「社会」についてきちんと教えられる機会があるのかしら?





□2009年10月23日(金)

 「たいむ」72号の印刷や折りで一日が過ぎた。部屋から出たのはポスティングをお願いしているボランティアさんのお宅に仕上がりを届けたのみ。ここ数日タイミングが合わずスーパーに買い物に行ってないので、冷蔵庫の中をかきまわして材料を探し、ご飯の支度をしている。掃除になっていい。

 ところで、冷蔵庫の常備品みたいな納豆のことで「えっ!小粒よお前もか」と思う話がメーリングで流れてきた。メールの主は農業専門紙の記者さんで、ある固定種を扱っている種苗店から聞いた「小粒納豆」について。「あれは種の段階で放射線を当て、小さな実になるようにしたもの」なんですって!様々な目的で 野菜に放射線を当てるということは耳にしていたけれど、小粒納豆までそうだったのか・・・。

 もう一つ、「えっ!やっぱり・・・」と思ったのは今朝の新聞記事の県版。「南の地権者が協力しないならさらに北伸もありうる」と、NAAの社長が語ったとか。国土交通大臣の羽田国際ハブ空港化発言で地元が慌てふためいている時を見計らって「いまなら何を言っても大丈夫」と思ったのかしら。20日に2500メートルの供用が始まったと思ったら、今度は3500メートル滑走路整備の可能性を公然と語り始めた。年間発着20万回でも管制官が神経をすり減らしているのに、30万回、それ以上をめざすのにネックとなるのは成田トンネル。現状のままの空域では軍事空域が入り組んでいて無理。

 記事では自衛隊の百里基地で使う「百里空域」との調整が必要となりそうだ、としている。そこで、羽田は首都東京の中にあるので戦略的に軍民共用を避けるだろうから、将来的に成田空港を軍民共用化する検討が出てこないとも限らない。あってはならないことだが。






□2009年10月22日(木)

 「歴史と今を語りあう女性の会」例会。会津素子さんが公民館祭りの打ち合わせを兼ねて出席してくれたので早速みんなで質問攻め。純君のママも1時間ほど顔を出してくれて、修学旅行の話で盛り上がった。車イスマークを付けた路線バスがバギーに乗った純君を乗車拒否したのにはブーイング。でも1泊2日、想定外のことなどあっても純君がみんなと一緒に修学旅行に参加できて本当に良かった。

 朝刊を見ていたら南摩ダム導水路工事の入札が延期になったという。2001年7月に宇都宮大学名誉教授藤原信先生や地元で反対している人たちの案内で市民ネットワークの人たちと現地を視察したことを思い出した。思川開発の中心になる事業。「ここがダムサイト予定地」という場所に立ったが、そばを流れる南摩川には水がチョロチョロ流れているだけ。この写真は「たいむ」にも載せたことがある。せき止めてダムを作っても水量が足りないので導水管で水を集めることになる。なんともシンジラレナイ話だ。八ツ場よりひどいという声も。土木工学とか建設関係の技術者には〝技術者冥利〞に尽きる計画だろうが、素人にも常識的に理解できる計画であってほしいものだ。

 「たいむ」第39号 (2001.7月)

 昨日4時前に目が覚めたので断固オリオン座流星群を見ようとベランダに出た。南の空高く西に傾きかけたところにオリオンが懸っていて、そのシンメトリックな星の配置をたどりながら狩人の雄姿を想像した。そして左下には大犬座シリウスの青く冷たい光。シリウスは地上から眺める恒星では最も明るい。しばらくじ~っと待っていたものの一つも流れなかったので、あわてて遠視用メガネを持ち出してまたしばらく・・・。10分もしないのに、ま、いいっかとあきらめて部屋に入る。もともと忍耐力がないのに更に近頃は気持ちはあっても忍耐が伴わない。

 流星群というといつも思い出す心温まる話がある。ずいぶん前しし座にかつてない大流星群が現れた年のこと。当時教育委員会にいたO先生が元気がなかったので聞いてみると、流星の数がピークに達したその夜、可愛がっていた猫がいなくなり、八方手を尽くしたもののとうとう戻ってこなかったという。しばらくご飯も喉を通らず、思い出してはうるうるしていたようだ。その猫は、やはり教職にあったおつれあいが子どもたちに「何か心配なことがあったら遠慮しないで何でも先生に相談しなさい」と言ったら、女子が友だちと捨て猫を拾ったのだがお母さんが飼ってはいけないというので隠して飼っているのだがどうしていいかわからない、と打ち明けたらしい。で、おつれあいがその子猫を引き取ったという。以来子猫はO先生の家族に大切に育てられていたようだ。きっとO先生には生涯の忘れ得ぬ思い出になって残るのだろうな・・・。





□2009年10月20日(月)

 午前中かけて「たいむ」72号がほぼ出来上がった。午後用事で市役所に寄ったついでに財政課で08年度(平成20年度)通称「決算カード」をもらう。読み方さえわかればA3見開きでその自治体の健康診断ができ、全国の自治体との比較ができる便利なもの。ま、総務省がそのように作らせたもの。毎年7月には出来上がるので、かつては「まだ県と調整できていないから数字が確定していないんだけど・・・」という財政課に「細かな数字が変更されてもいいから・・・」と言って手に入れていた「資料」なのだが・・・。チラッと主な指数を見たら、財政力指数が昨年よりアップして1.544(多分全国で30番以内)、財政の弾力性を示す経常収支比率も74.4%(多分20番以内)で07年度より改善されていた。8ポイント位下がった理由は何かしら?いずれにしても、数値で見る限り成田市の財政状況は良好。ちなみに歳入総額は5789250万6千円、歳出総額は5332752万6千円。

 なお、昨年予算要望や12月議会の一般質問で要望した予算編成過程の公表についてはとりあえずスケジュールが市のホームページに掲載されていた。今年中に市長査定(1224日頃)というから、クリスマス・イブ査定ね!理想は課長査定、部長査定、市長査定が掲載されるといいんだけど、スケジュール的にタイトだったり、量が膨大なら工夫してできるだけ公開に心がけてほしい。初めての試みに注目したい。

 議会事務局に行く途中子育て支援課の前を通ったら忘れていたことを思い出した。子ども連れのお母さんを配慮してかカウンターが低くて良いのだが、子どもやベビー用のイスがないのだ。こうした細かなことは私の予算要望書には入れていないので、口頭で課長にお願いしておいた。

 satochibaメーリングで流れてきた千葉市議からのメールでは、千葉市で23日~11月6日まで行われる外部評価委員(学識経験者その他9人)による事業評価の公開ヒアリングで、市民も事前に意見を提出でき、そのテーマに関係する審議の公開ヒアリングを傍聴している場合には発言の機会があるんですって!ただし3人までで、それ以上希望する場合は抽選とのこと。市に問い合わせたら3人というのは時間の関係らしい。新しい市長はこの評価の結果を10年度(平成22年度)予算に反映させたい意向のようだ。面白そう・・・。なお、傍聴はノー・チェック、出入り自由。ちょっとのぞいてみたいな。





□2009年10月19日(月)

 締め切りが迫った原稿を書くのに半日かかってしまった。そこで、この際と気合を入れて「たいむ」第72号を作り始めた。いつもより遅れているのだが、イッキに集中できない用事や雑事のほか2泊3日の視察もあってなかなか手が付けられずにいた。もはや遅らせることができないここに至ってやっとやる気・・・。何事も一夜漬けの癖がこの年齢になっても抜けない。

 6都県の知事が八ツ場ダム建設予定地を視察して中止撤回の気勢を上げたという。要するにこれまで推進してきた自民党が中心になっての盛り上がりのようだ。成田市では印旛広域水道関連とはいえこのダムと霞が浦導水事業に毎年約5千万円の出資をしてきた。私はもう10年も前から一人で反対してきたのだが、民主党がマニフェストに掲げ、新政権が無駄な公共事業として八ツ場ダム中止に手をつけてから急に市議会議員の口からも〝八ツ場〞がでるようになった。つい先日も私以外公明党1人を除く全員が自民党という視察の中で「ここまで作ったのだから続けるべきだ」「地元がかわいそうだよ」といった声が聞こえた。

 地元住民への世間の素朴な同情なら理解できる。しかし、議員や事情を知っている人の中で自民党政権が地元住民をさんざん苦しめて強引に推進している時に「かわいそう」だと思った人が何人いたかしら?鼻白むとはこのこと。

 とにかく新政権はデマや事実に基づかない意見や報道に振り回されず、地元住民の生活再建と地域振興策を法的に整備し、ダム建設中止を進めてほしい。そのプロセスは国民に情報公開を忘れないで。これまでつぎ込まれた税金で潤ってきたのは予定地ではなくダム関連の企業と国土交通省の天下りであることははっきりしている。





20091017日(土)

 いやはや、視察にパソコンを持って行ったはよいが2日目に泊ったホテルにACアダプターとマウスを忘れてしまった!夕べ帰ったらホテルからの留守電で「お忘れ物」。送ってもらうことにしたものの、到着が19日ではそれまでパソコンを使えない。「どーしよー」と騒いだら、「予備はないのー?普通用意しておくものだよー」と、ちょっと呆れた声のあとで「○○(量販店)に汎用できるのが売ってるよー」とか教えてくれる親切な人がいて、○○にはなかったけれど××にはあって、早速買いに行ってやっとホームページの更新やらメールを開けたりが可能となった。






20091016日(金)

 宮崎市議会へ。民間委託・指定管理者制度について調査。指定管理者制度についてはいろいろ問題もあるので成田市でこの制度を導入する際、私は反対した経緯がある。そのマイナス要素をいかに行政としてフォローしているかに興味があった。

 宮崎市は民間委託の活用度を示す三菱総研の2009年自治体官民パートナーシップランキングで中核市などを対象にした部門で九州1位・全国7位になったという。特に、職員給与やコールセンター関連業務の民間委託、保育所や老人福祉施設の民営化が評価されたようだ。コールセンターについては事業そのものに関心を持った。市民からの問い合わせの80%位がそこで対応できるという。以前オーストラリアのブリスベーン市で見事に整備されたコールセンターを見たことがあるが、そこは約97%をカバーしていた。ほぼワン・ストップ。成田市でも電話をあっちこっちに回される状況はなかなか改善できていないので、こうした事業を参考にしたコールセンター機能があればいいと思う。

 ところで、このところ成田空港問題が全国放送されているせいか霧島市・都城市・宮崎市とも、視察先自治体からの最初の挨拶の出だしは「成田空港と羽田国際ハブ空港化」。今日の行政改革推進室長さんは、成田市長と同じ「小泉」姓だと自己紹介。

(09・10・16)宮崎市議会の委員会室で。こんな感じで議会や行政担当部署の説明を聞き、質疑が行われる。

 視察終了後が宮崎市庁舎から少し歩いたところの県庁へ。知事は留守。招き猫ならぬ知事の等身大の写真パネル。訪問者がオデコを触るらしくその部分だけ色がはげて真っ白になっていた。ツァーの団体さんが県庁舎前で記念撮影しているのも、東国原知事効果だろう。





20091015日(木)

 鹿児島から電車で30分、同じ環霧島会議を構成する宮崎県都城市へ移動。ここでは市長マニフェスト・部マニフェスト・部マネジメント改革について調査。市長は選挙で市民に公約したマニフェストを実現するために、各部長に取り組むべき課題として「政策ミッション」を与え、部長は課題解決のために取り組む事項を掲げた「部マニフェスト」を作成するというのも。同時に市民満足度の向上を目的とした部のマネジメント改革も作成。

 これら部マニフェストは年度ごとにブラッシュアップ。経済情勢の変化に応じたローリングを実施し、新たな取り組みの検討が行われていく。そのことで市長のマニフェストの管理も可能。達成度は年度ごとの自己評価で始めたが平成19年からは外部評価も導入され、現在は外部評価のみとのこと。昨年度から指針(基準)を導入し、それまでの5段階から100点満点評価に変わったという。

 このシステムは現市長が合併前から抱いていた構想で、現在のように整備されたのは平成18年1月の合併後に実施された市長選挙以降のようだ。市長のマニフェストの多くは総合計画・5ヵ年計画に基づく事業につながるものというが、両者の整合性をもたせながら2本立てで行政運営を行っていく事務方の〝苦労〞はあると思う。

 午後、あの焼酎の霧島酒造が経営する霧島ファクトリーガーデンへ。「産業と、文化・ふれあい施設が融合した市民開放型ガーデンパーク」。地元企業が市民文化やスポーツを支援している。

 コンサートや発表会など多目的に使用できるホール、レセプションルーム、ミュージアム、公認グランドゴルフコース、地ビール製造所と地元食材を使った創作料理のレストラン・売店が一体となったブルワリー、ロマンを感じさせる大正8年築の酒造社屋を移築した記念館がある。・・・広大な敷地の中で、(白、黒、赤の)〝霧島〞が出来るまでの話を聞いたり、ミュージアムを見学したり、美味しい霧島裂罅水を飲んだりした。ブルワリーで地ビールと焼酎の原酒も少し。

(09・10・15)(左)霧島ファクトリーガーデンの記念館で。奥の間では女流名人戦が戦われた。

(右)都城市役所の議会委員会室で。
 そして都城を後に、電車で最後の視察先、宮崎市に向かう。

 沖縄市の泡瀬干潟埋め立てをめぐる訴訟は2審も「経済的合理性が認められない」として、住民側が勝訴。県と市に公金支出差し止めを命じた。今年の夏干潟に行き、裁判の行方を無視して強行されていた埋め立て工事を目の当たりにして胸が痛かった。裁判の結果は本当に嬉しい。





□2009年10月14日(水)

 総務常任委員会の行政視察で鹿児島県霧島市へ。2県(鹿児島・宮崎)にまたがる7自治体による「環霧島会議」の調査。この会議は霧島市役所企画政策部企画課に事務局を置く任意の協議会。平成1911月、「『霧島山』をふるさとの山と捉える自治体が、それぞれの行政区域を越えて連携し、環境、観光及び防災等に係る様々な施策・事業について、お互いに知恵を出し合い、協働することにより、地域活性化を図る」ことを目的に設立されたものだ。霧島市長が提唱したという。

 環境・観光・防災・スポーツ・広報の5専門部会があるが、今後はスポーツを発展的に解消して(仮称)教育専門部会が設置されるようだ。これまで5回の会議と1回の広域連携シンポジウムが開かれた。この中から昨年は「霧島ジオパーク推進連絡協議会」を立ち上げ、ジオパーク登録に向けた運動も始まっている。

 今年初めて3事業が行われたが、お金がかからないように知恵と力を合わせて事業をやっていくという。例えば地域経済と切り離せない成田空港を中心にした空港圏だと利害を共有して一つになりやすいが、高千穂峰をいただく霧島山系ではそのような〝力〞は生まれにくいだろう。その一つ、「環(ぐるっと)霧島観光マップ」は自然の魅力とそれぞれの自治体の特色がとてもわかりやすく掲載されている。逆に運営委員会では取り組み事項となっている〝霧島ナンバー〞は「会議で禁句」というのもうなずける。ま、構成市には霧島市よりも人口が多い宮崎県の都城市があるしね!何しろ明日視察する都城市の市長は自分のマニフェストを各部長のミッションにしてしまった人だからね!・・・ということは、会議の方向も見えてくる。

 とはいえ2つの県にまたがることから、総務省などは道州制などを想定して関心を示しているようだ。それはまぁ、それとして、環霧島会議の発想は魅力があるので健闘を祈る。

     (霧島市役所 議会委員会室にて 09・10・14)

 14日の前原国土交通大臣と森田知事との会見は、報道で知事の発言を聞く限り「内際分離の原則」維持は確認されたらしい。でも、ずいぶん早々と「冗談じゃない、一晩眠れなかった」不満が解消されたものだ。もともとは国会議員の頃「羽田国際化」を公約でぶちあげていた知事のことだから本気度はわからない。県益よりも国益主義でいけば、彼の「素性」からしてコロッと納得するのもわからないわけではない。





□2009年10月13日(火)

 国土交通大臣の羽田国際ハブ空港化推進発言は、千葉県・成田空港圏自治体には激震だったようだ。今日は千葉県、空港会社も加わって、9市町による成田空港県自治体連絡協議会臨時会が開かれた。その結果、明日14日に国土交通大臣と千葉県知事が会談を持つので「前原大臣による唐突な発言の撤回」等、臨時会の意見を知事に託すことになったという。

 ただ、新大臣の発言としては「唐突」「寝耳に水」かもしれないが、羽田国際化の流れは昨日今日の話ではない。羽田空港整備の流れをみていると、2002年のサッカーワールドカップに向けた平行滑走路建設が2180メートルの暫定滑走路で終わってしまった時点で、当時の政府・運輸省は将来を見越し、羽田国際化にシフトを移したのではないか。でも、そんなことは口が裂けても国から言うことはない。自民党と官僚の遠謀深慮、後戻りできないように既成事実化(01年早朝・深夜のみのチャーター便就航、03年韓国・金浦、07年中国上海・紅橋・北京、そして4本目の滑走路)を進めてきたところで政権交代。旧自民党の政策への〝切り込み隊長〞と言われる前原大臣自らがしゃべってくれたので気楽になったのではないかしら?

 あるいは、歴史はさておき、現状での国際競争力と国益に危機感を持つ両者のデキレースだったりして・・・。空港周辺自治体・千葉県はカヤの外、とならないように、気をつけたほうがいい。意見を託すことになった森田知事、誰かが「お人よし」とか「軽い」とか言っていた。 





□2009年10月12日(月)

 静かに秋の一日が暮れようとしていた時、TVニュースにスイッチを入れたら小泉市長の顔が大写しになった。「驚いたというよりもえっ!本当なの?といった気持・・・成田の歴史的経緯を忘れてもらっては困る」といった発言。

 大阪府の橋下知事と会見した前原国土交通大臣は、来年4本目の滑走路が完成する羽田空港のハブ化を目指して優先的に整備していく考えを示したというもの。国内線は羽田、国際線は成田という「内際分離」を取り払い、羽田の24時間国際空港として整備していくことを考えているようだ。

 橋下知事は関西国際空港の今後の在り方に明確な方針が示されなかったことに不満を表し、「(関空が)ハブ化しないなら府の負担金を支出する必要がない。公立高校の授業料を低くしたり、医療費助成とか福祉に回します」とコメントしていた。

 新政権の航空政策が少しずつ見えてきた。先月は全国に97もの空港を作り続けてきた空港整備特別会計の見直しを表明し、今日は羽田ハブ化を宣言した。成田の「歴史的経緯」の責任は過去の自民党政権の失政として押し付け、新政権のオープンスカイ政策を進めて行くのかもしれない。

 とはいえ、成田が1本の滑走路で開港以来折に触れて流布される「このままでは貨物空港」はデマに等しい。一定のすみわけは続くだろう。私はむしろ成田空港の年間30万回発着をめざして米国の民間会社に同時離発着調査を委託していることに疑念がある。いまや航空需要が頭打ちといわれる中で羽田ハブ化となれば、成田空港の「空き」滑走路をどう使うかということ。将来的には軍民共用をも想定した同時発着調査ではないかという心配がある。

 さて、こういう時に国とのパイプの太さを理由に国土交通省から出向している副市長はどう動くのかな?





□2009年10月10日(土)

 国連で死刑廃止条約が採択されてから20年。今日は国際死刑廃止デー。

 死刑廃止国は138ヵ国で世界の3分の2にあたる。が、日本はこの条約に加入していない。近隣諸国を見ても、韓国はこの10年死刑執行を停止していて事実上死刑廃止国の仲間入りをし、台湾も現在死刑執行を停止しているという。世界の流れは死刑廃止なのだ。

 国連が死刑制度を持つ国に〝死刑モラトリアム〞を決議しても、日本はEUや国連の非難決議や勧告を無視して次々と死刑を執行している。新政権の出方が注目される。

 一つ年下のいとこが体調を崩して実家(亡き母の生家でもある)で静養中というので、以前2人で食べたお店で鯉こくを作ってもらい、お見舞いに行く。彼女は栗山川のそばで育ったせいか川魚好き。都内で仕事をしていても、時々鯉やドジョウを食べさせるお店に行くようだ。食欲がないというので、「鯉こくは?」と聞くと、とっても喜んでくれた。

 家が近くなって、栗山川の向こうの山の端の上に大きな虹がかかっているのが見えた。この前に見たのがいつだったか忘れてしまったほど本当に久しぶりの虹。なんて美しいんでしょう・・・きっと何かいいことがありそう。   PHOTO BY MACHIKO (09・10・10)





□2009年10月9日(金)

 中学生議会を傍聴。私は始めから終わりまでおばあちゃん顔。市内9つの市立中学校と1つの私立中学校の計10校が参加。時々堅苦しい行政用語などが使われていたりして、大人の添削かな?と思われるところもあったりしたが、全体的に子どもたちの感性や視点が活かされていた。

 こうした機会は継続してほしいと思うが、ほかに学校はタッチしないで市内の18歳までの子どもたちの有志を募り、「(仮称)子ども会議」のようなものがあるといいと思う。子どもたちが自分の言葉で率直に自分たちのまちについて語りあえるような場がほしいので、予算要望・政策提言で要望し続けている。

 オバマ米大統領がノーベル平和賞に決まったというニュースに納得。ブッシュ政権を引き継いだ経済危機やイラク・アフガン戦争といった目の前にある国内外の重要課題をかかえながら、4月のプラハ演説や国連での核廃絶に向けたリーダーシップ、気候温暖化問題へ意気込み、多国間外交の取り組みが称賛されたようだ。

 アフリカン・アメリカンとしてだけでなく、選挙期間中に彼が発したメッセージは、米国民はもとより世界中の人々により良き未来への変化や希望を与えてくれたことも評価された。私も、久しぶりに「政治家」の言葉に耳を澄ませて聞き入った一人だ。

 彼の言動には、もはや政治的にも経済的にも米国の一極集中時代は終わり、世界は多極化していくという現実認識があると思う。そうした中で、世界が力を合わせて諸問題を克服していこうとする彼の発信力には希望を託してみたい。

 しかし、受賞の前にやるべきことがある。それはアフガニスタンでの空爆を中止すること。アフガンを「テロとの主戦場」とする彼の考えをチェンジすべきだ。どんな強大な武力によってもテロをなくすことはできない。そして、武器によらない平和創造の先頭に立つこと。ノーベル平和賞受賞をその始めの一歩にしてほしい。





□2009年10月8日(木)

 「たいむ」に〝エジプト便り〞を寄稿してくれていた会津素子さんが9月末に帰国した。先日成田に戻り、ご両親のもとでひと息ついたところで今日4時30分から青年海外協力隊員として市長に帰国報告のため市役所を訪れるという。良い機会なのでその前に議会棟の私の控室で2年間にわたるカイロでの話を聞いた。映像も交えて話題は尽きなかった。異文化に飛びこんで2年間、カイロのストリートチルドレンを支援する活動を通してすっかりたくましくなった。眩しいくらい。成田市に活動の場を見つけてくれると嬉しいんだけど・・・。

「歴史と今を語りあう女性の会」は公民館まつりで素子さんの話を聞く集いを企画している。10311230分から1430分まで中央公民館で、カイロでの活動~子どもたち、エジプト、イスラム社会など~見たこと感じたことをさまざまな角度から語ってくれることになっている。






□2009年10月7日(水)

 「最近10年で最強級」といわれる台風18号が接近している。秋雨前線を刺激して大雨のおそれが強いようだ。このままだと列島を縦断するとみられ、暴風雨への心配とともに、実りの季節を迎えたリンゴたちを思い浮かべた。

 リンゴといえば、去年あたりから雹や風でキズがついたリンゴがスーパーの店頭に並ぶようになった。ほんのわずか、気がつかない程度のキズなのにキズなしと比べてとても安い!味も変わらない。リンゴ好きには願ってもない嬉しい商品だ。今年も並び始めた。商品として定着したのかもしれない。私も去年すっかり味をしめたので楽しみに待っていた。今年もせっせと〝キズあり〞リンゴを食べるぞ~・・・というわけで、市役所に行ったついでに買って帰る。どうしてかしら、私はリンゴを見るとハッピーな気持ちになる。リンゴが木に実る地方に住んでみたいという〝夢〞も捨て切れないでいる。

 10272829日の3日間成田市議会で決算審査が予定されているが、9条の会千葉地方議員ネットワークのメーリングで流れてきた話によると、野田市議会は「常任委員会も含めて傍聴議員の質問が許可され、時には傍聴議員の質疑のほうが多く、かつ役に立つということもあります。」とのこと。 

 予算・決算ともに議員全員で審査する議会もある。その他、議員間の議論や執行部の反問権を許可する議会など、先進例はいろいろ参考になる。

 今思うと信じられないような話だが、成田市議会に予算特別委員会が初めて設置されたのは1995年(平成7年)3月議会。それまでは総務常任委員会が予算を審査していた。それもあってか総務常任委員は当時〝人気〞がなかった。ブ厚い予算書を開けるのが面倒な議員もいたのだ。決算特別委員会はあったが、「使ってしまった金を審査してもしようがない」といった意見が大勢を占めていた。「決算は予算の母」などと言っても相手にしてもらえなかったのを憶えている。ま、そんなこんな考えれば成田市議会も変わったといえるだろう。





□2009年10月5日(月)

 成田市2010年度予算編成に向けて、私の「予算要望及び政策提案書」を提出した。まちづくりの基本を7つの柱に分け、今年は39項目の政策を提案し予算を要望した。

 思い返せば議員になりたての頃は無駄や問題の多い政策を止めさせるための発言・提言が多かった。私の場合、「予算を付けました!」よりも「予算を削りました!」を市民にアピールしたものだ。行政は継続性が大事、ということで、いったん始めた政策は問題があってもなかなか止められない。市長が変わってやっと中止になることが多かった。政権交代と同じね!

 これまで4人の市長に予算要望してきたが、市長は変わっても変わらないのが政治とは税金をどう使うかということ。今年も税金の使い方に私の願いを込めて予算要望・政策提案を行った。

 その後短い時間だが市長と面談。(財政当局の試算で)来年度約13億円減収の見込みという話を聞いた。財政課も各部課から上がってくる予算要望の整理で頭が痛いだろう。そこで先日この「日記」にも書いたが、事業仕分けの手法を学ぶことを勧めた。仕分けの現場に担当部の職員を派遣し、〝必殺仕分け人〞や〝名仕分け人〞の〝手口〞を知るのも参考になると思う。

 小泉市長に予算要望・政策提案書を提出。4代にわたる市長に提出してきたが、撮影は初めて。秘書課の職員さんに撮ってもらった。





□2009年10月4日(日)

 家事をしながら朝9時からNHKラジオで日曜討論を聴いていたら、元財務・金融大臣中川昭一さんが死亡しているのが発見されたというニュースが飛び込んできた。その後のニュースでは事件性や自殺の可能性はないようだが、死因は不明らしい。G7でのモーロー会見後、どぶ板選挙をやったのに小選挙区での敗北や比例復活もなく、プライドはズタズタ、心身のストレスは相当なものがあったと思う。飲酒も復活したようだし、眠れなくて睡眠薬や安定剤を処方してもらっていたという。健康状態に問題があったのかもしれない・・・などと勝手に想像。

 政治家としての評価は分かれる。私にとって彼の歴史観や政治姿勢はマッタク相いれないものがあった。

 夕暮れ近い坂田が池でワンワン飛ぶトンボの群れと遊んで帰ったら、南アルプスI農場からブドウと桃が届いた。桃は手のひらいっぱいズッシリ重いけれどカチカチに固い。いただきものなのに失礼かと思ったが、Iさんにお礼の電話で「モモが固いけど、どうやって食べたらいいの?」と聞いてしまった。だって、夏に送ってくれた桃は皮をむいただけで汁がしたたるほど柔らかく熟していた。今回のはまるでジャガイモの皮をむいているみたいに固いのだ。Iさん曰く「カミさんはビン詰めを作っとる」。なるほどね!今年最後の桃ですって。早速切り分けて砂糖だけでコトコト煮込んでいると桃のいい匂いが漂ってきて、やがてやわらか~くなってきた。形が崩れる前に火を止める。ビンに詰めて大満足。わーい、また自慢しちゃおう!





□2009年10月3日(土)

 
 山神の御遊に觸れそ月の人  水巴

 流れる雲の間から十五夜の月を眺めることが出来た。虫の声を聴きながら月を仰ぎ見る私にも、いろいろ思うことはある。こんな時は一句浮かべばいいのだが・・・。

 どこかのTV局が去る9月26日千葉県館山市で行われた事業仕分けの様子を放送していた。どうやら事業の統廃合や民間委託などで約1割位のカットが可能らしい。館山市はこの事業仕分けの成果を来年度予算に反映させていくという。

 ところで、この度政府の行政刷新会議初代事務局長になったのが、この事業仕分けで知られる「構想日本」代表の加藤秀樹さん。2002年から自治体の事業仕分けを始め、6省を含めて既に51回実施してきたそうだが、いよいよ本丸。

 民主党政権がいま必死でやっているのが前政権の政策の事業仕分け。まさにうってつけの人材といえるだろう。加藤さんは事務局長を引き受けるにあたり、メルマガで「事業仕分けの目的は決して歳出カットだけではない。ひとつひとつの予算の背後にある国と地方、または官と民をめぐる制度や組織にこそ、根源的な問題があることが見えてくることが最大の意義」であり、「当面は今年度中に事業仕分けを通じて4兆円の財源をねん出していくことに力を注ぐ。最終的には行革や地方分権につながる仕事を遂行したい」と言っている。

 なお、9月26日館山市、10月3日都留市、3日・4日小田原市に続く構想日本による秋の事業仕分けの予定は高松市、和光市、足利市、静岡県と続く。

 外から出向いてバッサバッサと仕分ける手法には、住民と向き合う行政現場からの反発もあった。そういう論文を読んだこともある。が、歳出削減の効果や職員、住民の意識改革などの実績が浸透し、仕分けを希望する自治体も増えているようだ。すべて公開で実施され、入退室は自由とのこと。成田市も一度仕分けをしてみたらどうかしら?






□2009年10月2日(金)

 成田市10年度(平成22年度)予算編成にあたり、私の予算要望と政策提案書を準備する。これまでも10月初めに提出しているので5日には市長に提出したい。昨年の要望の中から実現したものは削除し、一部実現したものの不十分なものはその旨を付して再度要求、未だ実現しないものはそのまま残し、今年新たに加えた要望もある。これまでと同様〝まちこのまちづくり〞に基づく提案と要望。

 新政権は自公政権が残した09年度補正予算を見直し中。10年度予算については前政権時のシーリングをゼロベースから見直すと言っている。こうした中で進められる地方自治体の予算編成だが、市の財政課はさしあたり例年どおりのベースで進めていくという。成田市の税収(自主財源の構成比は約7割)からみれば国の予算編成が多少遅れても大きな影響はないだろう。

 ところで、昨年要望し、12月議会の一般質問でもとりあげた予算編成過程の公開については、どうするのかしら?公開を前提にどのように公開していくか検討する、といった答弁だった。部長査定あたりから公開すれば市民にわかりやすいのだが。

 今朝の朝日新聞1面を見てゾクゾクした!既に92年にエチオピアで発見され最古の人類として教科書にも載っているラミダス猿人の全身骨格が復元され、森で暮らし二足歩行も木登りもOKという研究結果が米科学誌「サイエンス」で発表されるという。日本人の研究者を含む国際的な研究グループの成果。 骨格の主は約440万年前の女性(愛称アルディ)と推定され、身長120㎝、体重50キロ、脳の大きさは300350㏄。脳は約400万年~100万年前アフリカの草原で暮らしていたオーストラロピテクスの約500㏄より小さく、約350400㏄のチンパンジーに近いそうだ。そのチンパンジーと人類はすでに約700万年前には枝分かれしていることがわかっている。

 歯の分析から食生活もわかり、森の果実や葉、昆虫など雑食。雌雄の体格差が少ないのでオスとメスがペアで生活する社会構造へつながる特長もみられるそうだ。

 440万年前の「アルディ」、オーストラロピテクスの「ルーシー」(約320万年前)、ともに女性。また、母から娘に伝えられるミトコンドリアをたどると原生人類は20万年前にアフリカにいた一人の女性に行き着くという。その名は「イブ」。書かれた歴史は男性の歴史だが、書かれることのなかった人類史は女性たちが語ってくれる。





□■□2009年10月1日(木)

 今日はとても嬉しい電話。純君のママからで、昨日校長先生、今日は担任の先生が純君を〝だっこ〞してくれたという。昨夜ママが純君をお風呂に入れながら「今日は校長先生がだっこしてくれたね、よかったね」と言ったら、彼がにっこり笑ったという。純くんのように重度の障害がある子どもにとって一番の、そして最高のコミュニケーションはだっこだと思った。

 さらに嬉しかったのは、修学旅行で純君と同じ活動班になった女子が「純君のことで何か気をつけることがありますか?」と先生に聞いたことや、純君とお風呂や就寝を共にする生活班を希望した男子がいたこと。どんな障害がある子でも、その子を受け入れていく心と行動を示せる子どもたちが育っていることが嬉しい。純君の存在が子どもたちの行動を〝制約〞するのはよくないという考えもあるかもしれない。でも、それを〝制約〞という言葉で位置づけると結局障害のある子(人)を社会の中で分けていく、差別していくことにつながりかねない。純君がいることを前提にして純君といっしょにどうするか、が大事だと思う。純君のまわりの子どもたちの中に、かけがえのない社会性が育まれていることを教えられた。

 現在の教育制度の中で障害児を普通学級で受け入れる態勢をつくるのは大変だと思うけれど、「障害のある子もない子もいっしょがいい、お互いにいい」ということをあらためて実感した。

 今日は中華人民共和国の建国60周年記念日。人民解放軍の北京入城や天安門広場で毛沢東が中華人民共和国の建国を宣言した映像をみた時の感動を思い出す。この60年間にはいろいろあったけれど、悠久の中国の歴史の中で中国共産党が果たした役割はそれ以前のどんな王朝も及ばない。これからどういう歴史を創っていくか、中国の国民の選択を見ていきたい。人民中国ですもの。・・・厳しい警戒の中一糸乱れぬ軍事パレードやハトも上空の飛行を禁止して最新鋭の戦闘機を飛ばす権力者の感覚は、私にはわからん。






□2009年9月30日(水)

 一日中小雨まじりの曇り空でホッと一息。市から届いたFAXによると、1010日に予定されていた市民運動会(小学校区単位で参加)は新型インフルエンザの流行で中止となったようだ。これまたシルバーウィークが明けて教育委員会から連日のように届く「児童生徒のインフルエンザ罹患にかかる学級閉鎖等報告書」によれば、新型インフルは相変わらずニュータウンの小学校を中心に下総や大栄地区などでも学級閉鎖になるなど広がりをみせている。

 10月からワクチンの接種が始まるようだが、先日「女性の会」で妊婦さんのワクチン接種やぜんそくの幼児がいるお母さんの不安な声を聞いた。妊婦はお腹にいる胎児を(異物として)拒絶しないよう免疫力が低下している。だから感染症への抵抗力が弱くなっている。インフルのワクチンは不活化ワクチンといって生ウイルスではなく死滅させた上で必要なウイルスの断片を使っているそうで、重いアレルギーのある人以外危険はないという。

 ・・・でも、最近は何らかのアレルギーを持つ人が多い。不活化ワクチンといっても心配は残る。それといまのところ輸入ワクチンについてだが、製薬会社への免責や被害の補償を国が肩代わりするかどうかといったことが検討されるなど、ワクチン接種による副作用も無視できない。接種する不安、しない不安・・・どっちの不安を受け入れるか選択が迫られるわけだ。

 法務大臣が「選択的夫婦別姓制度」を含む民法改正案を早ければ来年の通常国会に提出を目指すという。ほかに、女性のみを対象とした結婚禁止期間条項の撤廃、婚外子の相続差別の解消、離婚理由の見直しなどがあげられる。長い間改正を待ち望んでいた、ぜひとも実現してほしい課題だ。

 こうした時代の流れに対して、「日本の伝統・文化を壊す」とか、「家族の一体感が損なわれる」などという声が自民党や民主党の一部にある。その内容は「我が国」の文化も歴史も自分たちの尺度で都合のいいところだけをつまみ食いしているだけだ。最近思わず笑ってしまったのは「韓国のように文化的に別姓なのはいい。しかし、日本には日本の文化があるのだ」(ジェンダー・バッシングの急先鋒で知られる民主党都議)という言葉。一度「家族」の歴史を古代から現代まで辿ってごらん、と言いたい。






□2009年9月28日(月)

 本当に久しぶりに坂田が池-風土記の丘をウォーキング。ふりそそぐ黄金色の澄んだ陽射しの中で、秋の成熟した匂いが満ちあふれていた。紅葉の準備を始めた樹木の下にはハギ、ワレモコウ、ススキ・・・ツリガネニンジンの夢を誘うような青、ミズヒキのあでやかな紅・・・なんて美しい季節でしょう。

 自然の美しさに心を動かされる時、記憶の中の断片が蘇ることがある。私の場合その一つに『第二の太陽へ』というSF小説がある。子どもの頃に読みふけった一連の宇宙探検小説の一冊で、地球から最も近い恒星4.3光年彼方にあるアルファ・ケンタウリ(ケンタウルス座α星)の惑星をめざして200年6代にわたり巨大な宇宙船の旅をする人々の物語。いろいろあってやっとたどり着いた惑星の描写は圧倒的だった。第二の太陽が輝き、緑の草原が広がる光景はまさにこの地球の描写ではあるのだが、私は思いっきり想像力を働かせて幼心に自分が地球という「星」の人であることを強く自覚した。そんな原体験があるからかしら、「民族」とか「国家」へのこだわりはない。

 ・・・るんるん気分で帰る途中、突然現実に引き戻された。9月議会で一般質問した上福田の再生土を埋め立てた山林をふとのぞいてみると、あら!横付けしてあるトレーラーの奥に再生土の山。県や市には駐車場にするということで埋め立てているというが、あの山をどうするのかしら?この埋め立てについては、現在の法や条例の解釈では県も市も規制出来ないという。最近赤道を埋めてしまったので是正勧告をしたようだけれど、隣接地の境界を侵す以外指導もできないということらしい。「再生土」のカテゴリーを明確にすべきだ。埋め立てを否定するものではないが、コンクリートの再生土の場合は六価クロムのチェックも必要。規制なしで埋め立てが行われることは避けないといけない。              PHOTO BY MACHIKO(09・9・28)

   (左)山林の奥には「再生土」の灰色の山(安食バイパスより)  (右)埋め立て現場に入る林道で






2009926日(土)

 鳩山政権になってから政治が活性化しているようで気持ち良い。政権が変わったのだからギクシャク、ドタバタなどはあたりまえ。明治政府以来築き上げられてきた鉄壁の官僚制度も改革しようという政権を選んだのだから、国民も覚悟する必要がある。「日本は政治家がダメでも官僚(制度)がしっかりしているから大丈夫」などという恥ずかしい評価を変えていかないと。官僚は官僚。役目も決まっているのだ。

 さっぱり冴えなかった日本の外交も、鳩山首相の外交デビューによって少し世界に開かれたような展望を感じた人も多いのではないかしら。パックス・アメリカーナの時代が終わったことは誰の目にも顕か。オバマ政権も多極化する世界に合わせようとしている(「隠れ多極主義」と言う専門家もいる)。日本の政府もこれまでの対米追随外交を見直し、再構築する時にきている。どのような外交をするか、その基本は国民に支持されるものであること。オバマ米大統領が議長を務めた国連安保理の首脳会議での、鳩山首相の発言は説得力があった。非核3原則の堅持と、核のない世界への先頭に立ってほしい。

「日本がダメならアメリカがあるさ」といって米国に渡り、あちらでモロモロの情報を日本に流して食べてきた昔の学生運動仲間がいる。1989年ベルリンの壁崩壊の現場に立ち会って、「これからはヨーロッパが面白い」と、EUの某国に拠点を移していたが鳩山デビューというので急きょ出稼ぎで米国に行っているらしい。私は変わりようのないアナログ人間だが、こういう時はインターネット・メールの便利さを享受する。





□2009年9月25日(金)

 9月議会最終日。議案7号の(仮称)成田市・富里市新清掃工場建設工事請負契約の締結に反対して討論を行った。私は厚生省がダイオキシン対策と広域化・大型化路線でガス化溶融炉を押し付けてきた時から(資源)循環型社会に逆行する溶融炉には反対。それに、市民や議会も参加した機種選定委員会が提言したものではあるが、ガス化溶融炉シャフト式を提言するに至る過程が「初めに溶融炉ありき」だった(学識経験者ということで委嘱された会長も会長代理も、シャフト式最大手メーカーとは産学協同の付き合いという)。

 ともかく、入札参加メーカーが3社⇒2社⇒3社と曲折を経て制限付一般競争入札が行われたことで、市の予定価格よりも約936000万円(消費税込だと約81億円)安く上がった。これまでトンあたり約30004000万円で落札してきた川崎技研が参加することで価格競争が行われたことは市民も納得するのではないか。それに、議会が各地のシャフト炉を視察する中で、コークスベッド式の2社よりも今回発注する川崎技研の酸素式のほうがCO2排出量など環境への配慮がなされているのではないかという声が多かった。

 これまで各地を視察する中で感じたのは、どの炉も稼働してしばらくはいろいろトラブルが発生するようだ。南魚沼も沖縄中部美島の川崎技研の炉も同じ。ま、導入したからには3年間くらいは「炉」が成田・富里のゴミに適応していくのを広~い心で見守ることが肝心だろう。

 今日は11時から全員協議会が開かれたのだが、私の手帳は記入漏れで欠席。いつだったかも全員協議会の開催が抜けていた。気をつけなくちゃ。あとで説明を受けたものの中に、来年度から議会のホームページで各会派の政務調査費の内訳を公開するという。少しずつではあるが開かれ度がアップしていく。いますぐできるのは全員協議会と議会運営委員会の公開だと思うけれど・・・。夜の執行部と議会の懇親会は欠席。





□2009年9月24日(木)

 「歴史と今を語りあう女性の会」例会。新型インフルエンザをはじめとして話題はアト・ランダム。終わりに近い頃会員の中からまた学習会をやりたいという声が出た。ここ数年はワイワイ井戸端会議で盛り上がっているが、もともとこの会は1988年に「女性史研究会」という学習サークルからスタートしたもの。1970年代、私がある女性史研究会に関わっていたことから成田でも始めたのだが、公民館にサークル登録する時「どこの政党ですか?」と訊かれて「え~っ?!」と驚いたのを今も憶えている。そんなわけでたまにはテキストを選んでじっくりと学習するのもいいと思う。テーマはやっぱり「女性」。

 明日の夜、「たいむ」に寄稿(市民の広場・参照)してくれている宗吾の会津素子さんが帰国するというメール。青年海外協力隊員として、07年9月から2年間カイロでストリートチルドレンの支援を行ってきた。9月いっぱいは健康診断や諸手続きで、自宅に戻るのは10月1日になるという。「女性の会」では成田市民文化祭で1031日に素子さんの話をきく会を開く。古代エジプト文明発祥の地であり、今はイスラム文化圏という異文化の中で過ごした2年間、子どもや女性たちの暮らしぶりを聞くのが楽しみだ。





□2009年9月23日(水)

 秋分。二十四節季の名称は簡潔にして明瞭、言い得て妙、そして人と自然の奥深いつながりを感じる。太陽暦に基づいた中国伝来の語。

 今日のTVニュースは鳩山首相の国連デビューとともに、前原国土交通大臣の八ツ場ダム現地訪問が大きく取り上げられていた。地元住民との意見交換会は政府が「ダム建設中止」を白紙にしないことを理由に拒否されたようだ。政府と前原大臣にとっては大きな試練だが、粘り強く話し合ってダム建設は中止してほしい。利権に群がる人たちは別として、住民の多くはダムそのものに賛成というのでない。生活支援策や吾妻渓谷の渓谷美を活かした地域振興を法的に整備し、地元の人たちとこれからの地域づくりを考えていくことが大事。

 半世紀も前に計画された八ツ場ダムは無駄な公共事業の典型。建設目的もその時々で変わってきた。本当に必要ならとっくに完成していたはずだ。しかし、たとえダムが完成して水を溜めても、しょっちゅう地滑りを起こす周囲の土質からしてダムそのものだけでなく移転地の安全も脅かされるだろう。小学校の裏山にコンクリートを打ち込んでいたが、そんなもので自然の力を抑えられるわけがない。おまけにあの、クギやコンクリートもボロボロにする強酸性の水。上流の工場で中和して流すというが、一端その水を貯める品木ダムには絶えず中和剤〝石灰ミルク〞のカスである産廃が溜まっていく。私が視察した時は、それを船で浚渫して処分場に運んでいた。(「たいむ」第39号2001・8)。とにかく、現地を見れば疑問が確信に変わるダムだ。

 昨日・今日と、とても「私」的な2日間を過ごした。お墓参りやいとこのお見舞いとかあったのだが、それとは別に、中沢新一(宗教学・人類学)が10年前に出版した著書のために書き下ろした、わずか23ページの「私の方法序説 または 女は存在しない」という文章を読んで、長い間しまいこんでいた思考の回路を探しては読み込んでいく「作業」を強いられた。

 最初は『女は存在しない』(「THE WOMAN」のTHEに×印)という挑発的なタイトルが目に入って興味本位に手が出て読み始めたのだが、宗教人類学のオモシロ世界に惹き込まれてしまった。私が学生時代は人類学といえば形質人類学と文化人類学が大きな2本の柱で、社会人類学が人気を集め始めた頃だった。さらに宗教人類学など新たな方法論を駆使した人類学の勃興期でもあったが、結婚・子育て・その後の人生の中ですっかり遠ざかってしまっていた。

 中沢新一さんといえば東大助教授に推薦されたものの、教授会が否決した「事件」とか、オウム真理教団を擁護するような発言をして、サリン事件の後はマスコミ等から激しいバッシングを受けたことくらいしか知らない。きっとユニークな人なんでしょう。






□2009年9月20日(日)

 敬老会2日目。昨日も今日も式典会場は元気な70歳以上で賑やか。ところで市内の100歳以上は27名、最高齢は108歳の女性とのこと・・とはいえこればっかりは「私も100歳にチャレンジ!」と気楽に言えるものではない。この年齢までくると、これから100歳までの38年という年月を、どのようにして気力・体力・健康などを支えに生活の質を維持するかだ。ま、♬なるようになる~♩私も健康に気をつけて少しでも長く世の行く末を見ながら喜怒哀楽、自分の感情に素直でいたいと思う。ン十年前の占いが正しければ〝頑固なおばあさま〞(ばばあ、と言う人もいる)になるらしい。

 多古町染井の桜宮自然公園の天井田で古代米を育てている鳥井報恩さんからのメールが転送されてきた。彼岸花が咲き、古代米の赤い神丹穂(下の写真左)が花をつけ、ミドリマイの紫の穂(写真右)にも花が咲きそろい、桜宮は実りの季節を迎えたという。           PHOTO BY TORII2009・9・15)

 我孫子市議会で6月議会に継続審査となった〝国旗・市旗を議場に掲揚の陳情〞。9月議会での採決結果について、同市の議員からメールが入った。7/27(議長を除く、27名中7名が賛成)、反対多数で議場への国旗掲揚の陳情は否決されたとのこと。最近は「日の丸」物神化の傾向にあり、式典では旗にうやうやしく頭を下げる人がほとんど。一種の偶像崇拝のようなものだ。そのうち旗に命を吹き込もうという動きも出てくるのではないかしら。愚かしいことだ。






□2009年9月19日(土)

 橋賀台小の運動会の開会式の後、国際文化会館で開催された敬老会へ。第1日目。8月15日現在、敬老会に招待する対象となる成田市の70歳以上は14,949人。敬老会招待対象者にはお弁当(稲荷寿司と海苔巻き)とペットボトルのお茶、ミニ羊羹の6本詰め合わせセットがそれぞれ贈られるので、敬老会に出席しなくてもそれだけを受け取りに来る人、隣近所から頼まれてまとめて持って帰る人などがほとんど。もっとも、14,949人全員が出席したら会場には入りきれない。ほかに成田市の場合75歳以上の高齢者には一律5000円の敬老祝金(100歳の人上乗せされる)が贈られる。

 成田市は敬老祝金だけで72,636,000円(21年度予算。100歳祝金を除く)、その他の諸費用を含めるとこの日のためにかなり大盤振る舞いをしている。高齢者のための諸施策はきめ細かにやる必要があるとしても、この敬老祝金はなんとか工夫できないものか。私も十数年前から取り上げ、議会の中にもそういう考えの議員が増えてきているのだが、「喜ばれている」「他にすべての高齢者にゆきわたるような施策がない」とかいう理由でお金がばらまかれている。

 何代か前の市長の時、「○○(市長の名前)にもらった」という人がいて「市長ではなく、成田市からの『祝金』ですよ」と言うと、「市長の名前が書いてあったから市長からもらったと思っていた」というので見せてもらったら封筒の表に「敬老祝金 成田市長○○○○」と名前が大きく印刷されていた!早速担当課に申し入れたが「おっしゃる通りなので今印刷してあるのが使い終わったら変えます」ということだった。「おっしゃる通り」と言っても何が問題か全くわかっていないのでがっかりしたことを憶えている。

 午後から永田町の社会文化会館ホールで「武力で平和はつくれない・アフガニスタンに緑と生命(いのち)を」という、ペシャワール会現地報告会があった。アフガンで地元の人々と力を合わせ、同じ目線で医療活動や用水路を掘って砂漠を緑の大地に変えてきた中村哲医師の講演なので何はともあれ駆けつけた。会場は2階席まで満員。アフガンの本当の姿を知りたいたくさんの人が中村さんの現地報告を待っていることを実感した。

 9.11でブッシュがアフガン報復攻撃を宣言した頃から、中村さんの現地報告がインターネットや講演を通して広がっていった。私も当時講演で聞いた彼の言葉に信頼を寄せた一人だ。中村さんは1984年からパキスタン・ペシャワールで医療活動を行っていて、越境してアフガンの村々でも診療活動を行い、現地を知りつくしている。米国や日本政府の話よりも真実の声を聞いた人たちがたくさんいた。政権与党になった民主党もそうだ。民主党は中村さんの現地情報を参考にしながら、自民党のアフガン政策、対テロ支援策を批判していたのを記憶している。

 その新政権はテロ特措法の期限切れを待ってインド洋での給油活動から撤退するという。中村さんは、給油をやめたらほかに何をするかではなく、まず「してはいけないことを止める。何をしてはいけないか、人を殺すこと、人殺しの手伝いをすること。それを止めて生きている人たちへの援助をすること」だと言っていた。とはいえアフガン政府は汚職まみれで援助のお金は官僚や業者のふところに入ってしまい、極端な貧富の差が広がっている。民主党には、何をするかじっくり考えてほしい。





□2009年9月18日(金)

 鳩山内閣誕生とともに新聞の見出しが躍る。私の胸も躍る。「日米4密約、調査を命令」「後期医療、廃止を明言」「八ツ場ダム『中止』」「国交省143ダム見直し 川辺川ダムも建設中止」そして、「母子加算復活へ」等々。これから当分の間は民主党が野党時代に自民党と対峙した政策課題への取り組みが行われていくことだろう。

 戦後64年目にしてやっと、日本国民は主権を行使して政権交代の醍醐味を味わうことができたといえるのかもしれない。政党やリーダー、議員におまかせの観客民主主義はこれを機会にもうやめよう。民主党は自らを政権の座に押し上げてくれた「国民目線」重視を打ち出しているが、当然とはいえその視点が大事。政党に民意を実現させるのは主権者である国民なのだ。結果として、政権が期待に反すれば退場させればいい、政策もうまく機能しなければ途中で変えればいい。止めてもいい。民主主義というのは、そのプラス面もマイナス面も人々に帰するということだ。だから、私たちはよく学び、よく考え、よく議論して、権利を行使しないと・・・。

 新法務大臣の千葉景子さんは死刑見直し立場。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルを支援する議員連盟の事務局長でもある。私もずいぶん長い間アムネスティの一サポーター。昨日は早速〝死刑廃止を求める市民の声〞の署名を訴えるメールが転送されてきた。金融・郵政担当大臣の亀井静香さんは超党派の死刑廃止議員連盟会長と聞いている。民主党政権は死刑制度見直しに向けた舵をきるかもしれない。期待したい。

 世界が死刑制度廃止に向かう中、被害者(家族)感情を利用して死刑を執行してきた自民党政府。昨年は国連からの強い勧告があり、今年7月にも森法相が3人処刑にサインした時は欧州連合が(EU)議長国声明による「遺憾の意」の表明と「死刑を法的に完全に廃止するまでの間、その適用を停止するよう」に要求してきたことなど無視。G8で死刑制度があるのは日・米だけだが、米国は死刑を大幅に減らしている。






□2009年9月16日(水)

 総務常任委員会。2時から5時過ぎまで、間に10分間の休憩を入れて審議が行われた。付託された議案は4件だったのだが、補正予算に時間がかかった。主な補正は自・公政権の置き土産のような09年度補正予算の経済危機対策として創設された臨時交付金関連の事業など。

 緊急雇用創出事業補助金は、以前バブルがはじけて不況の嵐が襲った時に創設されたことがある補助金。私が憶えているのは、その補助金の一部を使って以前から要望していた南三里塚五十石の捕込跡の発掘調査をしてもらったこと(「たいむ」第382001年5月)。「牧」の歴史を残す貴重な遺構なので保存も含めて長い間要望していたのだが、発掘調査すらなかなか予算がつかなかった。担当課がこの補助金に目をつけて県に申請してくれ、OKが出て発掘となった時はとても嬉しかった。

 今回の補正には国民投票の投票人名簿システム構築業務委託料が計上された。この事業は国庫補助で、日本国憲法にある憲法改正手続きにかかわるもの。私は、日本国憲法については国民主権・基本的人権の尊重・平和主義をうたったもので変える必要はないと思っている。もし、将来検討課題になるとすれば民主主義との矛盾をはらむ天皇条項ではないか。いずれにしても、「国民投票」は憲法改正に限らず制度として必要と考える。

 この10年余りの間に、住民投票については民意を反映させる民主主義のツールとして必要性が広く認められるようになった。地域の未来を決める重要なことは住民投票で民意を問え、ということだ。国民投票も同じ。国の将来を決める重要課題は国民投票で決める。住民投票は良いが国民投票はダメというのは筋が通らない。

 鳩山内閣が誕生した。期待したい閣僚も何人かいて、今後に注目したい。特に消費者・少子化・男女共同参画を担当する福島瑞穂さんや法務大臣の千葉景子さんは本当に待ちかねていた人材。






□2009年9月15日(火)

 空港対策特別委員会と、教育民生常任委員会を傍聴・・・教育民生は資料だけもらって控室で内職をしながらテレビ傍聴。

 夜は、市民団体の事務局会議があって千葉へ。久しぶりに参加したので終わった後の懇親会にも参加。帰ったら日付が変わっていた。

 教育委員会から連日のように新型インフルによる学級閉鎖・学年閉鎖を知らせるFAXが届く。小学校を中心に増えている。運動会や春の豚インフル騒動で修学旅行を秋に延期した学校はどうなるのかしら?子どもたちはじめ関係者は気をもんでいることだろう。楽しい思い出がつくれますように。





□2009年9月14日(月)

 新駅・基幹交通網整備促進特別委員会、建設水道常任委員会。で、傍聴に出たり入ったり。午前中市役所は車であふれていて、たまにこういうことがある。車を誘導している駐車場の守衛さんに聞いたら「会議が2つ3つ入っていてー」。

 午後の委員会が終わって、多古町の実家にお米をもらいに行く。帰って早速夕食に炊いて食べたが、やっぱり新米は美味しい。多古米というが、味は場所によっていろいろあるらしい。92歳の父の話では、我が家のお米も田んぼの場所によって味が違うという。猪森台という田んぼを見渡す台地に近い田んぼの土は、絞られた水が養分を含んでいて土が肥えているらしい。

 ところで、聞くところによれば水道水の検査項目は(昨年から1項目減って)50項目だそうだ。それくらい慎重なチェックが必要と言うことだろう。一方ペットボトルに詰め込まれた〝名水〞の検査項目は18項目という。ただ、ヒ素は水道の5倍もゆるい基準らしい。

 もう20年近く前のこと。周囲の環境について気になる話を聞いたので成田一の名水と評判だった川栗の湧水の水質検査をしたことがある。大腸菌が検出された。保健所によれば健康な人には影響ないだろうが、体力が落ちている人や赤ちゃん、お年寄りは煮沸して飲むことが勧められた。これは新聞でも取り上げられたが、それでもポリ缶を下げて水を汲みに来る人がたえなかったところをみると、〝名水〞なのだろう。

 私はペットボトル飲料をほとんど買わないから「水」も買わない。たまに宣伝文句の誘惑に負けて「名水」を買うくらい。水道の蛇口に浄水器をつけて冷やして飲めばなんとなくまろやかで美味しい・・・と思っている。





□2009年9月13日(日)

 風乾き 稲色づきて 白露かな(茂)

 兵庫農漁村社会研究所の保田茂さんから100回目を迎えるビレッジライフのメールが届いた。「今夏の前半は晴天が少なく、秋の実りを心配していました。さいわい、後半の晴天と暑さが稲の生長を促し、白露を迎えた郷では、はや稲刈りが始まりました。稲は何も語らず、私たちに生命の恵をもたらしてくれます。他者の生命に生かされる己の小さな生命を感じる瞬間です。」保田さんの句とコメントはいつも私を謙虚な気持ちにさせてくれる。

 昨日の曇天小雨模様から一転、黄金色の陽射しに実りの秋のパワーを感じた。実家でも新米ができたらしい。嬉しいことではあるが、4年前、母の不治の病を知った季節でもある。だから、以前のように素直には喜べなくなってしまった。年の瀬に母との別れが訪れるまでの3ヵ月余りの日々とともに、忘れることはないだろう。年を重ねるというのはそういうこと。

 知人が主宰する「古布・表具の会」の作品展を見る。古い帯や和服の一部を掛け軸に仕立てたもので、私の知らなかった見事な世界が広がっていた。主に明治から昭和初期までの帯や着物を対象にしていて、家庭に残っている祖母、母など女たちが残した古い布が新たな装いのもとによみがえる。無名だけれど卓越した職人たちの技を掛け軸にして、1000年残そうというその心意気に感動した!彼女と20数年前に知り合った頃はフラワーアレンジメントを仕事にしていたが、「お花から最後に行き着いた」という今の仕事であちこちの骨董屋さんを回っては、掛け軸として残したい帯や和服を探しているそうだ。〝美〞にこだわる人の執念みたいなものを感じた。





□2009年9月12日(土)

 全国の100歳以上が4万人を超えたそうだ。老人福祉法が制定された1963年は153人、1981年に1千人、1998年に1万人を上回ったという。その後11年にして4倍。86.5%が女性というから、高齢社会は女性社会。女が創る〝長寿社会〞(なんかほかに呼び方ないかしら)。

 そのためには、もっと積極的に女性差別撤廃に取り組むよう、政府に働きかけないといけない。7月から日本政府の報告書を審査していた国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は先月勧告を発表した。結論は「不十分」。2年以内に実施状況の報告を求める「フォローアップ」の対象に民法改正(選択的夫婦別姓の採用、女性のみの再婚禁止期間や婚外子差別の是正など)とともに、女性比率が一定程度に増えるまでの暫定的特別措置を指定した。新しい連立政府は積極的に応えてほしい。

 それと、従来から再三求められていた男女の賃金格差(平均男性の6割台)も早期是正をすべきだ。

 自・公政府だった先の国会で女性差別撤廃条約・選択議定書の批准が話し合われたが、「我が国伝統」の女性差別を残せという自民党内右派議員の反対で批准に至らなかった。CEDAWの各国委員からは「日本政府は条約を法的拘束力のない宣言とみているのでは」と問い詰められたという。実際そうでしょうね。条約というのは憲法の下、個別法の上に位置するもの。個別法は条約に合わせて整備されなければならないのに、いまだに男女平等に不満ブータラの政財界指導者たちが世界に恥をさらしている。

 時々小雨混じりの1日。夏の疲れが少しずつ抜けていくようだ。印旛沼の堤防に赤紫の花をつけたクズが生い茂っていたので、ススキや野の花といっしょに摘んできて小鉢に活けた。クズの花はニセアカシア(ハリエンジュ)とよく似た香り。同じマメ科だからかしら。

 「レッドクリフ」PartⅡの残りを観たけれど、赤壁の合戦シーンが延々と続いて疲れてしまった。体中を矢で射抜かれたり、火だるまになったり、血が噴き出したりして本当に残酷。駆り出されて異郷で命を落とす農民たちも哀れ。

 高校時代、中原を舞台にくり広げられた国家の興亡史、春秋・戦国時代、諸子百家の思想、傑出した指導者たち。中国史の変遷に圧倒されたことを憶えている。「レッドクリフ」も背景は後漢末期、群雄割拠の中から新しい国が生まれようとしていた三国時代が舞台。『三国志』の魅力いっぱいの映画だ。

 私の個人的な好みだが、曹操が朗々と詩を諳んじるところ、小喬の舞うように優雅な茶の作法、赤壁の闘いの後、周瑜・小喬夫妻と諸葛亮(孔明)が山紫水明の地で別れる3つのシーンが印象に残った。赤壁の勝利にもつながる「天候を掌握した者が天下をとる」(諸葛亮)、闘い済んで死屍累々の中、曹操軍を破った周瑜が「勝者はいない」といった言葉も忘れ難い。

 曹操の息子が後漢を滅ぼして魏(220265)を建国し、そこに邪馬台国の女王卑弥呼が使者を送った(239)ということなので、歴史的にはこのあたりから日中の関係が始まったわけだ。





□2009年9月11日(金)

 新清掃工場整備特別委員会。付託されたのは新清掃工場の建設工事請負契約案件1件。私は、従来から溶融炉は資源循環型社会とは相いれないという考えなので議案に反対したが賛成多数で委員会は可決。このままいけば本会議も可決だろうから、昨年12月指名審査会での入札参加条件変更から9ヵ月、とりあえず新清掃工場は建設に向けてのスタートに立った。

 十数年前に旧厚生省がゴミ処理施設の広域化・大型化とダイオキシン規制をセットにした計画を発表した時は冷え切った鉄鋼業界の救済策を合わせた政府の〝深慮遠謀〞だと思った。1977年にオランダでゴミの焼却からダイオキシンが発生することが分かって以来、脱焼却、ゴミの発生抑制と資源化が世界の流れなのに、政府は「溶融炉」を導入することでごみ政策を歪めた。規制値は厳しいほどよいのだが、ある時期限付きで炉を新設しないとクリアできなほどのダイオキシン規制を打ち出した。「お蔵入りの技術」と言われた溶融炉がゴミ処理施設として躍り出た瞬間だ。岡山大(院)教授の田中勝さんは溶融炉を「外国で失敗した技術」という。

 ダイオキシン対策・最終処分場を解決するというふれこみの溶融炉がゴミ問題を解決するとは思えない。有害重金属入り溶融スラグは路盤材や建設資材に適さない。最終処分場行きのゴミではないか。高温(成田・富里のシャフト炉は1800℃)でダイオキシンを減らしても水銀、カドミウムその他有害重金属は気化して排気ガスになるし、煙突から出ないように抑えてもスラグや飛灰に混じって排出される。未知の有害物質(ニトロ化PAHやベンツアントロンなど)が生成されることを危惧する人もいる。炉の中の燃焼制御を含めて、技術がついていけるか。日本環境衛生センターの藤吉秀昭理事は「基本的な課題をクリアしないまま実機に移した技術もあり、影響が出始めている」という。視察であちこち見て、製鉄会社の溶鉱炉からスタートしたシャフト炉は比較的安定しているようだが・・・。

 そもそも、溶融炉はゴミのカロリーが低いと順調に稼働しない。カロリーが高いプラスチック類も入れることになる。余熱利用施設や発電からしてゴミは「安定供給」されなければならないからだ。それだけでも、ゼロ・ウエイストをめざす自治体や、分別を徹底してゴミの発生抑制や減量化をしていこうという自治体にとって、溶融炉は馴染まない。

 知り合いの富里市議に聞いたことだけど、富里市は成田の施設に運ぶゴミを減らすために徹底した減量作戦を行っているという。成田市もゴミの発生抑制、減量化及び資源化をうたっているのだが、たてまえになってしまわないか気になる。

 妹が「鳥肌が立った」と言って薦めてくれていた「レッドクリフ」PartⅠ・Ⅱを借りてきた。時代背景や主な登場人物は中国の歴史で知っているので入りやすく、結構「力」を入れて観てしまった。男たちがいい。そして周瑜の妻小喬のたおやかな美しさと度胸のよさにうっとり・・・。PartⅡは途中で眠くなってしまったので後日観ることにする。






□2009年9月10日(木)

 一般質問最終日。

 プリンターのインクが無くなったので日用雑貨の量販店に買いに行った。そこで近隣自治体の指定ごみ袋が並んでいたので、いつもは素通りするのだが今回一般質問で取り上げた後だけに立ち止まって眺めてみた。富里市は許可業者3社のうち成田と同じ代理店が入っていて、タイと中国製で似たり寄ったり。酒々井町や佐倉市は質も値段も違う。成田の指定ごみ袋の値段は、私がいつも買うお店は10115円だったが、ここは118円。あら!成田市の指定ごみ袋も色によって値段の違うのがある。初めて知った。佐倉市は6色の袋で分別。一般質問をする前佐倉市に問い合わせて聞いてはいたが、やはり色によって値段が異なる。業者を認定する際袋は国産と指定しているせいかしら、少し高い。生ごみ用の袋は一番多く使われるのでコストが安くなり、小売価格も下がる。

 ごみ収集が無料ということを前提にしての話だが、指定ごみ袋は自治体が認定して規格どおりに作れば、それから先は値段も含め市場原理で動く。600億円~800億円市場だと言う、トップクラスの日用雑貨なのだ。一昨日質問をした後、市民から「市が指定しているものが小売店によって値段が違うのはどうかと思う」という意見があった。でも・・・仕組みからすると市が値段に口を出すシステムではないことがわかる。市民は指定袋を買ってごみを出すけれど、市の廃棄物処理には1円も使われていない。市も、ごみ袋に1円の税金も出していないし1円の収入もない。この仕組み、どのくらいの市民が知っているかしら。

 もう一つ、袋には自治体指定のいろいろな文字が印刷されている。しかも仕分けしやすいように色付き。大量のインクが使われている。インクは使わないにこしたことはない「毒」。スーパーのレジ袋も同じだが、印刷インクに鉛が含有されているという破棄物学会(昨年12月からは廃棄物資源循環学会)の調査がある。特にタイと中国の製品の中にはヨーロッパ規制値の平均3倍の鉛を含有しているものがあるという。製造現地では「日本人はなんでこんなに毒をぬるのかと訝っている」とか。袋を燃せば、排気ガスとなって環境を汚染する。入口と出口の規制が必要。

 千葉県の30億円の不正経理問題はとにかくひどい!税金の私物化もいいところだ。もう数十年、同じことを続けてきたというから、根は深い。この際、徹底究明を求めていかないと・・・。ところで、成田市はどうなのかしら?行政ってどこも似たり寄ったり同じようなことをしているじゃない?

 県議会は9月14日(月)1100時~議会運営委員会、18日(金)1300~議員全員協議会を開くという。みなさん傍聴を!というメールが知り合いの県議から流れてきた。

 ところで、成田市議会は議運も全員協議会も市民の傍聴は不可。県議会よりも遅れてるぅ!議会に限らず成田市の〝開かれ度〞はイマイチ。今日の一般質問の答弁で教育委員会会議録のHP掲載を「検討する」と言っていたが、たとえば7~8月の教科書採択の頃も、皇国史観の教科書採用で注目された大田原市や杉並区、横浜市は教育委員会議を傍聴できたのだが、成田市は不可。会議録は何かの決まりで1ヶ月も過ぎてから情報公開請求で取り寄せることになる。とにかく、国も地方も徹底した情報公開が必要。





□2009年9月9日(水)

 9月議会の一般質問2日目。

 民主・社民・国民新の連立が合意をみたようだ。合意文書に日米地位協定地域協定の見直しに関する文言が入ったのは良かった。対米従属のシフトを変えていく良いチャンスだと思う。さらにその裏で軍事力を増強させてきた政・軍・軍需産業の野望を断ち切らないといけない。

 いまや日本の「自衛隊」は世界有数の軍事予算と軍事力をもつ軍隊。防衛省は8月31日、10年度予算の概算要求を公表した。それによれば、パトリオット3の追加配備のために944億円を計上したという。要求総額は4兆8460億円で09年度比3%増だそうだ。軍事にいくら税金を投入しても彼らは満足しない。そして軍事力を試してみたいという誘惑にかられていく。

 足りないのは兵士。イラクやアフガンに送り出された米国の兵士の多くは、貧しい若者たちだという。軍隊にはいることで大学入学など様々な特典があるらしい。貧困の拡大が兵士の供給源となっているのだ。ひどい話、これほど歪んだ構造はない。日本の政府も軍隊も、あわよくば・・・などと思っているのだろうか。これまでは何でも米国の後追いだったものね!新連立政権でもう一度日米関係を検証してほしい。 

 昨日と今日の朝日夕刊に「塩」に関する記事が載っていた。昨日はbe eveningで〝日本一のご当地ソルトを味わう〞、今日は〝人脈記〞街のエジソンたち7~いのちの塩沖縄に降る~。塩という文字を見ただけで、私は反応してしまう。海水の中で育まれたDNAのせいかしら。命の塩の豊かさ。粟国の塩は20年あまり前から欠かさない。出先でご当地ソルトがあれば迷わず買って帰り味見をする。おかしな話だが、モンゴルのローズソルトの美しい塊は使うのがもったいなくてしばらくは眺めて楽しんでいた。

 塩のパワーも身をもって体験している。30代の頃、風邪で喉が腫れて気管支がゼイゼイし始めた時、海水の濃度で天然塩のうがい水を作ってうがいを始めたら数時間で楽になり、熱も下がって翌朝は忘れてしまうほど回復していた。まるで奇跡のような効力だった。以来、私は塩を味わうだけでなく、そのパワーを信じている。

 でも、塩には別の顔もある。地球の表面の7割を海が覆っていることを考えただけでも、ここが実は塩の星であることがわかる。以前オーストラリアをブリスベーンからパースに飛んだ時、眼下に広がる果てしなく乾燥した大地、そのあちこちに白く輝く塩の〝湖〞が広がっていた。塩、塩、塩・・・・その荒々しさ。身体から水分が抜かれていくような、あれはほんとうにネイチャー・ショックだった。





□2009年9月8日(火)

 今日から一般質問。私の質問は午前中に早々と終わったので、座って人の話を聞くのが苦手な私にはこれからの2日間が試練。私が「ADHD」と〝診断〞されて「特別支援教育」にまわされる子どもたちに同情するのは、なによりも自分の中に彼らがいるから。この年齢になるとなんとか形ばかりは椅子に座っていられるけれど、自分が興味ある部分しか耳に入ってこない。昔から〝会議〞のようなものが苦手。自分の好きなことなら他人を無視しても2時間くらいは集中できるので〝わがままばあさん〞で済む。こうしたことは自分の内なる要求なのに、「学校」だと集団の中の一人、そんな自由は認められないから気の毒。

 新型インフルエンザで成田市にも小・中学校に学級閉鎖が出始めているようだ。いまのところ計4クラス。どこの国のニュースか忘れたが、例のタミフルを製造しているスイスの製薬会社はこれから4億人分のタミフルを製造するとか。4月の豚インフルパニック騒動の頃タミフルが有効というお墨付きが出て、それまで使うのは日本とどこかの国くらいで在庫の山だったのが需要急増。それにしても4億人分とは、陰謀臭くない?

 昨日はイモ天、今日は蒸しイモ。美味しいのでせっせと〝紅あずま〞を食べている。土曜日に実家で大学芋を食べ、ついでにイモもおすそわけしてもらってきた。金曜日にいただいた鈴虫たちも妙なる調べを奏で、秋~。録画しておいたNHK「歴史秘話ヒストリア・和泉式部」と、「奥アマゾン・原初の森で暮らすヤノマミ」を観る。

 NHKは4月以降「ヤノマミ」を4回放送している。出色のドキュメンタリーだ。とくに、年齢に関わらず出産にかかわることは全て女が決める(男は一切関わらない)という、アニミズムに基づく森の出産場面は圧倒的だ。

 ヤノマミによれば妊娠・出産は精霊の力による。宿った命は人間ではなく精霊。精霊のままか、人間になるかは産んだ母親が決める。たとえ母親が10代初めでも。ヤノマミには毎年約20人の子が生まれ、半数以上が精霊のまま天に帰される。精霊と人の別れ道は、生まれ落ちて地面に転がっている嬰児を母親が抱き上げた時。人間として迎え入れたことを意味する。バナナの葉で胎盤を包み木の枝に吊り下げてたくましく育ってほしいとアリに食べさせるのも、精霊のまま帰すために嬰児の口に草を詰めシロアリの巣に入れ、子どもを食べ尽くしたアリの巣を燃やすのも、全て母親が自分の手で行う。アリは人間の最後の姿だという。

 江戸時代、人口調節の役割を果たしていたのが「間引き」であることはよく知られている。その際、やはり、生まれたての嬰児は人間ではないとされていたようだ。そう思って女たちはわが子をあの世に送り出したのだろう。

 産み落としたわが子を殺す女たち。時代や文化、社会が異なっても、女たちにそうさせる、それを要求するものは何か・・・ヤノマミの女たちの出産にかかわる〝儀式〞を見ながら考えさせられた。






□2009年9月4日(金)

 9月議会が始まる。議案説明の終了後全員協議会が開かれたのだが、そこで健康こども部から成田市の医療状況、とりわけ一次救急医療の危機的状況への対策について報告があった。

 その内容は既に議会開会前に会派(3人以上)の代表者会議で説明されていたのでほとんどの議員は知っていた。が、一人会派の私は初めて聞いた。市町村議会のレベルで同じことを議員に2段階に分けて説明するなんてどうかと思うのだが、情報はまず「与党」会派に、ということなのだろう。まぁ、それはよくあることなのでさておき、日本の医療危機の深刻な実態が成田市民にとっても差し迫った課題になっていること。

 問題のスタートは、この地域の「循環型医療」は成田日赤病院が中心となって果たしてきたのだが、その日赤が内科の医師不足などで一次救急に対応できなくなってきたところから始まった。これについては既に日赤の院長が市議会の全員協議会で説明している。市は去る5月医師会に具体的な対応策の策定を諮問し、6月8日に印旛郡医師会と成田市医師団よりその検討結果をふまえた「要望書」が市長に提出された。

 直接的には日赤の受け入れ態勢の問題に端を発しているが、その背景には「低医療費政策を始めとする政府の長期間の誤り」など、日本の医療制度の崩壊的危機がある。では医師会が替われるかというと、平日診療を行っている「平均年齢60歳弱」の会員では午後11時が限度。やはり午後11時以降は日赤に依頼することが現実的だという結論に達したようだ。「要望書」によればそのためには、「一次救急の基本的な責任を負う成田市」より日赤に業務の継続を要望し、そのためには市の「経費負担の申し出」が必要とのこと。

 ちなみに、市の「経費負担」の試算は上限3億7300万円という。全て人件費とのこと。負担については厳密な検討の余地はあるが、「午後11時以降の内科の問題」限らず、「外科系、小児科、産科等に広がることも承知を」という提案だった。

 神戸で勤務医をしている友人から、医療現場の話や薦められて医療崩壊などを扱った本を読んでいたが、身近かで具体的な現実に直面し、いろいろ考えさせられた。かねてより〝医療と福祉は営利にしない〞という北欧の制度に共鳴してきたけれど、その前にこの危機をどうするかだ。





□2009年9月2日(水)

 9月議会の議案説明会。20年度決算案件10件を含む24議案(と報告7件)が提案された。一般質問は8日・9日・10日の3日間で、私は8日の午前中に質問する。

 9月議会終了後オランダ、ドイツ等ヨーロッパに行く予定だった海外視察が延期になったようだ。理由は新型インフルエンザの大流行が予想されること。その判断は結構なことだ。これを機会に10名を超える議員が団体で出かけるような海外視察は止めたほうがいいと思うけど。

 昨日は(国土交通省による)八ツ場ダムの入札凍結記事が私の目を奪ったが、民主党が政権の座に就くことで、ほかにも期待している政策の実現が幾つかある。その一つが、住民投票と国民投票の法制化。これまでも住民投票の現場で顔を合わせたり、住民投票立法フォーラムや「国民投票/住民投票」情報室などを通して民主党議員などとの交流がかなりあった。特に住民投票の制度化については、「住民の意思を確認するために非常に重要な手段であり、適切に利用すれば代議制民主主義を補完して住民の意思を政治に反映する有効な手段になる」と積極的に評価し、「『住民投票法』を制定します」(0810月「国民投票/住民投票」情報室の公開質問状へ回答)と、明言している。楽しみ・・・。





□2009年9月1日(火)

 一般質問の打ち合わせ。総選挙も終わり台風11号も去り、今日は穏やかで気持ちの良い一日だった。虫の音に本格的な秋の訪れを感じる。

 国土交通省は9月に予定していた八ツ場ダムの入札を凍結する方針を固めたという。民主党が見直し公共事業のトップに挙げていたことから、「新大臣の指示に従う」ということらしい。私は民主党が公約にする以前から成田市がこの全く無駄な八ツ場ダムととっくに破たんしている霞ヶ浦導水路に出資することに反対してきたから、とにかく八ツ場の入札凍結は歓迎。大事なことは、半世紀の間一度始まったら止まらない国の推進策に翻弄されてきた地元住民の理解を得ること。生活支援策など今後に注目したい。

 「あの世・来世」を信じる若者が増えているらしい。「信じる」20代は1958年に13%だったのが2008年は49%と半数を占めた。ちなみに「信じていない」は58年が67%、0830%。70歳以上の「信じる」は5837%、0836%。「信じていない」5821%、0832%。

 20歳代にとっての「あの世・来世」は宗教的なものというよりも「スピリチュアル」ブームの影響ではないかという。なるほどね。以前TVで「(亡くなった)お母さんはこうおっしゃっていますよ」とか、「いまあなたのうしろに立っていらっしゃいますよ」などと、いとも簡単にあの世とこの世の垣根を取り払った番組を見たことがある。心身の悩みを癒してくれる人からあの世の話を聞けば信じる人もいるだろう。ただ、以前小学校で同級生を殺害した女児が、死んでも生き返ると思っていたと聞き、親や学校で生物学的な生と死をきちんと教育する必要があると思ったことがある。

 世の中には前世も来世も宇宙空間も自由に行き来する人がいるようだ。私の妹もそうした「種族」だが、新しく首相となる鳩山さんのおつれあいもハリウッドスターのトム・クルーズとは「前世」でとっても近い関係だったようだし、ご自身金星に行ったこともあるらしい。週刊誌の広告では奇人扱いだったが、神の手による天地創造、天国と地獄、死と復活、永遠の命といったキリスト教的世界をそのまま信じる人も世界中にいることだし、本人がそう思っているのに大きなお世話じゃない?もっとも、私の理解の範囲を超える世界の話だけれど・・・。





□2009年8月31日(月)

 今回の総選挙の投票率は69.28%で小選挙区比例代表制が導入された1996年以降最高とか。27道県で70%を超え、最高は島根県の78.35%。千葉県は64.87%でワースト・ワン。

 女性議員は54人で過去最多。政党が積極的に女性を擁立した結果だ。マスコミは「刺客」などという言葉でとりあげてきたけれど、今後はクオータ制で一定割合女性議員を割り当てるとか、立候補名簿に男女同数を求めるパリテ法(仏)のように、女性議員を増やすための制度化を目指すべきだ。

 一方、世襲議員は立候補133人中当選75人で前回より大幅に下がったという。

 政治は国民のものであることのダイナミズムを感じる選挙だった。有権者の1票が政権を変えられるということをこんなに見事に示した例は戦後民主主義の中でも初めてではないか。民主主義の政治制度にとって投票による政権交代は織り込み済みなのだが、我が国にとっては大きな一歩前進だ。

 民意とかい離した政党は民意によって権力の座を追われることを政党・政治家・そして誰よりも主権者である国民がしっかりと胸に刻んだことだろう。自民党ではダメだとして民主党が選ばれたのだから、民主党の政策の違いを見せてほしい。





□2009年8月30日(日)

 総選挙の結果民主党が308議席を獲得(自民党は119議席)し、政権交代が現実のものとなった。事前に予測されたことではある。ふと、自民党政権の崩壊が日本の保守に与える影響をいろいろ考えた。選挙期間中麻生首相は「保守政党」を強調した。保守と言っても、草の根保守から右翼までいろいろあるが、「北朝鮮」というだけで顔をゆがめる安倍・麻生に代表される右翼的なものが主流になったらかなり偏った政党に顔を変えそうな気がする。それについていけない党内現実主義者と民主党の中の左派とは肌合いが異なる現実主義者による新たな保守政党が生まれるかもしれない。

 前回の郵政選挙もそうだったがこれで小選挙区制という選挙制度がどういうものかはっきりと見えた。膨大な死票が生まれ、2大政党化を進め、民意の多様性を示すその他の政党にとって厳しい制度であることも、実証された。・・・というようなことは導入される時に私も反対したからわかっていたことだけれど。

 政権が変わって期待できる一番は、これまで政府が隠ぺいしてきたことも含めて情報公開が進むであろうこと。福祉や環境などで自民党とは異なる視点からの政策立案が期待されること、かな。

 昨日、今日と第16回全国市民オンブズマン岡山大会が岡山大学で開催され、私も一般参加した。今回のメインテーマは「おえりゃあせんのう地方財政!」。「おえりゃあせんのう」というのは岡山弁で「全然ダメじゃあねぇか」という意味らしい。

 昨日は地方財政で〝自治体の道路予算調査結果から見えてきたもの〞として全体報告があり、記念講演は自治省から鳥取県知事を経て慶応大学教授の片山善博さんで「末期的な自治体財政から真の地方分権を考える」。かつて合併の時もそうだった(「たいむ」第47号★2003年7月)が、片山さんの話はいつも実績にふまえて簡潔・明瞭・刺戟的。多くの示唆を得る。

 その後6つの分科会(監査委員・地方財政・談合・情報公開上級・初めての市民オンブズマン・議会制度・住民訴訟セミナー)が開かれた。私は地方財政に顔を出した。切り口には興味がある。夜は交流会。

 今日は監査委員改造計画について報告、情報公開ランキング、各地の活動報告のあと、大会宣言「市民のための地方分権を」など。宣言内容は3点で①道路の新規建設を見直し、道路予算を聖域化することなく、市民の福祉向上のために予算を支出させるよう、継続的に調査・監視すること。②議員監査委員・天下り(OB)監査委員を廃止し、法改正を含め監査委員の独立性・専門性を発揮できる体制を確立させること。③一層の情報公開の推進。予算の使途・中身をわかりやすく市民に説明するよう働きかける。

(左)慶大教授・片山善博さんの講演 (中)分科会 (右)交流会で。隣りは参院議長の江田さん。






□2009年8月28日(金)

 一般質問の通告締め切り。私の質問は3項目。1.再生土(砂)の埋立について市独自の条例制定を、2.成田市指定ごみ袋について、3.農地法改正と成田市の農業について。くじ引きの順番だと第1目あたりかしら。

 産直野菜が届いていた。今日はジャガイモ、葉生姜、ニガウリ、キュウリ、ピーマン、トウガラシ、ミニトマト。ミニトマトといっても中玉。以前はビニール袋に入っていたが、「ビニールはなるべく入れないで」という消費者の要望で去年から新聞紙に包まれている。

 『産直ニュース』によれば、最近雨が降らないので秋・冬野菜の作付やまだまだ元気に育つ夏野菜にとって困ったことらしい。お天気に一喜一憂の様子が目に浮かぶ。でも、そうして手塩にかけて育てられた季節の露地野菜をいただけて嬉しい。






□2009年8月27日(木)

 29日・30日と全国市民オンブズマン岡山大会があって出かけるので今日は市役所で期日前投票をした。次々と訪れる人を見ていて、成田市でも新聞報道と同じような現象を感じた。後で選管に聞くと現段階で前回と比べ約140%増らしい。不在者投票から期日前投票に変わり、投票しやすくなってグー!期日前投票も回を重ねるごとに増えているという。とにかく、主権者が投票権を行使するのだから、万難を排して投票しやすい条件や環境をつくることが大事。

 ところが、自治体の中には投票時間を繰り上げて××円節約しようなんてピント外れ、権利の侵害も甚だしい。そんなところで「節税」ではなく他でやれ、と言いたい。

 以前オーストラリアに行った時、ちょうど国政選挙にぶつかった。パース空港でパッと目に入ったのが空港内投票所。何しろオーストラリアは投票しないと罰金が科せられるから、そのぶん投票しやすい工夫はしているのだろう。日本でも、罰金はともかく各空港に投票所を設けたらいいのではないか。

 朝日夕刊に武者小路千家・千宗屋さんの、小さいけれど夕刊ならではの醍醐味のような記事が載っていた。暮らしの中に息づくお茶の真髄を語っている。「日に数度、自分でお抹茶を点てていただく時間・・・場所はキッチン、必要なものは抹茶、茶筅、茶杓、茶こし缶、80度のお湯」。お菓子は和洋こだわらず。大事なのは茶碗。「純粋に茶道具として生まれたのは茶筅のみ」というのを初めて知った。その他はほとんどが舶来品とのこと。

 茶碗が茶道のためにつくられたのは利休以降とか。宗屋さんは「茶碗は茶道具として作られたものに限定しない」、という。ここで私は思わずふわ~っといい気分になった。私も、時々キッチンで抹茶をいただく。鳥取県米子市に1年8ヵ月住んだ時に身についた習慣。茶碗もお茶用に作られたものではない。ご飯でも何でも使える。20年位前印旛村瀬戸で窯を持つ井上猛雄さんからいただいたお椀。井上さんにしてみれば「失敗作」だけれど処分するには惜しいということで窯のそばに「転がしておいた」ものだった。灰色を基調にした色や手触りが気に入って手放せなかった私に「気に入ったらあげるよ」。この時、やはり転がっていた湯呑みや蕎麦猪口、日本酒をいれても似合う器もいただいた。よほどもの欲しそうな顔をしていたのだろう。以来20年、少し欠けたところがあるけれど今も使っている。千宗屋さんは「かけがえのないものであることが重要」と言っていた。そういえば、ターシャ・テューダーもあちこち欠けているけれどお気に入りのカップでティーを飲んでいたわね。





□2009年8月25日(火)

 先日ちょっと風邪気味だったが常備薬を飲んで1日休んだら良くなったと日記に書いたら何人かの人が「大丈夫?」と気にしてくれた。秋を前に新型インフル大流行の兆しがあるので、それもあるようだ。豚インフルがまだ正体不明だった頃とは違った角度で、またマスコミなどが新型インフルを取り上げ始めた。

 厚労省では、限りあるワクチンの「割り振り」や不足分の入手、費用負担などが具体的な検討に入っているようだ。年内に生産できるインフルワクチンは人口約1億2800万人のところ1300万人~1700万人分とか。来年3月までの不足分約1500万人~2000万人分は輸入するという。

 その輸入先の欧米のワクチンだが、tanakanewsによれば副作用が予測されているという。EUでは、ワクチンはすでに開発されている鳥インフルワクチンを応用したものなので改めて臨床試験をしなくても大丈夫」といい、WHOは「それは危険すぎる」と言っているというが、このワクチンは効力を増すための補剤として「スクアレン油」というものが使われているらしい。これ自体は栄養補給剤として市販されているのだが、ワクチンの補剤として使うと「関節炎、リンパ節症、発疹、慢性疲労、脱毛、皮膚病、めまい、発熱、記憶障害など20近い症状が併発しうる」と言われている。

 しかし、秋の猛威を予測してEUは英国主導で臨床試験を行わずにワクチンの大量生産に入るようだ。また米国では1976年、ワクチン接種時に副作用問題で多数の裁判が起こされたことから、ワクチン製造会社にもし副作用が出て国民が提訴しても製薬会社が有罪になることはないという免責決定を行ったという。

 こうした中で欧米では全国民、あるいは一定の年齢層全員にワクチン接種を義務づけようという動きがあるらしい。この点では、今のところ日本政府の考えはわからない。副作用が予測さる輸入ワクチンでも、とにかくワクチン接種が義務化されることについてはちょっと待って。私は風邪の予防接種というものをやったことがないのだ。

 米国の出版社リーダーズ・ダイジェスト社が破産法適用を申請したという。子どもの頃我が家には祖父宛に「リーダーズ・ダイジェスト」というB5版サイズ(だったと記憶)月刊雑誌が届いていて、中学から高校にかけて私は結構熱心な読者だった。カラーのページや米国や世界の話題、写真、エッセイなどが載っていて、私にとっては異文化を楽しむ窓口の役割も果たしてくれた。読者プレゼントで美しい「世界の名画」集が届いた時は本当に嬉しかったものだ。





□2009年8月24日(月)

 以前から頼まれていた原稿の締め切りが迫って、今日は午前中かけて原稿を書く。タイトルは「民主主義の大地耕す」、住民投票に関するものを書く時私が好んで使う言葉。かつて信濃毎日のインタビューで語ったら、見出しに大きく使ってくれた。ほかに、「民主主義の切り札」という言葉も好き。これは人民投票(=国民投票)についてフランス大使館から送ってもらった資料にあった言葉で、時々パクらせてもらっている。途中、知人から電話が入り「何してるの?」と聞かれたので「書いているの」と答えたら「どこを掻いているの?」・・・。「原稿を書いているのよ」と応えると「痒いのかと思った」という、なんだかピントのずれたおかしな会話だった。

 アフガニスタンの治安が「深刻でしかも悪化」しているという。大統領選挙の時点ですでにタリバーンが全土の7割を制圧していたし、対抗して米国が兵力を増強していると聞いていた。今日の記事ではさらに増派の可能性があるようだ。9.11への報復として米国がアフガン攻撃を始めて8年になる。米国の世論調査では回答者の51%がアフガン戦争を「戦う価値のある戦争ではない」と答えたという。価値があるなしの前に、報復戦争そのものが問題だったのだ。米国はアフガンから撤退すべきだ。「オバマのベトナム」にしてはならない。

 ペシャワールを基点に医療活動に従事しながら井戸を掘ったり運河を作ったりして荒廃した土地を農地に変え、アフガンの人々に密着した生活支援活動を行ってきた医師の中村哲さんは「アフガンのことはアフガン人にまかせたらいい」と語ったという(週刊金曜日)。かつて民主党の菅さんはアフガン問題に関して政府の対米追従政策を批判する際によく中村さんの言葉を引用した。民主党政権の外交政策にどう反映されるか、反映してほしいという願いをこめて興味がある。





□2009年8月23日(日)

 7月18日に開催された「開かれた議会をめざす会」のシンポジウムでの竹原信一鹿児島県阿久根市長の講演内容を編集したものがメーリングで送られてきた。私は当日都合が悪くて参加できなかったので興味深く読んだ。「住民至上主義」をかかげて、市民の2倍以上の給料をもらう市職員給与の1円単位までの公開や「税金使って自分たちの給料やら権力を拡大させるための組合事務所は市役所から出ていけ」と追い出しにかかったり、議会の同意がいらない人事を行ったり議員定数を16人から6人にする条例を提出して議会と正面激突したりと、話題にこと欠かない市長だ。「体内時計は2年半位」とかで、「戦って破壊するしかない」と吠える竹原市長 

 めざす会顧問の小林専修大学教授の「社会改革の伝道師として市長さんを評価するんですが、一つの市を預かっている市長としてはやはり政策を出すべきだ」、議会否定につながる発言には「市をやめて町になり自治法94条に基づいて議会を置かず選挙権を有する者の総会にすれば、議員を全部やめさせることはでき、市民の意見を聴くならそれば一番手短な方法」といったコメントにも「私自身はとっくにそういう段階を過ぎていて、やるか終わるか2つに1つ。自分が他のために自分の命を捧げられるか、それだけ」と、玉砕も覚悟?

 「私がやってきたのは議会を変えるのではなく市民を変える作業」と言うが、その「市民が一番の抵抗者」とかで、悩みも大きいようだ。彼が議員・市長をめざした動機や志は理解できるけれど、行き着く先に一抹の不安。議会の役割が厳しく問われているのだ。ちょっとひと息ついて、阿久根市民の声も聞いてみたくなった。

 その阿久根市も経済危機の影響もあって財政難とのこと。日本の国家財政も地方財政も借金漬けで危機的だというのはずいぶん前から言われてきたことだけれど、米国でもシカゴやシュワちゃんのカリフォルニア州など自治体の財政難も相当なようだ。しかし、その対応策がハンパではない。ABCなどによれば、警察や消防、ごみ収集などを除く職員を無給で強制一時帰休させることで人件費を浮かせるといったことをやり、その結果市庁舎、図書館、保健所など公共施設は休み。行政サービスが低下しているという。

 日本でも、経費節減のために血のにじむような努力をしている自治体の話を聞くが、アメリカのそれはストレートすぎて頭がクラクラしそう。

 昨日も今日も何かにつけてつい♩彼の車にのって~♫真夏の夜を♬走りつづけた~♩と、鼻歌まじりに歌ってしまった。懐かしい、昨日の朝日be on aturday1面の♫songは平山三紀さんの「真夏の出来事」。私には歌える歌がほとんどないのだが、これはなんとなく歌える。1971年頃しょっちゅうラジオから流れていて、三紀さんの声が好きだったし、リズムにも乗りやすかった。 その後こんにちに至るまで、忘れた歌詞を飛ばして歌ったりしていたから、歌詞がぜ~んぶ載っていただけで嬉しかった。





□2009年8月22日(土)

 ニュータウンふるさと祭のオープニング・セレモニーに出席。祭りは今年で30回とか。私が参加していた「たまごの会」も市民サークルとして出店させてもらった時期があった。メインがやきとりの時は体中に匂いや油がしみついてしばらく見るのも匂いを嗅ぐのも嫌だった。カレー・ライスの時は評判が良くて私は飯炊き女。電気釜をかかえてテントと家を何度往復したことか。そのうち山形の〝玉こんにゃく〞に落ち着いて、毎年楽しみにしてくれる常連さんもできた。

 そのほか、私が借りている畑で作ったハーブの花束やハーブティーを売った頃は早朝畑に行ってひと仕事。彩りを考えながら花を摘んだり、アイスティー用に数種類のミントやレモンバーム、レモングラスなどを摘んでいる時の幸せ!あの目の回るような忙しさが今は懐かしい。

 主要4紙(読売・朝日・毎日・日経。私の知り合いの間では新聞は「東京新聞があればいい!」なんていう人が増えてきているんだけど)の総選挙前世論調査が昨日までに出そろったようだ。その結果、なんと民主党が300議席を超す勢いで、自民党は100議席台だという。毎日は民主3分の2(320議席)以上の可能性も示唆している。

 私が今回の総選挙に期待するのは政権交代と投票率の大幅アップ。どっちも日本の民主主義をより実体化させ成熟させていく必須の課題。政権交代の可能性は高まっているが、さらに投票率70%を目指すことが大事。その意味でこれからは「投票に行こう!」運動が大事。有権者の7080%が納税者・有権者として一票を投じれば「民意」の幅が広くなる。北欧諸国を例にとれば、投票率が上がっていけばそれだけ人々の暮らしを反映した政治につながっていくのではないかと思う。その責任は、主権者としての国民にある。





□2009年8月21日(金)

 普通学級に障害児を通わせている保護者やその支援者でつくられている成田共に育つ会と佐藤教育長との懇談会が開かれた。共に育つ教育を進める千葉県連絡会も参加して、私たちが想定していた1時間をオーバーして新教育長の考えや人柄にふれる有意義な時間をもつことができた。

 それに先立つ朝、会員のお子さんが通う小学校に「要望書」を持って行った。しかし、保護者以外の「外部の団体や人」には会わないと言う。前日から校長がそのような意向だとは聞いていたし、市の教育指導課長も同意見だと言っていたが、要望書には保護者のほかに会も名前を連ねているのだし、持参するときに同行するのは世間の常識、礼儀だろうと思い、話せばわかってもらえるだろうと思って行った。しかし、校長・教頭ともそうしたことは通じないようだ。「よそ者」扱いで顔をこわばらせえらくご機嫌ななめ。丁重に同席をお願いしたのだが、結局市と県の代表及び私の3人は部屋には入れてもらえなかった。「別室に」と言われたが、部屋の隅っこでもいいと言っているのだから同室させればいいことなので断り、校長室の外の廊下で1時間ほど待つ。

 まぁ、学校の対応の一部始終を見ていて「開かれ度」のレベルを目の当たりに見せてもらえたし、今後の参考になったからいいっか。

 夕方4時からBSで「アンソニー・ホプキンス自ら語る」という番組が放送されることになっていたので慌てて帰ったが、高校野球をやっていて結局流れてしまった。アクターズ・スタジオで収録されるこのシリーズは時々関心のある俳優が「語る」時に録画しているのだが、今日はほかならぬA・ホプキンスなので録画では物足りず放送時間を楽しみにして帰ったのだが。NHKコールセンターに問い合わせたら再放送は未定とのこと。だろうね。

 私は、彼が名画「冬のライオン」(ハリウッド・1968年)でイングランド王ヘンリーⅡ(ピーター・オトゥール)とその妻でフランス全土の3分の1に及ぶアキテーヌやポアチエの相続人アリエノール・ダキテーヌ(キャサリン・ヘプバーン)の長男リチャード=リチャードⅠを演じて以来の好きな俳優の一人。





□2009年8月20日(木)

 昨日は朝からなんとなく熱っぽかったので用事はすべて電話で済ませ、葛根湯を飲んで寝たり起きたりの怠惰な時を過ごした。そうしたら、なんと新型インフルエンザ流行宣言。夏にも患者が増え続けていたのは知っていたがついに厚労大臣が警戒を呼びかけた。国内での死者も3人になったという。いずれも基礎疾患のある患者のようで、病原性は低いけれど、基礎疾患の患者のほかに妊婦や乳幼児が感染すると重症化する危険があるという。学校の夏休みが終わり、秋に大流行する兆し?

 今日は風邪の症状も回復し、蒸し暑いけれど気分はさわやか。午前中はファミレスで打ち合わせ、午後は下総、大室と回り市役所へ。

 クリーン推進課に伝えてあったごみ袋の件は代理店が調査し文書での回答を求めたとのこと。ついでにというか、ぜひということで袋の成分表も付け加えるようお願いしておいた。このごみ袋について市がかかわっているのは代理店を決めること、袋の材質は高密度ポリエチレン、タテ・ヨコの長さを指定するくらいで、市は一銭の収入も支出もない。ただ、月ごとの販売枚数や代理店のシェアは毎年把握してある。ほかに価格に関する要請をすることがあるらしい。でも価格差や値上げなどについて代理店への影響力は実際のところどのくらいあるのかしら?

 成田市の場合、市が指定した代理店は3社。そのうち1社がタイ国の業者に発注し製造したものを自分のところと残り2社に卸し、そこから小売店に流れて販売される仕組みになっている。その場合代理店の名前を表示するのに、事前に数が割りふられているのかしら?シェアからみればその元締め1社が過去2年の実績では0783%、0879%とほとんど独占的。そんなわけで、市が調査を求めたのはその会社。直接現地に行って調べることになるようだ。

 破れやすいごみ袋について1昨日の「日記」に書いたら、私も破れやすいと思っていた、という市民の方からのメールが入っていた。





□2009年8月18日(火)

 市民から成田市のビニール製ごみ袋が郵送されてきた。青と白の2種類で、そのお宅はいつもまとめ買いをしているのだが最近購入したごみ袋が破れやすいという。小荷物の中は青・白2種類のそれぞれ新旧の袋で、いわばその「証拠物件」。確かに、表示は同じだが一方はパリパリした感じ。そういえば私もここ1年くらいの間に角のあるごみで2~3度袋がタテに切れたことがあったが、それは私の入れ方のせいだと思っていた。

 袋の表示によれば成田市のごみ袋はタイ国製で、表示内容はどれも同じ。代理店は市内業者。クリーン推進課に問い合わせたが今日は担当者が休みとかで詳細がよくわからない。ただ、破れやすいという声はほかにも届いているので業者に問い合わせすることも検討しているというようなことを言っていた。

 かつて青い生ごみ用の袋がミントもどきの刺激臭を発しているという苦情があったので問い合わせたら、猫防止用の人工香料を混入させているという話だった。今の袋にはその匂いはない。これまで何気なく使っていたごみ袋だが、改めて製造・流通の仕組みを追ってみよう。

 朝日朝刊に「国旗・国歌法」成立過程に関する記事が掲載されていた。草案が成案になるまでの経緯で、情報公開資料や関係者の証言で明らかになったもの。

 それによると国旗・国歌法(1999年成立・第1条 国旗は日章旗とする。第2条 国歌は君が代とする。)には、草案段階で第3条というのがあって、4度修正を重ねた結果5次案で条文が消え、残った2つの条文が成案となったという。

 3条の文言の修正過程は政府が国旗国歌で国民を統合しようとする意図がミエミエで興味深い。第1次案は「国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。2 国及び地方公共団体は政令の定めるところによりその管理する建造物において国旗を掲揚しなければならない。3 国民は、祝日に国旗を掲揚するよう努めるものとする。」といった細部まで指示する義務規定。それが第2次案では2・3項を削除して「国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない」となり、第3次案で国民を削除して「国旗及び国歌は、尊重されなければならない」と主語を曖昧にし、第4次案はちょっとひねって「第3条 国旗及び国歌は、尊厳が保たれるように扱われなければならない」、そして最後の5次案では消えたという。

 あれこれ文言に修正を加えても、結局国民に強制するものとなり、内心の自由や表現の自由を侵害するものとなる。とにかく日の丸・君が代を国旗国歌として定めたいために「政争の具」となる3条は削除したのだろう。しかし、3条がなくても教育現場では教職員に服従が強要されている。

 ところで、記事を読んでいて天皇が出席した式典などで「国歌斉唱」となった時、彼は「君が代」を歌うのだろうか?と思った。宮内庁に電話して「その場合は歌われるのか、歌われないのか、どうされるのですか?」と聞いたら「少しお待ちください」とやや間をあけた後、「歌いません」という答えだった。そうか「一同ご起立・国歌斉唱」となっても天皇は歌わないのか・・・「国民」ではない人・・・君が代は天皇の代を讃える歌だから、自分から天皇を讃える歌を歌うわけにもいかないのだろう・・・などと考えてしまった。やっぱり、民主主義にとって天皇制は異物だね。






□2009年8月17日(月)

 今朝、静けさを破ってツクツクボウシが鳴きはじめた。地上での短い命をふりしぼるような声だ。土曜日に声のする近くで完璧な抜け殻を見つけた。大きさからしてもしや・・・と、思いをめぐらせた。何度かその声に耳を傾けた後そっと窓を開けて声のする木を探したが、わからない・・。ふと、生い茂る葉が勢いを失いつつあるのを感じた。こういうところにも秋が忍び寄っているのを感じる。私の夏休みも今日で終わり。

 総選挙に向けて日本記者クラブ主催で主要6党の党首討論会が行われた。もはや政権交代は避けられない状況の中で、当然のことながら鳩山民主党代表への質問が多かった。自民党とは明確に異なる政策の中で私も支持するものがあるのでとにかくやってみて!

 自民党は昨日比例東京1位で舛添厚労大臣に立候補を打診し、舛添さんは衆院へのくら替えを即座に断ったという。自民党の窮状を見せつけられた話。なんともはや・・・だ。

 一方小泉チルドレンとして東京比例単独1位で優遇されて当選し大臣ポストも得た猪口邦子さんは今回重複立候補者たちの後に回されて「辞退」。猪口さんについては上智大教授や軍縮大使だった頃の活躍にシンパシーを感じていたが、「政治家」となってからは「男女共同参画」への右派からのバックラッシュに若干の抵抗をみせた以外、関心を持てなかった。政界に未練たらたらの姿はみたくないけれど、でも一度権力の味を知ってしまうともはや学者だった頃の猪口さんではないだろうな。

 こんな「使い捨て」や「ご用済み」とばかりのご都合主義もまた政治の世界ならばこそ?





□2009年8月16日(日)

 立秋に 稲穂花つけ蝉の声 (茂)

 安田茂さんから8月ビレッジライフの案内が届いた。兵庫県はほとんど晴れ間を見ないまま、立秋を迎えたという。「それでも稲は若穂を伸ばし、小さな花をつけ、実りを確かにしようとしています。蝉の声も盛夏のアブラゼミからヒグラシに代わり、実りの秋が近づいていることを知らせてくれているようです」という〝郷の便り〞。

 昨日(終戦記念日)と今日、NHK・BSで「〝あの日〞昭和20年の記憶」(2005年、戦後60年を記念して制作されたもの)を再放送していたので録画しておいた。映像と、当時の著名人のオーラルヒストリーが重なってわかりやすい番組だと思った。

 戦後64年・・・八紘一宇や大東亜共栄圏の野心で国民を戦争に総動員し、あげくの果ては「国体(天皇制)護持」のために無条件降伏という、天皇および軍国主義の戦争責任を認めたくない人々の声が大きくなってきた。生きることよりも「天皇のため、国のため」に一億玉砕、死ぬことを強要した天皇制軍国主義のおぞましさ。 その天皇制を日本の歴史の中心に据える皇国史観の歴史教科書(扶桑社・自由社版)を、数人の教育委員の決定で採用する自治体も出てきた。二度と戦争をしない、させないために何が有効か、人々の知恵を出し合わなければならない時代が迫っているようだ。






□2009年8月14日(金)

 お盆で実家に行く。途中田んぼに目をやるとどこも稲穂が垂れていた。弟に聞いたら今年は稲刈りが例年より早くなりそうだという。総選挙の頃には始まるのかな。日照時間が少なかったようだが作柄はどうかしら?夕方からは澄んだ青空が広がり、お天気お姉さんの言ったとおり空気もさっぱりしてきて、木星の瞬きが大きく感じられた。

 今度の総選挙はかつてなく農業政策が争点になっている。すでにFTAをめぐる自・民両党のサヤ当ても激しい。農業は人々の命の糧を供給するものとして産業の中心に位置づけなければいけないのに、いまや崖っぷち、存亡の危機、風前の灯、などと言われている。遅きに失したともいえる現状だ。

 戦後高度経済成長の中で、農業は衰退の一途をたどった。農政は腰が据わらずクルクル変わり、意味不明の適当な名前を付けた補助金をバラまき、それに馴らされた農村は自民党の票田になり下がってしまった。こんな農業に誰がした、といえば不平不満はあっても権力の顔色をみながらノー政を支えてきた農家の責任もある。その行き着いた先が「トヨタ栄えて農業滅びる」とまで言われた輸出偏重の政策。「自動車を売って食料は外国から買えばいい」などと言う経済界と二人三脚の自民党農政をどう変えるかが問われている。

 各種市民運動で顔を合わせる機会が多い県議の吉川ひろしさん(柏市)が7月末から1ヶ月の予定でニュージーランドに滞在していて、かの国の民主主義や自治の仕組みを次々とブログに送ってくる。http://yoshikawahiroshi.blog61.fc2.com/

 先日この日記で都市計画審議会にふれ、傍聴要綱の一部改正のところで「定員を超えたら抽選」は公平だという理由に裁判傍聴の例が出された事をあげた。私は裁判と審議会は違うだろうと思ったが、吉川さんがNZ最高裁民事法廷を傍聴した体験だと、法廷のロビーにモニターTVがあって裁判の様子を逐一放映しているという。法廷のドアも曇りガラスと透明ガラスで法廷内の様子が廊下から見えるらしい。要するに裁判も市民に開かれているNZの例を聞いてしまうと、抽選のレベルでこだわるのがおかしくなってしまう。「開け、ゴマ!」だ。

 ウェリントン市海岸保全規則改正の公聴会では議長が終了前に傍聴者からも「意見があるかどうか一般傍聴者に確認」していたという。市民は公聴会の結論に納得できなければ「環境裁判所」、それにもナットクできなければ高裁に提訴できるらしい。

 議会も15分枠というが市民1人につき3分間の発言機会があるという。ちなみに米カリフォルニア州バークレー市では1人3分10人まで。こうしたことはその気になればいつでも取り入れることができるのではないか

 今日開札された新清掃工場建設・運転管理の入札は川崎技研が落札したらしい。昨年12月4日、市の指名審査会で一度は排除された業者だ。5月末、市長が入札参加条件を元に戻すと発言、最近は川崎技研が落札するのではないかという噂が流れていた。やはり、他の2社は川崎技研との価格競争についていけなかったのだろうか。





□2009年8月13日(金)

 環境省がGM(遺伝子組み換え)のセイヨウナタネと在来種のナタネが交雑したと思われる個体を国内で初めて確認したという新聞記事が目に入った。昨年輸入港や輸送経路を調査した結果、三重県松阪市河川敷から採取されたものだという。

 すでに04年にはR51号沿いの成田市十余三でGMナタネの自生が確認されたという新聞報道があった。鹿島港からのルートだ。こうした実態に踏まえて05年には「遺伝子組み換え食品いらない!キャンぺ-ン」が自生GMナタネ監視活動を実施し、私もたまごの会の仲間と参加した。 その結果、R51からニュータウンに入るT字路入口で採取したセイヨウカラシナがグリホシネート耐性たんぱく質に陽性反応を示した。そこで精密な遺伝子分析検査をするため検体を専門機関に送った(「たいむ」第54号★2005年4月)。検査機関ではPCR法による遺伝子分析が行われ、電気泳動操作による写真で組み換え遺伝子は含まれていなことが判明した(「たいむ」第55号★2005年7月)。一次陽性・二次陰性という結果であった。

 このたびの環境省の調査結果は、ナタネについてはすでに交雑が始まっているということを示し、懸念していたことが現実となった。

 GM作物は自然界の法則ではできない性質をもつものに作り替えられた未知の作物。食べ続けることで健康に影響はないか、生態系など環境への影響はないか・・・1997年3議会、たまごの会はGM食品輸入開始にあたり、安全性の確認、情報公開の促進、表示の義務付けを求めて国に意見書の提出を求める請願を提出し、採択された(「たいむ」第23号★1997年4月)。

 しかしいまや除草剤耐性(特定の農薬に強い)、害虫対抗性(虫を殺す成分をもつ)のGM作物栽培は増え続けている。同時に、交雑はじめ除草剤や殺虫剤に耐性をもつ雑草や害虫が出現しはじめているのだ。世界各地でGM作物の減収が報告されている。初めは弱い立場の動植物から、そしていずれは人間に・・・これが自然の掟。種の壁を破ったGM作物に食の未来を託してはいけない。   PHOTO BY MACHIKO(2005年4月)

●遺伝子汚染の広がりを懸念し、ナタネ監視活動に参加。中央が陽性反応。採取した検体(セイヨウカラシナの葉)とともに研究機関へ。






□2009年8月12日(水)

 日航ジャンボ機が御巣鷹の尾根に墜落し、乗客・乗員520人が犠牲になった事故から24年。今年も慰霊と空の安全を願う行事が行われた。今でも事故の第一報を知った時のことを憶えている。遺された家族や、航空会社の衝撃は計り知れない。そして何よりもダッチロールを繰り返す航空機に閉じ込められたまま御巣鷹の尾根に消えた人々の思いを思うと、忘れられない、忘れてはいけない事故だった・・・。

 昨日の静岡地震で1人亡くなったという。その犠牲者はマンションの部屋で約1000冊の本の下敷きになった43歳の独身女性ということを聞いて5月頃読んだ「エリザベスは本の虫」という童話を思い出した。ただ、エリザベスも長年本に押し潰されそうな暮らしをしていたが、本の犠牲にはならなかった。

 子どもの頃から食事中も歩いている時すら本から目を離さないエリザベス。何はさておき本を買って読みあさってきたエリザベス。ついにドアを開けられなくなるくらい家中が本で埋まってしまった。そこで彼女が考えた名案は本の詰まった家ごと町に寄付すること。サッサと寄付の書類にサインした彼女は同じ独身の女友だちの家に転がり込み、またせっせと本を読み始めたという。どこかのまちにはエリザベスが家ごと寄付した図書館があるんですって!もちろん彼女の名前を冠して。

 静岡地震で亡くなった女性も、きっと本が好きだったのだろう。あるいは仕事で集めた本かもしれない。本に囲まれて暮らすことにあこがれた時代もあったから、なんとなくわかる。押し潰されるほどはないけれど、私にもこれだけはそばに置きたいという本はある。ただ、ベッドルームには倒れてきて困るものは置かないことにしている。





□2009年8月11日(火)

 台風9号は豪雨による大きな爪痕を残し、北上をやめて関東地方から東に大きくそれて太平洋に消えていった。早朝には「東海地震」の前触れか!?と思われる最大震度6弱の地震が静岡県を中心に発生した。天も地も、人間の思惑などおかまいなしに動く。

 午前中は都市計画審議会。この委員会に入るのは初めて。JR東口の再開発事業に関するもので、3議案が提出された。今後のタイムスケジュールの大枠はH21年度中に都市計画決定、H25年度末(H26年3月)完成。メインとなる再開発ビルは建築面積4200㎡、高さ約60m(17階)、おもな用途は店舗(1F~3F)、公共施設(4F~5F)、住宅50戸・ビジネスホテル(6F~17F)、地下駐車場と計画。今後検討していく中での変更はあるとのこと。

 駅前再開発ビルの計画内容についてはコンサルまかせにしないで様々な角度から十分な検討を加える必要があると思う。はじめに17階ビルありきではない。いろいろ意見が出された後、3議案は可決。

 その他審議会傍聴要項の一部改正については同意されたが、いかに傍聴者を受け入れるかという視点が抜けていると思ったので私は反対した。傍聴枠を超える傍聴者が来たら抽選にして外れた人には帰ってもらうという、シンジラレナイ内容。枠を超えるような傍聴者が押し掛けるのは住民注視の課題が審議されるということ。そのための会場の用意や変更、マイクを通して審議内容を聞ける別室の用意など他の自治体の例をみればわかるではないか。担当課もできるだけ多くの人に傍聴してもらうようにするという考えではあるようだが、それならわざわざ要項で既定する必要はない。裁判傍聴の抽選を例に「公平な方法」という意見もあったが、審議会は裁判ではない。他の審議会も同様に「改正」するとしたら問題だ。





□2009年8月10日(月)

 市役所へ行くと、ロビーで何やらイベントが行われていた。何かと思ってのぞいてみたら、国際交流協会の折鶴プロジェクトで集まった千羽鶴をヒロシマ・ナガサキに送る出発式とか。市民が一羽一羽心をこめて折った鶴12万羽をクロネコヤマトが協力して運んでくれるらしい。台風をついて飛び立った折り鶴が無事ヒロシマ・ナガサキに届きますように。

 昨日は長崎に原爆が投下されて64年。麻生首相は9日平和祈念式典のあいさつで「傷跡=きずあと」を「しょうせき」と呼んだという。パソコンで「しょうせき」と打って変換しても「傷跡」は出てこない・・・。これは単なる読み違いではない。ふと「寒々として泣きたくなるほどの感性の枯渇」という、昔読んだ誰かの言葉を思い出した。人は息をし血も涙も流し壊れやすい生き物なのだということへの共感がない人がこの国のトップでいることの悲劇。今日の朝日「声」欄にも登場したが、「投票用紙で武装し、蜂起せよ」(森巣博)

 日本列島に近付いてきた熱帯低気圧が「いきなり」台風9号となって豪雨を降らせている。昨夜古い友人2人と臼井の「MINO」で夕食を食べたのだが、外はドシャ降り、食事中には震度4の地震と、自然は1年ぶりの再会などおかまいなし。その後場所を移してよもやま話で旧交を温める。昨日から今日にかけて各地で局地的な豪雨の被害が続出しているようだ。成田市の防災メールでも断続的に大雨・洪水警報が流されている。






□2009年8月7日(金)

 立秋。夕暮れの林の中ではカナカナ、ジージーと蝉しぐれ、横にたなびく雲の間から見えるコバルト色の空が、いつになく高く感じられる。蒸し暑い日が続いているが、季節の微妙な変化を感じる。

 ここまで来たら今年もエアコンなしで過ごせそうだ。せめて元気なうちは、やせ我慢できる間は自宅でだけも夏を体感したい。どうせ暑い暑いと騒いでいる間に夏は過ぎ、秋が訪れる。日本の自然の中で趣深いものは季節の変わり目だと思っているから、クーラーに頼らないぶん、そこはかとなく移ろう季節の変化を五感で感じとる喜びがある。

 日本でも数人寄れば1人は「うつ病」と診断され、抗うつ薬を飲んだりする時代になった。飲めば気分がラクになってやる気も起こるらしい。しかし、いくら「誰でも罹りうる現代病」「薬で治る」といわれても、右を向いても左も見ても「私はうつ」という人がいる時代はいったいどうしたことだろう。そもそも「うつ」ってなんだ?診断基準は?発症メカニズムは?病理学的な基準はあるのか?「うつ」と診断される前にちょっと考えてみる必要があるのではないか。

 8月1日、「なおも市民を欺き市場拡大を狙う精神医療産業に対するデモ行進」が行われた。日本うつ病学会の開催に合わせたという。主催は市民人権擁護の会日本支部。おそらくこうした趣旨でのデモは初めてだと思う。

 日本のうつ市場を開拓しようと、多国籍製薬企業は精神医学界を巻き込んで早期発見、早期治療が促進されている。市民人権擁護の会の調査では、02年に横浜で開かれた世界精神医学会前後から今日までの間に、うつ病と診断される患者が異常に増え、抗うつ薬市場は7倍に拡大したという。

 見逃せないのは青少年を巻き込んでいること。7月9日には製薬会社が開発したうつ病啓発授業キットの提供が開始されたという。中高生対象に精神科への早期受診を促進する授業が展開されていくことになるだろう。

 また、18歳未満に自殺衝動を引き起こす危険があるといわれるSSRIパキシルを使って7歳~17歳を対象に臨床試験が行われていることが判明し、7月16日には弁護士を中心にした薬害団体が厚労大臣とパキシル製造元に情報公開の要望書を提出したという。

 なんだか背筋が寒くなるような話だ。






□2009年8月6日(木)

 広島に原爆が投下されて64年が過ぎた。核廃絶を願う世界の人々に多数派結成を呼びかけた秋葉忠利市長の平和宣言は感動的だった。64年前のこの日に起こったことを忘れない、語り続ける、そして核廃絶に向けて行動することの大切さを思った。

 同じ広島で「日本会議広島」が講演会を開くようだ。この団体は政財界右派の集まりで、講師は核武装論を主張する元自衛官田母神氏で、タイトルが「ヒロシマの平和を疑う!」。あえて「原爆の日」に田母神講演会を開催するのは祈りの日に対するこの団体の挑発か自己顕示欲か。いずれにしても一瞬の間に命を奪われた人々、そして後遺症に苦しむ人々に対する冒涜以外のなにものでもない。ところで、小泉市長が日本会議のメンバーというのは本当かしら?事実なら所見を伺いたいものだ。

 幼なじみのMちゃんとYちゃんと会って旧交を温める。先日Yちゃんからの誘いがあって実現した。Mちゃんは私の親戚で2学年上、Yちゃんは実家の隣の家の子で1学年上だが、子どもの頃は年中徒党を組んで遊び歩いていたものだ。今では宝物のような子ども時代の思い出を引っ張り出して、しばしおしゃべりに興じた。会ったのはYちゃんが嫁いだ家で、山林と畑に囲まれたのどかな農村。家の前の畑で採れた野菜や摘みたてのブルーベリーをたくさんお土産にもらって帰った。わーい、久しぶりのフレッシュ・ブルーベリーだ。

「たいむ」を発行するといろいろ電話やメールをいただく。先日の「民主党、よろしく」もそうだが、ユリノキやニセアカシアの花が咲いたという小さな写真をきっかけに「街路樹」管理についての貴重な意見、斑点米の記事からは「農家に生まれたから一等米とか二等米というのは聞いたことがあるけれど、その意味がわからなかった」「斑点米という言葉を初めて知った」という声も寄せられた。

 ところで農水省は最近、斑点米規格は「消費者の要望」だと言い始めたらしい。どーこの消費者が要望しているのかしら?ホントは規格を外すと殺虫剤が売れなくなるのが困る農薬会社の要望じゃないの?

 「米の検査規格の見直しを求める会」(16団体)が実施した消費者(3270件)からのアンケート結果では斑点米検査規格を知っている人21%・知らない人78%、等級を決める基準を知っている人13%・知らない人87%。検査項目に「着色粒」項目があることをどう思うかは不要である83%・必要である14%。






□2009年8月5日(水)

 昨日のクリントン元大統領〝電撃〞訪朝の内容が一部明らかになった。外交だから、表に出ないことのほうが重要なのかもしれないが。そのうえで、ふと1972年のニクソン訪中に先立つキッシンジャーの隠密行動を思い出した。それと今回をアナロジーすることはできないにしても、外交の凄みと妙味を実感。国際政治はパワーポリティックスに基づいていかにパワーバランスを創出するかにある、日本も政治の冷厳な現実を知れ・・・高校時代に読んだ今は亡き国際政治学者の論文にそんなことが書いてあった。

 今回実感したことをもう一つ、死の床にあると言われていた金正日(キムジョンイル)総書記の病状が噂されるほど深刻そうではなかったこと。笑顔には権力者の余裕さえ感じた。TV等でいかにも見てきたように語られる北朝鮮情報というのは話半分に聞いておいたほうがいい。以前、まだ後継者と目されていたころの金総書記についても「『栄光あれ!』しか言えない無能力者」と言われていた。また、今回は「粛清された」と推測されていた金桂寛(キムゲグァン)外務次官が空港にクリントン元大統領を迎えて、情報の誤りを見せつけた。

 日本政府は拉致・ミサイル・核問題を最大限利用しながら、「強硬」姿勢を北朝鮮外交の戦略に持ち上げてしまったから、有効な外交戦術を生み出せないできた。その間に米国はクリントン元大統領を平壌に送り込んだわけだ。もっとも、一方で米軍は事あるごとに北朝鮮攻撃計画をちらつかせているけれど。この訪朝が今後どう展開するかわからないが、ルビコンを渡らなければ事態は変わらない。ただ、日本は米国外交に追随するのではなく、過去の植民地政策やアジア侵略の反省の上に立った、東アジア地域の平和と豊かさのための外交戦略を構築すべきだ。民主党政府が誕生したらチャレンジしてほしい。

 夜、癌で大手術をして治療中の母のいとこと食事をした。84歳で亡くなった母のいとこといっても私より4歳しか離れていないので話題は通じる。3月に胃を全摘したのに、食欲は旺盛。おつれあいは「病人なのに私より食べる」と言っているとか。「なってしまったものは仕方がない。あとは闘うだけ」といっていた。スポーツで鍛え抜いたその闘志で癌を克服してほしい。





□2009年8月4日(火)

 東京新橋で祖母と21歳の孫娘がストーカー男に殺傷されるという事件が発生するまで、この世に「耳かき店」という店があるのを知らなかった。重症の孫娘が勤めていた耳かき店は1時間4800円、指名料もつくらしい。容疑者は数時間利用することもあったという。それにしても、耳かきが商売になるとは・・・1時間もどんなふうに耳かきをして間をもたせるのかしら・・・とインターネットで検索したら、な~んだ。

 お店によってメニュもいろいろあるのだろうが、あるお店では浴衣姿の若いおねえさんの膝枕で耳マッサージや耳かき、さらには肩から上をマッサージ。耳かきそのものは5~7分とか。当然のことながら耳かきタイムの間はおねえさんのお腹や顔がすぐ目の上にあるらしい。〝耳かきおにいさん〞はいないようだから、要するに男性相手のお店。しかし・・・こういう商売が成り立つのは日本くらいじゃない?

 かつて学校保健会の理事をしていた時、耳垢が詰まっている子が実に多いことを知った。低学年だと3分の2位。子どもは自分でできるようになるまでは親が定期的に耳そうじをしてやらないといけないのに、忘れている親が多いらしい。そういえば昔、私たちきょうだい4人も先を争って父の膝に頭をのせて耳かきをしてもらったことを憶えている。確かに、うっとりするくらい気持ち良い。母にしてもらった記憶はないから、我が家では子どもの耳かきは父の役目だったのかもしれない。

 横浜市内18区中8区で自由社版の中学歴史教科書を採択したという。自由社版採択は全国初。子どもと教科書全国ネット21の調査では、自由社版は0812月に「欠陥が多すぎる」という理由でいったん不合格になった。欠陥個所は516、その50%が「誤り」、「不適切」だったという。訂正して再提出したがなお136の検定意見がつけられ、これを修正してやっと合格したもののそれでも誤記・誤植だらけという、いわくつきの教科書だ。

 もっとも、内容は従来の扶桑社版とほとんど同じ内容。新しい歴史教科書をつくる会が06年に分裂したため、自己チュー史観の歴史教科書が2種類出現したというわけだ。扶桑社版は前回大田原市と杉並区教育委員会が教師や保護者の反対を押し切って採用した経緯がある。

 2種類とも科学としての歴史学を否定した「歴史物語」で、明らかに誤った皇国史観を植え付けようとする「教科書」だ。現場で歴史を教える教師はもとより、歴史を学び、歴史から学び、国際社会の一員として次代の日本を担っていく子どもたちに、この教科書はふさわしくない。渡せない。

 成田市が加わる地区採択協議会も昨日3日に最終決定したようだ。歴史教科書の採択について大きな変化はないようなのでひとまず安心した。8月31日まで情報は部外秘とか。とりあえず9月に入ったら採択協議会及び養育委員会議の会議録を開示請求するつもり。






□2009年8月3日(月)

 裁判員制度に基づく裁判が今日初めて東京地裁で始まった。4日連続で行われ6日には判決が言い渡される予定だという。問題の多い制度なので反対してきたが、いよいよ始まった・・・。

 その前に、えん罪の温床になっているといわれる「代用監獄」をなくすほうが先ではないか。代用監獄とは警察の留置所のこと。被疑者は、72時間以内に勾留(こうりゅう)が決定すると、法務省管理の拘置所に移されることになっている。そこで最大10日間(更に10日間、特殊な犯罪の場合には15日間延長が可能)拘禁される。しかし、実際は警察の留置所に入れられたまま自白させるための取り調べを受ける。監獄法が留置所を代用することを認めているからだ。今では日本にしかない仕組み。国際人権(自由権)規約委員会も、2度にわたって廃止勧告を行っている。

 それと、死刑制度。7月28日にも駆け込みで3名の死刑が執行された。国連は0712月に死刑モラトリアム決議を行ったが、その後も日本は死刑が激増している国として国際社会から「憂慮」されているのだ。日本政府代表が「国民の大多数が支持している」と強弁するほど、国民の「質」が問われていると言っていい。

 米アポロ11号による有人月面着陸40周年(1969.7.20)におぼろげな記憶の照準を合わせて楽しんでいたら、グーグルがグーグルアースの新機能としてグーグルムーン(グーグルアース月面モード)のサービスを始めたという。NASAの月面探査計画で得た情報はもちろん、JAXAの月探査機「かぐや」の地形データも入っているらしい。その他、グーグルアースの天体に関する情報量には刺激される。

 アポロ11号といえば、着陸の様子は大学近くの喫茶店に備え付けてあったTVで見た。10代の初めは天文少女だったのに、当時「激動の時代」の真っただ中にいて感動に浸る心の余裕がなかった。その後、祖父が中秋の満月を眺めながら「あそこに人間が行ったとはなぁ」とつぶやくように語った時、アポロ計画や宇宙飛行士たちの偉業にふれた思いがしたものだ。




□■□2009年8月2日(日)

 今日は久しぶりに八千代市に住む友人のギャラリーを訪ね、共通の幼なじみがお盆で帰省するというメールが届いたので食事をする打ち合わせや、心を和ませる手工芸品の数々に囲まれてゆったりした時間を過ごした。

「たいむ」71号の〝あとがき〞を読んで、「足立さーん、民主党よろしくね!」と電話してきた人がいた。そういえば〝あとがき〞に「いま、日本の民主主義に一番必要なのは政権交代」と書いた。そのためにはとにかく民主党単独か連立の政権が樹立されなければならないから、とりあえず民主党に「Yes on」だ。

 戦後ほぼ一党独裁的に続いてきた自民党政権。小泉政権以降何かというと「自助努力せよ」と言って国民を突き放してきた。その自民党自身が選挙を前に必死に変わる「ふり」をしている。でも、その場しのぎの作り笑いでごまかしても素顔は「自助努力」で変わりようがない。従順なはずの国民も生存権すら脅かされる現状を突き付けられていろいろ学習したのだ。いま、多くの人が「政権交代」の必要性を感じている。

とはいえ、候補者の名前を書くとなると民主党にも自民党と変わらない保守主義者がいる。その多くは、要するに自民党では立候補できないから民主党に移ったご都合主義者たちだ。核武装論者もいた。男女平等政策を受け入れることができない歪んだ差別観の持ち主もいるし、「つくる会」の自己チュー史観教科書で子どもたちを洗脳しようとする国家主義者もいる。あえて誰とは言わないけれど・・・そのへんにもいるよね!

 総選挙まであと1ヶ月足らず。全国津々浦々、一人ひとりがよく考え、学び、議論しあって一票を投じる選挙であってほしい。 






□2009年7月31日(金)

 朝方少し霧雨が降っていて、涼しい1日だった。これまで出来なかった「たいむ」の早朝ポスティング。5:00AMから2時間、気持ち良く歩く。暑さでバテ気味だったからホッと一息ついたもののお米の作柄が心配になってきた。

 北日本や西日本の日本海側では7月の日照時間が観測史上最少となる見込みだという。稲穂が出る頃は安定した晴天が必要。ムシムシ暑くても曇りや雨が多いと実入りに影響するしイモチ病が出やすい。それに、今年は7年ぶりにエルニーニョ現象が発生しているらしい。お米だけでなく、他の農作物にも影響がありそうだ。

 市役所に行って都市計画審議会に提出される資料を受け取ったあと、お昼はMさんとOさんと「風楽」で定食を食べ、おかわり自由のコーヒーを飲みながら3時間ほどいろいろ話し合う。ところで、この「風楽」も近々大室の古民家を改造したお店に引っ越すらしい。

 夕方帰ると玄関に産直野菜が届いていた。中にはジャガイモ、カボチャ、オクラ、エンサイ、青はぐらうり、または、金太郎うり、トウガラシ、ミニトマト。夏バテ防止には夏野菜をしっかり食べるよう『産直ニュース』に書いてある。ホント、元気な野菜たちを見ているだけでなんだか気力が湧いてくる。畑では人参、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなど秋・冬野菜の種まきが始まったようだ。鈴木加代子さんによれば「あとは『ハスモンヨトウ(虫)が発生しないように』と祈るのみ」だそうだ。私も祈っています・・・。だって、無農薬有機栽培の加代子さんが虫を箸でつまんではペットボトルにいれる姿を想像したくないもの。

 たまった新聞を読むのはなんとなく気の抜けたビールを飲んでいるみたいだ。北海道や沖縄に行っている間はTVのニュースが中心。おッ!と思うニュースもサラッと耳で流す程度だった。そんな生活もいいなぁ、と思うようになった。でも、自宅に戻ればそうもいかない。CEDAW(国連女性差別撤廃委員会)の日本政府報告書審査、教科書採択問題、成人18歳その他、新聞や資料を整理する。





□2009年7月30日(木)

 夜、成田に着いたとたん、涼しい・・・!しかも曇って霧雨も降っている。連日33℃くらいの晴天が続いている沖縄で過ごした3日間というもの、息を吸うにも気合が必要だった。島を吹き抜ける風がなければこの季節に訪れるのは遠慮したいくらい。でも、充実した3日間だった。

 28日・29日は全国地方議員交流大会。28日の午前中は空いていたので土砂の埋立が始まっている泡瀬干潟へ。ちょうど満潮で干潟を見ることはできなかったが、「あの辺まで干潟が続く」といわれたはるか彼方を眺めながら沖縄最大の干潟を思い浮かべる。ちなみに今年1月に工事を強行した国と沖縄市は昨年12月に1審で負け、控訴審が争われている。

 地方議員交流大会1日目は「世界経済危機を『東アジア共同体』設立に活かそう」というタイトルで桜美林大学北東アジア総合研究所特別顧問の谷口誠さんの講演、宜野湾市長井波洋一さんと石垣市長大濱長照さんの特別報告があり、夜は交流集会。2日目は午前中5つの分科会(雇用問題と地域経済対策、農林漁業の再生、地域医療の再生と公立病院問題、教育の現状と課題、地方主権と道州制、米軍基地と日米関係)。昼食を食べながら映画「軍隊がいた島~慶良間の証言~」。午後は各分科会の報告後、アピールを採択して閉会。その後希望者は沖縄県議会を会場に意見交換会。

 集会の参加時間を調整して29日にうるま市にある美島環境クリーンセンター(シャフト式ガス化溶融炉)の稼働状況を知るために中部北環境施設組合を訪ねる。H16年に当時の特別委員会が視察したのだが、まだオープンしたばかりで主に建設までの話が中心だった。それから4年が過ぎてちょうど良い機会なので急きょ決めて電話したら快く応じてくれ、所長さんから率直な説明をいただいた。

 私にとっては数年ぶりの沖縄。沖縄観光は晴れれば9割成功と言われているらしい。暑さもなんのその、たくさんの観光客が訪れて亜熱帯の風情を楽しんでいた。しかし、どうしても島を占領しているような米軍基地が目ざわり。基地撤去によってエコ・ツーリズムなど新しい沖縄が誕生すると思う。課題が多くても、基地のない沖縄を目指す人たちと手をつないでいきたい。

 夏休みということもあってホテルや往復の飛行機は家族旅行の子どもたちでいっぱいだった。とにかくピ~チク♩♫♭♬♩♯パ~チク元気な声で楽しませてくれた。






□2009年7月26日(日)

 むむむ・・・暑い。九州北部を中心に記録破りの豪雨が襲っている。日本全国梅雨が明けたと思っていたら、どうやら部分明けらしい。北の高気圧が強く、豪雨もこれまでとは地域が異なるという。北海道の2日目(23日)が1617℃くらいだったのもそのせいだったのね。

 明日から30日まで、全国地方議員交流会とあわせて2ヵ所の調査もかねて沖縄に行くのでポスティング用の「たいむ」71号を刷る。印刷機まかせにできないところも多いので結構時間が拘束される。猛暑の中ポスティングしてくれているボランティアさんに留守の間の分を渡して、ひと安心。





□2009年7月25日(土)

 22日から昨日まで、新清掃工場整備特別委員会の視察で北海道へ行ってきた。行程は、22日★江別市環境クリーンセンター等の長期包括的管理委託事業、23日★室蘭市のエコロパ西いぶり施設内の余熱利用施設「げんき館ペトトル」(ペトトル=アイヌ語で〝川の間〞という意味とのこと。施設はペトトル川という狭いけれど元気に流れる川を渡り廊下でつなぐ形で建設されている)・メルトタワー2124日★札幌市発寒第二清掃工場解体工事について調査・視察を行った。いずれも成田・富里両市の新清掃工場に関連して調査しておきたい課題。(後日報告書を作成)

 ちなみに、江別・室蘭両市清掃工場の焼却方式はキルン式のガス化溶融炉で、4年前に当時の新清掃工場整備調査特別委員会で焼却方式について視察を行っている。視察の結果、私も含め委員の感想としてキルン式ガス化溶融炉については技術的に疑問視する意見が多かったことを憶えている。結果的には、全国に80数か所といわれる溶融炉のうち、キルン式を採用しているのは現在のところ6炉止まりのようだ。

 環境省が最近全国の清掃工場をデータベース化したが、情報公開範囲をみてこの間の経験からわかったのは、炉の選定(過程)は普通の市民感覚からいえば極めて政治的色彩の強いものだということを実感した。

   札幌市発寒第二清掃工場解体工事現場で。工事はほぼ終了。

 最高気温が20℃前後、視察先に行く途中果てしなく広がる深い森にしばし癒された。札幌に2泊したが、イの一番の関心は〝街路樹〞。秋には深紅に色づくナナカマドがたくさんの実をつけ、私の好きなアカシア(ニセアカシア=ハリエンジュ)、シナノキなどの並木も確認できた。ニセアカシアの街路樹は成田市にもあるが、車道と狭い歩道の境界に植えてあるのに枝の伐採方法が中途半端。もっと思い切って下の枝を剪定すべきだ。

 「たいむ」の印刷の合間に今日は久しぶりに実家へ。田んぼでは稲穂もチラホラ顔を出し、トンボが飛び交い、これから秋の実りに向けた準備が始まる。





□2009年7月21日(火)

 今日も「たいむ」71号の印刷と折り、そして合間にポスティング・ボランティアのお宅に「たいむ」を届ける。3か月ぶりに区画整理を終えた久住中央に行ったが、また新しい家が建っていた。午後市役所に寄って、いま住民から相談を受けている件で担当課に。資料などを整理して私にもやっと全体が見えてきたところ。今感じている疑問点は伝えておいた。1つの問題に2つの課が関わっていることが問題を少し複雑にしている。担当課間の協議がなされたこともないようだ。これからもないかも。行政の融通のきかないところ。しかし、住民が納得できる常識的な結論が導き出されることを願っている。いずれにしても、公費を使った補助金支出や新規事業が計画されているからきちんとチェックする。

 衆院が解散され、いよいよ830日の総選挙に向かって実質的な選挙戦に突入。暑さも加わって過酷な選挙になるだろう。どういう結果になっても、日本の民主主義にとって転換点になる予感がする。

 明日から24日まで、新清掃工場整備特別委員会の行政視察。





□2009年7月20日(月)

 茹るごと 土用の郷や稲青く(茂)

 保田茂さんの句とともに「7月のビレッジ・ライフ懇話会」の案内が届く。保田さんの句は、かつて自分がその一部となって育った田園そのもの。田んぼの様子が目に浮かぶだけでなく、匂いもよみがえってくる。

「たいむ」71号の印刷や折り、ポスティングしてくれるボランティアさんのお宅に届けたりして1日過ごす。年4回、「たいむ」ポスティングの時にしかお目にかかれない人もいて、厳しい暑さに中あつかましいお願いをするにしては嬉しくてついおしゃべりに興じてしまう。「たいむ」も12500枚印刷して、やっと先が見えてきた。今月は22日から2回、計1週間留守にするので少し慌ただしかった。

 リュックを整理していたらポケットからつぶれかかった小さな落花生まんじゅうが出てきた。顔のイラストと〝森健・元気・千葉県〞が書いてあるモリケンまんじゅう。忘れていたが昨日バス・ツアーで成田をガイドしている時、後ろから箱が回ってきて一個もらったもの。「まんじゅうに罪はない・・・」などと言いながらパクパク食べていた人もいた。私も1日遅れで「森健」を食べた。





□2009年7月19日(日)

 森田健作氏を告発する会主催のバス・ツアー。コースは千葉刑務所、芝山町・〝農業生産法人・森田ファーム〞、成田市・空港(B滑走路南の東峰・天神峰地区)と市内残土不法投棄場所、都賀駅パチンコ店(〝パチンコ森田〞のある店)など。

 私は午前中用事があったので午後森田ファーム見学から参加し、続いて成田市内を案内。7月1日県議会の委員会で地元県議よりB滑走路南端にある未買収地の地権者を早期訪問するよう求められ、早速10日に出向いたものの「不在」で会えずに帰った経緯がある。対応した家族は「空港会社には都合が悪いと返事をしてあった。県から直接連絡はなかった。知事は何をしに来たのでしょうか」と話していたという。知事が「未買収地の地権者を訪問」しても成田空港問題が解決するわけではないから、対外的なパフォーマンスかアリバイ作りのようなものだ。

 今日は地権者の方も食後の休憩で在宅。真夏の昼下がり、農家の休憩はいつもの時期より長い。私たちが庭先でワイワイおしゃべりをしている短い時間、同行した著名なジャーナリストと雑誌記者が農家の話を聞いていた。その後、自宅西側に新しい3本目の誘導路計画がもちあがった天神峰の農家を訪ねる。ここでも、農作業から帰った農家の話をみんなで聞くことができた。とにかく現場に行くこと、そこから問題の本質が見えてくる。知事は騒音と塀やフェンスと、そして2本の誘導路に囲い込まれた農家を「訪問」して、何をどう感じたかしら?

 ところで、〝森田ファーム〞は森田氏の自宅(といっても普段は住んでいないらしい。芝山町のスーパーSの近くにあって鈴木性の表札がかかっている)の前の道路をはさんだ向かい側にあって、梅林、その奥に野菜が植えられている。 告発する会の調査によれば現状では書類上農業者確認ができず、提出を義務付けられている「報告書」が1819年度未提出であったりと、農業生産法人としての適確性に欠けるのではないかという。ファームには数人いたが、農作業をしている様子もなかった。今日のバス・ツアーはマスコミ等にも公表されているらしく、急きょ張られたとみられるロープや家の四辻に配置された警備のモノモノしさをみると、ファームにいた人たちも動員されたのではないかと疑ってしまう。

(左)知事の公称「自宅」。鈴木性の表札の前で記念撮影。 (右)自宅前の森田ファーム入口はこんな感じ。5月に写真週刊誌に載った半壊れの看板はすでに撤去されていた。





□2009年7月17日(金)

 冴えた評論をする政治ジャーナリストが「自民党の取材をすればするほどわけがわからなくなるから、取材をやめて全英オープンを見たい」というようなことを言ってボヤいていた。 17歳の石川遼さんが出場し、予選でタイガー・ウッズと同じ組でプレーして好スタートを切ったということで盛り上がっている。ゴルフに全く関係のない私もつい、TVのニュースを見てしまうほど。でも、私の目はどうしてもプレーより天然の荒涼とした地形をそのまま取り入れた海辺のコース(ターンベリー・エイルサコースというらしい)にいってしまう。ゴルフ発祥の地のコースを見ているだけで行ったような気分。

 「ゴルフの本質は、自然と戦うということだ。ちょうど登山や航海のように、いかに困難であろうと、いかに風が荒れようと、自然と戦うスポーツマンは不平を言わない」(ロバート・ハンター)

 以前仕事でゴルフ場をPRした時に読んだ本にあった言葉。その昔、羊飼いたちが棒きれで石ころを転がして遊んだことから始まったといわれるゴルフだが、いつの頃からか「勇士のごとくプレーし、紳士のごとく行動する」スポーツとなったようだ。

 ゴルフ発祥の地からみると日本のゴルフ場は箱庭みたいなもの。聞いた話では米国のコースは英国ほど天然ではなく日本ほど改造しないとか。国土も広いから適当な土地がたくさんあるのだろう。

 ゴルフというより、「ゴルフ場」といえば私は大規模な自然破壊と農薬の大量使用による環境汚染に反対して市内のゴルフ場計画がバブル崩壊でストップするまで反対運動をやっていた。何しろ当時、成田市には6つの既設ゴルフ場と7ヶ所の計画地があって建設に向けて用地買収などが行われていた。反対の旗をおろしても私がゴルフをやろうという気にならないのは、興味がないか単なるものぐさだからだろう。





□2009年7月16日(木)

 突然?の梅雨明け宣言から3日目。湿気が吹っ飛び、カラリと晴れた空から強い日差しがチリチリ照りつける。暑い・・・・!今日は首にタオルを巻いて汗をふきふき「たいむ」71号の印刷。この2、3日目が回りそう。今日から我が家は印刷所となった。12年目を迎える印刷機だが、大きな故障もなく快調に動いてくれて今日のところは5000枚刷る。途中伸びきった髪がうっとうしくなり美容院に行く。最後に行ったのがいつだったか忘れるほど久しぶり。男性のカツラなら3個は作れるくらい髪を薄くすいてもらった。頭が軽くなって気分もスッキリ。

 当分は印刷、折りをやりながら、郵送、ポスティングなどでいろいろな人のお世話になる。

 それにしても・・・マスコミ報道をみていると自民党は先の見えない末期的混乱を呈している。この前民主党の鳩山代表が「内戦状態」とか言っていたが、それ以前のドタバタ劇を演じている。21日に予告されている衆院解散となれば、代議士たちは身分を失うので最後の攻防ということなのだろうが、ハタから見ているとみっともない。多分当事者たちも全体が読めないまま突っ走っているのだろう。国会は参院で内閣不信任案が可決されて以降すでに開店休業状態。

 もっとも、すでに半月以上前にあの「親日派」として自民党や保守がありがたくお説を拝聴していたマイケル・グリーンさんすら「日本の国会はグチャグチャ」と評していたくらい国会の体をなしていなかったが。

 かつて議員のことを「選良」と言ったが、まさに今は昔の死語!。亡きフーテンの寅さんならきっと言うんじゃないかしら「労働者諸君!君たちはこういう状況を許しておいてよいのかね?」





□2009年7月13日(月)

 衆院は7月21日解散、8月18日告示、同30日選挙という日程で決まったようだ。しかし、「首相の決断」も何もあったものではない。

 小泉ネオコン「改革」でできた傷口から血が流れ、弱い立場の人や貧しい人たちがますます弱く貧しい境遇に追いやられ、格差社会が広がっている。そんなこの4年間の間に国民の選挙による洗礼を受けない首相が3人誕生し、2人は政権を放り出した。昨年9月に総選挙の顔として誕生した麻生首相も、直後に襲ったリーマンショック以降の経済危機を理由に解散に踏み切れず、結局任期満了直前になってやらざるをえなくなったわけだ。

 この間の自民党をみていると、権力の座にあぐらをかき増長の果てに自らを律することを忘れ、政権政党としての機能不全に陥って混乱の極みにある。いったん下野したほうがいい。「国民を守る、日本を守る」というなら、なおさらだ。いまや惰性に陥った長期自民党政権こそが、国民の幸せや国益を損ねているのだ。

 昨日の東京都議会議員選挙では民主党が圧勝して都議会第一党となる。有権者の投票行動は、立候補者個人の経験や実績などよりも政党を選んだ。

 こうした投票行動をみると、これからの国や地方の選挙制度改革の方向性として、政策を重視(政党比例制)し、候補者と選挙民との個人的癒着を少なくし(拘束名簿式)、民意が議席に反映しやすい比例代表制中心の選挙制度に移行していくことも検討課題としてよいのではないか・・・と思った。

 例えば成田市議会。市議選で無所属を名乗って立候補しても保守系23人はすべて自民党。ほかに公明党3人、共産党2人、社民党1人、政党と全く関係ないのは私だけ。まぁ、私みたいな政党に馴染まないのがどうなるかは別にして、政党比例代表にしても問題ないではないか。

それに、比例代表制は女性を政策決定の場に登用しやすい。クォータ制による女性割当ても、パリテ法による男女同数名簿も、いずれも政党比例制によって可能な手法だ。

 日本の国政選挙は小選挙区と比例代表(非拘束型)を組み合わせたものだが、この比例名簿でも女性割当てを意識しているのは共産党や公明党かしら?自民党や民主党が比例名簿に女性割当てを採用したら、日本の政治もずいぶん変わると思うけれど・・・。韓国では2004年の国会議員選挙で女性割り当制を強化して女性議員が急増した実績がある。やる気があるかどうか、ね。

「歴史と今を語り合う女性の会」暑気払い。






□2009年7月11日(土)

 日本にはオンブズマン制度がない。そこに「市民」オンブズマンが誕生するきっかけがあった。なぜ、日本にはないのか、つくろうとしないのか。これは日本に民主主義やその政治制度が根付いていないからではないか、「国民(人民)主権」があいまいなままきたからではないか・・・ずっとそう考えてきたが、今日はその回答をもらった。

 千葉県市民オンブズマン連絡会議主催の講演会が佐倉市立美術館のホールで開催された。演題は「海外オンブズマンとその現状」で、講師は同志社大学教授で新聞学が専門の浅野健一さん。日本にはない「オンブズマン」制度について、1809年の「国会オンブズマン」を起源とするオンブズマン発祥の地スウェーデンの例を中心に、自ら調査した西欧各国の現状や日本での必要性などを興味深く話してくれた。

 ちなみに、国会オンブズマンの役割は「政府と人民の間の確執の局面に公正な立場で介入して、人間の尊厳を守るという目で、正邪の判断を下す役職」(潮見憲三郎『オンブズマンとは何か』1996年・講談社)。その後、個別分野ごとのオンブズマンも誕生したが、例えばスウェーデンでは男女平等オンブズマンが役割を終えて解散したことを私は今日初めて知った。法的にも社会的にも男女平等を阻害する現実がなくなった、ということらしい。社会的な合意のもとにそうなったのなら良いことだ。

 浅野さんは22年間の共同通信記者生活も含め、一貫して報道倫理や犯罪報道と人権問題の最前線で論陣を張ってきた。弱者・少数者の立場に立って権力による冤罪や人権侵害と対峙する姿勢には揺るぎないものがある。

 彼は私の情報収集源の一つ『週刊金曜日』連載の「人権とメディア」執筆者の一人でもある。昨日届いた『週金』でも「知る権利は権力者に向かうべき」というタイトルで、現行記者クラブ制度のもと、警察発表そのまま垂れ流す報道姿勢、逮捕段階での実名(や写真)報道、被疑者の家族や周囲への目に余る取材攻勢等々への批判をこめて、『しんぶん赤旗』の匿名原則」を紹介している。

 ジャーナリズムの危機が叫ばれる中、学者というより現場主義、気骨あるジャーナリストの良心をもち続ける話に、眠気が吹っ飛んだ2時間半だった。





□2009年7月10日(金)

 ムシムシ暑いのに苦手な書類整理や事務処理に追われる。今月は22日~24日の2泊3日新清掃工場整備特別委員会の視察、28日・29日は全国地方議員交流会と、留守が続く。地方議員交流会は沖縄で開かれるので、せっかくだから前後に2ヵ所調査地を選び3泊4日の日程を組んで申し込んだ。7月は「たいむ」の印刷や配布も入るので予定が詰まってしまい、暑い毎日が続きそう。

 多古町染井の桜宮自然公園でおコメを不耕起栽培している鳥井さんから、satochibaMLに嬉しいホタルの便り。去年初めて確認され、今年は天井田入口の鳥井さんの小さな田んぼで乱舞しているという。メダカ、カワセミ、そしてホタル、桜宮に里山の自然が戻ってきた証拠。カブトムシのオスも落ち葉の草むらから這いあげってくるのが観測されたそうだ。7月中は観察できるという・・・行かなくちゃ。

 PHOTO BY TAKASHI IMAI (09.7.9桜宮自然公園で撮影)

 60年安保改定時に核の持ち込みを日本政府が認めた日米「核密約」。スクープした毎日新聞記者と情報提供者を男女の不倫問題に矮小化して葬り去り、ないないとシラを切ってきた。しかしすでに米国で情報公開されて存在が証明され、さらに外務省の担当官僚も存在を認め、先日は元外務次官も認めた。そしてついに、「存在しないはずの文書」が発覚するのを恐れて情報公開法施行前の01年頃関係書類をすべて破棄していたという証言が元幹部や元政府高官からあったという。

 外務省の行為は国民の利益を損ねる犯罪行為ではないか。国民をだまし続け、あげくの果てに証拠を破棄処分した。この国の官僚たちの脳みそには憲法が保障した国民主権の原理原則がたたきこまれていないことがわかった。





□2009年7月8日(水)

 今日も赤いレトロ調の観光循環バスが空気を運んで空港―市内を走る・・・。先日はR296空港通りをすっ飛ばしていた。乗客は周囲を眺める余裕もないだろうと思いながら信号で止まっているところを覗いたら、運転手さんだけ。利用客の時間帯があるのかないのか知らないが、通りすがりに偶然出会っても、めったに乗客の姿を見ることはない。乗っていても数人。今年度の運行事業の予算は15,548,000円だが、空気の箱を走らせて排気ガスをまき散らしているとしか思えない。走らせることに意味があるというような抽象的な理由なら、無駄な事業だ。レトロバスはどこか目立つところに飾っておけばいい。

 県議会最終日。森田知事の「質」が衆目に晒された議会だった。答弁は職員が作ったものを棒読み、2回目以降は背後から紙切れを渡す職員のあたふたとした姿に失笑すら漏れた。さらに、知事しか答えられない答弁では頼りの「紙」も渡してもらえず、しばし空疎なまばたきを続けるというみっともない姿。

 国会議員経験もあり、2度目のチャレンジで念願の知事になった60男にしてこのあり様では先が思いやられる・・・と思っていたら、そんな甘い見方ではいられないようなことを始めた。新しい県教育委員に、自らも代表委員をしている自己チュー史観を子どもたちにおしつけようとする右派系教育団体の、同じ代表委員を提案して自民党の賛成多数で同意されたという。

 さらに、自分が代表を務めた自民党支部の会計責任者だった人間を政策アドバイサーとして迎えたという。公費で日当約3万円。

 議会答弁は自分の言葉で語ろうとせず職員まかせなのに、やることは県政の私物化。自己チュー史観にすがる自己チュー人間。

 石川遼さんが全英オープンに出場するために出発したという。17歳。全英オープンは今年で138回を迎える世界最古のゴルフ・トーナメント。過去2番目の若さでの出場らしい。ベストが尽くせるように頑張ってほしい。ところで、今年会場となるゴルフ・コースはどこかしら?タイガー・ウッズが「究極」と感嘆したというセントアンドリュースのオールドコースではないようだ。






□2009年7月7日(火)

 昨日、元米国防長官だったロバート・マクナマラさんが亡くなったという。93歳。ベトナム反戦世代にとっても忘れられない人だった。フォード社長の経歴が示すように戦争に初めて「費用対効果」を導入し、成果を求めた。「効果」とはもっと壊せ、もっと殺せ・・・更なるベトナムの破壊、ベトナム人の死を意味した。それでも、南ベトナム民族解放戦線と北ベトナムは勝利した。「費用対効果」といった経営戦略では屈服させることができないものがあることを彼は思い知ったに違いない。

 1995年、回想録でベトナム戦争が完全に間違っていたことを認めた。それがニュースになった時は思いとどまったけれど、彼の死を知って「回想録」を読んでみる気になった。

 今日は七夕。多分昔はどこも似たり寄ったりの行事だったと思うのだが、私が子どものころの七夕といったら竹に短冊などを飾るだけなく、早朝ちょっとした「労働」が子どもたちに課せられていた。庭の竹飾りの下にはこの日のために祖父や父が藁で作っておいた牛と馬が縄でつながれて待っている。近所の子どもたちと寝ぼけ眼をこすりながらそれを引いて朝霧に包まれた田んぼに草刈りに行かなければならなかった。

 田んぼのすぐそばを小川が流れていて、子どもたちは親から渡された鎌を取り出してその周辺で草を刈る。鎌は草刈り以外安全のために縄で巻いておかなければいけない。刈った草は牛と馬の背に縛り付け、横に倒れないように注意しながら家に帰る。そして庭に立てかけてある飾り付けの済んだ竹に牛と馬をつなぎ、鼻先には刈ったばかりの草を置いてやる。それが七夕の朝の仕事であった。牽牛織女のロマンスにからめた先人の知恵が宿る行事だったと思う。




□2009年7月6日(月)

 入札等監視委員会。年2回、1月と7月にそれまで半年間に契約されたすべての案件の中から、委員が審査対象に選んだ10件の事例を審査する。

 今回委員が選んだのは、子どもの遊び場遊具撤去工事、伊能10号線側溝整備、(仮)大栄野球場造成工事、大竹急傾斜地崩壊対策工事、飯仲農道舗装工事、迎春対策(規制案内)警備委託、愛光園全自動洗濯脱水機及びガス式回転乾燥機購入、中国残留邦人支援給付システム購入、成田中学校他8校焼却炉解体撤去工事、いずみ清掃工場1号バクフィルター用暖機ダンパ交換修善。

 審査の結果として委員からの「市長への意見」はなかったが、審査の過程で様々な質問・意見が出された。特に目立ったのは随意契約について。ちなみに平成20年度全体の発注855件中随意契約は430件(一般競争397件)。随意契約には見積もり競争も含まれるが、その根拠についても疑問が出され、「緊急の場合やむをえないかもしれないがなるべく入札をやるように」「理由があってやるのだろうが続けると不透明になるから数値化や書類化して理由を説明してほしい」などの指摘があった。

 また、「最低制限価格を公表する必要があるか」、「(国体など)大きな事業をあてに(施設を)つくるとその後の維持経費が増える。健全に運営できるよう考えてほしい」「機械を導入した会社とメンテナンス契約をするというのは公正さに欠ける」といった意見もあった。

 傍聴者は私のほかに市民1名。審議会・委員会の広報は1週間前。でも、この委員会はすでに1月の会議で決まっていた。次回は来年1月2210時より。ほかの審議会等も1ヵ月以上前には開催日時がわかっているのだから、せめて委員に通知したら市民にも知らせることができるはず。担当課はこういうところに力を入れてほしい。





□2009年7月5日(日)

 昨日から千葉県立中央博物館の企画展「虫,,,・・草,,・・・人~生命の賑わいとつながり」始まった。8月31日までの長丁場だが、その間講演会(7月5日・8月22日)、シンポジウム(7月11日、18日、8月29日)、子ども発表会&コンサート(8月1日)といったイベントが予定されるほか、たくさんの市民団体が里山・里海・野性生物・まちづくり・食・木材・水・燃料・田んぼ・米・森林セラピー・ごみ問題などで企画展に参加し、みんなで〝私たちの暮らしと生物多様性〞を考える。残土・産廃問題ネットワーク千葉も7月14日~20日まで展示に参加する。

 今日は植物環境学が専門で千葉大学前学長古在豊樹さんの記念講演があった。テーマは「地域サスティナビリティーと生物多様性」。グローナカル(グローバル、ナショナル、ローカルの合成語)な視点、多様性をとらえる視点、多様性と進化を結びつける視点、生物多様性と人間社会の多様性を統合して見る視点、人間の心と体を一体に見る視点、「農」は「自然」と「文化」の融合であるという視点など、示唆に富んだ話を楽しく聞いた。

 「美(ちゅ)ら通信」32号が届く。私はいちおう「エコネット・美」(沖縄県名護市)のスタート時からの会員。199712月に米軍ヘリポート基地建設に「ノー」をつきつけた名護市住民投票以来のつきあいだ。エコネット・美は「基地に頼らない地域づくり」を目指す。

 毎年夏休み恒例の〝子どもじんぶん(知恵)学校〞は、3クールとも受付開始とともにあっという間に満員御礼だったとか。今年は北海道から香港まで、小学3年~中学3年の子どもたちがヌーファに集まる。寝起きする高床小屋の床板の腰がなくなってきたので張替をやったという。

 嘉陽(地区)のたーぶっかー(田んぼ)にはビックリ。田んぼの真ん中に鳥が巣をつくって卵を産んでいる!写真では楕円形の卵がざっと数えて8個も入っている。トンボ、カエル、イモリ、ネズミ、ハトなどにぎやかで楽しい嘉陽のたーぶっかー。3月にみんなで植えた稲も収穫時期を迎えたようだ。

 めったに行けないけれど、「通信」を読んでいるとヌーファの様子が目に浮かんでくる。私にも楽しい思い出がいっぱいある。





□2009年7月2日(木)

 昨日新しく就任した副市長2名と教育長。秘書課長が「挨拶を・・・」と連絡してきた。議会の会派を挨拶まわりしているようだ。そういえば昨日の午後、教育指導課長と話を終えて外にでると幾つかの会派に所属する議員が議会棟に向かう姿を見かけたっけ。「わざわざ挨拶は結構です」と答えると「そうもいきませんので」と言うので今日議会の控室で会う。3名のうち2名は市の職員で顔見知りだが、国土交通省から出向してきた副市長とはもちろん初対面。経歴は議案書に載っていたが、1972年生まれのわが娘と3歳しか違わないからつい老婆心が先立つ。

 せっかく働き盛りのキャリアをゲットしても、成田のような12万6千人の地方都市で腕をふるえるだろうか。市長は国との「パイプ」を太くしたいようだが、空港や関連事業は成田市にとって織り込み済みの国家プロジェクト。市の職員をパワーアップして国に対応すればいいことで、「パイプ」に頼りたくなるようでは情けない。

 少し気が早いけれど夏休みに読む本を買う。高橋義人著「グリム童話の世界~ヨーロッパ文化の深層へ」、山本紀夫著「ジャガイモのきた道~文明・飢饉・戦争」、道浦母都子著「女歌の百年」の3冊で、いずれも岩波新書。まだ行先は決まらないけれど、新書3冊ならリュックに入れてもかさばらない。

 28日に配信されたtanakanewsが「地球温暖化問題」に切り込んだ。題して「『地球の平均気温』は意味がない」。一方で朝日科学欄でも「温暖化バトル」を始めた。1回目は~懐疑論は本当か~。

 太陽活動が落ちて地球史的には寒冷期を迎えようとしている中で、「人の手による温暖化」で大騒ぎの現状を多角的に分析してみるのも必要。これまでは「なんでも温暖化」の感情論が多かったから、科学的な根拠を駆使したこういうバトル大好き!どんどんやってほしい。





□2009年7月1日(水)

 今日新清掃工場の整備及び運営事業の入札公告を行ったというFAXが市長名で届いた。「公告」によれば建設工事費の予定価格は106500万円(消費税含む)、運転事業費の予定価格は160億円(20年間の長期委託。売電収入額及び物価変動による増減額並びに消費税を含まず)。入札方法は郵便によるものとして期限は8月13日必着、開札は14日(金)午前10時とのこと。 

 対象メーカーは3社しかない。この3社でどこまで競争性が発揮されるか注目したい。諸般の事情で辞退するメーカーなどが出て最後は1社などということは想像したくない。しかし、以前担当部が言っていたがナンダカンダでいざフタを開けたら1社だったということでもそれまでの過程で「競争」があったという認識のようだ。確かに・・・裏で熾烈な競争があったということかもしれないが、それなら一般競争入札をやる意味がない。

 いまさら言っても仕方ないが、機種選定委員会が機種名まで絞り込んでの答申。会長に千葉大教授、会長代理に千葉工業大学教授が決まった時、廃棄物行政に詳しい他市の議員に2名の名前を言ったら「あ、もう溶融炉で決まりだね」と言われた。おまけに産学協同でさるメーカーとのつながりも。要するに機種選定委員会といっても、「専門家」に誰を入れたかでもう方向は決まっていたということか。メーカーとのつながりはさておき、結果としてガス化溶融炉シャフト式が提言されたのだから、ナルホド、ね。