2008年1月1日~2008年6月30日



□2008年6月29日(日)

 北海道洞爺湖で7月7日から始まる主要国首脳会議(サミット)が近づいて、関連記事も増えてきた。自衛隊は陸自テロ部隊を投入するという。イージス艦も北海道周辺の日本海側に派遣するらしい。東京などでも警備が厳しくなってきたようだ。この警備のモノモノしさがサミットを象徴する。

 それもそのはず、日本に比べヨーロッパでは死者が出るような激しい抗議行動が行われる。反グローバリゼーションを掲げる世界中の団体がサミット開催国に押しかけてくるのだ。何故か、それはサミットが世界を環境破壊、貧困と収奪に陥れているグローバリズムの象徴だからだ。「その結果、人里離れたところで開催せざるを得なかった」(たんぽぽ舎の講演で富山大学・小倉利丸さん)。<

 サミットのテーマは表向き「持続可能な開発」だが、これがもはや限界というより破たんしている。環境を優先して開発を抑制しなければならない時なのに、懲りもせず開発を優先させて環境対策をやろうという「本末転倒」。きれいごとを言っても、しょせんサミットは、軍事・経済両面で世界を収奪してきた「先進国」が生き延びる道を探り合う場でしかないのだ。

 そのサミットに照準を合わせ、スーザン・ジョージさんが来日したことが朝日新聞に載っていた。「SHUT DOWN!貧困と環境破壊のG8サミット」での講演では、世界人口の十数%しか占めないG8諸国に世界を支配する役割は与えていない、私たちは気候変動や食糧危機、金融危機などに警鐘を鳴らしてきたがG8は予測できなかった、とサミット不要論を展開したという。同感。

 第1回のサミット(1975年)が開かれたフランスのランブイエ城に連れて行ったもらったことがある。城といっても、たとえばイギリス貴族のマナー・ハウスよりも小さい地味な石造り。大統領の保養所になっていて、大統領が来ている時は敷地内に入れないようだが、私が行った時は当時のシラク大統領が不在ということで隅々まで散策できた。サミットの初めは1973年のオイルショックを機に巻き起こった世界不況に対し、フランス大統領ヴァレリー・ジスカール・デスタンの提唱で始まった首脳会議。私が行った当時サミットはすでにハデな国際イベントになっていたので、「へー、こんなところで開いたんだ・・・」と思った記憶がある。

□2008年6月28日(土)

 昨日、諫早湾干拓事業をめぐり佐賀地裁で画期的な判決。有明海の環境悪化で漁業に被害がでたことで沿岸4県の漁民が訴えていた裁判で、環境変化の調査期間として5年間(ただし準備に必要な3年間の猶予期間)、国に排水門を常時開門するよう命じる判決だった。

 漁業被害が干拓事業のせいでないというなら国は開門してそれを立証せよ、そのことで農業生産に影響がでてもやむをえない、とすごい内容。「意外な判決」と国は控訴するそうだ。しかし、環境を破壊して干拓した結果、どんな農業が営まれるというのだろう。農業に使われるという潮受け堤防で隔てられた調整池の水は、いまだ環境基準に達していないという。

 今日は印旛沼の甚兵衛広沼に注ぐ角川河岸を中心に、新高速鉄道建設状況を見て回った。甚兵衛公園に車を置き、写真を撮りながらかなりの行程を歩いた。きっかけは、角川河岸でサンカノゴイの移転先としてヨシ原を造成した際残土が埋め立てられ、それが原因で雑魚やエビが死に、それを食べた鳥が死んだという市民のメール。残土を埋め立てている写真はアマチュアカメラマンが撮ったらしい。

 6月議会でのアクセス会社の説明では、ヨシ原は計画の半分ほど造成したがヨシの根付きが悪く研究中であること、サンカノゴイは夜行性なので特定は難しい(造成した葦原に)移ったという報告はまだない、と言っていた。しかし、魚やエビが死ぬような環境ではサンカノゴイだって簡単には引っ越せないだろう。突貫工事が進む中、いったいどこで身を潜めているのかしら?

 今日は昼間にテクテク歩いたので非効率だったから、近々早朝に出向いてもう少しちゃんと見てみたい。

 それとは別に・・・農道の土手や田んぼのあぜが除草剤で茶色に変色しているところがあちこちで目についた。稲が青々と育っているからよけい目立つ。もちろん、田んぼの中には草一本生えていない。なんとも異様な光景だ。

□2008年6月27日(金)

 苦手な事務整理。少し放っておくと私の脳ミソみたいにゴチャゴチャになってしまう。資料も見ないでたまっていく、見ても処分できないでためておく・・・溜息がでてしまう。

 今日は産直野菜の日。ケースに入っていた「産直ニュース」によれば、秋ナス、ヤーコン、サツマイモの苗が植え終わって、これからは夏野菜の管理や草取りに追われる日々が続くようだ。4、5月は低温・日照不足で、野菜に影響が出たらしいけれど、ソラマメは見入りが一気に進まなかったので長期に出荷できたことや虫の活動も抑えられたそうだ。

 「ニュース」には、農家の加代子さんが畑に米ぬかをまいている写真。加えて鶏糞もまいてサツマイモを植えたのだそうだ。この季節、加代子さんは草取りをしながらトマト、きゅうり、青はぐら、ニガウリなどのヒコ切り(剪定)。草取りで出てきた夜盗虫を入れるペットボトルも持参しての作業らしい。「自分で食べておいしいと思う野菜が一番、目指せ百姓!」という加代子さんの元気な野菜をありがたくいただく。

ケースは夏野菜の種類が増えてにぎやか。玉ねぎ、ジャガイモ、にんじん、ニンニク、ズッキーニ・・・ときたので今夜のメニュは冷蔵庫にあるトマト、マッシュルームとベランダ育ちのバジルを入れてラタトゥイユもどきに決まり!その他大根、レタス、サニーレタス、カブ、ルッコラ。

□2008年6月26日(木)

 「歴史と今を語り合う女性の会」例会。4月下旬の気温だそうでなんとなく肌寒い。例会は予定より1時間オーバー。ま、いつものことだけれど。

 朝日のオピニオン欄で恵泉女学園大学の上村英明さん(国際人権法)がアイヌ民族を先住民族と認める国会決議に関連して書いていた。政府は決議を受けて、有識者懇談会を設けて決議の実現を図ると約束したが、その懇談会にはアイヌ民族をいれないと言っているらしい。当事者を排除して政策をうんぬんしようなど、信じられない話。G8の一員だというなら、国際基準でやってほしいものだ。

 「日本は単一民族」などと妄言を吐く元総理大臣がいたり、「北海道旧土人法」(18991997)で差別してきた政府のことだから、先住民族の権利回復には及び腰なのだろう。上村さんによればこれまでも、例えば1982年に再開された「川を遡上するサケに対する伝統儀式(アシリチェップノミ)」に伴って「サケを取る権利」を要求したのに政府は認めていないという。サケを獲る行為は儀式と一体のものなのに、もし漁業権を理由に認めないとしたらお笑い。そんな権利が日本中の川や海に張りつく以前からアイヌ民族はサケを獲ってきたのだ。一事が万事、こんな調子だから世界の流れから遅れるばかりなのだ。

□2008年6月25日(水)

6日から始まった6月議会が終わる。新年度が始まったばかりなので議案も少なく、スイスイ終わった感じ。

 ところで、会期中に報告のあった公共事業の中で、合併の新市建設計画事業の一つであった「大栄野球場」建設の全容が明らかになった。野球にはほとんど興味がないのでよくわからないが、ビックリ。7000人も収容できるそうで、さしあたり平成22年の国体ソフトボールや野球、現在大谷津球場を使って行われている高校野球を誘致するという。「はじめに建設ありき」で始まった事業なので今後の利用状況などに注目。

 議会選出の農業委員4人が任期切れで今日そのまま横滑り選任された。農業委員の報酬が月額5万5千円(会長6万円)ということで、議会では人気?のポスト。会派や議員の力関係で決まる。かつて議会選出を決める際、最後の1ポストを2人の議員が粘って決まらず、朝まで付き合わされたことがあった。私は、農業委員会に議会枠などいらないと思っている。

 だいたい、成田市の農業委員会(定数29)の会議にかけられる主な議題は農地の転用や売買関係の書類審査窓口業務のようなものだから、私は「農転委員会」だと思っている。農業を守り育てるという認識で農業委員をやっている委員が何人いるだろう?委員の中には農地は持っていても自分でやっているのは家庭菜園レベルの農業委員もいる。「国のいうことを聴いていたら農業は滅びる」なんて口では言いながら、政府の農業政策の言いなりになっている委員も。

 議会選出の例をみるまでもなく、選出方法もヘン。今年は7月6日に農業委員の選挙があるけれど、選挙区ごとに事前に根回しで決まった人が「立候補」するから無投票当選。私が議員になってから17年の間に、選挙は遠山地区で1回あったきり。担い手である女性も、という要請が県や農業団体、女性農業経営者など各種団体から出されても、無視。成田市農業委員会は男の既得権を放そうとしない。市議会も、議会枠を一つでも女性の担い手に譲るという考えはない。

 国の地方制度調査会では、この農業委員会も存続が審議されていると聞く。さもありなん、だ。

□2008年6月23日(月)

 『赤毛のアン』記念切手を買った。発売間もないが売れ行きは好調のようだ。ルーシー・モンゴメリがアンを世に送り出して100年。カナダとの共同企画で、80円切手10枚1シートだが、そのうち8枚の原画は29年前の日本のアニメから。アンだけでなく、マシュー、マリラ、ダイアナ、そしてギルバートが描かれている。懐かしい絵だ。

 私が所属する「開かれた議会をめざす会」MLで、昨日の河北新報(宮城県の地方紙)配信記事に関する情報が流れてきた。「議員サン職務怠慢?天童市議会、一般質問なく閉会」という見出し。天童市議会(定数22)は、市長(79歳)が4月に脳梗塞で入院し、現在も糖尿病で自宅療養中。「市長不在の議会では質問しても意味がない」と全会一致で「一般質問ゼロ」に同意したのだそうだ。なんともはや・・・・。市長がいないと機能しない「自治体」なんてない。職務代理だっているではないか。

 朝日朝刊で「共存談合」という初めての造語?に出会う。リストラに危機感をもつ国土交通省北海道開発局と細る公共事業頼みの天下り先が共存を図った談合ということらしい。その仕組みが生々しく書かれていた。

 談合といえば先日成田市でも、市制始まって以来初めて公正取引委員会に調査を求めたという。土木関係5件が談合情報通りの業者・金額で落札したことで、情報が流れた入札前と、落札後の2度にわたり業者から事情を聴いたが談合はやっていないというので、それでは・・・ということらしい。公取委の結果を待つ。

□■□2008年6月22日(日)

 NPO法人「子どもプラザ成田」の総会が公津の杜小体育館で開催された。私は賛助会員。親子劇場からNPO子どもプラザになって5年経つ。事業内容も年々充実し規模も大きくなってきているし、

 鑑賞や遊びを通して、子どもや親同士のつながり、地域とのつながりを広げていっている。行政頼みでNPO活動が低調な成田市にあって、市民が自慢できるNPOだ。

 子どもたちはこの世に生まれてくるにあたって親を選べない。そして生まれた環境は子どもたちの境遇を大きく変える。

 厚生労働省によれば、児童相談所が対応した児童虐待<07年度に過去最高の4万618件(速報値)で前年度より3300件増。虐待を受けて死亡した子どもは03>06年の3年間で295人に上るという。295人の死亡事例内訳は心中が72件で103人、身体的虐待などが175192人。175件のうち48件では児童相談所が関わっていたものの虐待死を防げなかったという。親の力の前に、抵抗はもとよりいやだとすら言えない、幼い命が奪われていくことを想像してほしい。「助けて」という言葉を覚える前に虐待で殺される子どもたち。虐待する多くはその子をこの世に送り出した親だ。<

 親は選べないけれど、もし地域が虐待の危険にさらされている子どもたち一人ひとりをしっかりサポートするシステムを持っていたら理不尽な虐待から子どもたちを引き離せるのに。また、子どもを虐待する親の心の病を癒すプログラムがそろっていたら、理不尽な虐待から子どもを守れるのに・・・。

以前、子どもや高齢者福祉も大事だけれど、働いて家族を養い税金を納める世代の人たちをもっと大事にする政策がほしい、という声を聞いた。確かに、社会の中心を担う人たちの生活や仕事にゆとりがない、将来設計が不安だとしたら、とても幸せ気分にはなれないだろう。そうした環境で、どうして子どもだけが幸せになれるだろう。とりあえず、拒み続けてきたILO勧告を受け入れて欧米先進国並みの労働法制にすべきだ。

□2008年6月21日(土)

 夏至。原発に頼らない、無駄な電気を使わないための意思表示であった「100万人のキャンドル・ナイト」が、いまや日本列島一大イベントになりつつある。そのきっかけが5年くらい前の「電気を消して、スローな夜を」という素敵なキャッチ・コピーからだったらしい。そうなるともう止まらない。キリスト生誕を祝う「クリスマス」がキリスト教国でもない日本でビッグなお祭りになっているように、原発や環境問題に関心のない人もキャンドル・ナイト。

 私は、もともと原発を中心にした国家百年のエネルギー政策に疑問をもっていたことと、ロウソクの灯りが好きでよく利用していたので最初の呼びかけの頃から参加?してきた。用事があったりすると時間通りとはいかないが、夏至の夜の2時間はろうそくの灯りで過ごす。

 朝、新聞の死亡欄に米国の絵本作家ターシャ・テューダーの死亡記事が載っていた。92歳。私も、バーモントでの暮らしを通して伝わってくる彼女の生き方や考え方に惹かれてきた一人。かくありたい・・・と願いながらかなわないけれど。でも、これからも彼女の本のページをめくるときめきは変わらないだろう。

 坂田が池から風土記の丘をめぐり、初夏の匂いを胸いっぱいに吸い込む。<

 夜は市民団体の月例会。今日はほんとうに蒸し暑い一日だった。一日のすべてが終わり、さぁ、これからキャンドル・ナイト。

□2008年6月20日(金)

 実家から梅をたくさんもらったので今日は梅干しを漬けた。今年も赤ジソをいれようと思いJA冨里の販売所に電話したら、もう少し暑くならないとお店には出ないという。とりあえず、塩だけで漬けておく。残りは梅酒にしようと思うが、今日は時間がなくて後日にした。

 午後は委員会審査の最後、総務常任委員会。議案6件と報告2件。議案の6号市税賦課徴収条例の一部改正には反対した。来年10月から、年金収入が一定以上の人(18万円/年以上)の人を対象に個人住民税の年金からの天引きが始まる。現在も所得税や介護保険料、後期高齢者医療保険料が天引きになっている。反対の主な理由は、「天引き」をさらに増やす改正になっているからだ

 消えた年金問題」が未解決であるのにまた年金天引きとは・・・ということもあるが、それよりも何よりもこの「天引き」が問題。日本人はタックスペイヤー>としての権利と義務の意識が薄いといわれるが、そうなったの主な原因の一つに税の給料天引きがあると思う。

 納税者にしてみれば一人ひとりが自分で申告する手間が省けるし、徴収する側からすれば事業所などがまとめて手続きをしてくれるぶん手間が省けていいかもしれない。しかし、そんな効率や利便を優先したことを長年続けてきたことで健全な納税者意識が育つ環境になかった。国も地方も税金で運営されているのに、先進国の納税者でこんなに税金の使い道に無関心だった国民はいないだろう。政治とは、税金をどう使うか、ということなのに。

 納めた税金使い方を「おまかせ」してきた結果この国はどうなったか。公金を自分のサイフのように使う政治家や官僚が増え、無駄遣い、汚職、チェック機関である議会の機能不全が蔓延していったわけだ。

 税金は「納める」もので「とられる」ものではない。「とられて」好き勝手に使われるようなものわかりのいい国民は返上しないと。

□2008年6月19日(木)

 60回目の桜桃忌。そうか・・・太宰が死んでもう60年になるのか。太宰治という「人物」には興味はなかったが、彼の主な著書はほとんど読んだ。文学少女とはいえない私が読んだくらいだから、当時作家としての太宰の存在は大きかったと思う。自我に目覚めつつあった若者にとって太宰の作品は、彼がそのために苦しんだ過剰なまでの自意識、優越感とその裏返しの劣等感、いわば〝光と影〞に寄り添い、共感できる至福の時間だったのではないか。

 かなり影響を受けた人もいたけれど、私にとっては流行性感冒にかかったような思い出だ。ま、『斜陽』が好きだったくらいだから、感冒の程度も知れるというもの。でも、結婚して国分寺市に住んだ時、家から250メートルくらい先の小平市との境を玉川上水が流れていた。うっそうとした樹木に覆われ、深い掘割の底の流れを初めて覗いた時、ふと太宰の自殺を思い出した。この深さで増水した流れに飛び込んだら死ぬかもしれない、と思った記憶がある。

 脊椎動物の祖先はナメクジウオだったという結果が出た。全遺伝情報(ゲノム)を解読し、ヒトやこれまで先祖と思われていたホヤのゲノムと比べての結果だから、ナメクジウオじゃイヤだと言ってもムダ。「脊索動物の進化と脊椎動物の起源について、最終決着がついた。新たな学説はもう生まれない」んですって!すごいなあ・・・ヒトの遺伝子の9割がナメクジウオにもあるそうだ。以前BBCワールドでナメクジウオを研究している女性科学者の番組があった。ビデオにとってあるからあとで見てみよう。

 今日は建設水道常任委員会。会派控え室でテレビ傍聴。議案1件と報告3件。市営住宅南以後大団地建替事業、建築物の耐震化促進事業、大谷津運動公園内水泳プールのオープンについて

□2008年6月18日(水)

 午前中は久しぶりに実家へ。母の月命日でお墓参りに行くと、我が家の野菜畑の隅に植えた2本のビワの実が色づき、まさに収穫時を迎えていた。姪が幼い頃に種を庭に埋めたら芽を出したという実生のビワで、店頭のものよりも肉厚で種が小さいのが嬉しい。もぎたてのビワと掘りたてのジャガイモとダイコンをおみやげにもらって帰る。<

 そういえば今年は「国際イモ年」だそうだ。気候や土地にあまり左右されず収穫できるので、穀物など食糧危機を乗り切るにはイモを栽培しよう、ということらしい。確かに、タロイモ、ヤムイモ、サツマイモ、ジャガイモなど、熱帯から寒冷地までイモはどこでも食用にされてきた。

 ところで今年は「国際カエル年」でもある。国連っていろんな国際○○年を考えるものだ。

 午後、経済環境常任委員会を会派の控え室でテレビ傍聴。6月議会ではまだ一度も委員会室で傍聴していない。なんだかクセになりそう。付託されていたのは請願1件のみで、報告が7件。第2次成田市環境保全率先実行計画、成田山1070年祭記念行事、表参道入口モニュメント設置、観光循環バス19</span>年度実績、成田国際空港を核とした観光交流促進プログラムなど。

 以前新聞で切り抜こうと思ってうっかり忘れた記事を行政資料室でコピー。〝熟年離婚突如16%増・・・07年統計年金分割が影響か〞(朝日6月6日)、〝「カスリーン台風」備えるはずが・・・八ツ場ダム効果なし〞(同6月11日)。

□2008年6月17日(火)

 外出中カー・ラジオをつけていたら、20年前に発生した連続幼女誘拐殺人事件の宮崎勤死刑囚に刑が執行されたというニュース。あのおぞましい事件の記憶は今も残っている。犠牲になったあどけない表情の子どもたち、遺骨を入れて遺族に送りつけられた段ボール箱、今田勇子名の犯行文の文字、逮捕されたのはひ弱で寡黙そうな若者、家宅捜索時に映し出された壁面を埋め尽くしたビデオテープ・・・。幼女に暴走した男の生理と犯罪心理、社会病理など様々な角度から大きな衝撃を与えた凶悪事件だった。

 今日は3人の死刑囚が処刑されたということで、鳩山法相が在任中一体何人に執行命令を出すか注目が集まりつつある。「自信と責任をもって・・選んだ」と語る彼の表情を見て強烈な違和感をもった。マスコミの悪いクセで、そのうち「今度はいつ執行ですか?」などとしかけたり、カウント合戦が始まったりすることがないように願う。秋葉原の無差別テロ事件直後ということもあるのだろうが、死刑制度が犯罪抑止力にならないことだけは確かだと思う。

 午後は教育民生常任委員会。会派控え室でテレビ傍聴。議案6件と請願1件が審査された。「後期高齢者医療制度を中止し、撤廃を求める意見書採択の請願」は否決された。否決はしたが高齢者の怒りをかいたくない自民・公明から改正?を求める意見書が出る見通し。

 その他、学校適正配置に係るパブリックコメント、(仮称)大栄野球場の概要、十余三パークゴルフ場及び大谷津運動公園内水泳プールのオープンについて報告があった。<

 学校統廃合については、一般質問に対する答弁の中で「適正化はこうあるべきだ、という考えは揺らいでいない」という教育総務部長の発言が印象に残っている。「ご理解いただく」まで話し合う決意と見受けられた。豊住中、久住二小、東小はかなり急いでいるようだ。

□2008年6月16日(月)

 日曜日、JR成田線深夜11時頃千葉駅発の電車は、休日を女友だちとめいっぱい楽しんだらしい20歳代の若い女性たちがとても多い。成田まで約30分だから、この時間に乗れば沿線のどこに住んでいる子でも日付が変わる前には家に着く。シンデレラ・タイムは守れるというわけだ。

 それにしても、週末の深夜電車が酒とおやじの匂いがするのとは別世界みたい。私は久しぶりに日曜夜の市民運動事務局会議。終わった後みんなで食事を兼ねたイッパイをやってホロ酔い気分で電車に乗ったのだが、なんだか場違いみたい。そういえば、以前もそういう経験をしたことを思い出した。あの時は偶然だと思ったけれど、どうやら日曜日の深夜電車は若い娘であふれるらしい、と思った次第。

 今日は午前中が新駅・基幹交通網整備促進特別委員会。新高速鉄道、(仮称)成田ニュータウン北駅周辺整備、R464北千葉道路、首都圏中央連絡自動車道などについて、高速鉄道アクセス(株)の社長も出席して報告と質疑。控室で傍聴。

 午後は新清掃工場整備特別委員会。余熱利用施設基本設計案に対するパブコメの結果と市の考え方について報告。温水プールについていえば、パブコメではリゾート・スパ風よりも水泳のできるプールや誰もが利用しやすいユニバーサルデザインの要望が高かった。質疑なし。

 先日、香取市の市議6人が会派で行政視察を行った際、宴会に呼んだコンパニオンと野球拳をやったことが発覚。視察は政務調査費を使っていたことから「配慮を欠き不適切、深く反省」となったようだ。

 成田市議会でも、議会の懇親会や行政視察の際にはコンパニオンがつきもの。私の知る限り野球拳という話は聞いたことがないけれど。(議員全員がそう思っているとは思わないが)この類の酒宴では女性がいないと酒が飲めない、間がもたないらしい。また、どちらが客かわからないようなしつけのできていないコンパニオンが多すぎる。たまに参加してコンパニオン代まで徴収されるのを不愉快に思っていた。

 ところが香取市の不祥事が影響してか成田市議会にも思いがけない異変。今日新清掃工場整備特別委の委員長の話では、さしあたり6月議会の懇親会と議会終了後から始まる委員会の行政視察ではコンパニオンを呼ばないらしい。でも、これまではやめてと言っても無視し続けてきたコンパニオン付き宴会。合理性をもって自分たちの意思でやめたとは言えないのが残念。よその議会の不祥事があった直後だから今度だけよ・・・にならないことを願う。

□2008年6月14日(土)

朝、洗面・トイレ・風呂・キッチンの流しなど給水管の切り替え工事が入ったので午前中はもうタイヘン。足の踏み場もなく、工事の役に立つわけでもなく、終わるまで寝室に閉じこもっていた。業者が来て工事が始まった頃に地震警報。岩手県・宮城県で震度6強の地震が発生した。死者も出たが被害状況はまだわからない。寸断された橋や土砂崩れがエネルギーの大きさを物語る。

 3時間ほど狭い部屋に籠っていたため、普段は使わない机に向って、以前書き散らしたものを読んだり、アルバムを開いたり、なんだかとてもスローな時間を過ごせた。机は私が中学に入学した時に買ってもらったもの。思えば、この机とベッドをもって何回引っ越したことだろう。どこに住んでも、机はいつも目覚めた時私の目に入る位置にあった。

 先日、前市長が空港用地買収の工作資金として2千万円を用意して政治団体と会ったという、東京新聞の記事について記した。私は、もし前市長の言葉が本当だとして・・・と仮定して例の収賄事件での前市長の主張をもとにその2千万円の出所を想定したのだが、市民からそれとは別の見方があるという電話をもらった。

 前市長が政治団体に持参した2千万円の出所は○○○○が用意した資金か×××の裏金だというのだ!

 ただ、どこから出た金にしても、市長がそうした工作資金を持参して政治団体と会ったということ自体が問題であることに変わりはない。

 メキシコで先住民族が栽培してきたトウモロコシがモンサント社の遺伝子組み換えトウモロコシの汚染にさらされているという番組をみた。伝統的に栽培されてきたものだけでなく、野生の原種まで汚染されたらトウモロコシの「種」そのものが危機だ。以前栽培植物の原種を求めて山野に分け入るプラント・ハンターの番組を見たことがある。栽培種が病気などで弱ったり全滅でもしたら、原種と交配させて強い種類をつくるしかないというのだ。

 薬も同じ。ジャングルに入って、その周囲で暮らす人たちが利用する薬用植物を探す。新しい植物が発見されればその分子構造を分析して新しい薬品を開発する。自然を破壊したり汚染したりしたらその影響は人類の生存を脅かすということだ。

□2008年6月13日(金)

 エジプトのカイロで現地NGOと一緒にストリートチルドレンを支援している会津素子さんから嬉しいメール。彼女の活動報告はこちらのホームペーに掲載されている。素子さんのいつも変わらない優しいまなざしを感じさせてくれる報告だ。

 ところで、何年か前に成田市からも職員が青年海外協力隊でジンバブエに派遣された。職員の身分のまま派遣するのに条例を改正したのを記憶している。せめて滞在中は定期的に「広報なりた」などにコラムでいいから感想なり活動報告を載せたらどうかと提案したけれど反応なし、だったのを思い出した。

 委員会のトップをきって空港対策特別委員会。自分が所属する委員会はこれまでは委員会室で傍聴していたが、今日は自分の控え室のテレビで審議の様子を観る。9市町による「成田国際空港都市づくり」の今後の進め方について報告と質疑。

 晴れて暑い一日だったけれど、このところ天候が不順でジメジメしていたのでスカッと気持ち良い。6月に入り、北向きの部屋にも朝日と夕日が差し込むようになった。夏至ももうすぐだ。

 純米酒とケンティフォーリアという薔薇の香りをブレンドしたお酒「プリティ・エンジェル」をいただいた。〝恋の味〞だというので舌をあっちこっち転がしてみたが、恋ってこんな味がしたかしら?もうすっかり忘れてしまった。いや、このトシまでに何度か恋をしたけれど、恋ってこんなに甘ったるい味ではなかったゾ・・・な~んて、あの人、この人を思い出しながら飲んだ。それにしても、オババにこういうお酒をくれるなんて・・・長い人生、忘却の彼方にあったいろんな恋を思い出しちゃうじゃないの。

□2008年6月12日(木)

 一般質問が終わる。明日から委員会審議が始まる。市民の傍聴可だから、一人でも多くの市民に傍聴してほしい。

 昨日車を運転しながらNHKラジオを聴いていたら、銀座で養蜂業をしているという人が話していた。いま皇居のどっかでユリノキの花盛りらしく、ユリノキの花は蜜の量がとっても多いのだそうだ。来年はニュータウン中央通りでもユリノキの花が見られる(だろう)。それと、郵便局通りではニセアカシアの美しい花とうっとりするような甘い香りも。・・・どちらもいままで秋になると骸骨みたいに枝を伐採されて花を咲かせる機会がなかったから、咲くのを忘れてしまっていないことを祈る。

 それにしても、ニュータウンが造成された時に植えられて以来30年以上も一度として花が咲く機会を奪われていたのに、突然来年咲けと言われても・・・ねえ。でも、木のほうが寿命が長いから大丈夫だよね?今日道路維持課長と街路樹の件で話している時、来年咲かなくてもさ来年が・・・と言ったので、単細胞の私はそうね!と気をとりなおした。

 朝日朝刊県版に、昨日最高裁第一小法廷で小林前市長の上告を棄却する決定がなされたという記事。決定が送達されてから3日間の猶予で異議申し立て期間があり、それが却下されれば刑が確定し収監されるという。

 同じ県版に、県教委が昨年実施された全国学力・学習状況調査の結果を発表したという記事。ところが、県教委の依頼を受けた専門家などで構成する第3者委員会の分析「生活環境が学力格差を生じさせている」という指摘が県教委の発表にほとんど生かされていなかったという。第3者委員会は「学校や市町村の置かれている経済的状況と、生徒の学力には明確な関連が見られる」という結論は、「学校現場のみでは対処しきれないことが多かった」というのが県教委の言い分。

 だったら、公教育って何なのよ・・・。

 親の経済力が子どもの学業成績に反映するというのは、もう20年以上前、東京都の高校教員をしていた大学時代の友人から聞いていた。近年それは規定の事実だ。今度は、言ってみれば自治体の財政力、教育予算だ。

 成田市で校長をしていた人が某自治体に移動し、成田がいかに教育に予算を配分していたかを実感したという話を聞いたことがある。親にしても自治体にしても、もちろん成績を上げるのにお金をつぎ込めばいいというわけではない。しかし相対的には、お金をかければあるところまでは学業成績が上がるという。同時に、古い言葉で「孟母三遷」(子どもの頃母から聞いたのだが、孟子のお母さんは彼を育てるのにより良い環境を求めて3度引っ越した)というが、子どもが育つには家庭や地域、さらには社会全体の環境も大切。

 そんなこんなで私は第3者委員会の意見には納得したのだが、県教委は教育現場特有の発想というか論理で、教育を取り巻く社会状況を総括から捨象しようとしたようだ。一事が万事とならないように願う。

□2008年6月10日(火)

 今日から一般質問。インターネット中継が始まる。今日は6人が登壇するため朝10時から夕方5時まで昼食や休憩をはさんで議場。従って、昨日の夕刊による今日の私の運勢は「実力を存分に発揮できる日」で★3つだったけれど、自分の席に座りっぱなしで実力を発揮するチャンスがなかった。それどころか、もともとじっと座っていることが苦手なので苦痛に耐えた一日だった。

 帰りに事務局が市民から私宛にと預かったという新聞コピーを渡される。東京新聞5月20日号のコピーで、「検証ナリタ」という記事。それによれば2005年春のこと、小林前市長は個人で工面した現金2000万円が入った紙袋を「空港が一望できるホテル最上階の飲食店」で政治団体関係者に渡したのだそうだ。その目的は「『反対派農家の支援団体に対し、農家移転に協力するよう働き掛けてもらう謝礼だった。・・・』」というのだ。・・・!

 前市長は、収賄事件で「私利私欲にかられ・・・」と断罪されたことが心外で、敗れた控訴審では、業者からもらったワイロは実は私利私欲のためではなく空港問題「解決」のために使ったのだ、成田空港反対運動や沖縄基地反対運動に介在していた「勝手連」とかいう団体に工作資金として渡したのだ、と主張していたらしい。その後上告したというが、(この記事は)それを新聞という公器を使って抗弁したということか。

 疑い深い私にはとても前市長のその言葉は信用できないのだが、百歩譲って事実としても、そういう世界にうごめく「政治団体」に市長として工作資金を渡すというその感覚をさらに疑ってしまった。東京新聞も後味の悪い記事を載せたものだ。

□2008年6月8日(日)

 先日専門家から立地条件に関連して幾つかの指摘を受けたので、市内で建設中の安定型産業廃棄物処分場とその周辺を調査。今年初めの調査は『たいむ』65<号で報告。さらに山が削られ地肌がむき出しになっていた。成田市の説明では山砂は覆土用に使うという話だったが、山砂は売って、代わりに残土を埋めることがないよう、チェックが必要。

 なぜ、私がこの場所に注目しているかというと、狭い林道を隔てた隣りには、既に約130万立方メートルもの産廃が素掘りの穴に埋まっているからだ。一か所にこれほどの産廃を集中して埋めることで、環境にどういう影響を与えるか注意してみていかないといけない。

 周囲は深い山林に谷津田が切り込むような地形。処分場建設現場へは草いきれが立ち上る山道を上り下りする。山道でキイチゴがなっているのを見つけた!しかも完熟。季節の恵みをいただく。

 田植えが終わった谷津田側より現場を見る。専門家は透水性の高い土壌だという。左奥に埋設されたヒューム管から水が勢いよく流れ出ていた。(右)林道側から。削った山の数か所に青いシート。雨水の侵食を防ぐため?<専門家は、彼が見てきた安定型処分場では「最も(汚染の)危険性が伴う処分場」とのこと。</FONT>廃棄物の展開検査をより厳しく行わなければいけないという。

 歩き足りなかったので、その足で、坂田が池へ。杉の大木にからまって毎年見事に咲いていたテイカカズラが、生え際で断ち切られ枯れていたのにはショック。管理組合はどうしてこういうことをするのかしら?

 林床ではオカトラノオの蕾がふくらみ始め、ドクダミの花の白さが目にしみるようだ。ドクダミのクセのある香りも森の草木の放つ香りに混じるとひときわ清冽さを醸し出すから不思議。坂田が池は初夏の風情だ。でも、今日もアイガモたちの姿を見かけることはなかった。1羽泳いでいるのを見ただけ。ほんとうに、どうしちゃったのかしら?

 ABCでヒラリーの撤退演説を聞いた。世界中の女性たちは、あのヒラリーでさえ屈辱的な性差別にさらされることを思い知った。ヒラリーは民主党大統領候補を選ぶ選挙戦を振り返り、「メディアは性差別に寛容だった」と語ったという。根強く残る性差別をメディアが助長したことは確かだ。それでも彼女は素晴らしい選挙をやった。これ以上望めないほど戦いきったと思う。だから、ヒラリーの敗北でアメリカの女性たちが政治への情熱を失わないよう願っている。

□2008年6月6日(金)

 6月定例市議会が始まる。議案で提出されていた教育委員の任命については、議会の初日に職務代理で教育総務部長の関根賢次さんが新教育委員として同意された。人事案件の初日先議の理由は前大須賀教育長が病気療養で辞職後、教育長不在を解消するためとか。関根さんは市の職員を辞職して就任。

 市長とすれば、当面する学校の統廃合などハードな課題などを教育界にしがらみのない?関根さんの手腕で乗り切りたいということかしら。ただ、教育界にしがらみがないことをテコに、市長が密かに熱望するアノ歴史・公民教科書には手をつけてほしくない。

 夕方からニュータウン赤坂センター地区振興検討協議会が開かれ、市長に提言書を手渡した。庁内でもすでに検討委員会を立ち上げ、今年中には用地購入を含めた成田市の結論を出すようだ。企業庁によれば、センタービルの解体費用は実施設計を含め今年度予算で計上されているという。ニュータウン建設以降市民とともにあったセンタービルも、時代が移り変わる中で役割を終える。感慨を抱く人も多いのではないかしら。

 衆参両本会議で「<アイヌ民族を先住民族とすることを求める国会決議」が採択された。やっと事実を認めたわけだ。その上で、長い間差別され奪われてきた諸権利を回復するための政策を進めなければいけない。

 例えば、オーストラリアのウルル(エアーズロック)に行った時、そこを観光スポットとして利用するために周辺に住んでいたアボリジニ=アナング(彼らはみずからをそう呼ぶ。人々、人間という意味)には地代が支払われていると聞いた。そういえばアイヌも「人間」という意味だそうだ。日本だって同じじゃない?尊厳だけでなく、土地や資源などアイヌ民族から奪ったものを何らかのかたちできちんと返していかなければいけない。先住民族と認めるということは、そういうことだ。無責任な自民党政府がそこまで認識していることを願う。

 ところで、決議ではアイヌ民族を列島北部周辺特に北海道先住していると、特定しているけれど、いいのかしら?実は、日本海を挟んだ列島全体に住んでいた先住民とも言われるのだ。

 狩猟・採集を中心にゆるやかな定住生活を送る時代が続く中で、中国大陸→朝鮮半島から稲作技術や文明を携えた移住者が繰り返しやってきた。征服されたり同化したりの氏族や部族もあったろうが、中央権力の及ばない北と南の地が安住の地になったのではないだろうか。北の先住民アイヌの場合、平和な暮らしは松前藩によって破られ、明治には「旧土人」と差別され、サケなど食糧や文化そのものが収奪され、同化政策がとられた。

 差別がどれだけ心を傷つけていたかといえば、知人に聞いた話だが、あるアイヌの人は「アイスクリーム」の文字のアイスを見ただけでドキッとしたという。

 哲学者の梅原猛さんは、『古事記』を訳している頃、なかなかいい現代語が見つからない時にアイヌ語辞典を引くと、まさにこれ!と思われる言葉に出会う時があったと語っている。日本列島の先住民族と呼ぶべきじゃないかしら?

□2008年6月5日(木)

 後期高齢者保険の保険料、「低所得者ほど負担増」という厚生労働省の調査結果がでたという。国保だった時は自治体によって独自の軽減措置などがあったのが、広域連合の後期高齢者制度では独自策がとれなかったために保険料が上がった、という説明。大都市では低所得者の8割が負担増だったらしい。

 それにしても、制度導入にあたっての説明とは逆の結果。厚生労働省のいい加減さがまたまた怒に火を付けたかたち。こういうことは基本のキだろうにお粗末な話だ。

 米民主党大統領候補指名争い、ついにヒラリーは撤退を決め、オバマ支持を表明するらしい。ひょっとして、と女性大統領の誕生を期待したので残念。でも、初のアフリカ系か女性かでいろいろ考えることの多かった候補者選びだった。こうなったら11月4日の大統領選挙ではアフリカン・アメリカンの大統領誕生を期待する。作家の塩野七生さんが2日朝日のオピニヨン欄の対談で、ローマ帝国を例にあげながら「アメリカよ寛容であれ」と言っていた。オバマ合衆国大統領の誕生がその扉を開けてくれるといいけれど。

 書店で『ニュートン』7月号を買う。この前の『論座』は迷いつつ買ったのだが、ニュートンは衝動買い。特集の「宇宙論」という文字がドーンと迫ってきたらもう手に取ってレジに直行。みるみる理解できる80ページ、とある!小学生の頃から私を悩ませてきたテーマがいよいよ解決するかもしれない・・・と、期待に胸を膨らませてとりあえず急いで結論だけ読んだのだが・・・やっぱり理解できなかった。ま、いいっか。みるみる理解できると信じた私がバカだった。というか、私の理解力が足りないというのが正しい。でも、興味のあるテーマが盛りだくさんなのでいつか時間のある時にじっくり読んでみよう。

□2008年6月4日(水)

 午前中議員団研修会。講師は岩手県滝沢村前村長の柳村純一さん。滝沢村は村としての人口が全国一で、平成17年の国勢調査で53,559人!東北自動車道をはさんで盛岡市に隣接しているから、ベッドタウンなのかしら?10年くらい前、沖縄の読谷村の人口が3万5千人位と聞いてびっくりしたけ。読谷村の人は「村」のままでいい、と言っていたけれど。

 柳村さんは、村長当選から分権時代に対応した行政組織改革・職員(公務員)の意識改革に着手し、当初はそっぽを向いていた職員をやる気にさせ、住民も自治意識に目覚め、住民が自らの手で道路拡張工事をやり遂げたことがテレビでとりあげられるなど、話題が盛りだくさん。自信に裏付けられた話だった。 

 歯に衣着せぬ内容も方言でやるから愛嬌があり、おまけに公務員批判と改革の成功談、こういう講演は市民が聞いたらきっと受けるだろう。市民にも公開したらいいのに。

 研修会前に開かれた議員団幹事会で、小泉市長から執行部(部課長)と議員団で野球の親善試合、終了後懇親会をやりたいという申し入れがあった。その発想に???だったが、希望者参加となった。そういうことで「親善を深める」気はないので私は不参加。それにしても真夏に議員と親善野球とは、付き合わされる部課長もお疲れ様、だ。

 午後、6日から始まる定例会の議案説明会。

 先日、旅先で香り高く美しい花をたくさんつけたニセアカシアを見て、思わずうっとり。でも、葉と樹皮をよく見たら、これはニュータウン中央通りから赤坂の郵便局前を通って中台中学校あたりまで植えられている街路樹ではないか。花をつけたのは一度も見たことがないけれど。ユリノキ同様、秋に早々と枝をすべてバッサバッサと切ってしまう。翌年花芽をつける枝を切ってしまうのだから、花が咲けるわけがない。

 ニセアカシアは花の美しさで公園や街路樹として植えられているという。ところが、成田では一度としてその花を咲かせることができなかったわけだ。だから市民も花の美しさを愛でることができない。いったい、何のための街路樹だ。まだ葉が青々している季節の伐採には合理的な理由など何もない。

 道路維持課によれば今年はユリノキ同様ニセアカシアの枝を伐採しないということなので、来年は両方の花を見ることができる。成田市の間違った管理方法で何十年も花を咲かせることができなかったけれど咲いてくれるよね?

 次々と咲き始めた足尾のニセアカシア(和名ハリエンジュ)。マメ目マメ科ハリエンジュ属。トゲがあったり風で倒れやすいが、人や自転車が通る高さを剪定し、周囲を杭などでしっかりガードすれば郵便局通りのニセアカシアは見事な花を咲かせるだろう。そもそも、樹の性質を知った上で街路樹に選んだのでは?

□2008年6月3日(火)

 一般質問の打ち合わせ。それとは直接関係ないが、嬉しいことを聞く。これまで数十年にわたって年中行事のように有人ヘリコプター→無人ヘリコプターで一斉に実施されてきた水田への農薬空中散布が、実施する、しないも含めて地区ごとで決めて行われることになったという。散布を実施しない地区もあるようだが、中にはこの際殺虫剤も、という地区もあるらしい。

 成田市は県下で唯一殺菌剤(最近はカスミンバリダシン)のみを散布してきたので、従来通り殺菌剤のみなら補助金の対象となるが、殺虫剤を混合した薬剤散布には補助金は出ないという。ちなみに同じ成田市でも大栄、下総地区は香取植物防疫協会で実施しているが、殺虫・殺菌剤混合なので補助は出ない。

 ふと、農村地域で地区ごとに散布となると隣近所の手前、右にならえで散布面積が広がるのではないかと心配したが、農政課によれば「今はそういう時代ではない」とのこと。散布面積でいえば、無人ヘリに全面転換した昨年は06年のおよそ3分の1に減った。今年はどうなるかしら?今後本当の意味で適期・適所の散布に近づいてくれることを願う。

 ただ、無人ヘリは有人ヘリよりも希釈濃度が100倍も濃いこと、これまで通りの安全確保や周知徹底や行われるか、農政課がどこまで指導や把握ができるか、いくつかの気になる点は残る。

 それにしても、山林の松枯れ防止のための農薬空中散布中止のあと、水田への空中散布反対に取り組んでもうずいぶん経つ。01年、松崎の保育園そばで早朝飛散調査をしている時、空中散布を手伝う農家のおじさんが来て「あんたが足立満智子さんかい?」なーんて聞かれてしまったくらい、悪名高かった?私だけれど、別に農家を敵に回す考えなどない。農薬汚染の影響を一番うけるのは農家だし、成長期の子どもたち。それに、空から農薬を撒くという野蛮な手法や、広範な空気・水・土が農薬で汚染されるといった一斉散布はやめて、と言っているだけだから。

 とにかく成田市が「一斉防除」の考えから抜け出たことを評価したい。

□2008年6月2日(月)

 産廃の管理型最終処分場エコテックをめぐる控訴審で東京高裁へ。1審の千葉地裁で住民が勝訴し、敗れた千葉県が控訴したもの。前回同様次回期日を決めるやりとりで終わったが、それ自体が法廷戦術であることは門前の小僧でよくわかった。報告会で弁護団から争点をめぐる説明があり、前回同様いろいろ勉強させてもらった。その中で、水戸の処分場問題では最高裁で住民が勝ったことを知る。1,2審で住民が勝った富津市の処分場問題も最高裁に上告されているが、まだ動きがない。住民の願いが届くことを祈る。

 5月31日(土)・6月1日(日)の2日間、田中正造と足尾鉱毒事件現地調査に参加。

 渡良瀬遊水地の展望台で毒溜池の全体を見学、正造ゆかりの佐野市郷土館、鉱毒水に苦しんだ太田市毛里田では鉱毒根絶同盟会長の案内で祈念鉱毒根絶碑や建立の経緯の説明を受ける。

 夜は携帯の電波が届かない足尾町銀山平の国民宿舎かじか荘に宿泊。2日間の行程をバッチリ案内してくれたガイドの坂原辰男さんを囲んで参加者の交流会。坂原さんは田中正造大学の事務局長さんで、彼のおばあさんが正造におんぶしてもらったという家系の人だ。かじか荘の天然温泉庚申の湯で疲れをとる。夜は闇に包まれていて気付かなかったが、朝、露天風呂に入ると絶景!前日の雨があがり、迫ってくる山の緑に溜息。

 2日目は連行されて送り込まれ命を落とした中国人、朝鮮人の慰霊碑小滝、足尾歴史館、環境学習センターなどの見学、55年前に日本最大の砂防ダムといわれ、今は亜硫酸ガスで地肌むきだしの山から流れる砂礫ですっかり埋まり草原と化した足尾ダム、明治時代に廃村となった旧松木村へ。

 この旧松木村に投棄してあるカラミと呼ばれる胴精錬の残渣捨てた場所を中心に山間を産廃処分場にしようという企業の計画。以前ここにプルトニウムが廃棄されていたのを発見したのが坂原さんだった。この産廃処分場計画はなんと「ガイヤ計画」と呼ばれているらしい。一度はつぶされたものの完全には消えていないようだ。

 朽ち果てた精錬所の対岸にある龍蔵寺では悲惨な職業病「よろけ」で肺を病み死亡した渡坑夫の供養塔や親分子分の扶助組織友子(ともこ)同盟の説明を受ける。

 歴史館を見学して渡良瀬川の鉄橋を渡る時、山間に見えた原堆積場と、その真下に広がる足尾町には背筋が寒くなった。銅を精製する過程で出たカスや沈殿物、残渣を堆積した場所だが、もしコンクリートの壁が決壊したら下の足尾町は甚大な被害を受けるだろう。

 地中深く滲み込んだ亜硫酸ガスや鉱毒による汚染の影響は今も続いていて、足尾事件につながる問題はまだ終わっていないことも思い知った。足尾銅山を世界遺産に、という運動もあるようだが、その前に、やらなければならないことがたくさんある。現状では「負の遺産」としても時期尚早だと思う。案内の坂原さんは、もっとたくさん私たちに見せたい場所があったようだが、限られた時間内で案内してくれた場所だけでも、足尾鉱毒事件のもの凄さを実感した。それは、日本が近代化する過程で発生した国家まるがかえ企業事件の罪深さでもある。

 国は亜硫酸ガスで草も生えない荒涼とした山を緑に変えようというプロジェクトを実施している。でも、順調に進んでもまだ何百年もかかるのではないかしら?ちょうど一部の山肌がエニシダの花盛りだった。「植物としては他の植物の生育を妨げるが汚染に強い」ので種をまいたとか。地固めには役立っているのだろう。ふと、ちょうど今頃フランスの高速道路脇に延々と咲いていたエニシダを思い出した。

 後方は廃墟(事実は産廃の捨て場)となった足尾精錬所、足尾ダム。雨上がりにここから流れ落ちる水は今も下流で濾過して放流される。山肌の黄色がエニシダ。(2008年6月1日)

□2008年5月30日(金)

 6月議会一般質問の通告締め切り。県の里山保全条例と差別禁止条例に関連する質問をする。今回は14名の通告があったようだ。私は2日目かな。

 市と市教委に4月19日に上映した田中正造ドキュメンタリー映画『赤貧洗うがごとき』の後援をもらったので、遅ればせながら事業報告書を提出する。

 千葉、柏での赤貧上映会をきっかけに、明日31日と6月1日の2日間田中正造の活動の軌跡をたどる赤貧バス・ツァー。私も参加する。本格的に田中正造に迫るのは初めてなので楽しみ。ところで、映画会準備中に知ったのだが、いまどきの若い人の中には「『赤貧』ってどういう意味?」って聞く人が結構いたらしい。・・・かもね。

 現地時間で28日、クラスター爆弾の禁止条約作りを目指す有志国の「オスロ・プロセス」はダブリンで開かれた国際会議で事実上全面禁止する条例案に合意したという。地雷禁止の時同様、こうした粘り強い成果には本当に胸打たれる思いだ。日本も同意することが報じられた。防衛のためと称して市民を殺傷し続ける爆弾を保有するなんて、どう考えても説得力はないのだ。

 今日も寒かった。夕方からは冷たい霧雨。今年は気候が不順なようだ。今日届いた野菜ケースに入っていた「産直ニュース」では、低温と日照不足で野菜に生育の遅れがみられるという。4月が低温だったらしいが、5月も暑い日はあったものの、おおむね低温だったらしい。らしい、なんて言うのは、私なんか暑いの寒いのと騒いでいてもその日限りですぐ忘れてしまうからだ。でも、農家は目の前の野菜相手だから忘れようもない。ナス、ピーマンは本来ならグングン成長する時期らしいが、なかなか大きくなってくれないという。私の好きなズッキーニも実はつけたものの成長が遅れ、梅雨時にかかると病気にかかりやすいそうだ。

 それに比べ雑草だけは天候に関係なく元気に成長しているらしい。無農薬・有機栽培にとって気が休まらない季節に突入!雑草との闘いだ。それと、台風4号の影響もあったらしい。でも・・春野菜は元気!今日のケースの野菜はダイコン、サニーレタス、白菜、ニンニク、ソラマメ、カブ。早速ソラマメを塩ゆでにして黒ビールのおつまみ。カブは塩もみしてレモン汁。残ったものはとりあえず新聞紙とビニールで包み、冷蔵庫の野菜室へ。

 それで納得したのはスイカ。毎年今頃は冨里のお店から娘やグランドサンにスイカを送るのだが、今年はスイカの入荷が遅れているという。ハウス栽培といえども天候に左右されることに変わりはない。「憲法と農業は国の基本」と言った井上ひさしさんの言葉をかみしめる。

□2008年5月29日(木)

 ここ数日、特定検診と個別検診に関し聴き取りや情報交換をした。きっかけは佐倉市議のKさんからの問い合わせだったが、考えてみたら、私自身この制度そのものや成田市の状況についてかなり大雑把な理解だったことがわかった。

 その中でわかったのは、同じ業者に委託して、特定検診では成田市は市民一人がスタンダードな検査項目を受診する基本検診が4650円であるのに対し、佐倉市は5500円。また、医院や病院など医療機関で受診する個別検診では、一人当たり成田市が6699円で佐倉市は8500円。

 県内各地をみただけで、保険者と委託業者との契約に巾があるらしいことがこれでわかった。厚生労働省は競争原理が働くと言っているらしい。それでも、わからないことが多い。私も別な角度から特定検診を批判的に見ていたけれど、価格の妥当性の問題に取り組むKさんにはいろいろ教えられた

 またや成田市民は集団検診、特定検診や個別検診など無料で受信できるが、佐倉市では市民から集団検診で1000円、個別検診で3000円を徴収しているようだ。冨里市も集団検診は300円、特定検診は1000円徴収とのこと。これは成田市のサービスが充実しているということだろう。

 夕方から上智大学で開かれた「市民が広げる議会公開~傍聴を閉ざす議会とメディアの欺瞞」というシンポジウムに参加。きっかけは知人のフリー・ジャーナリストが大阪市議会委員会を傍聴しようとして拒否されたことから始まった。大阪市議会はまだ市民の傍聴を許可せず、記者クラブに加入する会社の記者のみ傍聴できるらしい。その記者クラブも議会のとった対応に対し無視を決め込んでいるという。彼は、主権者を排除する議会の課題や既得権にアグラをかく大手メディアなどの現状について実態改善や問題提起を続けている。

 記者クラブ制度やジャーナリズムの立ち位置を通し、メディアが抱えている問題の核心に迫る刺激的な内容だった。参加者のほとんどは新聞・TV・出版などで仕事をしている人たちで、顔見知りも何人か来ていた。議論の続きは懇親会で、ということで四ツ谷駅近くのお店に。帰った時は日付が変わっていた。

□2008年5月28日(水)

 今日、〝平和のためのヨーロッパ〞から発信されたメールがPAC3反対のメーリングリストを通して送られてきた。5月13日からチェコスロバキアでのPAC3配備に反対するハンスト開始の報告。件名は「新しいプラハの春!」

 私もオンラインで送った請願署名が9万名を超えたことが報告されていた。目標は50万人だそうだ。メールの中から・・・「米軍基地の問題は我々にとって国際安全保障の問題だけでなく、民主主義の問題だ。・・・このやり方は、我々に1989年以前の時代を思い出させる-われわれが繰り返してほしくない時代を-。」

 「ヨーロッパは『スターウォーズ』計画に『ノー』と言う。」「食料価格の非常な高騰、教育や医療の危機的な欠乏を生じている世界的な経済的危機の瞬間に、戦争と兵器の生産に何百万ユーロを使うのは本当に狂っている。このような世界史の困難な瞬間に世界を崩壊に導くいかなる政策も支持してはならない。・・・」

 ヨーロッパで、アメリカのMD戦略に基づく< PAC3配備に広汎な反対運動が広がっているという。日本の政府も、住宅に囲まれた習志野基地はじめ各地の自衛隊基地にPAC3配備を進めているのだが・・・。

 羽田国際化が進む中で危機意識丸出しの発言が続いていたが、最近(政府からのテコ入れがあったのかどうか)知事の発言などは「内際分離論」から成田・羽田の「ハブ機能分担論」へとシフトしつつあるようだ。今日の朝日県版でも、NAA社長の「4つの国際空港は互いに競争するというのではなく力を合わせないといけない。羽田を意識して(発着回数)30万回というのではなくそれぞれが成長することが大切。その上で・・・」といったコメントが載っていた。

 そういえば日曜日のシンポで前商工会議所会頭が「敵(競争相手)は羽田ではない、仁川(インチョン)だ」と檄を飛ばしていたっけ。羽田にシットしている場合じゃない、ということか。実際、新潟県周辺の人たちは新潟空港から仁川経由で欧米に向かっているという。

 誘惑に負けて『論座』を買ってしまった。朝日の文芸時評で、作家の笙野頼子さんが「だいにっほん」三部作(『だいにっほん、おんたこめいわく史』『だいにっほん、ろんちくおげれつ記』『だいにっほん、ろりりべしんでけ録』)を完結させたことを記念?し、『論座』が笙野特集を組んだことを取り上げていた。タイトルから想像して三部作を読むのはシンドそうだから、特集だけ読むことにした。


□2008年5月27日(火)

 昨日の今日で何だかヘンな予感がして、坂田が池に行ってみた。奥の水生・湿性植物園のスイレンはもう赤や白の花が咲き始めていたが、池を覆うように繁殖していたハスは葉がやっと水面に浮いてきたばかり。花は7月から8月だから先の話だけれど、刈り込んだ影響がでないか、素人考えかもしれないけれど気にしている。

 それより何より、水鳥がいない!いつもは渡り鳥が帰ったあと、定住?したカルガモなどが枯れ残ったハスの間をスイスイ泳いでいたのだが、池の周りをぐるりと見て回ったところカルガモは全く目につかなかった。見渡す限りさえぎる物のない水面を一羽だけ、顔だけ白い小さな黒い水鳥が餌を探して泳いでいるくらいだった。

 おまけに、アイガモ。泳いでいるのが4羽、山の木立の間で羽を休めているのが2羽、アシの間に3羽しか見当たらない!あとはどこへ行ったの~?!池のそばの農家に行って、軽トラで出かけようとしていたおじさんを引きとめて聞いたら「田んぼに行ったんじゃないかい?」・・・!それから、昨日まで疑問だったことが一つ解決した。おじさんの話では、アイガモは卵を産んでも産みっぱなしで育てようとしないらしい。ヒナをみかけなかったことの謎?が解けた。マガモとアヒルの雑種で、食肉用なので自分から繁殖できないのかしら?・・・でも、毎年アイガモが増えていたのはナゼ?またわからなくなってしまった。

 お弁当(といってもおにぎりとおかずが少しだけど)を持って出たのでガゼボで食べながら池を見渡していたら、ハスを刈り取り、外来魚とはいえ魚を一網打尽にしたら水鳥も暮らしにくいのではないかと思った。


□2008年5月26日(月)

 坂田が池の外来魚駆除作業風景の写真を見せてもらった。昨年11月に公園緑地課と坂田が池公園の管理組合が実施したもので、池の水をほとんど抜いて水たまりをつくり、そこに魚を追い込んで小舟の上から魚網ですくう。ゴム製の作業着を着て池に入る人もいたようだ。管理組合は地元の人たちなので池は身近な存在。顔にはねた泥を泥水でバシャバシャ洗ったりする人もいたようだ。きっと、子どもの頃は格好の遊び場だったのね。

 3年前に初めてやった時は、2tトラック2台の荷台がブルーギルで満杯になった写真をもらった。3年目でだいぶブルーギルも減ってきたようだ。網にかかった魚の中からコイやフナは再び池に戻すという。

 池全体にわたる大がかりな作業なのでふと思ったのだが、11月といえば渡り鳥が訪れる時期。影響はないのかしら?びっくりしてよそに移動したりするのではないかしら?冬に行った時、水鳥の数が減っているように思ったのはそのせいではないかしら?誰かに聞いてみよう。

 先日行った時は水生植物園の土手で長さ1メートル以上胴回り最大で3センチ以上のヘビをみつけた。ジャンボだけど柔和な表情でつぶらな瞳だった。春先にはよく長さ30センチメートルくらいの小さなヘビに出会うが、こんなのは久しぶり。 最初に2羽置き去りにされたアイガモもいまではおそらく40羽くらいの大所帯になって、池のあちこちで数羽から十数羽の群れで暮らしているようだ。でも、ヒナを見たことがない。ふつう親と一緒だと思うけれど。これも誰かに聞いてみよう。

 アイガモに餌をやる人がいるのは困りものだが、人慣れしているので愛嬌があって見ているだけで楽しい。

□2008年5月25日(日)

 成田空港圏大合併を推進する団体による「国際空港づくりシンポジウム」が開かれた。この団体が周辺自治体で集会を開いたり、先日は新聞折り込みのチラシをまいたりしてかなりボルテージが上がってきているようなので「百聞は一見に如かず」で、私も参加してみた。

 成田市関係でいえば県は、第2次合併として成田市・冨里市・芝山町・多古町・栄町・神崎町の2市4町合併を構想している。挨拶には千葉県の副知事、立場上まだ第1次成田市合併の検証中?で表向きは合併推進の旗を振りにくいけれど、意欲満々の小泉市長、空港圏大合併の旗振り役推進連絡会の会長。

 講演は東大大学院教授の森田さんで、千葉県市町村合併推進審議会会長というだけあって県の合併策を政策論的に後押し。空港中心に空港周辺が合併することを前提に、これからどうあるべきか、何をすればいいか、地元から発信していくこと。国に頼るのではなく自分の頭で考え政策をつくっていく必要がある、と語る。あれ?これって最近いろいろな人から耳にする言葉。そうか、出所はこの人だったのか・・・と納得。

 その後パネリストとして、利根川から太平洋までの空港圏大合併を提唱し、議会に否決されるや突然辞職してしまった小川元市長、自立と共生の共同住宅を運営し、新しいコミュニティづくりをめざすNPO代表で建築家の夏目さん、合併の旗振り役成田市商工会議所(成田市は毎年補助金交付・今年は2578万円)の諸岡会頭、そして合併推進連絡会の青野さんという人。

 小川元市長は意気盛んだった。第1次合併で自治体数は減少したものの、かつて提唱した大合併策実現のために推進団体と歩調を合わせてきたようだ。

 夏目さんは合併推進の根拠となる国際空港のある成田のまちづくりの核心を押さえていて、一番地に足の着いた発言だった。

 商業団体は商人の損得勘定的発想、合併推進団体はリニアモーターカーや高層ビルが立ち並び市民の頭上にはモノレール、東京ではなく成田で国際会議を開ける会議場、大学や首都機能を成田に・・・と、マジ?と思わず笑っちゃいそうな展望?も含めて盛りだくさん。

 今日は合併推進の必要性やその効果などをいろいろ聞かせてもらった。いずれにしても、成田市の将来を決めるのは市民。

□2008年5月23日(金)

 わけあってロングドライブをしている時、21日夜に熊本赤十字病院で発生した農薬自殺の巻き添え事件が話題になった。土壌くんじょう剤クロロピクリンを飲んで自殺を図った人が運ばれてきて処置中、吐いたものからクロロピクリンがガス化して周囲に広がり、医師ら54人が異常を訴えたという。クロロピクリンは畑作地域で使用される有機塩素系の殺虫剤・殺菌剤。農薬毒性の事典(三省堂刊)では、劇毒に区分され魚毒性Cだ。揮発性(ガス化)が高く刺激臭があり、比重が重いので地表近い、被害を与える。

 農薬での服毒自殺は毎年発生するが、今回のような巻き添えは初めて聞いた。クロロピクリンの毒性を象徴するような事件だった。

 千葉県でも、揮発したガスを吸って各種中毒症状を発症したりするだけでなく、風下の民家で家族全員が化学物質過敏症になって農家が1億円以上の賠償を命じられたりしている。

 私もかねてより市の農政課に指導を徹底するよう要望してきた。クロロピクリンを使う農家が厳重に注意すべきなのは、使用中はもちろんだが、使用後ビニールで覆う際に風などで吹き飛んだりずれたりしないように注意すること。そうしないと、ガス化した農薬が流れる。周囲に人家があれば、使用前には必ず知らせること。基本的には住宅地に囲まれた都市型農地では使用を控えたほうがいい。

 定期的な使用により、農家だけでなく周囲の住人にも慢性毒性による影響が広がることが心配だ。さらに、地下水を汚染した例も報告されている。

 今日は光が眩しく、初夏というより夏の匂いに満ちあふれ汗が噴き出るほど暑かった。でも、それもまた心地よい。

□2008年5月22日(木)

 歴史と今を語り合う女性の会・例会。新しい人が参加してくれた。子育て中で専門職のパートもこなす30代の女性で、会も活気づく。そういえば、20年ほど前に成田で女性史研究会を立ち上げた頃の会員はほとんど30代だった。今は30代から80代まで親子3代にわたる世代を網羅し、自分が育った時代を語れる女性たちがそろっていて話題には事欠かない。言ってみれば女の井戸端会議のようなものなので楽しくやりたい。

 会が終わって、冨里から参加した2名の会員とお昼を食べる。ここでも会の延長のような時間を過ごす。・・・ついでに夜の集まりにも・・・というわけでしゃべり続けの楽しい日だった。

 どうやら米大統領選の民主党候補選びはオバマ氏に決まりそうだ。ABC放送や新聞によれば、彼も本選?に向け党内にしこりを残さないための落とし所を探し始めたという。現地時間20日アイオワ州での「勝利宣言」ではヒラリーを褒め始めた。民主党の中からもヒラリーを副大統領にという声が現実味を帯びてきた。でも、彼女はネバー・ギブ・アップ。投入した莫大な選挙資金の回収の道を探るために時間稼ぎをしているという見方もあるらしい。転んでもただでは起きない?

 何はともあれ、衆目に晒された予備選を経て選ばれる合衆国大統領というのはやっぱりすごいと思う。場当たり的な党内事情で決まる日本の首相とは権威も信頼度も雲泥の差ではないか。

□2008年5月21日(水)

 実質審議衆参合計4時間で宇宙基本法が成立した。どんなに抑制しようと、理屈をつけようと、これを機会に宇宙空間を軍事利用しようとする軍産共同体を抑えることはできなくなるだろう。もし抑えられるとしたら、それは平和を願う広範な国民世論の圧力以外にない。いくら政治に媚を売るメディアも、国民世論を敵には回せないだろう。

 それにしても朝日夕刊の小見出しはひどかった。「<B>防衛利用</B>が可能に」などとピントがずれた言葉をよくも使えたものだ。ミサイルによる先制攻撃のための道を開いたのに、防衛利用だなんて・・・!

 BBCを見ていたら、英国では20年ぶりの中絶改正法案が提案されて論議をよんでいたが現状維持に落ち着いたという。何が現状維持かというと、これまで中絶可能な期間が24週だったのを20週とする改正案。医学の進歩で妊娠20週以上の胎児の生存率が向上したためだとか。これに対し、女性の産む権利を尊重せよという声が高く、現状維持となったらしい。賛否各議員の発言や、羊水の中で歩行練習などする胎児の様子が映像で映し出され注目された。

 私は、個人的には妊娠可能な数十年という期間にたった一度しか妊娠の機会がなかったので、せっかく授かった子どもを中絶することにはとてもとても抵抗を感じる。しかし、女性に妊娠・出産の選択は認めるべきだと思う。それは、母性というより社会的な要素が強いからだ。 一例だが、日本でも通説によれば、江戸時代などは「貧困か選択かといった原因はともかく、間引きによる出生抑制が行われていた」という。その後生類憐令以降の出産管理政策の影響で間引きよりも堕胎や捨て子が増えてきたらしい。日本の家族のきずなや伝統を子どもたちに教えろという人たち、知ってるかな?

□2008年5月20日(火)

 7時30分過ぎ、台風4号通過による影響で印旛地域に大雨・洪水警報(11時過ぎに解除)が出された。シーズンを待たず日本列島に沿って北上する台風の出現では、先が思いやられる。

 地球温暖化による気候変動で日本は亜熱帯化するだろうと言われている。何年か前、インドのニューデリーなみの気温の高い日が続いたことがあった。気温の上昇とともに野菜や果物の産地も少しずつ北にずれてきている。この頃ちょっとヘンだね、おかしいね、などと思っているうちに・・ある時一気に思い知らされるかもしれない。地域で地球でその様相が大きく変わっていく、その兆しはもう現実のものとなっているのだ。

 昨日、1都5県の県議61名による「<八ツ場ダムを考える1都5県議会議員の会」が発足した。自民党も含む超党派で、目的は①八ツ場ダムの必要性の徹底検証、②ダム事業の実態調査、③水没予定地域住民の真の生活再建を支援。代表は関口茂樹群馬県議(前鬼石町長)。関口さんは下久保ダム建設が地域に与えた影響を目の当たりにし、鬼石町長の頃から八ツ場ダム建設に疑問を呈してきた人。下久保ダムも、まだ本体工事に入っていないけど八ツ場ダムも、印旛広域水道事業と関係あり。蛇口をひねれば水が噴き出すけれど、その水の「流れ」に想像力を働かせてほしいな。

□2008年5月19日(月)

 千葉地裁で市東孝雄さんの耕作権裁判。農地法によって、親子3代90年にわたって耕作してきた農地を取り上げるということはかつてないこと。こんなやり方がまかり通ってはならない。この間の裁判では原告である空港会社への求釈明が続く中で争点も絞られてきており、無理が通れば道理が引っ込むような空港会社のやり方が改めて浮き彫りになってきた。>成田空港開港30周年でお祭り騒ぎだが、閣議決定から42年たっても完成できない根本的な問題、この国の政治の問題から目をそらせてはいけない。

 午後からは弁護士会館で農業問題の勉強会。講師は匝瑳市で30ヘクタールの田んぼを耕す農業小川浩さんで、農家・農業がかかえている問題と展望などを勉強した。

 政府の経済財政諮問会議は、農業は自動車をつくるよりも非効率・不採算部門だから切り捨ててもよいという考えらしい。勉強会では、「新自由主義的な政策をとる先進諸国でも、農業はしっかり補助・育成し、自給率を確保するための政策をとっている。日本は自給率がどんなに下がっても、輸入でまかなえると思っているのが解せない」という発言があった。経済財政諮問会議EPA

 農業ワーキンググループの本間正義東大教授の発言などを聞いているとどうも本気らしい。でも、「ハイ、そうですか」と言ったら農業は滅亡してしまう・・・ということは国滅ぶ、だ。

 昨日の里山シンポジウムでも、里山と農・林業の不可分の関係が語られていた。農林業の衰退が里山を荒らす原因にもなっている。それは漁業とも密接に結びついている。森は海の恋人って言うじゃない?海に注ぐ川の上流にある森が良い漁場を育ててくれる。だから、森を豊かにするための植林をしている漁協もある。要するに、ぜーんぶ有機的につながっていて、その恩恵で私たちは生かされている。第一次産業を非効率・不採算だからと粗末にするような政治は早く変えないと。

□2008年5月18日(日)

 第5回(千葉県)里山フェスティバル「里山シンポジウム」が東京情報大学で開かれた。今年のテーマは「里山と生命(いのち)のにぎわい」。これまで、里山に託す私たちの未来、里山となりわい、里山とゴミなど、里山をテーマに5回目のフェスタが、多くのNPOや市民団体、個人の参加で開かれた。

 時あたかも里山で育った団塊の世代がリタイアしていくので、里山再生への市民活動はますます熱を帯びてくるのではないかしら?高度経済成長で放置され、いま危機の中にある里山の役割を現代に捉えなおす良い機会だと思う。里山とともにあった風土や歴史をふりかえり、人々が生活や生業の中で築いてきた里山、そこで育まれた文化や伝統を未来へとつなげるために。

 テーマは重いものがあるけれど、みんな里山を楽しんでいるのを感じる。里山と関わっていると元気になるようだ。経済や効率が優先される時代の中で、里山のある暮らしに価値を見出す人たちも増えているようだ。

 午前の分科会は、22の団体が1年間の活動報告。私は用事があって午前中は参加できなかったが、里山をテーマにたくさんの団体がさまざまな活動を展開するとともに、こうして里山仲間が一同に会して交流を深めていくのは楽しいことだ。

 午後は堂本知事のあいさつのあと兵庫県立人と自然の博物館館長岩槻邦男さんの記念講演、そしてパネルディスカッション。地球規模で考え、地域で行動する人たちの、とても充実した集まりだった。

 地球規模での気候変動(地球温暖化)と生物多様性への取り組みが叫ばれる中で、政府も昨年11月に第3次生物多様性国家戦略をつくり、里山イニシアティブを提唱している。2010年には名古屋で生物多様性条約締約国会議が開かれる。生物多様性の中に私たち人間の暮らしも組み込まれていることを忘れてはいけない。

□2008年5月17日(土)

 開かれた議会をめざす会の総会と公開シンポジウムが新宿で開かれた。シンポジウムは「地方議員はプロか?ボタンティアか?矢祭町・日当制を通して考える!地方議員・議会のあり方」というタイトルの刺激性?もあって、会場は市民と議員そして研究者で満杯。議員や議会のあり方論はもちろんだが、そもそも民主主義における代議機関である議会とは?という本質論や制度論に踏み込む議論もあって、議会の硬直化、住民とのかい離が問題になっているなかで、タイムリーな企画だった。

 私は、民主主義のよって立つところである直接民主主義の理念や手法をいかに普遍化(制度化)していくかという視点からの切り込みに一番関心があるので、やっぱり、市民自治論を実践・研究する前安孫子市長の福嶋浩彦さんの考えに多く共鳴。

 終わってから顔見知りの女性議員4人、「このまま帰るのも侘しいね」ということで新宿駅の甘味処でお団子を食べた・・・!

□2008年5月16日(金)

 国会議員有志で構成される「量刑制度を考える超党派の会」が昨日開かれ、終身刑創設<で刑法などの改正を目指し、今秋の臨時国会に提起する予定との報道があった。

 また、9日には国連人権理事会の普遍的定期審査で日本が対象となり、死刑増加に強い懸念が示されると同時に、死刑制度や軍隊慰安婦などで人権侵害があるのではないかという意見が各国から相次いだという。

 これに合わせてアムネスティ・インターナショナルは9日、死刑廃止に向けた国際的な潮流に逆行しようとする国々に対し、国連決議を真摯に受け止め誠実な対応を期待する声明を出した。

 それによれば日本を含む58ヵ国は去る2月2日付けで、世界規模で死刑の執行停止を求める国連決議(20071218日)に反対する口上書を国連事務総長に提出していて、その中には中国、朝鮮民主主義人民共和国、アフガニスタン、イラン、イラク、ミャンマー、パキスタン、スーダンなど人権状況が国際的に批難されている国々が含まれている。4月中旬に国連加盟国や経済社会理事会と協議資格を持つNGOに公表された口上書の内容は、「歴史的な意義を持つ国連決議に対し、極めて挑戦的な姿勢を示している」という。

 もともと日本は、経済的には欧米先進国と肩を並べるようになったものの人権では後進国と言われてきた。そんな中、洞爺湖サミットに照準を合わせ、北海道選出の国会議員もアイヌ民族を日本の先住民として認めるよう働きかけ強くしていくという。確かに、アイヌ民族を先住民と認めないで北海道でサミットを開くなどという発想自体が人権後進国たるゆえんでもある。

□2008年5月15日(木)

 坂田が池方面から松崎街道を横切って下総松崎駅につながる道路の改修状況を見に行く。とはいえ、まだ測量の段階だが。細い道に沿った樹木の枝が伐採され、事業が動き始めたことを確認。それにしても、狭い変則十字路になっていて、周囲の見通しが悪い場所だ。

 用事があって成田に来たいとこと山門近くの店で川魚料理を食べる。午後の日差しが差し込む坂道、行き交う参詣客を眺めていると時間がゆったり流れるのを感じる。

 このところ成田山開基1070年祭関連のイベントが続いていて、市長が祝賀イベントの実行委員長に就任して大忙しなのをナナメに見ているが、こういう門前町の風情はきちんと守り、残していったらいいと思う。

 鉄鋼スラグ問題をテーマに残土・産廃問題ネットワークが主催した千葉県環境セミナーで「リサイクルを隠れ蓑にした産廃・フェロシルト」として問題になった石原産業だが、ホスゲン(第一次大戦で化学兵器として使われた有毒ガス)を国に無届で製造するなど、7件の不正行為をしていたことが発覚した。ホスゲンで農薬をつくっていたらしいが、科学兵器にも転用できる。フェロシルトでは会社幹部が逮捕されたりしたが、懲りない体質のようだ。<

 自然の猛威を見せつけられると、あらためて私たちがこの惑星に生かされていることを実感する。地球は人間の思惑など無関係に歴史を刻んでいるのだ。地球の歴史を1日(24時間)とすると、私たち人類は1日の終わり、日付が変わる直前に誕生したことになるらしい。文明を武器にこの惑星を占領したかのように錯覚しても、しょせん薄い膜のような地表でしか生きられない。地球がちょっとクシャミしただけで、ちょっと寝返りを打っただけで、私たちは吹き飛ばされ、押しつぶされてしまうのだ。

 とはいえ、生命には過酷な環境や進化の偶然を乗り切ってきたパワーがある。生還の別れ目といわれる72時間が過ぎた四川大地震だが、一人でも多くの命が生還することを祈る。日本のレスキュー隊第一陣も出発したようだ。

□2008年5月14日(水)

 成田新高速鉄道と北千葉道路建設工事のために一時取り壊された大谷津運動公園プール(50M7コースと幼児用)。夏のオープンに向けて現在建設中だが、市民グループより公園緑地課にユニバーサル・デザイン対応を求める要望書を提出するというので同席。

 当然のことながら、市民の誰もが利用できる市民プールであってほしい。すでに建設が始まっているが、要望にあった障害者や介助者が利用しやすいように多目的更衣室や男女更衣室に折りたたみベッド、取り外し型シャワー・イス、濡れてもよい車イスなどは設置してもらえそう。

 設計上スロープ式の入水構造にはなっていないこともあり、「入水しやすいよう必要に応じて使用できるロフト式イス」の要望については、具体的なイメージが湧かないようで、設置してある他の施設や製造業者などを調べるところから始めることになった。実は私も見たことがないが、要望書を提出した渡邊さんの話では、EU諸国のスポーツ施設やパラリンピックなど障害者スポーツを視察してきた専門家のお勧めだという。確かに肝心の、プールの出入りが便利になりそうだ。

 障害者がスポーツ施設を利用する場合、とかく「福祉」の領域で見てしまいがちだ。でも、日本でも障害があっても各種スポーツを楽しむ人が増えてきている。特にプールは肢体不自由な人も十分楽しめるし健康増進に役立つ。水中は、陸上では得られない全身の解放になるといわれる。

 大谷津プールは新高速鉄道事業などの制約があって壊す前の施設内容を大幅に変えることができないようだが、担当課もプールのバリア・フリー化を求める市民の要望には前向きなので期待したい。

 ミャンマーの猛烈サイクロンの被害に心を痛めていたら、今度は12日午後巨大地震が中国四川省を襲った。いまのところわかっているだけで四川省を中心にして死者1万5千人、行方不明・生き埋になっている人が4万人という。M7.8で、エネルギーは阪神・淡路大震災の30倍とか。北京も揺れたという。学校が倒壊してたくさんの子どもたちが生き埋めになったのも痛ましい。なにはさておき迅速な救助活動を願うばかりだ。

□2008年5月13日(火)

 調べものがあって図書館に行き、久しぶりに本を借りようとしたらカードの更新期限が過ぎていたので更新した。図書館ではいつも2階の資料室で行政関係の月刊誌を、その後1階で一般の月刊誌に目を通す。議員1期目の頃は行政関係の3誌を購読していたが、かさばって書棚の場所をとるのでやめた。以来、月1回はここか市役所の行政資料室でひととおりのものに目を通すようにしている。一般の月刊誌は(私が判断して)歴史に残るような出来事の特集がないかぎり購入しないからここでメモやコピーをとる。

 そんなわけで、図書館には何かと世話になっている。それに、あのなんともいえない静けさや匂いが好きだ。読書の合間にイスに座り、歩道に植えられたケヤキの枝がそよぐのを見ているだけでも気持ちがやすらぐ。

 図書館といえば資料の収集・保存・提供・レファレンスサービスなどの機能を持つ。利用者は基本的には「一時立ち寄り」型だったのが、最近は滞在型機能をもつ図書館が建設されるようになってきたようだ。これからの自治体図書館は、図書館機能と生涯学習・体験学習機能を併せ持つもの、飲食可能な交流ラウンジを持つものなど、多機能型に変わっていくのだろうか。

 成田でも、リタイアした人たちを中心に一人の人が図書館で過ごす時間が長くなってきているという。いろいろ制約はあるが、どれだけ市民が利用し親しめる施設運営ができるか期待したい。公津の杜複合施設の図書館分室(蔵書予定4万冊)も待ち遠しい。

■□2008年5月12日(月)

 男女共同参画計画推進懇話会。市民から公募された男女各1名と関係団体からの委員に市長より委嘱状。私はもう何期目になるかしら。

 1994年(平成6年)3月に女性計画推進懇話会としてスタートした当初の議会枠は教育民生常任委員長のアテ職のように位置付けられたが、そのうち私が議会選出となって関わってきた。だから、もう10年過ぎる。もっともその間、30人の議員の中でこの懇話会を希望したのは私1人だけだったということもあるけれど。

 それにしても、成田市婦人総合計画(1986)→女性計画(1992)→男女共同参画計画(2006)と名称が変わる中で、今年の単独予算は約130万円。それも懇話会委員謝礼や講師料が中心。ポジティブな推進策には頭が回らない状況だ。

歴代市長が総合計画で掲げてきた男女共同参画センターの設置も埋没してしまいそう。ヤル気がないなら掲げるな、と言いたい。女性計画の頃から唯一のポジティブアクションともいえる審議会等の女性委員30%目標も、16年たっても達成されない。これはやればできるのだから、やらない成田市の怠慢。

 まぁ成田市の男女共同参画行政はそんな状況だけれど、懇話会の新委員は元気に意見を出してほしい。ここから変えなきゃ。

小泉・安倍と続いた自民党右派政権を背景に、国も地方も男女平等の流れを快く思わない連中が幅をきかせ、ジェンダー・バッシングが続いてきた。今年1月にも茨城県つくばみらい市でDVをテーマにした講演会がDV防止法に批判的な団体の抗議で中止になった。これはひとえに「講師は偏向した考えの持ち主」と偏向した団体に言いがかりをつけられて中止を決めたひたちなか市の責任でもあるのだが。

 愛媛県松山市では男女共同参画推進センター(通称コムズ)で「ジェンダー・フリー」図書を2003年から閲覧禁止にしていたことが3月議会で明らかになった!5年にわたってタイトルに「ジェンダー・フリー」という言葉が書かれているだけで、内容など関係なく閲覧させない状況が続いていたという。問い合わせたら4月24日から希望者に限って閲覧・貸出OKになったようだが、これも大問題。なぜって、修復本などと同じ部屋に隔離し、希望がある場合に限り取り出すという。松山市では何とも理解しがたいことがまかりとおっているようだ。

□2008年5月11日(日)

今日はグランドサンから初めてのメールが届いた。この間まではハガキにシャープペンシルで書いてきたのだが、アドレスからすると携帯メール。そういう年齢になったわけだ。内容は連休の時にプレゼントした半袖シャツと国際カエル年(今年がそれらしい。初めて知った)にちなんだ愉快なカエルの小銭入れへのお礼だった。しかしまぁ、語尾に意味不明の奇妙な難しい漢字がくっついていて、中学生のメールってこういうのが流行っているのかしら?それとも、私が知らないだけなのかなぁ。

テレビ朝日の「サンデー・プロジェクト」で、スタジオに来ていた20歳前後の若者に憲法改正の賛否を聞いたら賛成が少し多かった。そのうえで9条1・2項改正の賛否を聞いたらこっちは改正反対がずっと多かった。少なくとも、スタジオに来ていた若者たちの多くは9条をまるごと受け入れている。1・2項は不可分なのだ。改憲オヤジたちが1項と2項を分断し、2項で戦争のできる国をつくろうとしているのに対し、未来を担う若者たちが9条の目的を正確に理解していることを実感した。5月4日~6日幕張メッセで開かれた9条世界会議には2万数千人の人々が集まったという。平和を願う世界の人々が日本国憲法第9条に注目し、「9条をえらび始めた」。日本は武力ではなく9条で世界に影響力を持つ国になってほしい。

□2008年5月10日(土)

 今日の里山シンポジウム分科会は都合で参加できなかったけれど、「里山と残土・産廃」と食と農がリンクした深刻な課題が提起された。それは、木更津市の真理谷にある破たんしたゴルフ場予定地

 30ヘクタールを残土で埋め立て、きゅうりなどの野菜や果樹の栽培、牧畜などをやって東京市場に出すという計画。農業法人「かずさ風の丘」というところがやるらしいが、これを県の農業会議が許可し、知事が判を押したという。

成田市でも、農地の一時転用で「残土」を埋め立てた場所や、何が埋まっているかわからないようなところが点在している。だから県下でも2番目に成田市残土条例が制定されたのだ。こういう場所を「有効利用」して私たちの口に入るものを生産されてはたまらない。農業委員会や農業会議が真に農業を守らないことは農業の現状をみれば証明済みで、真理谷の件は残土・産廃だけでなく、食と農が連携して取り組む問題となっている。

ミャンマーでは、史上最悪のサイクロン被害を被って1週間というのに今日から新憲法案の賛否を問う国民投票が始まったという。首都ヤンゴン周辺の衛星写真みただけでも、緑に覆われていた部分が水害で茶色に変色し、被害の大きさが一目でわかるほどだ。援助物資も十分に届かず、軍事政権はごく一部を除き外国からの支援員の入国も拒否しているという。放置されたような状態の被災者の不安は大きく、疫病の流行も心配されている。

こうした状況で国民投票を強行するような、民意とかい離した政権がそう長く続くとは思えない。インタビューに答える被災者の怒りがそれを予感させる。新憲法案というのも起草段階から軍事政権の息がかかったもの。大統領の資格に軍事知識を必要とし、二院制議会の議席の4分の1を軍人に割り当てるとか、その他の条件もあわせて、アウン・サン・ス・チーさんの立候補は認められないようだ。「民政移管」とは名ばかり。


□2008年5月9日(金)

午前10時15分から開かれた衆院内閣委員会で宇宙基本法案が可決された。自公に、民主も加わって、約2時間の質疑の後の採択だった。法案には「(宇宙開発利用は)国際社会の平和及び安全の確保並びに我が国の安全保障に資するよう行われなければならない」とある。宇宙の軍事利用につながる法律だ。民主党は、「日本国憲法の平和主義の理念」を入れたから軍事利用の心配はないなどと言っているらしいが、誰が信じるだろう。為にする言い訳だ。防衛省が日本の宇宙政策をコントロールすることを国防族議員と軍需産業の意図しているのは明白。

憲法の理念を活かすなら、宇宙開発の目的を「平和の目的に限る」とした1969年の国会決議を守るべきだ。TVでは相変わらずのヒーリングブームだが、今日は興味深い体験をした。ある「ヒーラー」氏から、私の住居のドアの右側には40代半ばの農婦(細身だがしっかりした体格で性別はそんなにはっきりしていないようだけど、女性にみえる)が鎌のような武器をもって立っているのがみえるといわれた。彼女はそこで私を守ってくれているらしい。

「鎌」と聞いてドキッ!実は、私の玄関には壺が置いてあり、以前畑でハーブを栽培した頃使っていた鎌を布でグルグル巻にしてアートフラワーに紛れ込ませてさし込んであるのだ。農婦はさておき、あの鎌がヒーラー氏には見えちゃたのかしら?ウッソ~!いずれにしても、私の一番身近にいて守ってくれているのが武器をもった農婦とは嬉しい。よろしくね!その農婦の背後にはさらに儒教の導師や僧侶、武士など5人くらいがいるらしい。こんなに大勢いるのは初めてとか。

たまたま私の背後の人たちのことを面白おかしく書いたが、医療現場で仕事をしてきたヒーラー氏の話では、かつてWHOが医療にヒーリングを加えることを検討していたという。たまたまサーズ問題が発生して先送りされたらしいが、心療内科や精神医療などの現状からすればヒーリングで癒される人がいても不思議ではないだろう。


□2008年5月8日(木)

深夜の地震にはちょっと焦った。時間を置かず2回続いたことや、揺れている時間が長かった。震源地は茨城県沖の大平洋だったそうだが、2回目の地震は約40キロメートル、マグニチュードは7だったという。成田では震度4。必ず発生するといわれる東南海や南海あたりを震源とする大地震を連想すると、不気味。

今日は久しぶりに議会の会派控え室に行く。机の上の書類を整理してから、携帯に危機管理課で扱っている防災情報の受信をする手続きをした。いままで、私の携帯にはEメール機能がなかったのだが、ほとんどを携帯メールで用を足そうとする娘や、ごく親しい人たちにせっつかれて新しい機種に替えた。それに「女性の会」もいまや連絡の第一手段がメール。パソコンのメールで済ませようと思っていたけれど、タイムリーさでは負ける。デジタルオンチの私には一番苦手の領域だけれど、夜までには一応の機能を理解し、何か所かにメールを送る。すると・・・あらら、そう時間をおかずに返信メール。確かに便利ではある。
 
 でも、この調子だと便利ではあるけれどだんだんみんながせっかちになってくるのではないかしら。先日電車に乗った時も、まわりでは乗るなりケータイメールとにらめっこの人たち。立っていようが座っていようが、まさに一刻を争うように。中には乗って降りるまで画面から目を離さなかった人も。近頃の電車って、ほとんどそんな光景。両隣でバチバチ入力された時には気分が悪かった。あーはなりたくない・・・な。

□2008年5月7日(水)

午前中はちょっとやっかいな相談事を受けて調査。午後気分転換で風土記の丘に寄る。連休中は家族連れなどで賑わいをみせたであろう森の中も、今日はひっそりとしていた。そんな時をみはからって一人で歩くのが好き。自分の世界に浸りたいので複数で歩くのは苦手。あまり人に出会う時間帯も避けたい。

以前、たった一度だけ人を誘ったことがあった。相手は「じゃあ5分だけね」といって歩き始めたものの、すぐ「ねえ、まだ5分にならない?」と聞く。「まだ」と言うと「じゃあここでひと眠りして待っているから、あなた一人で歩いてきて」と近くのベンチに座りこんでしまった。以来2度と誰も誘わない。数か所で林床にキンランが多く目についた。去年は気がつかなかった。キンポウゲやナルコユリと競うように、あるいは緑の下草のなかからすっくと立ちあがるように。また、冬の間は芝笹?ばかりが目立った林床もこの時期になると様々な下草が勢いと賑わいを増し、樹木の新緑とともに森の中いっぱいに清しい香りが漂っていた。これからはたくさんの草花が楽しませてくれるだろう。

小鳥たちの声は意外に少なく、ツー・ピー、ツーピーというシジュウカラの声をよく耳にした。ホー・ホ・ケ・キョ!という政調ウグイス節に懐かしさを感じたくらいだった。


□2008年5月5日(月)

60回目のこどもの日。そして立夏。

昔、ミニコミの仕事でこどもを特集した時に一番印象に残ったのは、幼児にとって遊びは「この時期の人間の発達の最高の段階」(フレーベル)という言葉だ。要するに「内なる要求の発露」が遊びというわけ。だから、遊ばずにはいられない。藤堂明保編「漢和大辞典」では、そもそも「遊」の原字は2種類あり、一つは子どもがぶらぶら水に浮くことを示し、もう一つはこどもが吹流しのようにぶらぶら歩きまわることらしい。どっちにもこどもがはりついている。

そんなわけで、遊びはこどもの〝内なる自然〞。ある幼稚園の園長さんの話では「遊びに満足した子はしあわせ感がにじみ出ていて、まわりにもやさしい気持をふりわけたいと思うくらい、いい状態」だそうだ。とはいえ、いまどき自然のなかでぶらぶら、ふらふら「内なる必要と要求」を満たすように遊べないのが現実。遊びに満足できないこどもが増えているのではないか。ということは、長い目でみれば心身の発達にもなんらかの影響を与えるということかしら。

昨日の新聞の読書欄を読んでいたら、刺激的な本の書評(柄谷行人)が載っていた。タイトルは『古代インド文明の謎』(掘Akira >著=名前の漢字変換ができない!吉川弘文館)。アーリア系遊牧民族が古代インダス文明を征服し滅ぼしたというのが定説なのだが、古代インダス文明はもともとアーリア人が築いたものという仮説を提唱しているという。考古学や人類学によるDNA分析などを駆使しての仮説で、面白そうなので早速注文することにした。

先週は解剖学教室で形質人類学を学んだ考古学者が、歯冠近遠心径(難しい!)の相関関係の数値で、古代の墓から出土した歯を計測し、親族組織を分析した本(『骨が語る古代の家族』田中良之著)の紹介があった。それによれば、ある墓から男女一対の人骨が出土した時、それが夫婦か親子かきょうだいか、そして、性別、若・成・熟・老年の区別、追葬・改葬、墓の築造過程や遺構・遺物で墓や墓群の埋葬者の血縁・世代関係を復元できるという。

お墓の埋葬状況からみると、日本の親族関係は縄文・弥生・古墳時代は母系・父系が並立する双系社会で、血縁関係にない男女(夫婦)のお墓は別。夫婦の合葬が現れるようになったのはようやく6世紀になってからだそうだ。でも、有名人でいうと源頼朝と北条政子のお墓も別の場所にあるところをみると、双系の名残りはずいぶん後まで残ってたと思う。

 弥生時代がそれまでの定説より500年早まったのも炭素による年代測定法による。科学の進歩や考古学上の発見は歴史を面白くさせてくれる。

□2008年5月4日(日)

幕張メッセを会場にして開かれる9条世界会議の第1日目。前売りチケットを持って行ったのだけれど、20分ほど遅れたら7000人のイベントホールは満杯。もう正面玄関は入れない。メッセ周辺は入りきれない人で溢れていた。その数はハンパではなく、おそらくイベントホールをもう一杯埋めるくらいの人が急きょあつらえられた別の会場に誘導されていた。行った先のことは未定のようだった。

 私は今日の前売りを買ってあったので出かけたのだが、とても入れそうになかったので帰ることにした。これだけ前売り組があふれているということは、実行委員会の不手際もあったかもしれない。当日券がかなり出たのだろうが、それでは前売りの意味がない。でも、参加者が会場からあふれてしまったということは、9条世界会議は大成功。嬉しくて文句を言う気にはならなかった。

実は先日、9条世界会議に盛り上がりが感じられないという声を聞いたばかりで、枯れ木も山の賑わいだろうと無理して出かけたのだが、そんな必要もなかったわけだ。期待して参加した人の中には不満をあらわに抗議する人もいたけれど、ほとんどの個人や団体さんは会場に入れなくてもスタッフに従って別の会場に向かっていた。

 そんなわけで今日は知人に声をかけて日本国憲法61年で祝杯をあげた。なんといっても、憲法と私は同じ年を生きてきたのですもの!

□2008年5月3日(土)

憲法記念日。朝日新聞の世論調査では憲法9条改正に反対の人が66%。賛成23%を大きく引き離した。昨年、改憲をスローガンに掲げた安倍内閣の時に実施した調査では、反対49%賛成33%だったというので、その差が広がった。自民党支持層でも、57%が9条改正反対。また、憲法全体の改正が「必要」と答えた人でも、そのうちの54%が9条は変えないほうがよいとしている。9条支持の私としては一時どうなることかと思っていたが、とりあえずホッとした。

内政で行き詰まった政府は、国民の不満を外に向けようと画策する。これは悪政の常道だから、政治家が威勢のいいことを言い出したら気をつけなければいけない。貧富の差が拡大するのを容認し、社会保障費を削って弱い立場の人たちに「自己責任」を押し付け、戦争のできる国づくりを進める自公政権。他の報道機関の調査は見ていないが、今回の朝日の調査で9条を選んだ人が前回より17%増えたということは、国民が冷静に政治の行方を見ていることの一つの証しだと思う。

また、憲法全体の改正を「必要」とする人は56%で、主な理由は「新しい権利や制度を盛り込むべきだから」とのこと。私は、環境権やプライバシー権などは現行憲法に基づいて法律や制度を整備できると思う。地方自治に関する位置づけが弱いという意見もあるが、地方自治法を改正することで担保できるのではないか。このあたりは議論をしてみたい。

□2008年5月2日(金)

昨日・今日と、市民ネットワークの車に便乗させてもらって群馬県長野原町に行ってきた。名勝吾妻渓谷の崖にはりつくように拓かれた800年の歴史を伝える川原湯温泉に一泊。このあたり一帯は八ツ場ダム本体建設計画のど真ん中。長野原町へは3度目だが、今回は歌手で「八ツ場あしたの会」代表世話人の加藤登紀子さん、多才な文化人永六輔さん、そしていつも凛とした作家活動を続ける澤地久枝さんの鼎談を聞きながら各地から参加した人たちが想いを語り合った。楽しくもあり、学ぶことも多く、そんな中で改めて八ツ場ダムは不条理なダムという実感を新たにした。

一方で忘れてならないのは地元の人たちの複雑な思い。半世紀余りというもの政府の政策に翻弄され続けた。そして激しい反対運動を経て、苦悩の中で地権者の大勢はダム計画を受け入れるに至ったといわれる。地元が望んだ公共事業ではないから、思いは複雑だと思う。望んだのは1兆円ともいわれる総事業費をつぎ込む公共事業に群がる開発優先・利権誘導の政治家と企業くらいだろう。

 税金ばかりを垂れ流すムダなダムをストップさせたい6都県流域住民はいま、早く現状から抜け出したい地元の人たちとの間をつなぐ懸け橋を探し求めている。ダムを完成させて抜け出すか、ダムをストップさせて抜け出すかの瀬戸際にきている。

後者で一番現実的なのが政権交代。民主党はじめ野党はストップを掲げている。そのうえで、現在行われている工事は継続、まだ取りかかっていないダム本体を中止し、政府の政策に振り回し疲弊した地域の再生や生活再建策を考えるという提案だ。私は、合併前の鬼石(おにし)町長で、現群馬県議会議員関口さんたちの提案を支持したい。

宿泊したやまきぼし旅館で念願の「崖湯」に入った。作家の嵐山光三郎さんが絶賛して命名したといわれる露天風呂。混浴なので早朝をみはからって鍵をかけて入ったが、まどろみから覚めたばかりの渓谷と山なみをしばし独占。山菜をメインにした料理も美味!

今日は八ツ場ダムの問題を訴え続けてきた「八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会」の嶋津代表や前橋市議の渡辺さんの案内で現地を視察し、夜遅くなって成田に帰った。声をかけてくれた市民ネットには感謝。

□2008年4月29日(火)

 以前、ベストセラーというのでミーハー的に買った6枚組の「ベスト・モーツァルト」を聴きながら静かに誕生日のひとときを過ごした。60歳を過ぎると少し複雑な心境ではあるが、1年に1度年齢を自覚する日だから、乾杯!

NHKでHV特集の「昭和が終わった日」を放送していた。20代のカメラマン(女性)とジャーナリストの大谷さんを組ませ、平成20年を基軸に沖縄を含め各地で証言を聞く旅。昭和天皇の死去をめぐる国民の反応、アジア・太平洋戦争と昭和天皇の戦争責任、昭和天皇の人となりなど、関係者が様々な角度から自分の体験や感想を語る。そうか・・・昭和天皇誕生日がみどりの日になって、それが昭和の日に名称が替わるとこういう番組を流すわけだ。

 これから毎年、4月29日はこんなふうにして「昭和」と「天皇」関連の番組が流されるようになるのかしら?NHKが今後どう発信していくかは、十分監視に値する。

 今日も「たいむ」66号の八ツ場ダム記事を読んで共鳴のメールをいただいた。嬉しい。最近手に入れた18日の毎日新聞群馬版によれば、八ツ場ダム総事業費に占める本体工事費割合が「当初の23%から2度の計画変更を経て9%に低下」とのこと。国土交通省は「コンクリートを減らして堤体をスリム化」するらしいが、安全性を二の次にした総事業費の帳尻合わせだ。

□2008年4月28日(月)

 さわやかな一日だった。

20年ほど前の開発時に七星剣が出土したことで知られる稲荷山団地に行くと、あたりはしばし見入るほど美しい新緑。500区画あるらしいが、まだ虫食い状況で住んでいるのは300戸くらいかしら?下総・大栄地区にはおそらくバブルの頃に開発されたと思われる住宅団地が大小数か所あって、中には防犯上気がかりなほど荒れた区画や廃屋というのがぴったりの家が点在する団地もある。しかし、もはやこうした空き区画や空き屋が埋まることはないだろう。

 東京に住む知人もちょっと出かけるには遠すぎる某所に一区画を持っているという。土地神話がはびこっていた時代に不動産業者から誘われて買ったらしい。山林を切り開いた場所で、財テク以外、別荘に・・・とか老後は自然の豊かなところで・・・とかいう宣伝もあってついフラフラッと買ってしまったとか。砂粒一つ所有しない私には持てる人の悩みはわからないけど・・・。

 お天気については日々気にしているつもりだが、農家の話を聞くと実感が湧く。野菜ケースに入っていた「産直ニュース」(三里塚有機農法産直の会)によれば、今春は強風に悩まされ、4月は雨が多く、しかも強い雨の多いのが特徴らしい。作付けのタイミングの見極めが大事で、外れると播いたばかりの種や植えたばかりの苗があっという間に流されたり叩かれたりするという。強風も幼い苗にとっては心配。それと低温。植物の生育に大きく作用するそうだ。そんな中で、農家では春・夏の路地もの野菜の作付けが行われている。

 昨日行われた衆院山口2区補選で、民主党の〝良識派〞平岡秀夫さんが自公候補に2万票あまりの差をつけて当選した!消えた年金・ガソリン暫定税率・後期高齢者医療の3点セット、特に後期高齢者医療制度が自民党を沈没させたようだ。これまで「安定」した老後を望んで自民党に投票してきた高齢者を不安に陥れた罰。とにかく平岡さんで良かった。この勢いで総選挙を実現し、政権交代を期待する。体制が変わるわけじゃないから、民主党にもやらせてみたらいい。チェンジ・ニッポン一票一揆!世直しだ。

□2008年4月27日(日)<

午前中はニュータウン自治会連合の第30回定期総会に顧問を委嘱されて出席。ニュータウンに住む議員は今後全員が顧問に就任し、自治会連合とはまちづくりについて協議したりする機会があるらしい。

ニュータウンに住んでいて、私は自治会とは全く縁のない生活をしてきたが、夏のふるさとまつりなどに出店したりして自治会の役員さんのボランティア精神にはいつも感心していた。私以外の議員は地域でも自治会やPTA,地区社協、その他の団体などで大活躍なのに、私ときたらそういう活動とは全く無関係。以前3期目の選挙の頃、「いつ足立さんが成田から引っ越すかと思っていたけれど、これでやっと落ち着いて仕事をする気になったようね、って○○さんたちと話していたのよ。がんばってね!」なんて言われちゃって・・・なんだか風来坊議員みたい。

午後千葉市で「障害者差別禁止条例を考える緊急集会」~解釈指針の変更を求めて~に参加。

「特別支援教育を受けさせない親は差別者」になりかねない千葉県差別禁止条例の中の「差別」解釈に対し、普通学級に学ぶ保護者や統合教育に共鳴する人たちが集まった。県の条例ということで県議も3名参加。パネルディスカッションや意見交換などが行われ、今後解釈指針の変更を求めていくことを確認し合った。

この条例は成立過程で県議会自民党や市町村教育委員会の圧力にさらされて紆余曲折があり、結局知事が自民党に一部妥協するなどして成立したものだ。それでも、ないよりあったほうがいいと思っていたが、こんな解釈指針が出されるくらいなら、むしろないほうがいいという声も。

 思い返せば5年余り前、知事提案の<B>千葉県男女共同参画推進条例案</B>が、やはり県議会自民党の反対で紆余曲折を経て自民党の対案とともに議員の任期切れで廃案になったいきさつがある。当時知事提案条例制定のための運動をしていた私たちは、自民党案に妥協した折衷条例のようなものができるくらいなら、むしろないほうがよいと思ったものだ。

□2008年4月26日(土)

いつも忙しく飛びまわっているいとこが久しぶりに帰省したので亡き母の実家へ。昔、栗山川を利用して廻船問屋を営んでいた時期があったので、いまだに屋号は「問屋」。幼い頃はしょっちゅう遊びに行って、ゆったりと流れる川やその周囲の野山で遊んだ懐かしい思い出がある。いまも見渡す風景があまり変わらないのが嬉しい。

夜は市民団体の例会にオブザーバーとして出席。3月の全国消費者物価指数は、07年3月より1.2%上昇したという。14年7ヵ月ぶりの大幅アップらしい。給料が上がらないのに物価が上がるという現実に、既存の労働団体も経営者にものわかりのいいことばっかり言っていられなくなってきたようだ。しかも、年収200万円以下の労働者が1000万人を超えたという。働く人の3人に1人。男女の賃金格差も開いたまま。ILOがいくら勧告しても、経済界と運命共同体の政治家たちは改善しようとしない。

「週刊金曜日」を読んでいたら、メーデーを前に雨宮処凛さんがコラム「らんきりゅう」で~立ち上がれなくてもOK~と、インディーズ系メーデーの全国キャラバンについて紹介していた。今年はインディーズ系メーデーが全国あちこちで開催されるらしい。生きさせろ!」と叫ぶ若きプレカリアートたちの運動を心から応援したい。

□2008年4月25日(金)

寝坊をしたので午前中はラジオを聴きながら事務の整理。事務は一番の苦手だが、放っておくとみるのもイヤになるので適当な時をみては覚悟の整理整頓。

 つけっぱなしにしておいたNHKラジオ第1でドイツの文豪ゲーテに関する番組を放送していた。ワイマール共和国行政官としてのゲーテにもスポットをあて、バランスがとれていて面白く、つい聴いてしまった。 昔「ゲーテ」とは「小川」という意味だと知って世界史に残るこの文豪に妙な親近感をもったものだ。それに、『若きウェルテルの悩み』や『ウィルヘルム=マイスター』といった小説や詩集は、10代の文学少女にとっては教養書として必読。私も「シュトルム・ウント・ドランク(疾風怒涛)時代」のゲーテに共感し胸騒ぐ経験をさせてもらった。でも、以来まったく彼の著書にはふれていない。何しろ40年以上も昔のことだから、いま思い出せるのは『ウィルヘルム=マイスター』でウィルヘルムの徒弟時代に登場する少女ミニヨンと、彼女が慕情を秘め歌う「君よ知るや南の国」くらいかしら。あとはすっかり忘却の彼方。

 午後は下総の芙蓉邸へ。里山の斜面を切りひらいて分譲された住宅団地で、景観としてはなかなか良い環境。合併問題がなければ訪れることはなかった場所だ。前方には手入れされた谷津田、背後の林から漂う杉の香りが清々しい。さらにどこからともなく私の大好きなテイカカズラも漂って来る。ウグイスの声も響いて、何てのどかな環境でしょう・・・と思う。

 ただ、平行滑走路から離発着する航空機が上空近くを飛ぶ時の騒音はかなり大きい。移り住んできたころと比べ、ずいぶん大きな環境の変化だろう。今後、延伸工事が完成したらまた騒音は大きくなるし、取りざたされている年間飛行回数30万回問題は、今後下総地区にどういう影響を与えていくだろうか。

□2008年4月24日(木)

午前中「歴史と今を語り合う女性の会」例会。

午後は実家へ。道中見渡すとだいぶ田植えが終わっているようだ。昨日久住と下総地区に出かけると、ここでも田植えが始まっていた。田植えと稲刈りは田んぼが一番活気づく時だが、今は機械化されてアッという間に終わってしまう。風情を感じているひまもない。だから、田んぼに水が張られ、農作業をする人の姿がチラホラ目に入ると心が和む。

 日本の農業は崖っぷちと言われて久しい。農村の大票田をさんざん食い物にし、農業をダメにした自民党の責任は大きい。万策尽きて?大規模経営で基盤を強くするという政策。始まったばかりなのに米価の下落がコメ農家を直撃している。一方で小麦やトウモロコシなど穀物価格が高騰する中、コメの行方は? あたりまえのことだが、自然環境と密着した農業は工業製品の生産とは本質的に違うということ。飢えた人々をさしおいて、札束で外国から食糧を収奪するようなことはやめよう。「日経連」的発想では農業に未来はない。・・・ということは日本の未来も。

この列島の風土に適合し、命の糧として、生活や文化を育んだ稲作農業。田んぼは多面的な機能で暮らしと環境を支え、守ってきた。その機能をおろそかにするということは、私たちの生きる基盤を崩壊させていくことを意味する。農業のことを考えるとつい悲観的になってしまうけれど、今私にできるのは、身の回りで地産地消を進め、広げていくことだと思う。自給率の基本は山下惣一さんが言うように地域の地給率をあげることだろうな。

小雨の中で新緑が眩しい。5月初めに八ツ場ダム関係で視察に誘われた。なんだかソワソワしてきた。いま私の活動報告『たいむ』をポスティングしているが、「ムダなダムから撤退を」という主張を読んだ人から、毎年旅行で草津温泉方面に行く途中、ダム予定地付近を通る時にいつも疑問に思ってきたことが記事を読んで納得できた、という電話。

□2008年4月23日(水)

 昨日、山口県光市母子殺害事件の差し戻し控訴審判決で、元少年の量刑は死刑だった。1、2審とも無期懲役だったが、最高裁の死刑を示唆した差し戻し審理により予想通り死刑。

 今朝の朝日社説で、1年後には始まる陪審員制度にからめ、「なたが裁判員だったら」という問いかけがあった。私が裁判員だったら「死刑」には反対だ。同時に日本の法制度の不備を補うべく、「終身刑」の制度をつくるように働きかけるだろう。

 数年前まで、私はもっぱら感情論で死刑制度を支持していた。愛する人を無残に殺害する犯人を、どうして許せよう。司法なんてまどろっこしい手続きなんかどうでもいい、この手で八つ裂きにしてやりたいというのが人情だ。でも、法治国家なのだから、せめて殺人犯には死をもって償わせろという被害者遺族の思いをわが思いとしていた。

 しかし、この光市母子殺害事件の裁判の過程で、私は死刑制度反対に変わった。この間、メディアが妻子を殺害された遺族を頻繁に登場させ、「死で償え」という発言が繰り返された。遺族の怒りには同情したが、視聴者受けを狙ったマスコミが正義面して「殺人犯には死を!」と叫ぶ時、それは集団リンチ的様相となる。「目には目を!」という、感情と権力に支配された原初的な法を思い出し、私の中のもう一つの感情が目覚めていった。

 ハンムラビ法典を超えて、ナザレのイエスによる「復讐してはならない、敵を愛しなさい」という言葉は、クリスチャンならずとも人類精神の昇華だ。そうした歴史のなかで法が社会の規範となるまでの間には血も涙も集約されている。法が規範=制度である以上普遍性を要するもので、安易に個人の感情に支配されるものであってはならない。

この事件に対する広島高裁の判決は量刑に対する転換点ではないかという見解がある。専門的にはいろいろあるだろうが、門外漢の私には、「血の復讐」を国家が時代錯誤的に再確認したことだと思う。とても残念な判決だ。

 世界は死刑制度廃絶への流れにあるEU加盟条件に死刑制度の廃絶がある。個人の復讐、氏族共同体の復讐、国家の代理復讐と、歴史的に続いた「目には目を」的な地平を超えようとしているのに、日本は怒りの感情に押されて復讐法を強化しようとしている。

□2008年4月21日(月)

 朝日新聞が1920日両日に実施した全国世論調査では、内閣支持率が25%に急落したという。不支持は60%。例の後期高齢者医療制度では71%が不満。報道機関は世論調査をどんどんやってほしい。政治家に枕を高くして眠らせないように。民主党の政治家の中にもなんだか腰の据わらないのがいるけれど、せめて私の左眼が黒いうちに政権交代を望む。

 その前に、27日投票の山口2区補選では民主党の平岡さんに勝ってほしい。以前議員会館で話を聞く機会があって信頼できる政治家だと思っている。「地域振興」で有権者を目くらましする自公候補に負けるな!

 夕暮れ、風が少しおさまって満月が昇った。ライラックの香りが漂う至福のひととき。今日から朝日夕刊「ニッポン人脈記」で「千年の源氏物語」が始まった。最近眠る前に与謝野晶子訳の源氏を読んでいる。以前出版社のコマーシャルで桃井かおりが「知性って眠くなるのよね・・・」というのがあったけれど、ホント、読み始めるとすぐ眠くなってしまって少しも進まない。ま、いいっか。

 ところで、源氏をめぐる女たちの中で誰に共感するかはいつの時代にも興味あるテーマである。昔むかし大学に入って間もなく、メジャーな女子高出身のクラスメートから「小川(私の戸籍名)さん、レット・バトラーとアシュレー・ウイルクス、どちらがお好き?」と聞かれてドキッとした記憶がある。私はホントはレットのような男がタイプなんだけど、清く正しい?校風で知られた女子高出身の彼女には言いにくい雰囲気があった。

 源氏の女たちも同じ。私は高校時代に源氏を読んで以来ずっと六条の御息所に興味があったのだけれど、嫉妬で怨霊になるほどの女に興味があるというのは言いにくかった。でも年を重ねたいまは、もし六条の御息所がいなかったら源氏はつまらなかったと。結局伊勢神宮の斎宮になった娘と同行する道を選んだ女の矜持(プライド)が胸に迫る。

 恋愛というのは、自分で自分の心をもて余すようになったら離れたほうがいい、というのが彼女から得た私の教訓。ちょっと人の感情に冷淡かもしれないけれど。


□2008年4月20日(日)

 不順な天候が続いている。今日は李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領が来日するということで、サンデー・プロジェクトが特集を組んでいた。大阪府生まれ、子ども時代に両親の祖国に渡り、貧困にもめげず一に仕事、二に仕事、三に仕事、30代で「現代」グループの社長に抜擢された立身出世の人。経済合理主義者で親日的な彼が大統領に就任したことで日本の経済界は歓迎し、過去(歴史問題)を前面に押し出すこともないようだから自公政権も安どしていることだろう。

 私が彼の名前を知ったのは、ソウル市長時代の清渓川(チョンゲチョン復元プロジェクト。これは環境保護運動に携わる人たちなどの評価も高く、日本からの視察もずいぶん多いのではないかしら?それと、彼が来日にあたって永住外国人(日本の場合その多くは、強制連行その他で植民地時代に朝鮮半島から日本に渡り永住した人たち)の地方参政権を日本政府に働きかけるという発言には賛成。税金を払っているのに、その使い方を決める政治への参政権がないのはおかしい。国政については難しい議論があるが、身近な暮らしにかかわる地方参政権はあってしかるべきだと思っている。ただ、歴史的に民族のアイデンティティの問題がからむから参政権はいらないと思う人もいるだろう。選択権(登録制など)の配慮が必要かもしれない。

 戦争で南北に分断されたまま半世紀以上が過ぎた朝鮮半島だが、長い歴史でみれば日本にとっては限りなく深く近しい。そもそも「倭」の概念自体が、間に横たわる海峡をはさんだ沿岸一帯を指し、同じエリアに属する文化圏をであったということを忘れてはならない。

 一時期日本による植民地支配を除けば、この国の政治、経済、文化の形成にどれほど大きなかかわりがあったことか。先日も、6~7世紀に百済の古都扶余(プヨ)にあった王興寺という寺が、が飛鳥寺の原型ではないかという見方が強まってきたという報道があった。なんだかワクワクが倍増するような話だ。今年は、プライベートで韓国に行く。

2008年4月19日(土)

 田中正造のドキュメンタリー映画「赤貧洗うがごとき」の上映会。午後と夜2回上映にスタッフとして参加。終了後有志?6名で上海料理のお店で打ち上げをやり、来春の県知事選下馬評で盛り上がって帰ったのは1230分を回っていた。もう少し早く帰れたのだが、千葉駅1124分発成田行の電車が20分以上遅れたせいだ。深夜なので真冬だったら年寄りにはキツかっただろうな。でも、酔い醒ましにはちょうどよかった。遅れの原因は強風らしい。昼頃からずっと教育会館の中にいたので、まったく気付かなかった。

 私は一応「スタッフ」ということで首からカードをぶらさげていたが、出店してくれたフェアトレードのお店や石焼きパン屋さんのブースを覗いて買いものをしたり、あちこちフラフラ歩いては知り合いと、座っては隣の私もフレンズになっている世界人権団体アムネスティ・インターナショナルのお兄さんや八ツ場ダムストップの仲間とおしゃべりをし、疲れると会場に入って映画をみたりで、ほとんど役目を果たせなかった。



□2008年4月18日(金)

 食糧危機がじわじわと世界中に広がっている。原因は複合的だが、高騰する穀物価格に暴動が発生した国も。暴動にはならなくとも、不満が渦巻いている国は多いだろう。日本でも食料品の値上がりが家計に影響を与え始めている。給料は上がらないのに物価があがるのだから当然だろう。昨日はTVで「減反や耕作放棄などと言ってる場合ではない、作れるところはどんどんコメを作れ」と檄を飛ばす「専門家」がいた。小麦粉やトウモロコシの高騰で、米粉を使ったパンやケーキなども開発されているようだ。<

 「風が吹けばおけ屋がもうかる」よりわかりやすい話だが、先進国の開発優先・効率化政策が主原因の地球温暖化も、各地で気候変動によるさまざまな影響を与えている。たとえば、小麦高騰の原因の一つといわれるオーストラリアの記録的な干ばつ。オーストラリアといえば成田市でも導入を予定している新清掃工場のシャフト式直接溶融炉で助燃剤として使われるコークス。オーストラリアは石炭の輸出国だが、これが大雨による炭坑水浸しで生産ストップ。コークス値段にもはね返っているらしい。ほかに主な輸出国中国の国内事情も大きいようだが。

 成田市の機種選定委員会に提出されたメーカーの試算ではトン当たり3万5千円くらいで安定しているはずだったが、今や約7万円。倍だ。ガス化溶融炉の問題を指摘した津川敬著『教えて!ガス化溶融炉』(2002年1月緑風出版刊)では、シャフト式直接溶融炉の問題点の一つとしてコークスの二酸化炭素排出や価格不安定要素が挙げられていたが、まさに現実となった。<

 新聞の週刊誌広告を見ていたら、皇太子夫妻の長女に「お言葉が少ない」「笑わない」バッシングがあるという。6歳の子どもがしゃべろうが笑おうが大きなお世話じゃない?・・・と考えてしまう私。それとも、大人の顔色を窺って「お言葉」やつくり笑いをしろというのかしら?もっともこういう週刊誌は商魂たくましいから、売るためには慇懃無礼な言葉で一方ではバッシングの片棒をかつぎ、他方では「理想家族」を強要しているのかもしれない。いやらしい。


□2008年4月17日(木)

 予想以上にしぶとかった風邪もようやく治った。今回は一番しんどい日に葛根湯を飲んだ以外は、朝晩のショウガ紅茶と、ローズソルト(ピンクがかったモンゴル産岩塩)を溶かした水でうがい、あとは休養(怠惰な生活)で治した。うがい用の塩は別に天然の塩ならどこで製造されたものでもよいのだが、たまたまローズソルトが手に入ったので使ってみた。マイルドな感じ。私の場合、のどに痛みを感じた時は海水くらいの濃度の塩水でうがいすると効果がある。

 韓国ではいま「高病原性鳥インフルエンザ」警報が全土に拡大中という。日本でも、鳥からヒトに感染した場合への備えが始まるそうだ。免疫がない新型ウイルスによって数十万人の死亡を想定。昨日もラジオで、流行し始めたら生きていける最低限の食糧を備蓄して外部との接触を断つ、ようするに最低1ヵ月位は外出しないのが一番だと、感染症の専門家が警告していた。なんだかすごいことになりそう。

 インフルエンザのウイルスは東アジアや東南アジアで生まれ、人々の活動によって世界に広まっていくことを国際共同チームが確認したそうだから国のレベルでしっかりした防疫体制を整えておく必要もあるだろう。とりあえず感染の危険に身をさらす検疫官や医師など6千人へのワクチン接種が年内に始まるらしい。

 今日の大阪高裁で、イラクに派兵された自衛隊の活動について一部憲法第9条に違反するという画期的な判断が出た。特に航空自衛隊のイラクでの部隊展開では、戦闘行為を行う米などの部隊や武器を(戦闘地域)バグダッドに運んでいることが戦闘と一体的活動にあたると解釈したようだ。原告に限らず、この裁判所の判断をどれだけ多くの国民が待っていたことか・・・。

 日本のイラク参戦に抗議してレバノン大使を辞めた天木さんも訴訟の当事者の一人のようで、テレビで「海上給油活動も違憲」とコメントしていた。天木さんは憲法9条イエス・オンの人。

 政府のコメントは法もモラルも意に介さないひどいもので、官房長官などは、だからなんなの?といった感じ。トンデモナイ連中が政権を握っていることに寒々とした思いだ。</span><BR>

 原審も控訴審も判決は(派遣差し止め却下で)国の勝ちだから、「イラク派兵は憲法違反」という文言が不服でも国は上告できない。一方住民は敗訴とはいえ「イラク派兵憲法違反」という裁判所の判断を得て実質勝利で上告はしない。よって判決は確定ということらしい。


□2008年4月14日

 1ヵ月くらいの間に日赤眼科で眼底検査や蛍光造影検査をやったが、今日の結果では疑いのあった疾病ではないようだ。ただ、3月12日に左目の視力が落ちたことを自覚して以来その症状は変わらないので、経過を見るのに年4回位かかりつけの眼科に通うことになった。とりあえず左目はメガネの度を調整すればラクになりそうだ。

 還暦までこれといったこともなく健康に過ごしてきたが、やっぱり寄る年次ということなのだろう。それに、今年は厄年だそうだ。「天中殺」をくぐり抜けてるんるんしていたら厄年なんて・・・そういえば今年に入って、ずいぶんいろんなことがあったような気がするなぁ・・・。 <

 朝のワイドショーで、マスコミに向けた歌手都はるみさんのコメントを話題にしていた。28年間私生活と仕事をともにしたパートナーの自殺について。昔むかし、デビュー曲であの唸り声にびっくりして以来、同じ年齢の同性として、彼女の苦悩には同情を禁じ得ない。

 私は初めて知ったのだが、はるみちゃんの亡きパートナー中村氏は、はるみちゃんとは30年近く同居夫婦をやっていて、もう一人の女性とは同じ期間別居夫婦をやっていたそうだ。

 夫婦のどちらかに新しい恋人ができて同居を始めるというような現実は、一方にとっては耐えがたい屈辱だろう。「別れてくれ」と言われても、そう簡単に離婚には応じられないだろう。しかし、破たんしたままでお互い28年も過ごすには、すごいエネルギーが必要ではないかしら?

 離婚訴訟の例をみると、不貞の「有責配偶者」でも、一定の条件(結構ハードルは高い)のもとに離婚請求を認め、破たんして実態が失われている結婚生活よりも、現実に営まれている生活を認める判決も20年くらい前に出ている。・・・ま、大きなお世話ね。

 現代の「結婚」という制度は桎梏だ。そうすることで社会秩序の根底にたがをはめる役割があるわけだが、実態が伴っている間は制度を維持するのに有効に機能するが、伴わなくても「夫婦」だなんて。その点に関してのみ言えば、一緒に暮らしている間が夫婦、別れたら夫婦じゃない、といったくらいゆるやかな婚姻関係がいいと思う。


□2008年4月12日(土)

 1昨日から風邪でしんどい。でも、寝込むほどでもなかったので部屋の中をフラフラしながら『たいむ』を仕上げ、印刷や折りをして過ごす。昨日は喉がイガイガ、今日は熱っぽくておまけに鼻水。夕方になってやっと落ち着いてきた。参加を予定していたイベントは明日まですべてキャンセル。

 『たいむ』66号には青年海外協力隊でエジプトのカイロにあるストリートチルドレンの施設で活動している会津素子さんの「エジプト便り」が届いたので掲載した。昨年9月26日にエジプトに出発して半年、ひと回り大きくたくましくなった素子さんを紹介できて嬉しい。その他、協力隊員としての最近の活動はhttp://worldreporter.jica.go.jp/blog/egypt/2008/04/000779.phpにアクセスすると素子さんのレポートが掲載されている。

 今日の朝日県版では、香取市の岩澤信夫さんが吉川英治文化賞を受賞したことが報じられていた。「日本文化の向上に尽くしながら、報われることの少ない人」が対象だという。岩澤さんは多くの人から敬意をもって受け入れられている。私もその一人。でも、受賞を機により多くの人が彼の「不耕起栽培」の意義を知る機会を得るのは素晴らしい。食と農の根本が問われているいま、不耕起栽培は「稲作」の未来にとって希望の光だ。

 そして今日、学生時代に同じサークルで文化人類学を学んだK君が3月をもって27年間勤務した某国立大学を退職したという通知が届いた。どこかいい条件の就職口でもあったのだろう。1年後輩だが、付属の高等学院から理工学部建築学科に進学し、他大学の大学院で社会人類学を専攻し文化人類学に進んだという変わり種。私が5年間在籍していた間に共に学んだ中でサラリーマン・アンソロポロジストになったのはK君だけ。私も文化人類学に進みたかったのだけれど、地味で忍耐と洞察力を要するフィールドワークよりも、恋と革命の誘惑に負けてしまって・・・。トホホだ。


□2008年4月10日(木)

 本当に久しぶりに風邪気味。喉がヘン。部屋に籠り、ショウガ紅茶を飲みながら『たいむ66号を作った。明日は印刷。

北京オリンピックの聖火リレーが各国でさんざんらしい。リレーはギリシャから直接中国に渡るものと思っていたが、世界中でリレーをやってるなんて初めて知った。おかげで今日は、ロマンスグレーで渋みが出てきたハリウッド・スターのリチャード・ギアがチベット擁護のスピーチをする映像を見ることができた。彼は知る人ぞ知るチベット派だから。

 私は個人的な好みでダライ・ラマには特にシンパシーを感じているわけではないが、中国政府は独自の文化と歴史、宗教をもつチベットに敬意を払うべきだと思っているひとりだ。チベット仏教が「生仏」と信じるダライ・ラマとチベットの人たちの自由と自治権が受け入れられることを願う。

 もう4日連続、NHKがドキュメンタリーで「毛沢東」を放送している。深夜なのでビデオに撮っているけれど、昨夜はめずらしく起きていて「文化大革命」を観た。映像よりも、音。それは「東方紅」の歌だったり、毛沢東や周恩来、林彪などの演説だったり、「造反有理」を叫んで幹部を吊るしあげる「紅衛兵」の腕章をつけた若者たち(だからジャリ革命と揶揄する人もいた)の激しい糾弾の声だったり、毛沢東語録をかざして天安門を覆いつくした人たちの地鳴りのようなシュプレヒコールだったりが、私の忘れかけた青春時代を断片的に思い出させてくれた。

 なぜなら、当時中国語を学ぶために聴いていた北京放送は文革一色。まさに共産党のプロパガンダの道具だった。だから、音のほうが私の記憶に沁み込んでいて懐かしい。

 それにしても、あの周恩来が割れるほど大きな声でいち早く文革を支持する演説を行っている姿を初めて見て、胸が痛むと同時に権力闘争のもの凄さが迫ってきた。いま、あの当時の彼の役割については、文革の中であちこちに空いた穴を埋めることに精魂を傾けた人という評価だ。何よりも革命によって誕生した人民中国を守るために。それを信じたいと思うほど、周恩来には魅力を感じる。

 ころで、NHKの古森という経営委員長が国際放送では国益を主張すべきだと発言してことが問題になっている。公共放送のなんたるかを知らないはずがないのにこういう発言をするのは意図的でたちが悪い。彼が辞めるまで(あるいは辞めさせるまで)受信料引き落としはストップ。


□2008年4月9日(火)

 橋賀台小学校入学式。昨日の嵐は去ったが、花冷えが続く。小さなイスにかしこまって座る幼い子どもたちをただみているだけで、気持ちが和らぐ。すべての子どもたちにたくさんの愛が注がれますように。

 子どもは小さい大人ではない、という言葉を思い出す。子ども時代は固有の時代としてきちんと位置づけられなければならない、ということだ。妊娠したら、こどもが生まれたら、学齢期や思春期になったら、大人たちは「子どもの権利条約」を読み返してほしい。読んだことがなければインターネットでユニセフにアクセスし、絵入りの条約をダウンロード。そうすれば、権利主体としての子どもたちも、条約にふれることができる。

 こうした人権教育をしっかり身につけていかないと、グローバル化した21世紀の世界で日本及び日本人の未来はお寒い限りだろう。そういうと、「権利ばかり主張する」という人がいるが、権利のないところ義務は生じないということを認識すべきだ。生じるとしたらそれは奴隷の服従。権利はきちんと学ぶ必要がある。

 午後4時から東京高裁で、旭市のエコテック管理型産廃処分場関連で控訴審の弁論。控訴人は1審の千葉地裁で住民に敗訴した千葉県。被控訴人になった旭市議の阿部さんや東総住民連絡会の人たちと合流して傍聴する。

 今日はこれからの進め方についてやりとりがあったが、裁判長の言葉からすると控訴審は行政訴訟法第10条1項の当事者適格がネックになるということらしい。被控訴人(住民)に法的利益があるのかどうか、なんて、暮らしが脅かされるから地元住民は提訴したわけだから弁護団にはがんばってもらいたい。


□2008年4月8日(火)

 春の嵐。吾妻中学校入学式。「あいにくなお天気」ではあるけれど、子どもたちにとっては思い出に天候も加わる入学式ということだろう。入学式がカサも役立たないほどの嵐なんてそうあるものではない。春の日差しが降り注ごうと、嵐が吹き荒れようと、自然は人間の思惑など無関係。

 午後は新清掃工場整備特別委員会。3月定例議会で示された新清掃工場の付帯施設について、執行部から提案された案に議会から温水プールに関係した選択肢を求める意見が出て、今日は担当部より4案の提示があった。これでパブコメをやって改めて構想を整理してまとめるという。

 でも、どんな施設にしてほしいか、すでに平成17年4月に施設内容についてパブコメや周辺住民アンケートをやり、そのうえで4案選択肢を提示するなら、より完成度の高いパブコメをやるべきだ。例えば4案のどれがいいかを選択できるような。いままた4案を参考にパブコメやってそれをもとに最終案をまとめるとは、ためにするようなものでちょっとヘン。

 夕暮れの雨の中、山道を走っているとあちこちに山桜。人々を「お花見」にかりだすソメイヨシノよりも山桜に心惹かれる。里山に思いがけないあでやかな空間が広がって美しい・・・癒される。


□2008年4月4日(金)

 年度の政務調査費の収支報告書と領収書を提出。昨年は選挙の関係で4月1カ月分の収支報告を提出したので、残る11ヵ月分は4月中に出せばよかったみたいだが、勘違いして4月に入り慌てて作成した。ま、早かろうが遅かろうが3月末で締めて数字は変わらないので早めに出しておく。

 TVで「後期の次は末期かしら?」と言っていた人がいたけれど、1日にスタートした後期高齢者医療制度のあまりの評判の悪さに、政府は通称「長寿医療制度」と呼ぶことになったようだ。ふざけた話だ。名前を変えて不満をそらそうなどと姑息なことで済む問題ではないだろう。しかし、名称に矮小化しているところをみると、やっぱりなんにも現実がわかっていないみたいだ。これからもどんどん問題が噴出してくるにちがいない。40年前の今日、米公民権運動のリーダー、マーチン・ルーサー・キング牧師がメンフィスで暗殺された。前年、ワシントン大行進での、「Ihave a dream!」私には夢があるという有名な演説には胸が震えたものだ。いま、アフリカ系アメリカ人のオバマ氏が民主党大統領候補に近づきつつあるとはいえ、キング牧師の夢にはほど遠い現実だ。

 ところで、そのオバマ氏はクリントン、マケイン両氏に比べ子ども、というより赤ちゃんのハートもつかんでいるらしい。ベビーチェアに座って愛嬌たっぷりテーブルをたたき「オバマ!」(私にはどうしても「アババ」としか聞こえないのだが)と叫ぶ男の赤ちゃんがブレークしているという。要するに、「ア」「マ」「バ」は赤ちゃんにとって発音しやすく、「オバマ」は赤ちゃんが一番真似しやすい名前ということらしい。クリントンとかマケインと言っても反応しない赤ちゃんが、オバマというと「アババ」と元気に真似をする姿は愉快。</span><BR>

□2008年4月1日(火)

 時計の針が午前零時を回って、道路特定財源の暫定税率期限切れ。成田市議会では12月議会に議員発議で「道路特定財源維持・一般財源化反対」の議案が出され、私は反対した。賛成圧倒的多数で関係各省庁に意見書が出された。その頃千葉県知事などが土屋駅設置陳情に行った関係特別委員会の成田市議に言ったという押しつけがましい言葉が記憶に残っている。「なんとしても反対してほしい、北千葉道路建設などにも支障がでる」。

 もう一つ、そしてこれは「現代のうば捨て山」と言われる後期高齢者医療制度も今日からスタートした。高齢社会は女性社会。そして、今75歳以上の妻や女性たちは戦後社会を家族のために一生懸命生きてきた。無年金の人もいる。それを百も承知で「自己責任」というのだ。女もそして男も、高齢社会を安心して暮らしていくためにこんなゴーマン非道な政治を許してはならない。

 さらに、メタボ健診も始まる。胴回りでいちいち「指導」されるとは、トホホだ。太めよりやせている場合のほうが心配だっていう医者も多いじゃない?受診率によって保険者にはペナルティも課せられるし、保険料にも影響するという。胴ならぬ首が締め付けられそう・・・。

 一方では老い先短い「後期」高齢者に自己責任を強い、他方で働き盛りの国民の箸の上げおろしまで口を出すような制度をつくる政治は、いいかげんに止めてもらいたい。

 最後に、臭いといわれるイタチの最後っ屁みたいなのが、衆議院議員で弁護士稲田朋美さんの「上映中止は残念」という発言。ドキュメンタリー映画『靖国』にケチをつけ、文化庁に国会議員対象の試写会をやらせ、右翼を煽って映画館を上映中止に追い込んでおいて、この言い草はないでしょう、朋美ちゃん。



□2008年3月30日(日)

朝日新聞に自治体の「事業仕分け」の記事が載っていた。「構想日本」(非営利の政策シンクタンク)が始めた手法だが、徐々に広がりをみせているようだ。行政のやるべき仕事かどうか、事業を洗い出し、外部評価者がチェックし、不要、要改善、民間にまかせる、現状通り、のいずれかに仕分ける。実際に実施した自治体の例などをみると、いろいろしがらみがあって続けてきた事業の整理や、予算のスリム化などに効力を発揮しているようだ。バブル並みの予算編成をしている成田市など、やったらどうなるかしら?

 私が参加している議員の集まりでも、昨年「事業仕分け」関連の講演・シンポへの誘いがあったところみると、「行財政改革の切り札になるか」注目度は高いといえる。情報公開の徹底や、パブリック・コメント、アンケート、定期的な住民「自治協議会」の開催、外部監査、外部評価者による事業仕分け、これに住民投票を組ませれば、いずれ議会の在り方そのものの論議に行きつくだろう。

曇りのち雨。午後から小雨が降ってきて、なんだか気持が落ち着いた。夕暮れ時に風土記の丘に行ったら、ソメイヨシノに比べ山桜はほとんど蕾。雨がしとしと降る花冷えの中、樹木たちのいのちの息吹を感じる。自分と自然が溶け合うような、快感。

 スミレに覆われた古墳だったはずの87号古墳は地面にはびこる芝のような笹に覆われ、胸ときめかす愛らしいスミレは姿を消してしまった。もうずいぶん前から、風土記の丘の林床が笹に覆われるようになった。スミレやミヤマカタバミ、キンポウゲのような下草はひとたまりもないだろうという私の予感は現実となってしまった。そのうちアザミも消えていくのかしら?この、植生の変化はどうにもならないことなのだろうか。いたたまれない気持。専門家に聞いてみよう。

□2008年3月29日(土)

桜の花も咲きそろってきたようだ。公園や並木に群れて咲くソメイヨシノを「淫らな美しさ」と書いた人がいたけれど、桜のあでやかな美しさに気もそぞろといった心境のことだろう。「世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」(在原業平)みたいに。色香ですぐ思い浮かぶのはイジュ。5月、沖縄ヤンバルの森はイジュの木が花盛り。乳白色でしっとりした感触の花びらは「イジュ、その花のように」と、白い美肌を求める沖縄の女性にとってあこがれだそうだが、胸に深くしみこんでくる香気も素晴らしい。夕暮れに漂うイジュの香りを「悩ましい」と言う人は多い。

沖縄といえばハイビスカスやブーゲンビリアしか知らなかったが、ヤンバルで初めてイジュに出逢って以来、なるべく5月連休の頃に行くようにしている。イジュだけでなく、木も下草も花の季節。ここで島民を巻き込んだ激しい地上戦があったことを一瞬忘れるほど、5月のヤンバルの森は自然の織りなす色と香りに包まれる。

 何年くらい前かしら、ヤンバルへの思いがつのって「老後は沖縄で・・・」と口走ったら、「遠慮してくれ」と冷めたひと言。ヤマト感覚でいろんな要求を並べたてる新住民はウチナーにとって迷惑らしい。わかる、わかる。ああ・・・それにしても早く基地のない沖縄になってほしい。基地がないほうが沖縄は栄える。

 今日の新聞に、女性の正社員が減って女性の雇用者全体の46.5%に落ち込んだという記事。10年前より133万人少ないそうだ。07年の男女の賃金格差は45歳~54<歳のフルタイムで男性の6割未満。契約やパートが増加しているということ。女性労働者をこんなに粗末に扱っていて、さしあたりどんな21世紀にしようというのかしら?

 木曜日の「女性の会」で、米国大統領予備選で民主党のヒラリー候補への女性差別が公然と行われている記事を参考に話した。オバマ候補のようなアフリカ系アメリカ人への差別発言には一応社会的自制をきかせていても、ヒラリーのような女性への性差別がこんなに野放しにされている現実には暗澹たる思いにかられる。要するにその深層に流れるのは、どう逆立ちしても生物学的メスには勝てない生物学的オスのY遺伝子的防衛本能なのだけれど。で、そのアメリカではフルタイム女性の賃金は男性の77%。

 昨夜ビデオに撮っておいた『赤毛のアン』出版100年特集を観る。思えばアン・シリーズの文庫本10冊は私の人生とともにあったし、今もある。かなわぬ夢として。

□2008年3月28日(金)

 沖縄戦での集団自決をめぐり、作家の大江健三郎さんと岩波書店に対し出版差し止めなどを訴えた裁判の判決が大阪地裁であり、集団自決には「旧日本軍が深く関わった」と認め、原告らの請求がすべて棄却された。いわゆる岩波新書『沖縄ノート』訴訟だ。

 この裁判の過程では、提訴を理由に文科省が当時の安倍首相におもねて高校教科書から「軍の強制」を削除させたり(これはその後沖縄県民の怒りの中で訂正を余儀なくされた)、「強制はなかった」と証言台に立った島民が実は、かつて軍の強制を語っていたという証拠や、そもそも、原告の元隊長が『沖縄ノート』を読んだのは提訴後とか、「ウッソ~!」と叫びたいような事実も明らかになった。

 裁判の背後でうごめいていた「つくる会」系の学者や政治家の軟弱かつ幼稚なレジーム復古主義者たちを考えると、ほんとうにうさん臭い裁判だ。でも・・・考えてみれば、日本の政治の中枢にいるのはこういう発想の連中なのだ。安倍前首相に代表されるようなその幼児性が、国民にツケを回す事態はなんとしても避けないと。

 ま、政治の「予防原則」みたいなもの。

 私は幾度も沖縄を訪ねる機会があり、集団自決やひめゆり部隊の「殉国美談」は軍国教育、皇民化教育の中で、生きるよりも死ぬことを徹底的に教え込まれた結果だと思った。教育は恐ろしい結末を招くこともあるのだ。だから「命(ぬち)どぅ宝」の沖縄で起こったこの悲劇は、あげて天皇制絶対主義、旧日本軍関与なくしてありえないと思っていた。今日の判決に満足。

□2008年3月27日(木)

 暖かな日が続き、ニュータウンのケヤキ並木がいっせいに若葉に覆われた。それにしても、見事に大きく育ったものだ。

 今日は午前中「歴史と今を語り合う女性の会」例会。新旧代表のバトンタッチ。新代表は3人の子育て真っ最中の30代会員さん。「女性の会」もこれからはケータイ・メールが連絡手段になりそうだ。会員さんでケータイをもっている人は全てメール連絡可。私もケータイは持っているのだが、ずいぶん前に買ったアンテナ付きで、しかも時々不携帯だったり。とてもケータイ・メールなんて。それにパソコンのメールで間に合わせているし、別に新しいケータイを買い替える気もないし、ケータイ・メールは便利だよ~と勧める人は多いんだけど・・・。などなど言い訳ばっかり。

 午後は市議会の全員協議会。成田国際空港都市づくり推進会議の中間とりまとめについて執行部から報告があり、その後空港会社より成田空港の容量拡大の方向と可能性について説明があった。空港会社常務の説明では、例の離発着30万回は「諸制約が解除された後の潜在的可能性」なのだそうだ。それにしてはマスコミの鳴り物入り報道だったな。推進会議は6月以降基本計画策定に入るようだが、詳細はすべて今後の協議次第。周辺自治体の首長が「成田限界論」に煽られ、千葉県に尻をたたかれて発足したことが透けてみえるようだ。いずれ合併でもしないとスムーズに運ばないようにして空港圏合併にシフトを移していくのではないかしら?要するに推進協は合併準備機関ということかな。

□2008年3月26日(水)

これまでいろいろ予定が詰まっていて動けなかったが、昨日から私も『赤貧洗うがごとき』ー田中正造と野に叫ぶ人々(田中正造のドキュメンタリー映画・98分)の上映準備に入る。昨日は準備会に出席し、チラシやポスターを持ち帰り、今日は生涯学習課と道路維持課の許可をもらいJR西口駅通路にポスターを貼り、チラシを中央公民館その他に置かせてもらうために走り回る。

『赤貧・・・』は23日柏市での東葛地区上映会が大成功で、350席くらいの会場に入りきれずに別室を用意し、それでもあふれた人たちには帰ってもらったそうだ。シニアが多かったようだ。4月19日千葉市教育会館での上映は全県対象なのでエリアも広く、なかなか手ごたえが把握しにくい。足尾鉱毒事件、谷中村(廃村)事件は日本の環境問題の原点なので、多くの人たちにみてもらいたいと思う。

午後は友人と久しぶりに旧交を温める。帰りのカー・ラジオで岐阜県御嵩町の産廃処分場問題で全面和解が成立、業者が建設申請を取り下げる手続きに入ったというニュース!

柳川(前)町長襲撃事件の後、1997年6月に住民投票を実施した御嵩町の巨大な産廃処分場建設問題がやっと決着をみた。全国の住民投票運動を応援する中で知り合った御嵩町の人たちの顔を思い出しながら、ともに喜ぶ。

□2008年3月23日(日)

 東京では昨日桜が咲いたそうだ。私のベランダから見える大木はまだ咲かない。でも、風は少し冷たいけれど昨日も今日も日差しが強くなっているし、もうすぐだろう。先日、朝日の『天声人語』に「梅は凛、桜は艶。ならば桃は・・・」というくだりがあった。

 桜といえば西行の「願はくは 花のしたにて 春死なん そのきさらぎの 望月の頃」というのが有名だが、辻邦生さんの『西行花伝<』は、「満月の白く光る夜、花盛りの桜のもとで73年の生涯を終えた」と、藤原秋実に語らせている。事実ならよほど心がけのよい人だったのだろう。小学生の頃愛読した星(座)の神話の著者で英文学者の野尻抱影さんは「オリオンの季節に死にたい」と言っていて、その通りになった。私は・・・ま、いいや。

 桜で忘れられないのは『源氏物語』。源氏の息子夕霧が偶然垣間見た紫の上の姿を深山の「樺桜」に例えているところ。あたりを超越したあでやかさといったところかしら。その源氏物語も、今年は紫式部によって書かれて1000年という。今も私たちの心を惹きつけて離さない源氏物語は、日本の宝。

先週、昨年の市議選で使用された各候補の選挙カーのガソリン代を開示請求した。市議選のガソリン代公費負担の上限は51,459円。連日朝8時から夜8時まで選挙カーに乗りっぱなしで成田市中を走りまくった私のガソリン代は21,425円。他候補も2万円台が一番多かった。もちろん中には3万から4万円台、さらには満額請求した候補も。請求書は提携した業者が選管に提出し、業者の口座に振り込まれるという仕組みなので、私も告示期間中お世話になったガソリンスタンドから提出された請求書は初めて見た。

 新聞によれば千葉県議選では、業者からの修正もあったらしいが、成田市ではまだそういう業者はいないようだ。

□2008年3月22日(土)

 このところ左半身にアクシデントが続く。まず、予算委員会の時に襲った左目のアクシデント。これは来週月曜日に眼底検査。

 20日の春分の日にはお料理中に包丁で左中指の爪を引っかいてしまった。「傷にはアロエ」でベランダに鎮座するアロエを切って思いついては傷口につけていたらスッキリ、回復も間近と思っていたら、今日はなんと外出先で左足を捻挫してしまった。某所の側溝に5センチメートルくらいの隙間があって、それにうっかり左足の一部がはまってしまった。米国なら訴訟だ!

 ブーツをはいていたから多少ダメージを抑えることができたものの、夜になったら鈍痛。湿布をしているが、痛い。

 今日CDを借りようと寄ったお店でなんと、1994年に劇場公開された『ギルバート・グレイプ』の中古ビデオが100円で売っていた!日本語吹き替えだったけれど、ゲット!主役のギルバート・グレイプは今をときめくジョニー・デップなのだが、私が初めて観たときのショックはギルバートの弟アーニー役のレオナルド・ディカプリオの演技!ディカプリオがこの演技でアカデミー助演男優賞候補になったと知るまでのわずかの間は、「アメリカって障害のある子もこんなメジャーな映画に出演するんだ~」と思っていたくらい、迫真の演技だった。そして、障害のある人への接し方の原点のようなものを教えてもらった映画だった。

 ディカプリオについてはその後、『タイタニック』まですべて観てきた。ジョニー・デップは演技も男っぷりもいいんだけど好みではないのでそれっきり。

 ついでに、観たけれど忘れてしまった『X―ファイル終章』(グランドフィナーレ)も100円で買った。どうしてこんなに安いの?とお店の人に聞いたら、「今はDVDなのでビデオは場所をとるから」って言っていた。在庫整理。でも『X-ファイル」終章はゾクゾクする。

かつて『X-ファイル』にはおおいにはまった。テーマが宇宙人とのコンタクトや超常現象ということもあり、ビデオを借りては1本2時間、深夜2本くらい見続けたものだ。あんなにはまったドラマはない。どういうわけか印象に残っているのはモルダーがベッドで寝たことがないこと。カレ、いつもソファで寝ているのよね。スカリーはベッドで寝ているのだけれど。私もあの頃は人生いろいろで、『X-ファイル』に引きずり込まれたのは当時の自己意識の投影かしら。

□2008年3月20日(木)

春分。冷たい雨が降り続いた。ずいぶん前のことだが雪まじりの春の嵐が襲ったこともあるから気が抜けないけれど、クヌギやコナラが雨にぬれて濃い紫色に煙り、芽吹きも始まっているようだ。山に華やぎが戻ってくる日も遠くはない。

同じく今日は米国のイラク侵略から5年。サダム・フセインの独裁時代には戻りたくないが、あの頃と比べてすべてが悪くなったというのがイラクの人々の実感のようだ。ひどい現実だ。アメリカはこの5年間でイラク戦争に47兆円使ったともいわれ、イラク国民の死者は約10万人。米兵の死者は約4000人で、その多くは募兵官の提示する条件に誘われて戦場に行った低所得者層の若者だそうだ。ブッシュ政権はますます泥沼に足をとられ、抜け出すには戦争の拡大しかないという最悪の状態だ。

ビデオに撮っておいたHV特集「鬼才ピアニスト もののあはれを弾く」を観る。ヴァレリー・アファナシエフで、『徒然草』や能楽その他日本文化の影響を受けたピアニストなのだが、そういうことよりも彼が弾いたショパンの高音の、せつなくて涙がこぼれるほどの音色にショックを受けた。「ノスタルジーは最も高貴な感情である」という言葉にも、亡命生活の中で培われた彼の矜持のようなものを感じる。

□2008年3月19日(水)

 3月定例市議会最終日。今年は退職する職員がかなりいて、執行部でも議場のヒナ壇からゾロゾロと降りてきて退職の挨拶。要するに私と同じ1947年生まれの団塊。いやはや、来年度から職員はみんな私より年下ということだ。(議案採決にあたっての私の討論は「議会レポート」参照)

 先日、水銀と自閉症の関係を問題提起している野口さんより、米国の連邦裁判所がワクチン(水銀が主成分となる保存料、チメロサール含有のワクチン)の水銀で自閉症になると認める画期的な判決</B>を伝えるメールが送られてきた。議会日程などがたてこんでいて今日やっと読む。ワクチンが打たれた後退行性自閉症を発症した子供に有利な判決。野口さんが訳して送ってくれた全米自閉症協会の発言は我が国の現状を把握するうえで示唆を与えるものとなるだろう。この件に関するNAAのプレスリリースは「市民の広場」を参照

 なぜ自閉症が増え続けるのか・・・「発症率が30年で10倍、男子と女子の割合が4:1、兄弟や双子でなるケース、兄弟がいる場合第1子が多いとか」、他の先天性疾患ではみられない発症状況と、原因を追及していけば水銀にぶつかる」という。日本には水俣病の経験があり、厚生労働省の一部はすでにわかっているのではないか、とも。

 米国の判決を含め、この事実関係をもっと多くの人が知る必要がある。そして取り組むべきは「予防原則」


□2008年3月17日(月)

1968年の今日、当時南ベトナムのソンミ村で504人の村人が米軍によって虐殺された。事件が報道されると、あの南ベトナム共産主義化を阻止するという、ドミノ理論に基づく米国民主主主義の「大義」は地に落ちた。世界中でベトナム反戦運動がもりあがった。「正義の戦争」だと、徴兵によって泥沼の戦場に駆り出された米兵たちの心身にも大きなダメージを与えた。そして、いまだ癒えることのない傷を背負って生きている、私と同世代の元ベトナム兵士たちがいる。

ベトナム侵略戦争は米国の名誉や威信だけでなく、長年の戦費で経済的にもズタズタの負担を強いた。ベトナムの「悪夢」を振り切るには1991年の湾岸戦争あたりまでかかったのではないか。長年アメリカをネタに食べてきたフリージャナリストの友人は、1991年、私の初の市議選の応援に来てくれた時「湾岸戦争はベトナム以来開発しても使い道がなくてため込んだ兵器の在庫整理」だと言っていたっけ。

 一夜にして米国の名誉を失墜させたソンミ村虐殺事件の教訓から、あの南京事件の視点が見えてくるだろう。南京事件で問われているのは虐殺した「人数」ではなく、無抵抗の住民に軍隊が刃を向けたことなのだ。それは、たとえ1人であっても責任は問われるのだということを「つくる会」教科書を信奉する人たちは思い知るべきだ。

 今日は成田日赤で眼科の検診を受けた。私はさておき、どうしてこんなに患者がいるの~?!今日は初診で待ち時間が2時間以上あったので、日赤に勤めている知人を訪問(仕事のお邪魔)したり展望レストランで食事をしたり、いつも「あっちが悪いこっちが悪い」と病気自慢をしている知人に「私、眼の病気なの!」と電話してウサを晴らしたり、結構充実した時間を過ごした。

□2008年3月15日(土)

4月の陽気だそうだ。身も心も緩んできそうなお天気だった。カモミールの鉢を大きいのに替えた。今年もたくさん咲いてもらってハーブティーを楽しみたい。

 今日はゾクゾクワクワクするようなTV番組を見た。HV特集「発見!道具を使うサル」というドキュメンタリー番組。道具を使うのは人類のほかにはチンパンジーだけと思っていたら、なんとブラジルには石を使って木の実を割ったり、同じく石を使い分けて土を掘ったり木の根を切ったりするサル、フサオマキザルというのが生息しているという。

 2004年に公表されたらしいが、その年は母の入院や別れがあってまったく記憶にない。それを発見したのが2人の女性というのも嬉しい。そういえば、チンパンジーが道具を使うことを発見したのもジェーン・グドール。人類とチンパンジーが進化の枝分かれしたのが600700万年前、フサオマキザルは7000<万年前という。というと第3紀中新世、人類の遠い遠いご先祖といわれるプロコンスルの頃だ。

 石を使うのは乾燥地帯にいるフサオマキザルで、同じサルでも食料が豊富なジャングルの中に暮らす仲間は道具を使うことはないという。環境の変化で食料を得るために道具を使うことを選択し、そのために直立姿勢を余儀なくさせたのだ。番組はボアビスタというところの石を使ってヤシの実を割るフサオマキザルの生態を紹介していたが、石をもって歩く姿や立ち上がって周囲を見わたし何かを探す姿は人類のご先祖様もかくありなん、と想像力をかきたてる。『2001年宇宙の旅』のイントロを思い出させるシーンに感動した。

 人類の二足歩行や道具の使用の起源を森林が乾燥してサバンナに移り変わる環境の変化に求める説がある。フサオマキザルの生態はそれを証明するものとなるのかしら?

□2008年3月14日(金)

 眼科の診察を受けたが左目の異変は精密検査が必要なようで、日赤に紹介状を書いてもらった。夜は春の雨になって少し憂鬱な気分だったが、ま、どんな結果でも受け入れるしかない。

 午後、昨年4月の市議選の際のガソリン代の情報開示請求を出しておいた。県議選のガソリン代に関する新聞記事を読んで、請求は業者から出されているので確認のため。

□2008年3月13日(木)

 昨日で予算特別委員会が終わる。10日(月)は午前10時から午後1015分までお昼は食べたけれど夕食抜き。11日(火)は午前中は市内中学校の卒業式だったので私は吾妻中の式に出席。答辞を読む男子生徒の豊かな感性にもらい涙?し、午後1時30分から夕方軽食をはさんで夜8時30分まで。昨日は午前10時から午後5時分頃まで、忍耐と努力を要する審査がおこなわれた。

 委員会の間、老眼鏡と遠視の眼鏡をとっかえひっかえしたり老眼鏡をかけたまま発言を続けるなどヘンな眼鏡の使い方をしたせいかしら?昨日は午後になって左目に異変!今日さっそく、以前結膜炎になった時に診てもらった眼科に行こうと思ったが木曜休診なので日赤に電話した。すると、混雑していて紹介状がないと3時過ぎになるから痛いとかじゃなかったら明日かかりつけの医者の見てもらってくれと言われた。ま、痛いわけでもないし、そうすることにした。

 そういえばまだ紹介状をウンヌンするようになる前日赤の眼科にいったら、やっぱり患者がズラーッと並んでいた。ハンパな数じゃなかったから看護師さんに聞いたら糖尿病が原因の患者が急増しているらしかった。高齢化社会で白内障も多いようだ。

 この5日ほど部屋の片づけもせず、床をモップでなでつけるだけの日が続いたので、今日はちょっと積もった埃を払う。ついでに冷蔵庫も掃除して毎週ひと瓶(牛乳400CCくらい)つくっているカスピ海ヨーグルトを補充。

 この世に未練がでてきたのかしら?最近朝と夜紅茶にすりおろしたショウガを入れて(甘味がほしい時は粉末の黒糖)飲んでいる。生姜紅茶というやつ。もともと体温が低いので、せめて1度くらい高くして免疫力を高めようと欲張っている。売っているサプリメント類にはいまのところ全く興味はないが、食べ物や飲み物は適当に気にしている。

夕方5時からニュータウン赤坂センター地区振興協議会。市民アンケートや成田市の総合計画などに踏まえたコンサルからの中間報告で少しイメージが固まってきた。

□2008年3月8日(土)

 例年より遅れてルッコラの花が咲いた。今年の冬は寒かったのかしら?さっそく友人お手製の小さな手びねりの花瓶に活けた。ルッコラはゴマの風味がしてサラダやおひたしに美味しいし栄養価の高い西洋ハーブだけれど、花も楚々とした中に気品を感じて楽しめる。

 いよいよ春本番。ハーブたちにも勢いが出てきて嬉しい。実家の畑に移したいハーブもあるが、3月は春分の日を過ぎてもドカンと雪が降ることもあるから最後の日まで気が抜けない。それと、今年は無農薬米に挑戦したいのでなんだかソワソワした気分だ。

 今朝の朝日県版に昨年4月県議選の選挙カー燃料代公費負担の「不自然な請求」が取り上げられていた。これまでも各地で返還請求や減額修正がされている選挙の公費負担問題。

 もともと、公費負担制度は議員立法で成立し、公選法に盛り込まれたものだそうだ。昨日の総務常任委員会には、さらに市長のマニフェスト用ビラ(A4裏表)の公費負担を追加する条例改正案が提案された。1枚7円50銭の積算根拠は不明だし16000枚(手渡しできる範囲がこの枚数だそうだ)を2<回分という理由も説得力のあるものではない。

 おまけに市長・知事選挙のみで町村長選挙には適用されないらしい。誰でも立候補できるチャンスを広げる意味で選挙の公費負担そのものには反対ではないが、不透明さを残す「改正」なので反対した。選挙公報や公開討論会を充実させていけばよいではないか。

□2008年3月7日(金)

総務常任委員会が終わり、あとは10日~13日の予算特別委員会を残すのみとなった。今週は議会のスケジュールが詰まっていたりしてなんとなく慌ただしく、いつも楽しみに待っている(といって何もあるわけではない)5日の啓蟄も、朝ラジオで「今日は啓蟄です」と言うのを聞いて「あー、もう今日は啓蟄ね」で終わりだった。

 でも、ふとした瞬間に春を感じるこの頃。朝のまどろみの中どこからか小鳥の鳴き声が聞こえてきたり、市役所正面玄関前に植えられた紅白の梅の花がいつしか満開となって匂い立つ香りをあたりに漂わせていたり。

この満開の梅の木をみると必ず元市長の故長谷川録太郎氏を思いだす。6期に及ぶ市長職を引退する最後の3月議会の頃、梅の木に向けて一人カメラのシャッターを押しているところに遭遇した。この紅白の梅がお気に入りにようで、場所柄ここでカンバスを広げるわけにもいかないのでカメラにおさめて後で絵を描きたいとのこと。その時、元市長のほうから当時成田で大問題になっていたボートピア(場外舟券売り場)建設に対し、「私は姫路などの施設を見てきたけれど、成田の将来を考えると好ましい施設とは思わない」と、率直な感想を語ってくれた。私は議会で反対するだけでなく反対署名運動にも関係していたこともあり、その言葉で元市長との4年間の緊張関係がふっとゆるんだような気持になったことを憶えている。というのも、私は長谷川市政を「風通し悪い旦那政治」などと批判して議員になったようなものだから。いま思えば懐かしい。

■□2008年3月3日(月)

しまはれしまま歳を古る雛かな(こう子)。

そういえば娘の初節句に両親が贈ってくれたひな人形も箱につめ込んで実家の物置きにしまいっぱなしだ。今年こそは・・・と思いつつ、7段飾りを置ける部屋もなくそのまま。今年はもう間に合わないけれど、日をみて開けてみよう。ぼんぼりの灯に浮かび上がった人形たちを思い出しながら桃の花を飾り香をたく。窓辺のローズゼラニウムの蕾もふくらんできた。

 今日で一般質問が終わり、明日から委員会が始まる。午前10時からの新清掃工場整備特別委員会は市民が委員会を傍聴できるようになって最初の委員会。

福田内閣の支持率が危険水域の30%を割りそう。この間も最高責任者なのに「国民に心配をかけない自衛隊、防衛省になってもらいたい」なんて・・・ちょっとォ、アンタはなんなのよォと言い返したいような答弁。そろそろ国民から愛想をつかされ始めたということかな。

 「自衛隊っていうのは、自分を守る軍隊だってことがわかった」と昨日TVで誰かが言っていた。「軍隊」が住民を守るなどというのはそもそものフィクションだから、今回のイージスの対応はさもありなん、と思っていた。とはいえ自分を守るためなら何でもやる、となった時が怖い。次官の言い逃れ発言を聞いていると、あんなので国民をごまかせると、本気で思っているのかしら?だとしたら、国民もずいぶんなめられたものだ。

 花粉も黄砂も全開らしい。夕刊の星座占いによると明日のおうし座は「人はアテにならない星回り」だそうだから、いっさいアテにしないことにしよう。

□2008年2月29日(金)

一般質問が終わり、寄り道をして帰ったら産直野菜が届いていた。今日のケースにはニンンジン、サトイモ、聖護院ダイコン、ホウレンソウ、ネギ、如月菜が入っていた。『産直ニュース』(三里塚有機農法産直の会発行)によれば冬野菜も一品一品と終わりに近づき、畑では春・夏野菜の本格的な作付が始まったようだ。まだ寒さ対策が必要で保温用のビニールトンネルをかぶせてあるらしい。育ち始めたら、天候をみながら日中はトンネルの裾をめくって換気をし、夕方また裾を下ろす作業の繰り返しになる。さらに暖かくなったらビニールを全部はずして出荷まで一日でも多く太陽を浴びさせて育てるという。こうしてみると、本当に「手塩にかけて」という言葉がピッタリ。だから、いつもありがたくいただく。

 北総台地の畑で育ったその季節の野菜を食べられるだけで、嬉しい。最近とくに「食の安全」という言葉を耳にするが、その基本は地産地消。佐賀県の農家で作家の山下惣一さんは、「国の自給率よりも、狭い範囲で地域の人たちの食をどれだけ地元で賄うかという『>地給率』が大事だ」と言っている。成田市の学校給食だけでも毎日1万食を作っているのだから、もっと給食に地場産食品を使うようにするとか、農家の販売所を利用しやすいようにするとか、創意工夫して成田市の地給率をあげる努力をしたらいい。

 戯作者の松崎菊也さんが『週刊金曜日』に連載している「無責任架空対談」は風刺がきいていて毎週笑わせてくれる。今週は民主鳩山幹事長と石破防衛大臣にやらせていた。架空ではあるけれど、真実に迫っているようで、特に石破大臣のキャラがモロ浮かんできて本当に可笑しかった。その前は権力欲みなぎる2人のジッサマ、読売新聞のボス渡辺氏と中曽根氏。次回が楽しみ。<

□2008年2月28日(木)

 初めて一般質問で一問一答式をやる。質問項目が5つだったのは多すぎた。一問一答なら質問項目はせいぜい3つくらいまでだろう。1つでもいい。それにしても、昨日から市長は同じ答弁の棒読みが繰り返された。ということは、同じような質問が多かったということでもあるのだが。「住んでよし、働いてよし・・・」という市長のまちづくりキャッチコピーは憶えの悪い私でもスラスラ言える。

 「太陽系に新惑星の可能性」という記事が朝日1面に載った。日本のグループがコンピューターで数値計算した結果の理論的予測。その「惑星」は太陽系の一番外側を約1000年かけて回っているらしい。地球とほぼ同じ大きさで太陽に一番近づくと冥王星なみの明るさになるという。早くて5年、遅くても10年以内にはキャッチできるらしいから、老後の楽しみが一つ増えた。太陽系内のどこかに生まれた「惑星」は太陽系ができて1億年くらいの間に今の軌道に「移動」したという。惑星の引越しなんて、私の脳みそには刺激が強すぎる氷でできているらしい惑星からはるか彼方、宇宙の闇に小さくボーッと鈍い光を放つ太陽を望む絵は想像をかきたてる。惑星と太陽の間を私たちの地球が回っていると思っただけで神秘!

 「なんにもない なんにもない まったくなんにもない 生まれた 生まれた 何が生まれた 星が一つ 暗い宇宙に生まれた 星には夜があり そして朝が訪れた なんにもない大地に ただ風が吹いてた」思わず歌ってしまった『はじめ人間ギャートルズ』の主題歌、そしてマンモスの輪切りを思い出した!

□2008年2月27日(水)

 午前10時から初めての代表質問が行われた。地方議会に会派(3人以上)はいらないのではないか、というのがこれまで一人でやってきた私の考えだが、それはそれとして、今日は5つの会派が代表質問を行った。ただただ一日中単調な話を聞きながら本会議場に座り続けたので疲れた。別に劇場型を期待しているわけではない。決められてじーっと座っているのが苦手な性格なだけ。

 そんなわけで、昨日の夕刊と、偶然見た今朝の星座占いでは仕事運、金運、恋愛運、その他とにかくぜーんぶ全開でグー!だったはずなのに、何も起こらなかった。これでは起こりようがない。<

 明日から土日をはさんで3日間一般質問の予定。私は明日。

 昨日の県議会開会初日に「在沖米海兵隊員による少女暴行事件等に関する意見書」と、「海上自衛隊イージス艦『あたご』による衝突事故の原因究明と再発防止策を講じること等を求める意見書」が全会一致で採択された。

□2008年2月25日(月)

 今日はちょっと外出しただけであとは一般質問の準備。といっても集中力はせいぜい2時間が限度。テレビを見たり、好きな音楽や、写真集など気分転換の時間のほうが長い一日だった。

 テレビをつけたらあちこちのチャンネルでアノ「ロス疑惑の三浦さん」が昨日米自治領サイパン島でロサンゼルス市警に逮捕されたという番組を流していた。1981年にロスで発生した銃撃事件で妻を殺害した容疑。日本ではグレーの部分を残しつつも、犯人を特定できずに最高裁までいって無罪が確定した事件だが、ロス市警は新たな証拠を見つけたという。未解決殺人事件を追うロス市警・・・

 ドラマのようだ。ロス市警はHPで「我々は、捜査の網をたくみに逃れ続けてきた男をついに捕まえた」という表現をしているようだ。

 三浦氏で思い出したことが2つある。

 私が法律事務所で仕事をしていた1990年前後のこと、さる人を通して今は亡き事務所のボスに三浦氏の裁判の弁護人を引き受けてくれないかという打診があった。ボスは「(三浦氏と)信頼関係を築けるかどうか、自信がない」として断ったと言っていた。

 もう一つは母の思い出。事件の後TVワイドショーで連日のように報道合戦が続いた時期があった。その頃実家に帰るたびに母は「三浦さん」のことをまるで近所のお兄さんのことのように話していた。私は実家で母から事件と「三浦さん」を教わったようなものだ。その母はワイドショーから情報収集といった具合。テレビの威力を感じた事件のはしりであった。

 すでに忘れ去られようとしていた事件が新たな展開をみせるのだろうか。

□2008年2月24日(日)

 昨日の低気圧は通り過ぎたのだろうが、一日中冷たい強風が吹いていた。午前中は用事があって栄町の竜角寺に行く。帰り道、車で風土記の丘の中を走りぬける途中何かアヤしい雰囲気。頭が少しモヤっとし、心なしか目がうるみ、鼻の粘膜に違和感を感じる。きっと飛び交う花粉に反応しているのかもしれない。部屋に入ると治まったけれど、いよいよ私の体も花粉にデリケートになってきたのかな。

 慌ただしいスケジュールが続くと、全く関係ないようなことで気分転換をするようになる。今日はサラダ用にルッコラの種を蒔こうとキッチンの引き出しを開けたら、奥のほうから「ギンネム」の実が14粒入った袋が出てきた。いつか誰かにもらった記憶はあるのだが、どうしても相手を思い出せない。とにかく秋になったら今度こそ忘れずに蒔こうと決め、ハーブの種と一緒にしておいた。

 京大霊長類研究所の松沢哲郎さんが新聞に書いたものは、目につく限りいつも切り抜いている。今は土曜日の夕刊に定期的に掲載される「子どものころの遊びって?チンパンジーの世界から考える」という短いコラムがとても興味深い。

 チンパンジーは父系で、よその群れからやってきた女性が子どもを産むと、母親は一人だが、血のつながった男性たちが協力してその子を外敵から守るのだそうだ。松沢さんは複数の「おとうさんズ」と表現している。群れには父親は同じでも母親が違う子どもたちも。それに、群れの男性たちはみな血がつながっているから、子どもたちもみんなきょうだいのようなものだ。

 私の乏しい文化人類学の知識では、人類も一夫一婦になる前は子どもは母の共同体で暮らし、母の兄弟たちが父親のような役割を果たしていた時代が長く続いた。ところでそのおとうさんズは別の共同体の女性たちと結婚するのだが、そこで生まれた子の父親役は彼女の兄弟たち・・・というわけだ。日本でもこうした母系血統を尊重する、あるいは母の出自がモノをいう名残りが室町時代あたりまで色濃く残っていた。

 要するに群れや共同体から男がでるか、女が出るか。インセスト(近親婚)を排除する生物学的な本能から生まれた仕組みといえるだろう。子どもたちは群れや共同体の子として育てられる。

 現代のように子育ての役割を両親(夫婦)に固定せず、おとうさんズやおかあさんズがいたらずいぶんゆとりのある子育てができると思う。なにより子どもにとっていい。せめておじいさん、おばあさん、おじさん、おばさんが身近にいるといいな。

□2008年2月23日(土)

 米大統領予備選で、民主党オバマ候補躍進の原動力として「政治に動く若者たち」という記事が朝日新聞で特集されていた。これまでも若い人たちにオバマ支持が多いと言われてきたのは知っていたが、予想以上で注目。8年間のブッシュ政権下、イラク戦争の泥沼や貧富の差が拡大する米国社会に対する幻滅の中から、オバマ候補の登場をきっかけに行動を始めた学生たち。記事によれば「ネットを駆使した草の根の活動が全米を覆い、20代前半の投票率は各地で急上昇」という。

 「ヒラリーは『私に投票すればすべて面倒を見ます』。オバマの演説は『私に投票して一緒にやろう』と聞こえる」という、19歳の学生の声に象徴されるように、彼らは「アメリカを変えようよ!」というオバマ候補の呼びかけに敏感に反応し、政治参加に目覚めたようだ。「

 18歳から24歳の約3千万人が大統領選の行方を決めかねない力を持ち始めた」と記事は結ばれていた。

 40年前、私たち団塊も日本を変えようという思いを共有した時代があった。大学を拠点にして街頭に繰り出し、あるいはたてこもって抵抗した。当時は政治変革を求めるのに、選挙や議会を通して変えていくよりも「革命」のほうが現実的に思える歴史の名残や雰囲気があった。そうした団塊の行動は、米国はじめ世界中にひろがったベトナム反戦運動、民主化を求めたプラハの春、パリ5月革命など欧米の若者たちとも連帯していた。

 その団塊もいまは老後の保障が気がかりな年齢になってしまった。アメリカのベビーブーマーも同じだろう。「チェンジ」と訴えるオバマ候補を「ワンフレーズ」と皮肉っていた週刊誌もあったが、掛け声だけ中身がないように不安を感じる年代でもある。でも、次代を担う若者たちが「チェンジ」のもつ可能性に希望を託せるような選挙が行われるとしたら、それは素晴らしいことだ。ところで、若者と希望を分かち合えるような日本の政治家って、いるかしら?

 午後、気圧の谷が通り過ぎた。空は一転かき曇り、突風が吹き荒れた。その後青空が戻ったが、ここ数日とはうって変わって寒さがぶり返したようだ。夜は市民団体の例会。

□2008年2月22日(金)

 定例市議会が始まった。3月19日(水)まで。予算特別委員会の委員になったので審査が終わる12日までは気が抜けない。予算特別委員は2年ぶり、かな。

 全員協議会や議員団の会議が終わって一般質問の関係で担当部とレクチャーしたのだが、八ツ場ダムに関しては本当に歯がゆい。とっくに破たんした国のムダなダム政策がさらに5年先延ばしになった。関係都道府県や市町村は毎年水源開発費を税金から払っている(成田市の場合20年度予算では投資及び出資金で4千万円余り)のに、今回も都道府県レベルでさえせいぜい「予定完成年度には完成してほしい、負担が増えないようにしてほしい」といった程度で終わりそう。成田市なども他人事みたいだ。

 夕方気分転換に入ったレコード店で、まだ持っていないチャントが入った「グレゴリオ聖歌」のCD(マドリガル・スロヴェニコ合唱団)を見つけた。音楽は、その時々の心の動きに付きあってくれる。グレゴリアン・チャントもその一つ。

□2008年2月20日(水)

 議案説明会。51件の議案と専決処分の報告2件が提案された。平成20年度当初予算の概要と主な事業はまちこのホームページ「議会レポート」を参照 議案説明の後、今度の定例会からできる委員会傍聴や、6月議会以降のインターネット中継に向けたカメラ設置など改装された本会議場や委員会室を見た。これを機会に委員会傍聴者のために、議案書や予算・決算書など、審議している内容をわかりやすくするために貸出しできるよう要望しておいた。

 今日は早春の和みを感じさせる1日だった。自然はこんなにも美しいのに・・・イージス艦と衝突して東京湾に投げ出された勝浦の親子はみつからない。身内はもちろん、周囲の人たちは言葉に尽くせない喪失感や焦燥感に包まれていることだろう。「写真」に向かって声を振り絞るように語りかける肉親の姿、近所の人たちがそろって海に向かい、太鼓をたたきながらお経を唱える姿。その必死の思いの強さが私の胸にも伝わってくる。

 「第一報が伝わるのに防衛相に1時間半、首相2時間」かかったとのこと。なめられてるんじゃない?イージスに限らず、最新鋭の武器をもつ軍隊を増長させてはろくなことがない。

 そこのけそこのけイージスが通る・・・この場をしのげば政治家なんてチョロイもんだ。アイツら軍事オタクで目をシロクロさせる奴か軍事のイロハを知らない奴かどっちかだからな。なんてったってオラっちは米軍からも頼りにされる世界屈指の装備をもってるジャパン・アーミーだ・・日本を守るスーコーな使命をもっているんだぜ・・・な~んていう気じゃないだろうね。

 あら、またまたヒラリーがピンチ!オバマがスーパーチューズデー以後9連勝。福井県小浜市がいま盛り上がっているらしい。

□2008年2月19日(火)

 22日から始まる定例会に向けたモロモロの準備が始まった。今日は一般質問の打ち合わせ。というか、すでに提出してある質問項目について執行部からの聞き取りのような性格をもつ。傍聴する市民からすると、とかく出来レースのようにみられる原因になる。これまで一般質問は60分を限度に3回まで質問できたのだが、質問・答弁を3回目まですべてすり合わせるような議院もいた。今度の議会から希望者には一問一答式が採用されたので、私はこれでやる。でも・・・初めてなのでどうなることやら。

 昨日前市長汚職事件控訴審の判決があった。東京高裁は千葉地裁の1審を支持し、前市長からの控訴を棄却した。代理人弁護士は上告するかどうか検討中とコメントしているらしいが、裁判の流れを考慮すれば上告を断念させるのが法曹に身を置く弁護士の良識というものだろう。

 軍隊に関する2件。

 沖縄北谷町の女子中学生暴行事件は痛ましい「米軍基地の中に沖縄がある」状況で繰り返し女性の性が蹂躙されてきた歴史が沖縄にもある。それは沖縄県民だけの怒りではない。殺し合いの戦場という極限状況に送りだされる軍隊と性暴力は歴史的にも深くからみあっている。 

 これまでに出会ったホスピタリティ豊かな沖縄の人たちの顔を思い浮べながら、基地のない沖縄が訪れる日を心より願う。

 早朝千葉県野島崎沖の太平洋で漁船とイージス艦が衝突するという事故が発生した。巨大なイージスにぶつかって真ん中から折れた漁船が、波間を木の葉のように揺れていた。乗っていた親子は行方不明。イージスはハワイ沖でミサイル実験をした帰りだそうだ。私が反対しているPAC3はそのイージスが撃ちそこねたミサイルを私たちの暮らす頭上で迎撃するミサイル。

 いずれにしても、軍隊は住民を守らない。

□2008年2月17日(日)

 市民運動で活動を共にすることがある県議の吉川さんの「新春の集い・交流会」が柏市で開かれたのに出席し、途中抜け出し船橋経由で千葉に行き、残土・産廃問題ネットワーク千葉県主催の「千葉県における鉄鋼スラグ問題」第1回目の学習会に参加。

 鉄鋼スラグは「リサイクル品」として大規模に使用する国の流れがある。が、実態は鉄鋼製造の産業廃棄物。重金属を含んでいて、各地で健康被害や環境汚染も出ている。鉄鋼スラグ問題に取り組んできた愛知県愛西市議の吉川三津子さんから中部圏取組み事例報告と、鉄鋼スラグの実態に迫るルポライター井部正之さんの講演を中心に、質疑応答があった。千葉県でもJFEの高アルカリ水やシアン化合物が高濃度で混じった違法排水が問題になったことがある。野積みされた高炉スラグから溶出して排水路に流れ込んだものといわれる。

 今日の学習会は三番瀬関係の関係諸団体も協賛。千葉県は三番瀬の人工干潟を造成するのに改良ヘドロ?とこの鉄鋼スラグを混ぜて使うのではないかという話があるという。海の再生という名のもとに漁礁に使われている例もあるらしい。ヤバいんじゃない?

 スラグはJIS規格で品質を問わない、大気汚染防止法の粉じん規制しかない。いずれにしても「スラグ」のきちんとした統計をとること、産廃としての位置づけ、製造者・排出者責任などを求める運動が必要だという意見。

 今日のテーマではなかったが、日本中のゴミ焼却施設からも使い物にならないスラグがどんどん出ている。路盤材に利用できると言われているが、東京都の溶融スラグからはリサイクル不可の高濃度鉛が検出されている。いずこも徹底した成分分析が必要だろう。

 昼間JR各駅のホームに流れる小鳥のさえずりはさわやかな気分にしてくれるが、夜になっても同じ鳥のさえずりを聞かされるのはちょっと・・・。この間なんか夜

 10時を過ぎても流していた。ということは、終電まで???日が暮れたら小鳥も夢を見るだろうに。でも、夜は他の生き物の声にするとして、まさかフクロウというわけにもいかないだろうな。いっそ、夜の小鳥のさえずりはやめたほうがいいのではないか。似合わないもの。

□2008年2月15日(金)

 3月議会の一般質問通告締切り。質問項目は5つ。(1)水源開発に対する成田市の見解、(2)入札改革の成果と今後の課題、(3)公共施設のたばこ等自動販売機について、(4)NPO支援と育成に対する成田市の現状と展望について、(5)食の安全と学校給食について。一問一答式で60分の予定。

 3月議会から成田市でもようやく市民の委員会傍聴ができるようになる。また、6月議会からはインターネット放送。開かれた議会に向けて一歩前進。

 通告を提出し、くじ引きをやって9時からは総合開発審議会。終了後審議会で柏市が進める環境・健康・創造・交流まちづくりの一端を視察。

 柏の葉まちづくりと21のアクションプログラム、柏の葉国際キャンパスタウン構想の共同研究、大学コンソーシアム柏について、説明と意見交換。

 昼食後、柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)、東京大学柏Ⅱキャンパスでは十坪ジム関連の施設見学、千葉大学環境健康フィールド科学センターで柏の葉予防医学プロジェクトと(シックハウスに対応した)ケミレスタウン・プロジェクトの概要説明、ケミレスタウン(造語で、化学物質の少ない、といった意味・シックハウス症候群発症予防のためのまちづくり)実験棟の見学。

 ケミレスハウスは化学物質過敏症で悩む人から話に聞いていたので、担当者の説明を受けながら見学できて良かった。

 鳩山法相というのは懲りない人だ。全員無罪、検察も控訴断念した鹿児島県志布志の県議選挙違反事件を「えん罪と呼ぶべきではない」と言ったという。恐ろしいことに、あの事件は鹿児島県警のでっち上げ事件ではないかとすら疑われているというのに。

 彼はこれまでも法相がハンコを押さなくても自動的に死刑執行できないものか、とか「友人の友人がアルカイダ」など、軽率というか意図的というか真意を疑うような発言をしてきた。アムネスティ・インターナショナルも抗議したが就任5ヶ月間で6人の死刑執行を命じている。エミリーちゃんと結婚した頃に比べて人相も別人のようだ。政権の中枢にいる政治家なのだから、自分の発言はもちろん顔にも責任をもってもらいたい。聞いても見ても不愉快だ!

 朝刊各紙1面に神奈川県が日本史を高校で必修にする方針だという記事。私が高校の頃は1年地理、2年世界史、3年日本史・政治経済が必修だったと思う。大学受験は得意の世界史を選択したが、どれも大事。みんな必修にすべきだ。ザッと目を通して読むだけでも、バランス感覚が養える。カリキュラムの中で日本史・世界史どちらか一方を必修に、というなら私は中教審の答申と同じく世界史だと思う。若い時に世界史(人類史)を学ぶことで、歴史と人間を見る視点の柔軟さと公正さが養われるだろう。自分が暮らす地域やその中で育まれた文化も相対的に評価できるようになる。

□2008年2月14日(木)

 昨日、オーストラリア政府と議会は先住民アボリジニーに公式謝罪したという。20世紀初頭から1970年代まで、同化政策のため白人との混血を中心にアボリジニーの親子を強制的に引き離す隔離政策が行われてきたことに対し、ラッド首相は「深い悲しみや苦しみ、喪失感を与えた」「誇り高い人々と文化に侮辱を与え、おとしめたことをお詫びする」と。その数は約10万人といわれる。ほかにも、居住や職業制限など市民的権利も侵害してきた。

 以前ウルル(エアーズロック)に行った時、その一帯は太古からアボリジニーが住んでいて、ウルルは聖地。政府は観光地として使用するにあたり彼らに地代を支払っていると聞かされた。また、ウルルのそこここにある神聖なスポットには撮影制限を設けてあったのを記憶している。

 日本にも先住民がいる。アイヌ民族だ。でも、日本政府はアイヌ民族を日本の先住民として正式に認めようとしない。今日届いたアムネスティからのメールによれば、国連人権理事会に新たな人権状況を審査する仕組み「UPR」(Universal Periodic Review)が設置され、今年5月には日本に関する審査が行われるという。その中には先住民問題も入るだろう。

 米大統領予備選、民主党ではオバマ氏の勢いが止まらないようだ。女性、アフリカ系どちらが候補になっても合衆国初で「観戦」している側には気合いが入る。どっちにしてもこのようにして大統領候補が選ばれていくアメリカってすごい。私はヒラリーが選ばれ、本戦でも共和党候補を破って女性大統領が誕生するのを期待する。

□2008年2月13日(水)

 日射しは輝きを増しつつあるが凍えるような風が吹く。これからの気候は一進一退を繰り返しながら本格的な春の準備が始まる。変わりやすいのが「女心と秋の空」というが、昔、ジャクリーヌ・ササール(私も古いわね!)主演で『3月生れ』というイタリア映画があったように、ヨーロッパでは変わりやすい春の気候に女心を重ね合わせるらしい。

 久しぶりに芝山町役場と多古町役場に『赤貧洗うがごとき』の後援依頼に行く。道中山武杉が植えられていて、花の蕾をボッテリつけているのが目につく。スギ花粉症の人は見ただけで鼻や目の粘膜ががグジュグジュしてくるのではないかしら?以前、花粉をまき散らす杉の写真をみただけで「わーッ!イヤダなー!」って悲鳴を上げた人がいたから。

 明日は聖バレンタインの日。電池交換に出していた時計を引き取りに行くと、チョコレート売り場は大賑わい。普段は静かだけれど。ゴディバがあるのは成田ではここだけではないかしら?自分へのごほうびのために、好きな人への思いを込めて、渡世の義理、いろいろあるだろうけれど、楽しいイベントじゃない?ま、日本では一番元気な「女の祭り」だろう。

 私だって、20ン年くらい前は熱愛する男のために胸ワクワク、カレ好みのチョコレートを選んだのだけれど、いまじゃ義理でするチョコもカンケイナシ。淋しくもあり、心やすくもあり、だ。ただ・・・チョコレート業界には悪いけど義理はやめたほうがいいと思う。私は愛(いろんな愛)がすべてだと思っているから、義理チョコをプレゼントするのは考えられない。

 「セント・バレンタイン・デーにチョコレート」の仕掛けは日本のお菓子業界。チョコをくれた人へのお返しにはホワイト・デ-など販路拡大のためにはあの手この手。本命か義理かなんて言ってる場合じゃない、か。もはや国民的?行事だもんね。(チョコ産業の実態については「市民の広場」アムネスティのアピール参照)

 今日雑誌『主婦の友』が5月号を最後に休刊というニュースが入った。主婦の友社は、私の人生にとっては思い出深いものがたくさん、たくさんある。

□2008年2月12日(火)

 乾いた大地をうるおし、春の訪れをうながす雨が一日中降り続いた。ボロぞうきんのような私の感性にも少しばかりのおしめり、かな。

 午前中は雨を楽しみながらレナータ・テバルディとマリア・カラスをBGMにためこんだ事務処理。どちらの CD(テバルディは100円ショップで買ったのだが、ラ・ボエーム、トスカ、アイーダの中の胸がときめいたり締め付けたりのアリアが満載でお気に入り)にも、プッチーニの「マダム・バタフライ」の中でマダム・バタフライがピンカートンの船が港に入るのを待ち焦がれて歌うアリア「ある晴れた日に」が入っていて、何度聴いても泣かせる。

 『赤貧洗うがごとき』を上映するにあたり、後援の件で市教委へ。4月19日の千葉県教育会館の前にアミュゼ柏で3月23日上映するが、私の担当は3市2町。東葛地区は全市と市教委の後援をもらった。たぶんこちらも大丈夫と期待しているけれど・・・。成田を除く2市は知り合いの議員にそれぞれの自治体の後援依頼を頼んだ。2町には自分で行く予定。22日から3月定例会が始まるので、その前に目途をつけておきたい。

 この間、市役所に行っても議会の控室には寄らなかったので配布書類が机を覆っていた。そういえば新勝寺のお供物も初詣以来事務局に預けっぱなしだった。

□2008年2月11日(月)

 8日に山口県岩国市長選挙の応援に行き、昨日帰る。こんな時は成田でヤキモキしているより現地に行こうと、電車を乗り継いで初めて岩国へ。今回の市長選挙は、井原勝介さんを支持する地元住民とは別に全国から私のような市民や議員が押しかけ、それぞれ支援活動をした。

 米軍再編で厚木基地の空母艦載機受け入れに「ノー」という民意を示した住民投票と、それを尊重して国を相手に岩国の民主主義と地方自治を守ろうとする井原さんに対し、自民党が井原つぶしに選んだ候補は地元保守も不満をもらすレベルのコイズミ・チルドレン。立会演説会も不利とみるや断るような候補だった。

 ああそれなのに・・・何でもいいからアメをしゃぶりたい自・公両党に支えられた「米軍機容認の新顔当選」(朝日朝刊1面)。1782票の差だった。これで極東最大の航空基地が出現することになる。政府も容認候補の当選で、手のヒラを返したような対応。補助金カットの制度をつくって露骨な嫌がらせをやってきたのが、今度は「あらゆる制度を使って(補助金交付を)検討したい」とは・・・。しかし、1782票の差は決して甘くはないだろう。

 市長選は惜しくも敗れたが、アメにもムチにも屈することなく民主主義と市民自治、子どもたちの未来を見据えたまちづくりをめざす井原さんと岩国市民のパワーはすごかった。これで終わりではない。当分岩国から目が離せない。

 昨夜は帰ってから市民団体の例会。今夜は千葉で映画の上映実行委員会。岩国で泊まったホテルのスパでリンスインシャンプーを使ったら髪がパサパサになったので今日はヘナ(ミソハギ科の植物)でトリートメント兼白髪染め。ヘナは昔なつかしい麦わらの匂いがする。

□2008年2月6日(水)

 印旛沼流域水循環健全化会議主催の「みためし行動 冬期湛水調査 中間報告会」が印旛沼土地改良区を会場にして開かれた。

 2005年から始まったこの企画は、〝水と田んぼと生物多様性〞を検証しながら、「生命(いのち)のにぎわいとつながりを子どもたちの未来へ」(生物多様性ちば県戦略の理念)伝えていこうとするものだ。冬期湛水(冬みず田んぼ)有機農法水田稲作を中心に据え、水質保全・生態系保全を課題に多方面から調査を進める「みためし行動」は、2009年までの5年計画で今年はその折り返し点。

 田んぼでのコメ作りとその周辺の水・土・そして生き物たちの調査の中間報告会で、農家や研究者、佐倉市の「耕さない田んぼの会」の人たち等が参加して開かれた。

 私も4年前、不耕起栽培農法の普及に努める成田市出身の岩澤信夫さんの話を聞いて以来冬みず田んぼと聞いただけでワクワク。田んぼを豊かにするプランクトンや付着藻類の話などは興味がつきなかった。県立中央博物館の林さんの話すミジンコの生態にはすっかりはまってしまった。子どもたちにも聞かせたいと思った。

 雪が舞う中、久しぶりに印旛沼しょう水路沿いを車で通り過ぎた。成田新高速鉄道の工事が急ピッチで進められていた。しょう水路周辺の沼の風情はもうない。これからは5月初め、咲き始めた野バラを積みに行くこともないだろう。

 今日は共和・民主両党によるアメリカ合衆国大統領候補者選びのハイライト、スーパーチューズデー。午前10時過ぎからBS放送を中心に投票結果が称えられ始めた。夜帰ったら、民主党はヒラリー、オバマのガチンコ勝負で結論持ち越し。共和党はステテコおじさんみたいなマケインで決まりそう。<

 中国製冷凍餃子を食べたことが原因といわれる農薬中毒事件は、最初から注目していたがいまだによくわからない。怖い事件だ。新事実も次々と出てきている。餃子材料の残留農薬によるものではないようなので、高濃度の農薬がどのように餃子や包装紙に付着したのか、日中両国捜査機関などの調査を待つしかない。

 事件を通し、食物自給率39%の実態がはからずも露呈したわけだ。日本の食の在り方も問われていることなので、これを機に自分の食生活を考えて見るのもいい。

□2008年2月4日(月)

 立春。昨日の雪模様とはうって変わった晴れやかな天気。空気は冷たいけれどふりそそぐ陽射しに春色を感じ、たっぷり水を吸い込んだ大地や樹木のいい匂いに満足。今日はハーブとイチゴの苗を買う。ハーブはコリアンダー、ローマンマモミール、レモンバーム、スペアミントの4種。どれも料理とお茶用。昨年挿し木したローズマリーとイングリッシュラベンダーも新しい葉が育ち始めた。挿し木成功!

 イチゴは実家の畑に植え、今年は久しぶりに自分で育てたイチゴでジャムを作る。ムフフ・・・また自慢話ができて嬉しいな。

 昨日山口県岩国市長選挙が告示された。前哨戦から井原陣営に応援に入っている知人の話などから予想すると激しい選挙戦になるだろう。政府の言うことを聞かないからといって既定の補助金

 35億円をカットするという政府の岩国いじめをどう跳ね返すか、住民投票で米空母艦載機移転に「ノー」の民意を示した「市民力」が試されているといえるだろう。

 昨夜、この10年余り国民・住民投票運動をいっしょにやってきた関西の知人から電話があり、大阪府知事に当選した橋下氏が「国の防衛政策で住民投票すべきではない。憲法を勉強して」とイチャモンをつけ、井原前市長が反論。このやり取りに奥平康弘東大名誉教授はじめ憲法学者たちが加わっって、橋下氏に「わかっていないのはアンタ」と異論を唱えた3日付新聞記事が話題になった。関東は別の岩国記事だったのでで送ってもらう。

 橋下氏は弁護士だが、弁護士もいろいろいる。犯罪に手を染め処分されるのもいればこんな短絡的で誤った認識しかできないのもいるのだ。橋下氏の言い草は、かつて政治家たちが名護市や徳島市の住民投票で口走り、ヒンシュクをかったのと同じ。橋下氏もやがて大阪府知事になるから、弁護士というよりセイジカになったのだろう。

 10日投開票の岩国市長選挙は、「地方自治」にとって死活のテーマを含んでいる。政府・自民公明は政府に異議を唱える地方など許さないとばかり国の言いなりになる候補をかつぎ、井原潰しにヤッキになっている。そんな攻撃をけっとばして、井原さんには勝利してもらいたい。

□2008年2月3日(日)

 雪の果泣かぬ女となりにけり   こう子
 とはいえ、こう子さんは
70歳を過ぎても恋には悶々とされる方だった。眠れない夜もあったろう、抑えきれない涙も流れただろう。いまはこう子さんも相手の方もこの世にはいない。

 このところ街路樹に施肥をする業者を見かける。そんな時期になったのか。寒さはまだまだ続くが、樹木たちはこれから土中で根を伸ばし始める。養分をたっぷり吸いこんで春の準備が始まるのだ。

 年明け早々道路維持課に直訴したカイもあり、今年はニュータウン中央通りのユリノキの枝の剪定が配慮されそうだ。来年はユリノキの花が見られるだろう。ユリノキに花が咲くなんて、市民は見たことがないもんね。あんなにバツバツ枝を切ってしまったら、花芽もつけられやしない。花の咲く木には花を咲かせる、あたりまえのことだが道路維持課長が約束してくれたので嬉しい。以前この日記にも書いたけれどユリノキは別名チューリップ・ツリー。チューリップに似た花が咲く。質の良い蜂蜜も採れるという。るんる~ん、だ。

 昨日・今日とNHK衛星第1で放送されたフランス放送制作の「ザンスカール高地の娘たち―テンジンとパルキット」は、内容も映像も秀逸という言葉がふさわしいドキュメンタリー番組だった。ヒマラヤのふところ、信仰篤いチベット仏教徒が暮らす小さな村。2人の娘は幼いころからいつも一緒の仲良し。テンジンは親が決めた男と結婚し、パルキットは結婚は女にとって苦労のみと思い尼僧になる。その過程が何百年も続く地方の厳格なしきたりを背景にきめ細かく描かれている。親と子どもの情愛に満ちた言葉のやりとりもいい。しかし、若い娘の人生の選択肢が結婚か尼僧かしかないのはせつないね。

□2008年2月2日(土)

「九条の会・千葉地方議員ネットワーク」の集会があった。県内超党派の地方議員160余名で作る議員ネットは全国でも千葉県だけではないかしら?発足当初から参加しているが実行委員気会など定期的な活動はご無沙汰しているので、こういう時くらいは・・・という思いで講演会に参加。

 「憲法9条改正をめぐる最近の動き」と題する九条の会事務局高田健さんの講演は大変興味深かった。防衛省汚職事件もなんのその、軍拡の勢いをヒシヒシと感じるこの頃。無責任で調子のいい男どもも増えつつある。  

 首相は施政方針で自衛隊をいつでもどこへでも海外派兵できる恒久法の制定に意欲をみせていた。兵士が足りなくなったら徴兵。そんな時代は想像したくないが、なんだか背中がモゾモゾする。

 「徴兵は命かけても阻むべし 母、祖母、おみな牢に満つるとも」(石井百代★1978年朝日歌壇))アジア太平洋戦争で赤紙一枚、徴兵によりわが子や身内を戦場に送りだした女たちの心の叫び、痛恨の思いがにじみ出る句だ。

 電車で読もうと昨日届いた『週刊金曜日』を開いたら、表紙裏に憲法第97条が載っていた。「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」

 伊藤真さんの逐条解説で連載されている日本国憲法のこのページも、ついに97条にたどりついた。そう、私たちは人類の血と涙と汗によってかちとられた「基本的人権」を保障されているだけでなく、未来につなげる責任があるのだ。

□2008年2月1日(金)

 2月になって、気分が少し軽くなったような感じ。ま、私は人間関係よりも自然の影響を受けやすいタイプの人間だから。とはいえ自然の影響は人間関係にも微妙にからんでくる。行政視察で岐阜市に行った時、車窓の彼方にドーンと雪に覆われた伊吹山やその向こう青空に張り付いたような飛騨の山なみ、日本アルプスを見て「人の世は人にまかせて山眠る(こう子)」という句がふと思い浮かんだ。

 夜、市内ホテルで千葉県知事と成田市議会議員団の懇談会があった。このところプライベートに悩ましいことや視察などが続いて精神的にも肉体的にもバテ気味だったので参加を見合わせようと思ったが、堂本知事が空港問題をどのように考えているのか話だけでも聞いておくのもいいだろうと思って参加した。何故って、知事が立候補表明直前に暫定滑走路建設中の現状を見たいので現状を案内してほしいという、支持団体からの要請があって案内した経緯があるから。しかし、成田空港の現状や課題の中身は、新聞報道を超えるものが何もなかった。

 私は堂本知事が立候補前に初めて印旛沼のほとりで会い、金権・利権をぶっとばして堂本さんを千葉県知事に!と切実に思い、県内で初めて堂本さんと成田市民のミーティングを開いたり、知人が関係していた千葉県女性農業経営者会議の有志との交流会を設定するなどした。空港周辺を案内した時は、偶然にも空港予定地南側の「最大地権者」と遭遇し立ち話ではあったが、彼女と地権者との会話が実現した。

 そんなこんながあるので「ボタンのかけ違い」という言葉が知事からでた時にその時の情景が目に浮かんだ。知事2期目のこの期に及んで「かけ違い」などという言葉を聞き、知事に当選し、かけ違えたままの状況を放置して空港建設を推進する立場に立っているのはまことに厚かましい限りだと思った。

 ボタンのかけ違いをそのまま無視してどれだけ空港機能強化を強調しようと、かけ違ってたわんだ部分はそのまま残るわけで、「完全空港」などありえないのだ。

□2008年1月31日(木)

 午前中は東京高裁。管理型産廃場をめぐり旧海上町、銚子市など東総地区住民と(株)エコテックの第3回控訴審を傍聴。法廷は海上や銚子などからバスでかけつけた住民で満席になった。

 控訴審は地裁に比べ東京に行かなければならないので距離的に「遠い」裁判になるとともに、傍聴者も減ってしまいがちだ。これだけ傍聴人が法廷を埋めたら裁判官にも地元住民の思いが理解できるだろう。

 エコテック訴訟は、エコテック相手の民事も、千葉県相手の行政訴訟側も1審の千葉地裁では全面勝訴だった。それを不服として、エコテック側と千葉県が控訴したものだ。弁護士の話だと、エコテック側の主張は経理上の問題や施設の安全政についてコロコロ変わっている。しかも、すでに別件で水戸市の処分場控訴審で高裁は「法」の不備を指摘している。

 去る28日には千葉県との第1回控訴審があったが、私は行政視察で傍聴できなかった。でも、地元住民は控訴した千葉県に対し完璧な冒頭陳述を行なったという。千葉県は控訴を取り下げるべきだ。メンツの前に行政としてほかにやることがあるんじゃないの?夜は千葉でドキュメンタリー映画「赤貧洗うがごとく」の上映実行委員会。

□2008年1月30日(水)

 28日(月)から今日まで新清掃工場整備特別委員会の行政視察。視察先は、成田市の機種選定委員会が提言したガス化溶融炉シャフト式の炉を持つ多治見市(新日鉄製)と各務原市(JFE製)の清掃工場と、岐阜市・豊橋市の余熱利用施設。岐阜と愛知を出たり入ったりの行程だった。

 機種のついては、実際運転している工場を視察できて参考になった。本音とまではいかなくても、現場の担当職員の率直な話が聞けたと思う。そのうえで、やはり私のガス化溶融炉に対する基本的な認識は変わることがなかった。

 本当に「次世代型」かというと、やはり「?」である。何でも燃やすのか、3Rの徹底や生ごみのたい肥化、企業の製造責任などごみを減らすことを主眼とするのか、21世紀のごみごみ対策の考え方が問われる問題だ。ガス化溶融炉の現状は導入した自治体がテストしているようなもので、「リスクは自治体に、情報はメーカーに」といわれる状況。炉内はブラックボックスで何が起こるか(起こっているか)分からない。

 廃棄物問題市民活動センターの津川さんによれば、建設費はメーカーの売り手市場から政府のダイオキシン規制強化(0212月以降)を境に自治体のダイオキシン対策が終わり、買い手市場に変わりつつあるという。実際トン当たり5000万円と言われたものが2000万円台で入札が行われた例も出てきている。とはいえ、安く買いたたくと製造コスト削減により劣化が早まるなどして事故の原因になる可能性もある。修理費もかかり「金食い虫」と言われるゆえんだ。コークスなど補助燃料や薬品、電気代もかさむ。コークスはまた二酸化酸素排出量の問題が残る。

 ダイオキシンも二次的には残り、重金属も残る。出続けるスラグも路盤材などにリサイクルといいながら、土木工事は二の足を踏んでいる。東京都の清掃工場の煙突の水銀問題でも明らかなように「1000℃~1300℃で水銀やカドミウムが盛大に出る」そうだ。

・・・・と、こうした疑問が視察で解決することはなかった。機種選定委員会が市長に提言したことを理由にシャフト式が導入されるのは残念。

□2008年1月25日(金)

 夕方、産直野菜が届く。今日の箱はニンジン、サトイモ、ダイコン、キャベツ、ホウレンソウ、カラシナ漬物、カブ。しばらくこの野菜たちを食べる。私は月1回の配達だけど、原則週1回配達してくれる。無農薬有機で旬の露地ものを食べられるのは有難いことだ。。1箱千円。一緒に市東孝雄さんの農地を守る運動をやっている千葉の消費者は「僕の体の3分の1はこの産直野菜でできている」と言っていた。元気な野菜を食べていたらそう思うだろうな。

 ケースに入っていた「産直ニュース」に鳥よけや霜よけ・寒さよけをした畑の写真が載っていた。ホウレンソウの上のヒモにぶらさがってキラキラするCDは鳥よけ。ハクサイに新聞紙を巻きつけて鳥につつかれたり霜にやられるのを防いだり。ビニールのトンネルの下で育つリーフレタスや春に向けて冬を越すソラマメなど、農家は真冬の露地栽培で苦労も多いだろうが、こちらは写真を見ているだけで楽しい。

 どうしてももう一度観たくて「ブロークバック・マウンテン」のDVDを借りる。22日にABC放送を見るとはなしに見ている(要するにつけっぱなし)と、イニス役のヒース・レジャーがNYのアパートで死亡しているのが発見されたというニュースが飛び込んできた。ガーン!まだ28歳なのに。私好みのいい男が一人、この世から消えてしまったわけだ。男の俳優にはあまり関心がないけれど、ヒース・レジャーにはジイサンになるまで演じ続けてほしかった。ちょっと見は違うけどアンソニー・ホプキンスのように。

 最近毎日が飛んでいくみたいだ。ふと気がつくとずいぶん日が長くなった。オリオンも午後8時頃には南の空高く懸かる。全天の雄シリウスよりもひときわ大きい火星が赤くまたたいている。冬の星座を見るのは今が一番。こんなふうにして星が移り、季節が変わり、1年が終わり、そして・・・。

□2008年1月22日(火)

 朝日新聞県版朝刊に銚子市議会が改革案を市長に申し入れ、条例や規約の改正を受けて、4月から実施するという。

 その申し入れ中に、私も昨年10月5日に提出した08年度予算要望も含めてかねてより予算要望・政策提案してきた市長の諮問機関である審議会等の委員を委嘱する際、議会からの選出をやめることが入っていた。もちろん、法令で定められているものは除く。

 行政実例の中でも議員を市長の諮問機関の委員を議員に委嘱するのは法の諏旨に反するとあり、議員には議会の場が保障されているわけで、市政全般そこで議論していけばいい。私は、「要望」でそのための条例の改正を市に求めているのだが、銚子市議会は議会として申し入れたというのだからすごい。ま、私これまで一人会派で万年ヒラ議員なので議会運営委員会というものに縁がないから直接市長に要望しかなかったわけだ。昨年末に出た成田市議会の議会改革案の中には入っているがこれで弾みがつくといいんだけど。

□■□2008年1月20日(日)

寒薔薇神父迷はず買ひゆけり    こう子

 18日、母の月命日で実家に行った。小雪が舞う中、庭の一隅に真紅のバラが一輪咲いていて、ふと今は亡き西勝こう子(本名は輝子さん)さんの一句を思い出した。

 寒い日が続いている。思えば先週の日曜日から寒い。明日は大寒。本格的な冬を迎え、数日前から押し入れにしまってあったブリキの湯たんぽを取り出し使い始めた。足もとに寒さを感じやすくなったひとり寝の年寄りにはちょうどいい、優しい温もり。知人が「湯たんぽ二つを用意してサウナのようになった寝床に入る」喜び?を賀状にしたためてきたが、私は二つも入れたら眠れなくなってしまうだろう。

 この1週間は「たいむ」の印刷やら折りやら配布などに多くの時間をとられてきたが、やっと目途がついた。寒い中ボランティアで配布してくれる人がいてくれて、本当に感謝。「たいむ」はA3サイズからA4に縮小したけれど、これからも年4回、議会報告も兼ねて可能な限り発行していきたいと思う。読んでくれた人からの電話やメール、ハガキなどが届き始めてとっても嬉しい。

 ところで、最近は「たいむ」を読んで「怒り」の反応がない。どこかの信金問題の時には「一緒にしないでくれ!」北欧の高福祉・高(税)負担の視察報告記事には「増税に賛成なのか!」と怒鳴られたし、保健福祉館の木造平屋建て計画に異議ありという趣旨の記事には、近所の住民から「高い建物が建つと生活環境が悪くなるので反対しないで」と留守電などなど。

 最近の私はあたりさわりのない主張や記事を書くようになってきたということかしら?ちょっと考えてしまう。

□2008年1月17日(木)

 阪神・淡路大震災から13年。しかし、その体験や記憶は忘れ去ることがないだろう。私もまた、鮮明な記憶となって残る。

 1か月を過ぎた2月19日にボランティアも兼ねて神戸へ。崩れ落ちた高速道路、歪んだ鉄道のレール、傾いたり階がつぶれたりしたビル、電気・ガス・水道などライフラインはズタズタ・・・都市崩壊の姿を初めて目の当たりにした。

 その2ヵ月前、初めて神戸の夜景を見たのでその落差はなおさらだった。長田区に入ると多くの人家は1階が潰れ、道路から2階に入れるような状態。家屋倒壊で多くの人が犠牲になった。震災直後に亡くなった人の9割が自宅で亡くなり、8割以上が即死だったという。はるか彼方を見渡せるがれきの山や焼け野原が広がっていた後継が忘れられない。

 南海・東南海・東海沖地震がいつ発生してもおかしくないという。成田市には旧成田町の家屋密集地域、中高層住宅が並ぶニュータウン地区、そして農村地域がある。市の防災体制は「成田市直下型」を予想し、訓練も実施されているが、巨大地震への備えの一番は市民一人ひとりと地域でのつながり。でも・・・つぶれない家を用意できる人が何人いるだろう。とにかく逃げるが勝ち。

 長田区の避難所に、テレビがドーンと飛んできたので着のみ着のまま裸足で逃げたというおばあちゃんがいた。その後火災で家は焼失し、手元には一円ももたず、命だけは助かったけれど独居老人には辛いと言っていた。

 ところで、成田市では大地震でも2日間しのげば救援体制が順調に動き出すという。ただ、東京など大都市はどうだろう?1ヵ月後の神戸をこの目でみているから気になる。

□2008年1月15日(水)

 政府は、千葉県を含む15<道府県、千葉市を含む 65の市町村が赤字穴埋めのための減収補てん債を発行できるよう、地方財政法の改正を決めたという。総額1800億円にのぼるらしい。こうした措置は戦後3度目というから、地方財政はまさに危機的事態といえる。特に千葉県は赤字転落の崖っぷちといわれる。それなのに大型公共事業を見直そうともしない。

 地方分権の掛け声は大きいが、官僚たちは地域主権を支える肝心の税制度や自治権拡大に対しては消極的で、市町村を信頼していない。「まかせられない」とばかり相変わらず、手取り足取り干渉する。

 地方財政の問題は単なる税収の問題にとどまらず、地方自治や分権政策の問題だと思う。政府の政策責任もある。

 午前中千葉地裁で市東孝雄さんの千葉県知事を相手の違憲訴訟の傍聴。しかも、返せという土地が一部特定できていない。入口から間違っていることが調査もなしに平然と行われる時代に危機感を持つのは私だけではないと思う。空港建設を最優先するためだが、公権力によって白が黒に操作されるような時代はごめんだ。先人たちが血と汗と涙で勝ち取ってきた市民的権利が国策や「公益」の名のもとに、次々と剥奪されていく世の中にしてはいけない。

 コーヒーを飲む時はいつも生活クラブのデポーで買う「森のコーヒー」だけれど、今日生まれて初めてあのハワイ・コナコーヒーを飲んだ。飲んだ瞬間は「森のコーヒー」より苦みを感じたが、サラッとして舌に残らない。・・・違いはそのくらいしかわからなかった。ツウはなんというかしら?

 私の場合は特に「コーヒーが好き!」というわけでもないし、雰囲気や体調・お天気なで美味しかったりまずかったりいろいろ。こだわりといえば無農薬・健康な木で熟した実からつくられた「森のコーヒー」を、一日一杯飲むくらい。ところでコナコーヒーの値段は200グラムで「森のコーヒー」の3倍。ありがたくいただいた。

□2008年1月14日(月)

 成人の日。今年成田市では、男777人・女735人計1512人の成人が誕生するという。彼らは1987年生まれなので、あらら・・・私が40歳の時に生まれた子どもたちだ。

 女性の場合、成人式の1年以上前から振袖のDMが届き始める。成人といっても彼女たちがレンタルも含め自分のお金で振袖を用意するということはマレではないか。しかしまぁ成人式の会場を埋めた年頃の娘たちがいっせいに振袖姿というのはなんともすごい雰囲気。

 呉服業界にとって成人式は書き入れ時。でも日本もいずれ世界の流れに合わせて18歳成人となるだろう。18歳といえばほとんどがまだ高校生。学生の身分でしかも親のすねかじりで振袖というわけにはいかないのではないか。成人式風景も変わるだろう。成人式自体そのうちなくなるかもね。

 夕方BSでABCの米大統領選挙に関する政治記者の討論番組を放送していた。そこで司会のジョージ・ステファノプロスが「女性大統領誕生はフェミニストの悲願」とか言っていたのを聞いて、へぇと思った。1960年代のアメリカは世界のフェミニズム運動の先頭を走っていた。あの頃フェミニズムの洗礼を受けた女性たちが今60代くらいかしら。そういえばヒラリーがニューハンプシャーで世論調査の予想を覆して勝利した時、フェミらしき雰囲気の女性たちの感無量といった表情が映し出されていた。当然よね。でもフェミニストでなくても、まじめに「女性大統領、イエス!」という人はかなりいると思う。そういう時代なのだ。

□2008年1月13日(日)

 ひゃー、耳たぶが切れそうな冷たい北風。出先でたまたまそばにつくば市の人がいたので「これってあの筑波おろし?」と聞いたら「イエス」。確かに、冬場に利根川あたりに行くと、筑波山の方向からヒリヒリ肌を刺す風が吹いてくる。

 バードウオッチャーからのメールだと、本埜村のハクチョウ越冬地では彼らの生活スタイルが一気に変化してきているという。推定800羽超(うちオオハクチョウは32羽程度)がねぐらにしているらしいが、夜戻ってくるのは200羽くらいで、あとは複数個所をねぐらにして戻らなくなったという。代わりに今までいなかったオナガガモが推定3000羽、殺到しているようだ。

 なんでも、東京都では上野不忍池などで「メタボリックガモ」が増え、肥えて飛べなくなるのを防ぐために餌付けを実質禁止にしたので、その影響ではないかとのこと。

 また、千葉県ではハクチョウの野生への回帰、自立が加速度的に進んでいるらしい。ふゆみずたんぼに取り組む農家が出てきていることも影響しているらしい。嬉しいな。<

 昨日も今日も家にいる時間は「たいむ」の印刷と折り。やることといったら紙の出し入れくらいなのだが、放っておくわけにはいかないのでシャカシャカ動く機械を見ながら植物図鑑を見たり、テレビをみたり。味もそっけもない手作業なのでテレビは自然紀行の類や気楽に見られるもの。

 昨日感動したのは昆虫の擬態。BS世界のニュースの合間に放送している「虫・ムシおもしろ図鑑」というショート番組で、実に感動的ともいえる昆虫のなりきり超絶技、擬態の数々をやっていた。フンやトゲ、水滴、その他今のところ何に似せているのかわからない過剰進化の擬態の数々を見せてくれるコスタリカのツノゼミ、アリに化けたカマキリやハチ、葉っぱや木の枝になりきったりするもの、砂地模様のカマキリやコケに覆われた幹になったキリギリス、実に凝った擬態だ。中にはすでにタマゴの時から種になりすましたりするのや、死んだふりをして食べられそうになるとピョンと飛び上って驚かして逃げるのもいるらしい。

 しかしまあ、よくぞ似せたものだ。まさに「ワザあり!」といったところ。生きることはいずこも本当に大変なことなのだ。

□2008年1月10日(木)

 「たいむ」65号の版下も仕上がり、印刷に入る。いまだにパソコンで打った原稿を切り貼りして版下を作っているのは私くらいじゃないかしら?完全手作り。これからは狭い部屋に鎮座する印刷機と折り機がフル回転することになる。印刷機は買って10年が過ぎるが、故障らしい故障をしたことがないスグレもの。折り機はリースで1年足らずだが、手で折る手間が省けたのでずいぶんラクになった。

 昨日は眠くなるほどかったるい自・民の党首討論、今日は参院での給油新法審議と、仕事をしながらダラダラと録画したのを見た。給与新法成立への「意気込み」と同じように課題山積の内政問題に取り組めないものか、というのがおおかたの国民の考えどと思う。

 私はタリバン掃討を口実にした米国の野蛮な報復戦争自体反対だった。アフガンの現状を考えたらもはや軍事制圧路線は破綻しているというのに。たとえ圧倒的な軍事力で一時的に「平定」できたとしても、ほころびはすぐに出てくるだろう。遅きに失した観はあるが、今こそ現地で医療や生活再建活動を支援しているペシャワール会中村哲医師の忠告に耳を傾けるべきだ。彼は報復戦争前夜から「攻撃するな!」と訴えてきた。当時も今も、アフガンの人々とともに生きる中村さんの言葉は重い。

□2008年1月8日(火)

 樹々の間から力強い朝の光が射しこむ坂田が池―風土記の丘コースの歩き初め。昨日の雨で今日の空気は湿ってみずみずしい香りが満ちている。坂田が池の水鳥は去年より少ないようだ。渡り鳥よりもこの池で繁殖したアイガモがやたら目につく。どこかの誰かが2羽のつがいを池に放したのに気付いたのは2001年の春だった。

 今日は『たいむ』65号の準備。テレビでは参院外交防衛委員会で「軍産防衛疑惑のキーパーソン」といわれる秋山直紀氏への参考人質疑が行われていて気が散るので、まずテレビ。政治(家)や巨大軍事産業、その間に入った商社(死の商人)のトライアングルが円滑に機能するために、その裏でいわば潤滑油?の役割を担わされているのかな。

 この秋山という人だが、いま私は習志野基地へのPAC3配備に反対しているが、その総額1兆円といわれるミサイル防衛(MD)の軍需利権に早くから着目し、ここ数年はそのための日米戦略会議とMD等の兵器展を開催してきたという兵器男なのだ。こういう男は参考人じゃなく、証人喚問すべきだ。ところで自民党議員がアフガン給油問題などで「止めれば日米関係を損ねる」と騒いでいるが、この間寺島実郎さんがTVで言っていたけれど、その損ねたら困る「日米関係」とはお互いに日米安保利権に手を染めている米国の「知日派」連中との関係だというではないか。「日米関係」などときれいごと?を言って国民の目をそらしてはいけない。「米軍よりも我が家に給油を!」だ。

 米国大統領選挙、ニューハンプシャー州予備選も民主党はオバマ氏が優勢のようだ。ヒラリー、ピンチ!衛星放送も見逃せない。コーヒーショップで思わず目を潤ませただけで、「うそ泣き」とか「疲れたんだろう」とか言われて気の毒。高校生の女の子が「おばあちゃんはヒラリー、私はオバマよ」なんて言っていた。彼女のおばあちゃんて、多分私の年代以上だろう。私もこの際、女性の合衆国大統領が誕生してほしいな。

□2008年1月4日(金)

 今日行われたアメリカ大統領選挙指名争いでトップをきったアイオワ州党員集会は、民主党がオバマ氏、共和党がハッカビー氏を大統領候補に選んだ。これから2月5日の「スーパーチューズデー」を経てそれぞれの夏の党大会まで、激しい指名争いの予備選が続く。いつも思うのだが、建国以来のアメリカ草の根民主主義のシステムはさすがだ。いわゆる「米国」の政策にはいろいろ文句があるけれど、ここには私の好きなアメリカがある。

 ついでに思い出したのが、ずいぶん前ロサンゼルスのシティホール(市役所)に行った時のこと。ちょうど2年に一度の国政選挙と同時に行われる各種住民投票を控え、シティホール前はもう大賑わい。住民投票の案件に利害関係があるいろんな団体がパフォーマンスを繰り広げていた。シティホールの敷地だから市民は自由に使用できるというあたりまえの権利を行使しているにすぎないのに、えっ!ここまでできるんだ・・・と思ってしまった私。バークレー市の自治システムもハンパじゃない。アメリカ民主主義の奥深さにカルチャー・ショックを受けたものだ。

 今年は穏やかなお天気に恵まれた3日間だった。元旦は初日の出見物、2日は多古町の実家でお正月料理をごちそうになり、昨日は森の中を歩いたあと温泉。気分良く三が日が過ぎると思っていたのだが、森の中でカサコソ音を立てそうな果実をたくさんつけたユリノキに出会い、無残な「冬支度」をさせられたニュータウン中央通りのユリノキを思い出してしまった!手足をもぎとられ胴体だけ残されたユリノキ。よその自治体でのびのびと枝を張ったユリノキ通りや、ユリノキ街道を観て以来、この街路樹管理は間違っている!と確信する。

 ユリノキを『ウィキペディア』でみると北米産で学名「リリオデンドロン・ツリピフェラ・リンネ」=チューリップによく似た花が咲くユリに関わりのある木、といった意味だそうだ。英名チューリップ・ツリー、日本では俗称半纏木(ハンテンボク・葉が衣類のはんてんに似ているところから)で知られているようだ。近縁種に中国のシナユリノキがあり、「隔離分布の例で、大陸移動の生物的証拠」らしい。花ことばは「田園の幸福」とか。なんだか幸福のイメージがふくらんでくるような花ことば。花からは良質の蜂蜜が得られ、根や樹皮には薬効があってインディアンや中国人には治療法も残っているという。

□2008年1月1日(火)

 たなびく雲の上から初日の出。地球誕生以来46億年。想像を絶する時の流れの中で毎朝繰り返されてきた日の出だけれど、やはり新年は特別。思わず「ありがたや~」と手を合わせた。宇宙を知るほどに、その現象に深い摂理のようなものを感じるのは私だけではないだろう。 

 人類の「心」は低いところから高いところに発達したという説を唱えた文化人類学者がいた。「原始心性」という表現だった。私の学生時代には、もはやそうした「説」を採用する学者はいなかったけれど。約
12万年前に出現したといわれるホモ・サピエンスと現世人類の間には「心」(精神)の優劣はない、という考えが通説だった。もちろん科学技術の発展の中で思考には制約や限界性はあるけれど。アニミズムも一神教も科学万能主義も本質は変わらないのだ。

 世はスピリチュアル・ブーム。既存の宗教に限らず、霊(精神)的な癒しを求める人たちや、宇宙そのものを精神(霊)世界にしてしまう人たちも結構存在する。考えてみれば多くの人々の心をとらえた「千の風になって・・・」という歌も、歌詞を聴いているとそんな感じの内容だ。
 私たちは、科学によって証明された世界を無視することはできないけれど、科学だけでは満たされない心を備えた生き物なのだ。生きること、死ぬこと、そして、永遠を求めること・・・と、すぐ気分や関心があっちこっちに飛んでしまう私の新しい1年が始まった。