2008年7月1日~2008年12月31日


□2008年12月30日(火)

ガザ空爆が続いている。ガザ・アル=アズハル大学のアブデルワーヘド教授から世界に向けて発信されたメール(岡真理さん訳)がnopac3missileMLを通じて連日私にも届いている。アブデルワーヘドさんは英文学科教授で、電気が切れたガザから発電機で電力を維持しながら世界に向けて発信しているという。昨夜もガザ市内だけで20ヵ所が空襲され、「私が知る限り・・・」として26件の被害報告が送られてきた。

訳者の岡さんによれば、イスラエルがハマース拠点を報復攻撃しているといった日本の報道は誤りで、実態は非戦闘員、民間人に対する大量虐殺で、「重慶・ゲルニカ・ドレスデン・東京大空襲・そしてヒロシマ・ナガサキ、同じことが200812月の今、(ガザ住民に対して)起きている」という。わずか360平方キロ(成田市は約214平方キロ)の土地に150万人が住むガザ。そこに爆弾を落とし続けるイスラエルの行為はまさに「ジェノサイド」(CCIPPPコーディネーター、ナフラ・シャハルさん)だ。

新聞報道では、これまでの死者は318人、負傷者1400人以上。イスラエルは空爆とともにさらに地上部隊の侵攻を準備しているという。今日は日本でもイスラエル大使館に対する緊急の抗議行動が行われた。

空港の外周道路に入ったら、前をハーレイに乗ったちょいワルおやじ風3人が走っていた。ツーリングらしい。バシッと決まったいでたちと50CC並みの走りの落差に思わず可笑しくなった。おっ!一番後ろのおっさん(ということは私の目の前)がポイとタバコを捨てた。前を4台の車がつながっていて、先頭を制限速度で走るのは赤色灯がクルクル回る警察のワゴン車。ホリデイ・インから千代田交差点までその調子で、そこで警察の車と別れたと思ったら、あっという間に走り去って見えなくなった。いやぁ、走り去るハーレイはカッコ良かった。

□2008年12月29日(月)

 確認事項があって昼頃外出先から新清掃工場整備特別委員会の委員長に電話したら、午前中に開かれた庁議で、去る19日に公告された新清掃工場関連の入札は中止になったということを知らされた。帰宅すると市長名のFAXで「より慎重を期するため入札条件を専門家に検証させることといたしましたので09年1月5日付けの公告により一端中止することといたします」とのこと。 今後どうなるかは推測の域を出ない。2社でいくのか、もう一度3社に戻すのか、まさか随意契約ということはないと思うけれど。様々な思惑でここまでひっかきまわされたのなら、いっそのことガス化溶融炉も白紙にしてもらいたいくらいだ。別に、3社しか入札に参加できないようなガス化溶融炉でなければならない必然性などどこにもないのだから。

 小泉市長誕生後初の議会の一般質問で、私は「この新清掃工場に向けては、2005年(平成17年)、環境アセスメントと施設整備計画策定事業についてプロポーザル方式を採用し、書類審査の結果、8月中旬に面接を行った結果業者が選定された。また、同月18日から始まった機種選定委員会が新機種としてガス化溶融炉シャフト式を答申したのが昨年6月30日だった。これらは前市長の受託収賄容疑となった事件と同じ時期に同じ焼却施設関連で進められてきたプロジェクト・・・市長は、以上のような経緯について検討した上でシャフト式の採用を決断したと認識してよいのか」と聞いたことがあった。これに対しては「機種選定については、1昨年の夏から約1年間かけて学識経験者、市議会議員、地元住民、公募による市民で構成された機種選定委員会が公開型の会議で議論を続けてきたこと、・・・16名の委員の総合的評価の結果・・・提言されたことの重みを尊重」という答えであった。

 しかし・・・いま機種選定委員会を傍聴した時のメモなどを読み返してみると、特定のメーカーと深いつながりがあるといわれる学識経験者を会長にした時点で、「はじめに溶融炉ありき」ではなかったか。その日、シビレを切らしたように「従来型より進歩したものを導入して国際都市として世界に発信したらどうか」(06年3月4日の委員会)と言っていたっけ。機種選定委員が決まった時、その学識経験者がどういう考えの人か事情通といわれる某市の議員に尋ねたら、「あ、○○(名前)ならガス化溶融炉で決まりだね!」と言われたのを憶えている。

 まあ、それは一応過去の話として。ところで、市民にみえないところでいったい何があったのか、これからどう進められようとしているのか。入札条件を検証する専門家って、どこの誰?この件に関して言えば、これまで担当してきた環境計画課など庁内では客観的かつ公正な検証ができなくなってしまったということ?事務方で処理できなくなった(あるいは外す)のなら専門家という方法もあるけれど・・・。いずれにしてもトップの市長にはしっかりしてもらわないと。


□2008年12月27日(土)

 年末年始の天気予報は冬型の気圧配置で平年並みかそれより寒くなる見込みだという。職を失い住居を追われて路上に放り出された人たちにとっては命がけだ。役所も9日間の休みとなり、「頼れるものは救急車ぐらい」という「この期間をどう生き延びてもらうか」、「反貧困ネットワーク」の湯浅誠さんたちは緊急避難場所として霞が関などでテントを張るという。

テントを張るのは純粋に「生き延びてほしい!」という思いからだろう。しかし、官庁街にテントが張られ政治の貧困資本の搾取の矛盾にさらされた人たちが集まってくる・・・テントの持つ意味は計り知れない。

こうした助け合いネットワークや支援NPOなどの活動は、格差社会が広がる中で閉塞感に覆われたこの社会の一角を崩しつつあると思う。彼らとともに活動を始める人、身近なホームレス支援のNPOを訪ねたり、カンパしたりする人たちが増えてきている。知人の中にもホームレス支援のNPOに参加している人がいるが、活動の広がりを感じているようだ。

『蟹工船』(小林多喜二著)がベストセラーと言われ始めていた頃は、週刊誌なども「『貧困ブーム』で選挙は共産党に有利」などと評論していたが、いまや「『リストラ・給料カット』会社と闘う完全マニュアル」と銘打った実践編を掲載するところまで登場した。

昨日の朝日に続き今日は読売新聞が「成田市部長『不自然』手続き」という見出しで新清掃工場の入札公告の変更を取り上げていた。担当部長に「私の判断でやりました」と言わせているのは何だろう?誰が聞いても「不自然」なのに・・・。資料を読み返しながらいろいろ考えた。いずれにしても建設工事107億1千万円、運転業務20年間168億円(いずれも予定価格)の計275億1千万円の公共事業をめぐって、企業間の競争は相当なものだったのだろう。

 お正月の準備はお雑煮以外ほとんどしないのだが、これだけは、と注文するのが小鯛の笹漬。今日デポーに引き取りに行った。それと、思いがけない贈り物が奄美大島から届いた。ふたを開けるとおがくずが詰まっていた、手を入れると中から踊り出てきたのは活きた車海老。ひょんなことで知り合った人だが、思いだして送ってくれたらしい。嬉しいな!


□2000年12月26日(金)

「歴史と今を語り合う女性の会」の忘年会。いつものように3時過ぎまでアルコール抜きで盛り上がる。

6時から船橋で「(仮称)市民のあらし」(!)の打ち合わせ。「とりあえずの名前だから、笑わないでね」と言いながら声をかけられたのだが、よく考えたらこの時代にぴったりじゃないかしら。何の会かは今のところムニャムニャ。

情報交換をしたあとは、自然な流れで忘年会。こちらはアルコールで盛り上がる。女3人で姦しいという差別的な漢字がある。3人以上だと何というのかしら?こんな漢字は男の深慮遠謀によって創られたのだろうが、当時は女たちがテーブルを囲んで飲んで食べて語り合うような光景は想像だにできなかったことだろう。「姦しい」も「女々しい」も、消えろ!

朝日新聞朝刊(県版)で「成田・新清掃工場入札・不自然な手続き判明・市幹部が参加資格に条件加え→後で緩和」という記事。新聞を読んで、あるいは「まちこの日記」を見て、複数の市民から電話が入る。深夜帰ったら留守電も。関心の高さを感じる。この不自然な流れを動かしているのは何か、視点を変えてみてみようと思っている。そうでないと、業者サイドから意図的に流される噂話に踊らされて真実に迫れないのではないかと思う。先入観を排して、時系列に追っていきたい。

□2008年12月25日(木)

10時より新清掃工場整備特別委員会の協議会。委員長が請求してあった資料から、入札の公告をめぐる市の失態があきらかになった。11時から特別委員会。市長と、指名審査会委員長の副市長は欠席。

 去る19日朝、入札の公告があり、夕方に内容の一部が変更になった。「公告内容の変更や取り消しは問題ない」というが、その内容を考えれば「そりゃあないぜ、セニュール!」だ。今日を含むこれまでの審議で明らかになったのは、まず、8日の特別委員会で報告された「・・・ガス化溶融炉シャフト式(処理能力1炉あたり106t/日以上、かつ、2炉以上のものに限る)の運転管理実績があること。」という突然の変更について。これまで処理能力は1炉50t×2炉以上だった。担当部長は新清掃工場建設関連の一切を指揮してきた担当課長との協議もなく指名審査会で突然提案した。理由は審査会の前日3日に担当課から報告された調査結果にふまえて自分のモロモロの判断で行ったことで、(課長に伝える)時間がなかったとはいえ反省しているとのこと。これでシャフト式メーカー3社のうち1社が排除された。

19日の公告については、朝の段階で「・・・・・・処理能力1炉当たり106t/日以上、かつ、2炉以上である施設(この公告の日において延べ1年以上の稼働実績があるものに限る)を元請又は特定建設工事共同体として建設した実績を1件以上有すること。」。この公告では残る2社のうち1社が排除され結局1社になってしまう。・・・しかし、夕方には括弧内が削除された。削除した理由は、担当部長によれば入札に「参加されるとみられるメーカーから問い合わせ」があって気づき、訂正したとのこと。

担当部長は、「受注実績しか(頭に)なく、稼働実績についてはわからなかった」。・・・でも、いくら4月に部長になったとはいえ、この説明で納得する人はいないだろう。4日の指名審査会で「212t/日」の条件がついて排除されたメーカーの炉を現在建設中の栃木県日光市に問い合わせると、トン当たりの単価が約3100万円。予定価格を大幅に下回ったので低入札価格調査委員会に諮り、化学・ごみ技術・土木建築分野などの有識者の意見を聴き、問題なしということでゴー・サインがでたという。このメーカーが成田市の入札に参加すれば価格競争ではトン当たり5000万円前後の他の2社が負けるので排除したのでは?とかんぐりたくもなる。

19日の公告でさらに1社を排除し最後に残った1社については、巷の噂では「本命」とかで市長はじめ複数の国会議員の名前、ご丁寧にもJVを組む業者名まで教えてくれる人もいる。訂正して結局2社になった。しかしこの間の流れの「不自然さ」については議会として見過ごすことは出来ない。今日の協議会、委員会は第1回目。今後もとってつけたような答弁が続くようなら、議会は調査権(百条委員会の設置)を行使すべきだと思う。市民が納得できるように事実を解明する責任がある。

夜は千葉市で残土・産廃問題ネットワークの例会。今年最後だが、問題山積。来年の課題を確認した。千葉駅で電車を待っていてまたまた気になってしまったのは真冬の夜中ホームに流れる小鳥の鳴き声。

□2008年12月24日(水)

 阪神・淡路大震災をきっかけに市民運動に身を投じた神戸市のK・Mさんから電話。住民投票運動の中で知り合い、神戸空港建設の是非を問う住民投票直接請求運動を担った一人。いつも何かしらイベントを企画していて、今回は来年3月8日のお誘い。もう準備を始めたようだ。ふつう3月8日というと「国際婦人デー」だが、経済危機にさらされて崖っぷちで頑張る若者たちにエールを送りたい、若者中心のイベントを企画したいと言っていた。Mさんも私も、母親としての思いは同じだ。

経団連や自民党などは正社員は1割いればいい、あとの9割は非正規雇用でいいという政策を進めてきた。その矛盾がいま日本中に吹き荒れている。政権交代と合わせてこれまでの社会経済構造を再構築するくらいの気持ちで問題にしていかないと。

 ところでNPO自立生活サポートセンター・もやいの湯浅誠さんがTVで言っていたが職を探す若者を自衛隊が勧誘しているらしい。いつ解雇されるかわからない不安の中にいる若者に、自衛隊の衣食住が保障されて年俸300万円は確かに魅力だろう。不況は兵士を補給するチャンス?でも、そんな社会にしてはいけない。

以前BSで特集していたが米軍はこの間、仕事のない貧しい若者を大学進学や就職で優遇するといって軍隊に勧誘してきた。そして、短期の訓練をほどこしてイラクやアフガンなどの戦場へ送り出す。貧困層は戦闘要員ということか。日本も、米国並みの格差社会が広がる中で軍隊や戦争の中でしか自分の未来を展望できない若者を生み出そうとしているとしたら、誰よりも先に私たち母親が体を張って阻止しなければ・・・・。

クリスマス・イブということで、生活クラブ・デポーに注文しておいたシュトーレンが届いたのを受け取りに行く。娘がいたころのクリスマスにはなんとなくデコレーションケーキを買っていたが、ここ十数年はずっとシュトーレン。ドイツのクリスマスになくてはならない家庭のお菓子で、日持ちがするのがいい。

□2008年12月23日(火)

成田市に関係する首都圏中央連絡自動車道の進捗状況は市議会の定例会ごとに、関連する特別委員会(現在は「新駅・基幹交通整備促進特別委員会」)に報告される。20年度の主な事業内容は国土交通省関東地方整備局常総国道事務所担当の茨城県境~(仮称)大栄JCTの用地買収や工事の推進。現在、平成24年度開通目標で、神崎IC改良工事や成田市芝第1・第2高架橋工事を行っている。

 下総に行った帰り、以前調査を依頼されて調べてからずっと気に懸っていた芝の高架橋工事現場に立ち寄った。工事が始まって現場を見るのは初めて。この場所はちょうど旧サンブウエイストインダストリー(現タケエイ)が130万トンの産廃を埋めた最終処分場に続く谷津田を横切るところで、祭日にもかかわらずクレーン車が動いていた。入口にはいろいろな看板が立てかけてあって、不審者を警戒する看板も。橋げたに落書きしたりバクハしたりといったことを想定しているのかしら?勝手に中に入らせてもらい、チェックポイントだけ写真に撮ってきた。

(左)正面突き当たりが産廃最終処分場の法面。 (右)産廃処分場とその周囲に降った雨を集めた水路はトンネル化。手前の道路の下を抜けて田んぼの水路に流れ込み、尾羽根川に合流する。

□2008年12月21日(日)

 コートを着て外出したが、すぐに脱いでしまう。空気が湿っていて陽射しも優しい。今年もあとわずか。ここまでくれば季節も時々冬の顔をみせるけれど、暖かい日が多い。それにひきかえ、経済の悪化で社会全体は凍りつきそうだ。そのしわ寄せが若者たちを直撃している。

19日、さるメディアの記者から問い合わせのメールがあって調べていたら、派遣労働者が「19日からストライキに入った」という製造業もあった。若者たちをふくめ、職(や家まで)を奪われた人たちや資金繰りに困っている事業主の人たちにとって、暴風雨にさらされているような年の瀬だ。もっとも、暴風雨は天災だがこれは人災。政治の責任は重い。

私の目視だが4時27分には太陽が完全に山の向こうに沈んだ。これからクリスマスあたりまでが昼の時間が一番短い。そして太陽はまた徐々に輝きを増す。古代北欧の太陽信仰(アニミズムの一つ)によれば、特に12月は太陽が闇に征服されていくような不安と恐怖の日々。そこで、冬至には命が宿ると信じられていたときわ木(ヒイラギ、ヤドリギ、月桂樹など)で家を飾り、太陽をよみがえらせるために火を燃やしたりロウソクをともしたりする儀式を行ったという。

 また、古代ローマでは冬至の頃サトゥルナリアというお祭りがあって、宴会や贈り物をしていたらしい。そして1225日は新年の祭りカレンズを祝った。「征服されざる太陽の誕生日」だそうだ。 ・・・ということで、太陽の死と復活、冬至を境に輝きを増す太陽に救世主の誕生を重ね合わせるキリスト教のお祭り「クリスマス」のシチュエーションが整う。


□2008年12月20日(土)

今日と昨日の新聞をまとめて見ていたら、日本自動車工業会の発表として、09年の国内新車販売(含軽)が486100台で、1978年以来31年ぶりに500万台を下回るという見通しだという。不況ということもあるけれど、それだけではないのだと思う。

まぁ、私も平成4年製のトヨタ・スプリンターをこれといった不満もなく乗り続け、新車には興味がない。若者は、といえばステータスや女性をゲットするツールとして車に頼るには現実が貧し過ぎることをちゃんとわかるようになったから、車信仰はとっくに崩壊していると思う。ついでに、交通量のピークは03年だったらしい。

今年に入って朝日新聞が車を持たない若者が増えたという特集をやっていて、持たない理由として、興味ない、お金がない、車庫がない、家族がもっている、他に交通手段がある、車が嫌い等々、宣伝費をつかってあのテこのテで誘惑しても彼らの冷めた気持ちを変えるのは無理みたい。今日はホンダの社長が「自動車などの輸出産業がしっかりしていないで国が存続できるかは疑問」と言っていた。逆に聞きたい。例えば自動車のために農業を潰して、国が存続できますか?10>年、20年、30年といった短期の「繁栄」もいいが、半世紀・一世紀の視点も忘れないでほしい

いつも金曜日に届くのに、1日遅れで『週刊金曜日』が届く。表紙にはカール・マルクスのでかい顔。起訴休職外務事務官(例の鈴木むねお事件に連座して逮捕された外交官)佐藤優「マルクスと語る」というタイトル。世界が、日本がどこへ行こうとしているのか、このクライシスからどう抜け出すのか、何が生まれてくるのか、マルクスは過去の人ではない。

冷戦後の戦争は米国の独断専行によって国連の枠組みが崩れ始め、民兵(或いは自治的集団)が台頭する中で国同士ではなく、国家対民兵、あるいは民兵同士の戦いなど「中世化」(佐原徹哉明治大学准教授)しているという。そうした中での国際的な経済危機は、中世を近・現代に押し上げた資本主義の根底を揺るがすものではないか。

 フランでは金庫が売れ、ドイツではマルクス著『資本論』が売れ、日本では『蟹工船』がベストセラーになる時代。5月に上智大でさるシンポジウが開かれ、二次会で『週刊金曜日』編集長の北村肇さんと同席した。「いよいよ次はマルクスね、やれるトシタラ『週金』グライじゃない?」とけしかけたことを記憶している。私みたいな『週金』読者はじめいろんな声に押されての企画だろうが、佐藤さんだけでなく様々な角度からマルクスと語る企画がほしい。


□2008年12月19日(金)

 公津の杜のあるグループリビング「ももとせ」で催された千葉県高齢者保健福祉計画(H21H23年度)の計画策定作業部会とりまとめ(素案)についてのタウンミーティングに参加した。素案はさらに進む高齢社会の諸課題に応えていこうという理念と各種事業が盛り込まれたもので、問題は、これにどのくらいの予算をつけるかということだろう。政治とは税金をどう使うかということ。

医療と福祉は営利にしない・・・政治・経済・社会がクライシスに直面する中から、そうした日本に転換していってほしいものだ。

ところで、「ももとせ」は建築家の夏目幸子さんが代表をつとめるNPO住まい・まち研究会(℡0476263098)が運営しているグループリビングだ。「ももとせ」は、できるだけ自立して、子どもの世話にならずに、地域と共生しながら自分らしい老後を暮らしたい・・・百歳まで。そんな願いを実現していくための素敵なハウス。一人で暮らすより仲間のいる暮らしを求めてオープン1年半。 

今回の県タウンミーティングは住まい・まち研究会の連続セミナーの2回目に組み込まれて実施されたようだ。ちなみに、現在開かれているセミナーのテーマは、元気な時から老い支度―そのためにはどういうシステムをどうつくるか。誰かがやってくれるのではなく、自分でみつけたいものだ。

実は「ももとせ」のことはもうずいぶん前からいろいろな人から聞いていたのに、訪れたのは初めて。今日は「あなたみたいな人が入るのにちょうどいいところなのよ」と言って勧めてくれていた知人と参加。あなたみたいな人とは・・・子育てはとっくに終わり、60歳を過ぎて一人暮らしということ?でも、気ままな暮らしに慣れてしまってまだしばらくはこのままでいたいな。

70歳くらいになって生きていて、施設に入らないでいられるくらいにそこそこ健康だったら「ももとせ」のようなグループリビングもいいな。現在居住している方たちと話していて、日常生活の中でおしゃべりしたり散歩したりいろいろ行動を共にできる仲間がいたらひょっとして百歳まで・・・。

 ここは食堂。右奥にアットホームなキッチン。手前同じフロアにはゆったりしたリビング。説明は夏目さんのお連れあい。やはり建築家で、この建物はご夫婦の思いとこだわりが詰まっていてとっても心地よい。

高齢社会は女性社会。団塊女の直感だが、グループリビングは女たちの老後を豊にしてくれるすまいになると思う。他市の顔見知りの女性議員も2名参加していて、「いいね、いいね」と共感。ところで、女たちが自分の老後を語る時「夫」の存在がどこかに吹っ飛ぶ瞬間があるのを、男たちは気づいているかな?

今年最後の産直野菜(三里塚有機農法産直の会・℡0479780411)が届く。無農薬・有機の露地野菜は惚れ惚れするほど元気。旬だから味も栄養も特別。ケースを玄関まで運んでくれる高橋さんの話を聞いて納得。販売促進でさる新興住宅地をまわっていた時のことだが、そこのご主人がからかい半分でニンジンを3本買ってくれたのだそうだ。そうしたら子どもたちが喜んで食べたらしく定期注文につながったという。ジュース用にニンジン単品の注文もあるみたい。子どものうちから露地野菜の旬の味を覚えておいてほしいものだ。


□2008年12月18日(木)

12月議会最終日。11時から全員協議会が開かれ。執行部より4件の報告があった。

 ニュータウン赤坂センタービル関連用地では、将来的には「中央公民館・図書館の建替えを踏まえた多機能な複合施設の整備用地として」、センタービル関連用地約1ヘクタールを含めて一体的利用を図っていく考えであることが報告された。千葉県企業庁所有地のうち半分の約1ヘクタール購入に落ち着いたようだ。しかし、公民館等の耐用年数や現在目白押しの大型事業などの関係で優先順位は後回し。用地購入後は2施設の駐車場用地として利用するようだ。

公津の杜複合施設</FONT></B>は、国際文化会館の建て替えや赤坂センタービル跡地の多機能複合施設とのかねあいで目玉のホールの位置づけが変わり、これまでの計画が再検討されることになった。そのため、PFIの手法を採用するのは取りやめ。蔵書4万冊くらいの図書室、通常の多目的ホール、会議室や子育て支援などの機能を備えたコミュニティホールに落ち着くのだろうが、今後については検討中ということで示されなかった。

新清掃工場の入札については、説明を聞いても不透明感は払しょくされていない。まことしやかな噂が蔓延する中、これまで問題にもならなかった条件が付与されて1社が指名審査会で排除された理由が合理的かどうか、議会でもきちんと調査する必要がある。聞くところによれば、市が積算を行うにあたって3社に見積もりを求めた際、一番安い金額(ン十億円位安い提示だったとか)を提示した会社が排除されたというではないか。良いものを安くという、買い物の鉄則は溶融炉も同じ。建設費・運転維持管理費含めて約300億円の税金を投入するのだから議会としては無視できない。

 香料(香水や整髪料)自粛のお願いポスター、庁舎正面入口と保健福祉部の入口、保健福祉館の入り口に貼ってあった。管財課にはその他公共施設にも貼るよう要望しておいた。日本語のほかに一部英語・スペイン語、中国語でもお知らせの趣旨(香料と化学物質過敏症の関係が推定できる程度)が想像できるようになっているのでよかったと思う。

(左)市役所正面玄関      (中)同保険福祉部入口    (右)保健福祉館正面玄関<BR>  ポスターのサイズはA4A3サイズ。上の3ヵ所はA3サイズ

今日は母の命日。もう3年が過ぎた。あの日はよく晴れあがって乾燥した冷たい風が吹いていたのを覚えている。今日は穏やかな暖かい1日だった。議会が始まる前、ちょうど母が亡くなった時刻に実家に行ってお線香をあげてきた。



□2008年12月17日(水)

うっかりしていた何日かぶりにFAXをチェックすると、市民の方から「保健福祉館の正面玄関入口に香料(香水や整髪料など)自粛お願いのポスターが貼ってありますよ!」というお知らせと、最近朝日新聞に連載された化学物質過敏症(CS)に対する啓発記事のコピーが送られてきていた。

また、健康増進課から電話があって、ポスターができあがったので明日の議会最終日に持ってきてくれるとか。9月議会での私の一般質問に対して誠実に対応してくれたことが嬉しい。市内の各公共施設に貼るよう要望してあるが、まずはポスターを制作した保健福祉館から、ということかしら。教育委員会にもお願いしたのだが、いまのところ学校の参観日のお知らせとともにお願いするとか。

議会を傍聴した市民の方からも「興味があるのでポスターができたら送って」という手紙をいただいている。まだ最終的に仕上がったポスターを見ていないけれど、多分、成田市のポスターは日本語プラス複数の言語が使用されていると思う。市内在住の外国人にも知ってもらう意味でお願しておいた。  

10月頃、佐倉市民ネットワークの議員もこの取り組みでは先進市の岐阜市を視察に行くと言っていた。私たちは「科学物質の海の中にいる」といわれる。成田市をきっかけに県内でもCSやアレルギーへの理解を喚起する具体的な動きが広がってほしい。



□2008年12月16日(水)

 午前中は1時間ほどの間に5階の道路維持課から、4階公園緑地課、3階企画課、そして2階の環境対策課まで、4つの課に要望をもっていく。

午後、図書館の2階で調べもの。行政関連の月刊誌のチェック。以前購読していた月刊誌もあるが、図書館と行政資料室でその種の月刊誌はほとんど購入しているので今はもっぱらそちらに頼っている。たまに、手元におきたいと思ったのを注文するくらい。図書館(図書室)の雰囲気や匂いは子どものころから好き。いつも何かしらふらふら体を動かしている私も、図書館だと少しじっとしていられるから不思議。

その図書館の機能も、いまはずいぶん変わってきたようだ。民間委託にして多面的なサービスを提供する先進的?なところが紹介されるようになった。情報提供だけでなく生涯学習機能が求められるようになってきたようだ。図書館に頻繁に通い、長い時間を過ごす人も増えてきた。「滞在型」というらしい。ならばその時間を効果的に使ってもらおうということかしら。

成田市の図書館はまだそこまでいってないし、そもそも、建物自体にそんなキャパシティがない。オープン23年くらいかしら?これからの図書館の役割については、一度市民の声をよく聞いてみる機会が必要だと思う。

私の要望はとても単純で、時々図書館で好きな本をゆっくり読んだり調べ物ができればいい思うだけ。それは図書館機能の基本のキでもある。でも、もし図書館が好きで毎日でも行きたいという人や、団塊の世代の大量リタイア期を迎えて図書館が身近で手ごろなパブリック・スペースとして機能してほしいという要望があるなら、そういう人たちにとっての図書館づくりも大事だと思う。これからは図書館関連の多目的な機能をもった「図書館」をつくる時代になってきたと思う。難関は図書館司書の理解を得ることかな。なにしろ図書館のプロだからテリトリーには厳しいのよね。


□2008年12月15日(月)

 柚子をたくさんいただいたので砂糖漬けを作る。柚子と砂糖だけのシンプル・テイストだけど、この季節に亡くなった母がよくつくってくれた思い出の味。

 ところでこの写真、某工業大学で教鞭をとるN・Yさんが参考資料として先週末に送ってくれた3枚のうちの1枚。見ただけで私はもうドッキン。分断されてむき出しになった帯水層。夏の頃、この左下の水田の水路に取り付けたヒューム管から勢いよく水が噴き出していたのは、もしかしてこの層を分断したからかもしれない。その後ブルーシートで覆ってある。

 ここは市内大室の、素掘りの穴に安定5品目といわれる産業廃棄物を埋めていく安定型処分場。山林を切り開いて造成中の6月にYさんが撮影したもの。私も処分場計画がわかって以降何度か写真を撮ってきたけれど、単なるスナップ写真でしかなかったことを実感。Yさんによれば、「このように透水性の層があるならば、そもそも全体の土壌そのものが水を透しやすい」「ここに産廃を入れれば、地下水が雨水とは別途侵入する」という。そして産廃が「有害物質を含んでいれば場外に浸出する」ことが想定できる。

隣接地には名前は変えたが実態は同じ会社がすでに130万立法メートルの産廃を埋めてある。また少し離れた芝-津富浦でも別の会社が拡張申請をして埋め続けている。周囲の民家は井戸水を使用し、水田もあり、地下水の流れは利根川方面に向かう。これらはいずれも安定型の最終処分場だが、最高裁では今年に入って2件、「安定5品目といえども、安全ではない。汚染物質が混入すれば地下水などへの影響は免れない」として処分場建設の差し止めを支持する判決が相次いで出ている。安定型産廃処分場の位置づけを抜本的に変えなければならない時にきているのだが、国はまだモタモタしている。



□2008年12月14日(日)

 「開かれた議会をめざす会」のシンポジウムが東京で開催された。きょうは会が実施した議会の公開状況、活性化状況等に関するアンケート調査結果について発表があり、1位になった伊賀市議会が表彰された。全国806市区議会で764の議会からの回収率は素晴らしい。アンケート事務や分析に関わった会員の話もとても興味深かった。全国の議会の中にはえっ?と思うようなこともある。「一般質問」という概念がないという議会、これまで委員会の傍聴希望が一度もなかったので公開を考えたことがない議会とか、県庁所在地の議会に「議会だより」がないとか・・・日本列島、地方議会もいろいろ。

1位の伊賀市は、以前私の「たいむ」65号で紹介したように、議会基本条例に基づいて行政の反問権を認めるとか、市内38ヵ所での議会終了後報告会、出前講座、議員の政策討論会、等々の取り組みで実績を上げている。

先日この日記に全国・千葉県のベスト3、ワースト3を記したが、成田市は270点満点で75点。県内では浦安市、松戸市と同点で、288位だった。ちなみに、40自治体が同点で同順位。ビデオに録画しておいた「サンデー・プロジェクト」の特集で、「地方議会を変える!」をやっていた。レポーターは8月の市民オンブズマン全国大会にも取材にきていたジャーナリストの相川俊英さん。2回に分けた放送で、今日は「『家業は政治』の功罪」、次回は「秘訣は市民の『眼』にあり」。

議員自らの発議で全国初の議員日当制を採用した矢祭町や、他方片山前鳥取県知事に「学芸会」だと厳しく指摘された北海道議会、次々と公共料金が値上げされる中で議員報酬お手盛りの西東京市など、地方議会の実態が紹介されていた。

北海道議会と似たような、一般質問の徹底した事前調整を行う傾向は成田市議会にもある。一回目質問→答弁、再質問→答弁、再々質問→答弁すべて執行部と議員が出来上がった原稿の読み合わせのような例など、道議会を嗤えない現実は、全国の多くの地方議会にもあるのではないか。

ところで身近な地方議会を変えるキーワードは何といっても徹底した公開。市民の目が常に注がれることで変わっていく。開かれた議会=市民参加につなげていかなければならない。議員自らが議会を改革していく努力は当然だが、できない部分は市民が変えていくしかない、ということだろう。そのためには、市民が議会や議員におまかせではなく、自らも納税者として、地域主権者としての意識を磨いていく必要がある。

<P>表彰式。会の吉川洋代表(千葉県議)から表彰状を受け取る伊賀市議会議長森岡昭二さん。伊賀市は議長選挙も立候補制。各立候補者が抱負を述べてから投票する。森岡さんは市民参加をさらに促進するために日曜・夜間議会の実現を目指しているという。

□2008年12月13日(土)

 リストラの嵐が吹き荒れている。年末を迎え、「生きさせろ!」という声がますます切実な広がりを見せている。製造業を中心に派遣切りが相次ぐ中、仕事とともに住居をも追われた人たちが「ホームレスにさせないで!」と叫び、生存をかけた交渉が全国各地で始まっている。

その派遣切り大手の代表「トヨタ」は下期赤字と出た。新聞見出しでは「販売不振と円高痛手」によるという。確かに、車が売れなくなったのは金融破たんに始まる経済危機が影響しているのかもしれない。でもそれは一次的なことであって、「もともと車をつくりすぎていたのが顕在化した」(望月彰さん)という見方もある。

また、米国では自動車大手3社(ビッグ3=GM、クライスラー、フォード・モーター)救済法案が下院可決、上院否決で廃案になったというニュースも。GMとクライスラーは日本の民事再生法にあたる米連邦破産法11条適用申請の是非について検討を始めたらしい。

 昨日の新聞を切り抜いていたら、平成天皇の体調不良の原因は「皇室にかかわる問題で憂慮」しているからだという宮内庁長官の「所見」記事。。主に天皇家の後継問題や皇太子一家との親子の葛藤が原因のようだが、「天皇はこう思っておられるであろうと推察する」などという宮内庁の代弁は権威主義。

以前英国のエリザベス女王が自ら「今年はひどい年でした・・・」と国民に向けて語ったという報道があって、いつになったら日本の皇室もこのくらい率直に心情を語れるようになるかしら、と思ったことがある。でも、現状ではとてもとても・・・無理のようだ。天皇が「国民」のことを考えるのは自由だが、「国民」のことを考えてほしいと願う人々(主権者)がどれだけいるだろうか。稲作民族の大祭司であった天皇家の役割は、敗戦と民主主義政治制度の選択、戦後自民党政権の農業潰しで終わったのだ。もはや寄って立つ基盤がないのに「憲法」などで国家的役割を求められる立場に同情を禁じ得ない。 私は、日本国憲法の国民主権・基本的人権の尊重、平和主義を守るべきだと思うが、天皇条項については検討の余地ありと思う。

 跡取り問題や家族の葛藤といった、本来はどこにでもあるドメスティックな悩みを、国家的な悩みにすりかえる余地を残す憲法は、国民主権との間に矛盾を残す。

□2008年12月12日(金)

総務常任委員会。これで12月議会の委員会審査は終わり、18日の最終日を残すのみ。とはいえ、まだ年内に行政と話し合っておきたい課題がいくつか残っている。補正予算で債務負担行為12件の補正が提案された。ほとんどは施設の指定管理料で3~4年の契約だったが、新清掃工場運転維持管理業務の委託料ダントツ20168億円の長期責任委託料となる。成田市では初めて。最近ごみ処理や上下水道など公共サービス分野の運転・維持管理にこのPFI的な考えを導入する長期委託が採用されはじめた。10年ひと昔というけれど、20年の長期にわたって1社に委託ということについてはメリットがどうのこうのという以前に手法として不安定要素が残る。でも・・・ごみ処理施設にガス化溶融炉を導入することが決まって、予想された面もある。

ブラックボックス(企業秘密)をもつ溶融炉メーカーが的確かつ効率的に運転維持管理できるということで、成田市の場合も落札したメーカーに運転維持管理専用の会社をつくらせて業務委託することになる。そんなこんなで、新清掃工場建設と運転維持管理委託の入札の公告は19日。機種選定委員会の始めは多くのメーカーが売り込みに参入していたが、シャフト式に絞られて4社が残る。そのうち1社はすでにシャフト式から手を引く方針だったらしく立ち消えとなり、3社(2社がコークス式、1社が酸素式)となる。議会もてっきりこの3者の競争かと思っていた。そうしたら、あらっ!12月4日に開かれた市の指名審査会で突如212トン/日の実績が入札参加条件となった。理由はわからない。これで166トン/日の実績しかなかった1社(この会社は最近栃木県某市で清掃工場を建設中という)が排除され、残るは2社のみ。どうやらこの2社で来年1月下旬に入札となるようだ。

□2008年12月11日(木)

「開かれた議会をめざす会」がおこなった全国の市・区議会の「開かれた議会度・活性化度調査」の全国ランキングが決定。本日、14日に開催されるシンポジウムを前に都庁で記者会見が行われた。成田市議会は・・・14日のお楽しみ。

全国806の市・区議会に917日にアンケート送付  回答764(回収率94.78)全国1位~764番目(ビリ)の議会の公表はシンポで行うトカ。全国ランキング総合点数(270満点)1位・三重県伊賀市議会 160点、2位・東京都三鷹市議会 150点、3位・長崎県島原市議会 150点。ワースト1位(764位)・青森県五所川原市議会 -30点(零点以下)、2位・香川県坂出市議会 -15点、3位・兵庫県高砂市議会 -15点。

千葉県のランキングベスト1位・流山市議会(全国24位) 125点、2位・四街道市議会(全国35位)120点、3位・館山市議会(全国48位)115点。ワースト1位・勝浦市議会(全国748位)10点、2位・匝瑳市議会(全国739位)15点、3位 茂原市議会(全国717位)20点。・・・といったところ。

新高速鉄道建設で産卵場所を追われたサンカノゴイの代替えヨシ原造成事業。9月議会の一般質問で私は甚兵衛広沼の造成は現状では失敗と言った。ポシャポシャ生えているくらいではとても代替えとはいわない。ところで、もう1か所の造成工事が大竹地先で行われている。以前、まだ始まったばかりのころに行って写真を「日記」に載せたが、当時想像していたよりかなり大がかりな事業だということが見えてきた。予算が約6億円というから、それなりの事業だとは思っていたけれど・・・。

このあたりはもともと、堤防や田んぼをはさんでかなり広いヨシ原があり、沼のヨシ原ととともにサンカノゴイの生息環境を守ってくれていた。工事は沼側のヨシ原と既存のヨシ原を一体化させるものとなる。ただ、工事は終わっても来年の営巣期には間に合わない。周辺の環境激変がどう影響するかしら?

ヨシ原造成工事を見た帰り道、久しぶりに坂田が池の野鳥を見に行く。水面が風に波立ってキラキラ光り、バタバタと羽ばたいて水浴びをする鳥たちであちこちしぶきがあがっていた。水面すれすれに滑走したりしてとっても元気がいい。

 去年の11月頃、ハスが増え過ぎたからといって池中のハスを刈り取ってしまったせいで、渡り鳥が寄りつかなかった。今年はまだハスが刈られずに残っていて、いつもの年のように鳥の数も増え、枯れたハスの間をぬうように、餌をさがしていた。安心して身を隠す場所、眠りにつく場所が残されていて私もひと安心。

(左)坂田が池に渡ってきた鳥さんたち (右)大竹地先のヨシ原造成工事。沼は左方向。

□2008年12月10日(水)

 雨上がりの、湿った空気とやわらかな日差しに冬至が近いことを忘れそう。午前中は新清掃工場整備特別委員会の協議会。検討課題については、各委員が意見を出し合って終わり。

 先月、残土・産廃問題ネット代表の藤原さんから京都府が「産廃と土砂の中間物ともいうべき再生土」問題を受けて埋め立て規制条例制定の準備をしているという情報が入った。これを参考にして、いま上福田のバイパス沿い山林で行われている「再生土」埋め立てのような問題への有効な対応ができないか、今日環境部に成田市残土条例改正について検討できないか要望した。

上福田で埋め立てている当事者は「再生土」なるものを残土でも産廃でもないので許可の対象ではないという理由で勝手に埋め立てている。地元住民が不安を訴えても、現行条例では規制できないことを理由に成田市も千葉県も手が出せず、県は現在係争中の関連事件に対する最高裁の判断待ち。ならば、成田市の残土条例にこの「再生土」埋め立て関連条項を入れて規制の対象とすることができないか、というのが私の提案であり課題。

今日で「世界人権宣言」60周年を迎える。すべて人は平等である、人間らしく生きる権利がある、自由に生きる権利がある・・・人種、性、宗教による差別その他多くの困難な問題を抱えながらも、その実現をめざす人たちを支持し、自分もその一人であり続けたいと願う。

今夜はスウェーデンでノーベル賞の授賞式あるようだ。その後で開かれる晩餐会の会場となるストックホルム市庁舎の内部を見学したことがある。晩餐会場となる「青の間」は宮殿の大広間といった感じ。市民が結婚式を挙げるオーバルルームもある。20世紀初めにメーラレン湖畔に建てられた。赤レンガの外壁にからまったツタの葉が真紅に色づき、青空に映え、それは美しかった。ベンチにすわって眺めていたらニコニコ声をかけてきたおばあちゃん1人おじいちゃん2人と撮った写真を眺めながら懐かしむ。

□2008年12月9日(火)

空港対策特別委員会を傍聴。恒例のNAA常務あいさつでは、「(燃料サーチャージ等々)初めて経済の影響を大きく受けた」。国際空港都市づくり推進会議事務局から「成田国際空港都市づくり9市町プラン」分野別基本計画の中間報告。この種のプランはどれもこれも金太郎アメみたいなもの。私などには新鮮味を感じられないけれど、NAAにとっては、今年1月の9市町推進会議発足、秋の首長一行のヨーロッパ視察まで進んだことが成果らしい。斜めに見れば県が進める空港圏大合併の地ならしのようにも思えるけれど・・・。

多古町の実家に行った帰りに桜宮自然公園に寄る。里山に囲まれた谷津田の畔に立つと、空気は張りつめたように冷たい。でも、深呼吸したくなるような充足した匂いが籠っていた。このところ少し慌ただしかったので久しぶりにリラックス。しばし、山際に座り込んでボーッと眺めていた。

〈P〉桜宮自然公園 谷津田ビオトープ(多古町)(左)谷津の一番奥は山から絞られた水を使った田んぼ。昔ながらのオダが結ってある。手前は水を溜めたビオトープ。春にはメダカやアメンボ、タナゴ等生き物たちで賑わう。(右)ビオトープから流れ出る水を利用した田んぼ。モチ米。水の流れにはセリ。  <P>(左)紫イネ  (右)多収穫品種のアキユタカ。その下は湿地になっている。

ここの田んぼは不耕起栽培。水たまりには2月になるとアカガエルが産卵。猛禽類も集まる。

□2008年12月8日(月)

午前中は<B>新清掃工場整備特別委員会</B>。新機種(ガス化溶融炉シャフト式)の入札を控えて、特別委員会もいよいよ一つの山を迎えた。委員会終了後の協議会をで新たな検討課題が浮上、10日に再度協議会が開かれる。いまさらながら、機種選定委員会にここまで特定の機種を選定する権限を与えるべきではなかったと思う。市民を加えた機種選定委員会を設置するよう要望した一人として、幾つかの反省点がある。

麻生内閣支持率が朝日新聞で22%。他の全国紙も似たり寄ったりの数字で、「一気に政権末期状態」。「首相にふさわしい人」でも小沢一郎氏が初めて現職総理を抜いたという。「立ち枯れ」と書いた新聞があったが、言い当てた言葉だ。勝手に盛り上がっていた9月の自民党総裁選時、誰がこんなドン詰まりを想像しただろうか。もっとも、足もとは当事者には見えにくいものだけど。

麻生氏の「国民的人気」などというものも、もともとはとってつけたようなもの。ざっくばらんな物言いというのも、言ったあと訂正の連続をみれば単なる無責任発言でしかない。「親しみやすさ」というのだってマンガとべらんめえ口調だけだったというのではボロを隠しようがない。漢字が読めないのも愛嬌どころか興ざめだし、記者たちのぶらさがりでしょっちゅう使う長屋のご隠居風な言い回しは、親しみやすさどころか「それが一国の首相の言葉かい」といいたくなるほど粗野に聞こえる。

福島の大内果樹園から木洩れ日りんごが届いた。毎年、この季節の楽しみの一つだ。大内さんはリンゴのそばに病気に敏感なバラを植えて早期発見、減農薬を心がけている。そして、着色を良くするために行う葉摘みをしない。葉を摘まないりんごは栄養価が高いのだそうだ。「りんご畑の木漏れ日のような素朴な色合い」は、自然に熟すのを待って味わう喜びも与えてくれる。

□2008年12月7日(日)

 星空の下家を出て、戻る。電車に揺られた時間は往復約10時間。往き帰りは朝日に、夕日に映える富士山を眺めることができた。何時見ても心が洗われる堂々たる山だ。もっとも、私はどちらかといえば山派?で、山の風景は高山から里山までどこも全部好きだけど。海は・・・生命揺籃の地、いまは地球の7割を占める広く深すぎる海は・・・子どもの頃溺れそうになって以来、潜在的に水への恐怖心があって親しむことができない。いちおう泳げるけど。

 さて、本日の目的は午前1145分スタートの中学校駅伝近畿大会男子の部。グランドサン中学最後の駅伝大会。2時間後にはもう帰りの電車に乗るといった慌ただしいスケジュールはそれこそ生まれて初めてだった。以前徳島市で開かれた吉野川第10堰住民投票関連のシンポジウムに参加するため飛行機で往復した時に次いでハード。

 今回は前日に行って開会式から観戦しようとホテルを探したのだが京都も奈良も会場の橿原市もゼロ。まぁ、観光シーズンだし、急に行こうと決めたので無理だとは思っていたけれど。でも、ハードスケジュールでも満足度100%。結果は全国大会出場とはいかなかったけれど、全国大会に出場した2年前に比べて格段の逞しさ。立派にアンカーとしての役目を果たしたことを誇りに思う。ババは都大路を駆け抜ける高校駅伝や箱根駅伝を夢見たけれど、彼の本命はバスケで、高校はバスケで行くみたいだ。

京都から橿原神宮駅までの近鉄ラインに乗って、木津川を過ぎ、佐保川、大和川を渡るにつれ、大和とよばれてきたこの地に王権が生まれたことの地理的・歴史的要因を実感した。山々に囲まれたその平野の遥かなる広大さが目の前に迫ってくる。ハンパな広さではない。今は不規則な都市開発で住宅が混在しているけれど、その昔はさぞかし豊かな自然が広がっていたことだろう。記紀の神武神話に東方の「美国(よきくに)」大和に入る苦労話が出ている。美国・・・(中国語ではメイグォ=米国だけど、そんなことはまぁいい。あれっ!後で思い出したんだけど元首相の「美しい国」って、これをパクったんじゃないの?当時の人々にとってはさぞかし「よきくに」であったことだろうと、無残な開発行為の結果である目の前のこの地の来し方を想った。

□2008年12月6日(土)

明日は6時07分の快速電車に乗るので早く寝ようと準備万端。今夜の「ファン・ジニ」と「アグリーベティ」の録画も準備OK!

 夜9時からの黒澤明監督「デルス・ウザーラ」は眠くなるまで観ることにする。ロシアの軍人が地誌調査に入ったシベリアの奥地が舞台。自然と共に暮らす老いた猟師との友情がテーマだが、子どもの頃眠る前に父が話してくれた「昔ばなし」のひとつ、黒竜江を挟んだ中国東北地方に住む部族を味方につけるために行われた調査活動のことを思い出した。父はそれを「用兵地誌」と呼んでいた。

父が地誌の調査に同行していた頃の話は、子ども時代の楽しみ?だった。なにしろ、「戦争」の鎧をとりはらうと、それは異文化との接触。部族長とのやりとりや、風物習慣など、幼い私たちきょうだいは眠くなるのを我慢して話の続きをねだったものだ。眠くなるまで、と思ったのだが「デルス・ウザーラ」の世界にふと幼い頃をかさねたりして、最後まで見てしまった。調査に入った軍人たちには未踏の地でも、そこは人と生き物たちが厳しい自然と折り合いをつけながら暮らしてきた懐の深い世界なのだ。

91歳になる父が戦争の悲惨さを言葉や文字にするようになったのは戦後50年を経てからだ。

□2008年12月5日(金)

 昨日、私の一般質問の答弁の中で、予算編成過程をホームページで公開することを約束してもらった。予算は市民のもの。

入札については不透明感が残った。加良部仮市営住宅(プレハブアパートのようなもの)の件。数あるプレハブメーカーの中から市が1社に絞ったことに対して同等品質のものを使用できるよう求めた業者が落札無効となり、その提示額よりも、210万円高い2番札を引いた業者が契約したのだが、契約金額は落札無効になった業者と同額だという。とすると、当初積算提示して入れた金額よりも210万円損をすることになる。損をしてまでやるの?という素人的な質問に対し、市の説明は「(契約した業者が)積算し直して、その金額(無効になった業者の落札金額)でやれる」ということになって請け負ったとのこと。

へぇー、業者が積算する金額ってその程度のものなんだ・・・。この件は、工事費の大半を占めるプレハブ住宅を市が1社に絞ったことで、一般競争を装った「偽装随意契約」ではないか、という指摘がマスコミによって報道されたところから始まった。こうなったら、市が積算する予定価格だって問題があるのではないかしら。また、そうした次元を超えて、改革のシステムは導入されたものの、それを取り巻く周囲の不透明さは温存されたままではないかしら?

今年の風邪は長引いた。なにしろ1118日夜にヘンだな?と思って以来、翌日から1週間は寝たり起きたり。今週に入って体調はどうやら元に戻ったもののまだ声のかすれや咳が少し残っている。2日から始まった一般質問の間は咳止めを飲んで過ごしたが、昨日の質問の時は声が出しにくかった。議場を見まわしてもかなりの人が風邪をひいているようだった。はじめ「今年の風邪は2週間くらい」と聞いたけれど、それがいまや「1ヵ月くらい」に延びた。ぶり返しがあるらしいから気をつけないと。明後日の日曜日は全国中学校駅伝大会・近畿大会<が奈良の橿原市で開催され、京都府大会で出場権をゲットしたグランドサンの中学校が出場。彼がアンカーで出場するので応援に行く予定。今の状態なら、行けそう。

そんなこんなで今日は一般質問も終わってちょっとひと息ついた気分。午前中は湿った強い南風が吹いて小春の陽気だったが、午後は前線の通過でいろいろな色と形の雲がダイナミックに流れはじめた。強風にあおられた雨が煙りをあおるような猛烈な勢いでたたきつけてきた。久しぶりに、荒々しい雨や雲を見物に、見通しの良い私の秘密?の場所に車を走らせる。趣味、というほどではないが、気圧の谷が通りぬける前後の空を見るのが好き。

□2008年11月28日(金)

12月議会が始まる。会期は1218日まで。人事、条例改正、指定管理者の指定、一般会計、国保、介護保険の補正など26議案が提案された。

無農薬・有機栽培の産直野菜が届く。「産直ニュース」によれば畑もそろそろ冬支度を始めたようだ。1120日には初霜、21日は大霜で、サツマイモ、里芋、ヤーコンなどの葉がいっせいに枯れてきたという。1011月が暖かかったのでカリフラワーはいつもより早く収穫でき、ブロッコリーが大豊作とか。アオムシやヨトウムシをあまり見かけなかったことも大豊作の要因らしい。おかげで虫取りの苦労は少なくて済んだようだ。でも、虫の被害が少なかった理由は産直農家の鈴木さんもよくわからないそうだ。「夏が暑すぎたのか、それ以前の陽気のせいなのか、不思議」とのこと。農業一筋、自然相手の経験や知恵が詰まっているような鈴木さんにも「不思議」なことがあるのね。

今日の野菜ケースにはサツマイモ、里芋、にんじん、ゆき菜、大根、カブ、ブロッコリー、ゴボウ。どれも元気いっぱい。旬の露地野菜ほど美味しいものはない。農家が手塩にかけた自然の恵みをいただく。

□2008年11月27日(木)

 午前中は「歴史と今を語り合う女性の会」の例会。月に1度、足の不自由な会員さんを農村地域のお宅に迎えに行く。毎月同じコースの空や雲、樹木や農作物の変化を楽しみながらのドライブなのだが、交通手段が限られた住民の不自由さを実感するドライブでもある。特に、体が不自由でも好奇心旺盛で人との交流を楽しみにしてイルOさんのような高齢者にとっては・・・。バス路線の廃止でコミュニティ・バスが運行されるようになっても本数や時間帯など、利便性の点ではとても及ばない現実がある。

コミュニティ・バスの充実は地域住民の望むところ。でも、バスを走らせればいいわけではなくその中身について(必要な利用者が使いやすいように)きめ細かな工夫が必要だろう。

それはまちづくりとも関係してくる。合併以前も、以後はなおさらだが、成田のような人口12万5千人くらいのまちでも「一極集中・広大な過疎」が進む。放っておけばなんでも中心に集まってくるような傾向は、「まちづくり」政策の中で意図的に抑制していかないと。何よりも、暮らしやすい、そして暮らしを楽しめる地域コミュニティの創造が大事だと思う。高齢社会は女性社会。これからはますます女性たちの出番ね!

 先日スイスの民間研究機関「世界経済フォーラム」が発表した世界の男女平等度を評価する08年版「世界男女格差報告」がマスコミでも話題になった。日本は調査対象130ヵ国中98位。07年が91位だから後退ということ。政治分野の参加度107位、経済分野102位、教育分野82位。「健康と寿命」指数で38位だったが、全体では主要先進国中最低。あの産経新聞すら「官民挙げて男女格差の是正にもっと取り組む必要がある」と言っているくらいだから、この順位は「国辱」ものなのかもしれない。

十数年前デンマークのホルベック市を訪問した時、昼食の席で「権力(決定権)の半分は女性がもたないとね!」と盛り上がったことを思いだした。

□2008年11月26日(水)

午前中は議員団研修会。「日本とスワエーデンの福祉について」というタイトルで講演があり、講師は藤井威さん。大蔵主計畑から元スウェーデン特命全権大使、現在は(株)みずほコーポレート銀行常任顧問という肩書の人。高福祉国家の税制度についてわかりやすい解説と、EU、米国、日本との比較などとても参考になった。13年前スウェーデンに行って現地を見聞しているので税制度は抵抗なくすんなり頭に入った。やっぱり、百聞は一見に如かず。

それと、使用した資料も良かった。藤井さんが教えている大学で使用しているテキストだそうだが、私がほしかった情報がいろいろ入っていてこれから使えそう!早速明日の「女性の会」で紹介しよう。

午後は議案説明会。12月議会は18日まで。一般質問は15人で2,3、4日各5人ずつ。私は最終日の最後。昨夜から咳が出始めて、一度出るとなかなか止まらないので研修会ではあまりゲホゲホやりたくないので会場から出たり入ったり。喉や気管支が炎症をおこしていたので咳がでるだろうとは覚悟していたが、ひどい咳だ。咳止めは飲みたくなかったがついに夕方から飲み始める。こんな風邪は本当に久しぶり。

今日も、日没後のひととき木星と金星の競演を楽しんだ。夜空はいつの間にか冬の星座に移り変わっていて、オリオンの雄姿を中心に目いっぱい星空を楽しめる季節が訪れた。嬉しいな。

□2008年11月25日(火)

一般質問の打ち合わせ。駐車場でばったり会った議員のUさんは「調整」と言っていた。いまだにこの「打ち合わせ」、馴染まないまま続けている。12月議会の質問は30番のクジをひいたので、何人質問しようと最後ということになる。

 日本の「律令制は朝鮮流か」、という新聞記事。日本の国づくりの基礎となった中国の律令制、朝鮮の百済経由で導入された可能性を示す木簡が韓国で発見されたという。木簡には日本と共通の制度が記されていて、618年のもので聖徳太子の時代に当たるらしい。あの飛鳥寺も百済の王興寺を参考にしたものだというし、いまさらながら深い縁を感じる。

 ところでその「聖徳太子」だが、近頃は聖徳太子という名前で知られる人物は存在しなかったというのが定説化しつつあるらしい。風邪で寝込んでいた時によく聴いたNHKラジオでもそんなことが話題になっていた。すでに高校教科書では厩戸皇子の記述はあっても、聖徳太子の名前はほとんどの教科書に出てこないという。厩戸=聖徳太子ではないようだ。だから歴史は面白い、と言ったら聖徳太子ファンの人に悪いかしら?でも、時代が古くなるほど資料が少ないわけで、いつ、どんな発見があるかわからない。史実を辿ると存在しなかった可能性が高い、ということもその一つ。

□2008年11月24日(月)

 風邪をひいて1週間。やっと回復のきざしがみえてきた。昨日も今日も、予定をキャンセルしてひたすら静養に努める。

22日夜、元厚生事務次官夫妻殺害の犯人が警視庁に出頭した。わざわざ桜田門を選んでローズ・ピンクのレンタカーに犯罪道具一式を積み込み、身分証明に住民票まで持参して乗り付けたらしい。殺害の主な動機は、いまのところ彼の話では30年以上も前に「保健所でペットを殺されて腹が立った」ということらしい。しかし、とってつけたように聞こえる。犯罪の冷酷・非情さをみると動機としては説得力が弱いように思う。

 彼の中にどのような怒りが鬱積していたかはわからないが、マスコミへの犯行声明(メール)では、高級官僚批判や「決起」という言葉が使われていたりもするという。今後明らかになることもあるだろうが、なんともやりきれない事件だ。ネット世界ではこのおぞましい行為を支持する風潮もあるらしい。秋葉原の事件に対してもそうだった。「2チャンネル右翼」と総称される人々がネット上で憂さ晴らしをするのはよく知られているが、そうでない人々、今の過酷な社会・労働環境などを批判するまっとうな考えの人たちにとっても、こうした不透明な時代の中で噴出する「暴力」の捉え方が問われるだろう。

□2008年11月22日(土)

今日はとても嬉しいニュース。国の文化審議会は21日、栄町龍角寺の国指定史跡「岩屋古墳」(方墳では国内最大規模で一辺約80メートル、高さ約12メートル)に加え、成田市の一部を含む周辺に点在する龍角寺古墳群を国の指定史跡に答申したという。面積は445000㎡で県内最大の国史跡となるらしい。

全国でも最大規模の方墳なのに、岩屋古墳は長い間周囲を樹木や竹に覆われて荒れ放題だった。1昨年あたりから栄町が周辺のブッシュを刈り込んだことでその全体の姿を見ることができるようになった。私も、周辺整備を始めたというので早速見に行ったが、3段の墳墓で1段目の周囲(4×80メートル)を一周してみて、古墳を築造した権力の大きさを実感できた。

龍角寺古墳群は6~7世紀頃にこの地域を治めていた印旛の国造(長谷司部直=ハセツカベノアタエ)一族の墓といわれるが、方墳のほか前方後円墳や円墳など、大小様々な墳墓が全部で114基確認されている。印旛沼を眺望できるこの高台を永遠の眠りの地として選んだ人々。いにしえからのメッセージに耳を傾けるよい機会ではないか。新聞にも名前が出た101号墳は、20年以上前になるがちょうど発掘中に見学させてもらった。巫女や長老、武人や従者のほかに犬、鹿、イノシシや水鳥などの埴輪も出土し、そのレプリカが墓の前に発掘時の位置や順番で並べられている。発掘品から当時の暮らしや社会階層などが想像できるといわれる。あれこれ考えるだけで楽しい。

(上・左)岩屋古墳。一辺約80メートル、高さ約12メートルの全国最大規模の方墳。。(上・右)101号古墳正面。出土した埴輪(レプリカ)が並べられている。春は墳墓が花に覆われ、  黄金色に映える。

(下)101号古墳から出土した右から犬、鹿、イノシシ、水鳥の埴輪(レプリカ)が並んでいる。 いずれも、当時の人々にとって暮らしに身近な存在だったことが推察できるという。

□2008年11月21日(金)

 声が出ない!・・・昨日農業委員会に依頼しておいた標準小作料の調査の件で電話したとき、事務局長が風邪声だったので聞いたら、私と同じ症状。今流行しているようで、治るまでに2週間くらいかかるらしい。途中ぶり返しのような症状が出るという。声が出なくなるということも聞いた。やっぱり・・・私も今日は声がかすれて出ない。無理をしないように過ごす。

 「羽田空港国際化に米国激怒 アジアゲートウェイへ茨の道」という今日の週刊ダイアモンドの記事が目にとまった。「いまさら羽田国際化というならば、うちの成田の発着枠をすべて羽田に変えてもらいたい」というのが本音らしい。10月に行われた日米航空当局間協議は物別れに終わったという。

 成田に機能を集約している欧米航空会社にとって羽田に路線を貼るのはコストアップにつながるという。しかも、羽田に就航できるのは成田が利用できない深夜早朝便という条件にキレたらしい。

日本のご都合主義的な航空政策への不信。その根底には閣議決定から42年経っても成田空港が完成していないという国策の失敗がある。これはひとえに、反対する農民の責任ではなく政策を執行する政府の責任なのだが。これを理由に政府は経済団体や自治体を巻き込んで、すでに出ている空港の時間延長―24時間空港化の声が高まるよう仕向けて行くだろう。市議会でも、業界や騒音とは無縁の地域の議員が時間制限を取り払うよう主張し始めている。

昨日の成田は世界で一番早くボージョレ・ヌーボー解禁。それにしても、どうしてこんなに高いの?ガメ種の新酒でしょ?日本人の新し物好きにつけこんだご祝儀相場じゃないかしら。されど新酒で飲むならガメ種だそうだ。そこで私も1本・・・ということで、まぁ他人のことはとやかく言えないわね。今は最悪の状態なのでいずれ気分が良くなってから味わうつもり。何しろ、味も匂いもわからないンだから。

□2008年11月20日(木)

悪性感冒でダウンしている間に、おぞましい事件がおきた。わかっている範囲で、いずれも被害者が元厚生事務次官やその妻であることや犯行手口の共通性から、「テロ」の憶測も呼んでいる。警察の捜査の結果を待つしかないが、私は事件の犯行の残忍さや不気味さという点で、直感的に世田谷の一家4人殺人事件を思い出した。

11ガツ27日から始まる12月議会の一般質問の項目を提出。新年度予算、入札、DV被害者支援など3項目を質問する。新型インフルエンザへの対応について質問しようと思ったが、先に提出した議員がいたのでこれは取りやめ。

迎撃ミサイルPAC-3習志野基地への強行配備1周年の抗議集会とデモが津田沼1丁目公園(新京成線津田沼駅前・JR津田沼駅北口から3分)で開催されるヨテイダガが、今日のニュースでは、ハワイ沖で行われた海自のイージス艦「ちょうかい」のSM-3ミサイルの迎撃ミサイル発射実験は失敗。一発20億円を2発、総額60億円の迎撃ミサイル実験だったという。自衛隊が進めるMD(ミサイル防衛)計画の実態が露呈した。軍事利権と手を組んで税金をタレ流すこんなモノは即刻止めるべきだ。

あの、「逆噴射」した元空自幕僚長をみるまでもなく、軍隊は国家の「暴力装置」なのだから国家の主権者である国民はもっと自衛隊に目を向けるべきだ。いつのまにかお門違いのヒロイズムに酔う幹部職業軍人が育ってしまっている。あれもほしい、これもほしいという暴力装置に国民の血税を使うほど余裕はないはずだ。

 政治家も、軍隊などアテにせず、日本国憲法を楯に平和外交に徹するべきだ。

とはいえ・・・あのアソー首相。政治家に理想像を求める気はないが、もう少しフツーであってほしい。医者を「社会的常識が欠落している人が多い」などと、「アンタには言われたくない」というのが医師会の本音じゃない?

□2008年11月18日(火)

小春日和。冬の到来を前に、ひととき春を思わせる暖かな日差しが心を和ませてくれる。外にでれば樹木たちが最後の華やぎをみせている。ニュータウンでも、ケヤキ、ユリノキ、アメリカフウ、プラタナス、ニセアカシア、トウカエデ、アメリカハナミズキ、コブシなど、街路樹が競い合う。『最後の一葉』ではないが、葉の一枚一枚には役割があるという。年中行事のような枝の剪定には反対だ。落ち葉を嫌う人もいるが、落ち葉だって林床に生きる動植物を守り、土を肥やす。この世に、役に立たない無駄なものなど何もないのだ。

 自然はこんない美しいのに、私の風邪は思ったより悪性。今日は昨日より楽になったが、無理をせずにうつらうつら過ごす。

 小山市で女子中学生がスーパーの駐車場で酒をのみ、駆け付けた教員を殴って怪我をさせていた事件が報道された。スーパーが発見し、学校に通報して教員が来たらしい。なんで親を呼ばないの!これは親の責任でしょうが!教員も、まず第一義的に保護者が現場に行くよう手立てをするべきだ。教員がすっ飛んで行く必要はないのではないか。子どもの問題でなんでも学校を介在させようとする現状は疑問だ。

ABCでオバマ次期米大統領夫妻のインタビューを放送していた。妻のミッシェルさんが当選の夜夫に「明日の朝子どもたちを学校に送っていくのを忘れないでね」と言ったという。

以前フランスの、パリから車で20分位のソーという美しいまちに6日間滞在した時のこと。お世話になったマブリエさんは毎日子どもを送り迎えしていた。彼女にフライトの仕事が入れば、ミリタリーポリスノ署長をしている夫が代わる。朝、一緒に小学校についていくと、校門に校長先生が待っていて、登校してくる子どもたちや親と言葉を交わしながら子どもを校内に入れていた。マブリエさんの話だと、親が校門まで送る、送らないは自由だけれど、もしその過程で何かあったらその責任は親ということらしい。

 送り迎えは一例だが、学校の内と外での責任や役割分担がはっきりしている。しかし、我が国は学校制度の始まりのころから天皇制軍国主義を支える丸ごと小国民育成に学校が強力な役割を果たしてきた。「教育勅語」の影響も背後霊のように存在している。「学校」の役割とはなにか、なかなか意識や制度のチェンジがしにくいのかもしれない。

□2008年11月17日(月)

上福田地先の山林に建設系産業廃棄物を中間処理した「再生砂」と呼ばれるものを埋め立てていることについて、昼頃まで市、県、環境省に電話で聞き取り調査。廃掃法と残土条例の隙間をぬったきわどい行為で市も県も現状では手が出せないようだ。県は、何が混じっているかわからないので廃棄物という認識もあるようだが、この再生砂をつくっている廃棄物再生業者と「砂」の定義をめぐって訴訟になっており、最終的な結論がでないと、判断できないとのこと。いまのところ1、2審とも残土処分場に再生砂を入れることを不許可にした県の勝ちだが、業者は上告するらしい。

 それまで手をこまねいていて何かあったらどうするのかしら?ない知恵を絞っているただけれど・・・。

 でも・・・そうしたことも昼までが限界であとはダウン。風邪をひいてしまった。昨日は千葉で農業問題の講演とシンポジウムの総合司会をやり、その後交流会。夜帰るまでは特に変化も感じなかったのに、

11時頃からちょっとヘン。すぐ風邪のひき始め用葛根湯エキスを飲んで寝たのだが、今日はもう朝から関節が重く、喉もチクチク痛む。午後は起きているのもつらかったので、足を温めるのに今年初めての湯たんぽを入れてベッドにもぐりこみ、うとうと・・・。夜もダメ。悪性の感冒に罹ったようだ。

□2008年11月15日(土)

午前中はニュータウン自治会連合会主催の合同ひもとき。時間差で神宮寺小学校と加良部小学校を会場に、来春ニュータウン地区8小学校に入学する451名の子どもたちを対象にしたお祝いの会が開催された。私はもう、ゆるゆるのおばあちゃん顔で楽しいひと時を過ごさせてもらった。

午後船形手黒遺跡現地説明会へ。時々小雨が降る天候だったが、たくさんの人が訪れていた。

(左)石枕。穴に石で作った立花を挿したという。発掘で出土するのは極めてまれとのこと。(右)墳丘の大きさ約25m、高さ2.2m。古墳のてっぺんから穴を掘って棺を納めた「木棺直葬」。 

JR成田駅西口からはなのき台を抜ける道路の延伸工事に伴って文化財調査が行われている。近在の人たちも存在を知らなかったという(仮称)船形手黒遺跡(5世紀後半の円墳)から石枕やそれに挿した滑石製の立花、銅鏡などが出土したことから見学会が催されたもの。未盗掘ということは墳墓を覆うような巨木の切り株を見ただけで納得。悠久の時を経ていま姿を現したのもきっと何かのご縁だろう。

死者の頭を乗せる石枕は南東を向き、木棺はすでに腐食してしまっているが、並行して2つ並べられていたことがわかる。複数の人が埋葬されたという!今後も道路整備に伴って発掘調査が進められるので何が出てくるか興味シンシン。隣接するはなのき台団地を造成する時の文化財調査でも、古墳時代から奈良・平安時代にかけて679件の住居跡が確認されている。木立の間から見下ろすと彼方に江川が見える。かつてはそのあたりも水に覆われていたらしい。

1千年くらい前のこのあたりは印旛浦と呼ばれ、霞ヶ浦を経て太平洋につながっていた。なだらかな丘陵地帯には太古から人々が定住生活をはじめ、石枕や、特色ある文様の土器など、「地域文化」が育まれていたのだろう。

日本UNHCRや人権団体アムネスティ・インターナショナル日本支部のメールニュースでコンゴ内戦の様子が次々と届く。いまや「世界最大の人道危機」として緊急支援が呼びかけられている。政府軍・反政府勢力双方からの襲撃で生き延びた住民がやっとたどりついた難民キャンプすら危険にさらされている。政治の失敗と人間の残酷さに胸が痛くなる思い。まさに映画『ダーウインの悪夢』は現実なのだ。

□2008年11月13日(木)

午前中は日赤の眼科。今日は9時予約で11時にはすべて終了。次回は1月中旬に予約。

午後、用事があって下総に行く途中久しぶりにちょっと寄り道をして久住のIさんのお宅に寄る。私が成田でミニコミ新聞の仕事を始めた時以来の〝おばさん。手料理名人で、初めは美味しい湧水の取材で伺ったのだが、その後はよく「おふくろの味」をご馳走になった。食べる人が喜んでくれるのが一番と、いつも身近な食材を創意工夫してテーブルにのせてくれる。満腹になってもつい手を出してしまうもてなし上手なおばさんだ。帰りに隣の畑で丹精込めて作っている無農薬の大根、ネギ、春菊、ホウレンソウ、サツマイモ、チンゲン菜、そして大根の酢漬けをお土産にいただいてきた。あれも、これもと用意してくれるIさんの姿がふと亡き母の姿と重なった晩秋の午後だった。

留守電に、先日の朝日新聞記事(いずみ聖地公園の造成をめぐる談合)に関連して市が入札参加業者に事情聴取をしているという情報提供。とりあえず市に電話したら、3時から5時30分の間に34社すべてを呼び出して話を聞いていて、まだ終了していないとのことだった。出席できない会社には電話聴取したようだ。成田市の今後の対応に注目したい。

朝日夕刊に「成田に『幽霊本店』続々」「豊富な公共事業受注狙う?」という記事。市は年度内に各社の立ち入り実態調査をし、協力しない場合は「市内業者」の登録を取り消す考えらしい。ずいぶん前から名ばかりペーパー本店の事例があげられてきたが、うやむやにされてきていた。小泉市長の公約で入札改革が進む中、去年あたりから地元業者の不満が噴出。市も対応策を考えはじめていた。やっと腰を上げたということか。私も、市の公共事業を受注するなら最低数年は納税実績を積むなど一定の条件は必要だと思う。国交省も諸般の事情を加味した総合評価方式を採用するよう自治体を指導している。しかし、総合評価方式は取扱い方によっては不透明になりやすいし、競争性が二の次になりかねない。より公正・公平なシステムと徹底した情報公開、これにつきるのだが悩ましいところだ。

まだ残光が残る夕暮れの西の空高く、金星(宵の明星)と木星が輝いていた。子どもの頃から、空を見上げるといつも厳粛な気持ちになる。今日は晴れあがってとても気持ちの良い一日だった。

□2008年11月12日(火)

丸投げというか投げやりというか・・・自公政権の迷走ここに極まれり、といったところか。目的も効果もいい加減なのにとにかく早くばらまいてしまえといったお粗末。

総額約2兆円といわれる定額給付金で自公与党が合意したそうだ。1人あたり1万2千円、18歳以下と65歳以上は8千円を上乗せする。所得制限は法律で定めず、制限を設けるか否かは市町村で判断する。ただし、制限の目安は年間所得1800万円を下限とする・・・というもの。しかし、市町村も「地方分権だから」(首相)よきにはからえ、ではいい迷惑だろう。おまけにこの給付金を盛り込んだ補正予算もいつ国会に出るのかわからない、だからいつ支給されるかわからない、といった有様。

「白紙撤回せよ」(毎日)「もう断念して出直しを」(朝日)といった社説を掲げた新聞もあるくらいだ。朝日新聞の世論調査では給付金を「必要ない」とした回答が63%だった。ついでに、麻生内閣支持率は37%。不支持41%。

ハクチョウが飛来する季節になった。このあたりでは本埜村の飛来地が知られ、多い年は千羽をこえるハクチョウが印旛沼周辺に餌を求めて飛び交っている。昨年は新高速鉄道工事で飛来が遅れたようだが、今年はどうか。

ところで、さとちばMLに飛来地青森県の対応についてメールが流れてきた。今春十和田湖周辺でハクチョウの死骸から高病原性鳥インフルエンザが検出されたことで、野鳥の飛来シーズンを迎え、県は周辺自治体に当分の間餌付け自粛を要請したという。その結果、餌付け取り止めや自粛の看板を掲げる自治体も出てきたようだ。本埜村でも餌付けをしたり子どもたちが見学に出かけたりしているというがどうなるのかしら?

□2008年11月11日(火)

 夜、筑紫哲也さんの追悼番組をみた。最後に、井上陽水が「・・・いまあなたにgood night ただあなたにgood bye 」と歌っていた。そうか、もう「筑紫哲也」はこの世にいないのか。

 参防衛委参考人招致での前空幕長の発言と、懸賞論文への空自のかかわり方をみていると、筑紫哲也さんの追悼番組で田原総一郎さんが言っていたように、まさに空自の組織的「反乱」の様相を呈している。この間空自はイラク侵略戦争に参加し、C―130で兵士や武器を運んできた。名古屋高裁でその輸送活動が「憲法違反」だと判決を下されると、くだんの空幕長は誰かの口真似で「そんなの関係ねえ」。

 たぶん、アジア・太平洋戦争に対する「政府見解」や憲法9条に拘束されていては「やってられねーよ」ということなのだろう。しかし、各種調査で明らかなように国民多数は憲法9条を大切に思っているわけで、(戦争を)「やってくれ」と頼んでいるわけではない。武器を持って外国で戦争をやってほしいと思っているわけではない。民主主義国家である以上、軍隊は国民と政府・国会の言うことを聞いていればよいのだ。とはいえ人間の組織。自分たちの意思で行動したいという野望が頭をもたげる危険もありうる。今回は空幕長がウルトラったわけだが、そうした感違いをしっかりとコントロールするのが国民の代表機関たる政府の役割。

 しかし・・・平和主義を掲げる日本国にあって、政府はもとより、自民党や民主党の一部には空幕長と似たり寄ったりの認識を持つ者がいる。その主張に「わが意を得たり」と思う政治家たちが国政の中枢にいる限り、シビリアン・コントロールは徹底できないのではないか。

200811月10日

 午前中は事務処理。午後上福田へ。先日市民からメールが届き、産廃と思しきものを積んだ車が林道に入って行ったという。その後地図の送ってくれたので現地を見に行く。バイパスから山林に入って程なく、その場所は確認された。かつて山林の一部を残土か何かで埋め立てたようで、入口をフェンスで塞ぎ、立ち入り禁止となっていた。今のところ石などがわずかに積まれているだけだが、フェンスの隙間から写真を撮っておいた。

 農村地域で道路事情が良くなると、残土・産廃業者が放っておかない。うっかりすると残土・産廃の山ができあがってしまう。不法投棄もある。ここはバイパスからひょいと入ったところなので車が出入りすれば目立つのだが、それでも芦田や松崎や上福田(今日の場所とは別)の不法投棄場所のように丸見えでも、市が介入しても、堂々?と不法投棄されてしまった過去がある。松崎と上福田(ここは市が業者を告発して罰金刑になったが)は、今も不法投棄が放置されたままだ。この場所も埋め立ての履歴を調べることと、今後時々チェックしていく必要があると思う。

 福島の果樹農家、大内さんのラ・フランスが届いた。

□2008年11月9日(日)

 環境工学の専門家を案内して暫定滑走路周辺と北側の騒音地域をまわる。成田空港の騒音環境は熟知した方なのだが、実際にフィールドを歩く中でより具体的な現実を体感してもらえたかしら。

 日も一日中どんよりした曇り空のもと晩秋の色濃い風情が漂っていた。農家の頭上40Mを離着陸する航空機が通過する東峰地区はいうまでもないが、新たな滑走路建設で移転対象区域となった高倉地区なども、ノスタルジーを誘うようなひなびた農村景観と空から降ってくる騒音のギャップはあまりにも大きい。

 以前、別の専門家を案内した時もそうだったが、東峰部落周辺を終えて移動を始めると、警察の私服車がついてきた。乗っているのはマスクをしてサングラスなどをかけた2人1組。今回も小泉地区までついてきた。農家の話を聞いている時は、門から少し離れたところで待っている。方向転換する時は慌てて車をバックさせる。ただついてくるだけなので、仕事とはいえご苦労なことだ。以前訪ねた農家の話では、日を変えて私服の刑事が訪ねて来て、どんなことを話していたのか聞いたそうだ。おばあちゃんが笑いながらやり取り教えてくれた。

 出雲市に行って3日間留守にしたので、いろいろ整理することに追われる。

 出先に電話をもらって知ってはいたが、8日(土)朝日朝刊の県版に成田市の談合が掲載されていた。いずみ聖地公園造成事業の入札に関してだが、どうやら地元業者が朝日のインタビューに応じたらしい。談合したけれど約束の分け前をもらえなかった市内業者から不満が出た。

 この種の談合はよくあると聞く。入札に参加した業者が、談合で落札業者から下請けのかたちで仕事を分けてもらう約束をする。今回は落札業者がその約束を守らなかったことから外部に出たものだろうが、要するにギョーカイの内輪もめ。どっちもどっちで犯罪に手を染めているわけだが、成田市は調査委員会を立ち上げるのかしら?複数の業者が談合したと言っているのだから、公取委に調査を要請することもできるのでは?

 合間に、ビデオに撮っておいた米大統領選挙を見る。ライブでシカゴでの勝利宣言を観た時ずっと気になっていた一人のアフリカン・アメリカン。歓喜する群衆の中、涙で頬を濡らしていたその人がキング牧師とともに公民権運動を行ってきたジェシー・ジャクソン氏であることを確認。あの勝利の日は映像を通して多くの人の涙を見たが、私は一瞬映し出された彼の涙にとても心を動かされていた。ちょっとスッキリした気分。

2008年11月8日(土)

 午前中はサミット分科会<。①出雲神話から男と女の関係を考える②まちの再生から創造③究極の男女共同参画④対話から愛と理解を⑤おじいちゃんの台所⑥出雲地域の子育て環境⑦ストップDV!の7つの分科会が開かれた。

 私は第7分科会に参加。講師は精神科医でDVや強姦のの被害者救援に折り組んでいる竹下小夜子さん。~大切な人を被害者にも加害者にもしないために~DVという深刻な問題への取り組みの切り口を、仕事や支援を通しての豊富な経験をもとにわかりやすく講演してくれた。昨年のDV防止法改正で、市町村にも相談窓口だけでなく支援センターの設置などが努力義務になった。成田市でも今後の課題。

 DV問題は総合的な支援が必要なのでワンストップの窓口化のために総合庁舎に窓口を置いて支援体制を組む必要があるという講師の提言に同感。会場には出雲市長もいて、早速、現在建設中の市庁舎に設置するということを約束したことには会場から拍手。あらゆる暴力は支配・被支配の関係を強要する最も露骨で悪質な表現。DV(ドメスティック・ヴァイオレンス)はそれが一番安心してくつろぐ場所である家庭、愛情と信頼関係によって築かれなければならないはずの相手との間に発生するものであるがゆえに、重大な問題になる。

 先日、「男が嫉妬しないと愛されていないと思う女の子」がいるということを知った。しかし、嫉妬はエゴイズムの表れであり、時に醜悪で暴力的な言動に到る。十代から「嫉妬は愛情」などという固定観念が植え付けられてしまうことはなんとしても避けたい。それは「愛」ではないのだ。

 DVも本質は同じ。竹下さんの資料ではDV障害事件の被害者の9割が女性。警視庁の調査では07年、3日に1人の女性がパートナーにより殺害され、5日に1人の男性が女性パートナーから殺害されているという。女性が男性を殺害する場合は、そのほとんどがDV被害に追い詰められた結果の殺害。

 分科会のテーマは「愛情なら安全を~ストップDV~」。人には言えずDVで苦しんでいる人たちのために、もっとDVについての情報を市民に伝え、共有していかなければと思う。DVは特殊な問題ではないのだ。成田市でも、「男女共同参画計画」を策定するにあたって市民アンケートで2割の人が配偶者から暴力を受けたことがあるという結果がある。

 朝、ホテルで山陰中央新報を読んでいたら、昨日「松くい虫防除対策検討会」が開かれ、空散否定意見が大勢を占めたという記事が載っていた。


2008年11月7日(金)

 午前中は念願かなって出雲大社の隣にある島根県立古代出雲歴史博物館>を見学。世紀の大発見といわれる荒神谷遺跡から出土した358本の銅剣をぜひ見たいと思っていた。展示室の壁一面には出土した銅剣と、同じ材料で造られたレプリカが並び、圧倒された。また、室内には近くに埋められていた銅鐸6個、銅矛16本も展示されていた。

 銅剣358本は、谷から標高22メートルの南向き急斜面に束ねて埋めてあったという。何か命運をかけた重大な願い事をするための儀式だったのではないかといわれる。夕闇が迫る頃、司祭が祈る中でかがり火を頼りに族長が剣を埋める儀式を行っている光景を思い浮かべるだけで、私はもうすっかり弥生人の気分。

 1240分からサミットが始まる。男女共同参画都市宣言をおこなった自治体のサミットなのだが、地元を中心に全国各地からの参加者が会場からあふれた。私は会場で成田の同僚市議2名と企画政策部男女共同参画担当の職員1名と合流して参加。貸し切りバスで参加した団体さんもいて、スケジュールの関係か何かNHK「篤姫」の脚本家と地元文化人のトークが終わったら会場には隙間もできた。

 内閣府からの報告、基調講演、全国初に「条例」を制定した地元出雲市長ほか宣言都市の首長によるシンポジウムのあと、サミット共同宣言をして1日目の日程が終わり、夜は交流会。神無月11月の出雲は神在月。神々が集まるその日にぶつけたサミット。全国から男女共同参画社会を目指す人たちが集まるという発想は愉快。

 交流会が宴たけなわの頃、同行した3名と一緒に会場を抜けだし、「国譲り」の聖地「稲佐の浜」でかがり火の中で7時から始まる「神迎祭」の神事を見学しようとしたが、間に合わなかった。神在月で全国各地八百万の神々が上陸するという稲佐の浜には現地で配られた御幣を持った大勢の人たちでごったがえしていた。その後迎えた神々を約1キロメートル離れた大社に案内してそこでまたカメラ・フラッシュ禁止の神事。

 神在月の明日(旧暦1011日)から7日間、出雲大社から540メートル離れた「上の宮(かみのみや)」では全国の神々による「神議(かみはかり=会議)が行われる。その間神々が泊まる御旅社(たびしゃ)も境内ニ19社用意され、連日祭りがおこなわれるらしい。最後の日には「神等去出(からさで)祭」で神在月一連の行事が終わるが、連綿と続く壮大なロマンあふれる行事だ。

  □2008年11月6日(木)

  7日・8日の両日開催される「男女共同参画宣言都市サミットin出雲」に参加するため出雲市へ。午後着いて、出雲市農林政策課を訪ねる。去る5月26日に市内で発生した松くい虫防防除農薬空中散布による被害とその後について聴き取り調査を行った。

 多くの自治体が長年実施してきた松くい虫防除の空中散布(国の5年時限立法)は、ただ一種マツノマダラカミキリを殺すために空から殺虫剤を撒いて全山殺戮、同時に空気・水・土を汚染する。元横浜国大教授加藤龍夫さんいわく〝百害あって一理なし。農薬会社を儲けさせるだけの事業だ。かつて成田市でも実施してきたがワタシハ反対し続け、10年ほど前、小川市長の時に中止となった経緯がある。

 今年出雲市が松くい虫防除事業で撒いたスミチオン235%含有のスミパインMC剤により、出雲市の児童・生徒1286人に目のかゆみ、充血、痛みなどといった健康被害が発生した。詳細は『てんとう虫情報』(反農薬東京グループ機関紙)で知っていたが、市民の動向や行政としての今後の対応についてなど、もう少し詳細が知りたかった。

  被害発生後に設置された「健康被害原因調査委員会」(委員11名)の検討結果を示す報告書が9月24日に出て、「農薬空中散布が原因である可能性を否定できない」が7人で多数を占め、「空散が原因」2人、原因を特定できない2人で、三論併記とはいえ9人が空散との関係を認める報告となったようだ。更にこの報告を受け、10月に「松くい虫防除検討会議(審議会)」を立ち上げ、12月初めには答申が出る。何しろ1688ヘクタールに空中散布するというのだから、いままで何の被害も出なかったということはないだろう。しかし、今回千数百人の子どもたちが一斉に被害を訴えることで出雲市の対応は迅速だったといえる。

  「松林保全」と農薬空散の必要性については合理的な説得力がない。これだけの被害が発生したからには、常識的にいって空散の継続はありえないだろう。・・・と私は思っているのだが。この際中止し、伐倒事業及び歴史や景観上残すべき松には個別に薬剤注入などにしたら?

□2008年11月5日(水)

  米大統領選挙はオバマ氏の圧勝。民主党も上下院で圧勝し、安定した政権基盤を獲得したようだ。

  思えば、ブッシュ政権の8年間は新自由主義・キリスト教原理主義をふりかざした〝唯一の超大国覇権主義の弊害が噴出した8年間だった。9.11という衝撃的な事件を口実にして、罪のない多くのアフガン、イラク民衆の命を奪い傷つけ路頭に追いやった。

  2つの泥沼戦争は米国財政を圧迫し、グローバリズムの推進は国内産業を衰退させ、現実から遊離したインチキ金融工学を放任することで自国のみならず世界的な金融破たん-経済危機を招いた。ブッシュ政権の政策に傷つき、困窮し、孤立感を深めてきた米国民にとって、「一つの合衆国」を説くオバマ氏の言葉は癒しにも聞こえたことだろう。シカゴでの勝利宣言に涙を流す人たち、歓喜する人たち、深く満ち足りた表情の人たち、一人ひとりの表情の何と美しかったことか。この瞬間、多くの人たちの心は一つになったのだ。そういえば小浜温泉や小浜市も大いに盛り上がっていたね。

  大統領選の初めはヒラリー・クリントンを大統領にと願った私だが、とにかく2年近い激しい選挙戦の中、あらゆる角度から国民の目にさらされて勝ち抜いてきた新しい大統領の誕生を祝いたい。アメリカ草の根民主主義の活力を改めて感じた。

  実はこうした大きな選挙と同時に、米国では各地で住民投票が行われる。4日は36州で153の案件が投票にかけられるそうだ。注目されるのは今回の大統領選では触れられなかった同性婚。「同性婚禁止」派からの提案らしい。カリフォルニア、アリゾナ、フロリダ3州で同性婚の是非をめぐる住民投票が行われるという。結果は如何に。

  明日から8日まで男女共同参画宣言都市サミットに参加するため出雲市に行く。

□2008年11月3日(月)

  一日中雨粒が落ちそうで落ちない雲り空だった。晩秋の色濃いこういう日は、森の中を歩きたくなる。私が好きな風土記の丘周辺も、命のみなぎる季節が過ぎ去り、樹木や生き物たちはおもいおもいの冬仕度を始めている。葉に遮られていた林床にも光が届くようになり、穏やかな中にゆったり、こっとり充足の時が流れていく。

  こういう日は人に出会うこともまず、ない。・・・夏の頃かしら、イヤホーンでNHKの「地球ラジオ」を聴きながら樹木に囲まれた小道を歩いていた時、前方がみえないカーブのところで思わず声を出して笑ってしまった。その瞬間の出会い頭、ジョギングしてきた人がギョッとした表情で立ち止った。相手はカーブを曲がったとたん「プハッハッハ!」などという笑い声におそわれたのだから驚くのは当然なのだが、私も突然人が現れて立ち止まったので驚いた。思わず「わっ!びっくりした」というと、冷めた声で「オレも驚いたよ」と言ってその人はまた走り去った。こういうのは後で笑い話になるが、できれば誰もいない森の中を歩きたいと思っている。

  下総にでかけた時は機会をみて久住駅前区画整理地区を通り抜けるようにしている。この前来た時に比べ、今日はまた新しい住居が増えているようだ。夕方はなのき台に行ったら、新しい建売住宅の販売中。すでに150戸位あるかしら?マンションも増えた。でも、いろいろ建つ割には人口は5000人位だから、市内で移動している住民が多いのではないかという見方も。

  夜はアメリカ大統領選挙投票日が迫り、NHKのBS特集を夜中まで見てしまった。特に「大統領のことば」。久しぶりにケネディの就任演説(1961年)を聴き、13歳だった自分を思い出した。リンカーンのゲティスバーグ演説には胸が熱くなった。ひとの心を一瞬にしてつかむ言葉の力を感じる。口先だけなのか、真心からの訴えなのか・・・人は直感でそれを感じ取るだろう。日本の政治家はもっと「演説」を磨いてほしい。きっと国民は魂に響く政治家の演説を渇望しているのではないか。この首相なら、苦労を共にしてもいい、と思わせるような。

  アフリカン・アメリカン初の大統領に選ばれるであろうバラク・F・オバマの就任演説が楽しみだ。それにしても、「Yes,e can!」が人々の心をしっかりととらえた1月の民主党大統領予備選での演説は、きっと歴史に残るだろう。


□2008年11月2日(日)

  成田市の都市計画に関する公聴会が開かれたので傍聴。小泉に建設予定の新清掃工場計画変更にともなうもの。素案の縦覧期間中に申請のあった公述人は2名。予定地から約300メートル離れた北側一帯に26ヘクタールの土地を十数名で共有し、土地の有効利用を検討してきた団体の代表と、住居は市外だが所有地の有効利用を目的とする人。

  2名の主な主張は、市が進めてきた新清掃工場建設の過程で、地元小泉区住民のみを相手にして、公述人には説明もなく無視、要請しても対応は不親切で部外者扱いされてきた。差が大きすぎる。すぐ北側だからまともに影響を受けるのに無視するとはどういうことか。また、突然の計画変更は環境悪化、土地利用にはかりしれない影響があるのに一度も説明がない。現時点での変更は時期尚早、改めて土地利用計画を作り、小泉地区同様自分たちとの説明会を開いて進めてほしい・・・といったこと。

  この北側26ヘクタールはかつて、余熱利用施設予定地とともにゴルフ場計画がとん挫して塩漬け状態にあった。その後、経過はわからないが平成15年に公述人ほか十数名が手に入れたところまでは私も知っている。ただ、共有名義とは知らなかった。その一帯の土地が動き始めたころは購入をめぐって当時いろいろ噂もあった。その土地がいま、こういうかたちで表に出てくるとは思っていなかった。

  清掃工場が現在の予定地にできることを見越して手に入れた土地が市の計画に組み込まれていないことへの、地権者としての訴えといったところ。

  寒くもなくキリリと引き締まった心地良い季節が訪れて、ふと気付いたらなんだかちょっとバテ気味。・・・ということで今日は日曜日だし、怠惰に過ごす。

200811月1日(土)

  午前中はよく晴れあがって風がとても強かった。東京では木枯らし1号とか。10月中旬からボランティアの人たちの応援で足立まちこレポート「たいむ」68号を地域を限定してポスティングしてきたが、あとわずかを残すのみ。年4回だけれど、配布していると手紙、電話、メールなどが届くから、嬉しい。

  先日はまちづくりに関する6項目の提案をメールで送ってくれた人がいた。具体的・建設的で、まちづくりの主役は市民であることをあらためて実感。もっと市民が政策策定の過程に参画できるようなシステムがほしい。先日四街道市長に当選した小池さんは、「市民委員会」をつくりたいと言っていた。市民主権のまちづくりをしようとする場合、市長部局で形骸化している審議会等とは別にそんな委員会がほしい。

 私は09年度の予算要望で、成田市の憲法ともいえる自治基本条例を策定する過程に「(仮称)市民会議」を置くことを要望しておいた。時間をかけてもじっくりと市民の声を聞き、まちづくりに反映させていてほしい。市民の中にも主権者としての意識が育まれていくと思う。

  昨夜自衛隊空幕長の懸賞論文事件をニュースで知ったが、きょうはもう、本当に腹が立つやらガックリするやら。こんな男が国家の暴力装置である軍隊のトップの一人だったのだ。国益を優先してただちに更迭されたことは当然として、国民の一人としてはそれで一件落着してほしくない。

  それにしても、日本は「日中戦争に引きずり込まれた被害者であり、侵略国家だったというのは濡れ衣」などとよくまぁ・・・あの、国民のみならずアジアの人々に塗炭の苦しみを与えた侵略戦争を正面から見つめ、責任をしっかり受け止めることを拒否するそんな自己チュー史観の人がいることはいる。しかし、軍事組織のトップが懸賞論文などで国民の合意による政府見解と異なる考えをツラツラ書いているようではお話にならない。こんな言葉あんまり使いたくないが国家の「危機管理」が問われるレベルではないか。

  彼はマスコミのインタビューに「国家・国民のためを思って書いた」と答えていたと言う。おおきなお世話だ。馬鹿じゃないの?

□2008年10月31日(金)

  ひと足早く色づき始めたケヤキには遅れをとっているが、ニュータウン中央通りに青々と茂るユリノキにも少しずつ変化が見えてきた。大きい葉(ハンテンボクと呼ばれてきたように防寒用衣類の半纏に似た形)に黄や茶のまだら模様ができたりしておもしろい。今年はこの中央通りのユリノキと、郵便局―中台外周通りに植えられたニセアカシアの枝が残され、来年の花の季節を待つ。そう思っただけで私はもう、ソワソワ。

ユリノキとなると長年の思いが募ってついクドクド書きたくなるのが私の悪いクセだが、今度日記に書くのは・・・蕾をみつけた時かな。

 夕方届いた産直野菜。嬉しくて疲れも忘れて調理する。白菜とゆずは冷蔵庫にあったキュウリとニンジンを入れて漬物。里芋は煮っころがしでサツマイモは先ず天ぷら。大根の見事な葉は茹でて冷凍にするほかにジャコと炒めておいた。以前女性誌のカルチャースクールに勤めていた時は多くの著名な講師がデモンストレーションで作った料理のお相伴にあずかったので、自分で作る料理のあまりのシンプルさを料理といえるかどうか・・・。還暦を過ぎて、私の食事はどんどん亡き母の味、母の手料理に回帰していくようだ。

 食の安全が叫ばれているが、新聞などで汚染食品を匂いや舌が拒否した人たちのことを知るにつけ、子どもの頃からまず自然の素材の味をしっかり覚え、五感を磨いていくことの必要を感じる・・・たとえいまどきの食生活では難しいとしても。

 昨日、麻生首相が解散総選挙「先送り」で追加経済策を発表。3年後には消費税も、とか。しかし・・・「生活対策」の給付金というのは「金で票を買う」と言われても仕方ない。以前地域振興券というのがあったけれど、それもこれも、政策としては安易で低レベルのもの。だって、税金を投入してお金をバラ撒くなんて、一番簡単じゃない?それで回転寿司を家族でおなかいっぱい食べるとか、国民も、ずいぶんバカにされたものだ。

□2008年10月29日(水)

 千葉県議会が「富津市鬼泪山国有林104林班ほかの山砂採取事業の早期着工に向けての土石採取対策審議会の早期開催を求めることについて」という山砂採取業者が提出した請願を自民党の賛成で採択したことを受け、県内各地で環境諸問題に取り組む団体と個人が集まって、土石審議会の開催など山砂採取への動きに反対していくことを決めた。

 また、運動を推進していく母体として、「鬼泪山(国有林)の山砂採取に反対する連絡会」(通称・鬼泪山連絡会)が発足した。

  山砂業者はすでに民有地で採れるところは採り尽くし、国有林に手をつけようとしている。ちばぎん総研にお金を払って調査してもらった報告書は山砂採取の経済効果を保障しているようだが、その類の委託調査がナンボのものかは知れたモノ。「経済効果」は極めて不透明。しかも環境への影響はとって付けた程度でしかない。

  反面、広範な環境破壊とそれが周辺住民に与える影響は目に見えている。森林を伐採し、山を削り取りさらに地中深く土砂を採取する行為が何をもたらすか・・・水系への影響(富津市は水道水の3分の1を取水)、隣接する鹿野山やマザー牧場への様々な影響、地盤隆起(すでに隣接する浅間山が消えて8~20㎝メートル隆起)、地震等による崩落の危険、生物多様性への影響、県民の共有財産でもある房総の豊かな丘陵景観・自然の破壊その他数多い。

 最高裁で画期的な勝利をかちとり、安定型産廃処分場建設を止めた富津の市民も参加していた。十数年にわたる苦しい闘いからの経験は本当に示唆に富んでいる。言葉の重みを実感した。帰りに柿をたくさんいただいた。それと名前を知らない豆も。そういえば、6年余にわたる裁判中は野菜を売って費用を捻出して頑張っていたのだ。

(07.12月)朝日新聞ヘリより撮影。赤い矢印の下から左に連なる一帯が鬼泪山国有林。その手前には浅間山があったが、今は消滅して放置され、むき出しの砂地が広がる。

 矢印の背後には鹿野山(斜面の一部白いところがマザー牧場)。鬼泪山を削りとると鹿野山にも水系への影響や自然災害での崩落の危険などが及ぶのではないかという意見も出た。

□2008年10月28日(火)

 今日から30日の日程で決算特別委員会。所用が不規則に入っていて、今回は全体を傍聴できない。今日は午後の総務費のみ控え室でテレビ傍聴。

  「決算カード」から見る限り、成田市の財政事情がが「恵まれている」ことは一目瞭然。「千葉財政研会」などで参加者が持ち寄った決算カードの財政指標等を見比べただけで、成田市の数値に羨望の声を上げる他市の議員も多い。いまやどこの自治体も財政状況はひっ迫している。だから、限られた税収でいかに無駄なく効率的な行財政運営が行われているか、優先課題はなにか、借金はどうなるのか等々ほとんどの自治体議員は頭の痛い課題を抱え込んで予算・決算をチェックしていく。しかし、予算要望しても「金がない」で終わり。「それなら自分たちで」とNPOを立ち上げた議員も人もいるし、NPOから議員になった人もいる。

 そうした中で、成田市(空港)、浦安市(ディズニーランド)、袖ヶ浦市(コンビナート)などは、前記の企業関連の固定資産税収(景気に左右されないといわれる)を中心に、安定した財政運営が行われている。

  ところで成田市はどうか。議員が予算や決算をチェックする基本姿勢は同じだが、なんとなくお金がどこかでダブついているような無駄を感じる人も多いのではないか。締まりがない・・・それはどこか。いま、成田市では行財政運営の「質」が問われていると思う。

 それと、豊かさ?が政策に反映してその成果を受けるのは市民なのだから、もっと市民が政策策定過程に参画していくシステムを構築していくことだと思う。

 いま世界中を巻き込んで起こっている金融―経済危機はわが国をも直撃している。国や地方の財政への影響で、具体的かつ数値的なものが見えてくるのは時間の問題。20年前からそう言ってきたのだが、成金成田も、いつまでもダンナ政治をやってる場合ではない。

□2008年10月27日(月)

  産廃最終処分場建設をめぐる東総住民と千葉県の控訴審を傍聴。1審の千葉地裁で住民が勝訴し、千葉県が控訴したもの。この傍聴は3回目だが、今回論点が「ガラリ」と変わってびっくり。裁判終了後の報告会で弁護団から丁寧な説明を聞く。

  これまで裁判長は住民側の当事者適格(民事訴訟法10条1項)を問題にしてきたので弁護団はそれに対応していたのだが、今日裁判長は突然廃棄物処理法に焦点を移してきた。この処分場は平成6年に申請され、13年に許可されたもの。その間、廃棄物処理法は平成7年(規制がゆるい)、9年(7年より規制が少し厳しくなっている)、12年(事業の経済的基礎などを含め厳しくなる)に改正された。1審住民勝訴の千葉地裁判決では12年法を一部採用した、いわば「折衷」説。

  裁判長は「7年法でいくか、12年法でいくか、経過既定の解釈でガラリと変わる、今後の(裁判の)進行が決まる」「7年法を適用するなら結審」とまで発言した。裁判長は県側の席に向かって身を乗り出し、なんだか愉快そうな表情!。私はうっかりしていたが「法衣の袖をまくった」のに気づいた人も。県の雇われ弁護士も裁判長が突然根拠法について質問してきたのでしどろもどろ。しきりに後ろに座っている県職員に聞きながら「きわめて稀な例なので国の解釈に従ってきた。主張の根拠法はこれまでどおり」というのが、精一杯。さしあたり、県が1審で申請を打診して断られた環境省への調査嘱託を再度打診し、OKなら裁判所が調査ということも。

  住民側は一貫して、事業申請は平成6年でも県の許可は同13年だから当然12年法を根拠にすべきという立場で闘ってきたし、千葉地裁も一部12報告会では「7年法適用という時代錯誤の極悪判決の可能性も?」「12法を根拠に県の控訴棄却?」・・・「どっちにも転ぶ」という声。次回は12月8日1130フン。

□2008年10月27日(日)

  本埜村のIさんからヤアライボー(サンカノゴイ)の語源に迫る貴重なメールが届いた。

 『印西風土記』(平成15年)に次のようにあるという。「前回紹介した赤松宗旦著『利根川圜志』にヤハライボのことが書かれている。(第5巻)谷原(ヤハラ)イボ・・・この鳥昼は人目にかからず故に、見る人稀な利大きさ羽色とも鳶に似て黄を多く5月ごろより黄昏、芦中にてスー(細く)ボウイ(大声)スーボウイと鳴く声螺(ほう)ににたり、谷原は湿地の芦原、そこに生息するイボ(斑点)の多い鳥を表す名であろう。・・・この鳥の正体を解き明かそうとした結果、赤松の示した特徴をもつ、この鳥の学名が、山家五位であることがつきとめられた。

 ということで、ヤハライボがいつのまにかヤアライボー?私は以前Iさんが言っていた「谷原でボーボーと鳴くのでそう呼ばれるようになったのでは?」という推察のほうが生活実感としてわかるような気がするのだが

 ついでだが、赤松の『利根川図志」は江戸時代末期に書かれたもの。私も『漁協35歩み』(印旛沼漁業協同組合刊)の編纂を頼まれた時に知った。そこには、印旛沼の豊かな自然が描かれている。鳥でいえば、「水鳥 鴨(ヒス、ナガ、ハジロ、タカ、ブ=小鴨) アジ鷺(種類多し) 䴇 鴫 此外雑鳥数多し」とあり、鷺が舞い、渡り鳥で空が黒くなるほど野鳥が群れをなして生息する場所であったことが記されている。

  今日は「たいむ」をポスティングしてくれるAさんのお宅に上がり込んで久しぶりのおしゃべり。美味しいアップルパイをいただいた。

  録画しておいた「朝まで生テレビ」と「サンデー・プロジェクト」を観る。録画はコマーシャルを飛ばせるからいい。株は7000円台を割りそうな暴落、円は90円台を割りそうな高値。下がる株上がる円、どっちも縁遠いわが身だが、すでに暮らしを直撃し始めた。サンプロには自民党総裁選の頃アメリカの激震の始まりを「(日本への影響は)蚊(蜂だっけ?だったら命取りにもなる)に刺された程度」と言っていた与謝野氏が出演していた。

 「ホテルのバーでマッカランなんか飲んでる場合ではない」、と首相を叱る声もある。マッカランもウイスキーのナポレオンとか言われるスコッチだし、ホテル・バーは快適で息抜きにはいい場所だと思うけれど、このご時世にしかも最高権力者が「○○より安い」なんて口をとがらせている場合ではないだろう。早く解散して民意を問うてほしい。

□2008年10月24日(金)

 印旛管内・北総東部管内市議会議員合同研修会が開かれた。四街道市から銚子まで、11市の議員が集まっての講演と懇親会。今年の講師はカウンセラーの富田富士也さんで「議員のためのカウンセリング入門」。ご本人は幼児期から青年期までのカウンセリングが専門らしいが、なかなかの「役者」で、議員の仕事や心理の核心にふれながら「きみまろ」スタイルで笑わせてくれた。ずいぶん笑ったけれど、内容はしみじみと考えさせられる話だった。私もじっくり人の話を聞けるようにならなくちゃ・・・。

 鹿野山系鬼泪山(きなだやま)国有林(写真左)の山砂採取事業の早期着手に向けた県土石採取対策審議会開催を求める請願が県議会で採択(賛成多数)されたことを受け、環境保護の視点から「鬼の泪ML」が開設されることになった。再開を阻止する大きな運動に広げていきたいという決意。私も、以前残土・産廃問題で富津市の現地を見学した時山が削られていく姿を目の当たりにした(写真右)。また、航空機が房総半島上空を通過する時、樹木をはがされ、砂をえぐりとられた跡地があちこちに広がっているのが見える。放置されたままのその姿は無残としか言いようがない。いったん破壊された自然の再生がいかに困難かは、現状をみてもわかる。

 「市場の神様」と言われたグリーンスパン米FRB前議長が議会の公聴会に呼ばれ、在任中の金融政策に一部問題があったことを認めたという。

 それと、ニューヨーク・タイムスがオバマ支持を表明した。先日ワシントン・ポストなど2大紙もオバマ支持を打ち出した。ということで、いよいよ大統領選も最終盤となった。私にとってヒラリー・クリントンでなくて残念だったけれど、アフリカ系オバマ氏が大統領になっても米国の歴史にとっては大きなエポック・メーキングとなるわけだ。そうした変化を生みだす米国はなんだかんだ言ってもすごいと思う。

 ただしオバマ氏はイラクからアフガンに米軍を集中させタリバンを一気に叩くようなことを言っていたが、それは絶対に辞めるべきだ。旧ソ連の二の舞となるだろう。

□2008年10月23日(木)

  午前中「歴史と今を語り合う女性の会」の例会。午後は空港内で航空機事故消火救難総合訓練の見学。今年で27回目だが、私は久しぶりに見学。事故概要はB-777型機が着陸後左側エンジンから煙が発生、その後誘導路付近で左側エンジンが爆発炎上、火災が拡大。模擬搭乗者100名、死亡判定者13名という被害を想定したもの。主催は成田市・国土交通省空港事務所・NAAで65機関が参加する大がかりなもの。

  市の防災メールで時々「空港内(滑走路付近)で航空機トラブル発生―消防隊が出動・警戒―解除」というのが流されてくる。事故への対応は規模の大小にかかわらず基本は迅速に手順よく適切に行うことだから、年1回でも関係機関が集まって訓練するのはいざという時に役に立つだろう。同じ避難訓練でも、国民を保護しない「国民保護計画」に基づく市民動員の実動訓練は願い下げだけど。

  自分の車で空港内に入ったのは10年以上前に管制官の話を聞くのに事務所を訪ねて以来。Bランが出来たりして当時よりもずっと広くなっていて、途中で迷ってしまいそうだった。それにしても、二重三重のフェンスは、米軍基地より警備が厳しい。市内に外国をかかえているみたいだ。

  「残土・産廃問題ネットワークちば」の例会があったが、欠席。君津・木更津・市原を中心に問題山積なので出席したかったが、風邪気味でバテてしまったので葛根湯を飲んで休む。

 BSの録画を見ていたら、フランスのシスター・エマニュエルが亡くなり、お葬式の様子を流していた。フランス国民に最も人気のある一人で、長年エジプトのカイロでごみの山の中でネズミやゴキブリに囲まれて暮らす貧しい人たちを支えてきたという修道女だ。80代でフランスに戻たが歯に衣着せぬ発言はエスプリとユーモアに包まれて心を打つ。その中で心に残った「愛することを知っていた人にとって死は再会よ」という言葉。私はきっと死に直面したらジタバタするだろう。神への愛に導かれて一世紀を生きたその人の言葉にわが身を振り返る。

□2008年10月19日(日)

  昨日・今日と「たいむ」68号の印刷と折りに追われる。

  今朝、朝日朝刊を見たら「特定企業に金渡る『競争入札』」「『偽装随意契約』疑う声」「同等性能の他社製品認めず」という大中小見出しで、成田市が発注した加良部市営住宅建設工事が取り上げられていた。

  この件は別の角度から9月議会で市の報告を受け、9月19日の『まちこの日記』にも記した。それは、いったん落札した業者のその後の「不誠実な行為」を理由に落札無効・9ヵ月の指名停止処分をしたという報告(と、かわりに入札2位だった会社に処分された業者が提示した同額で発注した)説明だった。いったん落札して後で異議を唱える業者に市が毅然と対応したような図式だった。ところが、今朝の新聞では視点が変わり、話が込み入っていて、実は本当のところは成田市が一般競争を装いながら実は「偽装随意契約」をやろうとしたのではないか、と指摘する記事の内容。9月の説明に「スッキリしない」と書いたが、なんだかいろいろありそうだ。真偽のほどはわからないが、市は、市民と議会に対して説明する責任がある。

  8月末の市民オンブズマンの全国大会でも、随意契約というのは「究極の官製談合」であり、「今後のテーマ」だと言われていた。新聞には全国オンブズの入札・談合分科会大川弁護士のコメントも載っていたが、もし今後成田市のこの事例が取り上げられるようになったら不名誉なこと。

  9月議会の総務常任委員会で平成19年度の随意契約の実績を聞き、後で簡単な資料をもらった。工事71件、委託は電算処理やシステム保守など278件、物品は借入がコンピューターシステム等のリースや庁用車など116件・買入は児童・生徒図書など76件の合計541件、金額にして287811099円ということだった。ほかに、見積競争では計823件、1835523769円。いずれもまだ詳細を検討していないけれど、随意契約適切な例かどうか市民の目線でチェックする必要があるだろう。

□2008年10月17日(金)

「たいむ」68号の印刷に入る。今回から発行は私の議会会派である「無所属・市民の会」(一人会派)となる。

環境省レッドリスト絶滅危惧種ⅡAのサンカノゴイを地元の人たちは「ヤアライボー」と呼んできたことを教えてもらった!語源?はまだよくわからない。初めてヨシ原造成の関係で会った時、漁師さんが「サンカノゴイと言われてもわかんねぇ。なんだい?そのなんとかゴイってのは」と怪訝そうな顔をしたのを思い出して可笑しかった。夏に舟で沼に出た時、「あいつらはこういうところに巣を作るんだ」と言って密生するヨシの株を教えてくれた。30年も昔に肉を食べたことがあるというくらいだから(夜行性とはいえ)きっと沼の周辺に暮らす人たちには近しい鳥だったのだろう。カイツブリを「ムグッチョ」と呼ぶように、鳥の姿や習性を見ながら名付けたニックネームは、きっとほかにもたくさんあるのではないかしら?

今朝の新聞に経済学者で東大教授の岩井克人さんが「資本主義は本質的に不安定」という見出しで記事を書いていた。今の金融恐慌―経済危機の本質的なところをわかりやすく書いていて、資本主義を選択している以上「セカンドベストを目指すしかない」と結論づけていた。それはそうなのだが、こういうわかりきった記事を読むのも、何をいまさら・・といったヘンな気分。だって、資本主義は常に今起こっているような問題を内在したものだということは、とっくの昔にマルクスがその矛盾を分析したことではないか。

資本は増殖を本質とする。だから、自由放任すればバランスを崩して恐慌を招く。資本主義経済の歴史は、いかに資本のあくなき増殖をコントロールするかということだ。自らを統制できなくなって崩壊しないために。コントロールがきかなくなった時、資本主義政治経済制度のもとに形成された政府=「国家」が介入し、国家独占資本主義体制も登場する。しかし、国家の介入保護でいったん落ち着いたところで、本質的にはコントロールを嫌う資本は国家の介入から脱却しようと自由(放任)を求める。その繰り返しは、私のように「経済学」など知らなくとも、歴史をふりかえるだけでわかる。だから歴史教育は大事。

 現在の金融崩壊も本質は同じ。インチキレベルにまで増長した米国を頂点とする金融資本主義の崩壊に、各国政府が血眼になっているのは当然のことだ。だって、自らのよって立つ権力の基盤が脅かされているのですもの。振り返ってわが国では、11月総選挙に向けて「高まる緊張」らしい。空疎な減らず口をたたく麻生首相の顔を見ないで済む日が訪れることを願う。

□2008年10月14日(火)

車のトランクの塗装がはげてきたので板金屋さんに持って行く。平成4年製造だから最近古さが目立つ。「飽きない?」と言う人もいるが、車に限らず自分が使っているモノについてはそんなふうに思ったことがない。むしろ、自分が使ってきたから愛着がある。ポンコツになってもまだ廃棄物にはしたくない。

そんなわけで一度塗り直したところもある。自慢ではないが記念?すべきは2000年5月下旬に千葉県北東部を襲った雹害の痕跡を残すこと。その時はフランスに行っていて、帰ってきて知った。車に乗ろうとしたら屋根やボンネットがボコボコへこんでいる。何でもピンポン玉くらいの雹が降ったのだそうだ。直すまでもなく記念に残してある。「これはあの時の雹にやられた跡」などと、話題があって愉快じゃない?

修理工場兼板金屋さんに車を預け、多古町の赤池というところからバスに乗った。栗源―成田空港線といって、一度乗ってみたかった路線。栗源の「美女の湯」や「道の駅」方面から空港第二ビルの間を走る。1日5往復。実はこの路線は成田市、香取市、多古町の補助金で運行されていて、「だから皆さん乗りましょう」とかいったことが書いてある。ずいぶん前、市議会に交通対策特別委員会があった頃に突然補助することになった路線。空港―多古―栗源間なのにどうして成田市が補助するのかといった質問がでたように記憶している。でも、「空港」となると、成田市が知らんふりとはいかないでしょう、ということだったかな?

赤池から前林の集落が点在する道を抜け、東峰、天神峰を経てバスが終点の空港に入るときには検問。バスの中に警備の人が乗り込んできて、ほかの乗客(といっても私を入れて4人)は何か見せていた。初めてなので切符かと思って出したら、身分証明書のことだった。

それにしても、バスに乗ると時間がゆったり流れていくのを感じる。とてもいい気分だった。

20081012日(日)

用事があってロングドライブ。帰りに多古町の実家に寄り、おコメと柿をもらって帰る。実家の柿は今年不作らしい。それにひきかえ甘夏みかんはたわわに実り、色づく季節が待ち遠しい。本当に美味しい甘夏で、完全無農薬なのでマーマレードも安心してつくれる。でも、私が期待を込めて植えたレモンは木ばっかりが育ち、実は2個なったきり。場所が合わないのかも・・・。

留守の間に録画しておいた番組は米金融システム崩壊に端を発した世界経済危機の深刻化と、「ロス疑惑」の三浦和義さんが移送先のロサンゼルスの留置所で自殺したこと、ノーベル賞4人受賞、それと米政府が北朝鮮をテロ支援国家から外したニュースが中心。

三浦さんの自殺は月並みな表現だが意外だった。テレビのコメンテーターの中には「自殺するタイプではない。本当のところはわからないが・・・ロス銃撃事件では自分の足を撃たせたくらいだから、抗議の意味も込めて偽装自殺をしようとしたのではないか?ところが、本当に死んだしまった」という人もいた。亡くなった三浦さんには気の毒だが、最後まで「何を考えているかわからない人」だったようだ。法律事務所に勤務していた頃、私のボスがさるルートを通じて三浦さんの何かの訴訟で代理人を依頼されたことがあった。が、ボスは「依頼人(三浦さん)との信頼関係を築く自信がないから断った」と言った。その言葉で、私はこれからも彼のもとで仕事をしていこうと決めたのを憶えているが、誰にだって「大きなお世話、わかられてたまるか」ということもある。犯罪の真偽や彼の性格はともかく、マスコミのプライバシー侵害は現在に通じるものがある。

□2008年10月11日(土)

 朝起きた時に雨が降っていたので市民運動会は順延かと勝手に思っていたら、「やりました」とのこと。そんなこととは知らずにゆっくり休み、午後雨が止んだので大竹地先のヨシ原造成地周辺を念入りにウオッチング。排水機場に止めてあった産廃運搬車の屋根に運転手さんが登って作業をしていたので、頼んで車の屋根から既存のヨシ原全体の写真を撮ってもらった。思っていたよりかなり広く、厚みのある見事なヨシ原だ。昔は沼と水田の間にはこのような湿地帯が広がっていたのだろう。ここは田んぼにされずに残ったのかもしれない。そういういう意味ではとても貴重な場所といえる。こうした周辺環境も印旛沼を野鳥の宝庫にしてきたのだろう。

水路で釣りをする人やラジコン飛行機を飛ばす人など、人工ヨシ原造成地周辺はけっこう人の出入りが多い。下見に来た時出会ったおじさんが今日も同じ場所で釣り糸を垂れていたので聞いたら、毎日ヘラブナを釣っているらしい。「家にいても何もやることがないからね」と、笑っていた。自分では食べず、人にあげているそうだ。ヨシやススキの穂、丈高く伸びたセイダカアワダチソウの黄色い花が深まりゆく秋の風情を誘っていた。道端に咲く野の花を摘んで帰る。

□2008年10月10日(金)<

 会津素子さんの「エジプト便り」も届いているし、明日から3連休なのでそろそろ「たいむ」68号を・・・と思う。

印旛沼で漁をする方から「今日、沼側から見えたのですが、松崎の排水機上の近くにユンボ2台で工事をしておりました。白鷺が右往左往しており、その白鷺を鷹が追い掛け回していました。」というメール。どうやら2か所目の人工ヨシ原造成が始まったようだ。どんなところかと現地へ。場所は大竹地先で、排水機場工事をやっていた頃に行ったことがあるのですぐわかった。堤防の外側の農道と水路との間をユンボが動き、草刈り機で下草を刈っていた。水路と田んぼの間には既存のヨシ原があるし、沼側にはヨシやガマが生えている。この造成が成功すれば、かなり広いヨシ原が出現するかもしれない。ただし、それまでサンカノゴイは待ってくれるかどうか。

★左手は堤防。写真中央右手が造成中。さらにその右奥には水路をはさんで既存のヨシ原。

 サンカノゴイは北印旛沼の、栄町の酒直水門周辺から本埜村あたりまでのヨシ原にも生息しているという。でも、人間が用意したヨシ原が気に入るかどうかはサンカノゴイに聞いてみないとわからない。全国でも2ヵ所しか確認されていないといわれる営巣地の1ヵ所はすでに新高速鉄道の工事で破壊されてしまった。新たなヨシ原造成工事が逆にサンカノゴイを追い出すことがないようにしてほしいものだ。

ただ、広沼の「名ばかり人工ヨシ原」にしろ、いま造成している大竹のヨシ原にしろ、しょせん人間の浅知恵ではないかしら?鳥だって生活環境が悪化すればほかに生きる場所を移すだろう。バード・ウォッチャーによれば、北印旛沼の希少鳥類は鉄道工事開始以降10分の1くらいに減少しているというではないか。

今日届いた田中ニュースによれば、明日11日は倒産した米リーマン・ブラザーズのCDS(債券破綻保険。クレジット・デフォルト・スワップ)の清算(保険金額の確定)が行われるという。リーマンのCDSにより銀行界の損失が一挙に拡大する恐れがあるそうだ。これにそなえて米銀行は貸し渋りで資金を蓄えてきたが、またまた金融崩壊が加速するだろう、という田中宇さんの予想。経済のことはちっともわからない私も、いまtanakanewsから目が離せない。

□2008年10月9日(木)

 中学生議会。市立10校・私立1校から各2名ずつが登壇して質問し、内容によって市長部局に関するものは市長が、教育委員会(学校教育・生涯学習)に関するものは教育長が答弁する1回だけの質疑。中学生の質問時間は1校の持ち時間が10分程度だったので簡潔にまとめられていたが、市長の答弁で、関連する政策を知ってもらいたい気持ちはわかるが、質問に対する答弁としては長いものが多かった。議会で答弁を長々とやることは戦術的な意味もあるだろうが、ここは子どもたちのことも考えて「簡潔明瞭」を心がけてほしい。

気になったのは、開会前撮影後報道関係を報道席にあげてから、議場に市「広報」のカメラマン2名が残り、議会開会中の初めから終わりまで議場内をウロウロし、前から後ろから、さらには顔を覗き込むように接近してシャッターを切っていたこと。あんなに動き回って写真をとりまくる必要があるとは思えない。

 田中宇さん発信の「田中ニュース」によれば、アメリカ経済の崩壊によって国際金融システムは米一極集中から多極化する(ドイツ財務大臣名)とか。「いくつかの新たな資本の極(センター)が台頭する」という予測。もう一度マルクスの著書をひも解いてみたくなった。

 それは同時に、米ソ冷戦構造崩壊後の「唯一の超大国」米国の崩壊でもあるだろう。多極化する国際社会の中で、これまでアメリカに寄り添ってきた日本(政府)はどうするのかしら?自民党政府の硬直した発想でこの難局をどう解決していくか、信を国民に問うことを恐れて権力の座に居座ろうとする麻生首相に責任ある政策が打ち出せるだろうか。

□2008年10月8日(水)

成田市の2009年度予算編成にあたって「予算要望書および政策提案書」を市長に提出(議会レポート参照)。

今回は、市民参加と情報公開、国際空港都市、まちづくり、環境自治体をめざして(ごみ、化学物質、・電磁波、水)、食と農、子ども、男女共同参画社会の推進の7項目で34件の予算要望ならびに政策提言をした。

今日は「素粒子」で盛り上がっていたところ夜テレビをつけたら・・・まぁ!今度はアメリカ在住の日本人がノーベル化学賞を受賞したニュース!物理学賞を受賞した人たちも、半世紀前、30年以上前に発表した理論が加速器で実証されての受賞だったが、化学賞も半世紀も前にクラゲの研究をしていた時に構造を解明した緑色蛍光たんぱく質(GFP)がいまでは生命科学で欠かすことのできない「道具」として使われていることへの功績らしい。そういえば、私も眼の精密検査で蛍光造影剤を使ったけど、あれもその応用かしら?

文科大臣は大型(粒子)加速器を日本に誘致するようなことを語っていた。ところで、9月10日から動き始めた欧州合同原子核研究機関(CERN-セルン)の加速器は現在事故で実験が中断されているという。ビッグバンの再現とか、ブラックホールの謎とか、5次元の発見とか、よくわからないけれど興味シンシンのテーマを解明しようという実験。

「ほとんど意味のないことなのに、なぜ物理屋の趣味に巨額の投資をするのかわからない」という人もいるが、でも、なぜ私たちはここ(この星)にいるのか・・・という問いを追及することは人類にとって根源的かつ永遠のテーマなのだから、無駄とは思わない。

□2008年10月7日(火)

 米国の株価が昨日1万ドルを割ったと思ったら、今日は日本でも一時1万円を切った。EU各国も軒並み大幅下落らしい。ついこの間まで元気だったユーロも円高が進んでいるという。これからは金融危機がじわじわと実体経済に影響を与えていくだろうが、先行きは「専門家」とよばれる人たちすら予測できないというのだから、私などはただただ、はぁ~。

 ところでブッシュ米大統領はもともとさえない評判だったのを911の同時多発テロが吹き飛ばしてくれ、「テロとの戦い」を宣言して戦争を続けることで国民の愛国心を喚起し、戦時大統領として大目に見られて権力を維持してきた。アフガン・イラク侵略戦争反対の私には口惜しいけれどこのまま任期を全うしちゃうのかと思っていたが、ここにきて「大恐慌以来の金融崩壊」では米国歴代大統領としての評価はガタ落ちだろう。

でも、「インチキ金融」の崩壊を誘発した背後にはブッシュ政権が進めた新自由主義経済政策や、莫大な戦費などによる実体経済の疲弊にあったわけだから、当然ではないか。そしてこのところ麻生首相の表情も怪しい。「今は景気対策が大事。選挙をやっている場合ではない」と言いだした。選挙に打って出られないのは内閣支持率の低さと、選挙情勢の分析結果がヒド過ぎたことが理由らしいが、表向きはもっともらしく景気、景気・・・。もちろんそれは大事だが、今に始まったことではないだろうに。

成田市の2009年度予算編成にあたっての「予算要望書及び政策提案書」を作成。今日は都合がつかず明日11時に市長のアポをとった。ここ2,3日なんとなくモタモタしていたが、おうし座の明日の運勢は「活力がみなぎり、意欲満々」だそうだ。でも・・・先日は「自然の中で運気が開ける」とあったが、気分はさわやかになっても運気が開けたかどうかは思いあたらない。ま、そんなわけで時々夕刊占いで気分転換。

 今日は2つのニュースに驚いた。一つは悲しいニュース。俳優の緒形拳さんが71歳で亡くなった。肝臓がんだったそうだ。素晴らしい俳優だったのに。もう一つは今年のノーベル物理学賞を3人の日本人が受賞したこと。そのうち日本にいるお二人がインタビューに応じていた。なんでも受賞の対象となったのは30年以上も前の両氏による共同研究の論文で、当時からノーベル賞ものだったようだ。5年くらい前それが国内の実験で証明されたらしい。素粒子とかをやっている人の話って俗世を超越しているようですごいユニーク。

□2008年10月5日(日)

四街道市長選挙で無所属の小池正孝さんが3期目をめざす自公推薦の現職を破って初当選。小池さんとは昨日選挙事務所に陣中見舞いに伺ってお目にかかったばかり。ご本人は権力におもねることのない自由人だが、市長に就任したら「大統領的」といわれる自治体首長の権限と責任で肩の荷がドカンと重くなりそう。でも、2度の住民投票を実現した住民パワーを支えに、市民主権のまちづくりを進めてほしい。

四街道市は合併住民投票、文化施設建設をめぐる住民投票で、いずれも現職市長の政策に「ノー」を突きつけた。小池さんはいつもその中心にいた人だ。2つの住民投票はどちらも直接請求から始めてやりきったところがすごかった。小池市長誕生は、そうした積み重ねの中で培われた市民力の勝利。

国際文化会館で開催された「フォーラム・イン・ナリタ」で、樋口恵子さんの講演を聴いた。『これからの女と男のいい関係』というタイトルで男女共同参画社会への熱い思いを語ってくれた。この国を様々な角度から知り尽くした人の、揺るぎのない男女平等論にはいつも敬意を抱いている。同時に国際市民フェスティバルが開かれていて、私が着いた時は中庭でフラダンスの真っ最中。並んだ屋台も国際色豊か。何年か前にペルーの手作り人形を買ったことがあるが、今日は中国の餃子をお土産に買った。

□2008年10月3日(金

 今日は午前中の国会中継で田中康夫さんの参院代表質問、夜はABC放送でアメリカ大統領選副大統領候補のテレビ討論を見た。田中さんは私の知る限りちょっとユニークな個性だが、考え方は真っ当で共感するところが多い。活躍を期待する政治家だ。<

 米副大統領候補の討論は、野次馬根性で共和党副大統領候補ペイリンさんの発言を聞く。保守派からも能力を疑われ、「愛国心があるなら理由をつけて(候補を)辞退することが国のため」などと著名な保守派言論人に言われているらしい。3日間特訓を受けたとかで、今日のところは大きな失点はなかったようだ。この間の発言が能力からくるのか経験不足からくるのか、少し時間が必要だと思うけれど、副大統領は大統領に事あらばただちにその職を引き継ぐ立場の人。米国の命運を預けるに足る人物かどうか、米国民も目が離せないだろう。

 朝日夕刊に連載された〝「悲しき熱帯」を歩く〞が終わった。せっかくナンビクワラ族の集落に行ったのに、5回連載で終わるのはもったいない・・・と思ったが、やはり、50年あまり前にレビストロ-スが悲観的に予言したように、ナンビクワラ族もいつのころからか同じ「砂糖大根」を味わうようになったようだ。となると、固有の文化は希薄になり、残るのは通過儀礼や部族の記憶、文明の波に洗われた風俗習慣となる。新聞記者がポッと行って記事を書いても長続きしないのかもしれない。

 かつて朝日記者本多勝一さんが紙面を飾ったような〝未開〞社会はもはや地上には存在しないのだろう。当時だって、文明の波がヒタヒタと押し寄せているのを感じたが、いまやテレビでやる〝秘境〞番組をみればわかる。・・・もともと好きだからNHKやBBCなどで結構見るけど。

久しぶりに坂田が池から風土記の丘を歩く。葉を落とし始めた木立の間に漂いはじめた自然の充足感。しばし心身を解放した。

□2008年10月2日(木)

 今日は4度目の印旛沼ヨシ原造成地の見学。残土・産廃問題ネットワーク藤原代表ほかのメンバーと一緒。風が強かったので舟だと水しぶきが上がるということで、いつものコースを短縮し漁協の河岸から出発した。ここからだと現場はすぐそば。コンクリートガラで縁取りされた県の河川環境整備という名の「植生帯」周辺に重点を置いた見学だった。

(8月8日撮影)ヨシ原と一体化した県の植生帯事業。千葉県が循環型社会の推進のためと持ち込んだ産廃。 割栗石は表面のみでその下は産廃。漁師さんが手に持っているのは金属性ボルト。

 漁協の河岸は護岸整備?に鉱滓が使われている。今日はさらに新たな整備が行われ、ヒメガマの群落のほうに埋め立てられた鉱滓からアクが流れだしていた。堤防の外側にはこれから使うと思われる鉱滓が積み上げてある。漁協の事業らしいが案内してくれた漁師さんが沼への汚染を気にかけていた。藤原さんが検査のため、積み上げた鉱滓の間の水たまりから水を採取して持ち帰る。

 「沼に残土を埋めたあと、周囲で魚やエビが死に、それを食べた鳥も死んだ。現場を知ってほしい」という一通のメールから始まった一連のヨシ原見学もこれで終わる。県議グループ、千葉県野鳥の会、残土・産廃ネットの見学を経て、環境アセスメントによる事業評価の点では問題や疑問を残す事業だと思った。  

 もう一か所予定されている北沼での代償ヨシ原造成については、同じ失敗を繰り返さないことを願う。サンカノゴイなど希少鳥類にとっては待ったなしの事業なのだ。しかも、沼を汚しては元も子もない。

 いったい何の因果なのよ・・・と思いたくなるような事件が続く。一つは大坂難波の個室ビデオ店(そういうお店があるのを初めて知った)の火災。15人死亡10人重軽傷という放火殺人容疑の男の動機は「生きるのが嫌になった」。もう一つは仕事熱心な消防士が、仕事がないからと放火して歩いて捕まったという事件。そういえば以前にも放火しておいて真っ先にかけつけた消防士がいた。

 米金融法案を上院が可決。一度否決してNY株価を<SPAN lang="EN-US">777</SPAN>ドル暴落させた下院がどうなるかはまだ分からないが、これまで自由放任・自助努力で市場には手を出さなかった米連邦政府がついに巨費を投じて金融機関の救済に乗り出すことになった。世の中変わった。

□2008年10月1日

 嬉しいことがあった。市民の方から「公共施設での香料(香水や整髪料など)自粛の啓発ポスターができたらぜひ1枚分けてほしい」という手紙。9月議会での私の一般質問を聞いてこのテーマに「大変な関心と興味」を持ってくれたという。ポスターの製作はいま、健康増進課が準備してくれている。掲示する施設を考えて複数の種類も検討しているようだ。アレルギーや化学物質過敏症の患者さんが増えているので、一人でも多くの人の目にとまるようにしてほしい。<

 母親学級で配るアレルギーへの啓発チラシにも香料についての項目が追加され、今日担当課で見本を見せてもらった。これから生まれてくる赤ちゃんに「予防原則」の配慮ができたらと願う。

 今日から築地市場ではカキの入荷が始まるというので、早速夕方、近所のスーパーに行って探した。でも、加熱調理用は並べられていたが生食用はない。お店の鮮魚売り場の人に聞いたら8日頃になるらしい。カキはやっぱり生食が好きなので待ち遠しい。

 食といえば汚染米や有害物質メラミンが混入した食品汚染が広がっている。真相の解明と責任の所在をはっきりさせなければならないが、背後には日本の食と農の問題がからみあって複雑。一件落着というわけにはいかないだろう。 

 自分で出来ることといえば、原材料から料理するのを心がけるのが一番。そして食べ残さない程度の量を作って早いうちに食べる。・・・私などは1960年代の生活に戻ればできると思うのだが、飽食の時代に生まれ育った人たちは難しいかな?でも、今の食生活を続けていたら遠からず日本人の平均寿命は40歳代になると断言する専門家もいる。  

 世界には安全な水はおろか、飢餓にあえぐ人たちが何億もいる。それは主として政治の貧困が原因なので真剣かつ緊急な取り組みが必要。ほかに、食事が口に入るまでに多大な労力を要する人たちはもっとたくさんいる。ちょっと視点を変えれば、私たちのシンプル、スロー・ライフはそんなに難しくないと思うけどな。

□2008年9月30日(火)

 千葉県を相手にした市東孝雄さんの行政訴訟。終わってから裁判所近くでお昼を食べ、そのまま事務局会議。会報の発行や勉強会、11月の講演とパネルディスカッションなどについて話し合う。市東さんの農地問題は、前提となる土地の特定が間違っていること、公用収容でとれない土地を農地法でとろうという、憲法29条(財産権)、同31 >条(適正手続きの保障)に違反している。先人が血と汗と涙で勝ち取った権利を守るために、これからも裁判を応援していきたい。

 夜、NHKクローズアップ現代で海上自衛隊がとりあげられていた。「いま現場で何が?海上自衛隊」。なぜ海自の不祥事が続くのか・・・新防衛計画で任務が戦場へも拡大、装備の近代化の中で隊員や組織がついていけないでいる現実が浮き彫りにされていた。そこで触れられていなかったのが、自殺。

 『週刊金曜日』(9月19日号)ジャーナリスト三宅勝久さんの記事では「イラク特措法とテロ特措法で中東に派遣された自衛官のうち、在職中に死亡した隊員が6月1日現在で42人にのぼり、うち自殺が20人を占め、死因のトップ」だそうだ。中でも海自が最も多く27人、うち自殺は12人という。三宅さんは「インド洋周辺での給油活動が海上自衛官に強いストレスになっていることを雄弁に物語っている」という。

 米国でも、戦闘による死傷とは別に心身を病むイラク帰還兵が続出。ベトナム戦争を扱った『プラトン』もそうだったが、戦争は人間を壊す残酷のきわみ。

 昨日から朝日新聞夕刊で~「悲しき熱帯」を歩く~という企画が始まる。『悲しき熱帯』は、1955年にフランスの文化人類学者で構造主義を提唱したクロード・レヴィストロースが発表した著書。ブラジルのインディオ集落を調査する中で、フィールドワークに基づく社会の分析方法、そこから展開された文明論は文化人類学の枠を超えて学際的に、さまざまな分野に影響を与え続けてきた。びっくりしたのは、彼が今年100歳で存命中だということ。もしかして、この企画は100歳記念かしら?とにかく嬉しい。新聞を開く楽しみが一つ増えた。

 『悲しき熱帯』は当時文化人類学を専攻しようとする学生の必読書。私も19歳の時に読んだ。いまもパッと思い浮かぶのは予言とも警句ともいえる言葉「砂糖大根」。ほかはぜんぶ忘れてしまったけれど・・・。文化を砂糖大根に例え、そのうち世界中が同じ砂糖大根を栽培して食べるようになるだろうと嘆いていた。グローバリズムが世界を席巻する中で、予言的中といったところかしら。この時代を彼はどう見ているのだろう。


□2008年9月29日(月)

 男女共同参画計画推進懇話会。07年度の実績について報告があった。市の施策全般を男女共同参画(世界では〝男女平等〞というが、日本は平等の言葉を使いたくないためにこんな舌をかみそうな表現)の視点で洗い直していくことがこの計画の主眼。・・・でも、なかなか視点が定まらない。

 そのために市の事業が漫然と並べられ、男女共同参画に特化した事業への取り組みが弱い。予算もスズメの涙。この間歴代市長に拠点施設として「仮称・男女共同参画センター」(女性計画の頃は「女性センター」)の設置を要望してきたのだが、現小泉市長に至るまで、市の総合計画で必要性を認めながら着手に至っていない。そういうことも影響していると思う。

 男女共同参画社会・・・成熟した住みよいまちづくりのために、そして21世紀の日本と世界にとって欠くことのできないメイン・テーマでもある。成田市の担当課にも頑張ってもらわなくちゃ。

 ところで、成田市の審議会は原則公開。今日も傍聴ゼロだったが、たぶんほかの審議会も同じではないか。日程はホームページで知らせているというが、やはり基本は『広報なりた』。そこで、『広報なりた』に審議会の日程(と、できれば審議内容)を知らせるスペースを確保するよう、帰り際に要望しておいた。

 森が雨に煙り、秋の深まりを感じさせる一日だった。野菜ケースに入っていた『産直ニュース』によると、白菜、キャベツ、ブロッコリー、レタス、ニンニクなどの作付け、葉物や大根などの種まきでこの時期一番の忙しさだという。同時に、草取りや虫取りも始まるらしい。作物が小さいこの時期が大切なので気が抜けないそうだ。

 ケースの野菜は夏から秋への端境期。葉物であふれていた頃とはうって変わって、ジャガイモ、タマネギ、シシトウ、ミニトマト、新ショウガ。新ショウガは嬉しい。豚肉と相性がいいし、味噌漬けや甘酢漬けも。『ニュース』には「ショウガごはんというのがあったけど、それはちょっと・・・ね。



□2008年9月27日(土)

 市ヶ谷のJICA国際協力総合研修所の国際会議場でダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議10周年記念シンポジウム「子どもの環境と健康」が開催された。

 午前中は千葉大大学院教授森千里さんの「へその緒が語る体内汚染」、国立医薬品食品衛生研究所の鹿庭正昭さんの「身近な化学製品、家庭用品による子どもへの影響」、昼休みの後、『奪われし未来』共著者ジョン・ピーターソン・マイヤーズさんによる「科学は環境・健康問題を解決できるか~病気のない社会への新たな可能性」、コーヒーブレークを入れて米国環境NGO〝Environmental Working roup〞副代表スーザン・コンフォートさんの「暮らしの中の汚染は10年でこんなにも減った~米国環境NGO〝EWG〞の取り組み」。専門家や市民などが会場を埋めた。

 午前10時から午後5時過ぎまで4つの講演と質疑があり、充実した国際シンポジウムだった。何よりも、議員活動の中でこうしたテーマもとりあげてきた私にとっては最新の情報を手に入れることができた。

 市ヶ谷本村町の会場へ行く坂道を登りながらふと約40年前にタイムスリップしたような気分になった。将来の進路に迷いながらフラフラしていた頃、日本育英会(いまは独立行政法人日本学生支援機構。その隣が会場のJICAの研修所)で1か月間アルバイトしたことがあった。育英会の手前には防衛省や自衛隊の本部がある。バイト中作家の三島由紀夫が自衛隊のどこかの本部に突入占拠して割腹自殺するという事件に遭遇した。外が騒がしくなったので屋上に上がって野次馬になった記憶がある。




□2008年9月26日(金)

 しかしまぁ、そういう考えの人だとはわかっていたけれど、昨日の中山国土交通大臣の発言には思わず、マジ?その後お決まりの撤回、今日は型通りの陳謝。官房長官は「誤解を与えないように」と指示したというが、どう解釈しようが誤解も6階もあったもんじゃない、本人はそう確信しているんだし。

 でも、問題は根深い。同じような発想や歴史観を持っているのが新内閣にも結構いそうだ。麻生首相だって・・・。

 成田空港住民の反対はごね得、日本人は内向きな単一民族、日教組の強いところは学力が低い(それを証明するのに全国一斉学力テストをやった)、という発言。成田空港と単一民族は「事務方」に言われるまで成田の事情や先住民アイヌ民族の存在などアタマの中になかったのだ。

 だめ押しで、日教組と学力の関係がわかったから全国一斉テストはもう目的を達したという発言に至っては、国民の面前でそんなこと言っちゃっていいの?まがりなりにも日本政府の大臣でしょう?恥ずかし過ぎる。即刻クビにすべきだ。

 米国大統領が「異常」と言わざるをえない未曾有の金融危機。今日はホワイトハウスにオバマ・マケイン両候補を招いての協力要請など、危機の深刻さは尋常ではない。米政府は7千億ドルを投入して不良金融資産を買い取ろうとしているが、これは米国民一人当たり約2300ドルになるとか。

 今日のabc放送は財政出動に反対するデモの様子を流していた。節度を超えて暴走してきたウォール街の破たんに血税を使うな!・・・という庶民の声がどこまで届くか。

□2008年9月25日(木)

 9月定例会が終わる。

 今日の全員協議会で合併協議について市の考え方が示された。8月5日付で1市4町から申し入れがあった成田市との合併協議。市長によれば、現在新市まちづくりに努力しているところであり、また空港圏都市づくりの9市プランを策定中。新たな合併協議に進むよりは当面の諸課題に取り組む、という。現状では予想通りの答え。

 新聞等で取り上げられてから市民が置き去りにされて合併協議が進むことに不安を感じる声も聞こえてきていた。

 議会最終日ということで執行部と議会合同の〝打ち上げ〞?懇親会(こんなこと、どこの議会でもやっているのかしら?)が予定されていたが、私は残土・産廃問題ネットワークの定例会へ。活動報告や県残土条例の改正に向けての学習会、安定型産廃処分場廃止に向けての運動づくり、1129日田島征三さんの講演、「仮称・環境白書」の刊行、会報の発行などを話し合う。

 原子力空母ジョージが米軍横須賀基地に配備された。セレモニーでシーファー駐日大使は「日米同盟の歴史的瞬間」、自衛隊幹部は「日米同盟の強化」とあいさつしていた。日米軍事同盟の強化が行き着く先は米軍と一緒に戦争をやること?

 ついこの間も、「巨額だが無能なミサイル防衛システム」(田中宇さん)を売りつけられた日本は、ニューメキシコで1発8億円といわれるPAC-3の迎撃実験をさせてもらったばかりだ。

 ただ、対米従属一辺倒という見方では日本の産軍(政)複合体の真の野望を見落としてしまうだろう。彼らは、米国との同盟強化を通して独自の軍事大国化を着々とすすめているのではないか。

 ところで、ジョージを配備するということは「東京湾に原発が出現するのと変わらない」そうだ。軍事機密と秘密主義に貫かれた一大原子力要塞。住民にとって不安は増すばかりだ。



2008924日(水)

 秋の風情が漂い始めた。夏の延長でテレ~っとしていた気分も何やらシャキッとしてきた。

 夕暮れ時、南に木星、まだ日の名残りがある西の空に金星。今夜晴れていたら日付が変わる頃にはオリオンが昇ってくるだろう。

 麻生内閣が発足した。大臣のうち11人が2、3世議員らしい。どんな家業も直系の男子が2代目、3代目と続くうちに傾いていく。だから賢い経営者は娘の誕生を喜び、有能な婿を迎えて事業を広げていくという。

 そうした個人の家系に口出しをする気はないが、国政を担う政治家となると話は全く別。何しろ「国家」経営にかかわることだから。政治家家業として直系の子どもを後継者にすることで、政治家のの劣化が進むのを黙って見過ごせるだろうか?

 とはいえ、政治家が引退したり死んだりすると子どもが出てくる例が多い。

 政治家もわが子を秘書にしたり地方議員にしたりして後継の育成?をしている。そんなレベルで国政を担えるわけだ。先日の成田市敬老会でも国会議員と県会議員が親子で檀上に座っていた。そして、これが一番の問題なのだが、それを容認する地元住民がいる。

 ところで、子どもに継がせたいほど日本国の政治家のオシゴトってラクで美味しいのかしら・・・?知りあいの専業農家は、日本農業の現状を考えると、とても子どもに継いでくれと言えないって悩んでいた。

□2008年9月23日(火)

 秋分の日。暑さ寒さも彼岸まで・・・。先人の残してくれた言葉は経験則に裏付けられた知恵に満ちている。

 盆も彼岸も、母が亡くなるまでは実家の仏壇にお線香をあげるだけで済ませていたのに、今は十数本の椎の大木に守られた猪森台(古い古い名前)の墓参を欠かさない。もし「私はそこにいません」と言われたとしても、遺骨はそこに安置されているんですもの。一番確かじゃない?今日は弟や妹夫婦と出かける。

 墓地のそばの畑で野菜を収穫して帰り道、第六天の社に寄る。第六天は「魔王」とも呼ばれ、仏道を妨げる他化自在天のこと。でもそれがどうしてここに祭られているかはわからないが、私の集落では「第六天様」と呼んでいた。父の話では、いつの頃か隣の「島」という集落から移したらしい。島は日蓮宗の異端として弾圧された不受不施派の集落。第六天は曼陀羅にも登場する一尊だが、どういうわけか入口に鳥居。それに、祭ってある質素な建物も、神社のつくり。

 墓地から第六天に続く野山は幼い頃の遊び場だった。そばに町営水道の取水井戸がありその周りには野菊、オトコエシ、葛、花ススキなど野の花が咲き乱れていた。

 一筋は花野に近し畠道  烏栗

 初めて、畑で収穫したシソの実の塩漬けを作る。いつも妹の義母お手製のものをいただいていたのだが、今日は畑で見事に茂ったシソが実つけていたので早速手作りを思いつく。わーい、また自慢話ができる。



□2008年9月21日(日)

 文科省は都道府県や指定市の教育委員会あて、学校での携帯電話禁止を含むルールの明確化を求める通知を出したという。裏サイトでのいじめや出会い系サイトなどに対応するため。

 でも、大人の都合でこれだけ多くの子どもたちに携帯を与えておいて、どこまで規制・ルール化できるかしら?なんでもしゃぶり尽す営利社会、子どもが安心してお手本にできないような社会環境(大人社会)の中で、子どもだけ聖域におくことは無理。

 なぜルール化するのか、それが子どもたちのどういう利益につながるか、きちんと納得させるためのカリキュラムが必要だと思う。子どもには知る権利がある。

それにしても、こういうかたちで子どもへの携帯規制が始まるとは思っていなかった。実は、私はもうずいぶん前から成長期の子ども(おおむね16歳以下)が携帯を持たないよう大人は配慮すべきだと訴えてきた。理由は、電磁波問題。子どもと携帯(電磁波)について保護者や学校に啓発するよう、一般質問でも取り上げたことがある。行政レベルでは電磁波問題への認識がなかったこともあり、不発だったけど・・・。

 NHK迷宮美術館で「アウトサイダー・アート」の代表的作家として知られるヘンリー・ダーガーを取り上げていた。郷愁を感じさせるメルヘンチックで色彩豊かな絵はどこかで見た記憶がある。しかしそれはどうやら彼の絵のほんの一部で、背後には彼が19歳の時から書き始めたという戦争物語『非現実の王国』と、その中に描かれた彼の秘蔵っ子たち、ヴィヴィアン・ガールズや子ども奴隷の美しくも残酷な物語が広がっていることを初めて知った。<BR>

 そしてダーガーその人は、孤児院から知的障害児の施設に移された後脱走し、病院の清掃人をしながら、自分の孤独な心を満たすために物語を書き続け、絵を描き続けた。それは人知れず81歳で亡くなる半年前まで続いたらしい。アパートの大家が彼の遺品を片付けようと部屋に入って発見するまで、ダーガー・ワールドともいえる作品は人目にふれることがなかった。TVを見ながら、それ自体ため息がでるような物語性を感じた。

□2008年9月19日(金)

 9月議会も今日の総務常任委員会を最後に委員会審査が終了。残るは25日本会議のみとなった。

 今日委員会で説明があった加良部市営住宅建設をめぐる受注業者Aの「不誠実な行為」を理由に9か月の指名停止処分と、その後の流れはなんとなくスッキリしない。

 確かに、受注した業者が発注者である市の意向を変えさせようと執拗に迫って、①契約書にある7日以内に契約を締結しなかったこと、②入札後設計図書等を理由に異議申し立てはできない(にもかかわらず)③発注方法が納得出来ない、プレハブメーカーに値下げを働きかけてほしい旨繰り返し成田市に申し入れてきたことをもって落札無効としたことは、スジとしては理解できる。

 その後、業者Aと同額で落札時に2番目に低価格で札を入れた業者Bに発注したという。そもそもプレハブ会社は仕様をもとに市の条件に合った9社を選んであったわけで、それをもとに業者Aが執拗に求めてきたことが業者Bにとってはクリアできるということってどういうことかしら?そのあたりがよくわからない。

 ところで、最近議会の議決を必要とする公共事業(契約の場合予定価格が1億5千万円以上)の入札調書にはある特徴がみられる。10社前後が入札に参加申し込み、1回目の札を入れる時に数社が辞退、残った業者のうち複数社が同額を入れ、その複数社でくじ引きをやり落札業者が決まる、というやり方。

 成田市でも、指名競争入札から一般競争入札へと入札改革が進む中で目立つようになったのが辞退とくじ引き。これはいったいどういうことだろうと気になっていたが、オンブズ全国大会で「手の込んだ新手の談合」ということを知って腑に落ちた。なんと奈良県では日本初、「くじ引き談合損害賠償請求命令請求事件」が審理中とのこと。その談合事件は要するに、これまで1社を決めていたが、3社に同額を提示させ、くじ引きで1社に決めるという仕組み

 今日の委員会では「辞退」について、「どんな理由か把握しているか」と質問したら、「別に業者が辞退の理由を言う必要はないので、市は把握していない」とのこと。しかし・・・たとえば市営住宅建設も、11社中5社が辞退、今議会に提案されたニュータウン中央線築造工事でも14社中3社が辞退、同額3社によるくじ引きだった。まぁ、辞退するもしないも勝手かもしれないが、まるで常態化してきたところをみると、名ばかり参加じゃないかしら?だって、なにはともあれ議会の議決を必要とする高額の事業の入札に参加しようとしたのだから、単に気が変わったというレベルの話ではないだろう。それに、場合によっては辞退がゾロゾロ出てきて入札が不調になることも考えられる。理由書の提出を求められないのだろうか。

□2008年9月18日(木)

 木曜日は週刊新潮と週刊文春が広告を載せる日なので、新聞を開くのが楽しみ。見出しだけですっかり読んだ気分になれるから。

 時節柄自民党総裁選関連の記事が多いのだが、その中で小池百合子さんの記事はセクハラ絡み。文春は「スペシャルコスメ&マッサージ 小池百合子厚化粧の秘密」、新潮は「たぬきメイク小池に町村派のイジメは続く」。

 あてつけるようなこういう記事を書く、あるいは書かせる嫌らしさ。小池さんは気にしていないかもしれないけれど、同性からみると小池イジメや嫌がらせを容認し助長しているのはアンタらじゃないか、と言いたい。

 ところで、男性候補に「○○は白髪を染めて・・・」とか「部分かつらで・・・」なんて書く?

 化粧といえば、最近アイメイクばっちりの女性が目に付くので、実は私も先日アイペンシルとブラシを買ってきてやってみた。でも・・・老眼なのでうまくラインが引けない。おまけに、目の形からして、アイラインが引き立たない!

 でも・・とりあえず気分一新したつもりでいたら「目に下にクマみたいなのができてるけど、どうしたの?」と言われてしまった!!!ラインがゆがんでボカシみたいになっていたのはわかっていたのだが・・・。まぁ、その人は私を脂肪の塊くらいにしか見えないド近眼だから許したけれど。

 ブッシュ米大統領は、アフガンからパキスタンに逃げ込んだタリバンを越境攻撃する掃討作戦を指示したという。これに対し、パキスタン軍は、米軍が越境攻撃を仕掛けてきたら反撃するという声明を出したというニュース。<BR>

 もう、最悪。武力でテロを封じることはできないのに。イラクのみならずアフガン中を荒廃させ、さらにパキスタンまで戦場にしようなんて・・・。そこで暮らす人々のことを思う。

 タリバンには周辺部族も加わって勢力を増しているという。もはや首都を除いて全土をほぼ制圧しているという話も伝わってくる。米軍がアフガンに軍事力をシフトし、パキスタンへの越境侵略を始めた時、作戦の末路が見えてくるだろう。ベトナムの教訓がマッタクわかっていない。

□2008年9月17日(水)

 10時より新清掃工場整備特別委員会。新清掃工場はPFIの公設民営方式で実施する。プラント建設とその後の運営管理は一体的に考え、これは20年の長期責任委託事業</B>になるらしい。20年先のことなど誰も予測できないのだが、清掃工場の寿命にあわせての契約になる。

 要望としては、欧米などで使われるpen book accountingの考え方、つまり委託者である市が受託者の会計情報をはじめとする詳細情報へのアクセス権をもつことを契約に明記すること。

 リスク分担してもごみ処理自体は公共サービスなので最終的には市の責任であることの自覚。

 ガス化溶融炉によるごみ処理技術はまだ実験段階(岡山大大学院教授田中勝さんは「外国で失敗した技術」という)。修理についても保証期間が過ぎて費用がかさみ、自治体財政を圧迫しているという時事通信の調査結果がある。長期契約の中で運営管理上どのようなことが発生するかわからない。そうしたことを担保する契約。

 スラグについては、日本は重金属の規制がゆるく、溶出試験のやり方も欧米に比べ甘い。JIS規格に合うからといって路盤材に使用するなどして再利用することは厳しく注意してほしい。もし、急に規制が厳しくなったら困るのは自治体。よい?例がダイオキシン。急に厳しくなって全国の多くの清掃工場が対応を迫られた(成田市も約20億円の補修)。そこで登場したのが当時1兆円市場といわれたガス化溶融炉。これで、不況のどん底にいた鉄鋼業界は息を吹き返し、国民の命を優先したわけではない政府の深慮遠謀がわかったのだが。スラグの扱いは慎重に・・・といったことを要望しておいた。

 猛毒類の規制は厳しいにこしたことはない。1800℃の高温炉内ではどんな未知の毒物が生成されているかわからない。想像力を持つべきだ。

  あら、米国のAIG保険グループが経営危機に陥り、合衆国政府は約9兆円の救済策を講じたというニュース。AIGといえば、AIUやTVのコマーシャルで知られるアメリカン・ホーム、アリコ・ジャパンを傘下に置く。

 世界を覆う経済危機は(金融)資本主義の習性か、次なるシステムの産みの苦しみか・・・。ただ、資本主義の危機はこれまで幾度もあって、国家が介入して持ちこたえてきたのだが、金融資本主義は国家予算を一瞬で揺るがす巨額なお金が動くようになった。「国家」がどれだけこの危機をコントロールできるか。出来ない場合どうなるか・・・。



□2008年9月16日(火)

 10時から建設水道常任委員会、2時から新駅・基幹交通整備網特別委員会を傍聴。八ツ場ダムの法廷(県職員3名の証人尋問)が午後1時から5時まで開かれたが、迷った末に委員会傍聴を優先。私の一般質問に関連して、サンカノゴイのヨシ原造成について委員から適切な質問があった。

 今回、角川河岸周辺の2事業を沼側からみる機会があって、まず、県の河川事業としての「植生帯」造成は、無駄な公共事業ではないかと思って。つまり水質浄化などと理由をつけても、費用対効果の点でとても目的にかなっているとは思えない。しかも循環型社会の構築・推進といって鉄筋や鉄のボルトなどが混じった産廃を沼で使用するなど、もってのほか。かえって、環境を汚染するじゃない。

 ヨシ原については、さかんに「専門家に相談してやっている、専門家、専門家」と言っていたが、漁師さんのほうがはるかに沼の生態系を熟知していることを実感した。

 世界恐慌の始まりか?と世界経済を恐怖に陥れているリーマン・ブラザーズの経営破たんは、私にとって脳みその整理になった。何しろチョー・アナログ人間の私には金融商品とか金融派生商品といったものはマッタク理解できなかったからだ。理解できないのは私の脳みその構造上の問題だとは思うが、そもそも、理解するのがいやになるようなおかしな商品だったのだ。最近話題のサブプライムローンなど、誰も実態を解明することができないほどゴチャゴチャ絡み合っているではないか。私の脳みそが理解できないのは当然だ。・・・と、すっきりナットク。

 汚染米事件はまだまだ広がりをみせるだろう。日本の政治や経済のモラル・ハザード。命を粗末に扱う歪みが国民の食糧であるおコメに現われたのは本当に皮肉なことだ。


□2008年9月15日(月)

 昨夜は中秋の名月(十五夜)だったが、満月は今日とか。だとしても、曇って見えないけど。子どもの頃十五夜には夜遊びが許されて、子どもたちは徒党を組んで家々の縁側の供え物を盗んで歩いたものだ。それもまた特別に許されていた。それにしても、あの頃の満月は影踏み遊びができるほど明るかった。

 某TV局の先週のテレビ放送ランキングでは「踊る!自民党総裁選」は2位で、ダントツ2倍以上の放送時間だったのが「角界大麻問題」だったらしい。 

 自民党総裁選はもう消化試合のようだ。「し~らけど~り(シラケ鳥)、と~んでゆ~け、南のそ~ら~へ、みじめ~、みじめ~・・・」昔バラエティ番組で伊藤四朗(の電線マンだったっけ)がそんな歌を歌って笑わせていたが、どうなることやら。

 田中真紀子さんのサポートで小泉さんが首相になった時の総裁選は、森内閣支持率9%というドン詰まりの自民党をかえなきゃという悲壮感らしきものがあったけれど、今回は柳の下に2匹目のドジョウを狙っているのがミエミエ。繰り返せば2度目は喜劇というじゃない?

 相撲界の大麻問題は、ほとんど見ていないから何がどうだかわからない。もちろん、吸ってはいけないものだけど、専門家に言わせると大麻はタバコよりも健康への影響は少なく、アメリカではタバコこそ禁止すべきだという声もあるという。しかし、体に毒だとはいえ、政界にも影響力がある巨大タバコ産業を相手に禁止は無理なようだ。



□2008年9月14日(日)

 敬老会2日目。成田市は敬老の日にちなんで75歳以上の全ての高齢者に敬老祝い金を贈呈している。平成年度決算で67,515,000円。また、70歳以上の高齢者を2日にわたる国際文化会館での敬老会(式典と芸能大会)に招待。これはやはり19年度決算で17,812,000円。ペットボトル入りお茶、おべんとう(のり巻き寿司といなり寿司)、箱詰めミニ羊羹のおみやげを渡す。敬老会に出席しなくても、あるいはできなくても敬老会の招待はがきと引き換えに文化会館にはおみやげだけ引き取りに来る人もかなりいる。どちらが多いのかしら?・・・というわけで、2日間にわたる敬老会もとどこおりなく終わる。来年からは地区ごとに開催されるとかいうことを耳にしたが、どうなるのだろう。

 今日は十五夜。昼間は蒸し暑くても日陰や夕暮れになると涼しい。日が沈んだ頃にちょうど南の空に木星が輝きを増し、東から満月が昇ってきた。虫の声も響き渡り、秋の風情に気持ちが馴染んでいくようだ。もう、夏も終り。

 いま朝日新聞毎週土曜日文化欄では―源氏物語の人々―という企画で、いろいろな人が『源氏物語』の中の好きな登場人物を700字足らず短い文章で語っている。例えば「私の好きな夕霧」とか。

 先週は染織家志村ふくみさんの「私の好きな紫の上」。源氏物語絵巻「御法」(みのり)の巻に病いに伏す紫の上が描かれていて、その顔色を「滅紫(けしむらさき」に例えた師のことばを引用していた。「滅びゆく紫」・・・か。この季節にふさわしい心打つエッセイだった。思えば、「源氏物語」にはそこかしこに仏教の無常観のようなものが漂っているように思う。秋に顕著だ。その最たるものは、秋深まる頃に紫の上を死なせたこと

 紫の上といえば、私は必ず真野あずささんという女優さんを思い出す。彼女を初めてテレビでみた時に私のイメージの中にあった紫の上が生身の人の姿をもって現われたように思われた。いまだに、ほかの女優さんは思い浮かばない。



□2008年9月13(土)

 国際文化会館で開かれる成田市敬老会の第1日目。成田市の今年の70歳以上は14,591名。うち、喜寿を迎えた人は

892名で米寿が358名。100歳以上は今年迎えた12名を合わせ23名とか。

 午後は「有害化学物質から子どもの健康を守る千葉県ネットワーク」主催の講演会。群馬県衛生環境研究所長で内閣府食品安全委員会専門委員でもある小澤邦寿さんで、タイトルは『小澤邦寿所長が語る有機リン農薬の危険性』。聞き逃せない講師とテーマだった。

 群馬県では2年前から有機リン農薬の空中散布が行われていない。前小寺知事の英断だが、現知事もこれを踏襲するという。群馬県には、開業医で豊富な臨床例を根拠に農薬空中散布の中止を訴えてきた青山美子医師もいる。業界団体の反発もあったが、やはりトップの決断は大きかった。

 知事の指示を受けて小澤さんが行ったマウスによる実験では、ピレスロイド系、ネオニコチノイド系、有機リン系の神経毒性実験の結果、どの農薬でも実験細胞にはある程度の毒性(神経の成長を抑制する)があることがわかったという。

 こうした結果を裏付けるように、小澤さんの調査では、有機リン系の医学論文(英文)約5000編あるうち、最新の100編のうち急性毒性は全ての論文が認めるところだが慢性毒性についても大多数が認めているという。懐疑的なのは3編だけだそうだ。

 いま、アレルギー性疾患や化学物質過敏症の子どもが増えている。有機リン系農薬が神経の発達を抑制することから、最近急増している子どもたちの「発達障害」といわれる「疾病」の原因の一つではないかとも疑われ始めている。

 日本ではいまでも松くい虫防除や水田への空中散布で、また家庭用殺虫剤の中にも有機リン系農薬が使用されているが、EUでは有機リン系農薬は多くが禁止され、空中散布は原則禁止。英国では有機リン系・カーバメート系を市場から排除、米国EPA(環境保護庁)は農薬の安全性の再評価を行い、例えば乳幼児への安全係数は大人より10倍厳しくなったという。貴重な情報満載の講演だった。

小澤邦寿さん。専門は一般外科・消化器外科(胃癌・乳癌)、公衆衛生、医療社会学、食品衛生学。

 成田でも現在ラジコンヘリによる空中散布が行われている。同じ成田でも旧大栄・下総地区は香取植物防疫協会で実施している。とにかく、農薬は適期適所で使用してほしい。


□2008年9月12日(金)

 また残暑が戻ってきたようだ。日差しが強く、蒸し暑い一日だった。今日は千葉県野鳥の会事務局長加藤さんと自然保護運動では筋金入りの牛野さんのヨシ原造成地見学に同行。長年野鳥を観察してきた人の視点からいろいろ学ぶことが多かった。野鳥をみるまなざしの優しさ、きめ細かな観察眼。サンカノゴイの愉快な習性なども教えてもらった。

 千葉県野鳥の会はもともと代償措置としての人工ヨシ原造成の効果については否定的だったようだ。工事が始まれば北印旛沼にある別のヨシ原に移動するので、あえて沼の環境を壊して人工ヨシ原を造成する必要はない(造成しても簡単にサンカノゴイがそこに移り棲むことはないだろう)という。案の定、サンカノゴイは今、北沼の北部を中心に鳴き声が聞こえ、アマチュアカメラマンもそちらに移動している。インターネットでは怪鳥よろしくダイナミックに飛翔するサンカノゴイをみることができる。

 でも・・・8日にで送られてきたメールによると、高速鉄道建設で印旛沼の希少鳥類が10分の1くらいに減っているという観察も。

 舟で沼に出るのはこれで3度目。案内してくれる漁師さんは沼を知り尽くしていて、話題も興味深いことばかり。サンカノゴイについていえば、沼周辺に住む人は別の名前で呼んできたという。カイツブリを「むぐっちょ」と呼んでいるように。でも、今日はすぐ思い出せなかったみたい。思い出したらぜひぜひ、教えてもらおう!

30年くらい前には肉を食べたことがあったそうだ。「まずくはなかった」とか。そんな話を聞くと、昔から沼を媒介に人とサンカノゴイなど野鳥は共生してきたことがわかる。


□2008年9月11日(木)

 今日で3日間続いた一般質問も終る。私の質問内容は「議会レポート」に掲載。先議で教育委員と人権擁護委員の採決が行われ、いずれも賛成した。教育委員はこれまで教育委員長を務めてこられた荒井さんと、前市長の公約だった公募で選ばれた小川さんの任期が切れるため。荒井さんは経験とお人柄を信頼して、小川さんは女性としての共感から継続して務めていただきたいので。教育委員の公募について全員協議会で質問したら、小泉市長は公募の考えはないようだ。

 中国咸陽市との友好都市締結20周年記念訪中団(1012日~15日)の派遣についても、今回に限り賛成した。市長も行くが議会からの派遣は議長一人でよいのではないかと思ったが10</span>名。選出は任期の多い議員からというので5期目の私も対象になったが、辞退。ほかに共産党1名と公明党2名が対象になったがいずれも辞退。そんなこんなで決まった10名の顔ぶれはまぁともかく、北京オリンピックも終わって、中国の事情をよく視察してきてほしい・・・と願う。でも、なんだかんだと理由をつけて団体で出かける海外視察はこれで終わりにすべきだ。

 今日はムシの居所も悪かったせいかブチ切れた。これまでもしばしば控え室に入る通路の天井の灯り(ホテルのルーム・ランプのようなもの)だけが消されていることがあり、薄暗いので安全のためにも消さないでおいてほしいと事務局に頼んでいたのだが、いっこうに改善されない。その奥には私だけでなくほかにも2つの会派の控え室があり、さらに議場につながる階段の出入り口もある。

 せっせと消しているのは事務局ではなく環境派を自任する議員。省エネのためだとか言っていたが、だったら天井のランプは全部消せばいい。そのうえで、窓のある事務局やロビーなどは外から光が入るのだから消したにしても一番奥まった採光のない暗い通路くらいはつけておくのが安全のための常識ではないか。何かカン違いしているんじゃないの? 議会が始まっても相変わらず。事務局を通してもわかってもらえなかったので直接本人に抗議した。


2008年9月10日(水)

 大気の流れが変わったようだ。太平洋からの湿気を含んだ暖かい気流が弱まり、大陸からの乾燥した冷たい気流が勢力を増してきたらしい。

 秋の訪れを感じさせる今日、自民党の総裁選が始まった。半世紀も続いた長期政権の終わりの始まりになるのだろうか。 5人の立候補者の話を聞いていると、それぞれの役回りを与えられた役者たちが総裁候補を演じきって選挙を盛り上げようと振舞っているようだ。しかし・・・聞いているうちにシラーっとしてくる。問題山積をあーだこーだ言うけれど、そんな政治に誰がした。怒りをぶつけたくなるけれど・・・考えてみれば、私たち国民の責任。これが日本国民の身の丈に合わせて選んできた政府だったわけだ。

 その積もり積もったツケで国民は不安を抱え込んでいるのに、福田首相辞意表明後に自民党支持率がアップしたことを見ると、道は遠いなぁ・・・と思ってしまう。

 富津市田倉の安定型産廃処分場がついに廃止となった。今日付けで千葉県が決定。最高裁による建設差し止めの判決が確定したのを受け、業者からの廃止確認申請書が出されたことによる。設置許可から10年。困難な戦いを強いられた住民の「祝勝会」はさぞ盛り上がるだろうな。

 安定5品目といえども安全ではなく、地下水への影響など汚染は避けられないということが確認された。すでに環境省も最高裁判決を受けて、「廃掃法」見直しの検討に着手している。


□2008年9月7日(日)

 今日は一般質問の準備をした。ながら族のクセはいまだに治らず、午前中はテレビを横目で眺めながら、夕方は大好きな地球ラジオを聴いたり、合間には心地よい中南米の太鼓と打楽器のCDを流しながら日が暮れた。もちろん、炊事・洗濯など家事もあるから集中できたのは2時間くらいかな。そんなもんでしょう、私の集中力は。

 とはいえ、富津市金谷の残土埋め立てを県が許可したという新聞記事には、心穏やかではない。8月に木更津で開かれた決起集会には金谷の住民も参加した。突然降ってわいた残土処分場計画。埋め立てた上には「お花畑」つくるという。民家や漁港の近くに建設されるということで、地下水汚染などを心配した観光と漁業の金谷地区は地域ぐるみで反対、市長もそうした周辺住民の強い反対の意思を尊重した発言をしているにもかかわらず、手続きの条件を満たしているとして許可する県。

 住民は初めて「反対運動」をした人たちばかりだが、先日の集会の発言では、持ち込まれる予定の建設残土の発生元を追跡した結果、すでに1年前に事業が終了しているところがあるなど、書類上問題があることを調べ上げたようだ。「住民・徹底抗戦」と大きな見出しだったが、今後どう展開するか注目。

 残暑は厳しいけれど、夕暮れになると虫たちが秋の訪れを告げ、涼やかな音を奏でている。でも、ビックリしたのは

11時頃ツクツクボウシが鳴いていたこと。なんでー?夜、車の音をかき消すくらいいっせいに鳴くセミがいるのは知っているけれど、ツクツクボウシは初めて。いまどきのセミには昼夜逆転生活か宵っ張りもいるのかな。


□2008年9月5日(金)

 9月議会が始まった。提案された議案は人事3件(うち、教育委員2件)、条例制定1件、一部改正5件、契約1件、財産取得1件、字の区域及び名称変更(久住駅前区画整理事業)、土地開発公社定款の一部改正、19年度決算9件、20年度補正2件の、計24議案と報告3件。請願は7件。

 報告のうち2件は07年6月に成立した地方公共団体の財政の健全化に関する法律(以下自治体財政健全化法)に基づくもので、指標をもとに財政の健全性を診断した監査委員による審査結果の報告(これは市のホームページで公開されている)。

 成田市は、自治体としての財政健全化判断比率は良好、公営企業・特別会計(水道、簡易水道、公設市場、下水道、農業集落排水)も資金不足はなく良好。予想どおりである。財政力では全国でも上位に位置しているのだから。

 ところで、9月は全国の議会で決算審査が行われる。多くの自治体では、この財政健全化法に基づく審査報告をめぐって激論が予想される。自治体が破産する時代だ。夕張市の厳しい現実がトラウマのように襲いかかってくる自治体もあるだろう。財政難で首が回らない自治体の議員の苦労話を聞くにつけ、つくづく成田市議会での、財政運営をめぐる議論の低調さを思う。

 でも、財政が厳しかろうと多少の余裕があろうと議会の役割は同じ。その第1は行政をきちんとチェックしていくこと。税金の無駄遣いはないか、公正・公平に使われているか。

 それと、財政健全化法施行で問われるのが監査委員の役割。今後は説明責任が問われる。第3者の目と能力が必要だ。成田市でも職員OBと議会から各1名監査委員が選出されているが、第3者性をもたない監査委員では公平・公正な監査はできないんじゃない?


□2008年9月4日(木)

 日赤病院の眼科に行ったのだが、予約は1030分で、間に眼圧と視力を測ったりしたが、実際の診察はなんと1時

30分過ぎ・・・!今日は特に混んでいたようだが、それにしても3時間というのは待ち時間としては長いんじゃない?

一応覚悟して行ったので、その間8Fのレストランで持って行った本や資料を見ながらコーヒーを飲んだり食事をしたりで時間を過ごした。「面白いから」と勧められて借りた単行本は3分の2読んだ。資料は・・・といってもインターネットでダウンロードしたサンカノゴイの写真やそれへの書き込みなどだが、「珍鳥、怪鳥」ぶりをあらためて実感した。

 自民党総裁選は4人位が立候補するようだ。政策の行き詰まりや政権運営がおぼつかなくて放り出してはタライ回しするような政党の党首選なのに、なんだい、この騒ぎは。しかしこの厚顔無恥の体質が自民党という政党を延命させているのだろう。いつのまにか衆目と期待を集めちゃうんだからすごい。・・・

 それに比べるとまだまだ民主党は心もとない。でも、半世紀も政権の座にあった政党と同じ体質では比較しようがないから、せいぜい反面教師にしてほしい。

 南アルプス市のI農園から桃、プラム、ブドウが届いた。去年の秋深まる頃にはクルミもたくさん入っていたが、箱を開けながらIさんの心遣いと自然の恵みに感謝する。

 ところで、日本だけでなく、米国も気候変動のあおりを食っているようだ。ハリケーン「グスタフ」の勢力が弱まったと思ったら、カリブ海には「アイク」「ハンナ」「ジョセフィン」が発生し、上陸を狙っているという。だけど、この、ハリケーンに名前をつけるのがどうしても馴染めない。ものすごい被害を出したハリケーンが「まちこ」なんて名前だったら、イヤだもの。

□2008年9月3日(水)

 久しぶりの青空が眩しい。今日は9月議会に提案される議案の説明会。その後議員団幹事会。また、別に開かれた議会運営委員会では議会改革の一環として各種審議会等への議員参加の見直しについて議題に上ったが、この間検討していない会派があったりして再度協議することになった。

 この件について私は前市長の頃から議員枠を削除する条例改正を執行部に求めてきたので、見直されるのを願っている。各種審議会に議員がメンバーとして加わることについては、すでに自治法施行上「違法ではないが好ましくない」という見解が示されているわけで、来年度から実施できるといいのだが。

 今日事務局で資料をもらったら、法律で議員を置くことを決めてあるのは30の審議会・委員会の中で4しかない。ほかに広域連合・事務組合各1の計6だ。もし検討の結果として議員の参加が望ましいという審議会等があるなら、報酬二重取りの批判もあるので無報酬にするという考えもある。その場合はそれを規定する条例が必要らしい。

 審議会等は市長の諮問機関。議員は議会で市政全般にわたり議論すればよい。それより議員枠を外して、一人でも多くの市民が審議会等に参加できるようにすべきだと思う。

 米国ではハリケーン「グスタフ」の勢いも衰えたようだ。3年前に2千人の死者を出した同じカテゴリー3の「カトリーナ」に比べ被害は少なかったが、そのぶん備えがすごかった。進路にあたるルイジアナ州では200万人以上が避難、ニューオーリンズ市では強制避難命令や略奪防止のために夜間外出禁止令は発令され、原発の運転停止も検討されたようだ。ミシシッピ州では進路から避難する車が延々と続いた。日本ではまずは体育館などに避難だが、進路から車で避難するところの写真はさすがアメリカ、広さを実感した。

 ところで、「グスタフ」のあおりを食ったミネソタでの共和党大会も日程を元に戻し始めたようだ。でも、民主党大会のはじけるような勢いが感じられない。サプライズのはずだった女性の副大統領候補ペイリンさんの家族のプライバシーがスキャンダラスに流されていた。


□2008年9月2日(月)

朝、電話が不通になっていて、パソコンもインターネットに接続不能。私のところはISDNで電話とFAXが分かれ、パソコンはダイヤルアップ接続。ケータイで知り合いに電話したら「雷が落ちたんじゃないの?このごろよく落ちるから。NTTに電話したら」と言われた。そのまま出かけてしまい、夕方帰ってから電話して指示されたとおりの番号を押したら見事復旧した。もちろんインターネットともつながった。「パソコンがぶっ壊れているかもよ・・・」なんて脅され本気で心配してソンした。

 通告してある一般質問の打ち合わせ。9月議会の質問は3点で①新高速鉄道・北千葉道路建設に伴う希少鳥類の代替葦原造成と沼の環境汚染の現状、及び今後②実験事業堆肥づくり実践館について③公共施設における香料自粛についてーアレルギーや化学物質過敏症患者への配慮を。今回の質問者は16名だそうだ。

 メープルシロップを買おうとデポーに寄って帰ろうとしたらドシャ降りの雨。「バケツをひっくり返したような」とは、よく言ったもので、思わずその勢いに見入ってしまった。これだけ降ったら涼しくなるだろうと期待したけれど、蒸し暑い・・・。

 自民党総裁選挙は「華やかに」やるのだそうだ。女性2名の名前もとりざたされて、なんだ「華やか」とは女を入れることだったのか。まぁそれは自民党の勝手だけれど、決まったら一刻も早く民意を問うべきだ。

 今、国民にとって一番必要な政治課題は政権交代。民主党がいいの悪いの言ってる場合じゃない。権力に近い政治家たちが切磋琢磨するにはそれしかない。


□2008年9月1日(月)

 午前中は市東孝雄さんの農地裁判。この裁判は、空港会社が明け渡せと言っている土地の特定が一部間違っているという矛盾したもの。傍聴していて、シシロウト的にはこれで裁判を維持できるのかしら?と思う。

 午後は印旛沼の葦原造成地の視察に参加。私は2度目。北沼での造成計画の動きが気になる。甚兵衛広沼の造成地は現状ではとてもサンカノゴイが移転?できるような環境にない。しかも漁業環境を悪化させている。計画があるからといって北沼で同じ轍を踏もうとしているのか?と疑問に思っていたら北沼の陸側の湿地を中心に造成するという話があるらしい。稀少鳥類の保護(「鳥の楽園」と言っていたらしい)と銘打って始まったこの葦原造成事業、とにかくどこかに造って6億円といわれる予算を使い切らないことには格好がつかないらしい。これまたムジュンしている。

 夜、うつらうつら居眠りしながらテレビを見ていたら、わッ!福田首相辞任のニュース。去年の安部前首相辞任の時もえッ!だった。記者会見で福田氏は「(安倍氏は)病気で辞めたけれど、私は目が見えにくくなったこと以外そういうことはない」とか負け惜しみを言っていた。自民党の幹部たちすら「ただただ驚いている」「予兆がなかった」といっているのだから今、このときはやっぱ唐突辞任でしょう。衆参二重権力状況と低迷する支持率、近頃危機感丸出しの公明党がウルトラっているから嫌気がさしたのかな?それにしても一国の首相にしては軽いな~。どこでもそうだけど政治の世界でも順風満帆を期待するほうがおかしいわけで、嵐に船を操る覚悟も必要だと思うのだが・・二世・三世の政治家には志や覚悟が弱いのではないかしら?

 それにしても、また昨年同様の総裁選⇒新内閣で国民に目くらましをかませて政権維持をはかるとしたら、そんな芝居はもういい、見飽きた。

□2008年8月31日(日)

 昨日・今日の2日間、「オンブズが チェンジさせっぺ 地方議会」というテーマのもとに第15回全国市民オンブズマン千葉大会がホテルグリーンタワー千葉で開催された。 全国各地から2日間で約400人が集まり、市民オンブズに対する注目の高まり感じる大会だった。弁護士、公認会計士、議員といった仕事をしている人もいるが、生活実感を武器に主婦で頑張っている人、またリタイアした男性が目立った。地域住民として自分が住んでいるまちの行政や議会と向き合った時、これでいいのか、なんとかならないかと立ち上がった人たちではないか。例えば、成田市のオンブズ結成のきっかけが前市長の汚職事件であったように。

 今後私たち団塊の世代がどんどんリタイアしていく。70年安保を経験し、企業戦士として高度経済成長を担った彼らが地域に戻ってきたとき、おそらく趣味や旅行、スポーツだけで老後を過ごすことはないだろう。各種NPOやオンブズは格好の受け皿ではないかしら?高知市民オンブズの人が言ったように「普通の常識、小さな勇気」を持ち続けることが大事だと思う。

第1日目の30日はオープニングのあと千葉大教授の新藤宗幸さんの講演で、久しぶりに彼の持論をたっぷりきかせてもらった。分科会は①談合・入札改革、②公共事業、③議会改革、④監査制度、⑤初めての市民オンブズマン、ということで、私は①の談合・入札改革の分科会に参加した。この分科会で示された各地の事例を聞いていると、一般競争入札導入による業界の猛反発、妥協案?としての総合評価方式、手口が巧妙化した談合など、成田市の現状も客観的に見えてきて興味深い。

今日は昨日の各分科会の報告、各地からの報告、提案、決議、大会宣言と続いて正午に閉会した。朝9時から始まる各分科会の報告を聞きたくて参加。全国の事例をとりあげながらとても刺激的な報告が行われ、参加してよかった。オンブズの人たちは午後さらに活動報告会や意見交流会があるようだったが、私はお昼で帰る。

 ●全体会の様子                ●談合・入札改革分科会(司会は大川弁護士)

□2008年8月29日(金)

 今日は朝から断続的に雷雨。市の防災メールによれば印旛地域には大雨洪水警報が2度、土砂災害警戒情報が1度発表された。2度目の大雨洪水警報は日付が変わろうとしているがまだ解除されていない。関東・東海地方は局地的な豪雨に見舞われているようだ。この頃、雷の発生や集中豪雨うなど天候の変化が荒々しいような感じがする。これも亜熱帯化した夏のせいかしら?

 朝日オピニオン欄に水文学の専門家が、今後予想される温暖化による被害に対し、ダムと堤防強化にこだわるのは非現実的で、「水があふれ出ることを想定した治水対策」を提案していた。私も賛成。課題は①水のはんらんを許容する地域をどう分けるか、②リスクの高い土地の開発制限、個人の住居の規制など。確かに、この種の制限や規制は大きな課題ね。

 今日はabc放送で米民主党大会最終日の模様が放送された。コロラド州デンバーのフットボール競技場を埋めた7万人を超える代議員を前に、オバマ氏の大統領候補受諾演説はハリウッド映画の一場面、さながらアメリカン・ドリームを体現させるようだった。政治家やスティービー・ワンダーのようなスターだけでなく大会に参加した人たちみんなが大会を盛り上げる役者!

 全米を網羅する草の根民主主義の予備選挙を経て党大会が開かれ、大統領候補を決める。そのプロセスには、私の好きなアメリカがある。

 一般質問の通告締切日なので演説を聞いてから議会へ。ひいたくじは3番で、質問第1日の2人目になるようだ。

□2008年8月28日(木)

「歴史と今を語り合う女性の会」例会。9月11日(木)に中央公民館視聴覚室で「お母さん大学in成田」のイベントを主催する。お母さん大学の学長代理藤本裕子さんの講演「明日からの子育てが笑顔になる」に期待したい。藤本さんは横浜市在住で、フリーペーパー「トランタン新聞」(1991年創刊)を中心にしたネットワーク事業展開で知られ、日本の元気な女性の一人として活躍している方だが、「お母さん大学」と子育て情報誌「お母さん業界新聞」はそうした活動の中から発展したもの。

「女性の会」が主催を快く引き受けたのは、会員さんがお母さん大学の窓口になっていること、それと、私が成田市に住んでいたころの藤本さんとほんのちょっとした接点があったこと。

 1980年代末、当時私はミニコミ新聞の仕事をしていて、編集部に藤本さんからミニコミ新聞を発行するにあたってのノウハウについて相談の電話があった。その記憶が残っていて、一も二もなく「いいとも!」

 成田市で芽生え、横浜で全面開花し、全国にはばたく藤本裕子さんの話を一人でも多くのお母さんたちに聞いてほしい。

 アフガニスタンで住民の支援活動を展開してきたNGO「ペシャワール会」の伊藤和也さんが武装グループに拉致、殺害された。彼の志を思うと胸が痛む。ペシャワール会の医師中村哲さんは「(ペシャワール会は)ソ連軍が来た時も、米軍の空爆時も活動を続けた。治安の悪化は武力では解決しない。空腹を満たす環境をつくることが大切だ」と語っていた。

 中村さんは911テロに対する米軍のアフガン報復攻撃以降一貫して、「武力では解決しない」というメッセージを発してきた。私は政府広報より現地を知り尽くしている中村さんを信頼する。民主党の菅直人氏も、彼の発言を根拠に、政府の米国追随政策を批判していた。民主党は政権をとっても中村さんや伊藤さんのメッセージを忘れないでほしい。

 今日のabc放送は米民主党の大会でバラク・オバマ氏を大統領候補に指名したニュースを流し続けていたが、そこでバイデン副大統領候補がイラクからアフガンに兵力を集中すべきだと、共和党との違いを主張していた。確かにアフガンの情勢は緊迫している。が、米軍がイラクからアフガンに兵力を集中させるとしたら、改めて米民主党の軍事戦略(政策)が問題になるだろう。要するにイラクにしろアフガンにしろ、武力でたたけという発想なのだから。

□2008年8月26日(火)

 八ツ場ダム裁判も今回から証人尋問。いよいよ佳境に入る。傍聴人も法廷からあふれるほど詰めかけた。今日は原告側2名と被告(千葉県)側1名の計3人が証人席に座った。1時から始まって間に10分の休憩を入れ終わったのは5時過ぎだったが、久しぶりに時の立つのを忘れた。

 原告側からは長い間八ツ場ダム問題に取り組んできた第一人者嶋津暉之さんと、八ツ場ダムができると市営水道の取水井戸のほとんどが閉められてしまい、まずくて高い水を飲むことになる佐倉市から選出された県議大野博美さん。

 嶋津さんの証言はスライドを効果的に用い、利水面を中心に八ツ場ダム建設の根拠が崩れていることを証明した。水需要が減少し、千葉県だけでなく流域の都県も水余りの時代。この10年の間に100を超えるダムが中止になっている。八ツ場ダムも条件は同じなのに惰性で計画が続けられている。必要のないダム計画は中止すべきであり、千葉県は事業から撤退するよう訴えた。

 大野さんは県議として八ツ場ダム問題にとりくんできた経緯を中心に証言した。佐倉市は市議会も八ツ場ダム建設の見直しを決議している。にもかかわらず佐倉市議会の意見書が半年も県の担当課の机の中に入れっぱなしで処理されなかったずさんさや、水余りの現状を無視し、なおかつひっ迫する財政難の中で八ツ場ダム計画を国のいうままに受け入れる県の無責任な対応を問題にした。

 県の職員に対する原告代理人の尋問は緊張感があった。裁判の醍醐味はなんといっても反対尋問にある。答えに窮してしどろもどろの職員にいたたまれず県が雇った代理人弁護士がこれまた浮足立った尋問妨害をするなど、傍聴する側からすると面白い見せ場もあった。

 なにしろ千葉県が「はじめに八ツ場ダムありき」からスタートしているので、県職員は「とにかく必要なダムである」ことのつじつま合わせに必死。証言の矛盾点を指摘されると一貫性がない。計画から半世紀過ぎようと、目的がコロコロ変わり、事業費が倍になろうと、要するに国の政策に従って受け入れているだけなのだ。

 次回も3人の証人尋問が行われる。

□2008年8月25日(月)

 久住に行った帰り、宝田のJA農産物販売所に寄った。この前同じ敷地内にある成田市農業センターに行ったついでに寄ると、とても美味しそうなトマトがあったので買おうとしたらお財布を忘れて買えなかったので、今日こそ買うつもりで寄った。でも、大きなトマトは9月に入らないとお店に並ばないそうで、残念。ところでこの販売所、もう少し品数がそろっているといいんだけど。

 農村女性の起業が9年で倍以上というデータをみた。こうした販売所や道の駅、レストラン、民宿、観光農園、お弁当屋さんその他、生産・加工・販売が直結したシステムで働く農村女性がイキイキと輝き始めた。能力全開の女性たちは見ていて惚れ惚れする。私の知り合いにも自らが生産した農産物を中心にお弁当屋さんで売り上げを伸ばしている女性グループや、晩酌の焼酎は彼女が作った梅干しでないとダメという、熱烈な顧客をもつ梅干し作りの名人?もいる。

 実は私も手作りジャムが自慢で、プレゼントするだけでは物足りず数・季節限定の販売をしたいんだけど、畑を借りていちごを育てて・・・などと考えると無理みたい。「自慢と高言はバカのうち」と言うらしいから、せいぜい私にできるのは自慢くらいね。

 カイロでストリートチルドレンを支援している素子さんからメール。彼女の原稿と写真を載せた『たいむ』を送ったお礼。カイロも暑いらしい。「昨日は37℃でした」とサラッと書いてある。乾燥しているので日本の暑さとは違うようだ。それと、今はマンゴーが旬で、すっごく美味しいんだそうだ。わかる!私も沖縄で初めて完熟マンゴーを食べた時に「すっごい」と実感したことがあるから。

□2008年8月24日(日)

 「守ろう!房総の水と緑 残土処分場の建設を阻止しよう」~房総の住民・総決起集会~が木更津市中央公民館で開催された。県内各地で残土や産廃問題、里山再生に取り組んでいる団体・個人が参加。

 残土・産廃問題ネットワーク・ちば代表藤原さんの基調報告のあと、各地の報告を中心に意見・情報交換、異色は小櫃川の水を守る会の人たちによる水質検査のデモンストレーション。

 従来の埋め立てに加え、「『農業振興』を名目にした新手の処分場計画」が、住民や自治体の反対、農業委員会の不許可相当の判断などおかまいなしに許可していく千葉県の残土行政への危機感から急きょ計画された集会だったが、全体を通してこれからの課題や運動の方向が見えてきたようだ。

 房総半島も木更津あたりまでいくと、車窓の植生が照葉樹林に変化していくのがよくわかる。半島のもっと先のほうの山並みは沖縄の山原(ヤンバル)の雰囲気に似ていて、気候が温暖なことを実感させてくれる。

 北京オリンピックが終わって、ホッとした気分なのはどうしてかしら?それにしても、またまた閉会式の演出もこれでもかとばかりに意表をついていた。開会式も閉会式もミーハー的に楽しませてもらったけれど、ロンドン大会でも同じスタイルを・・・とは思わない。ロンドンはもっと、地に足がついた演出であってほしいな。

□2008年8月23日(土)

 涼しい・・・というより肌寒い一日だった。酷暑に耐えてきた老骨にとってはなんだか夢みたい・・・。でも、暦では処暑を過ぎても体感残暑はまだまだ続くから気を緩められない。

 今日と明日はニュータウンの「ふるさと祭り」。オープニング・セレモニーに参加。数年前までは私もサークルで出店し、山形の玉こんにゃくの串刺しを売っていたので大忙しだった。今はお店を覗くだけなので気楽でいい。ところで、今日みたいな涼しい日には秘伝のタレでからめたタマコンは美味しいんだけど・・・。

 核開発に反対する会からのニュースレターが届く。世界で唯一、しかもヒロシマ、ナガサキに原爆を落とされた日本人の多くは、日本が核開発することには反対だと思う。だが、あえて「反対する会」が結成され私も会員になったのは、そうした国民感情とはかけ離れたところで軍需産業、軍(自衛隊)、一部政治家たちが核武装を熱望しているからだ。このあたりは槌田敦さんなどの共著『隠して核武装する日本』(影書房)に詳しい。

 10月から高速増殖炉「もんじゅ」が運転を再開するという。1995年にナトリウム漏れ事故を起こして以来修理中ということだった。なぜ無理をしてまでもんじゅを動かそうとしているのか・・・槌田さんによれば米印原子力協定でインドが超兵器級の純度98%のプルトニウム核兵器を作っているからだという。純度98%プルトニウムはもんじゅでも得られるからだ。

 問題の多いもんじゅの運転再開は、日本がいつでも核兵器を造れることを誇示し、核抑止どころか核拡散に便乗するようなものだ。

□2008年8月21日(木)

 県の廃棄物指導課と残土・産廃ネットワークの交渉。

 24日木更津市で開催される残土処分場建設問題に対する「房総の住民・総決起集会」に向けて県の残土行政の現状と今後に対し、提出した当面する諸課題と残土条例改正を求める要望書をもとに、交渉が行われた。ネックは「残土」の位置づけ。残土は廃棄物ではない(有価物)という認識。残土処分場及びその建設計画の現状をみれば、そういう位置づけは転換すべき時だ。が、行政はどうしても条例の枠内でしか対応しない。残土条例の骨格そのものを変えるくらいの抜本改正が必要だ。

 夕方、成田に着いたらひと雨降ったあとでまだ空は稲光の荒れ模様。でも、涼しい!四街道あたりでは黒い雲に覆われた天空の一部がぽっかり割れ、そこから青空が見え、日の光がわきあがる雲を照らしていた。なんだか心が浮き立つような、でも厳粛な気分。太古のご先祖様たちはあの雲の上に何か良いことを想像していたのだろうな。神々の祝祭?

 一緒に住民投票運動をやってきたフリー・ジャーナリストNさんから、転居通知。屋根瓦が波打つ(といっても崩れそうな)古い民家。家を押しつぶしそうな雪と、やさしく包み込む新緑の季節2枚の写真は、どうみても山奥。しかも近くには沢がありそう。渓流釣りが好きで、時々電波の届かないところに行ってしまうNさんらしい棲み家だ。

 でも、妻は大坂でバリバリ仕事をしているとゆーのに・・・女が人里離れた山奥で暮らしていると「山姥」とか「魔女」のそしりを受けてきたけれど、男だったら「ロマン」かい?でも、いいなぁ。うらやましいなぁ。

20088月19日(火)

 用事があって久住へ。前回行った時に比べ、区画整理した用地に家が増えていた。空き地が埋まっていく様子は気持ちいいものだ。

 それにしてもここはスッタモンダした区画整理だった。そもそも、平行滑走路からの飛行コース真ん中にわざわざ住宅団地を造るという計画自体、私には考えられなかった。「ステレオ騒音」がどのようなものか、全く予想できない頃だった。議員になりたての一般質問の一つがこの区画整理計画だったと思う。

 住環境には「アメニティ」が重視される時代、質問の答弁を聞くとアメニティよりも騒音下の地域振興を目的に始まった政治性の強い区画整理だということを知った。だから、組合設立準備会の頃のスキャンダルや、その後紆余曲折があっても、成田市の責任においてなにがなんでも成功させなければならない区画整理であったわけだ。当時の市長も私にそんな内容の答弁をしていたっけ。

 組合員も3度にわたって減歩をしたが、市も(議会では様々な意見があったけれど)破格の配慮をした。終わり良ければすべて良し、となってもらいたいものだ。

□2008年8月18日(月)

 朝日朝刊に載っている週刊誌の広告を見ていたら、アエラでは「天皇家と皇太子ご一家」特集、週刊女性は「体調を崩しがちな愛子さまに『公務しろ!』の声が」という見出し。週刊誌にとって、皇室記事は売れ筋のようだ。

 雅子さんについては「深刻病状」や公務「復帰へのロードマップ」、皇后との嫁・姑関係。天皇制は差別の根源と思っている私も、このところ週刊誌の見出しを読んだだけで「お気の毒」と思ってしまうくらい挑発的で厭らしいタイトルが多い。とはいえ皇室報道は天皇制あるかぎりついてまわるものだから、彼女も耐えられるか潰されるかだろう。

 それより、雅子さんの「深刻病状」。「化学物質過敏症」ではないかというのが同じ病気で苦しんでいる患者さんの看立て。確かに、雅子さんが結婚後アトピー体質の改善をしていたという話も伝わってきているので、化学物質には過敏な体質かもしれない。化学物質過敏症は、ハタから見ただけではどれだけの症状かわからないことが多く、わがまま、怠け病、うつ病、果ては詐病のそしりを受けたりもする。

 過敏症の「治療」は、化学物質をできるだけ避ける、除去した(する)生活を送ることらしい。雅子さんに対するマスコミの病状報道やそれに対する慇懃無礼なあてこすりを見ていると、ふと、病気だけでなく世間の無理解にも苦しんでいる化学物質過敏症の患者さんの言葉が本当のように聞こえてりする。

□2008年8月17日(日)

 猛暑もひと休み。昨日は印旛地域に大雨洪水警報、今日は大雨警報と、解除を合わせて4回、市の防災メールが届く。今日は一日雨模様だったが、これまでの暑さ疲れを癒してくれるようで心が鎮まるような雨だった。まだまだ暑い日が続くだろうが、秋はもうすぐ。今年もクーラーを使わず、健康に過ごせたことを喜びたい。

 水泳の男子1500M自由形と女子マラソンをテレビ観戦した。北京のマラソンコースは道路が固いと聞いていたが、今日の中継を聞いていて、要するに戦車も通る道路らしい。人間の足で駆け抜けるにはキツイだろうな。

 久しぶりに坂田が池に行くと、7月中は生育状況が気になっていたハスの花が元気に咲いていた!白い花は少ないようだったが紅いほうはまずまず。生い茂った葉のそばで、数はめっきり減ってしまったがアイガモやカイツブリが忙しそうに餌を探していた。

 先日印旛沼の漁師さんに船に乗せてもらった時、カイツブリを〝むぐっちょ〞と呼んでいた!むぐる=もぐる。可愛らしい首から勢いよく水にもぐりこむ様子はまさにピッタリの愛称。沼とともに暮らす漁師さんたちには親しい水鳥なのだろう。

 気のなったのはヒシの葉をぜーんぶ取り除いてしまっていたこと。ハスの時にも思ったのだが、ただ取り除けばいいというものでないだろう。池の生態系を保存するには一部を残すという配慮が必要だ。例えばヒシも水の浄化作用があるし、カンカン照りでもヒシで覆われた下の水温は低い。水生植物の周囲には餌も多い。魚たちの産卵場所や隠れ家にもなる。それに・・・魚だって夏は涼しい場所で暮らしたいだろう。

 市の対応(坂が池公園を管理しているのは地元組合)をみていると、花の咲く街路樹を毎年ガイコツのように伐採してきたやり方に似て、動植物や生態系への配慮が足りないのではないか。

□2008年8月16日(土)

 お盆も終り、高校野球はあと3試合を残すのみとなったが、北京オリンピックは陸上競技が始まっていよいよ佳境に入る。先日の朝日川柳欄に、山頭火の「わけいってもわけいっても青い山」をもじったような「めくってもめくってもスポーツ欄」という句が選ばれていて、思わず可笑しくなった、同感。

 スポーツ記事は大見出しの気合いの入れ方や選手の成功物語に興味あるから嫌いじゃないけれど・・・しばらくは「めくってもめくっても」だ。 

 それより、NASAは一体いつ火星に関する重大発表をするのかしら。8月中旬頃といっていたけれど、オリンピック終了後を狙っているのかな?もう、私の首はこれ以上伸びないくらい待ち望んでいるのに。

 今日は9月議会の一般質問通告受け付けの通知が送られてきた。亜熱帯だと大騒ぎしていたけれどもう9月議会の準備。知り合いの県議と電話で話していたら、彼女の会派でも9月末に予定される代表質問の項目を絞って準備しているという。いずこも似たり寄ったりだ。

 ところで、地方制度調査会の議会制度改革の議論では、この「会期制」についても「会期が妨げとなってサラリーマンなどが議員になる意欲をもてないのではないか、基礎自治体の議会を毎週夜に開催できるようにするため、会期について検討できないか」、「通年会期で曜日を決めて開催・・・できるような制度にしていくべきではないか」といった意見が出されている。

 こうしたシステムを実現していくには、残業や不規則労働、硬直した他就業規則に縛られた日本の働く環境を変えていかないと。

□2008年8月13日(水)

 「夏休み」のつもりで生活のシフトを変えているのだが、なかなかそうもいかない。どうしても予定を入れざるを得ない日を除く2、3日が私の怠惰な夏休み。いまさら、ではないが根がグータラ志向らしくダラダラ過ごすのが快感。

 森の中歩いたり、温泉に入ったり、私の細胞を刺激する本を読む。この夏休みは、以前買っておいた生物学者リチャード・ドーキンスの生命史(『祖先の物語』 (THE ANCESTORS TALE)上・下巻を読んでいる。 そして、BGMはロシアの指揮者ワレリー・ゲルギエフのCD。

 先日NHKハイビジョンで放送した「未来への提言」でもとりあげていたが、私好みの力強さと暗く深いセンチメントを併せ持つ指揮者ゲルギエフ。北京オリンピック開会式の日に始まったグルジア軍の南オセチア侵行とロシア軍の空爆の時に真っ先に思い浮かんだのは、オセット人を両親に持つゲルギエフの深い悲しみと未来を語る言葉、そして「一番大切なのは、愛すること、憎まないこと」。 あの日以来、私は彼が指揮するベートーベンを何度聴いたことか・・・。

 ま、自分のお気に入りだけ集めた「夏休み」を過ごしたい。

□2008年8月9日(土)

 昨夜は北京オリンピック開会式のテレビ中継を見た。ちょっとだけ、と8時頃テレビをつけたら、無数の花火が会場の「鳥の巣」を中心に北京の空にさく裂していて、思わずテレビの前にすわりこむ。日付が替わり閉会を迎えてまた花火、花火、花火。華やかな美しさと一瞬のうちに消えていくはかなさを併せ持っていて、それがまた「これでもか」とばかりに打ち上げられるので目が吸い寄せられてしまった。開会式の演出は大金を投入し、高度に訓練された国民を大量動員し、中国の歴史と文化と国力を世界に誇示するものだった。選手の入場行進には興味がないので中断。

 「平和の祭典」開会式が終わり、花火の音が耳に残っている間にNHKニュースに切り替わったとたん、今度は爆弾の閃光と爆撃音。グルジア軍が分離独立をめざす親ロシアの南オセチア自治州に侵行して大規模な攻撃を開始し、ロシアがグルジア空爆を始めたというニュース。世界の現実をみせつけられた思いだった。

 今日は「戦争責任を考えるちば8月の会」主催の証言集会。山辺悠喜子さんが旧日本軍が遺棄した毒ガス被害について、篠塚良雄さんが731部隊の実態について証言。

 山辺さんは女学生の時にハルピンで終戦を迎え、その後人民解放軍に8年間参加。6000キロを徒歩で転戦。その後5年間北京などで日本語教師をした経歴の持ち主。90年以降は中国各地に日本軍が遺棄した毒ガス弾被害の現地調査に参加。731部隊の世界遺産登録を目指す運動にも携わっている。

 篠塚さんは731部隊の元少年隊員で、細菌を培養、人体実験や生体解剖にかかわった後中国で戦犯となり、4年間収監され起訴猶予で帰国。以来自らが行った行為と731部隊の実態を証言し続けている。

 アジア太平洋戦争は63年前、天皇と日本軍の全面降伏によって終わった。しかし、戦争の傷跡は国内外に残り今も多くの人々を苦しめている。戦争責任は問われ続けなければいけない。今日は長崎に原爆が落とされた日。

□2008年8月8日(金)

 今日は印旛沼で漁業を営んでいる方に甚兵衛広沼―北沼全域を船で案内してもらった。新高速鉄道・北千葉道路建設にあたり環境に配慮した事業ということで宣伝してきたサンカノゴイの移転先?人工葦原の実態をこの目でみてショック!堤防からでは見えなかった現実が広がっていた。これでは、サンカノゴイも引っ越しようがなかったのではないか。

●2年前から始めて甚兵衛広沼角川河岸付近に造成された葦原の現場・・・ではあるが、葦はポショポショッと生えているだけ。議会の特別委員会で事業者も「根付きが悪い」と言っていたが、「悪い」というよりこれでは失敗。どこに卵を産んだらいいの?

●それだけではない、周囲を囲ってもここに生えているのはどう見ても葦ではない。しかも、表面のみ石で覆った下は産廃混じりの残土。私が手に持つのは鉄のネジや鉄片。コンクリートには鉄の杭がささっていた。探せばキリがない。しかも杭の周囲の水面下はこの種の産廃で固められている。

 広沼は印旛沼でも一番の豊かな漁場だったという。サンカノゴイが営巣できたのも、静かな環境でしかもエサに不自由しなかったからだろう。しかし、葦原造成以来エビも雑魚も取れなくなってしまい、漁協の組合費にもならないほどの減収とか。昨年から今年にかけてはエビや雑魚が死に、それを食べた白鷺がわかっているだけで9羽死んだという。

 同じような人工葦原を北沼にも造る計画だが、これではサンカノゴイが移転してくるどころか追い払い、あまつさえ沼を汚すだけではないか。「専門家」に相談した上での造成というが、沼を知り尽くした漁民の知恵のほうが勝っていることを実感した。

 日のところはこれまで。もっと多くの人たちにこの現実を見てもらいたい。

□2008年8月7日(木)

 いやはや・・・私も詐欺のカモにされるような年代に入ったということか。今日昼頃電話があった。「市役所の国民保険給付課ですが、足立みちこさんですか?」と若い男の声。「みちこではなくまちこです。」「失礼しました。特別控除金がおりますのでまちこさん宛てに書面をお送りしましたが、まだ手続きされていませんね?」「特別控除金?どういうことでしょうか?」「過去5年間に支払われた保険金の払い過ぎた分をお返しする手続きです」「ちょっとまってね、国民保険給付課?市役所にそういう課はありませんよ」「あります」「聞いたこともありません」「あります」「ありません。それに私、足立は仕事で使用している名前です。保険、税金、免許証は足立ではなく戸籍名なの。足立で通知がくることはないはずよ」電話の男はそれに応えることなくまるで録音を流しているように「書面をお送りしますので手続きをお願いします」と言って勝手に電話を切った。

 保険年金課に問い合わせたら、課長が言うには最近成田を中心に市民からそういう問い合わせが増えているらしい。注意するよう昨日ホームページに掲載したという。その他消費生活相談など関連するところにも連絡してあるという。でも、こうした詐欺の対象とされる年代の人たちはホームページを見るかしら?何かあってから相談、では遅いわけで、ケーブルテレビの市役所枠などを使って注意喚起も必要だと思うけど。「ホームページで見た」より「テレビで見た」ほうが人から人に情報が伝播しやすいのではないかしら。

 今日は澄んだ青空が広がり、雲の白さが目にしみる1日だった。暑さはものすごく厳しかったけれど、陽の光が少し黄色に変わってきていて、そろそろ身の回りに秋の気配を感じる頃になったのかしら?と思ったら暦のうえでは立秋季節の節目をあらわす言葉はみな美しく懐かしい。

□2008年8月6日(水)

 あらっ!「冨里市など空港周辺の1市4町が5日、成田市に合併協議を申し入れた」という報道。もともと5市町は成田市を中心として県の合併構想の枠に入っている自治体。市長も「合併の必要性」を認めているから、「今は新成田市の検証中」といっているがいずれ市長が先頭にたって合併に進もうとするだろう。

 昨年、私が総務常任委員会で「検証期間はどのくらい?」と質問したら総務部長は「3年くらい」と答弁。次の選挙は合併選挙だね。

 このホームページにある「市民の広場」に広島市の平和宣言を掲載した。核兵器はそのすさまじい破壊力だけでなく、その後も人や環境に影響を与え続ける意味で廃絶すべき第1の兵器である。が、その破壊力ゆえに抑止力として「核」の恐怖によって軍事バランスを保つという最悪の構造が続いてきた。

 いまやスーツケースで持ち運べる核兵器の開発なども進んでいるという。しかし大小核兵器のモトになるプルトニウムを生産・実用化するには高度な施設や技術が必要なのだから、「テロリスト集団」などが簡単に核兵器を持つことはない。核拡散の責任は各国政府にある。だから廃絶も可能なのだ。被爆国日本政府は国際的な核廃絶キャンペーンの先頭に立っているだろうか?

 成田市も「非核平和都市宣言」を行っている。平成の大合併前全国で2000を超える自治体が非核平和宣言をしていた。日本中の自治体が非核平和を求めているのだから、日本国憲法9条にのっとって非武装中立国になれそうなものなのに。この100年、「ワーテルロー」や「関ヶ原」といった軍隊だけの戦場はない。いまや、建物を破壊(しちゃうと後始末や再建に手間や金がかかる)せずに人間(生き物)だけを殺戮する兵器の開発などが進んでいるという。軍隊が市民を守るなどという幻想はきっぱり捨て、軍隊を武装解除させていくプロセスを考えないと恒久平和は得られないだろう。もうすぐ8月15日だ。

□2008年8月5日(火)

 雷鳴轟く中、久しぶりに市役所に行く。事務局に行政視察の報告書を提出し、控室に行くとやっぱり・・・机の上はいろんな書類が積まれていた。ウイメンズ・オフィスの『女性情報』(見本誌贈呈)、自治体議会政策学会からの講座と行政視察のお誘い、その他いろんなお知らせ類、月3回発行される全国市議会旬報2回分・・ということは半月市役所に行ってないということか・・・、いや控室に行ってないということ。

 その中で、市議会旬報の7月15日号には第29次地方制度調査会の専門小委による地方議会制度に関する論点(抜粋)が掲載されていた。これは興味深かった。①議員の身分・選出の在り方、②小規模自治体における議会制度、③議会の権限、④議会の会期、運営等、透明性の向上、⑤議会事務局の強化等について、委員からの発言について、刺戟的な意見もあった。これは機会があれば関心を持つ市民に紹介していきたい。 私も会員の「開かれた議会を目指す会」でも議会制度についていろいろな議論があるが、私は民主主義を成熟させていくためにはいまの議会制度を抜本的に変えていくという考えを支持している。

 週刊誌の広告(これは習慣ですみずみまで見る)を見ていたら、『週刊朝日』に―これがホントの「不都合な真実」、エコ伝道師ゴア元米副大統領と原発利権―というのが載っていた。

 CO2抑制に原発が有効という考えはある。しかし、原発が全くCO2と関係ないかといえばそうではないし、何よりもリスクの点で、人間の一生からすれば未来永劫といえる長期(例えばプルトニウムの半減期は2万数千年といわれる)にわたる汚染物質を排出するわけだから、目先の数値で原発を選択することには反対。それよりは、困難な努力を要しても、地道なCO2削減策を実施していくのが現実的だと思う。

 まぁ、あの映画が封切られた頃、「ブッシュのテキサスの農場に比べたらゴアの大邸宅のほうがはるかにCO2を排出している」と言われていたくらいだから、なんとなく週刊誌の見出しがホントに思えるというものだ。

□2008年8月4日(月)

 週刊誌の広告を見て可笑しくなった。最近NHK大河ドラマの『篤姫』がたくましい女性に成長して視聴率も上昇しているらしい。同時に篤姫役の女優への週刊誌の論調?も変わってきた。以前は見出しで「女中顔」とクサしていたのもあったのにサ。いい気なものだ

 昨日、朝日新聞の1面と社会面で漫画家赤塚不二夫さんの訃報を大きく掲載していた。「ギャグマンガの歴史そのものを作ったマンガ家」という評価。水木しげるさんは「あそこまでばかばかしい作品を作った人はいない、才能だ。」とコメントしていた。

 私が彼のマンガに出合ったのは学生時代で、少年マガジンに連載が始まった『天才バカボン』。でも、あのナンセンスギャグは田舎育ちの私には過激過ぎてアタマがクラクラしそうだった。

 当時は喫茶店に置いてあるマンガやマンガ週刊誌はひっぱりだこだった。記憶では『明日のジョー』『カムイ伝』『アシュラ』などが話題になった。『カムイ伝』は「唯物史観に立っている」などと評価されていたっけ。

 日本のマンガは完成度が高く、さらに進化し続ける。フランスほか海外でも若者の心を強くとらえ、マンガを通して日本に関心を寄せる傾向らしい。今や「海外に影響を与える日本文化」の一つかな。まぁ、政治の影響力はほとんどないから、せいぜい自慢のマンガで影響力を与えますか。

 うっかり忘れてしまっていた新清掃工場視察の報告書を作成する。

□2008年8月3日(日)

 「たいむ」67号でもちょっとお知らせしたが、「協同労働の協同組合法」法制化を目指すセミナーが国際文化会館で開かれた。

 成田周辺の事例紹介では、私も時々のぞくのを楽しみにしているワーカーズコレクティブ・回転木馬(成田市)や、労協・<B>若者自立塾(芝山町)、NPO・せっけんの街(酒々井町)からの報告があった。 回転木馬は生協組合員だった主婦が出資し働いているリサイクルショップだし、若者自立塾は報告者自身が元「ニート」君、NPOせっけんの街の始まりは手賀沼の合成洗剤など生活排水による汚濁をきっかけに始まった生協のせっけん運動から生まれたせっけん工場。私も成田に住んで、粉せっけん「せっけんの街」を利用してきた。3団体に共通しているのは「出資者みんなが話し合い、思っていることを出し合い、自分のためだけでなく地域の人々に役に立つように、たいへんだけれどもやりがいがある」仕事をしていこうと頑張っていることだ。

 企業に雇われるのではなく、働く人一人ひとりが出資者で経営にもたずさわる労働者協同組合は30年の歴史があるという。例えば回転木馬は21年、せっけんの街は24年。が、根拠となる法律がなかったために財政基盤や事業規模・種類その他制約で不安定な状態に置かれてきた。一日も早い法制化が望まれる。

 協同労働の協同組合方式はいま、女性や若者、リタイアした高齢者などが地域社会に根ざして働く働き方として注目を集めている。こうした働き方が様々な領域にひろがり充実していくことで地域社会も豊かになっていくだろう。前安孫子市長福嶋浩彦さんの講演は、そうした働き方を通して市民が力をつけていく中で、新しい公共=市民が主体者の公共を作りだしていこうという呼びかけでもあった。

 火星に生命が存在した可能性を示す重大な発見について」NASAが近く発表するらしい。探査機フェニックスが確認したという。すでにホワイトハウスに連絡済み、という表現もドラマチック。先日は水が存在するという発表があったけれど、もっとすごいのだろう。

 火星といえば十代の頃にレイ・ブラッドベリの『火星年代記』を読んで以来長い間夢をみさせてもらったが、フェニックスはどんな確認したのだろう・・・。

□2008年8月1日(金)

 抱え込んだ仕事もやっと先が見えてきた。このところの亜熱帯気候に耐えてきたせいか疲れがたまり始めているようだ。夜8時過ぎたらいつでも眠れるようにしている。・・・そんなわけで、新聞販売所が動き始めるような時刻に眼を覚ましてパソコンに向かったりすることもある。

 いつだったか、2時過ぎに目が覚めてしまったので用事があって友人にメールを送ったら、「いったい、どういう生活をしているの?」といぶかるような返事が来た。だろうね。

 今日は嬉しいニュース!ついに私のふるさと多古町の桜宮自然公園でホタルが確認されたという。さっそく祝福メールを送った。

 夏キャンプを企画した人たちが伐採ボランティアで入っていて、夜の散策中発見したらしい。公園をつくった頃は桜宮にホタルは無理だろうと言われていたが、さとちばMLに送られた第一発見者の一人鳥井じーさんのメールでは、イネの不耕起栽培を続ければ巻貝、タニシ、メダカなど小さな生き物の多くいる田んぼではヘイケボタルが必ず繁殖できるという確信と情報を得ていたという。そのチャンス到来というわけだ。

 私も鳥井さんが栽培している田んぼを何度か訪ねたことがある。はじめはコシヒカリだけだった。最近天井田では古代米に切り替えているらしい。ミドリマイ、神丹穂を作ったら谷津田に「ふさわしい品種と感じた」という。今年は加えてモチゴメ、紫イネ、黒イネを栽培している。湛水化をきちんとやれば雑草も生えない、従って除草もいらない。ほとんど手植え、手刈り、天日干しのおコメ・・・なんだか夢みたい。

 鳥井さんが作ったおコメではないけれど、多古町の「道の駅」には黒米の巻き寿司が売っている!モチモチして卵や海苔巻きにぴったり。

□2008年7月31日(木)

 「歴史と今を語り合う女性の会」の暑気払い。冷たいビールで・・・といきたいところだけれど、昼間で車なので食事とおしゃべり。それだけで2時間30分、暑さを忘れた。

 足の不自由な会員さんを迎えに行くと、すでに青い稲穂が顔を出している田んぼがチラホラ。早稲の品種かしら。明日からもう8月、これから日一日と実りの季節を迎えて色づいていくことだろう。聞いた話では、その地区では無人ヘリコプターによる農薬散布の希望者はわずか3人だったという。つい2年前まで有人ヘリで空からいっせいに撒いていたことを考えると隔世の感がある。

 先般詐欺罪で警察に逮捕された市民安全部交通防犯課の職員が30日付で懲戒免職となった。56歳だという。定年も近いというのに。「公務員としてあってはならない行為」というが、公務員あろうとなかろうと、やってはいけない犯罪行為だ。

 支持率が20%台で低迷している福田首相が内閣改造に踏み切るようだ。来たるべき解散総選挙とのかねあいでいつになるか取りざたされていた。しかし、なぜ内閣改造かといえば目先の政権維持のためであり、より実効性のある政治を行うためではない。騒いでいるのは入閣待ちの政治家たちとマスコミくらいではないか。シラける話だ。

□2008年7月30日(水)

 全国地方議員交流会が浦和市で開かれ、初めて参加した。どんな人たちが参加しているのかな、と思って顔を出したのだが、政党所属の議員もいたが各種市民運動の中で知り合った議員が数人いた。本当に久しぶりに会った人もいて、講演や報告の後の懇親会では交流を楽しんだ。今日は全体会で、明日も分科会があるが、「女性の会」の暑気払いなので私の参加は今日のみ。

 WTO(世界貿易機関)ドーハ・ラウンドの交渉が決裂し、閉幕した。今後日本政府はいっそうFTA(2国間や地域を対象にした自由貿易協定)推進に向かうだろう。経団連など経済界は農業を犠牲にしても国際競争を有利に進めようとしている。そうでなくても今や日本の農業は崖っぷちなのに。<BR>

 また、FTAは途上国に不利といわれる。富める国と貧しい国はますます二極化し、世界は混迷を深めるのだろうか。政治の貧困、経済の破たんの中で紛争や飢え、病気といった困難な環境に生きる人々を忘れてはならない。

□2008年7月29日(火)

 昨夜、市ヶ谷の防衛省敷地内でPAC3(地対空誘導弾パトリオット3)の機動展開訓練を実施した。その訓練で使われた発射装置(ランチャー)が習志野基地から運ばれたPAC3だという。模擬弾を搭載したランチャーが45度の角度で起動、別の場所からの「対空レーダーとのデータ送受信から発射に至るまでの一連の作業を実践さながらに訓練した」(サンケイ新聞)

 ところで、PAC3は習志野基地から夜8時過ぎに到着したようだが、移動するにあたり周辺自治体はもちろんのこと千葉県にも一切連絡はなかったという。千葉県は「国の専管事項」という認識で、報告がないのは「いつものこと」みたいに言っていたという。

  Nopacmissile<のMLでは「地方自治もなにもあったものではない。」「まったく、自衛隊は国内の『災害訓練』だけに専念していればいい!」といった怒りが飛び交っていた。私はセミナーの予定が入っていて参加できないが、8月3日はnopac3で抗議の申し入れをするという。

 ヘンな言い方かもしれないが、戦闘のためにのみ存在する軍隊に武器を与えちゃダメ。あれもほしい、これも必要・・・などとキリがない。

 その結果が、いまや自衛隊は世界有数の装備を持つ軍隊だ。さらに自・公政府は米国のミサイル防衛構想の一翼を担うべく実践訓練を始めたのだ。そして、いずれ自前の核武装を主張する声が高まってくるだろう。実験こそしないが技術的にはすでに政府も「造れるが被爆国なので造らない」言っている。

 原発大国。核兵器の材料となるプルトニウムは処分に困るほど。「隠して核武装」という言葉に真実味がある。

 朝、新日鉄八幡でコークス炉に石炭を運ぶベルトコンベアーから出火、数か所で火災が発生しているらしい。コークス炉は操業を停止したようだが、自動車産業などへの影響が懸念され始めたという。ふと、成田市が導入を予定しているシャフト式ガス化溶融炉をはどうなるのかしら?と思った。候補の一つが新日鉄だが、燃料はいわずもがなのコークス。機種選定委員会提言当時はトンあたり3万円として積算していたのが、一昨年あたりから石炭の輸入が減り、それを蒸し焼きにしたコークスも市場価格が当時の2.5~3倍の値段に高騰している。コークス工場の操業停止でコークスそのものが一時的着せよ品薄になるのでは、すでに導入している清掃工場も頭痛の種が増えるというものだ。

□2008年7月28日(月)

 今日はグランドサン15歳の誕生日。思えば、あれ以来私は大人のオトコへの興味を失ってしまった・・・というのはちょっと大げさだけど、XXとXYの遺伝子の違いをオギャアと生まれた時からみせつけてくれて、私の「男」性への偏見を軌道修正してくれた。

 こういう機会に思うのだが、よく日本は「血統主義」とか血統を重んじるというけれど、父系で血統うんぬんは幻想に過ぎない。血統を言うなら母系を採用したらいいと思う。グランドサンは私の産んだ娘が産んだ子だからゼッタイ100%私の血統であることは証明の必要がない。生物学的にはそれで済むが、社会的には民法などで「父の証明」が子どもだけでなく女性の権利までも侵害する場合ある。女性の再婚禁止期間などその顕著な例だ。もっとシンプルにならないかしら。

 どっちみち、現生人類(ホモ・サピエンス)をたどると約20万年前にアフリカで生まれた一人の女性「イヴ」にたどりつくというし。

 秋葉原の無差別大量殺傷事件の記憶が生々しい中、八王子でもアルバイトの女子大生が見ず知らずの男に殺された。昨日も、JR駅で6人をナイフで切りつけた女がいた。このところまるで連鎖反応的な事件が続出している。 ここ数年、安全・安心のまちづくりや地域防犯組織や防犯ネットワーク運動が盛んだ。成田市にも昨年「防犯まちづくり推進条例」が制定された。各自治体の条例制定は政府の肝いりだが、こうしたきっかけは犯罪の増加、と言われてきた。<BR>

 私は以前この「日記」で、そういう事実はないという専門家の発言を書いたが、今日の朝日新聞でも、「池上彰の新聞ななめ読み」コーナーでもこれを取り上げていた。本当に凶悪犯罪は増えているのか・・・彼が警視庁ホームページで確認したデータでは、刑法犯全体の認知件数は前年同期より約4万6000件減少、これは03年から07年まで5年連続減少。殺人事件(未遂含む)は

 07年は戦後最小で今年上半期はそれより10%増、凶悪犯罪は減り続けているという。

 ではなぜ「治安は悪化している」と思う人が増えているのか・・・その理由として、事件は減っていても「事件報道」が増えているということ、というのが池上さんの見方。なるほどね。彼がNHKの警視庁担当記者だった頃は殺人事件はめったに全国ニュースにならなかったか、なっても小さな扱いだったという。

 こうしたことを考えると、凶悪犯罪が増加している、治安が悪くなっているとして地域ごとに防犯組織をつくらせよう・・・地域ぐるみで犯罪を防止しよう・・・というのはメタルの表面であって、政府の意図はもっと他の所にあるのではないかと思ってしまう。善良なる住民として熱心に防犯活動をしている人には敬意を表するが、行き着く先は隣組相互監視社会だということを頭のどこかに置いておきたい。私は、そういう社会に組織されたくない。

□2008年7月27日(日)

 夕方はひどく荒れた天気だったが空は見ごたえがあった。北の空いっぱいに稲光が走り雷鳴がとどろき、西の印旛沼方面では花火がドーン、ドーンと立て続けに空ではじけ、その向こうの山の端は雲が切れ、夕焼けで染まっていた。しばし、そのダイナミックな光景に見とれる。

 夜も更けて、南の空に木星が美しい。木星といえばスピルバーグが映画界の「ビッグ・バン」と言ったという『2001年宇宙の旅』を思い出す。そして、続編『2010年』。モノリスから発せられる宇宙ネルギー、ビッグ・バンすらわが手のひらに意図するような確固たる意思をもつエネルギーが、木星を第二の太陽に変え、惑星イオに新しい生命の誕生を暗示する。「Something wonderfu」、それは地球に向けて発せられたメッセージ。
 木星をみつめながら、ふとあの星が第二の太陽になったら・・・と思いを巡らせる。イオには生命が誕生するかもしれないが、それだけのエネルギーを放出したら地球の環境にも影響があるはずだ。昼も夜も大小恒星の光が降り注ぎ始めたら、地球にとっても第二の創世記が始まるということなのかもしれない。でも、そういうことは私が死んでからにしてほしいなぁ。夜は暗くないと眠れない。

□2008年7月26日(土)

 午前中、残土・産廃問題ネットワーク・ちばの第10回総会。午後は同じ会場(千葉市美術館講堂)で直面する残土・産廃問題をめぐって討論集会。木更津で進められている「かずさ風の丘」や金谷の残土処分場は、「風の丘」は残土を埋めてエコ野菜栽培、金谷はお花畑・・・どちらも目的は残土埋め立て。その他県内各地の残土・産廃問題について徹底討論。活発な議論が交わされ、千葉県が抱える課題と今後の活動方針を確認した。

 総会では、残土・産廃ネットワークの前身である残土ネットワーク、その前のゴルフ場問題千葉県ネットワークと、20年余にわたって環境破壊問題をテーマにした市民団体を牽引してきた井村弘子さんが事務局長の任を後進に譲られた。精神的にも肉体的にも年齢を感じさせないほどのパワーの持ち主だからほとんど意識しなかったが、88歳になられるという。千葉県の環境市民団体にとって〝要〞のような方だ。事務局長は辞めても、「やることがいっぱいある」ということで、まだまだ環境保護運動の先頭に立って活動されることだろう。

 井村さんとは議員になる前、ゴルフ場問題の頃からのおつきあい。会の名称が変わっても目的は一つ。房総の豊かな自然環境を後世に残したい、ということ。そのために今何をなすべきかで、ゴルフ場、残土、残土・産廃へと、会の活動を共にしてきた。といっても、私の活動は成田市のエリアにとどまることの多い年月だったけれど。

□2008年7月24日(木)

 水田への農薬散布は今年から無人ヘリで地区ごとに行われることになったのだが、市民からの電話では、隣接地区や教育施設などへの周知徹底に問題がありそうだ。無人ヘリでも、有人ヘリと同様の安全対策をしなければいけないのだが、地区にはどのように通知されているのだろう。

 米国のBMD(弾道ミサイル防衛)構想に日本を引きずり込んだ張本人(というとかいかぶり過ぎかな)、戦争で金もうけをたくらむ「死の商人」たちのコーディネーターにしてエージェント秋山直紀がついに脱税容疑で逮捕された。日米軍事利権の闇の世界をまたにかけた(軍事)コンサルタントを逮捕することで、莫大な軍事費をめぐる利権の構造にまで手がつけられるか、それとも、秋山個人で終わらせるのか、東京地検特捜部の捜査に注目したい。問題は彼の背後の闇の世界だから。

 きくちゆみさんのメーリングで流れてきた22日のNaturalnews発の注目すべき情報。ドイツ連邦政府の「放射線防護のための研究」によれば、1980年~2003年の間にドイツにある原子力発電所の一つで5キロ圏内に住む5歳以下の子供たちの調査をした結果、小児がんの症例77、これはドイツの小児がん平均より60%高い、白血病に限ると37症例で、ドイツ平均が17症例なので倍以上高いことがわかったという。ドイツの原発は21か所、日本は55か所。原発大国日本政府は原発周辺を対象にしたこのような疫学調査はやっていないだろうな。

□2008年7月23日(水)

 ハリー・ポッター最終巻が発売された。販売の解禁時間は午前5時。購買欲を刺激するやり方だ。書店によっては並んだ人もいたらしい。私はどうも『ハリー・ポッター』には興味がなくて、じっくり楽しむ気分にはなれない。本を読んだこともないし、映画もちょっと覗き見したくらい。

 ファンタジー文学というジャンルに興味がないわけではない。こうした文学の元祖(と、勝手に思っている)のような『オズの魔法使い』や『不思議の国のアリス』などは子どもの頃熱中した。オズの世界は夢に現れたくらい好きだった。新しくは、

 『指輪物語』は読まなかったが映画「ロード・オブ・ザ・リング」は面白かった!構成がしっかりしていて、「歴史性」すら感じさせた。ファンタジーにもいろいろあるからね。

 それより、昨日からNHKラジオで子ども科学電話相談始まって、私は嬉しい。でも、今日の質問者の中に中3とかいう男の子がいたが、あれはどう聞いても大人の声ではないかと思って不愉快になった。たとえ変声期過ぎた声でも、子どもとオッサンの声は違うと思う。ずいぶん前にもわざと子どもの声でしつこく質問するオバサンがいた。受付ではチェックできないのかしら?<

 大分県の教員採用汚職事件は泥沼化している。教員採用だけでなく、教員の昇進にも浸透していたようだ。各界を網羅するような口利きの横行、事前のワイロ、事後の成功報酬、発表前に合否を伝えたり・・・これについては、結果を早く知りたい気持ちはわかるけれど、早く知って何か得することでもあるのだろうか。なければそんな無駄なことをどうして人に頼んだりするのだろう。</span><BR>

 今回の事件をきっかけに、似たような構造が全国に存在することが見えてきた。教師が子どもに与える影響は絶大だ。私も、たくさんの素晴らしい先生にめぐり合い、人生の方向を決めるような影響を受けた。だから教育界という閉鎖的な世界に閉じ込めてしまわずに、膿を出しきってほしいと思う。

□2008年7月21日(月)

 「たいむ」は完全手作りなので今日も昼間は印刷工と折り姫。夕方、公津の杜をポスティングしてくれるボランティアさんのところに。それから注文しておいた週刊ダイヤモンドが届いたというので書店に引き取りに行く。7月12日号で、「税のムダづかいに反撃せよ!住民監査請求のススメ<」を特集している。

 その中で結成18年の市民グループ「見張り番」(大阪)と代表世話人の松浦米子さんたちの活動を紹介している。現在のような「市民オンブズマン」の運動がなかった時代からこれまで、粘り強く「見張り」を続けているのは素晴らしい。

 私も、当時一緒に市民運動をしていた「市民の会」の仲間と1989年・1991年の2回、税金の使い方をめぐって住民監査請求とそれが却下されたことで住民訴訟をやった。

 1989年の監査請求は成田市制初だった。議会が承認して執行される予算の使い方に市民が異議を申し立てるのは「常軌を逸している」と言われた時代だった。

 しかし、今や全国で国民・住民が税金の使い方に目を光らせるようになった。議会に「おまかせ」でない主権者が増えることは民主主義を活性させる。そんなつながりもあり、松浦さんとは私が関係している住民投票運動の中で出会ったことがある。

 去る19日未明、埼玉県で中学3年の少女が寝ている父親を刺殺するという事件が起きた。続報を読むと、喧嘩もなく普通の関係(母親)といい、中3は「父と会話少ない」、そして「お父さんが家族(母親と弟)を殺す夢をみた」とも言っているらしい。直前まで「普通」の父と娘だったのに、就寝後娘が父を殺す・・・何故?

 ふと、同じように寝ている時に娘に刺殺された某著名人の事件を思い出した。記憶では娘に精神的な疾患があって治療を受けていたと報道されていたように思う。ただ・・・これは決して表には出なかったし真偽のほどは定かでないが、報道人の間では「性的虐待の疑い」も囁かれていた。

 「殺害の動機見えず」と言われるが、相手が眠っているのを見計らって刺殺するという殺害方法は、圧倒的に力の弱い立場の者が選ぶ方法だろう。まして父と娘。その力関係とは何だったのか。

□2008年7月20日(日)

一日中、タオルを首に巻いて印刷機と折り機の間を行ったり来たり。機械にまかせきりに出来ないのが辛い。それにしても、暑い。<

 夕方、「たいむ」の郵送やポスティングをしてくれるボランティアさんのところに仕上がりを持っていく。その後で坂田が池のハスの咲き具合を見に行ったら、やっぱり・・・気にしていた現実。5月に池に行くと、水面に顔を出している葉がほんのわずかだったので公園緑地課に問い合わせると、増えすぎて困るので冬にハスを刈り取ったという。それにしても池にはハスの影もない漢字で、刈り取るにもやり方があるだろうに・・・と思いつつも、6月を待つ。

 6月になっても、水面には小さな葉が間隔をおいて浮かぶだけ。こんなに徹底的に刈り取ったら花が咲くかしら?という疑問が湧いてきた。でも、植物が勢いを増す7月を待つ。

 7月に入り、葉は増えたが小さく去年の勢いがない。いつもは大きな葉と花が池を彩る季節なのに。蕾を数えたら隅っこに白いのが2個。それから1週間、白い花が数個。蕾は少し目についたが、とにかく葉も花も蕾も小さい。もう少し、8月を待ってみよう。

 夜、韓国ドラマ「ファン・ジニ」を観る。技芸に秀でた美しい妓生(キーセン・朝鮮の官妓)の芸と恋の物語。ヒロインが頑固で難しい性格なのでじれったいけれど、そこが面白い。相手の恋人がいわゆるイケメンでないのもホッとする。久しぶりに「身分違い」の悲恋に涙を流した。

 昨日、眼が時々ショボショボするので検査をしたが結果はドライ・アイというほどではないが、涙の出は少なくなっているらしい。気になる時に目薬をさすことにしたが、今日はいっぱい涙を流したので目薬で補給しておいた。

□2008年7月19日(土)

気象庁によれば「梅雨が明けたと思われる」らしい。さっそく塩と紫蘇で漬けてあった梅を干した。ん~、いい香り!量は去年の倍以上。またまた自慢話ができて嬉しい・・・。

 今日は3ヵ月ぶりに日赤の眼科を受診。社会的失明と恐れられている「加齢黄斑変性」(ともう一つ、中心の網膜に水が滲む長ったらしい病名の眼病)の疑いがあった私の左眼も、5月末には焦点にあった薄いグレーの点が消え、歪みが少し残るのみとなった。そこで、今日眼底検査をしてやっと病名がついた。中心性漿液性網脈絡膜症という、水が滲み出る病気のようだ。滲み出ても消えていくらしいが、また滲み出ることもあるそうだ。ま、ドクターも初診の時にこっちじゃないか?と言っていたけれど・・・。

 歳を重ねると、考えもしなかった病気になったりするものだ。老眼はしかたないとしても、眼でこんなに心配させられるなんて予想だにしなかった。この間NHKの「ためしてガッテン」アンコール放送で黄斑変性をとりあげていたけれど、これまで欧米に多かったこの眼病が今、日本でも急増しているらしい。ある日突然発症し、生活にも支障をきたす。原因ははっきりしていないが、男性と喫煙者に多いようだ。

 インドのタミルナド州政府は「アラバニ」と呼ばれ差別されてきた男でも女でもない「第三の性」を認めて生活支援を始めたという。このアラバニは、体は男で心は女のことを言い、統計はないが同州の人口6240万人中15万人はいるといわれる。仕事は物乞いか売春しかないという。

 逆に、体は女で心は男のことは全く無視されているが、ともかく性同一性障害の一方がこんなにたくさんいるということは、どうしてだろう?

 「性同一性障害」は「障害」として認知されたが、日本でも最近カミングアウトする人が出てきているとはいえL(レスビアン)G(ゲイ)B(バイセクシャル)T(トランスセクシャル)といったセクシャルマイノリティの人たちが社会的な差別の対象となっているのはいずこも同じ。とはいえLGBTは今に始まっためずらしいことではなく、人類の書かれた歴史にも様々な場面で登場している。『旧約聖書』では「ソドムとゴモラ」で同性愛が世にはびこったので神が滅ぼしたと記している。もちろんシンボリックなものだが、要するに、同性愛では子どもが生まれず子孫が繁栄しないからだろう。いまじゃ生殖医療が発達しているから神に心配してもらう必要もない。

 先日BBCを見ていたら、イギリスのナントカという市はこうしたLGBTの人たちを支援するのに年間<2000万円の予算を組んでいるらしい。

 人が何を愛すかはその人の自由だ、でも、人は何かを愛さないでは生きられない・・・キャサリン・マンスフィールドの『カナリア』だったけ、Love something One mus

□2008年7月18日(金)

 お墓参りで実家に行き、もぎたてのトウモロコシやナス、トマトをもらってきた。トウモロコシといえば、初めて自分で茹でた時から今日まで、鍋にトウモロコシが半分かかるくらいの水を入れ、片面15</span>分ずつ茹でると信じて?いた。それにしてはいつも粒の表面がシワシワになってしまうなぁと思っていたけれど、それはトウモロコシのせいにしていた。だから、妹に4~5分でいいと言われた時は思わず「えーッ!」。でも、そのとおり茹でたらプリプリした歯ごたえにゆであがった。

 ついでに、少し前に知ったことをもう一つ。山奥の食事処でメニュの「岩魚」を「イワウオってなんだ?」と尋ねてとても恥ずかしい思いをした。・・・だって、このトシになるまで、カタカナでイワナとしか知らなかったんですもの。それに、そうでなくとも骨の多い魚は苦手なのにイワナは細くて固い骨がいっぱいついていて、食べた後を人に見せたくないから自分から注文することもなかった。周囲がイワナ、イワナと騒ぐから付き合って食べようと思ったのに・・・。<

 こういうのをトホホのホ、という。

 今日は雨が降ったりやんだり、大気も不安定だった。南の海上を移動中の台風の影響かしら?毎日蒸し暑い日が続くと、ついに日本も夏場は亜熱帯気候になったのかしら、と思ってしまう。今年も冷房を使わない生活をするつもりだが、健康でいられればこそ、と思ってしまう。

□2008年717日(木)

 今日は本当に暑い一日だった。でも、気合いを入れて「たいむ」67号を仕上げる決意。早朝の電話に起こされて目が覚めてしまい、二度寝するには中途半端な時間だったのでそのまま仕事に入り、3時には版下完成!もちろんその間には食事の支度やらいろいろあるんだけど。

 続いて印刷や折りが待っている。そして、配布をしてくれるボランティアさんに持っていく。暑い時期なので申し訳ないと思いつつ、いつも感謝。私も、この時期は昼の日差しを避けて自分が住む橋賀台地区や合併で広がった区域の住宅団地などを配布する。ポスティングは思いがけない出会いがあるので楽しい。それに・・・夏は1日2~3時間歩くと確実に体重がしぼれるのだ!ほんのちょっとスリムになれる。「たいむ」の配布は一石三鳥くらいの効果がある。

 特別のことでない限り仕事も勉強もながら族なので、「たいむ」原稿をパソコンで打ったり、プリントして切ったり貼ったりしている時NHKラジオを聴いていたら、秋山ちえ子さんがゲストで平和を語っていた。戦争中上野動物園で飢死させられた「かわいそうなゾウ」の朗読には涙がこぼれて仕事にならなかった。秋山さんは91歳になるらしい。志のある人は違う。

 秋山ちえ子さんは、私にとって勝手に、個人的に近しい人なのだ。なぜなら、亡き母によれば、私はずいぶん幼い頃ラジオで秋山ちえ子さんを聴いて『あんな人になりたい』と言ったらしい。私の記憶にはないのだが、母は3年前に亡くなるまで折にふれてそのことを私に語ったものだ。まぁ、私は女子大志望をやめて男女共学を選んで以来ずっと、母の期待に応える娘ではなかったからね。

 昨日から3日間、先日亡くなったターシャ・テューダーの番組が連続放送されている。昨日も、眠い(といっても8時だけど)目をこすりながら生前のターシャに釘付けになった。今日も版下が仕上がった後ちょっと仮眠して夜に備えた。私もいつかあんなしわがれ声になれるかしら?

□2008年7月15日(火)

「協働労働の協同組合」法制化をめざす市民会議ネットワーク事務局の人が訪ねてきたので話を聞く。<

 協働労働の共同組合は、働く人たちが出資し合い全員が仕事に参加し経営を担うスタイルで、すでにワーカーズコープや、ワーカーズコレクティブ、農村女性ワーカーズ、障害者団体などが活動していて、全国では10万人位がこの新しい働き方をしているという。成田でもワーカーズコレクティブのリサイクルショップがある。ただ、こうした働き方には根拠法がないために法制度の整備を求めている。

 私も以前から女性やリタイアした人たち、そして障害者の就労などの雇用の創出や地域の活性化を考えると、NPOなど多様な活動を広げていくことが望ましいと思っていたので、さらに踏み込んだこのような働き方を制度的にきちんと位置付けることは必要だと思う。

 ワーキング・プアが1千万人といわれるなど既成の労働環境が崩壊しつつある中で、未来に希望を持てない若者や老後の不安に直面する高齢者の増大など、社会の基盤が揺らいでいるのは誰もが認めるところである。若者たちが多喜二の『蟹工船』に共感し、後期高齢者医療制度で老い先短い高齢者の怒りが爆発した。団塊のリタイアが始まり、巷にあふれ始めた。ここに至って政府もやっと危機感を感じ始めたようだ。

 経済界主導の政治の貧困がもたらした結果だが、働く人たちを犠牲にした繁栄は砂上の楼閣だ。

 東京高裁でエコテック裁判の控訴審を傍聴。住民側弁護団は富津の安定型産廃処分場建設問題で完全勝訴を勝ち取った裁判の弁護団。

 中学生に領土意識、国家意識をもたせようと政府・文部省が「竹島」を中学指導要領に初めて記述したことで韓国が猛反発している。「国家」とか「領土」というのは私にはほとんど興味ない。どっちが早く「オレっちのモノ」と宣言したかのレベルだから。この地球が生まれたとき国家はあったか?日韓という国家がなかったその昔、朝鮮半島と日本列島のこの一帯に住んでいたのは「倭人」と呼ばれる人たちだったという。「日本人」ではない。いっそのこと竹島は日韓共有にしたら?

□2008年7月13日(日)

 このところ2つの視察で6日間成田を留守にした。おかげでスケジュールをこなしきれていない。エジプトの素子さんからも原稿が届いているし、そろそろ「たいむ」67号もつくらないと。

 今日は何だかバテ気味で一日中気分も散漫。うろうろしていたら、BSで〝あなたのアンコール太王四神記ペ・ヨンジュンが語る撮影秘話〞を再放送していたので気分転換に見た。 

 ヨン様といえば、かつて「冬のソナタ」で人気沸騰中の彼が来日した時も、NHKはスタジオに招いてストーリーやら音楽やらも織り込んでこってりしたインタヴュー番組を放送した。あの頃の「冬ソナ」ブームはすごかった・・・。そのへんのところはジャーナリズム・マスメディア研究を専門とする林香里さんの『冬ソナ』にハマった私たち―純愛、涙、マスコミ・・・そして韓国」(05年・文春新書)という本が面白い。夜は市民団体の例会があり、オブザーバーで出席した。

□2008年7月12日(土)

 つかの間、梅雨が明けたかと思わせる夏の日差しを感じたが、どうやらまだしばらく続くらしい。梅を干すのはもう少し我慢。産直の太い大根をもてあまし、切干大根にしようと干しておいたが、外出している間に降ったにわか雨のせいで夜帰ったらもとに戻ってしまった。とほほ・・・。

 午後、九条の会・千葉地方議員ネットワークの総会と前岩国市長井原勝介さんの講演。議員ネットの総会は設立総会の時に出席して以来久しぶり。あとはネット主催のイベントの時に都合がつけば参加しているくらい。

 2月の市長選以来久しぶりに井原さんの話を聞いた。井原さんは旧労働省のキャリア官僚から岩国市長になった。地方から市民主権の政治を目指したという。民主主義と地方自治を守ろうという確固たる信念が気持ち良く伝わってくる講演だった。市長選挙には惜しくも敗れたが、4月には後援会を解散して新たな政治グループ「草の根ネットワーク岩国」を設立し市民主権の政治目指すという。また、個人的に「草莽(そうもう)塾」を開設されたそうだ。背筋がピンと伸びたその姿と、一点の曇りもないその志にあらためて感動した。

 米軍再編問題とそれをめぐる住民投票以来、私も岩国から目が離せない一人だった。岩国市民の民意とそれを尊重しようという市長をねじ伏せようとする政府のすさまじい圧力に屈せず闘う中で、井原さんは日本の民主主義と地方自治を守り発展させる運動のリーダーの一人になったと思う。これからも岩国から目が離せない。

□2008年7月11日(金)

 近頃よく教員の「質」が問題にされる。「質」って何だろう?持って生まれた資質、教員になる過程で身につけた専門的な知識、教員になってから経験の中で積み上げたもの等々がその教員の「質」を決めていくのだろう。教員採用試験の点数だけで「質」が決まるわけではない。しかし、学校は学力を身につけるところなのだから教員が一定のレベルにあることは必須の要件だと思う。その採用試験への「信頼」が揺らいでいる。

 いやはや・・・大分県の教員採用をめぐる汚職事件では県議や県教委幹部、教育委員、県教組に採用枠が割り振られていたとかいう関係者の証言。まだ全容が解明されたわけではないけれど、教員の世界というのは医者の世界と似て狭くて閉鎖的な世界だから、事件の構造はなんとなく想像がつく。

 どれだけ狭いかというと、夫婦で教員というのはよくあることだが、親子で、あるいは家族代々教員という家庭もある。私の母方の親類縁者にもそうした家族が何組かいる。互いに知った職業ということで利点もあるだろうが、親子三代夫婦で教員というと、世襲でもあるまいに・・・と思ってしまう。

 でも、そうした環境の中で教員の親がなんとしてもわが子を教員にしようと汚職に手を染めるようなら、歪んでいる。大分では、摘発された事件の年には合格者の約半数がワイロでゲタをはかせてもらって合格したらしい。その約半数のために、教職への志をもってフェアに受験したのの落とされた人たちには取り返しのつかないことだ。そもそも採用試験をなんと考えているのだろう。

 この前も日記に書いたけれど、どこでもありそうな話なので千葉県なども徹底的に調査すべきだと思う。

 ところで、去る8日、視察先で宿泊したホテルに成田市から不祥事発生の知らせが入った。市民安全部交通防犯課の職員が詐欺罪その他で千葉地検に書類送検されたという。共犯がいて、平成

 1711月に犯行に及んだらしい。安全や防犯に携わる職員が・・・と思っただけで憂鬱な気分だ。市長は厳正な対処をするという。

□2008年7月10日(木)

 去る8日から本日まで総務常任委員会の視察で鳥取県米子市と島根県出雲市・松江市に行ってきた。

米子市では現在策定中の自治基本条例の、策定プロセスについて。これは私がこれまで経験したり学んだ市民参加のプロセスの中でパブリック・インボルブメント(PI)など最も市民主権度の高い手法が使われていて、感動?すら覚えた。ほかに、安全安心ネットワークについて。

 出雲市では男女共同参画センター(くすのきプラーザ)。男女共同参画都市宣言をしているいわば男女共同参画関連施策の先進市なのでちょっと成田市のレベルでは意識的にも実践的にも比較にならず、ただベンキョウさせてもらった。でも・・・成田だってやる気があればできるという感触を持つ。どういうかたちにしろ、拠点が必要だと通説に感じた。

 11月には「全国男女共同参画宣言都市サミットinいずも」の開催市となっている。ほかに、安全で安心なまちづくり条例、「日本の心のふるさと出雲」応援寄付条例について。

 松江市では市民活動センター。同じ建物の中に生涯学習センター(教育委員会)、男女共同参画センターも入っている。市民活動への支援策が充実しいてることを実感。

 駆け足で回って消化不良の点もあったけれど、先進的な施策を行っている自治体を視察すると、とっても刺激的。特に男女共同参画センターは歴代市長の重要施策に入っているのに実現せず、小泉現市長への一般質問でもほっとんど反応ナシ!成田市では何ができるか、あれこれ考える楽しみが増すというものだ。

□2008年7月7日(月)

 七夕。厚い雲に覆われてヴェガ(織女)もアルタイル(牽牛)も、その間に横たわる天の川も・・・星はぜーんぶ見えない。

 今日から洞爺湖でG8サミット。「核とミサイル防衛にNO!キャンペーン」のSさんによれば、今回はサミット防衛ということで陸海空自衛隊がG8防衛軍となって前例のない軍事展開を行っているという。

 化学防護隊、第一ヘリコプター団の初投入、2隻のイージス艦と約10隻の護衛艦の派遣、迎撃ミサイルPAC3の配備、空中警戒管制機(AWACS)とE2C早期警戒機による会場上空24時間空中警戒、さらにはF15、F2各2機の戦闘機による会場上空旋回警戒飛行(CAP)も行われようとしているらしい。同時に首都圏を中心に各自衛隊駐屯地の警備も強化され、そのため司令塔となる防衛省地下の作戦室にはいつもより5割増の職員50人が詰めるそうだ。

 すごいなぁ・・・自衛隊にとってサミットは格好の「臨戦態勢の予行演習」ということか。でも、そのために莫大な燃料を消費するし、大量の二酸化炭素を排出する。例えば戦闘機1機は自動車約1万台のCO2を排出するという。

 いまやサミットは環境が大きなテーマなのに、なんとも皮肉なことだ。

 とはいえ、世界をおおう貧困、食糧問題、感染症、紛争、そして人類の未来に影を落とす温暖化問題などを放置できない。できあいのG8などに依拠せず、地球市民の立場からの連帯が必要だと思う。

 新聞を読んでいてビックリしたのは、大分県で小学校教員採用試験をめぐる汚職。いまどきこんなことが行われていたのか・・・と思うと同時に、これって大分だけなのかしら?という疑いも。こうした不正によって子どもたちの利益が侵害されるということを忘れないでほしい。

□2008年7月6日(日)

 朝日の県版に千葉県の残土問題が載っていたと思ったら、昼のTBSテレビ「噂の!東京マガジン」では〝噂の現場夢の計画なのか?残土野菜が食卓にのる日〞が放映された。

 とりあげられていたのは〝残土農園〞。木更津市真里谷のゴルフ場計画が破たんしたあとの広大な谷を残土で埋め、農園をつくってエコ農業をやるんだと。まず一期事業としてキュウリを栽培し、12月には東京市場に出荷する計画らしい。計画したコンサルは放置された「里山の再開発」らしいが、自分は「食べようと思わない」。

 残土産廃問題ネットワークでも地元議員が加わってこの問題に取り組んでいるが、運動を通してこの業界をみてきたメンバーは、「農園」は地元の理解を得るためのカモフラージュで、埋め立てがすべて終了したら農園計画など消えてしまうのではないかと思っている。

 木更津市農業委員会は「残土による造成」「地元への説明不足」などを理由に許可しなかったという。こういう心意気を示せるところが成田市農業委員会と違うところ。が、千葉県は書類上不備がないということで許可。

 残土埋め立ての目的には農地の「有効活用」がある。例えば放置した谷津田や山林などを道路から入りやすい高さに残土で埋め、新たな畑や資材置き場、駐車場その他「効率的」に使おうということ。たいていは地元に詳しい仲介人と業者が結託(これは産廃も同じ)してそういう土地に目をつけ、地権者と契約をして農地の一時転用で残土埋め立て事業というのが入ってくる。ここで時々悪徳業者による不法投棄が発生する。計画をはるかに超える量の残土の山を作り、逃げてしまう。こうした場所は市内各所に点在している。汚泥その他産廃が混入している「残土」の質も問題だ。

 成田市は県条例の適用除外となっている9市2町の一つで独自の規制を設けてはいるが、住民同意の強化や拡張を含む総量規制などまだ検討の余地があるとおもう。

□2008年7月5日(土)

 昨日、富津市田倉の安定型産業廃棄物最終処分場建設差し止め裁判上告審で、最高裁は業者の上告を棄却する決定をした。

 田倉処分場計画は、千葉地裁木更津支部、東京高裁ともに裁判官が現地を視察し、「安定5品目」といえども地下水汚染の危険性を認め、処分場の建設・操業の差し止めを命じる画期的な判決となった。これを不服とする業者の上告棄却で、1、2審の判決が確定。

 計画から20年、法廷闘争を始めて7年、「天羽の水を守る会」など地元住民の粘り強い運動と弁護団の結束がもたらした勝利といえるだろう。農家の人たちが野菜を売って裁判の費用の一部にしているという話を懐かしく思い出した。

 ところが処分場の許可権をもつ千葉県は、現行法を盾に「仮に再度申請が出された場合、受理せざるを得ない可能性もある」と言っているらしい。「法」があっても、県条例で横出し上乗せの自主的判断はできるはず。更に、知事の政治決断というのもあるではないか。

 折にふれて化学物質過敏症(Chemical sensitivity)の情報をメールで届けてくれる関西のEKさん。EKさん自身CSで苦しんでいることもあり、CSへの理解と配慮、そして予防原則などについて周辺の自治体に働きかけている。その成果が自治体や医療機関などで少しずつ取り入れられてきている、今日はそうして実った成果の喜びを伝えるメールが届いた。私も嬉しい。

 一昨年の冬に化学物質にデリケートな人を車に乗せた時、置いてあった芳香剤に反応したことがあった。CSになると、この種の芳香剤や香水、整髪料など香料に反応するという。以来、脱臭効果があるという炭を置いている。

 CSになると、生きていくことそのものが大変だということを成田市内に住む患者のUさんからも教えられた。CSの人は確実に増えている。これまでも農薬や身の回りの有害化学物質について一般質問などをしてきたが、テーマが大きすぎてまだ緒についてばかりだ。

□2008年7月4日(金)

 朝、NHKラジオをつけたまま仕事をしていたら、書店主が売れ筋の本を紹介していた。と、総合1位は「プロレタリア文学の古典」といわれる小林多喜二の『蟹工船』(1929)。高校時代、多喜二がその思想のゆえに特高警察の拷問で虐殺され、自宅かどこかに帰ってきた時の遺体の写真を見たことがある。体中腫れあがり、変色しているのが手に取るようにわかった。あの、凶暴な天皇制軍国主義の時代と制度は異なるけれど、底辺を流れるこの国の人権無視の風潮には大差はないだろう。 『蟹工船』が若者の共感を呼んでいるという話は知っていたが、本当のようだ。その書店でもこの1か月で300冊売れたという。買っていくのは若い人。働いても働いても生活保護水準以下の収入という、「ワーキングプア」と呼ばれる層の若者たちの共感を得ているようだ。過酷な労働条件の中で将来への夢や希望をなくしかけた、あるいはとっくに捨てた若者たちが・・・と思うと胸が詰まる思いだ。そのうち、カール・マルクスの『賃労働と資本』や『共産党宣言』にいく若者も出てくるかしら。

 イギリス産業革命の勃興期、女性や子どもたちが健康を害しながら十数時間労働を強いられた時期があった。もちろん低賃金。マルクスはその悲惨な現実の中から『資本論』等を著し、人間の尊厳を取り戻すために『共産党宣言』を世に発した。

 今、私たちがあたりまえのように思っている労働者の諸権利が政治的な要求課題として掲げられたのは共産主義インターナショナルからだ。その恩も忘れて「マルクスは古い」などとピントがずれたことを言って、せっかく先人たちが血と涙と汗でかちとってきた諸権利を経営者に譲り渡そうとさえしている労働貴族などに、未来どころか明日への希望すら奪われた若者の思いを想像する感性などないだろう。

 若者を低賃金・使い捨てにするような社会に未来はない。しかし経団連は1割の正社員と、言いなりなりになる9割の使い捨て労働者でいい、とまで公言している。長期政権も末期の自民党と、対する民主党がどこまでこの深刻な事態を認識し、変えられるか。

 ・・・ということで、まずは政権を変えるために選挙に行こう!1票の権利を行使しよう!そして働く環境を整え、社会保障を充実させ、年寄りがいつまでも仕事にしがみつかないで若者に仕事を譲り、老若ともに将来設計ができるような政策をやらせよう。 2大政党が切磋琢磨できないようなら・・・残された道は「革命」しかないじゃない?

□2008年7月3日(木)

 昨日視察から帰って成田駅に着くと、改札の向こうにお巡りさんが2人、こっちを見ていた。ヤバイ!と思うようなことはやっていなくても、知らない人はいったい何かあったの?と思うだろう。人の心をザワつかせる効果はある。

 7月が近づく頃から「あそこの駅に警官がいた」「こんな駅にもいた!」などと各駅チェックメールが入るようになった。いよいよ「サミット近し」で、首都圏や札幌など大都市が警官だらけになっている。テロ・ゲリラ・デモ対策らしいけれど、警官どころか軍隊まで動員しないと開催できないようなサミットこそ、ヤバいんじゃない?

 今日は市役所に行く途中3台のワゴン車に出合った。そんでもって市役所の駐車場に入ったら警察のワゴン車が駐車していた。その後県庁に用事があって出かけると、庁舎の入口周辺あっちこっちに警官が立っていた。

 わが成田市には、沖縄の米軍基地よりも高くて頑丈で高性能の2重3重フェンスと警官と警備員にガードされている国際空港があるからモノモノしさには慣れている。でも、市民生活の中でこんなにたくさんの警官に出会うと、「これで市民は安心!」というより「なんかフツーじゃないよねー」と思ってしまう、私は。

□2008年7月2日(水)

 6月30日(月)から今日まで新清掃工場整備特別委員会の視察。上越市、長岡市、新潟市の余熱利用施設3か所と、ガス化溶融炉シャフト式で、酸素式熱分解直接溶融炉(燃料はLPG)を導入した南魚沼市環境衛生センターを視察した。<

 新潟市の余熱利用施設視察の際は市の環境部職員も同席していて、やはり新清掃工場建設予定(機種はストーカ式焼却炉プラス灰溶融炉)ということで、機種の性能や選定過程について話を聞く機会があった。

 南魚沼市環境衛生センターは市の直営で、説明にあたってくれた所長が環境部職員を経験していたこともあり、様々な角度からの説明や率直な意見が聞けた。

 参加した委員は各自の所見を7月中に提出する予定。

 今年1月に次いで今回と、清掃工場3ヵ所、余熱利用施設5ヵ所の施設見学を終え、これから特別委員会として意見のとりまとめに入っていく。機種選定委員会の提言は提言として、視察の成果がどの程度反映されるのか市民も注目していることだろう。  かつて中越大地震に直撃された山古志村などの周辺地域もバスで走り抜けたが、見たところ山崩れの跡や高速道路の亀裂を修復した跡などに被害の痕跡を残しているものの、外見からはもう大地震の傷痕を感じることはできない。でも、まだ仮設住宅に暮らす人たちもいるという。

 魚沼産コシヒカリをはじめとする米どころは、梅雨の合間に顔を出した夏の日差しの中で瑞々しく輝いていた。バスのガイドさんは「何もなくて退屈でしょう」と言ったが、深く連なる山々と田んぼ、清らかな水・・・見ているだけで心が洗われていくような風景だった。お酒でしか知らなかった八海山もくっきりと姿を現していた。わずかに残った雪も、7月中旬には消えるらしい。