≪れ≫でし!


「例外のない規則はない」でし
『どんなものにも例外は必ずある』という事でし。
ことわざだって、たまに反対の意味のものがあったりするのは、
例外を認めているとでもいうべきなんでし。
「それじゃああたしが例外ってやつを挙げて行くね。」
花織しゃん、そういうことは別にしなくてもいいんでしが・・・。
そういえば花織しゃんの作るお弁当はごく稀に美味しいものができるそうでしね。
「なに?それが例外だって事にしたいの?
ダメよ!あれは偶然じゃないんだから!」
偶然だろうとなかろうと、花織しゃんの作るお弁当は、
いつもいつもとんでもないという事を聞いてるでし。
「ちょっと離珠ちゃん、そんな事言ったのはどこの誰よ!」
た、たかししゃんでし。
「野村先輩いいぃぃ!!」
凄い形相になって、花織しゃんは走り去ってしまったでし。
いやあ、花織しゃんもあんなに激しく怒る事があるんでしねえ。


「禮(れい)に始まり乱におわる」でし
『酒盛りははじめは礼儀正しく始められるが、
しまいには礼儀などまったく顧みない事になってしまう』という事でし。
「南極寿星のじーさんが酒盛りすると、必ずこうだよな。」
それは違うでしよ虎賁しゃん。
「なんでだ?」
始まりかられいなんんて、聞いた事無いでし。
「・・・納得。」
「このワシをなんだとおもっとるんじゃ!!罰としてほれ、飲め飲め!」
既にできあがってるでし。
「また月天様に怒られそうだなあ・・・。」


「禮(れい)は却って無禮の沙汰」でし
ある日のことでし。
太助しゃまとたかししゃんと乎一郎しゃんが花織しゃんの家に招待されたんでし。
「なあ太助、なんで俺達が呼ばれたんだ?」
「さあ・・・。愛原はただ三人で来てくれって言っただけだしなあ。」
「僕、なんだか嫌な予感がするんだけど・・・。」
リビングにてひそひそと声を交わしていた三人でしが、
花織しゃんの登場によって、それをぴたっと止めたでし。
「よーこそ、先輩達〜!!今回は普段の御礼と思って招待しました〜!!」
「・・・花織ちゃん、その手に持ってるのって?」
「今さっき出来あがった花織特製のクッキーですっ!!」
「げ・・・。」
「うわあ・・・。」
聞いた瞬間嫌そうな顔になった三人だったんでしが、
それに構わず花織しゃんはすっとそのお皿を差し出したんでし。
「さ、遠慮無くどうぞ。」
「いや、俺さっき飯食ったばっかりだから・・・。」
「お構いなく。」
「僕もっ。」
口々に断った三人。
しかし花織しゃんは、
「そう遠慮しなくっても。さ、どうぞ。」
と、笑顔だったんでし。
それでも三人とも、
「いや、お気遣い無く・・・。」
と、遠慮。
そのやりとりがしばらく続いて・・・。
「いいかげんにしてください!!折角あたしが用意したのに食べられいってんですか!?」
「いやあの、そういうわけじゃ・・・」
「顔がそう言ってます!!今回はとっても上手くいったのに・・・
先輩達のバカー!!!」
泣きながら花織しゃんは走り去ってしまったでし。
『あまりつまらぬ遠慮はするな。
馬鹿遠慮は相手の折角の好意を無にすることになり、却って失礼になる』という事でし。
後日、その話を聞かされたときは例えにこれだって思ったんでしよ。
もう、駄目じゃないでしか三人とも。花織しゃんに失礼過ぎるでし。
「いや、あの場合は・・・。」
「でも、あの後食べてみたら本当に美味しかったんだよね。」
「そうそう。愛原にはほんと悪い事しちゃったな・・・。」
後でしっかり謝って、なんとか丸く収まったみたいでし。
皆しゃんも気をつけるでしっ!


「禮も過ぎれば無禮になる」でし
これは出雲しゃんに言っておくべきかもしれないでし。
「離珠さん、それは納得いきませんね。」
ふぁさぁ
「私は、ちゃんと程度を考えて丁寧に接していますよ?」
・・・そうでしね。出雲しゃんには不必要だったでし!
「わかっていただけて光栄です。」
ふぁさぁ
「光栄ついでと言ってはなんですが、薄皮饅頭をどうぞ。
ちゅわ!ありがとうでし〜。
もぐもぐもぐ
あ、ちなみにこの言葉の意味は・・・。
『馬鹿丁寧なのはかえって不自然で、かえって先方を馬鹿にすることになるから、
程度を考えてしなければならない』という事でし。
「おい、お前ら。」
あれ?虎賁しゃん?
「珍しいですね。あなたがやってくるなんて。」
ふぁさぁ
「どの様な用件で?」
「さっきから見てたけど、おいらが思うに丁寧以前に問題があるぞ。」
気のせいでしよ、虎賁しゃん。
ぱくぱくぱくぱく
「おめーも食い物につられてんじゃねーっての!」


「礼も過ぎれば無礼」でし
この前、乎一郎しゃんが病気だったんで、みんなでお見舞いに行ったんでし。
たかししゃんは元気になる歌を。花織しゃんは元気になるゲームを。
太助しゃまは元気になる苦労話を。シャオしゃまは元気になる花を。
翔子しゃんは元気になる嘘を。キリュウしゃんは元気になる試練を。
出雲しゃんは元気になるお菓子を。ルーアンしゃんは元気になる陽天心○○を。
みんなみんな、いっぱいいっぱい贈り物を持っていったんでしよ。
でも、乎一郎しゃんの具合が悪化してしまったんでし。
うーん、少し丁寧に贈り物を持って行きすぎたんでしね。
『必要以上に丁寧過ぎると、かえって失礼になる』という事でし。
この場合、失礼と言うよりも病状を悪化させてしまったんでしが、似たようなもんでし。


「れんきで重箱を洗う」でし
「シャオリン、たまにはあたしがお掃除してあげよっか。」
「ええ?いいんですか、ルーアンさん。」
「当然よ。あたしに任せといて。」
珍しいでしねえ、ルーアンしゃんがそんな事を言うなんて。
どうせ、太助しゃまの好印象度を上げようっていう作戦と思うでしが。
「陽天心召来!!」
お掃除道具達が次々とお部屋を掃除・・・してはいるんでしが。
「ちょっと、そこまだゴミが残ってるって!」
「きゃあ、ダメですよ。それは動かしちゃいけませんわ。」
結果、ほとんど綺麗にはならなかったでしね。
『すみずみまで注意せず、ごく大雑把』という事でし。
その後、もう一回シャオしゃまがお掃除し直したんでし。
ルーアンしゃん、もっとちゃんとお掃除してほしいもんでしねえ・・・。


「れん木で腹切る」でし
『すりこぎで切腹する事で、できない相談の例え』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、出来ないものをやってみようコーナー!!
「うむ!という訳で主殿、これで腹を切ってもらおう。」
早速台所から持って来て用意したんでしよ。
「・・・あのさあ、無理だって。」
「泣き言は許されないぞ。ちゃんと出来るまでこれはこのまま。
つまり、主殿が腹を切るまでシャオ殿はごまをすれなくなる!」
おおっと!!これはピンチ、ピンチでし!!
「良いのか?シャオ殿が料理に困るぞ〜。」
恐い恐い、キリュウしゃんの脅しでし!!
「・・・・・・。」
「さすがに恐怖で顔が引きつった様だな。」
キリュウしゃん、とんでもない事を言いすぎでしよ〜。
「・・・俺は呆れてるんだけど。」
「・・・・・・。」
・・・・・・。
そ、そんな事より試練をやるでし!
「そ、そうだった。さあ主殿。」
「だからすりこぎで切腹なんて・・・」
バン!!
太助しゃまが更に反論しようとした時、勢いよく部屋の扉が開いたでし。
そこに居たのは・・・鬼の様な形相をしたシャオしゃまでし。
「すりこぎが無いので探していたら・・・太助様の腹を切ろうだなんて・・・。」
その様子に三人ともただただ圧倒されてたでし。
まずいと思ったのか、太助しゃまが立ちあがろうとしたんでしが・・・
「なんて事を!!いくら試練でもこの私が許しません!!!!」
ドーンと激しい雷が落ちたんでし・・・。
・・・で、その後。
「まったく・・・主殿が早くしないからだぞ。」
そうでし。
「お、俺の所為なのか?だからすりこぎで腹なんて切れないっての!!」


「連枝」でし
これこそはっていう分かりやすい例をいくでし。
というわけで、太助しゃまと那奈しゃん、どうぞでし〜。
「いやあ、なんだか照れるなあ。なあ、那奈姉。」
「そうか?当然の結果だって事だよ。」
「もうちょっと喜べって。堂々と選ばれたんだぜ、俺達。」
「ま、まあそうかもな。日頃の行いが素晴らしいからかな。」
「そうそう、そうだよ。那奈姉、これからもよろしく頼むぜ。」
「ああ、お前もしっかり頼むよ。」
なんだか二人してごちゃごちゃ言ってるでしが・・・。
『血統の連なっている者、兄弟姉妹』という事でし。
これは、貴人の兄弟姉妹をいう時の敬語でもあるんでしが。
まあ仕方ないでしね。離珠が知っている兄弟姉妹なんて、この二人しか居ないんでしから。
とっさの事で間に合わせるしかなかったでし・・・って、何恐い顔してるんでしか?二人とも。
「なるほど、俺らは間に合わせか・・・。」
「離珠、いくらなんでもそれは許せないな。ちょっと説教しても良いかな?」
那奈しゃんがぼきぼきと手を鳴らしているでし。
こ、これはまずい展開かも・・・!!


「連城の璧」でし
ここは皆しゃんの力を借りるっきゃないでし!という訳でお宝探査でし!!
「無理矢理だな・・・。とりあえず一番手の俺、七梨太助。・・・別に無いよ。
シャオ達家族がなによりの宝さ。」
「太助様・・・。」
「なにクサいセリフはいてんだ。なんて言いつつ、あたしも無いな。次行ってくれ。」
「山野辺さんが無いなんて・・・。僕も別に。」
「遠藤先輩、なに遠慮してんですか。あたしが出します!2世まで遊べるおもちゃセット!!」
「花織ちゃん、そんな恐ろしいものこそ遠慮してくれ・・・。
やっぱりこの俺の熱き魂に他ならないんだああああ!!!!」
・・・全然参考になら無いでし。どうして出雲しゃんや那奈しゃんが居ないんでしか!!
とりあえず『素晴らしい宝玉。十五の都市と交換できるほどの貴重な価値のある玉』という事でし。
しょうがないから次回また探す事に・・・
「俺の魂こそ適切じゃないのかああ!!!」
うるさいでしよ、たかししゃん!


「連理の契り」でし
ふっ、これこそ太助しゃまとシャオしゃまでし。
しかーし!これは離珠が解説するよりも別の人が解説した方が断然いいでし!
というわけで、キリュウしゃんどうぞでし。
「・・・何故私がそんな事をしなければ成らないんだ。」
わがままでしねえ。そんな事を言ってると罰が当たるでしよ。
「そんなバカな・・・。どちらにしても私はやらない。」
おおっと、そうはとんやがおろさないでし!!さあ、解説するでし!!
「・・・仕方ない。えーとだな、私が朝起きて台所へ降りて行くと、二人は早く起きていた。
何やら髪形等が乱れていたのは錯覚ではない。間違い無い、二人は・・・」
だあああっ!!!いきなり何を言い出すんでしかあ!!!
もうちょっと別の解説の仕方があるはずでし!!!
「ふっ、お返しだ。後は他の誰かに頼むのだな・・・。」
な、ななな!?・・・ああ、行ってしまったでし。
うむ、しょうがないでしね。というわけで翔子しゃん、どうぞでし!!
「・・・とりあえず最初に質問がある。」
なんでしか?
「いっちばん最初の、離珠の“ふっ”ってのは何だ。」
演出でしよ。
「だからキリュウに返されるんだよ・・・。」
もう、別にいいじゃないでしか!!それじゃあ翔子しゃん。
「ほいほい。学校の帰り道、シャオと七梨が二人だけで並んで歩いていた。
あたしはその後を、気付かれ無い様につけていたんだな、これが。」
ふむふむ。
「と、とある場所で立ち止まったかと思うと、二人して辺りをきょろきょろと見回した。
そんでもってさささーっと裏道に入っていったんだ。」
ふえー。
「周りには誰も居ない・・・あ、当然あたしは後をつけていったからな。
まあとにかくそんな場所で二人は見つめ合った!!」
・・・・・・。
「“太助様・・・”“シャオ・・・”そして二人は・・・」
すとぉーっぷ!!翔子しゃんもなんか違うでしよー!!
「あのなあ・・・。これからがいいとこなんだぜ。」
もうちょっと別なものはないんでしか?
「・・・他の人に頼め。じゃあな。」
あああっ!!キリュウしゃんと同じで無責任でしー!!!
「誰が無責任だ。」
「そうだ!!」
びくうっ!な、なんで突然二人とも戻ってくるんでしか。
「そんな事はどうでもいい。私が無責任だと?聞き捨てならないな。」
「あたしもだ。頼まれてやったのになんで文句言われなきゃならないんだ。」
しょ、しょれは・・・。
「まあまあ二人とも。ここはあたしがどーんといい例を出してやろうじゃないか。」
「な、那奈ねぇ!」
「那奈殿・・・。」
た、助かったでし〜!というわけで那奈しゃん、お願いするでし!
「おっけおっけ。ある昼下がりの午後。」
おおー!なんかいい雰囲気でし!
「那奈ねぇ、昼下がりの午後ってなんだ・・・。」
「細かい事は気にするな。とにかく、太助とシャオが庭でひなたぼっこしてたんだな。
で、知らないうちに寝ちまった様で、二人して仲良く寄り沿って・・・。」
「なるほど、ほほえましい光景だな。」
そう!そうでし!
というわけで『木の枝と枝が同じ木目で連なるように、男女の仲の睦まじい事の例え』という事でし。
ふう、とりあえず無事終わったでし。
「実はまだ続きがあるんだ。いつのまにか日が沈んで・・・。
で、二人して風邪をひいちまったわけなんだな。」
「ふうん、二人仲良く風邪をひいたんだ。」
「で、翔子にならってシャオに嘘を言ったんだ。」
「あたしに・・・なんか照れるな。それでどんな?」
「主と同じ風邪をひいたときは、その日の全ての行動を共にしないと風邪が酷くなる、って。」
「という事は・・・へええ、なかなかやるなあ。」
「だろ?」
・・・そんな事あったんでしかねえ?離珠は記憶にないでし。
疑問に思ってキリュウしゃんを見ると、首を横に振ったでし。
「那奈殿、それはいつの話だ?私にはそんな事があった覚えがないのだが。」
「無くて当然。これからやるんだよ。」
「なんだそうか・・・。」
つまり那奈しゃんの作り話だった訳でしか・・・って、これからやるんでしかー!?
「なかなかいいアイデアだな、那奈ねぇ。早速実行しようぜ。」
「ああ。もちろんキリュウも離珠も手伝うよな?」
とんでもない目つきをしてきたので、離珠もキリュウしゃんも頷くしかなかったでし。
なんでこんな事になったんでしか・・・。


戻るでし。