≪る≫でし!


「類は友を呼ぶ」でし
こんなの解説できっこないでし。
奥手な太助しゃま。ぽけぽけなシャオしゃま。食べ物に関してうるさいルーアンしゃん。
いっつも寡黙なキリュウしゃん。すっごくアバウトな那奈しゃん。
熱血なたかししゃん。乙女チックな花織しゃん。等々・・・
『似たもの同士が自然と集まる』という事でし。
が、全然似たもの同士なんかじゃないでし。どうしたらいいんでしかねえ。
「離珠さん、那奈さんのアバウトなところというのは皆さんに共通しているかも?
だって、精霊なんて不思議な方達を目の前にしても、あっさり納得されているじゃないですか。
つまり、細かいことは気にしない人たち。そうだと思いませんか?」
出雲しゃん・・・。そうでしね、そのとおりでし。ありがとしゃんでし。
「おい、宮内出雲、離珠。別にぼうずの学校の連中だって、
そういう連中ばっかじゃないのか?それは少し違うと、おいらは思うぜ。」
虎賁しゃん。うーん、そうでしか。困ったでしねえ・・・。


「累卵の危うき」でし
リビング。太助しゃまとルーアンしゃんとキリュウしゃんが何やらやっているでし。
「・・・よーし、次はルーアンだぞ。」
「難しいわね・・・よっ・・・と。ふう、陽天心使えば一発なのに。
ほい、次はキリュウよ。」
「うむむ・・・これはなかなか・・・。
心を集中して・・・よし、置けたぞ。次は主殿だ。」
「うえ〜?よくもまあこんな状態に・・・。
けれど頑張らなきゃな。この程度で参ってちゃあ・・・。」
皆しゃんが何をしているかというと、卵積みだそうでし。
一人一人順番に崩れない様に卵を積み上げていくんでしね。
生卵なので崩れれば当然割れるでし。
なぜこんな事をしているかというと・・・良く分からないでし。
「・・・よし!さあて、次はルーアンだぜ♪」
「くっ、よくもまあ、こんな隙間に・・・。でもね、慶幸日天をなめちゃだめよ。
・・・ほら!次はキリュウよん♪」
「むむむ・・・こ、これは・・・。」
なんだかんだで、次に少しでも衝撃を与えれば崩れてしまう、というような状況になったでし。
『壊れやすい卵を積み重ねて、いつ崩れるかわからないという非常に危険な状態』という事でし。
それにしても食べ物で遊ぶなんて・・・。一体誰の提案なんでしかねえ。
「なんとか無理にでも・・・」
「ただいま戻りましたあ〜!」
「ああっ!!」
キリュウしゃんが卵を乗せようとした瞬間、シャオしゃまが元気な声とともに帰ってきたでし。
それと同時に、キリュウしゃんがバランスを崩して、あれよあれよという間に卵の山は・・・。
シャオしゃまがリビングの扉を開けた時には全て崩れた後だったでし。
当然辺りは生卵の海・・・。(海なんて大袈裟でしけどね)
「・・・何してらしたんですか?」
恐る恐る尋ねるシャオしゃま。けれど少し顔が引きつっているでし。
「いや、ちょっとゲームを・・・。」
「そうそう、生卵を積んでいくの。」
「シャオ殿の声で動揺してしまった。私もまだまだだな・・・。」
キリュウしゃん、そんな事を言っている場合じゃないでしよ。
とにかく三人が喋った後に、シャオしゃまの顔がみるみるうちに変貌していったでし。
「食べ物で遊ぶなんてどういう事ですか!!どうしてもっと別の遊びを考えないんですか!!
しかも私が居ない間にそんな事するなんてずるいですう!!!」
シャオしゃま・・・。最後の一言はなんだか違うでし・・・。
とりあえず割れた卵をかき集めて、今日の晩御飯は卵尽くしだったでし。
食事中に、後から帰ってきた那奈しゃんが言ったでし。
「おまえらは幼児か。生卵でなんか遊んでんじゃないよ。」
まあその通りでしね。こんな事なら離珠が懸命に止めるべきだったでし。


「塁を増す」でし
「よし!頑張るぞ!!」
ビシッと気合を込めて鉢巻をしめる太助しゃま。レッツゴーでし!!
ここは学校。実はこれから試練なんでし。
離珠は、太助しゃまの傍についているってわけでしね。
どういう試練かというと、家に無事辿り着いてシャオしゃまをそこから連れ出す、
という、とっても大掛かりな試練なんでし。
「離珠、しっかりつかまってろよ!!」
そうこうしているうちに難関がやってきたようでし!おっきなボールがごろんごろん!
しかも、陽天心がかかってるみたいでし!!
「くうう、さっすが追いかけて転がってくるのはきついぜ!!!」
とかなんとかいいながらも、どんどん引き離しているでし。
さすが太助しゃま。普段から鍛えているだけのことはあるでしねえ。
と、離珠が安心して後ろを向いてボールを見送っていると・・・
ぼよ〜ん!
なんと!!ボール達が跳ねだしたんでし!!
やっぱり陽天心がかかっていると転がるだけでは終わらないみたいでしね。
「やるな、ルーアンの奴。スピードアップ!!」
逃げ切る為に、太助しゃまは走る速さを更に上げた様でし。
凄いでしねえ。いまでも充分早いのに・・・と思っていたら!
ずずーん!
「とと!」
目の前に巨大ボールが!!どうやら密かに先回りをされていた様でし。
「たー様!シャオリンの所へは行かせなくってよ!!」
どこからともなく姿を現したルーアンしゃん。傍にはキリュウしゃんも一緒でし。
「やっぱりキリュウ一人の時とは違って手強いな。」
「さて主殿、どうする?」
不敵な笑みを浮かべてキリュウしゃんが問うと、太助しゃまはくるっと向きを変えたでし。
別の道を行くつもりでしね!
「そうはさせるもんですか!陽天心ボール!」
ルーアンしゃんが叫ぶと、太助しゃまの進路を塞ぐ様に思いっきり大ジャンプ。
と、そこでまた太助しゃまはくるっと向きを変えたでし!
「かかったな!」
そしてものすごい勢いで、ボールの下をくぐり抜け、あっというまに突き放したでし!
こんな考えがあったとは、太助しゃまさすがでし!
「しまった!急いで追うのよ!」
「ルーアン殿!!前!!」
「へ?」
どかーん!!!
どうやら、ボール同志がぶつかりあったみたいでし。
キリュウしゃんもルーアンしゃんもその衝撃に巻き込まれて・・・合掌、でし。
ダメでしねえ、ルーアンしゃんが絡むとアッサリ終わっちゃうみたいでし。
「手強いと思ったけど意外にあっけなかったな。けど、本番はここからだ!」
そうなんでし。太助しゃまのお家に捕らえられているシャオしゃまを助け出す、
という設定のもと、この試練を行っているわけでしからね。
そんなこんなで、後は障害も無く、無事に七梨家が見えてきたでし。
という事で、『敵の砦に迫る』という事でし。
さてさて、家の門に辿り着いた太助しゃまでしが・・・。
「玄関からは入れ無いだろうな・・・。窓から行こうか?」
太助しゃま、二階によじ登ったりしたら危ないでしよ。
「うーん・・・。」
二人して悩んでいると、あっさりと玄関が開いたでし!!
そこに姿をあらわしたのは・・・那奈しゃん!と、虎賁しゃんでし。
「おい離珠、今おいらをおまけみたいに扱わなかったか?」
気の所為、気の所為でしよっ。
「二人が妨害するってわけだ。で、どうすれば通してもらえる?」
「テニスであたしに勝て!ってのは無理だろうから、あたしから一本でも取れ!だ。
ちゃんとテニスコートは羽林軍が作ったぞ。」
「テニス・・・勝負?」
なんと、そういう手できたでしか。で、那奈しゃんには虎賁しゃんのアドバイス付きだって事でしね。
「という訳でぼうず、覚悟しておけよ。」
「手加減はしないからな。」
なんとも自信たっぷりに家の中へと姿を消す那奈しゃんに虎賁しゃん。
むう、さっきのものより難しそうでし・・・。
不安げに太助しゃまを見上げると、ぶつぶつと呟きながら二人の後を追ったでし。
家の中。一体どうやって作ったのか、立派なテニスコートが出来あがっていたでし。
「なあ那奈姉。」
「なんだ?」
「こんな土地よくあったなあ。」
「ああ、家が建ってる土地を最大限に活用したからな。」
そうなんでし。一階部分のほとんどがテニスコートに・・・。
無茶苦茶でしねえ。試練の為にここまでやるもんでしか?
それより、試練が終わった後にちゃんと元通りになればいいんでしが・・・。
「それじゃあ始め!!」
虎賁しゃんの声を合図に、テニスの試合が始められたでし。
離珠が肩につかまってるなか、太助しゃまは必死にプレイ。
けれども、那奈しゃんは余裕の表情でし。虎賁しゃんもアドバイスしてるし、手強いでしよお。
何十本とボールを打って、結局は今だに取れてないでし。
「たく、情けないなあ。一本くらいすぐにとって見せろよ。」
「そ、そんな事言ったって。ふう、ふう・・・。」
太助しゃまの息が荒いでし。相当辛い様でしねえ・・・。
「ぼうず、そんな調子じゃあ一生かかっても月天様の所へは辿り着けないな。」
「くっ・・・。絶対にシャオを助け出して見せる!!」
まだまだ太助しゃまは元気な様でし。そして再開されるテニス・・・。
再び何十本と打たれた時!
「は、はっくしょん!」
「那奈姉がくしゃみ!チャンスだ!!」
ちょっと埃でもまってたんでしかねえ。那奈しゃんがくしゃみをしたんでし。
そのスキをついてすかさず太助しゃまが!!
結果、見事に一本取ったでし!!
「・・・今の、ありか?まあいい、お前の勝ちだ。」
納得のいかない顔だったみたいでしが、那奈しゃんがオッケーのサインを出したでしよ。
それを見て笑顔に成りながら、太助しゃまが二階へ駈け上がったでし。
おっと、ここでもう一つ。
『技量や地位などが等しい位置に達する』という事でし。
「等しい?おい離珠、今のぼうずは等しいとは言えないぞ。」
「そうだそうだ。今のはあたしに隙ができただけなんだからな。」
もう、いいじゃないでしか。細かい事を気にしちゃダメでしよっ。
という事で二階、太助しゃまの部屋の前に翔子しゃんが立っていたでし。
「やっと来たな、七梨。その様子だと結構苦労してたみたいだけど?」
「そりゃあ苦労もするさ、あの面々じゃあ・・・。で、この部屋にシャオが居るんだな?」
「そうだ。で、最後の難関があたしってわけだな、これが。」
言いながら翔子しゃんが見せたのは、瓠瓜しゃんでし。
「瓠瓜?一体何をしようってんだ?」
「これから瓠瓜が吐き出すものを予想してこれに描け!!以上。」
そして瓠瓜しゃんが吐き出したものはノートと鉛筆。
なるほど・・・じゃなくって、一体これはなんの意味があるんでしか・・・。
「おい山野辺、なんだよこれ。」
「ノートと鉛筆。見てわからないか?」
「そうじゃなくて。一体なんの意味があるんだよ。」
「予知能力と勘を鍛える試練だ。どうもお前は鈍いからな。」
今度こそ、なるほど、でし。さすが翔子しゃんでしね。
「鈍いのと関係あるのか?」
「つべこべ言わずにさっさと描け。これは画力を試すテストでもあるんだからな。」
太助しゃまはしぶしぶながらも、座って絵を描き始めたでし。
離珠はそれを肩の上からそれをじいっと見てたんでしが・・・。
・・・結構上手でし。ひょっとして離珠より・・・むむ、そんな事はないでし!
「ぐえっ。」
「どうした瓠瓜?・・・え?離珠の様子が変?気の所為じゃないの。」
ぐっ、瓠瓜しゃんに離珠の心中を悟られてしまった様でしね。
いけないいけない、きっちりしなければ!でし。
「よし、描けたぞ。」
「ふむふむ・・・。椅子?」
「ああ、そうだ。」
どうやら太助しゃまは椅子を描いたみたいでしね。しっかりと線も描かれて・・・上手でし。
と、翔子しゃんはやれやれと首を横に振ったでし。
「たく、もう少しひねってくると思ったら・・・。だいたい椅子なんて大きな物を使う訳無いだろ?」
「違ったのか・・・。で、正解は?」
「正解はこれだ!瓠瓜。」
「ぐえ。」
翔子しゃんに促されて瓠瓜しゃんが吐き出したもの。それは・・・。
「皿?」
「そ。ついでに言うと、ルーアン先生の皿だ。全くのハズレだな。」
翔子しゃんこそあんまりひねって無い気もするでしが・・・。
けど、ハズレはハズレでしね。
「・・・なあ山野辺。」
「なんだよ。」
「ひょっとして誰の持ち物とかも当てなきゃいけないのか?」
「当てれればなおさら良いな。うん、次からそうしようか。」
「ま、待て、無茶言うな。」
「五月蝿いな、だったらそんな事聞いてくるなって。ほら、次の絵描けよ。」
「あ、ああ・・・。」
翔子しゃんに押されっぱなしでし。
もう、太助しゃまったら余計な事は言っちゃダメでしよ。
で、次々と絵を描いていったんでしが、どれもこれもとことんハズレ。
いいかげんだれてきたでし。と思っていた矢先に・・・。
「ほい!正解はシャオの洋服!!御見事!!」
「や、やっと当たった・・・。」
何十枚という絵を描いて、やっとの事で正解した様でし。
翔子しゃんは途中瓠瓜しゃんが吐き出した扇子を片手にパタパタと。
紙ふぶきが多少舞っている所を見ると、ちょっとした御祝いでしかね?
おっと、という事で『偉大といわれる芸術家の境地に達した事をほめる』という事でし。
「おい離珠、こいつのどこが偉大な芸術家なんだ?」
ま、離珠にはかなわないでしけどね。
「・・・まあいいや。とりあえず七梨、くたってなって無いでさっさとシャオを迎えに行けよ。」
「あ、ああ・・・。」
相当疲れたのか、太助しゃまの動きはとってもゆっくりだったでし。
けれども、とうとうシャオしゃまを助け出す事に成功。
試練終了でし!!
「離珠、ご苦労様。太助様、ありがとうございます。」
「い、いや、ははは・・・。」
疲れ混じりの声だったものの、太助しゃまはとっても笑顔だったでしよ。
その日の夜御飯は格別に美味しかったでし!
「どうでもいいけどキリュウ、よく無事だったな。」
「そうよん。キリュウは丈夫だから。」
「ルーアン殿もな・・・。」
食事中に交わされた会話の一部でし。とにかくめでたしめでたしでし!
「それにしても無理矢理な解説・・・。」
虎賁しゃん!なんか文句あるんでしか!!


「類をもって集まる」でし
羽林軍しゃんを見るがいいでし!
建築解体の仕事をする者が四十五人も!これこそ最適でし。
「待てよ離珠。羽林軍は違うだろ。」
虎賁しゃん、そんなツッコミは却下でし。
「言っとくけどな、無理矢理な例えにツッコミがつきものなんだぜ。」
そんな事は認めないでし〜!
『仲間同士は互いに寄り集まる』という事でし。
「そうか、分かったぞ離珠。お前が強引なのはぼうずの友達の影響だな?」
たかししゃんでしか?違うでしよ、虎賁しゃんの影響でし。
「ききずてならねーな。おいらがいつ強引なのをかましたんだ。」
いつも強引って感じじゃないでしか。軒轅しゃんに聞けば分かるでし!
「なに!?よしそうか・・・。おい軒轅、おいらはそんなに強引か?」
一緒に居た軒轅しゃんに向かって二人そろって視線を送るでし。
軒轅しゃんはしばらくおろおろしていたかと思うと・・・。
ぴゅー!
ああっ、逃げたでし!
「困ったら逃げるか。離珠とよく似ているなあ。」
虎賁しゃん!


「留守見舞は間遠にせよ」でし
らんららんらん♪今日は太助しゃま達全員でお出かけしてたんでしよ。
軒轅しゃんに太助しゃまとシャオしゃまが乗って、短天扇に那奈しゃんとキリュウしゃんとルーアンしゃんが乗って。
つまりはお空の散歩でし!
「たまにはこうして皆で出掛けるのも悪くはないよな。」
しみじみと呟く太助しゃま。うーん、離珠も幸せでし〜。
シャオしゃまのとびっきり美味しいお弁当、という理由でルーアンしゃんもご機嫌でし。
何やら自然について語り合ってる那奈しゃんとキリュウしゃんも笑顔でし。
もちろんそんなのどかな光景を見て、太助しゃまとシャオしゃまも・・・。
まあ色々あって、夕方家に帰って来たんでしが・・・。
「なんだ?あの人だかり。」
そうなんでし。お家の前にたくしゃんの人がいるんでし。
その中には・・・。
「た、たかし!?それに乎一郎!?後愛原と出雲まで・・・どうしたんだ?」
なんと、いつもの皆しゃんでし。しかも手にはなんか輪っかが・・・。
その傍には翔子しゃんが苦笑いしながら立っていたでし。
急いで駆け寄って、翔子しゃんから事情を聞いたんでし。
「ああ、皆して出かけてたんだ。実はさ・・・。」
真相はこうでし!
それは今日の昼下がり、一人の訪問者から始まって・・・
「おい離珠、長くしてんじゃね〜って。」
ぶう、虎賁しゃん・・・。
「とにかく不良ねーちゃんが言うには、ぼうず達が居ないにもかかわらず、
何度も何度もこの家を訪ねてきた、って訳なんだ。
しかしそのうち苛立ってきたんだろうな。ついには家の庭に侵入したり。
それは大袈裟としても、何回も訪ねてくる姿を近所の人が不審に思い、急いで警察に通報した、という訳だ。」
・・・という訳でし!
『たとえ仲の良い友人の家でも、主のいない時にちょくちょく訪ねるのと世間から有らぬ疑いを掛けられる』という事でし。
「あのなあ、虎賁。別にあたしがそのまんま言っても良かったんじゃ・・・。」
「細かい事は気にしちゃ駄目だぜ。」
ちっちっちっと翔子しゃんに対して指を振る虎賁しゃん。なんか偉そうでし・・・。
ともかくそうして事情を聞いた後に、四人が涙目で訴えて来たんでし。
「太助ぇー、俺とお前の仲だろー?熱き友情で助けてくれよ〜。」
「僕は無理矢理引っ張られて行っただけなのに・・・。」
「せんぱぁ〜い、あたしは無実ですう。庭に十歩しか入ってません〜。」
「花織さん、桁が違いますよ・・・。お願いしますシャオさん、あなたのお力添えで・・・。」
帰ってきた途端にこんなものを見せられたものだから、当然太助しゃま達はたじっとなったんでしねえ。
で、しばらくしてすっと前に出た人物が居たでし。相変わらずクールでし・・・。
「・・・試練だ、耐えられよ。」
「そんな試練が有るかよ。悪いのはこの四人だぜ?」
翔子しゃんが素早く返すと、キリュウしゃんはすごすごと・・・。(なんかあっさり過ぎでし)
次に前に出たのは那奈しゃんでし。
「自業自得だな。」
とまあ、冷たく言い放ったでしね。当然といえば当然でしが・・・。
更にはルーアンしゃんが・・・。
「まあゆっくりカツ丼でも食わせてもらいなさいよ。」
「・・・・・・。」
なんでそこで食べ物が出てくるんでしか。辺りはしら〜っと・・・。
「あの〜、とにかく皆さんを許してあげてくださいませんか?
私達の大切なお友達なんですから・・・。」
シャオしゃまがすっと出て四人を拘束している人達に訴えたでし。
法律やら何やら難しい事を喋っていたようでしが・・・とにかく無事に事なきを得たでし。
さっすがシャオしゃまでしね!(まあ、当然横から翔子しゃんも言ったんでしが・・・。)
とにかくそんな訳で人だかりも消え、改めて家の中で話を聞く事になったんでし。
太助しゃまが質問・・・なんだか呆れ顔でしね。
「あのさあ、一つ教えてくれよ。一体そこまでして侵入したのは何故なんだ?」
「それは言えません。お願いします、今日の事は忘れて下さい・・・。」
出雲しゃんが土下座しながらこんな答えを返して来たんでし。
どんな思惑があったにしろ、そういう事は今後しないで欲しいものでし。


「瑠璃は脆し」でし
「太助、シャオは可愛いよな?」
「う、うん・・・。」
「そんでもって美人だよな?」
「ああ、まあ・・・。」
「そしてとっても優しいよな。」
「・・・どうしたんだよ、急に。」
「家事もしっかりこなすし、是非居て欲しい存在だよな。」
「そうだよ。だからどうしたのさ。」
「こんなにいい子が嫁さんにもらえたらさぞかし幸せだろう。」
「な!あ、その、あの・・・。」
「だが太助、それだけ素晴らしい女性だからこそ、
シャオはとっても弱い存在だ。そう思わないか?」
「・・・・・・。」
「絶対大事にしろよ。」
「それが言いたかったのかよ・・・。」
「しっかり守ってやるんだぞ。」
「言われなくても!」
えーと、『美しいものや優れたものはいたみやすい』という事でし。
将来、きっとシャオしゃまを幸せにしてくだしゃいね、太助しゃま。
「さて、安心できた所で晩御飯といくか!
今日もシャオ特製、愛の手料理だぞ〜。」
「変な形容詞つけるなよ。・・・合ってるけど。」
「そんな料理も、ルーアンによってあっという間にたいらげられてしまうんだなあ、これが。」
「そりゃまあ、そうだけどな。」


「瑠璃も玻璃も照らせば光る」でし
ある日の授業中の事でし。
翔子しゃんは割れて使い物にならなくなった定規の代わりに、
一本の鉛筆をものさしとして使っていたんでし。
器用でしねえ、どうしてそんなのでまっすぐ線が引けるんでしか?
「あ、離珠。このテクニック、今度七梨にも教えといてくれ。
あいつは不器用だろうから、離珠がしっかり教えるんだぞ。」
ほえ?そんなもん教えて何をしようってんでしか?でも任せるでし!
『違う物でも、使い方一つで同じように役立つ』という事でし。
それから、離珠が翔子しゃんにからかわれたと知ったのは一週間後の事でし。
おかしいと思ってたんでしよねえ。こんなもの教えてもらっても・・・。


「瑠璃も玻璃も照らせば分かる」でし
シャオしゃまとお散歩していたときのことでし。前のほうに太助しゃまが!
(シャオしゃま、太助しゃまでし。)
「離珠、あれはそっくりだけど太助様じゃないわよ。」
(ええっ、そうなんでしか?)
どんどん歩いていって、その人とすれ違ったでし。
はたして、シャオしゃまの言う通り、その人は太助しゃまじゃなかったでし。
「ね、私の言った通りでしょ。私の御主人様ですもの。それぐらいは分からなきゃ。」
さすがはシャオしゃまでし。あんなに似ていたのに・・・。
『似ている物でも見分けはつく』という事でし。
離珠もちゃんと見分けられるようにしないといけないでしね。


戻るでし