≪ら≫でし!
「来年の事を言えば鬼が笑う」でし
この前、太助しゃんがお部屋で呟いていたんでし。
「ああ、来年も再来年も、そしてこれから先もずっとシャオと一緒にいられたらなあ・・・。」
と。それを陰から聞いていた那奈しゃんがけたけたと笑ってたんでし。
というわけで『明日の事すら分からない世の中で、来年のことをあれこれ考えるのは愚かしい』という事でし。
「・・・離珠殿、作り話はいかんぞ。」
びくうっ!き、キリュウしゃんにはばれてしまったでしか・・・。
「というより、こんな話はあまり真実味が無いが・・・。」
なんてこと言うでしか。まあ言われてみればそうかもしれないでしけど。
「なんと言っても何故那奈殿が笑う?鬼に例えているとしたらとんでもないぞ。」
「誰が鬼だって?」
ぎっくう!!!い、いつのまにか那奈しゃんが傍に・・・。
「なあキリュウ、誰が鬼だって?」
「那奈殿だ。離珠殿がそう言っている。」
ちょ、ちょちょちょちょ、キリュウしゃん!!
「・・・離珠、なんであたしが鬼なんだ?」
そ、それは・・・ほ、ほら、鬼ってのはひらがなで二文字じゃないでしか。
那奈しゃんもひらがなで二文字。だからでしよ!
「ほお・・・なんて納得するわけ無いだろうが!!」
はううう!!!ご、ごめんなさいでしー!!
・・・とまあ、さんざんお説教を食らってしまったでし。
ちょっと間に合わせで使っただけなのに・・・。そして、キリュウしゃんが言ったでし。
「那奈殿注意網など敷いても、どうせ無駄なんだろうな。
つまり、いつ那奈殿が現れるか考えても無駄。だからそんな事をすれば鬼に・・・」
はいはい、そんなややこしい例えなんか出さなくって結構でしよ。
「樂髪苦爪」でし
『楽をしている時は髪がのび、苦労の多い時は爪がよくのびろるという事で、
爪が長くのびて不衛生なのを人に見られた時など弁解の言葉としての冗談』という事でし。
「なるほどな、やっぱり俺の思った通りだ。出雲は楽をしすぎだ!!」
「たかしくん、それは関係ないって。」
「とにかく!!出雲は楽をしすぎなんだ!!」
「だから、“冗談”っていってるじゃない。」
「いいや!!何がなんでも出雲は楽をしてるんだ!!」
「・・・・・・。」
乎一郎しゃんも苦労が耐えないでしねえ。髪の毛はそんなに長くないのに。
「離珠ちゃんまでそんな事言わないでよ。
たかし君の言う通りだったら、ほとんどの人が楽をしている様に成っちゃうよ。」
確かにその通りでし。シャオしゃまも太助しゃまも翔子しゃんも・・・。
でもいいんでしよ。冗談で言ってるだけの言葉なんでしから。
逆に苦髪樂爪なんてものもあるくらいでしからね。
「へえー、そうなんだ。ねえたかし君、聞いた?」
「うをー!!出雲ー!!楽をしすぎるなー!!!」
「聞いちゃいないね・・・。」
もはや楽だの苦だのと言ってられなく成っている気がするでし。
「楽は苦の種苦は楽の種」でし
さて!今回は特別に皆しゃんに集まってもらい、体験談やそう思う所を語ってもらうでし!
まずは出雲しゃん、どうぞでし!
「おほん。では・・・」
「ひっこめー!!」
「どうせナンパする為に日頃の努力をとか言うんじゃないか〜?」
なんと、いきなりたかししゃんと那奈しゃんの野次が!
「失敬な!神主について語るんですよ!」
「そうか!ナンパしてても神主で居られる努力だな!!」
「宮内、だめだぜそんなんじゃ。」
「・・・もういいです。」
ちょ、ちょっと出雲しゃん!?
急にだれた顔になったかと思うと、出雲しゃんはやる気無さそうに黙ってしまったでし。
もう、二人が余計な事言うからでし・・・。
気を取り直して、次!太助しゃまでし!
「言うまでも無く、キリュウの試練だ!」
「言うまでも無く、って実際に言ってるけどな。」
ちょっと翔子しゃん!余計な事言っちゃ駄目でし!!
「え、えーと・・・今俺はキリュウの試練を受けてる!
それは将来シャオを救えるような男になるためで、つまり・・・。」
「つまり今苦労して先の楽、楽しみを得ようって事だよな。」
「そ、そうだ!えっと・・・以上!」
シンプルでしが、もっともな話でしね。
辛い試練を太助しゃまが受けているのは、先の幸せを得るためでであるからこそ!でしね。
それでは次、シャオしゃまでし!
「私はお料理をする時の事を言います。
何を作るかを悩んで、そして良い材料を探すのに頑張って、それで一生懸命になって作って!
それを皆さんに召し上がって戴いて、喜んでもらえたならもうこれ以上言う事はありません。」
にこにこと告げたシャオしゃま。
要するに、料理を食べてもらうって事の喜びは、それを作るまでの苦労があってこそ、でしね。
「実に納得がいくものだな。いつも私は美味しく戴いている。」
キリュウしゃんの深い深い頷きに、太助しゃま達もうんうんと。
そうでし!もう納得しまくりでし!!
さてさて、次はルーアンしゃんでし。
「そりゃーもうあたしはねー!」
「食べすぎるって楽をやって、後で腹を壊して苦しむんでしょ。」
「ちょ、ちょっと花織ちゃん・・・。」
さらっと区切った花織しゃんに乎一郎しゃんがたしなめるでしが・・・。
「小娘ぇー!!あんた今なんつったー!!」
「馬鹿みたいに食べるのもほどほどにしたらどうですか、って事ですよ。」
「だまらっしゃーい!!あんたにはあたしの美学ってもんがわかんないのよ!!」
美学って・・・。なんかとんでもない話になりそうだったのでここでストップでし!
えー、以上という事で・・・
『今楽をすれば後に苦労しなければならず、今苦労しておけば将来は楽をする事が出来る』という事でし。
それではシメの言葉を虎賁しゃんに〜♪
・・・って、虎賁しゃんがいないでし!!
「虎賁なら支天輪の中だけど?」
なんてことでしか!シャオしゃま、早くよんでくだしゃいっ!
「でも、なんだか慌てた様子で戻っていったし・・・。
もしかして離珠、虎賁に何かしたの?」
とんでもないでし!
シメの前に離珠を背中に乗っけて腕立伏せなんて注文して無いでし!
「離珠ったら・・・。そんな事させちゃいけません!!」
というわけで、最後はシャオしゃまに怒鳴られて幕を閉じたでし。はうー・・・。
「おいらを使って楽しようとしたからそんな目にあうんだ。」
もとはといえば虎賁しゃんが勝手に居なくなったのが原因じゃないでしか!
「腕立伏せなんて無理な注文するお前が悪い!!
しっかしいつまで経っても例えがイマイチだよなあ・・・。
今はそんなんで楽して良いけど、いつか苦労するぞ?」
そう言われても、いつも楽をしてる訳でも無いんでしが・・・。
「落花情あれども流水意無し」でし
『一方に漂う気持ちがあるのに、相手に通じない』という事でし。
要は気持ちが通じていないという事でしね。そんな例はいくらでもあるでし。
代表として、たかししゃんに説明してもらうでし。ではどうぞでし。
「・・・なんで俺なのさ。俺の気持ちはちゃんとシャオちゃんに伝わっているはずだぜ!!」
「もう、野村先輩。あんなおばかさんな行動で伝わっているなんていうのは、
思い違いもいいとこですよ。もっとしっかりしなきゃ。」
花織しゃんもなぜか来たでし。でも人のことはあんまり言えないんじゃないでしか?
「花織ちゃん、シャオちゃんは照れ屋なのさ。だから気付いてないふりをしているだけなんだ。」
「またまたあ、そんな冗談ばっかり言って。だからいつまで経ってもだめなんですよ。」
「な、なんだってー!?それじゃあ、何かいい作戦でもあるっていうのかよ!」
「もちろんありますよ。でも教えなーい。」
「けちだなー、いいじゃないか、教えてくれたって。」
「冗談ですよ。あのですね・・・。」
なんだか話がそれ出したのでこのへんで終わりにするでし。
もうちょっと人の事を考えて欲しいものでしね。
「落花流水の情」でし
「シャオリン様はこう言われた。“太助様のこと大好きです”と。
つまりはそういうことじゃ。」
南極寿星しゃま、それだけではよくわからないでし。
「では少し以前の事を語ろうかの。
シャオリン様がこぞうと水族館へでいとに行った時の事じゃ。
細かい事は省くが、あの時ワシは小僧に託したのじゃ。シャオリン様のことを。
その時のあやつの顔は正にそんなじゃった。
どこまでもシャオリン様を護りぬく、任せろというような・・・。
そしてシャオリン様も、すべてをこぞうにゆだねておられるのじゃろう。」
・・・それでもバッチリはわからないでしが、まあいいでし。
『男と女が互いに慕いあう気持ちがある』という事でし。
「シャオ、俺について来るんだ。絶対に傍を離れるなよ!」
「はいっ!」
「そう、そんな感じに・・・ん?」
どこからともなく聞こえてきた太助しゃまとシャオしゃまの声。
それにうんうんと頷いたとこで振り返ると、確かに太助しゃまとシャオしゃまが一緒に走ってたでし。
二人でお出かけでしかねえ?
「言ってるそばから実行とは・・・。
風に散って水に流されていく花を見ると、花には流れる水にしたがって流れて行きたい気持ちがあり、
流れ行く水には落花を乗せて流れて行きたい気持ちがあるかの様に見えるそうじゃな。
例えて言うなら、こぞうが流れ行く水でシャオリン様が花じゃろう。」
そうでしね。でも、なんだか様子が変でしよ?
「おお?・・・ふむ、万難地天の試練というわけじゃな。」
家ほどもある大きなボールが転げるのを見て、納得でし。
「主殿、しっかりシャオ殿を護られよ!」
キリュウしゃんの声。ますます納得でし。
「こぞうよ、シャオリン様を頼んだぞ!」
「欄何(らんか)」でし
「いっただっきまーす。」
がつがつとご飯をいっぱい食べてる相変わらずのルーアンしゃん。
「ああ〜ん、なんだか今日のご飯はとってもおいしいわあ。ルーアン幸せ〜。」
いつもシャオしゃまの作るご飯はおいしいじゃないでしか。
「もう、いっくらでもおかわりしちゃうから。」
いつもたくさんおかわりしてるじゃないでしか。
そんなこんなで・・・。
「おーいルーアン、いつも見ているテレビ番組終わっちゃったぞ。」
「あーらそうなの、たー様・・・ええー!?ひどいわー、どうしていってくれなかったのよー!!」
ひどいもなにも、太助しゃまが呼んでも、全然応えがなかったでしよ。
『好きな遊楽にふけって我を忘れる』という事でし。
こんな事件にも懲りずに、相変わらずご飯に夢中になるルーアンしゃんでした。
「濫觴」でし
これは濫(さかずき)に觴れる(あふれる)と書いてるんでし。
海のような大河も源にさかのぼれば、杯にあふれるほどのわずかな水量に過ぎない事から、
『物事の起こり、起源』という事でし。
「随分と異質な解説だなあ・・・。一体どういう風のふきまわしだ?」
ふっ、翔子しゃん。これぞ解説の起源って事でしよ。
「そうなんだ?じゃあこれからも?」
気が向いたらやるでし。
「やっぱり・・・。」
「乱は天より降るに匪ず婦人より生ず」でし
「おほん!離珠、これこそあたしが解説してやろう。」
翔子しゃん!・・・なんか嫌な予感がするけどよろしく頼むでし。
「不安そうな顔するなって、ばっちりな例えを出すからさ。」
・・・・・・。
「それじゃあいくぜ。まず!シャオをめぐって野村と出雲のおにーさんが・・・。」
はう〜、やっぱりでしかあ・・・。
「次に、七梨をめぐってルーアン先生と愛原が・・・。」
むう、翔子しゃん、そんなのはこじつけにすぎないでしっ!
「なに?文句あんのかよ!これこそばっちりな例えじゃないか!!
シャオという女性をめぐって、七梨という男性をめぐって・・・。
まあシャオと七梨は恋人同志だから無意味な争いだけどな。」
・・・もうしょうがないでし、その例えで我慢するしかないでしね。
『世の大乱は天が罰として下すものではなく、
一国の将が一人の女の色香に溺れ、政道を乱す事に原因がある』という事でし。
えうー、やっぱり違うでしよ〜。
「じゃあ何か?離珠だったらもっといい例えを知っているってか?」
当然でし!昔シャオしゃまが仕えた御主人しゃま達の中にに一国の王様がいたんでし。
その王様に仕える部下の一人が・・・。
「なんだ、そっちの方が断然ぴったりじゃないか。でもまあ、あたしの方が現代風って事でさ。」
だからそんなのはこじつけにすぎないんでしよ〜。
「自分だって普段無理矢理な例えばっかだしてるくせに。」
ど、何処でそんな事きいたんでしか!!
「虎賁からだよ。ちいっとばかし愚痴を聞いてやったんだ。」
むうう、虎賁しゃん、翔子しゃんにそんな事を言うなんて・・・。
絶対に許せないでし〜!!
「乱暴の取残し」でし
「あーん、たー様待ってー!!」
「だから休み時間になるたびにいちいち引っ付いてくるな〜!!」
学校。太助しゃまの言う通り、今は休み時間でし。
毎度毎度こりもせずに騒動が起きているんでし。
「ほんと、ルーアン先生もあきねーよなー。」
「野村、のんびり見てないで大事になる前に止めてこいよ。学級委員長だろ?」
「こんな時だけ役職名出すな。それに俺は他にやら無ければならない事がある。
シャオちゃーん!・・・げ、出雲!!」
シャオしゃまの元ヘ走り寄ろうとしたたかししゃんだったでしが、
それより速く出雲しゃんが来ていた様でし。
「シャオさん、休み時間だけでもこうやって傍に居られる事が、
私にとって最高の幸せです・・・。」
「はあ。」
「こらてめー!シャオちゃんから離れろー!!」
やれやれでしねえ・・・とその時、ガラッと扉が開いて・・・
「七梨せんぱーい!!」
「げ、愛原・・・。」
花織しゃんの登場でし。ルーアンしゃんと言い争ったりして、
ますます騒がしくなって教室中は大パニック・・・まあいつもの事でしかね。
と、今まで沈黙していたキリュウしゃんが短天扇を開けたでし。も、もしかして!?
「万象大乱。」
ちゅどーん!!!
教室にあった机の中の一つが部屋いっぱいに巨大化。
あっという間に皆しゃんが部屋から吹っ飛ばされて・・・そして机は元の大きさに戻ったでし。
「たく、無茶苦茶するなあ・・・。」
なんを逃れていた翔子しゃん、さすがてなれたもんでし。
他の皆しゃんや(当然太助しゃま達を含むでし)教室にあったものは・・・めちゃくちゃでし。
その瓦礫の山の中から、誰かが顔を出したでし。
「ぷはあ。たくもう、キリュウちゃんやり過ぎじゃないの?」
乎一郎しゃんでし!!翔子しゃん以外の、ただ一人の生存者でし!!
運が良かったでしねえ。
「これも試練だ。」
どういう試練でしか、どういう。とまあこんな風に、
『乱暴狼藉の行われた後でも、被害に遭わなかった物がいくらかはある』という事でし。
今回のみそは、ルーアンしゃんではなくてキリュウしゃんにスポットを当てた事でし。
「・・・・・・。」
「乱離骨灰」でし
太助しゃまのお家の事じゃないでしかね。
ある時はキリュウしゃんが・・・。
「万象大乱。」
「どわあああああ!!」
またある時はルーアンしゃんが・・・。
「陽天心召来!」
「やめろ―!!家の中でそんなもんに使うな―!!」
・・・というわけでしね。
いつもいつも手加減すればいいんでしが、たまには羽目をはずしたりするみたいでし。
まるで嵐でも通ったかのように、家の中の物が・・・。
『散乱する。めちゃめちゃになる。』という事でし。
そんでもって、その後片付けを主にするのは羽林軍しゃん達でし。
いつもいつもご苦労しゃまでし。ねえシャオしゃま?
「え、ええ、そうね・・・。」
ほんのごくまれに、シャオしゃまもそんな原因になる時があったりするんでし。
那奈しゃん曰く、
「ま、人それぞれ理由があるしな。馬鹿みたいにやりまくるよりはいいよ。」
という事でし。なかなか落ち着いた意見をどうもでし。
戻るでし。