≪や≫でし!


「焼餅とかき餅は焼く方が良い」でし
「シャオも、もっともっと焼餅をやけば良いんだけどなあ・・・。」
なんて悩みはかなり減りつつあるでしね、翔子しゃん。
「その通りだ。まだちょっと遠慮がちな所もあるけど・・・
那奈ねぇやキリュウがしっかり言ってくれてるみたいだし。
何より、七梨の奴にもっとハッキリさせる為にも効果的なもんだし。」
そうでしね。
『女の嫉妬は、どちらかといえばする方が良い』という事でし。
「しかしだ!もう少し深い関係にさせるのも手じゃあないだろうか。」
ひょっとして、また何か作戦を練るつもりなんでしか・・・。


「焼跡の釘拾い」でし
「美味しい〜♪あーん、ルーアン幸せ!」
いつものごとく、がつがつがつと食べてるルーアンしゃんの姿がそこにあったでし。
休日の昼食でし。遅く起きてきて、一人で食べてる、ってわけでしね。
「毎日毎時間食事の時間があればいいのに〜。」
そんなもんになったら大変すぎるんでしが・・・
「ルーアン!」
「むぐっ!・・・けほ、けほ。むせちゃったじゃないのよぉ。」
楽しそうに食べているそこへ、太助しゃまが慌ててやってきたんでし。
一体なにごとでしかねえ?
「今日の食事はそれで全部だ!!」
「ええっ!?な、なんなのよ、それ。おやつとか晩御飯とかは〜!?」
「詳しい事情は言えないけど・・・とにかくそれで全部なんだ!!」
「そ、そんなー・・・。」
見た感じ非常に怪しかったでしが、とにかく太助しゃまはそれを告げると去っていったでし。
で、ルーアンしゃんは・・・
「ううー、もう今日は他に食べられないなんて・・・。」
と、泣きながらちまちまちまちま、一口ずつ非常にゆっくり食べていたでし。
まるでご飯粒を一粒ずつ食べてるみたいに!
『遊興などに大金を使ったあと、こまごましたことをけちけちする事のたとえ』という事でし。
今回はお金ではないんでしけどね。いい例でし。
「ううー、なんでなのよー、たー様ぁ〜・・・。」
目の幅涙・・・ルーアンしゃんには相当辛かったみたいでしね。
でも大丈夫!これは実は離珠が事前に頼んでおいた嘘なんでし。
だから・・・って、あれ?太助しゃま?
「ああ離珠。ルーアンと一緒に居たんなら知ってるよな。
太助から聞いただろ。謎の事情で今日は晩飯無しだ。」
な、那奈しゃん!?ちょっと、それは一体どういうことでしか!
あれは嘘のはずなんでし!!
「最初はびっくりしたけど・・・あの理由じゃあしょうがないよなあ・・・。」
しょ、しょんなー!本当にならなくていいんでしよー!
って、その理由とは一体何なんでしかー!!


「焼け石に水」でし
ちょっと実験をしてみたんでし。
瓠瓜しゃんの胃袋にはどれぐらい物が入るのか!?
他の星神のみんなにも一緒に手伝ってもらって、瓠瓜しゃんにいっぱい物を食べてもらったでし。
けれど瓠瓜しゃんはまったく平気な顔をしてたでし。
家の中の家具はほとんど無くなってしまったのに・・・。
太助しゃまの家の中の家具だけでは、瓠瓜しゃんの胃袋はいっぱいにならないんでしね。
『少しの事で、まったく意味が無く、役に立たない』という事でし。
瓠瓜しゃんにとって、これぐらいは当たり前っていう事でしね。


「焼けたあとの火の用心」でし
『時期が過ぎて間に合わないことのたとえ』という事でし。
「キリュウが過ぎた後の試練用心。」
「ルーアン先生が過ぎたあとの陽天心用心。」
「うまいな、翔子。」
「那奈ねぇも。」
楽しんでるとこ悪いでしが、それはちょっと無理矢理じゃないでしか?
「心外だなあ。これ以上ばっちりなものはないと思うぞ?」
「そうだそうだ。」
第一、どうやって用心するっていうんでしか。
「ルーアンの場合は食い物で釣れるな。」
「キリュウの場合は・・・どうしよう?」
ほらあ、やっぱり無理じゃないでしか。・・・ってそういうことじゃないでしっ!
「うーん、辛いものでつるか。」
「おっ、なるほど。後の報復を恐れさせるってわけだな。」
ちょっと、二人とも!
「ちなみに離珠は・・・宮内んとこのお饅頭、かな。」
「こんなこともあろうかとおすそわけしてもらっててよかった。ほい。」
どん
へ?
・・・・・・。
ちゅわ、いただくでし〜。
「そして食べた後、はたと気付いてことわざ解説を嘆く、と。」
「ま、遅いけどな。饅頭に今更用心したところで。」
・・・えうー!!


「火傷火におじる」でし
「よし!俺が解説を手伝おう!」
なんとたかししゃんがこんなことを!
手伝うという辺りが非常に献身的で離珠はとっても嬉しいでし。
で、やってきたのは購買部でし。例によって出雲しゃんが出迎えてくれたんでしが・・・。
「やい宮内出雲!お前はナンパに失敗したら怖くて女の子に近づけなくなるだろ!!」
「いきなりやってきて何を言うかと思えば・・・。
この私がそんな醜態をさらすわけがないでしょうが(ふぁさぁ)」
「くっ・・・。」
・・・・・・。
たかししゃんに頼ってしまったのが非常に失敗でしね。
ともかく『一度しくじった者は、そのことが忘れられないので必要以上にこわがる』という事でし。
そんなわけで、離珠は今後たかししゃんの誘いには乗らないことに・・・
「離珠ちゃん!今度こそ俺が解説を完成させてやる!!」
と思ってたんでしが、結局強引に連れて行かれるので無駄な抵抗でし。
えうー・・・。


「養う所を以て其の養う所を害せず」でし
昔々の事でし。
シャオしゃまがとある王様に仕えていた時の事、大きな戦争に巻き込まれたんでし。
もともとここはそんなに勢力のある国じゃなかったんでしが・・・。
シャオしゃまももちろん主しゃまを守るために戦ったんでしが、状況はかなり不利だったでし。
「シャオリンよ、もはやこの国も終わりじゃ。できるだけ多くの民を連れて逃げるぞ。」
「ですが、一体何処へ・・・。」
「それよりは王様!なんとしてでもこの国を守るべきでは!!」
大臣の一人がシャオしゃまの後にこんな事を言ったんでしね。
けれど、王様は首を横に振ったでし。
「民が住む場所を守るよりは民自身を守らねば。皆殺しにされては元も子もない。
シャオリンよ、民をできるだけ多く守ってやってくれ。頼んだぞ!」
「はい、分かりました!!」
・・・というわけで、星神達は一生懸命国民のみなしゃんを守ったんでし。
『身体(命)を失ったら人生も無いから、衣食住のために体を害する事はしない』という事でし。
王様の判断は正しかったでしね。懸命に逃げて、別の所に新しい国を作る事が出来たんでし。
それにしてもあんなに沢山の人をよく守ったもんでし。
やっぱりシャオしゃまは立派な守護月天でしね!


「夜食過ぎての牡丹餅」でし
『時機が過ぎて価値がないことのたとえ』という事でし。
「なんでだ?おめーはぼたもちもらったなら喜んで食うだろ?」
いちいちうるさいで虎賁しゃん!
夜の食事がすんだ後では牡丹餅をもらってもお腹がいっぱいだからありがたくないでしね?
そういうことなんでし。
「でもルーアンとか食うんじゃねーかな。」
甘いでしね、虎賁しゃん。いくらルーアンしゃんでも眠気には勝てないんでし!
「それは朝の話だと聞いたぞ。」
よ、夜でも同じでしよ!多分・・・。


「安かろう悪かろう」でし
なぜか今日はルーアンしゃんがお買い物に行ったでし。
そして大量の品物を抱えて戻ってきたんでし。
「どう?すごいでしょ。とあるスーパーで大安売りしていたのよ。」
確かに安く大量に買えたみたいでしが・・・。
「ルーアンさん、八穀がその食材は使えないっていってますわ。」
「なにいってんの。気のせいよ気のせい。早く料理しちゃって。」
そして夕飯が出来あがったんでしが・・・。
「・・・まずい。ルーアン、一体どこで買ってきたんだ?」
「おっかしいわね。こんなはずじゃ・・・。」
結局買ってきた品物のほとんどは、庭の肥やしになってしまったんでし。
『値段の安い物は質が悪く、結局得にはならない』という事でし。
まったく・・・、得どころか大損でしよ。
それ以来買い物は、シャオしゃまが絶対行く事に決まったでし。


「安きこと泰山のごとし」でし
これは軍南門しゃんの事でし!!誰が何と言おうとそうなんでし!!!
『安定していて動じないたとえ』という事でし。
「・・・なあ離珠、あっさりし過ぎじゃないか?」
虎賁しゃん、誰が何と言おうとこれでいいんでし!!
「でもなあ・・・。」
つーん、でし。
「・・・・・・。」


「安物買いの銭失い」でし
『安い物は品物が悪くて長持ちしない。だから、
何度も買わなければならないのでかえってお金を損する』という事でし。
「だからシャオリン、マツタケ買ってきて。」
「あの、ルーアンさん。今マツタケはとっても高くて・・・」
「シイタケとかエノキとか買ってきたって、安くって不満が残るでしょ?
だからマツタケなのよ!!」
「は、はあ・・・。」
ルーアンしゃんが無理な注文をしてるでし。
なんでマツタケなんでしか・・・。
「・・・わかりました。今晩はマツタケにします。」
「さっすがシャオリンね!」
「・・・あの、ところでルーアンさん。」
「なあに?」
「不満、というのは一体誰が?」
「そんなもんこのあたしに決まってるじゃない♪」
「はあ、そうですかぁ・・・。」
それで納得したシャオしゃま、マツタケを買いに行ったでし。
・・・ってシャオしゃま!そんなので納得してちゃダメでしよっ!!


「痩馬に重荷」でし
えしょえしょ。
ただいま食事の準備中でし。
シャオしゃまが作っているそばで、離珠が食器を並べてるんでしよ〜。
「・・・・・・。」
「あ、太助様。もう少しで出来ますから。」
「ああ。それより・・・離珠、何やってんだ。」
太助しゃま、みてわからないんでしか?お茶碗とか食器を並べてるんでしよっ。
「・・・ふらついてるじゃないか。前から言ってるけど、あんまり無理しないでいいよ。
食器を並べるくらい俺がやるから。」
ああっ、太助しゃま・・・。
というわけで、太助しゃまにお仕事を任せてしまったでし。
『力につりあわぬ大きな仕事の例え。
痩せた弱い馬に重い荷をしょわせても無理である』という事でし。
えうー、やっぱり離珠には無理だったんでしかねえ・・・。
「離珠、落ち込まないの。その気持ちだけで十分なんだから。」
「そうそう、シャオの言う通りだって。」
うーん・・・。


「痩せ馬の行く先は草まで枯れる」でし
『貧乏人を嘲笑する言葉で、貧乏人は何でも貪り食って卑しい』という事でし。
「すっごい言葉だなあ。」
那奈しゃんはそういう経験はないでしか?
「んなもん経験するか!!ふむ、たとえるなら・・・。」
たとえるなら?
「薄皮饅頭畑に離珠を大量に放つと、そういうことになるんじゃないのか?」
那奈しゃん!!なんてこと言うでしか!!
「冗談だよ、冗談。嘲笑はこんなもんだよ、うん。」
むう・・・。


「やなぎの下のどじょう」でし
じゃじゃーん!!今日は離珠一人で御留守番でし!!
これはちゃんすでし!!金魚しゃんにえしゃをあげるんでし!!
とりあえずは金魚しゃんが居る水槽に辿り着かないといけないでしね。
というわけで、御菓子の箱をまた集めるでし!(ルーアンしゃんのおかげでしね)
うんしょ、うんしょ、うんしょ、うんしょ・・・
沢山の箱を積み上げて、なんとか水槽に辿り着いたでし。
今回はちゃんとえしゃを忘れずに上に上がるでしよっ。
(以前虎賁しゃんに馬鹿にされてとっても悔しかったでし)
で、なんとか箱を積み上げて水槽の上に上がってえしゃを構えたでし!
さあ金魚しゃん、えしゃえしゃ〜。と、其の時!
「たっだいま〜♪」
ルーアンしゃんが突然帰って来たんでし!その風圧で離珠は吹き飛ばされ・・・
ぽふっと床に落ちたでし。なんと、えしゃの箱がクッション代わりになったんでし!
・・・とまあこれが昨日の出来事でし。
「ほう・・・。それで?また今日もエサをやろうと?」
そうでし。大丈夫でしよ、落ちてもちゃんとえしゃの箱がクッション代わりになるでし。
「そんな無茶苦茶な・・・。そううまい事いくわけね―だろ。」
そうでし!!あんな偶然はまず起こる訳無いんでし!!というわけで、
『偶然上手くいった事が、また上手くいくとは限らない』という事でし。
「・・・なあ離珠、もうちょっと他にいい例えとかあるんじゃ。」
しょんな事より虎賁しゃん!!えしゃをあげるのを手伝ってくだしゃい!!
離珠は今度こそ金魚しゃんにえしゃをあげるんでし!!
「おいらが何を手伝うってんだ。」
下で待機して、離珠を受けとめるんでし。
「・・・いちぬけた。」
ああ、冗談でしよ〜!


「屋根越しの天の川」でし
これはルーアンしゃんの事でし!そう思わないでしか?虎賁しゃん。
「なんだっていきなりおいらにふるんだ?しかも訳わかんねーぞ。」
つまり、でし。ルーアンしゃんの食べる意欲には誰もついていけないって事でし。
「それはそうだけどさ、一体何の関係があるんだ?」
もう、そのまんまじゃないでしか。これ以上は分かりやすく言えないでしよ!
「???悪い、おいらにはわかんねー。」
まったくしょうがないでしねえ。
『あまりにも遠すぎて話が届かない』という事でし。
なんだって虎賁しゃんにこの例えがわからないんでしか!
「・・・離珠、今おまえが言っていることがずばりそうだ。
おいらにはついていけない話だな、うん。」
ふえ、そうでしか?うーん、それは困ったでしね―。
「困ってるついでに一つ言っておくぞ。
いいかげんルーアンばっかり例えに出すのはやめろ。」
むむっ、それこそ出来ない相談でし。ルーアンしゃんなくしてことわざは語れないでし!
「はいはい。ま、頑張れよ・・・。」
もっちろんでし!


「やはり野に置け蓮華草」でし
ある晴れた日。太助しゃま達でピクニックに出かけたんでし。
澄んだ青い空・・・たまにはこういうのもいいでしねえ。
「ふう、晴れて良かったなあ。」
「たまにはこういうのもいいですね。」
那奈しゃんとシャオしゃまはのんびりと歩いてるでし。
それを追い抜くというか、先回りする様に他の三人が。
「きゃー、綺麗な景色ね〜。」
「だああ!!こんなとこまできて引っ付くのやめろ〜!!」
相変わらずのルーアンしゃんでし。まったく、何処にいてもかわんないでしね。
ちなみに離珠はキリュウしゃんの肩に乗ってるんでしよ。
ちょいちょい、キリュウしゃん。
「ん?どうした、離珠殿。」
どうしたじゃ無いでしよ。てきとーに歩いてないで、ルーアンしゃんを止めてくだしゃい。
「・・・何か言いたそうだな。しかしそれも試練だ。
そんな事より私はこの景色が気にいってな・・・。」
どうも我関せずでしねえ。もう・・・。
でも、確かにキリュウしゃんの言う通り綺麗な景色でし。
もちろん言ったのはキリュウしゃんだけじゃないんでしがね。沢山のお花が咲き乱れていたんでし。
「うわあー・・・綺麗な所ですねえ・・・。」
「ああ、そうだなシャオ・・・って、離れろルーアン!!」
「いやーん、別に良いじゃないのお。」
ようやくシャオしゃま達も追いついたでし。でもルーアンしゃんは相変わらずなんでしね。
「まったく・・・。離れろとかいうだけじゃなくって振りほどけよ、情けない弟だ・・・。
なあ瓠瓜?こんな奴があたしの弟なんだぜ?笑っちゃうよなあ。」
「ぐえ・・・。」
那奈しゃん、瓠瓜しゃんに言っても意味無いでしよ・・・。
「こういう所だと心が安らぐ・・・。いい場所だ・・・。」
目をうっとりさせてるのはキリュウしゃん。らしいでしねえ。
「ふむ、こんな場所での基本は草花つみなんだけど・・・するのか?」
「・・・やめておきますわ。だって、折角こうやって咲いてるんですもの。」
おおっと!そうこうしてるうちに早速例えのお話が出たでし。
そう、こういった草花は野に咲いてるからこそ美しいんでしねえ。
「そう、シャオの言う通り・・・って、ルーアン、いいかげんに離れろ〜!!」
「おっほっほ、たー様、あたしがいいもの見せてあげるわ。」
笑ったかと思うと、ルーアンしゃんがやっと離れたでし。
ほんとしつこかったでしねえ。
「・・・いいものってなんだよ。」
「これよ・・・陽天心召来!!」
ななな!?ルーアンしゃん!!
皆しゃん驚いて一瞬後ずさりしたでし。
ところがなんにも起きず、恐る恐るキリュウしゃんが聞いたでし。
「ルーアン殿、一体何をした?」
「たくう、わかんないの?だから陽天心よ。
でもね、こういう場所じゃあ意味が無いの。だって、生きてるものが沢山でしょ?
あたしの能力は、意志の無いものに命を吹き込むものだからね。
というわけで、こういう場所じゃああたしの力は発揮でき無い、というわけね。
ほらごみチビ、解説終わったわよ。」
・・・はっ!!?な、なんとルーアンしゃん、いつの間にそんな事を狙ってたんでしか!!?
とまあそういう訳で、『野の蓮華草は野にあってこそ所を得て美しい物である。
人もそれぞれに所を得て初めてその力を出す事が出来るものだ』という事でし。
粗大ゴミだのが沢山ある場所だと、ルーアンしゃんは思う存分力を発揮できる訳でしね。
「ほほほ、まあそういうこ・・・って、なんつう例えを出してんのよ!!
岩とか機械とかなら良いけど・・・粗大ゴミですってー!?」
う、うわわっ、言葉のあやでしよ〜。
「絵で説明したのだから言葉のあやとは違うと思うのだが・・・。」
何のんきな突っ込み入れてんでしか、キリュウしゃんは!!
・・・それで危うく追いかけられそうになったんでしが、シャオしゃまのお弁当で危機を脱したでし。
とにもかくにも、楽しい楽しいピクニックだったでしよ〜♪


「やぶから棒」でし
「ちいさな輪っかから女の子が出てきた!!という事で十分だろ?」
び、びっくりしたでし・・・。いきなりなんでしか太助しゃま!
「ちょっとした演出さ。」
太助しゃまがそんな事するなんて珍しいでしね・・・。ともかく!
『おいしげったやぶから急に棒を突き出すと皆がビックリする。
物事をいきなりする事。また、ビックリするような事が起こること』という事でし。


「病膏肓に入る」でし
『不治の病になること』という事でし。
例えが難しいので、太助しゃまにバトンタッチでし。それではどうぞでし。
「いきなり言われてもなあ。俺の身辺に不治の病にかかっている人なんて居ないし・・・。」
「まあっ!!太助様は不治の病にかかっているんですか!?」
「い、いや、そうじゃな・・・」
「大変ですわ!早く星神を呼ばないと!!」
「あ、あのさ、シャオ。不治の病を治せる星神なんて居るの?」
「そういえば居なかったんですわ。どうしましょう、太助様が・・・。」
「いや、あの、シャオ。俺は別に不治の病じゃ・・・。」
「ごめんなさい、肝心な時に役に立てなくて。私、守護月天失格ですね。
太助様の病を治してさしあげられないなんて・・・。」
「シャオ、そんなに気を落とさなくても、俺は・・・。」
・・・なんだか、でしねえ。慌てるシャオしゃまもシャオしゃまでしが、
太助しゃまももうちょっとはっきり言って欲しいでし。
これも一種の不治の病・・・でしかね?
「違うって、離珠。」
虎賁しゃん。最後のツッコミ、どうもありがとしゃんでした。


「山高きがゆえに貴からず」でし
キリュウしゃん、どうぞでし!
「・・・何故私が。」
うだうだ言う前に解説するでしよ!!
「わ、分かった・・・。近頃離珠殿は・・・」
なんか言ったでしか!?
「い、いや、別に。つまりだな、大きい大きいはげ山よりも、
草木が生い茂っている山のほうが良い、という事だ。」
・・・そのまんまじゃなくって、例えが欲しいんでしよ。
「贅沢だな・・・。私にそういう細かい事をやらせるな。」
はーい、そういうわけでしー!
『外観の立派さではなく実質があってこそ価値がある』という事でし。
つまりでし!体のおっきいキリュウしゃんよりも、体のちっさい離珠の方が・・・
「万象大乱!!」
シュウウウウ
おや?り、離珠の体がそのまんま大きく!?
あっという間に庭全てを埋め尽くすほどの大きさに・・・。
「そこで反省するのだな。人を馬鹿にするとは・・・。」
ちょちょちょ、ちょっと待つでしよ!!
別にキリュウしゃんの外観が立派だなんて言ってないじゃないでしか!!
「・・・・・・。」
シュウウウウ
ほっ、元の大きさに・・・!!?
「普段の約十分の一の大きさだ。今度こそしっかり反省されよ。」
な、何を怒ってるでしか〜!?体の大きさってだけで例えにしただけじゃないでしかー!
「見た目よりも中身が大切だという事なのだろう?
だったらその状態でそれを証明されよ。」
む、むちゃでしー!!
「それも試練だ。」
な、何を言うでしか〜!!試練は太助しゃまに与えてくだしゃ〜い!!


「山の芋鰻とならず」でし
『世の中にはとてつもない変化などというものはない』という事でし。
「あたしは山野辺翔子だ。しかし、シャオには成れない。そういう事だ。」
翔子しゃん、そういうものじゃなくてもうちょっとこう・・・
「ちなみに離珠も饅頭には成れないな。」
そりゃそうでし・・・って、そういう例えじゃなくて!
「更に離珠のことわざ解説も予算会議になんかならないしな。」
えうー、翔子しゃん意地悪でしー。


「山彦と女は同じように秘密をたもつ」でし
『女は山彦のように聞いた秘密を話してしまうものだ』という事でし。
「そうかしら?私はそうは思わないけど・・・。」
そうでしねえ、シャオしゃま。離珠も同感でし。
「確かにあんたら二人だと説得力が無いわね。
でもこのあたしなら!秘密を喋ってくれればすぐに振り撒いてあげるわよー!!」
「まあ、そうなんですか?良かったわね、離珠。ルーアンさんが名乗ってくれて。」
離珠感激でし〜。ルーアンしゃん、ありがとうでし〜。
「おーっほっほっほ。どんなもんよ!・・・って、つい名乗ったけどこれで良かったのかしら・・・。」


「闇に礫」でし
『どこから飛んでくるかわからない事のたとえ』という事でし。
「実際に試練として行ってみるとしよう。」
「おしっ。真っ暗やみの中で石を避けるんだな。」
ただの石では面白くないでし。
「ならば刃物でも投げてみるとしようか・・・。」
「んなもん投げるんなら絶対やらないからな。」
それもそうでしね。離珠がシャオしゃまに知らせて取りやめさせるでし。
「・・・あっという間に私が悪者になってる気がするのだが気の所為か?」
「というかさあ、普通に石で試練しようぜ、な?」
・・・そんなこんなで、無事に闇の中で試練が行われたでし〜。
「夜の校庭、これはなかなかにいい場所だ。」
「俺らがしっかり投げるからな〜!」
「太助君、頑張って避けてよ〜!」
「見事な反射神経をみせてください!」
とまあ、更にたかししゃんと乎一郎しゃんと出雲しゃんも加わったんでし。
「闇っていうよりは複数から飛んでくるのはちょっと大変なんだけど・・・。」
ぶつぶつ言ってた太助しゃまだったでしが、試練は無事に終了、でしでし。


「闇の夜に燈火を失う」でし
「離珠ちゃん!俺がばっちりに例えを示してやろう!」
そう言うたかししゃんに連れてこられたのは・・・購買部でし。
「なんですか、野村君に離珠さん。」
「出雲、自分の髪の毛がなくなったらどうなる?」
「いきなりなんですか・・・。まあ困りますねえ。」
「ふぁさぁ、なんて出来なくなるよな?」
「当然でしょう。」
「はい!というわけだ離珠ちゃん!」
え、ええっ?うーん・・・
『これから後どのようにしたら良いか迷う事の例え』という事でし。
「つまり、出雲が髪を失ってふぁさふぁさできない!これからどうしたらいいか・・・」
「野村君、なんという事を!」
「事実を言ったまでだ!!」
「そういう問題じゃありません!!」
えうー・・・。たかししゃんに任せるべきじゃなかったでしー。


「矢も盾もたまらず」でし
これは、シャオしゃまが夕御飯を作っていた時の事でし。
「離珠、今日のおかずはなんだと思う?」
なんでしか?シャオしゃま。
「秘密よ。食べる時のお楽しみ♪」
そ、そうでしか。(なんだか最近明るいでしねえ、シャオしゃま。いい事でし。)
どたどたどた!
和んでいると、ルーアンしゃんが慌て気味にキッチンに入ってきたんでし。
「あらルーアンさん、どうしたんですか?」
「どうしたもこうしたも・・・とりあえず水一杯頂戴。」
ぜえぜえと息をしているくらいだから、よっぽど急いでたんでしね。
ともかくシャオしゃまがコップに水を入れて渡すと、ルーアンしゃんはそれを一気に飲み干したでし。
ふええ、すごいでし。さすがはルーアンしゃん・・・。
「ちょっとごみチビ、なんて目をしてこっちを見てんのよ!これくらい誰だって出来るでしょ!」
びくっ!ひょっとして心を詠まれたんでしか?しょんな馬鹿な・・・。
「とと、そんな事言ってる場合じゃないんだった。
たー様が大変なのよ!キリュウの試練受けてる最中に大怪我負っちゃって!
それで今さっき病院に連れてかれて・・・。」
「た、太助様が!!?」
「そうよ。だからシャオリン、あんた治療の星神持ってたでしょ。それで・・・」
「太助様・・・。来々、軒轅!!」
ルーアンしゃんの説明が終わる前に、シャオしゃまは軒轅しゃんを呼び出して飛び去って行ってしまったでし。
あっという間の出来事に、離珠もルーアンしゃんも圧倒されてたでし。
『じっとしていられない。また、思いつめて自制できない』という事でし。
それにしてもルーアンしゃんがそんな事を知らせに来るなんて珍しいでしね。
「・・・やれやれ、キリュウに言われたとはいえ、あたしも甘くなったわねえ。」
なんだ、キリュウしゃんに言われたんでしか。それなら納得がいくでし。
「それより、この料理どうすればいいのかしらね・・・。」
そういえば途中だった料理も全部ほったらかしにしてシャオしゃまは行ってしまったんでし。
離珠たちで作るなんてできっこないから、そのままにするしかないでしね。
「よーし、シャオリンの代わりにあたしが作ってやるわ!そんでもってたー様に誉めてもらおうっと。
“ルーアンがこれを一人で作ったのか?すごいじゃないか”って・・・。きゃー、早速作ろうっと!」
ちょちょ、ちょっとルーアンしゃん、太助しゃまの所へ行かなくていいんでしか?
「何よごみチビ。大丈夫よ、ちゃっちゃと帰ってくるわよ。
たー様の看病をするのも良いけど、家で優しく出迎えてあげる方がポイント高いはずよ!」
な、なるほど・・・って、しょんな事よりもっと大事な問題があるでし!
「さあて、続きはっと・・・。」
ルーアンしゃんがシャオしゃまの代わりに作るなんてできっこないじゃないでしか!
頼むからルーアンしゃん、止めるでしよ〜!!


「夜郎自大」でし
「乎一郎!俺みたいな凄い歌声の持ち主は?」
「たかし君の他に居ないと思うよ・・・。」
「太助!俺みたいな熱き魂の持ち主は?」
「たかしの他に居る訳無いだろ・・・。」
えー、そんなわけで、
『広い世の中の事や、自分の実力を知らないで、
身近の仲間達を相手に威張っている人』という事でし。
これは、夜郎という小さな国の王が、
自分を大国の王だと思いこんで自慢していたことからきたんでしよ。
つまり、たかししゃんはこの狭い鶴ヶ丘町内で・・・って、待つでし。
これはもしかして例えを誤っていないでしか?
「心配する必要はないよ、離珠ちゃん。」
「世界中探せば、たかしより凄い人がいるはずさ。」
だといいんでしが・・・。
「はーっはっはっは!何を三人でこそこそやってるんだ?」
な、なんでもないでしよっ。


戻るでし。