≪む≫でし!
「むかうところ敵なし」でし
『進む所に抵抗する人が一人もいない。物事を行っていて、まったくライバルが居ない』という事でし。
というわけで、皆しゃんにこれはっていうものを自慢して欲しいでし。
「離珠、なんでそうなる・・・。」
だって虎賁しゃん、“これは自慢だ!”ってものこそあてはまるじゃないでしか。
離珠は伝心に関してでし!
「なるほど。じゃあおいらは球技のコーチだ!!」
・・・よくよく考えたら、星神たちは全員そんな感じでし。
「そりゃまあ、その道の専門だしな。」
じゃあここで御終いにするでし。全員挙げて行くと大変でし。
「あ、そ・・・。」
「無何有の里」でし
「昔々、ずっと昔。とてものどかな風景が広がる地。
自然に溶け込んで暮らしている、ある方に私は仕えていました。
そこはほんとに平和で・・・。」
というわけで、
『自然のままで、なんの人為も加えられてない土地。
何物にも拘束されない理想郷』という事でし。
シャオしゃま、それっていつの話なんでしか?
「キリュウさんから聞いたの。“代わりにシャオ殿が言ってくれ”ですって。
だから私が代わりに言ったのよ。」
・・・なんでそうなるんでしか。キリュウしゃんは何故自分で言わないんでしか?
「さあ?どうしてかしらねえ?」
シャオしゃまぁ・・・。
「昔とったきねづか」でし
ここらへんは、シャオしゃま達にあてはまるんでしかね。
「そういう事になるのかしらね。ね、ルーアンさん、キリュウさん。」
「まあねえ、あたしらは長い間生きてきたから・・・。」
「というよりは、それが役目で今まで来たのだから当たり前だという気もするが。」
まあまあ、キリュウしゃん。この際役目とかいう事は置いといてくだしゃいでし。
「私は御主人様を御守りする事。」
「あたしは主様に幸せを授ける事。」
「私は主に試練を与える事。」
それぞれそういう事に関してはまさに!という事でしね。
『昔からうでをきたえてきたので、自信を持っている』という事でし。
「自信ねえ・・・。やっぱりさあ、役目なんだから自信もへったくれもないんじゃ。」
「あの、ルーアンさん。へったくれってなんですか?」
「さあ?キリュウが知ってるんじゃないの?」
「どうしてそうなるんだ。そうだ、離珠殿こそ知っていると思うぞ。」
ほへ?離珠も知らないでしよ〜。
「謙遜したって無駄よ。ことわざ解説なんてやってるくらいだからこれくらい朝飯前でしょ?」
「朝御飯はついさっき食べましたけど・・・。」
「シャオリン、あたしはそういう事言ってるんじゃないんだって。」
「なかなかに難しいな・・・。」
・・・なんだか良くわかんなくなって来たでし。このへんで御終いでし!
「昔の歌は今は歌えぬ」でし
歌ではたとえが悪いと思うので、別のものを使うでし。
「ふーん。で、何を使うの?」
よくぞ聞いてくれたでし乎一郎しゃん。
それは眼鏡でし!
「眼鏡?・・・まさかそれだけのために僕を呼んだんじゃあないよね?」
もちろんでしよ。
心の広い離珠は解説を譲るんでしから。
そういうわけでお願いするでし。
「・・・・・・。
えーと、まあ古くて度が合わなくなった眼鏡は使えない、ってことだよ。」
ども、ありがとしゃんでしたー。
『古いものではもう通用しない』という事でし。
「こんなもの僕がわざわざここで言わなくても・・・。」
何事も実行でし。ところで乎一郎しゃん。
「何?」
離珠が使ってる筆、そろそろ古くなってきたんで替えたいんでし〜。
「・・・・・・。
心配しなくても十分使えてると思うよ。」
もーう、ノリが悪いでしね。
「そうつっこまれても困るんだけど。」
「昔の剣今の菜刀」でし
さてさて、これはシャオしゃま・・・だと失礼なのでルーアンしゃんでし。
ルーアンしゃんは幸せを授けるために居るんでしよね。
「そうなのよねー。でも昔の主様達と違ってたー様って・・・。
しかもあたしってば遠藤君に追っかけまわされちゃってるし。
なんだかこの時代に来て、あたしの役割も少し変わっちゃったのかな?なんて。」
はーい、ありがとしゃんでした。
つまり『古くなれば使われ方も変わる』という事でし。
昔と違ってルーアンしゃんは違う役割って訳なんでしねえ。
「それって無理があるような・・・。
そんな事より使われ方が変わるって何なのよ!!あたしは使われてるって言うの―!!」
ま、まあそういう事にしておいて欲しいでし。
「あー!!だからシャオリンには失礼って・・・。このゴミちび――!!」
うわ―、襲ってきたでし―!!その間に、もう一つの解説いくでし―!!
・・・ある時、たかししゃんに昔を語ってもらったんでし。
「え?俺の昔?そうだなあ、学級委員長になり立ての時はそりゃあちやほやされたもんさ。
クラスの纏め役、そして面倒な仕事を俺が率先してやってたんだからな。
しかし、なんだか今の俺への扱いは酷すぎる・・・。
ルーアン先生の暴走を全部俺の所為にしやがって―!!」
それだけ、たかししゃんが衰えたって事でしね。というわけで!
『昔は優れた働きをした者も衰えれば重んじられなくなる』という事でし。
「・・・衰えたってどういう事だよ。俺は昔も今もこのまんまだぜ。」
まあまあ、たかししゃんが自分の非を認めれば丸く収まるでし。
「なにー!?俺のどこに非があるってんだあ―!!」
うわわっ!たかししゃんが襲ってきたでし―!!
・・・とまあこんなわけで必死に逃げたんでしね。
ルーアンしゃん?ルーアンしゃんからもなんとか逃げ切ったでしよ。
ちなみに、会話は全て離珠が素晴らしい絵で伝えていたでし。
ふう、なかなかに疲れたでし・・・。
「昔は今の鏡」でし
『昔の事は今の参考になる』という事でし。
「そうだよなあ。今までの事を考えれば、シャオと二人っきりになるとかいう作戦を心得てるはず。
なのに七梨の奴ときたら・・・。」
翔子しゃん、何をぶつぶつ言ってるでしか。
大丈夫、お得意の嘘でなんとかなるでしよ。
「そおれはだめだ。いつまでもあたしに頼ってちゃいけない!
でもやろっかな・・・。」
そうでし、翔子しゃん!
「二人で何騒いでんだ・・・。」
「げっ、七梨。」
な、なんでもないでしよ、太助しゃま。
「怪しいな。山野辺は大抵何か企んでたしな。」
「・・・お前さあ、もうちっと別の事を深く考えろよな。」
そのとおりでし・・・。
「ムカデのあだ転び」でし
『ムカデは足がたくさんあるからなかなか倒れないものだが、
それでも時には間違って倒れることがあるということで、
どんなに安全のように見えるものでも、また慣れたものでもしくじることがある。』という事でし。
そうでし!
例え軍南門しゃんの様などっしりした人でも倒れる時があるんでし!!
それでは早速倒れてくだしゃーい・・・
「離珠!!軍南門に何をやらせようとしてるの!!」
わわっ、シャオしゃま!
・・・と。シャオしゃまの激しい雷が落ちたために中止になってしまったでし。
いやいや、慣れている離珠でもこうして例えが止まる時があるんでしよねえ。
「そんなのしょっちゅうじゃねーか。」
虎賁しゃん五月蝿いでし!
「麦の出穂に火を降らせ」でし
昔々ある所で、乎一郎しゃんが麦を育てていたでし。
働き熱心な乎一郎しゃんは、一生懸命に作業をしたんでし。
「後は、出穂のお天気次第だな。
・・・ルーアン先生、その時はどうか太陽が照るようにお願いします。」
お空に向かって祈りを込める乎一郎しゃん。
ルーアンしゃんは太陽の精霊でしからねえ・・・。
『ムギの出穂の頃には、よく照り付けてもらいたいものだ。
天気がよいと病害が少なく、授精にも好都合だから作柄がよくなる』という事でし。
そして出穂はやってきたでし。
ばっちり晴れまくって、乎一郎しゃんは質の良い麦をたーくしゃん収穫したでし。
「ああ、ありがとうルーアン先生!」
めでたしめでたし、でし。
・・・・・・。
というお話、でし。
「なあ離珠、一つ突っ込んでいいか?」
駄目でしよ。本当に火を降らせられたら突っ込んでもいいでしが。
「それは無理だろ・・・月天様でも無理だし・・・」
「麦の穂が出たら浅蜊を食うな」でし
『夏のアサリは中毒しやすいから注意せよ』という事でし。
注意しろと言われても、食べる時は食べてしまうでしよねえ。
「心配しなくても大丈夫よ離珠。八穀がしっかり品定めしてくれるから。」
なるほどっ。それならばっちり安心でしねっ。
「それに夏といえばそーめんよ!!というわけでシャオリン、美味しいそーめんお願いね〜。」
「はいっ、わかりましたわ。」
そーめんを食べるからといってアサリを食べないわけでもないと思うんでしが・・・。
「麦飯に食傷なし」でし
『麦飯は米の飯より口当たりが悪く美味しく無いとされているので、食べ過ぎる事がなく、
従って腹を痛める事も無いであろうが、消化も良いから腹にもたれない』という事でし。
「えっと、そういう訳で今日の夕御飯は麦飯ですう!」
ずらりとテーブルに・・・並んでなくて、真ん中にでんと麦飯入りの大きなものがあって、
その周りにぽつぽつとお茶碗があるでし。
「・・・シャオリン、なんのつもり?」
「だから、今日は麦飯です。」
「なあシャオ、麦飯しか無いんだけど?」
「だから、今日のごはんは麦飯なんです。」
「・・・恐ろしい試練だ。」
ぶつぶつと文句が出ていたものの、皆しゃんパクパクと食べていたでし。
あのルーアンしゃんも同じ様にパクパクと!!
さすが麦飯、凄い効果でし。
「無芸大食」でし
こんなもの、ルーアンしゃんの代名詞でし!
『ひたすら大盛の飯を食べる以外に、人間として何のとりえも持ち合わせていない』という事でし。
いやあ、あっさり終わって良かった良かったでし・・・。
「こぉんのごみチビー!!ふざけんじゃないわよ!!」
びくぅ!!る、ルーアンしゃん!!
「あたしがなんのとりえも無いってー!!?慶幸日天に向かってなんて事言いやがるー!!」
わわわっ!!今にも陽天心召来が・・・そ、そうでし!
る、ルーアンしゃん落ちついてくだしゃいでし。
“人間として”でしよ。ルーアンしゃんは精霊じゃないでしか。
ぴたっ。
「・・・なるほど。って納得すると思ってんの!?それでも腹が立つわよー!!
それ以前に、しょっぱなからあたしの代名詞だとか言ってたじゃないのー!!」
はうう!?こ、声は聞こえないはずなのにー!?
・・・その後、ルーアンしゃんからたっぷり仕返しをくらい、
さらにはその話を聞いたシャオしゃまからたっぷり大目玉を食らったでし。
これからはもっと考えないと駄目でしね・・・。
「ぐえっ?」
瓠瓜しゃん、いつのまに?そうでし、瓠瓜しゃんなら・・・
「離珠!!」
はう!?えうー、ごめんなさいでしー。
「婿取り天井無し」でし
『婿取り娘は一人娘か長女だから、わがままになりがちである』という事でし。
「なるほど、那奈姉か。」
「・・・たしかにあたしは長女だ。だがな、この言葉自体相当考えが古くないか?
なんで長女と一人娘がわがままなんだ!」
「少なくとも那奈姉の場合は見てて分かる気がする・・・。」
「なんだとぉー!!?」
えっと、姉弟喧嘩が発動する手前で区切るでし。
「勝手に区切るな!!・・・なるほど、離珠は長女なんだな。」
「那奈姉、どっからそんな考えがわいてくるんだよ。」
と、とにかくお終いでし!
「蒸し暑いと翌日は雨」でし
『低気圧は左巻きの渦巻きだから、西の方から低気圧が近づいてくると、
南の方の温度の高い水蒸気をたくさん含んだ空気が吹き込んでくる。
それで蒸し暑い時にはやがて低気圧がきて雨となる』という事でし。
「へ、へええ・・・そうだったのね・・・。」
そうだったんでしねえ。
「あんたが感心しててどうすんのよ。解説者のくせに。」
ふ、振りでしよ、振り。
「それにしても・・・キリュウが可哀相ね。」
ほえ?
「だって雨なんて年中降ってるじゃないの。キリュウは暑いのが苦手でしょ。
つまり、雨の数だけ“あ、暑い、死んでしまう〜”とか叫んでる事になるわ。」
なるほど!キリュウしゃんお気の毒でし・・・。
「なーんて、そんなわけないけどね。蒸し暑いと雨だけど、
雨の前の日が蒸し暑いとは限らないし。」
ルーアンしゃん・・・。
「それに、本当にこれ当たってるの?」
ちょっと!最初に納得してたくせに何言ってるでしか!!
「貉と狸」でし
「ばっちりな例えってことで、早速俺と山野辺で勝負だ!」
「おいたかし、やめておけって。」
「何をするのか知らないけど、たかし君じゃあ山野辺さんに勝てないと思うよ。」
おおっと、言うやいなや太助しゃまと乎一郎しゃんからストップの声が!
「お前ら、そんなに俺を信用してないのか?
くうう、俺達は親友じゃなかったのかよおお・・・。」
「そういうことじゃなくてだな。」
「相手が悪いって事だよ。」
おおっと!何気にやばい発言でし!
「たとえ相手が誰だろうと俺は勝つ!それをどうして思ってくれないんだ!」
「普段が普段だろ!だからそんな事言われても無理だよ。」
「第一たかし君が知恵比べに強いなんてほとんど聞かないし・・・。」
そんな調子で、二人はひっしにたかししゃんを説得。
いやあ、見てて楽しかったでし。
『駆け引きの上手い者どうしが秘術を尽くして向かい合うということで、
どちらもどちらだからみものである』という事でし。
「で、結局野村は来ないんだな?」
そうでし。代わりにルーアンしゃんをつれてきたでし。
「ま、当然よね〜。」
「なんでルーアン先生なんだ?」
貉はアナグマのことで、冬眠中の間は油がのって美味しいので、
タヌキ汁として賞美されてるそうでし。だからでし。
「一緒に鍋でもかこもうかと思ってねー。あ、当然あんたが代金もちよ。」
「・・・あたしは帰る。」
ああっ、待ってくだしゃいタヌキ鍋・・・じゃなくって翔子しゃん!
「帰るなんて許さないわよタヌキ鍋!」
「人をそんな風に呼ぶなっての!!」
「矛盾」でし
なんとなく気になったことがあったので訊いてみたでし。
(出雲しゃん、どうして縁結びの神様が側にいるのに頼んだりしないんでしか?)
「私は神様に頼ったりせずに、シャオさんの心をいとめたいのです。」
(でもでも、「私には神様がついている」とか、「縁結びの神様に頼る身になってしまった」
とか言ってなかったでしか?)
「うっ、いや、ははは、そういう事もありますよ。
おっと、そろそろ神社の仕事に行かねば。離珠さん、シャオさん、それでは。」
そう言って出雲しゃんは行ってしまったでし。
うーん、普段は神主の仕事なんてほとんどしていないのに・・・。
『物事がのつじつまが合わない』という事でし。
ちなみに、離珠の声はシャオしゃまが出雲しゃんに説明してくれてたんでし。
「ねえ離珠、どうして出雲さんはあんなに慌ててたのかしら?」
(なんだかいろいろあるみたいでしよ。出雲しゃんも苦労してるんでしねえ。)
「娘の子は強盗八人」でし
「きいたか那奈姉。こんな言葉があるんだ、絶対に改めて・・・」
「あたしは別に母さん達から援助してもらってるわけじゃないぞ。」
「けど結婚するときはどうする?」
「もし結婚しなかったら?」
「えーと、えーと・・・。」
太助しゃま、那奈しゃんを例えにってのはむりがあったんじゃないでしか?
ともかく『娘を大きくして嫁にやるには大変なお金が要る』という事でし。
「そうだ!旅行の費用を・・・って、そんなもん出させてるわけじゃなかったよなあ。」
「そういうこと。まだまだ甘いな!弟よ!!」
「娘一人に婿八人」でし
え〜とでしねえ、これは・・・
「太助君とシャオちゃんだよ!どう考えたってそうじゃないか!」
なんと、乎一郎しゃんではないでしか!珍しいでしね。
まあ、どうぞどうぞ解説してくだしゃいでし。
「よーし、いくよ。まずシャオちゃん。
主に太助君とたかし君と出雲さんが頑張ってるよね。すでに三人。
そんでもってクラスにもシャオちゃんが好きな子は多い。
これぞまさしく、そのまんまの意味!」
ふんふん、そうでしそうでし。
「続いて太助君。僕が知ってる女の子はほとんどそうだね。
山野辺さんは分からないけど、ルーアン先生、花織ちゃん、そして多分キリュウちゃんも。
シャオちゃんの場合、シャオちゃん自身は気付いてないかもしれないけど、
絶対太助君を好きなはずだよ。
キリュウちゃんはそのうち太助君を好きになってもおかしくないと思うんだ。
・・・とまあ、そういう訳で、太助君を好きな女性が四人も!」
さすがでし!よーし、あとは離珠がまとめるでしよ。
『目当てのものが一つなのに欲しがる者が多い』という事でし。
「もてる人達ってつらいよねえ。僕はルーアン先生一筋だからね!」
なんだか熱の入った乎一郎しゃん、ありがとしゃんでした。
「娘を見るより母を見よ」でし
「離珠、あたしは違うからな。以上だ。」
な、那奈しゃん・・・。聞こうと思っていたのにいきなりそんな事を言うのはずるいでしー!!
はう、『娘の人柄を知ろうと思ったら、母親の方を見れば分かる』という事でし。
うーむ、どうしたもんでしかねえ・・・。
「離珠、那奈姉の言う通りさ、母さんを見てるとあんまり似てる気はしないな。」
そうなんでしか?太助しゃま。
「世界のあちこちをめぐってるって点は同じだと思うけど・・・。
愛を振り撒こうなんて那奈姉は考えて無いだろうし。
那奈姉はそれが言いたかったんじゃないのかな。」
なるほど、そうでしか・・・。
「けど・・・なんだかんだ言いながらもしっかり俺の事を想ってくれてるのは間違い無いし。
よおく見れば、やっぱり似てるだろうな。なんと言っても親子だしな。」
そ、そうでしよねっ!
「むだ方便」でし
『無駄だと思われる事でも、やってみれば役に立つ事がある。
この世に真のむだはない』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、無駄だと見せかけておきながら役に立つ事をやってみようコーナー!
「うむ!というわけで主殿、早速肩をもんでくれ。」
「あのー、なんで俺がそんな事を?」
ふっふっふ、キリュウしゃんの肩もみは一見無駄な事の様に見えるでしが・・・。
「肩を揉む事によって、血行が良くなる。私の健康状態が良くなる!」
「いや、そういうのは分かるけど・・・。」
まだわからないでしか?太助しゃま。
「つまりは、試練が円滑に行えるようになるというわけだ。というわけでさあ!」
「なるほど・・・って、あからさまに仕組んでるような・・・。」
ついでに、キリュウしゃんの寝起きが良くなるかもでし。
「おお、それもそうだな。」
「なに!?それじゃあ何がなんでもやらないと!!
・・・って、あからさまに役に立つから却下だな。」
ああっ!それもそうでし!!
「どうしてそこでそうなるんだ・・・。」
「無用の用」でし
前々から思っていた疑問を、シャオしゃま達にぶつけてみたでし。
(シャしゃま、なんで髪の毛をぴんと跳ねさせてるんでしか?
色々邪魔になったりしないんでしか?)
「離珠、この髪の毛には特別な意味があるの。
あんまり気にしちゃ、だめですよ。」
(ほえ、そうなんでしか。ルーアンしゃんは?)
「シャオリンとは違うけど、あんたには教えられないわね。」
(えうー、意地悪しないで教えて欲しいでし。)
駄々をこねていると、ひょいっと持ち上げられたでし。
(誰でしか?・・・キリュウしゃん。)
「離珠殿、あんまり人を困らせるものではないぞ。
一見意味の無いものにも見えるが、
シャオ殿やルーアン殿にとっては用のあるものなのだ。」
(ほえ?そうなんでしか?)
『一見無駄なものでも、意外に役に立つ事がある』という事でし。
結局秘密のままだったでし。いつか謎を解き明かすでしよ!
「叢雲をあてにして物を隠す」でし
ある日の事、友人二人と花織しゃんが学校から帰っていたでし。
「ねえゆかりん、あの雲素敵じゃない?」
「えっ、どれどれ?」
「ああ、あの鳥みたいな形の。」
「そうだよ熱美ちゃん!ね、素敵でしょ。まさに大空にはばたいてるって感じの。」
「うーん、言われてみれば・・・。」
「花織は乙女チックだからねえ。」
「そうだ!あの雲の下で七梨先輩と待ち合わせしよう!そして
“先輩、あの雲私達を乗せて未来へはばたいてるって気がしませんか?”
って言おう。そしたら、
“そうだな。こんな素敵な雲の下にいるからこそ、輝かしい未来が想像できるんだろうな”
なんて言ってくれて・・・きゃーん!!早速七梨先輩に連絡しなきゃあ!!」
「ちょ、ちょっと花織!」
「・・・行っちゃった。まったく、あそこまで夢中に成れるとは大したもんだねえ。」
という事があったそうでし!!
「結局花織の思い通りにはいかず、だったけどね。」
「そりゃそうだよねえ。あの雲、しばらく経ったらすっかり風に流されちゃったもん。」
『目あてが目あてにならない事で、考えの足りない事の例え』という事でし。
もちろんこの話はその友人二人からきいたんでしよ。離珠ってば熱心でし〜。
「無理がとおれば道理が引っ込む」でし
「ねえたー様、さっきの授業、どうだった?」
「いいかげん俺を歴史に出すのやめろって・・・。」
休み時間のことでし。乎一郎しゃんの席にルーアンしゃんが座ってるでし。
でも、乎一郎しゃんは指をくわえてみてるだけ。情けないでしねー。
席はそれぞれちゃんと決められてるんでしから、
ルーアンしゃんは教壇にでも立ってればいいんでし。
離珠はそう思ってるんでしが、これはもう習慣付けられてるみたいでし。
これは、『正しいことが押しのけられて、正しくないことが正当化される』という事でし。
もう乎一郎しゃんはあきらめてるみたいでしね・・・。
戻るでし。