≪ま≫でし!
「舞ニ年太鼓三年笛五年鼓八年謡八年」でし
『芸事を一通りのところまでにおぼえるのに必要だと思われるおよその年月を言った言葉で、
芸能などと馬鹿にするが、人にきかせる程度になるには並大抵の苦労ではない』という事でし。
「たかしの歌声の事とか色々言ってるけど・・・こりゃたしかに馬鹿にできないよなあ。」
「なあ太助、それだとなんかずれてないか?俺の熱き歌は芸能とかじゃなくてだなあ!」
はいはい、もういいでしよ。
とにかく!離珠がことわざを解説するにも長い長い年月を必要とし・・・
「「それはそれで違うと思う。」」
二人そろってそんな事言うなんて嫌いでし!
「蝸虫も一軒の主」でし
皆しゃん、見ての通り離珠も虎賁しゃんも小さいでし。
しかし!小さくっても凄い能力を持っている星神には違いないんでしよ!!
というわけで『いかに小さなかたつむりでも、背中に負った殻を持っているのだから、
自分の住む家を持っている主には違いない』という事でし。
「・・・なあ離珠。」
なんでしか虎賁しゃん。
「なんか似たようなことわざ、前にもなかったか?」
似たようなのがあるのは仕方の無い事でしよ。
「それにしても・・・これにはどういう深い意味があるんだ?」
見ての通りじゃないでしか。これで分かってもらえなければ困るでし。
「じゃあ分かった事にしておく・・・。」
そうでし、その通りでし。
「曲がらねば世が渡られぬ」でし
「くっ!このままでは購買のパンが手に入らない!」
いつもいつも女子生徒の皆しゃんにパンを配ってしまう出雲しゃんに、
たかししゃんはかなりご立腹の様だったでし。
「こうなったら、配られる前に盗るしかない!!」
重大決心!!
たかししゃんはそのまま購買部へ駆けていったでし。
『正しいことばかりやっていたのでは、
この世の中を無事に過ごしていくことはできない』という事でし。
「・・・普通に買えばいいんじゃないのか?」
翔子しゃん、それは言ってはならないでし。
「というか、あいつはどうやって盗るつもりなんだよ・・・。」
「蒔絵の重箱に牛の糞を盛る」でし
「宮内殿。」
「どうしたんですか?キリュウさんが自ら来るなんて珍しいですね。」
ここは宮内神社。キリュウしゃんは遊びに来たんでし。
「なるほど、遊びに来たのですか?」
「私は遊びになどわざわざ来ないが・・・。」
「では何用で?」
「特に用は無いのだがな・・・もう帰るとする。」
お早いお帰りでし。
「では、おみやげに母が作った和菓子はどうですか?
箱にお詰めしますよ。」
「い、いや、私は・・・。」
遠慮しようとするキリュウしゃんだったでしが、
あれよあれよと出雲しゃんがこしらえて・・・。
「はいどうぞ。」
「・・・ありがとう。」
おみやげを手提げる事になったでし。
ところが帰る途中。キリュウしゃんはばくばくとそれらを食べてしまい・・・
代わりに落ち葉を詰めて持って帰ってきたでし!
本当なら和菓子が入ってる箱が・・・。
というわけで、『立派な容器につまらない物を入れる事で、
外と中身がつりあわない』という事でし。
「・・・離珠殿、そんな手抜きの多過ぎるたとえ話はどうかと思うぞ。」
たまにはキリュウしゃんと出雲しゃんのお話を考えてみたかったんでし。
「しかし私の扱いがあんまりだ!私は決してあんな行動はとらない!」
と、とにかく終わりでし~。
「離珠殿!」
「枕を欹つ」でし
『枕を一方に高く傾ける』という事でし。
・・・説明不要でし!!
「あのさあ、これにはどういう意味が・・・」
虎賁しゃん、だから説明不要でし!
「けどさあ・・・」
とにかく説明不要でし!!
「分かったよ・・・。」
何がなんでも説明不要でし!!
「だから分かったって。」
ふう、疲れたでし・・・。
「枕を高くして眠る」でし
『安心して眠る。また、安心する。心配事がなくなる』という事でし。
「そんな日はいつ来るんだろうな・・・。」
なんだか深刻そうな太助しゃま。太助しゃまはいつも心配事を抱えているんでしか?
「いや、違うけどさ。でも・・・。」
もう、はっきりいってくだしゃい。
「つまりだ。太助はシャオと結ばれてやっと安心できるってわけだな。」
「な、那奈姉・・・。いや、そういう事じゃなくって・・・」
「なんだと?お前の心配の種は大体そういう事だろうが!
おかげで姉のあたしや翔子に心配かけたりして・・・。」
「し、心配?」
「そうだ!!とにかく、お前はまだまだ自覚が足りない!!」
・・・なんだか離珠は話から追い出されてしまったでし。
色々と心配事は尽きないでしねえ。
「だーかーらー・・・おい太助、聞いてるのか?」
「聞いてるよ。たく・・・。」
「枕を割る」でし
ある夜、なんだかシャオしゃまは寝つけずにいたんでし。
どうしたんでしか、シャオしゃま?
「あ、離珠。離珠は先に寝てても良かったのに・・・。
ちょっと考え事をね。」
シャオしゃま、悩んでいるシャオしゃまを置いて寝てなんて居られないでしよ。
「ごめんね、心配かけて。もうすぐ太助様のお誕生日。
何をプレゼントすればいいのかなって思って・・・。」
なるほど、そういう事だったんでしか。
でもシャオしゃま、それだったら翔子しゃんとかと相談した方が良くないでしか?
「そう、以前一周年のプレゼントをした時も相談したからそれも思ったんだけどね。
でも、今回は自分だけで考えてプレゼントを贈りたいの。誰との相談も無しで。
やっぱり、私から太助様へ贈るんだから・・・ね。」
うーん、そういう事だったんでしか。
・・・という事は離珠達も離珠達だけでプレゼントを考えないといけないでしね。
「あれっ、そういう事になるのかしら・・・。ごめんね、離珠。」
別にシャオしゃまは気にしなくていいでしよ。一生懸命考えるでし!
「そう。ありがとう、離珠。もうおやすみなさい。」
はい、おやすみでし。
・・・とまあそういう訳で、何日も何日も寝ずに・・・。
『夜もろくに寝ないで苦心する』という事でし。
そして一生懸命考えて贈ったプレゼント。太助しゃまはとっても喜んでいたでし。
「ありがとう、シャオ、皆・・・。俺、一生大事にするから!」
なんて言ってくれたんでしよ。一生、なんてとっても感激でしねえ。
ちなみに、何を贈ったかは・・・秘密でし!とっても良い物、とだけ言っておくでし。
その後・・・はちゃんと夜は寝ていたでしよ。
「負惜しみの減らず口」でし
めんどいので一気に行くでし!
「ふっ、太助、今に見てろよ。今回は譲ってやるが次は俺が勝たせてもらう!」
はい、どうもでしどうもでしこれはたかししゃんでしね
たすけしゃまとしょうぶしてまけてこんなこといったんでしね。
『負けた者が、鬱憤を晴らすために強情を張って憎まれ口を叩く』という事でし。
「負けるが勝ち」でし
注:これはロクトしゃんからのいただきものでし!
ある日、太助しゃまと出雲しゃんがテニスの勝負しているでし。
きっと、出雲しゃんに挑発されたんでしね・・・。
「宮内出雲!今度というものは勝つからな!」
「私に勝つでも思いですか?それでは始めましょう(ふぁさっ)」
皆しゃんに囲まれて、テニス勝負が始まったんでし。
太助しゃまがキリュウしゃんの試練を受けているでしから、
前よりはましになったんでしが・・・あきらかに太助しゃまの分が悪いでし。
テニス勝負の結果、出雲しゃんが勝ったんでし。
「太助君はまだまだですね。(ふぁさっ)」
出雲しゃんが決まったように前髪をかきあげているんでし・・・。
負けた太助しゃまは・・・珍しく、感心したんでし!
「テニスはやっぱり宮内出雲にかなわないな。俺はもっと頑張らないと・・・。」
えっ・・えっ・・、いったいどういうことでしか?
太助しゃまが出雲しゃんにそんなことを言うなんてちょっと信じられないでし・・・。
さすがの出雲しゃんも戸惑いを感じているようでしね。
シャオしゃまが太助しゃまのそばに駆け寄ったんでし。
「太助様・・・。」
「いや、いいんだ。」
「七梨、素直に負けを認めるなんてなかなかやるなぁ。」
と翔子しゃんが感心していたんでし。
勝利した出雲しゃんは“ポカン・・・”とした表情で太助しゃまをみているでし。
たくしゃんの女生徒しゃんが出雲しゃんを囲んで“きゃぴきゃぴ”と騒いでいるんでし。
そんなとき・・。
「帰りにお買い物へ行きませんか?太助様。」
「ああ、そうだな。」
とほのぼのな話をしながら去っていく太助しゃまとシャオしゃま。
出雲しゃんはなんやらと叫んでいたんでしが・・・。
そうでし、その意味は・・・。
「『目先の勝ち負けにこだわらず、相手に勝ちをゆずった方がかえって得をする』だぜ!」
そんなぁ・・・おいしいところを翔子しゃんに取られたんでしぃ・・・。
「馬子にも衣装」でし
シャオしゃまとお散歩してた時の事でし。
偶然にも、すごい洋服を着たかししゃんに出会ったんでしよ!
「まあたかしさん、素敵なお洋服ですね。」
「どうだいシャオちゃん!かっこいいだろ!」
一体どこで手に入れたのやら。
なんだかいつものたかししゃんと違って見えたでし。
『衣服によっては、人が変わって見える』という事でし。
でも、その日以来あの洋服を着たたかししゃんを見てないでし。
いったいなんだったんでしか?
「正宗も焼き落つれば釘の値」でし
「魂が燃え尽きた野村先輩!なんてどうかな?」
花織しゃん、人物はいいんでしが、その後は何になるんでしか?
「ちょっとひねって、遠藤先輩なんてどうかな?」
それはいいか悪いか悩んでしまうでし・・・。
「いいじゃないのぉ。どうせ他に適任がいないでしょ?」
それを強引というんでしよ。
「そんなことはどうでもいいの!」
はいはい。
『衰えたものにはもう前のような勢いはない』という事でし。
「離珠ちゃんも衰えたねえ。」
どういう意味でしか?
「前は強引しかやってなかったのに、強引を否定するなんて。」
失礼なこと言わないでくだしゃい!!
「待たぬ月日は経ちやすい」でし
『まちこがれている日はなかなかやって来ないが、
待つ気も無いといつの間にか月日がたってしまい、
“月日の経つのは早いもの”の感を深くする』という事でし。
「つまりだ、夏休みとかの休日の始まりは待って待ってするからなかなか来ないけど、
休みの終わりの日は全然待ってないからあっという間に来ちまう。
という事なんだな、これが。」
そういうもんでしかね・・・。
「あと、俺とシャオちゃんの馴れ初めの日々も・・・」
たかししゃん、もういいでし。
「松の實生の臼になるまで」でし
「シャオ・・・。」
「はい。」
「松の實生の臼になるまで、よろしくな。」
「はい。こちらこそ、太助様。」
という使い方をするんでしね~。
『とおいのちのちまで、いつまでも』という事でし。
「なあ離珠。なんか言ってて冴えないんだけど。」
そうでしか?
「もしかしてもっと別の事に使うんじゃないのか?」
「それより太助様。實生、ってなんなんですか?」
「そ、それは・・・うーん・・・。」
そんなわけで太助しゃまに宿題でし!
實生とは何か!?期限はいつまでも、でし。
「それって期限って言うのかよ・・・。」
「太助様ってばあ。」
「あ、ああ。えーと、うーんと・・・。」
悩まなくても、松の実のことではないかと思うんでしが。
「待つ間が花」でし
「今日はご馳走を作るからな。」
なんとなんと!!那奈しゃんが食事当番を申し出たんでし!!
しかもご馳走でしよ、ご馳走!!これは超超超楽しみでし!!!
ひょっとしてシャオしゃまが普段作っている料理を軽く超える物なんでしかね?
もしくは、ルーアンしゃんが食べ切れないなんて言い出すようなすごい量の・・・。
ちゅわ~ん、なんにしても楽しみでしぃ~。
「離珠、目がうるんでるけどあんまり期待しない方が良いぞ。」
と、太助しゃま。もう、なんなんでしか、そんな気落ちしたような顔をして。
「太助様、せっかく那奈さんが作ってくださるんですから。」
「そうよ~、あの台所が嫌いなおね―様が!」
「主殿、期待してゆっくりと待とうではないか。」
さっすが、シャオしゃま達は分かってるでしねえ。
というわけで、みなしゃん心待ちにしているうちにお料理が出来あがったみたいでし。
で、そこにあった料理とは・・・。
「・・・那奈姉、なんだよこれ。」
「見て分かるだろ。カレーだ、カレー。」
「まあ、カレーですね。ご馳走ですわ。」
「ちょっとシャオリン・・・。しかもレトルトじゃあ・・・。」
「そんな事より辛くないだろうか・・・。」
とまあ、カレーだったんでしね・・・なんでカレーなんでしかー!!
更にルーアンしゃんの言う通り、レトルトでし・・・。
『出来あがりや結果を期待するのは楽しいが、
いざそれが出るとそれほどでもなくて期待を裏切られたりする』という事でし。
それでも美味しかったでしよ、うう・・・。
「待てば海路の日和あり」でし
『今は海が嵐でも、待っていればやがて船の旅に良い静かな日が来る。
ゆっくりあきらめずに待っていれば必ずチャンスがやってくる』という事でし。
「つまりだ!野村たかしの魂のことわざ解説もいずれ!!」
「そんなもんあるわけ無いでしょ。やっぱりルーアンのいや~んなことわざ講座よね~♪」
「絶対違います!愛原花織の、乙女のことわざ浪漫に決まってます!!」
「いやいや、この私宮内出雲のによる、女性にやさしいことわざ談義でしょう(ふぁさぁ)」
「甘いなみんな。山野辺翔子の、ためになる嘘のことわざ八百!」
みなしゃん勝手に色々言ってるでしが・・・
絶対にそんなことは無いと離珠は断言するでし。
まあ、全部のことわざを解説し終わったら考えてあげなくも無いでしよ。
「「「「「こら!」」」」」
「窓から槍」でし
『出し抜けにする事。突然の事』という事でし。
ここはひとつ、実践してみなくては勿体無いでし。
という訳で太助しゃまの部屋でし・・・。
「なんだよ離珠、窓の方に何かあるのか?」
いいからいいから、近寄ってみるでしよ。
「分かったからそうぐいぐい引っ張るなって。」
太助しゃまが窓に向かった次の瞬間、
びゅん!!
「うわっ!!」
凄い勢いで竹やりが窓から突き出てきたんでし。
それに驚いた太助しゃまは、ずでんと後ろにおもいっきりこけたでし。
(離珠はとっさにジャンプして大丈夫だったでしよ)
「はっはっは、驚いたか太助。」
「・・・たかし?」
窓にはしごをかけ、そこにたかししゃんが!
「これも試練だって事でな、不意打ちを食らわしてそれでどう対応するか。
あっ、ちなみに離珠ちゃんからの依頼もあってな、ことわざの・・・」
「帰れ!!!」
・・・つれない事を言う太助しゃまにたかししゃんはすごすごと去って行ったでし。
さて、それじゃあ離珠も・・・
がしっ
「り~しゅ~。」
こ、これにておしまいでしー!!
「学ぶ門に文来る」でし
ことわざを解説している離珠!という事でしね。
解説しようと頑張っていれば、周りにいろんな例えがあるんでし!!
もちろんそれだけでは納得しないと思うのでゲストを呼んでいるでし。
キリュウしゃん、どうぞでし~!!
「・・・私の何が関係しているのだ?」
キリュウしゃんは何のために太助しゃまに試練を与えているんでしか?
「シャオ殿を守護月天の宿命から解き放つため、だが。」
そうでしそうでし。太助しゃまが南極寿星しゃんに宣言した後、
キリュウしゃんがこの家にやってきたんでしよ~。
「・・・つまりは主殿がそう頑張っている時に、目的を達成できる機会を得た。
すなわち万難地天である私が登場したという事か?」
そういう事でし!こんな分かりやすい例は他に無いでし!
『常日頃から一つの物を目指して努力している人には、
おのずとその道にかなった機会がめぐってくる事が多い』という事でし。
このまま行けば、キリュウしゃんに加わって更に誰かやってくるかもしれないでし。
「それはさすがにないと思うが・・・。まあ、那奈殿も帰ってきた事だしな。
ますます主殿も頑張る事だろう。」
この調子でどんどん張り切るでし、太助しゃま!!
「蝮(まむし)の子は蝮」でし
『親が悪い人だとその子も悪い人である』という事でし。
「そういう訳で宮内、例えに来てやったからありがたく思え。」
「いきなり人の家に押しかけてきて・・・一体どういうつもりですか!
私が悪人とでも言うんですか!?」
出雲しゃんの言う通りでし!出雲しゃんは悪人じゃ無いでしよ!!
「まあまあ、二人ともそういきりたつなって。
何もあたしは悪人で例えようって言うんじゃないさ。」
「となると、何ですか?」
お菓子をくれる気前のいい人でしか?それとも星神と遊んでくれる人でしか?
でもそれだといい人になってしまうから例えにならないでし。
「ズバリ言おう。ナンパだ。宮内の子も絶対キザなナンパ師になるに違いない!」
「それが言いたかったんですか・・・。」
うむむむ、でし。
「けどなあ、果たして宮内みたいな奴に子供ができるかどうか。」
「大きなお世話です。」
「豆を煮るにまめがらをたく」でし
例えば、姉弟である那奈しゃんと太助しゃまがいがみ合って憎みあって、
おもいきり喧嘩して傷つけあったりするとそういう事になるでしね。
『豆を煮る為に同じ根から育ったまめがらを焼く。
兄弟や仲間同志が互いに争ったり、苦しめあったりする事の例え』という事でし。
「離珠、すんごい表現するなあ。」
「心配しなくても、あたしと太助はそこまで嫌いあってないから大丈夫だよ。」
まあこれはあくまで例えでしから。
「喧嘩なら多少するかな。なあ、那奈姉。」
「ああ、こんな風に。」
ガシッ!
いきなり那奈しゃんが太助しゃまの体を押さえ込んだでし。
苦しそうにもがく太助しゃま。な、なんてことでしか!
「な、何するんだよ、那奈姉。」
「実際に喧嘩を見せてやろうと思って。」
そ、そんなものはしなくて結構でしよっ!
「り、離珠も遠慮してるじゃないか。だからよしてくれって。」
「じゃあしょうがない。その分キリュウの試練の難易度を上げようか。」
「なんだって~!?どうやってそんな事をするんだよ!」
「簡単だよ、キリュウに掛け合えば。」
「そんな事をいちいちするな!」
「可愛い弟の為だ。」
「嘘付け、顔笑ってるぞ!」
「まあまあ、遠慮するなって。」
「そういう問題じゃないー!!」
・・・ひょっとしたら、別の意味で苦しめあってるのかもしれないでし。
「眉毛に火がつく」でし
本当にやると危険なので、例え話をするでし。
キリュウしゃんの髪の毛、これに火をつけるとどうなるか!?
なんと言ってもキリュウしゃんは暑いのに弱いでしからね。
自分のすぐ傍が暑くなってしまうので、暑さで多分死んでしまうでし。
『自分の身近に危険が迫る事の例え』という事でし。
「なあ離珠、素直に眉毛に火がついた時の事を例えた方が良かったんじゃ。」
今回のはだめでしか?
「大体、髪に火がついた時の暑さで死ぬなんて・・・。
普通はその前に焼け死ぬとかさあ。」
じゃあ焼け死ぬ事にするでし。
「おい・・・。それにしてもこんなのキリュウが聞いてたらなんて言うか・・・。」
「眉に唾をつける」でし
昔の人は狐や狸にだまされないようにするには眉に唾をつけると良い、と言っていたそうでし。
そこから『人に騙されないよう用心する』という事でし。
「あたしはシャオが要注意だと思うんだ。」
「那奈姉もそう思うのかあ。」
「あのポケポケした性格は、絶対に人から騙されやすい。
特に家で留守番なんてしてる時にセールスマンなんて来たら・・・。」
「だったらふらふら出かけたりせずに家でいろよ。」
「そこで太助、いい案があるんだ。」
「人の話しは聞けって。前から言いたかった事だけど・・・」
「待てよ、太助に話すよりは翔子と一緒に話した方がいいな。
うん、そうしよう。じゃああたしはこれからでかけてくるから。」
「言ってる傍から行こうとするな!!」
怒る太助しゃまに構わず、那奈しゃんは出かけてしまったでし。
と、ぽつんと残された太助しゃまは何やら感づいた様でし。
「まさか、眉に唾を実際に付けさせようとか言うんじゃないだろうか・・・。
しかもシャオのを俺の眉にとか・・・。」
その予想は見事に当たっていた様でし。で、実行される事無く終わったそうでし。
「ちぇ、いい案だと思ったのになあ。」
「那奈ねぇ、詰めが甘かったんだって。」
「お前らさあ、もうちょっと他にする事ないのかよ・・・。」
「「ない!」」
「・・・・・・。」
「迷わぬ者に悟り無し」でし
珍しいコンビ、乎一郎しゃんと花織しゃんに解説してもらうでし!!
「どうも、乎一郎です。」
「花織で~す。ところで離珠ちゃん?」
なんでしか?
「まさかあたしと遠藤先輩を比べて例えようって言うんじゃ無いでしょうね?」
なるほど、そういう手もあったでし!
「な、なんですって~!?」
「お、落ち着いてよ花織ちゃん。とりあえず僕達が例えを出せばいいんだよね?」
そ、そうでしよ。(ふう~、乎一郎しゃんのおかげで助かったでし)
二人にばっちりと説明して欲しいんでし!
「まあそういう事なら・・・。間違い無く野村先輩ですね。」
「あっさりと言うなあ。」
「だって、あんな何にも考えて無いような作戦を立ててる事自体そうじゃないですかあ。
『シャオ先輩GET計画』なんて・・・。」
「まあ確かにそうだけど。」
「という事です!終わったよ、離珠ちゃん。」
・・・そんな簡単に済ませていいんでしかねえ?
ともかく、『多いに疑い悩む者ほど、やがて悟るものである。
疑いや悩みを持たない者は悟ることも無い』という事でし。
やっぱり花織しゃんもあてはまっているような・・・。
「何よ離珠ちゃん、その目は!」
「わっわっ、花織ちゃん、落ち着いてってば!」
ちなみに多いに悩んでいる人は太助しゃま、でしかね。
それでも悟るなんてのは程遠い話だと思うでしが・・・。
「真綿で首をしめるよう」でし
「翔子と那奈の!太助を遠回しに責めてみようコーナー!!」
「いえーい!!」
突発企画の始まりでしー!
って、ここは離珠のことわざ辞典でしよっ!!
「さてさて、今回翔子に来てもらったのは他でもない。
太助とシャオの仲を進展させるために!プレッシャーをかける案を考えて欲しいためだ。」
「七梨にもっとモーションかけさせないと多分進展しないだろうしな。
しかし、あたしだけじゃあ心細い。というわけで助っ人の登場だ!!」
じゃじゃーん、と効果音が鳴り響き、翔子しゃんの後ろにはキリュウしゃんと乎一郎しゃんが・・・。
「私は試練を与えなければならんのだが・・・。」
「僕ルーアン先生に会いに来ただけなのに・・・。」
「さっすが翔子だな!二人も助っ人を用意してあるなんて!!」
「いやいや、下準備にこれくらいは必要だよ。さて、この二人を利用して何をするかだけど・・・。」
被害者の二人の声なんてさっぱり聞いてないでしね・・・。
那奈しゃんと翔子しゃんは作戦会議に入ってしまったでし。
「試練・・・。」
「ルーアンせんせ~い・・・。」
しきりに呟くキリュウしゃんに乎一郎しゃん。
二人の声が部屋にこだましてるでし・・・。
「・・・なんかさ、こんな悲痛な声聞いてると苦しいよな、翔子。」
「あ、ああ・・・。まるであたし達が悪い事してるみたいじゃないか。」
実際にやってると思うんでしが・・・。
そんなわけで!
『それとなく遠くからじわじわとせめたり、痛めつけたりする』という事でし。
「「おい、あたし達がプレッシャーかけられてどうするんだ・・・。」」
戻るでし。