≪ほ≫でし!


「暴飲暴食」でし
これはいっつもルーアンしゃんがやってることで、
がつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつ
ってことでしね。
『度を超して大量に飲んだり食べたりすること』という事でし。
「ふっ、ごみチビ甘いわよ。がつがつがつ。」
なんでしか?
「あたしは飲むよりは食べる方専門なのよ!!がつがつがつ。」
威張って言う事なんでしか?
それよりがつがつ食べながら話すのはお行儀悪いでし・・・。


「望雲の情」でし
ある日、太助しゃまと那奈しゃんがお話をしてたんでし。
「なあ太助。おまえは父さんや母さんの事どう思う?」
「なんだよ、やぶから棒に・・・。そうだな、子供をほったらかしにして何やってんだ、
と怒鳴りたい気がする。でも、あの二人は二人なりに俺のことを考えてくれてたのかなって。」
「ふーん・・・。他に思うことはないのか?」
「もちろんあるよ。やっぱり家族四人で暮らせたら良いなあって。」
「なるほどなあ。ま、それも当分先になるかな。」
「それはそれでしょうがないだろうけど。でも今はシャオ達もいる事だし。」
「そうだな・・・。とりあえず家族が多いってのはいい事だな。」
・・・とまあ、この辺で置いておくでし。
『はるかかなたの地にある父母を思う情』という事でし。
うーん、ちょっと無理があったでしかねえ。
また今度、直接太助しゃまや那奈しゃんに聞いてみる事にするでし。


「帽子と鉢巻」でし
ある日の事でし。いつも通り、シャオしゃまと太助しゃまと学校へと行ったんでしね。
「おっはよー、シャオ。」
「翔子さん、おはようございます。」
普段とは違って、翔子しゃんが早く来てたんでしね。
「山野辺、珍しいな。お前がこんなに早く来てるなんてさ。」
「失礼な・・・。そんな事より、今日のあたしは何処かが違う。さて何処でしょう?」
なんと笑顔でクイズを出題してきたんでし!!これは受けてたたないと駄目でしねっ。
途端に考え込むシャオしゃまと太助しゃま。(当然離珠も一緒でし!)
と、しばらくして太助しゃまが顔を上げたんでし。
「うーん・・・髪型?」
「違うよーん。」
あっけらかんとして返す翔子しゃん。なんだか自信たっぷりでし。
次にシャオしゃまが顔を上げたでし。
「では、服ですか?」
「制服なんだからそうそう変わる訳ないって・・・。」
二人とも外れ。という事は離珠の出番でし!!
ぴん、と机の上に降り立ってさっさっさっとお絵描き。
「離珠、無理に描かなくても私が伝えるのに・・・。」
「まあまあシャオ。この絵の様子だと・・・リボンって言いたいのかな?」
そうでしそうでし。
「ぴんぽーん!!大正解だ。」
やったでしー!!さすが離珠、えっへんでし。
「ええっ?リボンだって?」
「何処が違うんでしょう・・・?」
不思議そうに翔子しゃんのリボンに注目するシャオしゃまと太助しゃま。
と、翔子しゃんが勝利者の離珠を片手にすくいあげて言ったでし。
「色だよ。いつもは黄色だけど、今日はレモン色なんだ♪」
そういうわけでし。まだまだ甘いでしね、二人とも!
「・・・そんなのわかんないって。」
「離珠は分かったのね、すごいわ。」
だれた顔になる太助しゃまと、笑顔で誉めてくれるシャオしゃま。
まあ無理もないでしね、ほとんど違いなんてわかるもんじゃないんでしから。
『変わりばえのしない事の例え』という事でし。
翔子しゃんは、後から来たたかししゃんや乎一郎しゃんにも同じように出題してたでし。
けれど、結局答えられたのは離珠だけだったみたいでし。再びえっへんでし!


「法師の軍咄(いくさばなし)」でし
『似合わない事の例え』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、似合わない事をやってみようコーナー!
「うむ!という訳で主殿、是非殺人について語ってくれ。」
「無理言うな。」
太助しゃま、ちょこっとでいいでしから。
「試しにやってみるのはいいものだぞ。」
「あのな・・・。えっと、人を殺すコツとして・・・って、やっぱ無理だってば。」
仕方ないでしねえ・・・。
じゃあキリュウしゃん、代わりとして我慢大会をやってみて欲しいでし。
「断る。」
「なにいきなり逃げてんだよキリュウ・・・。」


「法師の櫛貯え」でし
しゃてしゃて、これはどうするでしかねえ・・・虎賁しゃん、何してるんでしか?
「離珠か。見てわかんねーか?釘を集めてるんだよ。」
しょれはわかるんでしが、しょんなもん集めて何をしようってんでしか?
「いわゆるコレクションだな。おっと、こんな所にも・・・。
ちなみにビンのふたとかも集めてるから見付けたらくれよ。」
わ、分かったでし。一体なんなんでしかねえ・・・
『似合わない事をする事の例え』という事でし。
ところで虎賁しゃん、一体何処にためておくんでしか?
「あん?そんなもんぼうずの部屋に決まってるじゃねーか。
まず、月天様の部屋に置いとくわけにはいかねー。」
確かに、邪魔になるでしねえ。しょれにシャオしゃまが間違って捨てるかもしれないでし。
「そういうこと。そしてルーアンの部屋なんかももってのほかだ。食べられたらかなわねーからな。」
いくらルーアンしゃんでもしょんな物を食べるわけはないと思うんでしが・・・。
「でもってキリュウの部屋。試練だとか言って没収されかねないしな。」
なるほど、それは言えてるでし。
「というわけでぼうずの部屋だ。もちろん本人から了解はとってるからな。」
ふうむ、新たな謎の発覚でし!
・・・と思ったら、数日後には虎賁しゃんはその事はすっかり忘れていたでし。
「ああ、あれか。やっぱりおいらはコレクションなんかしない方が性に合ってるよ。」
だそうでし。ま、ただの気まぐれだったんでしねえ。


「傍若無人」でし
ばっちりな例えがすぐ近くに・・・
「おおっと!!あたしを出そうなんて考えは許さないわよ。
これこそキリュウにぴったりなんだから!!」
ルーアンしゃん、そういうのならその理由を言ってくだしゃい。
「まず、教室だろうが家だろうが試練をかますってところ。
あれてる時なんか特に酷かったわよ〜。」
それはルーアンしゃんも同じじゃ無いでしか・・・。
第一、以前のバレンタインデーの時のことが何よりの証拠でし!!
太助しゃまを探すために学校中をうろうろうろうろ。
授業中の教室に堂々と入っていって陽天心を使ってめちゃくちゃに!!
「・・・ふっ、そんな昔の事は忘れたわ。」
そんな事は関係無いでし!という訳で、
『傍に誰もいないかのように、気ままに振る舞う様子』という事でし。
しかも食事してる時なんかがつがつがつと、誰が傍に来ようがお構いなしでし。
「う・・・あんたそこまでにしときなさいよ!」


「飽食」でし
もぐもぐもぐもぐ・・・。
ただいま離珠は宮内神社で薄皮饅頭を戴いている所でし。軒轅しゃんも一緒でしよ。
「お二人とも、美味しいですか?まだまだあるのでたっぷり食べてくださいね。」
ちゅわ〜ん、でし。
実は目の前に居るのは出雲しゃんのおかあしゃまなんでしよ。
とってもいい人でし〜。(ちなみに出雲しゃんはちょっと席を離してるでし)
・・・むぐっ、ふう、離珠は満足でし〜。
というわけで『おなかいっぱい食べる』という事でし。
・・・え?軒轅しゃんはまだおなか一杯じゃないって?
しかも状況からして解説が苦しいって?
もう、いちいち細かい事にこだわっていては駄目でしよっ。
そうそう、これはもう一つ意味があって・・・そうでしね、ルーアンしゃんでし。
毎日太助しゃまを追っかけまわしたり、シャオしゃまの美味しい料理をおもいっきり食べたり。
もう、すんごく幸せ一杯、さすがは慶幸日天でしね・・・。
『物質的な面では全て満たされ、不自由のないくらし』という事でし。
・・・え?またもや使い方がおかしいんじゃないかって?
もう、軒轅しゃん、ことわざに妥協は必要なんでしよっ。
「どうしたの?もう食べないの?」
はっ!もっちろん食べるでし〜。離珠はまだまだ食べたりないんでし〜。
・・・じいぃ〜っ・・・
うっ、なんだか軒轅しゃんから冷たい視線を感じるでし。
良いじゃないでしか軒轅しゃん、とりあえず解説するための演技だったんでしから。
というわけで、今度こそ本当におなか一杯食べたでし。ふう、満足満足、でし。


「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」でし
「くうう、ゆるさ〜ん、宮内出雲〜!!」
ここは学校の購買。(よりちょっと離れた所)
たかししゃんがなにやら熱くなっているでし。
「くっそう、女の子には笑顔でパンを配るくせにぃ〜!!」
まあしょうがないでしね。出雲しゃんは女性には優しいんでしから。
「けれど男が行くと嫌そうな顔に変貌して金取りやがる〜!!」
嫌そうな顔はともかくとして、ここは購買なんでしからお金を払うのは当然でしよ。
「なにより許せんのはシャオちゃんにちょっかいだしてるって事だ〜!!」
うーん、それでときたま太助しゃまも怒ったりするでし。あまり良くない事なんでしね。
「くっそう、なんだあの髪。ふぁさふぁさやるために立ててんのか!?」
まあ確かにそう取れないでもないでしが、あんまりそれは関係無いような・・・。
「しかも神主の格好!?ふざけんな、ここは学校だぞ!!」
学校に神主の格好で来ては行けないなんて規則は無かったと思うんでしが・・・。
「けっ、なんだあの足。実はおもいっきり短いんじゃねーか!?」
たかししゃん、どっからそんなもん見てるんでしか。
「相変わらずきざなセリフ吐きやがって。セリフが可哀相だぜ!!」
どういう見解でしか、それは・・・。
「ああっ、今パンをもらった奴!!出雲からパンをもらうなんて終わってるな。
あいつ一生恋人出来ないぜ。」
ついには女子生徒しゃんをけなし出したでし。
なんと無茶苦茶な意見でしか・・・。
と、ともかく『人を憎むとその人につながりのあるもの全てが憎くなる』という事でし。
「ああ、今息を吐きやがったな!あそこらへんの空気は吸わないようにしようっと。」
たかししゃん、いつまでやってるでしか・・・。


「坊主の花簪(はなかんざし)」でし
実践してみようでし。
「任せて!陽天心召来!」
あっという間に陽天心はさみの登場でしー!
「・・・待てルーアン、それで何をやるつもりだ。」
「簪に陽天心かけるんじゃないんですかー?」
「だあって、知り合いに坊主が居ないもの。だったら誰かになってもらうしかないじゃない。」
そういう事でしよー。
ダダダダダダダッ!
「あ、ありゃ?」
その場にいた全員逃げちゃったでし・・・。
「坊主のなり手が居ないんならこの陽天心はさみも居てもしょうがないわねえ・・・。」
『使いみちのない。持っていても何の役にも立たない』という事でし。
うーん、残念でし。
「折角面白い場面が見られると思ったのに・・・。」
やっぱり無理があったでしか。
「そうねえ。」


「抱腹絶倒」でし
さあルーアンしゃん、手本を見せてくだしゃい。
「なんであたしがそんなことしなければいけないわけ?
誰か他の人にやってもらってよ・・・。」
慶幸日天がそんな弱気でどうするんでしか!!
さあやるって言ったらやるんでしよ!!
「・・・それでもヤダと言ったら?」
こうするでし!
ぴょ〜んと大きく大ジャンプしてルーアンしゃんの背中にもぐりこむ!
そして服の中で大暴れでし。
「ちょ、ちょっと!きゃはははは!!やめてってばー!!くすぐったいー!!」
ルーアンしゃんは笑い転げながらどたんばたんと暴れまわってたでし。
そして数分後・・・。ふむ、これくらいでいいでしね。
もういいかと思って、寝っ転がっているルーアンしゃんの服から脱出。
引きつっているルーアンしゃんの顔の前に降り立ったでし。
「あはは・・・ひい、ひい・・・。よくもやってくれたわね!陽天心召来!」
なな!なんと、ルーアンしゃんは離珠の服に陽天心をかけたんでし!
「さあ!!ごみチビをおもいっきりくすぐりなさい!!」
ま、待つでし〜!!陽天心服にくすぐられて、
離珠は先ほどのルーアンしゃんと同じ様に笑い転げまわったでし〜。
『あまりの可笑しさにおなかを抱えて、ひっくり返るほど笑い転げる。大笑いする』という事でし。
ちなみにこの事を聞いた太助しゃま達は大笑いしていたでし。
それこそ、皆しゃんがそこらじゅうに笑い転げるみたいな感じで・・・。
「たく・・・。ごみチビが余計な事してくるから・・・。」
えうー、失敗したでしー。


「棒ほど願うて針ほど叶う」でし
『望みは全部はおろかほんの一部分さえもなかなか達せられないものだ』という事でし。
だから、望みは大きく持たなければならないんでし。
「だそうだ。太助、お前の望みはなんだ?」
「えっと・・・」
「シャオと結婚して幸せな家庭を持ちたい。そう願うのは当然だろう。
だがな、それじゃあまだ小さいかもしれないんだ。だから大きく願うんだ。
例えば・・・」
「勝手に決めるなって!」
「じゃあなんだ?お前の望みは・・・。
言っておくが、小さいものは姉ちゃんは受け付けないぞ。」
「何偉そうな口きいてんだよ・・・。」
ちなみに離珠の望みは・・・
「離珠は置いとけ。まず太助だ。」
「だからあ!なんで那奈姉がそんな偉そうなんだよ!」
・・・こんな風に、望みを示すことも出来ない事も有るんでしね。
「そうだぞ。だから太助・・・」
「だああ!もういいってば!」


「朋友は六親に叶う」でし
ここは一つ、友情に熱いたかししゃんに語ってもらうとするでしかね。
「ふっ、分かってるじゃね〜か、離珠ちゃん。
俺と熱き魂で結ばれている親友はとにかく大切な存在だ。
太助、乎一郎・・・。特にこの二人はな!!」
・・・もう終わりでしか?
「なんだか不満そうな顔してるな。よし、それなら一曲俺が歌ってやろう。」
な、なな、なんでそういう発想になるんでしか!!
「ああー!!!俺の魂の叫びよ〜♪・・・」
えうー・・・止めてくだしゃい〜・・・。と其の時!
「たかし!離珠に迷惑かけてんじゃない!!」
「そうだよ!!まったくもう・・・。」
太助しゃまに乎一郎しゃん!!助かったでしぃ〜。
熱血入ってるたかししゃんを引っ張って、二人は去っていったでし。
さすがでし!!たかししゃんが大切な存在だと告げる理由がわかるでしね!!
『好ましい友人は六親に匹敵するくらい自分にとって大切なものである』という事でし。
ちなみに六親とは、父、母、兄(姉)、弟(妹)、妻(夫)、子、という事でしよー。


「木石にあらず」でし
シャオしゃま、笑ってくだしゃい!!
「わかったわ。にこっ。」
シャオしゃま、泣いてくだしゃい!
「わかったわ。えーん。」
シャオしゃま、怒ってくだしゃい!
「わかったわ。駄目でしょ、離珠!!」
びくぅ!・・・とまあこういう事でし!!
『人間は木や石のように感情の無いものではない』という事でし。
「シャオ、一体何やってるんだ・・・。」
あ、那奈しゃん。
「那奈さんも一緒に遊びませんか?離珠が言った事をやるんですよ。」
「・・・遠慮しておく。」
もう、那奈しゃんてばなんで遠慮するんでしか。


「細くても針は呑めぬ」でし
『小さくても馬鹿にできないものの例え』という事でし。
「たしかにごみチビなんか呑もうものなら、お腹をあっという間に壊しちゃうわねえ・・・。」
ルーアンしゃん!!その言い方はなんか語弊がないでしか!!?


「ほぞをかむ」でし
“あーん、遅かったわーん!!!”と、毎度毎度ルーアンしゃんが言ってるでしね。
「離珠さん、一体それはどういう根拠があって・・・。」
出雲しゃんは知らないかもしれないでしが、離珠はしょっちゅう耳にしてるんでしよ。
「例えばどんな時でしょう?」
例えば・・・ルーアンしゃんが留守の間に出雲しゃんが訪ねて来たりした時でし。
「まさか私のお土産が原因ですか?
とはいえ、あれはルーアンさんにではなくシャオさんに持っていっているのですが・・・。」
とにかく自分が沢山食べられなかったりするからそう言ったりするんでしよ。
「他にもっと説得力のあるものは無いのでしょうか?」
なんだか贅沢でしよ、出雲しゃん。
そうでしねえ・・・花織しゃんと争ってて、シャオしゃまに先を越されたりした時とか。
「それはどういう時でしょうか?」
それは・・・って、さっきから出雲しゃんどうしたんでしか?
「いえ、妙な例えで終わってしまって私に災害が降りかかっても困るので。」
どういう事でしか?
「・・・ま、それは置いておく事に致しましょう。」
・・・とにかく!『おへそは自分でかもうと思ってもかめない。
機会を逃して後悔する。終わってしまった事を後悔するたとえ』という事でし。
なんだか気になるでし。出雲しゃ〜ん・・・って出雲しゃんが居ないでし!!
一体何を出雲しゃんは気にしていたのか、離珠は凄く気になるでしよー!!


「牡丹餅で面」でし
出雲しゃん、なんかこの言葉恐いでし。
「現実的に考えると、離珠さんにとってはたしかに恐いかもしれませんね。」
離珠じゃなくとも、なんだか嫌じゃないでしか?
「まあそうですねえ。実際に食べ物ではたかれるなんて事はそうそうあるもんじゃ無いですし。」
・・・けれども、いつまでもこんな事やってたんじゃ解説になら無いので、
出雲しゃん、そろそろ例えをお願いするでし。
「その前に、母特製の和菓子でも。」
あ、あるんでしか!?
「とまあ、そういう事ですかね。」
・・・・・・。
『牡丹餅でほっぺたを叩かれるという事で、思いがけない幸運が舞い込む事の例え』という事でし。
えうー・・・。
「冗談ですよ、しっかり用意してますから。」
ちゅわ♪ありがとうでし。


「牡丹に唐獅子竹に虎」でし
「ごみチビ、あたしに任せなさい!丁度次は美術の授業だから!!
竹に虎って部分をやってあげるわ!」
ルーアンしゃんは社会の先生じゃなかったんでしか?
でも任せてみる事にするでし。
そして・・・
「さあみんな、竹を用意したわよー!」
なんと、どこからとって来たのかわからないでしが、
たくさんの竹をその場にセット!けど、その後ろでキリュウしゃんがにらんでるでし。
「まったく、私は大地の精霊だが植物収集係では・・・。」
ぶつぶつと呟いてるその姿は非常にこわいものがあったでし。
「ルーアン先生、虎はどうするんですか?」
質問したのは乎一郎しゃん。たしかに虎がないでし。すると・・・。
「シャオリーン、攻撃用のあの星神を呼んでちょうだいー。」
「は、はい。来々、梗河!」
そして呼び出される梗河しゃん。
事前にひょっとしたら打ち合わせしてたのかもしれないでしね。
たしかに梗河しゃんには・・・って、虎じゃなくって熊でしよ!!
「さあー、かきなさいーん。おーっほっほっほ。」
高笑いしてるとこ悪いでしが、全然解説になってないでし。
更に言うと、ルーアンしゃん自身は何もやってないじゃないでしか!!
「さあて以上!『画題としてふさわしい取り合わせを持ったもの』という事よーん。」
ああっ!それは離珠の役目でしよー!!


「仏の顔も三度」でし
ふう、ちょっとお腹が好いたでし・・・ああっ!こんな所にお饅頭しゃんが!
このお饅頭しゃんは離珠に食べられるのを待っていたに違いないでし!
という事でいただくでし!もぐもぐ・・・ちゅわ〜ん、美味しいでし〜。
「あら離珠。」
む、むぐっ!しゃ、シャオしゃま・・・。
「それはお客様用なのに・・・。駄目でしょ、勝手に食べちゃあ。
でもお腹がすいてたのか。すぐに別のものを作るから、今度からはそんな事しないようにね。」
はうー、ごめんでしー。でも怒らずに居てくれて、やっぱりシャオしゃまはやさしいでしね。
そしてシャオしゃまが台所に引っ込んだ所でルーアンしゃんがやって来たでし。
「あら〜ん、こんな所に美味しそうなお饅頭があるじゃないのお。
一ついただきっと!」
ああっ!駄目でしよ、ルーアンしゃん!・・・食べてしまったでし。
「もぐもぐ・・・う〜ん、美味しいわあ。この味からしていずぴーのお饅頭じゃないみたいね。
ふーむ、シャオリンが買ってきたおやつってとこかしら?
買った場所はスーパームサシっぽいわねえ・・・。」
・・・なんだかすごいでし。一つ食べただけでそんなもの分かるんでしか?
しょんな事より、それはお客しゃま用でしよー。
「あら、ルーアンさん。・・・一つ減ってる。駄目じゃないですか、ルーアンさん。
それはお客様用にと、私が買ってきたものなんですよ。」
言ってる傍からシャオしゃまが顔を出したでしー。
「あ〜ら、そうなの。ごめんね、シャオリン。
・・・いいにおい。なんか作ってるんだったらあたしにも頂戴。」
「あ、はい。ちょっと待っててくださいね。」
再び台所に引っ込んだシャオしゃま。
やっぱりやさしいでしね。ルーアンしゃんにもおとがめなしでし。
そしてのんびりシャオしゃまの料理を待つ離珠とルーアンしゃん。
しばらくして、今度はキリュウしゃんがリビングに入ってきたでし。
「お腹すいた・・・。二人とも、済まぬがこのお饅頭を戴くぞ。」
き、キリュウしゃん?
「ちょっとキリュウ、それはシャオリンが・・・あ〜あ、食べちゃった・・・。」
何があったかは知らないでしが、よほどお腹が空いてたんでしねえ。
一つのお饅頭を、ものすごく美味しそうに食べてたでし。
「うーん、美味しい・・・。やはり食事もとらずに試練を考えるなどという事はせぬ方が良いな。」
「・・・・・・。」
あきれたもんでし。しょんな事をしてちゃあお腹が空いて当然でし。
その時、料理を終えたシャオしゃまがそれを持ってやって来たでし。
「お待たせしました・・・あら、キリュウさん?」
「おお、シャオ殿。・・・何やら美味しそうなものを持っているな。
済まぬが私にももらえぬか?」
「ええ、もちろんいいですよ。みんなで一緒に・・・あら?」
料理をテーブルの上に置いた時に、シャオしゃまが異変に気付いたでし。
でもまあ多分大丈夫でしねえ。シャオしゃまはやさしいから、理由を聞けば・・・。
「キリュウさん、ひょっとしてお饅頭食べましたか?」
「ああ。あまりにもお腹が空いていたものだから。」
離珠とルーアンしゃんはやれやれといった顔で見てたんでしが、なんだかシャオしゃまが震え出したでし。
「キリュウさん!!」
「は、はいっ!」
「このお饅頭はお客様用なんですよ!!それを勝手に食べて・・・。
一体どういうつもりですか!!同じ物をもう一つ買ってきてくださるんですか!!?」
「あ、いや、その・・・すまぬ。」
「すまぬで済むほど物事は甘くないんですよ!!
それから・・・ルーアンさん!!!離珠!!!」
「は、はいっ!」
は、はいでし!
「どうしてキリュウさんにちゃんと説明しなかったんですか!!」
「いや、その。説明し始める前に食べちゃったもんだから。」
そうでしそうでし。ルーアンしゃんの時もいきなりぱくって・・・。
「見苦しい言い訳はしなくて結構です!!
三人とも早く出掛けてこれと同じ物を買ってきてください!!!」
「ええ〜、せっかくシャオリンが作ってくれたお料理は〜?」
「私もお腹が空いて・・・。」
離珠も・・・。
「そんなものは買ってきてからです!!早く行かないとただじゃおきませんよ!!」
うげっ!!?しょ、しょんな〜!!!
そして慌てて三人で家を飛び出したんでし。
『どんなにやさしい人でも、繰り返し迷惑をかけられれば怒る』という事でし。
えう〜、すごく怖かったでしよ〜。
「大丈夫?離珠。あの子、きれると怖いからねえ・・・。」
「なぜこんな事に・・・。もう休むつもりでいたのに・・・。」
三人で顔を見合わせて、がっくりと肩を落としたでし。
今度からはちゃんと気をつけて行動しないといけないでしね・・・。


「佛の沙汰は僧が知る」でし
『物事はすべて専門家にまかせよ』という事でし。
すなわち、衣装替えについては女御しゃんに任せろってわけでしね!!
離珠の視線にこくこくと頷く女御しゃん。
やっぱり本人達の目の前で解説するのは説得力あるでし。
更に、ゲストを呼んだでし!花織しゃん!!
「女御さんにしつもーん。七梨先輩を惹き付ける服装を教えて下さいー!!」
・・・・・・・。
無言の女御しゃん・・・って、ちょっと花織しゃん!!
「なーんだあ。専門家に任せていいと思ってたのに・・・。」
今のは質問が良くないでし!!


「骨折り損のくたびれもうけ」でし
「俺がいくら那奈姉達に注意しても・・・結局は効果ないんだよな。
ま、そういうことだよ。はは・・・。」
太助しゃま、今日はなんだかとてつもなく暗いでし・・・。
『一生懸命働いて苦労したのに、疲れだけが残った。
苦労が多いだけで、何のもうけもない。折角努力しても何にもならない』という事でし。
太助しゃま、一体何があったんでしか?
「部屋を乗っ取られた。」
ふえ?
「山野辺と那奈姉が俺の部屋で寝るんだとさ。
で、俺の寝場所を聞くと、シャオの部屋で一緒に寝ろって言ってきた。
さすがにそれはってことでリビングで寝ようとしたら那奈姉が見張ってるし・・・。
おかげで俺は寝不足だー!!」
とか言いながら、結局シャオしゃまの部屋で寝たんでしよね?
「だから寝不足なんだってば!あっ、決してやましいことをしてたわけじゃないぞ!」
わ、わかってるでしよ・・・。


「ほめる人には油断すな」でし
「宮内に用心!以上だ。」
那奈しゃん、それはあんまりでし。
出雲しゃんはいつもそんなのじゃ無いでし。
「そんな馬鹿な。今日もお美しいですねとか、アイツはしょっちゅう言ってるぞ。」
だからってそれは・・・
「はいはい!細かい事は気にしない!
『おべんちゃらを言う者は何か下心があるから用心しなければいけない』という事だ!」


「蒲柳の質」でし
みーんみーん、じーじー、とかいう蝉の鳴き声が烈しく聞こえてくるでし。
今日も相当暑いでしねえ。さすが夏でし。
「離珠、お昼御飯が出来たからキリュウさんを呼んできて。」
了解したでし、シャオしゃま。
「あ、離珠。一人じゃ大変だろう?俺も一緒に行くよ。」
太助しゃま、どうもありがとしゃんでし。
ここはキッチン。シャオしゃまの言う通り昼御飯が出来たんでしが、なぜかキリュウしゃんだけ居ないんでし。
他のみなしゃんはもう席についているっていうのに・・・。
というわけで、離珠は太助しゃまの肩に乗っかって、一緒に部屋へ向かったんでし。
と、部屋には扇風機の風にあたりながらベッドに寝っ転がっているキリュウしゃんが。
「おいキリュウ、昼御飯だぞ。」
「・・・ああ。」
返事は聞こえてきたものの、全然起きあがってくる気配無しでし。
太助しゃまの髪をちょいちょいと引っ張って催促。そしてキリュウしゃんの傍へ。
「キリュウ、早く起きあがれって。みんな待ってるんだからさ。」
「・・・ああ。」
次第に返事が弱々しくなってきたでし。
よく見るとすごくつらそうな・・・。
「大丈夫か?ひょっとして病気なんじゃ・・・。」
「いや・・・。」
相変わらず寝たままで返事しているキリュウしゃん。
病気っていうよりは何か別の原因でしね、これは。
「・・・暑いからか?確かに暑いけどさ、これくらいは我慢しなきゃ。」
「しかし・・・。」
チラッと温度計を見ると、早くも三十度を超えていたでし。
本格的に暑くなるのは午後だろうでしから、まだまだ気温は上がるでしねえ。
「ほらキリュウ。とりあえず昼御飯なんだからさ。」
「う、うむ・・・。」
太助しゃまに引っ張られ、そして太助しゃまに支えられてようやく下へ降りる事が出来たでし。
夏になると、キリュウしゃんてほんと病人みたいに見えるでし。
『柳の様にほっそりとし、弱々しい体質の人』という事でし。
ちょっと無理があるでしが、まあこれが一番近いと思うでし。
ちなみに午後、ますますキリュウしゃんはぐったりとしていたでし。
結局この日の試練はお休みだったとか。
でもこんな調子じゃあもっともっとお休みの日がでそうでし。


「惚れて通えば千里も一里」でし
『恋人に逢いたい一心は道の遠い事など問題にしない』という事でし。
つまり・・・
「シャオちゃーん!」
「ルーアンせんせーい!」
「しちりせんぱーい!」
という風にやって来る人達でし。
「お前ら・・・このところ休みのたんびに家に来てないか?」
「何を言う。俺はシャオちゃんの為なら例え日曜だろうと祝日だろうと!」
「そうそう。休みの日はルーアン先生に学校で逢えないし。」
「先輩!細かい事は抜きにしてゲームしましょう、ゲーム!!」
やれやれ、大変でしねえ・・・って、出雲しゃんはどうしたんでしか?
「出雲は今日は家に居るらしいぞ。」
な、なんでしとー!?はやく軒轅しゃんをシャオしゃまに呼んでもらって神社に向かうでし!!
多少の距離なんて気にしないでし!!


「本貸す馬鹿になす阿呆」でし
『本は貸すなという戒め』という事でし。
本を貸したら戻ってこないものと相場が決まっているから、本を貸す者は馬鹿だし、
また返さないのが常識になっているその本を返すものも馬鹿だ、
というらしいでしが・・・。
「そうですね。もしルーアンさんに貸してしまったら・・・。」
しまったら?
「食べられてしまうかもしれませんね。」
・・・出雲しゃん、さすがにそれはないと思うでし。
「ですが、本に似せたお菓子ならどうでしょう?」
本に似せた・・・お菓子でしか?
「そうです。これなら確実に返ってきませんよ。」
なるほど・・・でし。
「元々そんなものは貸したりしませんがね。
それに作ろうというのも変な話ですし。」
・・・出雲しゃん!
「ちょっとした冗談ですよ。」
えうー・・・。


「煩悩の犬は追えども去らず」でし
「ふっ、太助だろうな。いやあ、若いって素晴らしいよなあ。」
突然なんでしか、那奈しゃん。
「那奈姉だけじゃない、あたしも同意見だぜ。確かにそうだよな。」
しょ、翔子しゃんまで・・・。
「まあまあ、離珠。そんな情けない顔するなって。
あたし達は正直に言ってるだけだ。」
「そういう事。ずっと前に海に言ったとき、シャオ相手に妄想しまくってるあいつの顔といったら無かったよ。
すっげえ奥手なのになあ・・・。」
「そうそう、奥手。そのくせ姉のあたしより色々な事考えてるみたいだし。
もう決まりだろ、な?」
・・・という事で、
『煩悩はいくら追い払っても付いて来る犬の様に付きまとって離れない』という事でし。
「普段の様子からしても・・・なあ翔子。」
「ああ。青春してるよなあ・・・。」
なんだか今回は離珠の出番が少ないでし・・・。


「本丸から火を出す」でし
『自ら滅びる事。内部から崩れてしまう』という事でし。
たとえば、ルーアンしゃんのお腹の中には陽天心菌が生きているそうでし。
それらがお腹を食い破ったらどうなるか!?
ま・さ・に!ルーアンしゃんは自ら滅んでしまうでしねえ。
「ちょっと、気色の悪い例えださないでよ・・・。」
ルーアンしゃん、そんな予定はないでしか?
「どんな予定よ。」
だから、今離珠が出したようなたとえの・・・
「あるわけないでしょ!!」


戻るでし。