≪へ≫でし!


「閉戸先生」でし
テスト前とかになると太助しゃまとかはこんな状態でしね。
『戸を閉めて読書に励む人。一生懸命勉強する人』という事でし。
「太助様が頑張ってらっしゃる・・・。そういえば私も勉強しなければ!」
太助しゃまが部屋で勉強している姿を見て、シャオしゃまも部屋へ閉じこもったでし。
そういえば同じクラスの生徒しゃんだったでしね。
「あたしも授業の予定立てなくっちゃ!」
今度はルーアンしゃんが部屋へ。
授業の予定って言ってもあんまりまともな授業じゃないと思うでしが・・・。
「ふむ、私も試練の計画を立てねばなるまいな。」
いそいそとキリュウしゃんも部屋へ。
いっつもキリュウしゃんはこんな調子でしねえ。
「よし、あたしはリビングで独りでくつろごうっと。」
と、那奈しゃん。なるほど、部屋はもう空いて無いでしからね・・・って、
離珠の居場所がなくなってしまったじゃないでしかー!
しょうがないからキッチンを使うでし。と、そこには先客が。
「よお離珠。見ての通り、おいらと羽林軍達が特訓に使うからな。
危ないからよそへいってくれ。」
と、虎賁しゃんと羽林軍しゃん達が。
なんなんでしかそれはー!!もうお部屋なんて残って無いじゃないでしか!
こうなったら、金魚しゃん達の横でお絵描きするでし。
いそいそと箱で階段を作って水槽の横へ昇り、離珠は描き描きやってたでし。
その日の夜はこの家は妙に騒がしくて静かだったでしね。


「平地に波瀾を起こす」でし
「七梨家だー!!」
た、太助しゃま、突然どうしたんでしか・・・。
「俺は一人で寂しくても、安らぎを感じて過ごしていた。
そりゃまあシャオがきてくれた事は今はすっごく嬉しく思っている。
しかし、しかしだ!!今の七梨家は一体なんだー!!」
太助しゃまあ・・・。
「日曜日、シャオとくつろげる・・・と思ったら突然訪ねてきやがってー!!
それでしょっちゅう騒ぎになってるじゃないか〜!!!」
なるほど、それが言いたかったんでしね。
『何事もなく治まっている所へわざと争いを引き起こすたとえ』という事でし。
つまりは、たかししゃんはじめ、訪ねてくる皆しゃんが平和を乱していると。
「そう!!・・・あ、いや、そこまでは言わないけど。」
何を言うでしか今更。太助しゃまが言っているのはそういう事でしよ。
「ふーん・・・。ならしょうがないな・・・。」
早速皆しゃんに報告してくるでし。
「待てー!!それこそ騒ぎの元になるじゃないかー!!!」


「兵は廃すべからず」でし
『軍備をすっかり撤廃すれば敵が攻め入ってくるから軍備をなくす事はできない』という事でし。
「だから!この七梨家にも!!」
「い、いや、だからその件は最初に済んだんじゃなかったっけ?」
「何を言うんですか太助様!すっかり周りの雰囲気に流されてしまって・・・。
離珠が言っていたのでこれだと思って・・・とにかく軍備を!!」
「ちょ、ちょっと待・・・。離珠ー!!シャオに何を吹きこんだんだよー!!」
・・・とまあ、この時代は平和だなんて呆けすぎていた太助しゃまに、
シャオしゃまの不意の攻撃が入ったから、気を抜きすぎてたのは良くないって事でしね。
「お前さあ、いくらなんでも月天様にそういう事を吹きこむのは・・・。」
ふふ〜ん、離珠じゃ無いでし。那奈しゃんの案でし。
「だからってなあ・・・。それにこの例えのいつもにも増して強引な事・・・。」


「下手な大工でのみつぶし」でし
『大酒を飲んで財産をなくしてしまうことのしゃれ』という事でし。
「酒といえば南極寿星のじーさんだな。」
そうでしね、虎賁しゃん。
「ちょっとまて虎賁に離珠。わしがなんでそこで出てくるんじゃ!」
「じーさん、酒もほどほどにしよーぜ。な?」
大工仕事は羽林軍しゃんに任せればいいんでしから。
「人の話を聞いておらんな・・・。しかし何故わしがー!!」


「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」でし
これは実践してみるのがいいでし。という訳でルーアンしゃん!
「ごみチビ、あんたあたしを馬鹿にしてない?」
何を言うでしか。陽天心召来を適当にかけまくって、そのうちまぐれでかかるという事を・・・
「やっぱり馬鹿にしてんじゃないの!!!あたしの陽天心は百発百中なのよ!!」
うっ・・・。だ、だったら車騎しゃんを呼んでおいたでし。
「そうそう、それでいいのよ。」
というわけで車騎しゃん、どうぞでし〜・・・って、何恐い顔してるでしか?
「ちょっと、なんだか雰囲気やばくない?」
しょ、照準をこっちから外すでし、車騎しゃん!!
ドオーン!!
「きゃああー!!」
うわああーでしー!!
怒った車騎しゃんに狙撃され、離珠もルーアンしゃんもボロボロになったでし。
ぷんぷん怒りながら車騎しゃんが去り、後に残ったのは真っ黒になった離珠とルーアンしゃん。
「ぐっ・・・なんであたしまで・・・。」
し、心配しなくてもルーアンしゃん、次なるゲストを呼んであるでし。
虎賁しゃん、どうぞでし!
「おい、おいらをなんだと思ってるんだ?
おいらは球技のスーパーコーチだぞ。そのおいらが下手な鉄砲の見本!?」
「別にいいじゃないの、あんたがとっとと見本見せればそれで終わるんだから。」
そ、そうでしそうでし。
「やかましい!おいらはやらないからな!」
あああ・・・。虎賁しゃんも去って行ってしまったでし〜・・・。
「仕方ない、遠藤君を呼びましょ。」
なるほど、それは名案でし。
と言うわけで数分後に来た乎一郎しゃんにより、見事解説は終わったでし。
何をやったかと言うとダーツでし。
陽天心的に乎一郎しゃんが矢を投げて当てる、というものだったでし。
数百発投げてやっと一つ当たったんでしよ。
『下手な鉄砲打ちでも、沢山打てばたまにはまぐれで当たるもの。
なんでも、根気良く何度もやっていればそのうち上手くいくものだ』という事でし。
「よし・・・さすがね、遠藤君・・・。」
「い、いえ・・・。でも、疲れた〜・・・。」
解説ってのは大変でしね。
「あんたが変なゲスト呼ぶからいけないんじゃないの!!」


「下手の考え休むに似たり」でし
ここは少し大胆な作戦で行く事にするでし。
というわけで虎賁しゃんに翔子しゃん、そして那奈しゃん。よろしく頼むでしよ!
「なんでおいら達が・・・。」
「せめてシャオには離珠が言えよ。」
文句は言っちゃ駄目でし!!離珠じゃあ絶対に上手く行かないんでしよ。
虎賁しゃんも翔子しゃんもいきなりやる気なしじゃあ困るじゃないでしか。
「分かった。一応やってやるけど、後でしっかり弁解しろよ。」
さすが那奈しゃんでし。任せるでしよ!
そして皆しゃんはそれぞれ散らばっていったでし。
那奈しゃんはルーアンしゃんの所へ。
虎賁しゃんはキリュウしゃんの所へ。
翔子しゃんはシャオしゃまの所へ、でし。
一時間経った後、皆しゃんがそれぞれ帰ってきたでし。
「一応言ってきたぜ。」
「じゃあ一人ずつ見て廻ってみようか。」
「まずは・・・月天様、かな。」
というわけでシャオしゃまの所へゴーでし!!
シャオしゃまのお部屋。扉をノックしてはいると、そこには頭を抱えて唸っているシャオしゃまが。
「あ、皆さん・・・。」
「どうだシャオ。何か思いついたか?」
「駄目です。いくらなんでも私一人で御守りするのと幸せを授けるのと試練を与えるのは無理ですわ。」
翔子しゃんてばすごいことを言ったもんでしね。
例えシャオしゃまじゃなくてもこれは無理って気もするんでしが・・・。
「じゃあ後でまた尋ねに行くから。とりあえずリビングで待っておいてくれ。」
「分かりました。うーん・・・。」
シャオしゃまは難しい顔で考え込みながら部屋を後に。次はルーアンしゃんでし!
二階へ上がってドアをノック。シャオしゃまと同じくルーアンしゃんは考え込んでいたでし。
「ルーアン、どうだ?何か思いついたか?」
「駄目よ、おね―様。いくらなんでも・・・米一粒で一週間過ごす方法なんて・・・。
栄養失調以前に空腹で死んじゃうわ!!」
こ、米一粒とはなんとも大胆な・・・。離珠でも無理でしね・・・。
「とりあえずまた後で尋ねに行く。リビングで待ってなよ。」
「ええ。うーん・・・どうしたものかしら・・・。」
複雑な表情で部屋を後にして階段を降りていくルーアンしゃん。
さすがに虎賁しゃんが呟いたでし。
「いくらなんでもそんなのおいらにだって無理だぜ。すげーなあ・・・。」
「まあな。じゃあ最後はキリュウか。」
すぐ近くのキリュウしゃんの部屋へ行き、ドアをノック。
果たして、キリュウしゃんも同じ様に考え込んでいたでし。
翔子しゃんの肩に乗っていた虎賁しゃんが腕組みしながら言ったでし。
「どうだ?試練のプロならいい案を思いついただろう?」
「無理だ・・・。冬と夏、服を入れ替えて過ごすなど・・・。
そんな事をすれば絶対に私は死んでしまう。」
死ぬなんて大袈裟な気もするでしが、やっぱりキリュウしゃんにそういうのは無理でしよね。
離珠は一年中この格好だからなんともないでしが。
「じゃあ後で行くからリビングで待ってな。月天様とルーアンも居るぜ。」
「そうなのか?では・・・。」
いそいそと立ち上がったかと思うと、キリュウしゃんもぶつぶつと部屋を後にしたでし。
と、そこで皆しゃんが離珠に注目。
「とりあえずあたし達の役目はこれで終わりだからな。」
「残りの説明は離珠、全部お前がやれよ。」
「責任は取らないぞ。」
責任なんて言ってるでしが、大丈夫でしよ!!
というわけで皆しゃんと一緒に意気揚々とリビングへ。
相も変わらずうんうんと頭を悩ませている三人の姿があったでし。
那奈しゃんの呼びかけで離珠に注目してもらい、そして説明を始めたんでし。
今回出した問題は到底頭をひねっても解けないような物。
それこそ何時間かけても絶対に無理であろう問題でし。
解ける人なら分かるんでしが、シャオしゃま達には多分解けっこないでし!つまり・・・
『いい考えが出てくるわけでもないのに、
知恵の無い者がいつまでも考えているのは休んでいるのと同じ様なものである』という事でし。
説明を終えた後、三人ともぽかんと。そして喋ってきたでし。
「ごみチビ・・・。あんなの例えにするような問題じゃないでしょ!!」
「そんな事より、知恵の無い者を私達としているのが許せんな・・・。」
「離珠、そんな無理をしていると、いつかは駄目になりますよ。」
ふっ、やはり失敗したでしね。
つまり、離珠がこの例えを出そうと頭をひねったのは時間は無駄だというわけでしよ!!
怒っている皆しゃんに対して堂々と伝えたでし。
これには、絵の解説役の虎賁しゃんも、その他の皆しゃんも目が点に・・・。
離珠の勝利でし!!!
と、最後に虎賁しゃんがぽつりともらしたでし。
「ことわざの解説も大変だな・・・。」
ふふん、そういう訳でしよ。


「下手の金的」でし
『金的は一寸四方の紙に書いた直径三分ほどの金色の的で弓の下手な者では当たらない。
それを下手な者が金的を使うという事で、下手な者に限ってよい道具を使いたがる事のたとえ』という事でし。
ちなみに一寸は約三センチ、三分は約一センチでし〜。
「このことわざは、スキー場に行ってみると正しさが良く分かるらしいですね。」
そんな出雲しゃんの提案!
皆でスキー場に行こうでし〜!!
「・・・どのみち俺らはいい道具買う金なんてねーよ。」
「そうすねるなってたかし。周りを見ろよ。」
「うん・・・たしかに出雲さんより下手な人がたくさんいるね。
出雲さんより道具がすっごくいいのに・・・。」
出雲しゃんカッコイイでし〜!!
「出雲さんすごいですぅ。」
「ふっ、シャオさん。今から私が手取り足取り・・・わあっ!」
「こら、シャオはあたしと一緒にすべるんだ。な、シャオ。」
「おっと翔子、あたしも一緒だからな。さあすべるぞ〜!」
というわけで、那奈しゃんと翔子しゃんとシャオしゃまは行ってしまったでし。
「・・・俺達もすべるか。」
「陽天心の巻き添えを食らわない所で・・・。」
そう。一角ではルーアンしゃんが陽天心で華麗に華麗に・・・滑ってたでし。
スキー板のみならず、雪にまるごと陽天心をかけて。
ちなみに巻き添えを花織しゃんとキリュウしゃんがくらってたでし。
「きゃああ!ちょっとルーアン先生〜!!」
「はくしょん!・・・ルーアン殿!私は・・・はくしょん!寒いのは・・・はくしょん!」
「気持ちいいわねー!雪と一緒にすべるスキーってなんって楽しいのかしら〜!!」
・・・ごちゃごちゃしてるこのへんでおしまいっ、でし。
「・・・なあ離珠、結局解説は?」
これでいいんでし!
「ただスキーしに来ただけなんじゃ・・・」
いいったらいいんでし!


「下手の道具調べ」でし
「今日の授業は実習よ〜ん。実際に椅子を作ってちょうだい♪」
ルーアンしゃんの気まぐれ授業。今日は技術でし。
いつの間に用意されたのやら、大量の木材、そして大工道具がい〜っぱいでし。
不思議ながらもその授業は始まったんでしが・・・。
「う〜ん、こののこぎりじゃあ上手く切れないな。こっちだ!
・・・だめだ、じゃあ今度は・・・これ!!」
「たかし君、さっさと道具を選んで作り始めないと・・・。」
「何を言うんだ。道具はしっかり選ばないと!」
このように、『下手はどうせ下手なのだから道具もいいかげんでよさそうなものだが、
腕の悪い者に限って文句を言ってあれこれ道具を選ぶ』という事でし。
ちなみに皆しゃんの椅子の出来は・・・羽林軍しゃんに比べればまだまだでしね。
「ちょっとごみチビ、そんな星神なんかと比べないでよ・・・。」


「下手の的は外れる」でし
『下手の射た矢は外れる事が多い』という事でし。
キリュウしゃん主催の!矢投げ大会〜!!
「さあ始まりだ。参加者は主殿、ルーアン殿、花織殿、車騎殿だな。」
「ああ。」
「たー様とあたしはともかく、なんで小娘までいるのよ。」
「それを言うなら車騎さんだって・・・。」
細かい事は言いっこなしでしよ!
「皆さん頑張ってくださいね。
優勝者にはキリュウさんの手料理が食べられるそうですわ。」
「そ、そうなのかシャオ殿?」
「おいちょっとまて、なんで主催者が知らないんだ。」
「キリュウの手料理ねえ・・・。ま、いいわ。食ったげる。」
「あたしの手料理を誰かに食べさせてあげるってのなら良かったのに・・・。」
と、ともかく始めるでしよ!まずは車騎しゃん!
こくっと車騎しゃんが頷いて・・・
ドーン!!
遠くにかけてあった的に砲撃・・・って、矢を投げるんでしってば!!
え?的をよく見てみろ?どれどれ・・・
おおっ!しっかりと的の真ん中に矢が突き刺さってるでし!
「お見事、車騎殿。」
「・・・ちょっと待て、矢を射るんじゃなくって投げるんだよな?」
「ちょっと!そんなもん当たる訳無いじゃないの!」
「もう負けでいいです・・・。」
車騎しゃんの結果を見て怖気づいたのか、他の皆しゃんはリタイヤ。
車騎しゃんの優勝でし!
その後、しっかりとキリュウしゃんが料理を作り、車騎しゃんは美味しくそれを戴いたそうでし。
「ところで離珠、どのへんが解説になってるの?」
シャオしゃま、痛い所をついちゃダメでし。
「ごみチビは解説が下手だから、解説が外れたのよ。」
ルーアンしゃん!何てこと言うでしか!
「そうだったの離珠・・・。」
ちょ、ちょっとシャオしゃま、素直に納得しないでくだしゃい〜。
「もう一つ俺からも言いたい。車騎は投げたんじゃなくて矢を撃ったんじゃ?」
そ、それも痛いところでし・・・。


「下手の横好き」でし
「陽天心召来!」
チュドオオオオン!!
という事で、(まったく、毎度毎度どういう事でしか・・・)教室の一部が壊れちゃったんでし。
急いでそれを直すのは羽林軍しゃん達でし。
「それにしても毎回毎回頑張るよねえ。ねえ、太助君。」
「そうだな。ほんと、羽林軍達には頭が下がるよ。」
そうそう。太助しゃまも乎一郎しゃんも感謝して立派でし。
ところが、たかししゃんはそうじゃなかったでし。
「なんだか面白そう。俺にもやらせてくれー!」
そう言ったかと思うと、羽林軍しゃん達の傍へ駆け出して行ったんでし。
ところが行ったはいいんでしが、全然ジャマになってたでし。
羽林軍しゃん達は困り果ててたでし。
これは、『下手なくせに好奇心を燃やしてやる』という事でし。
結局直ったのは放課後になってからだったでし。
もう、星神の仕事の邪魔をしちゃあ駄目でしよ。


「下手は上手の基」でし
『はじめから上手な者はいないのだから、下手だといっても少しも恥ずかしくない。
下手は上手になる第一歩である』という事でし。
「良かったな、離珠。」
虎賁しゃん、何がでしか?
「今は下手なことわざ解説。それは上手になるための第一歩だ。」
な、何を言うでしかー!
ここまで数をやっててどうして下手だなんて言われなければならないんでしか!
「・・・そうだな。初めてじゃないのに下手だなんて、いいとこがねーな。」
下手って部分を撤回してくだしゃい!!
「たまに上手なものを出してる程度ではおいらは認めねーぞ!」
くっ・・・。い、今に見てるでしよ!


「下手をたより」でし
「太助!テニス勝負をしようぜ!」
「なんだいきなり・・・。」
「審判員は乎一郎な!」
「ちょっとたかしくん、テニスできるの?」
「ふっ、俺は勝つ!」
「乎一郎、反論しても無駄みたいだ。とりあえず用意するか。」
「ひらきなおってるね、太助君・・・。」
そういうわけで、テニスの試合開始!
内容は・・・どうだったでしか?乎一郎しゃん。
「なんかボロボロだったよ。どっちのサーブもほとんどはいらないし、
入っても全然打ち返せなかったり・・・。
でね、一応たかし君が勝ったんだよ。やっぱり言い出した本人だからかな。」
ではたかししゃん、頑張ったんでしね。
「まあ、俺はあんまりテニスは上手く無い。
しかしだ、出雲とテニス勝負をしてぼろ負けだった太助となら勝てると思ったのさ。」
なるほど。
『相手の未熟なのを頼りにやってみようと思う』という事でし。
つまり、自分は上手じゃないけど相手も下手らしい。
その相手の下手なのを頼みにしてみたら、ひょっとしたら勝てるかもしれない。
というわけでしね。
「たかし、てめえ・・・。」
「ははは、太助、まいったか!!」
「たかしくん、なんか情けないよ・・・。」


「へっついより女房」でし
『自活もできない、暮らしも成り立たないくせに結婚する』という事でし。
「ふふん、そういうわけだからな!那奈姉。」
「何だよ太助。」
「俺にシャオとどうのこうのとはっぱをかけるのはそういう事だと言ってるんだよ!」
「なに!?おまえもう結婚を考えてるのか!!うんうん、さすがだなあ。」
「へ!?あ、いや、そういうわけじゃなくて・・・。」
「姉ちゃんはしっかりサポートしてやるからな、安心しろ。
よし、シャオに太助の意志を伝えてこなくちゃな。」
「ああっ!!ちょ、ちょっと待てー!!」
とまあ、そういう騒動があったという事でばっちりでしね。
「離珠も手伝ってくれよー!那奈姉、だから待てってば!」
「さあーて、式の事も夢見とかないといけないなー。」
「うわわわわー!!」


「蛇が蛙を呑んだよう」でし
じゃじゃーん。那奈しゃんに頼んでストッキングをお借りしたでし〜。
この中にえしょえしょともぐって・・・
む、そろそろいいでしかね。
はう!・・・しまったでし・・・誰か外で見てくれる人を頼んでおくべきだったでし・・・。
まあいいでし!外見では必ずこうなってるはずでし!
『長いものの途中が膨れ上がって格好が悪い』という事でし。
「あら離珠。そんな所で遊んでないで、ご飯ですよ。」
あっ、シャオしゃま。了解したでしー。
えしょえしょえしょ・・・
はう!?行き止まりでしー!!
「離珠ったら・・・入った方向から出なきゃ駄目でしょ・・・。」
結局シャオしゃまに助けてもらって事無きを得たでし。ふう。


「蛇が蚊を呑んだよう」でし
『少しも感じないで平気な様』という事でし。
例えば、離珠が絵で懸命に訴えても全然見ようとせず、
見ても自分のいいように解釈する人なんて大嫌いでしー!!
「離珠、誰の事だよそれ。そんな奴いたっけか?」
虎賁しゃんの事じゃ無いでし。
「当たり前だ。それよりなんかすっごく意味がずれてるような・・・。」
そんなことはいいんでし。もっと別の人なんでし。
「別の人ねえ・・・。家にいる人間か?」
違うでし。
「一つ言っとくけど・・・
他の人にお前の絵を見せてきちんと解釈しろってのも無理があるんじゃねーか?」


「屁一つは薬千服」でし
『おならをするのは体のためにはよい』という事でし。
「けど周りに居る者にとってはいい迷惑だよな。」
たかししゃん、そういう事言っちゃ駄目でし。
「そりゃまあ、なんとかの手術のあとのおならは大事だって聞くけどさ。」
それじゃあたかししゃん、一度手術をしてみようでし!
「へ?」
執刀医はシャオしゃまでしー!
「私、手術は初めてなんですう。」
キラン
怪しく光るメス!でしっ。
「ちょちょちょ、ちょっと待ったー!」
「もちろん冗談ですわ。でも変な冗談を考えるようになったわねえ、離珠。」
医学は常に進歩してるからでし。
「なるほどっ。さすが離珠ね。」
「なんのこっちゃ・・・。」


「蛇に見こまれた蛙のよう」でし
説明なんてしないでし!
『蛇に睨まれた蛙は恐ろしさに動きがとれない。
勝ち目のない相手や強い人、実力のある人の前で体がすくんでしまい、逃げられ無い様子』という事でし。
「おい離珠・・・」
うるさいでし虎賁しゃん!
「しかしなあ・・・」
文句があるなら自分で説明してくだしゃい!
「うっ・・・。」
・・・・・・。
「・・・分かった、引き下がる。
あー恐かった・・・。」
どうしたんでしか、虎賁しゃん。
「いや、さっきの離珠の目がな・・・。」


「蛇の足より人の足」でし
それはある帰り道の出来事でし。
太助しゃまとたかししゃんがしきりに言い争ってたんでしね。
「太助、実は蛇に足があるんだ!」
「嘘ばっか言うなよ。足なんてあるわけないだろ。」
「いいや!実はな、凡人には見えない極小の足があってだな・・・。」
「凡人ってどういう事だよ。まさか、お前には見えるって事か?」
「そうさ。俺はなんと言っても、過去に蛇導師と呼ばれた程だからな。」
「なんだそりゃ・・・。」
「まあ太助にはどう頑張っても無理だよ。はっはっは。」
「なにぃ〜?言わせておけば!」
・・・とまあ、蛇しゃんに足があるか無いかを言い争ってたんでしね。
横で歩いていた乎一郎しゃんはただ聞いてるだけだったんでしが・・・
1人ある事に気付いて、慌てて2人に呼びかけたでし。
「ね、ねえ、たかし君に太助君、ちゃんと前見た方が・・・」
「「なんだって?」」
ずでん!
「「うわっ!!」」
なんと!道に落ちてた木の枝に2人仲良く足を引っかけて転んでしまったでし!
蛇に足があるかどうかなんてつまらない事を論議するよりも、
自分の足元に気を付けた方がいいでしよ〜。
というわけで、『足元に気を付けよ』という事でし。
「ただの前方不注意だと思うけど・・・。」
もう乎一郎しゃん、これはシャレでしよ、シャレ。


「蛇は竹の筒に入れても真っ直ぐには成らぬ」でし
『生まれつき精神の曲っているものはどんなにしても治しにくい』という事でし。
「花織ちゃんかな。精神が曲ってるとかじゃなくて、あの乙女チックは治せ無いだろう。」
なるほど、それは言えてるでし。
「じゃあこれで終わりっ!残った時間は俺のカッコイイ講座!!」
な、なんでしと!?
・・・そんなこんなで一時間後。
「つまりカッコイイとは・・・ちょっと離珠ちゃん、ちゃんと聞いてる!?
花織ちゃんも!!」
「聞いてますよ!!たく、なんであたしまで・・・。」
離珠一人じゃあ耐えられそうに無いからでし。
「そんなのひどーい!」
「こらっ!二人ともちゃんと聞くんだ!!」


「箆増しは果報持ち」でし
これは簡単でしね。
シャオしゃまは太助しゃまの何百倍も生きているでし。
だから、太助しゃまとシャオしゃまが結婚すれば・・・という事でしよ。
『自分より年長の妻を持っている人は果報を持っているようなものである』という事でし。
「なあ離珠、あたしはそれは違うと思うんだけど。」
那奈しゃん、そういう事を言っちゃ駄目でしよ。
「大事なのは見た目だと思うんだよな。」
うむむ、確かに言われてみればそうでしが・・・。
「だから太助にはつりあって、宮内じゃあロリコンになるわけだ。」
な、那奈しゃん?
「やっぱあんなやつじゃあシャオの幸せが瀕死になっちゃうな。」
どういう表現をしてるんでしか・・・。
「とにかく。太助は幸せもんだって事だな。」
なんか話が飛んで飛んで・・・ここまでにするでし!


「弁慶の立ち往生」でし
弁慶しゃんが言葉に出ているという事で、ここはひとつ軍南門しゃんに頼むでし!
「駄目です。」
えうーっ、いきなりシャオしゃまに却下されてしまったでし・・・。
「用も無いのに呼ぶと騒ぎになるでしょう?離珠、ちゃんと考えないと駄目ですよ。」
そ、そうでしね・・・。で、では呼んでもらわずに状況解説でし!
たとえばこのリビングの中で軍南門しゃんを呼ぶと!
体が大きすぎて部屋の中につっかえてしまうでし!
それ以前に多分部屋が壊れてしまうでしが・・・
とにかくつっかえて軍南門しゃんはまったく動けないでし!
『進むことも退くこともできない』という事でし。
「・・・・・・。」
どうしたんでしか?シャオしゃま。
「やっぱり呼ばなくてよかったと思って・・・。」
はう・・・。
「それに離珠、少したとえがよくありませんよ。」
ほえ?そうでしか?
「昔、戦をしたとき・・・一本の橋が敵と味方との境。
私がその橋をまもっていて・・・敵からの攻撃を食い止めることで精一杯の時。
退けばご主人様達に被害が・・・進めば戦いに敗れてしまう・・・。
そのような状況ですね。」
しゃ、シャオしゃま?いきなりそんなこと言い出すなんてどうしたんでしか?
「だって、語源ってそんな状況でしょう?」
そ、それはそうなんでしが・・・。


「弁慶の泣き所」でし
『強情な者でも、責め立てるとしょんぼりしてしまう弱点』という事でし。
「キリュウに対して熱い寒い辛い!これでオッケーね。」
そんなアッサリ終わっちゃあだめでし。
そうでし、ルーアンしゃんのそういう所を探し出すでし!
「はんっ、このあたしに弱点なんてあるわけ無いじゃないの!」
食べ過ぎてすぐにお腹を壊すところとか・・・。
「あんなの、たまたまよたまたま。弱点になるようなやわな体じゃないわ!」
それなら、陽天心を使いまくって・・・って、これは弱点じゃないでし。
えーと、えーと・・・。
「考えるだけ無駄よ、無駄。
あら?キリュウがこっちに来たわよ?」
ふえっ?
「離珠殿、ルーアン殿。」
「何よ。」
なんでしか?
「人を申し訳程度におまけの様に扱うのはやめてくれ。」
「冒頭の事?いいじゃないの、紹介されたわけだし。
これを機に、色んな人がキリュウの弱点を攻めてくれるかもよ。」
「そんな事をされて何がいいんだ!!」
まあまあ、キリュウしゃん・・・。
「離珠殿!」
びくっ!な、なんでしか?
「だいたい離珠殿がしっかりした例を出さないからこんな事に・・・。」
うっ、離珠に当たってくるとは・・・やられたでし。
しかもなんか凄く痛い所をついているでし・・・。


「弁当は宵から」でし
シャオしゃまは早くから起きてお弁当を作っているでし!!
『用意は早くからするにこしたことはない』という事でし。
なんともばっちりな例えなんでしか!離珠ってばすごいでし〜。
「いいえ離珠。私は朝早くからお弁当を用意してるのよ。」
しゃ、シャオしゃまっ!?いいところで終わりそうなんでしから、
そういう事は言ってはいけないでしよ〜。
「だあめ。さ、別のたとえを用意しなさい。」
な、なぜかシャオしゃま強気でし。一体何があったんでしか?
「離珠、唸ってないで。別のたとえはどうしたの?」
えうー・・・。


戻るでし。