≪ふ≫でし!


「風前の灯」でし
大変でし!おやつのお饅頭を食べるのをすっかり忘れていたでし。
あれはシャオしゃまに買ってもらったひさしぶりのごほうび・・・。
家にはルーアンしゃんがいるんでし!離珠は今、こんなお外で遊んでいる場合じゃないでし。
お饅頭しゃんが危ないでし!ルーアンしゃんに見つかったらひとたまりもないでし!
とにかく、『大変な危機に面している』という事でし。
無事でいてくだしゃいよ、お饅頭しゃん!


「夫婦喧嘩と北風は夜凪がする」でし
「親父と母さんの例えだしてもつまらないから、太助とシャオでいこう。」
「さっすが那奈ねぇ!で、どんなことがあった?」
「そうだな〜・・・。ある日、二人仲良く料理してたことがあってな。」
「ふむふむ。」
「“あ!太助様、それはお塩を入れすぎですわ”“いや、これくらいが美味しいんだよ”
“そんな!健康に悪いですわ!”“いいったらいいんだよ!味がよくないと食事がたのしくないだろ!”
・・・そして喧嘩に発展。その時は昼ご飯だったんだけどな、えらく気まずかったなあ。」
「へえ、そりゃ大変だったなあ・・・。」
「ところがだ!夕飯時になったらケロっとしてまた二人一緒に料理してやんの。
たくぅ、あんなに見せ付けやがって。姉ちゃんは嬉しいぞ!」
「あはははは。」
え〜と、しょういうわけで、
『夫婦喧嘩は日中のうちだけのもので、夕方になると収まる』という事でし。
どんどんどん!
「おい!人の部屋で一体なに語らってるんだよ!!」
「うるっさいなあ。まだまだこれからがいいとこなのに・・・。」
「ほっとけほっとけ。でさ、その日の夜のことなんだけど・・・。」
「えっ?まだ続きがあんの!?」
・・・続きというか、これは那奈しゃんの作り話なんでしけどねえ。
「開けろよこらー!!」
「なんと太助とシャオが一つの部屋に!」
「おおっ!」
「おーい!!」


「夫婦喧嘩は貧乏の種蒔」でし
『夫婦仲が悪いとその家はだんだん貧乏になる』という事でし。
「そうか!うちが貧乏じゃないのはそういう事だったのか!!」
「何を叫んでんだよ那奈姉。まあ確かに親父とかあさんは・・・」
「何言ってんだ。お前とシャオの事に決まってるじゃないか。」
「はあ!!?」
「いやあ、なるほどなあ。そうか、これで大きな謎が解けたってもんだ。なあ離珠。」
そ、そうでしね。(大きな謎ってのがなんだか気になるでし。
それに、貧乏じゃないからと言って夫婦仲がいいって言えるもんなんでしか?)
「ちょ、ちょっと待てよ。お、俺とシャオが、いつ、ふ、夫婦なんかに・・・」
「さあて、納得したところで早速翔子の家に行ってくるかー!!」
「お、おい那奈姉!」
太助しゃまが呼ぶのも構わずに、那奈しゃんは家を飛び出してしまったでし。
そこへシャオしゃまがひょっこりと。
「どうしたんですか、太助様?」
「あ、いや、な、なんでもないよ、はは・・・。」
実はシャオしゃま、かくかくしかじか・・・
「離珠!シャオに余計な事伝えなくていいからな!」
びくっ!わ、わかったでしよお。
「あの、太助様??」


「夫婦は合せ物離れ物」でし
『夫婦はもとは他人だったものが一緒になったのだから、
別れることもありがちで、別れたとて不思議ではない』という事でし。
「太助ぇー!!」
「こぞうー!!」
「那奈姉に、南極寿星のじーさん!?」
「お前、シャオと結婚した後別れてなんかしてみろ!!絶対許さないからな!!」
「わしは生涯おぬしをうらむ!!うらんでうらんでうらみ尽くす!!!」
「ちょ、ちょっとまて二人とも!いきなりやってきて何を叫んでるんだー!!」
・・・しーん
と、なぜかここで静まったでし。
「あー、すっきりした。いやあ、言いたいことを言うってのは気分いいなあ。」
「わしも胸のつかえが下りたようじゃ。とりあえず一安心じゃな。」
何を安心したのかはわからないでしが、二人はすがすがしい顔をしてそこを去っていったでし。
後にぽつんと残された太助しゃまは、
「お、俺がいったい何をしたってんだよ・・・。」
と、しきりにぶつぶつと呟いていたみたいでし。
あまりにもひどい光景だったので、離珠はシャオしゃまを呼んだでし。
詳しいことは告げなかったでしけどね。大事な部分は太助しゃまが言うだろうでしから。
その後の二人の様子は、なんだか見ててほほえましかったでし。


「夫婦は二世」でし
『夫婦の関係はこの世だけではなく、あの世までも続く』という事でし。
「そ、そうなのか太助!?」
「なんで俺に聞くんだ那奈姉!現役夫婦の母さん達に聞けばいいじゃないか!!」
「何言ってんだ。二人ともまだ生きてるぞ。」
「俺とシャオだってまだ生きてるっつーの!!」
「おっ!俺とシャオ!?そうかそうか、やっぱりシャオと夫婦になる気満々なんだな。」
「はっ!?あ、いや、その、今のはもののはずみっつーかなんつーか・・・。」
「いやいや、姉ちゃんはそれが聞けただけでも大満足だ!あっははははは!」
離珠はちっとも満足じゃないんでしが・・・。


「風林火山」でし
『風のように素早いと思うと林のように静か。
火のように勢いよく攻めると思うと山のようにどっしりと動かない。
これを短くした言葉で、状況に合わせて変化する』という事でし。
まるでキリュウしゃんでし。
「そうなのか?」
密かに試練を行うところを見てたことがあったんでしが・・・
「ふむふむ。」
物凄いスピードでばびゅーん!と移動して、
一つの場にぴたっとひっそりと留まって、
どごおお!!と万象大乱で攻め立てて、
試練の手をどっしりーとずーんとゆるめないでし!!
「・・・離珠殿、そういう表現は少し語弊がないか?」
そうでしか?
「しかしなかなかに上手い言葉だ。なるほど、たしかに私の試練の様相を表しているな。」
そうでしよねっ。


「河豚食う馬鹿に食わぬ馬鹿」でし
『河豚を食う者はたかが魚の肉くらいに命をまとにするのだから馬鹿。
さりとて一概に恐れて食べない者はこんな美味い物のある事を知らないで過ごすのだからやはり馬鹿。
人間どちらかの馬鹿にならねば過ごせない』という事でし。
「なんかやな言葉だなあ。馬鹿馬鹿って・・・。」
ちなみに翔子しゃんはどっちの馬鹿でしか?
「だから馬鹿って言葉を使うな。まあたしは・・・どうでもいいよ。」
ダメでし!!さあ、どっちの馬鹿なのか答えるでし!!
「何をそんなに必死になってるんだよ。」


「河豚食う無分別食わぬ無分別」でし
「ただいまー。」
「お帰りなさい、太助様。・・・あら?その荷物はなんですか?」
「・・・河豚だよ。よくわかんないけど景品だってさ。」
というわけで、何処かへ出かけていた太助しゃまが河豚をお土産に帰ってきたんでし。
そして夕食の準備をする時間。皆でそれを囲んでうなっていたでし。
「どうすんだよ、河豚食べるのか?」
「もらったからには食べたいけど・・・。誰か調理免許持ってるのかなあ・・・。」
「シャオリンが料理できるんじゃないの?」
「いえ、私はそんなにしたこと有りませんから・・・。」
「という事は、多少ならできるという訳だな。シャオ殿に任せてみようではないか。」
「うーん、でもなあ・・・。」
いくらシャオしゃまがお料理の名人と言えど、一つ間違えれば命に関わるんでし。
それでも、河豚って美味しいんでしよねえ。以前外へ食べに行った時は、結構なお味だったでし。
それをシャオしゃまがお料理するんでしから、ぜひぜひ食べてみたいでし。
「とにかく!何がなんでもあたしは食べるんだからね!シャオリン、早く料理してよ!」
というルーアンしゃんの意見に対して太助しゃまが・・・。
「ルーアン、もっとよく考えろよ。もしも、万が一、仮に、シャオが失敗すれば、
それこそ腹痛じゃあ済まされないんだぜ。」
という意見で返したでし。もしもとかいろいろ言ってる辺り、やっぱり、って感じでしねえ。
しかしキリュウしゃんが・・・。
「主殿、それも試練だ。それにせっかくの美味しいものを食べないのももったいない。」
「そうよ。ちゃんと調理できれば無害なんだから!」
試練とは違う気もするんでしが・・・。どうしたもんでしかねえ・・・。
『毒のある河豚を考えなしにやたら食うのも分別無いが、
調理法のよっては無害な上に美味な河豚を食わないのもつまらぬ話である』という事でし。
結局、河豚をシャオしゃまが調理する事になり、それを食べたい人が食べる事になったでし。
那奈しゃんは最後まで拒否。
太助しゃまはほんのひとくちだけ食べたでし。
試練だとか言っていたキリュウしゃんは、約三分の一。
残りすべてをルーアンしゃんが食べたんでし。
ちなみにシャオしゃまと離珠はそれぞれひとくちずつ食べたんでしよ。
その後、なんの後遺症も無く、無事に事が終わったでし。
「やっぱりシャオは料理の達人って訳なんだ。今度からは安心して食べられるな。」
「いえ、そんな・・・。」
太助しゃまの言う通りでし。
ちゃんとそういう風に調理したシャオしゃま、お疲れしゃまでした。


「腹心」でし
「私にとって太助様、星神達、皆さん・・・。これでいいわね。」
シンプルでしが、まさにそのとおりでし!
『心の底から信じられること。深く信頼出来る事。また、そういう人』という事でし。
「いつも頼りにしてますからね、離珠。」
はいでし!


「覆水盆に帰らず」でし
しまったでしー。太助しゃまに頼まれた用事を忘れてたでしー。
用事というのは、太助しゃまがお部屋の掃除を終えた後、
シャオしゃまをそこに呼ぶという事だったんでしが・・・。
お昼寝しているうちに太助しゃまの掃除がとっくに終わり、
離珠は太助しゃまに起こされて目が覚めたってわけでし。
太助しゃまかんかんでし。はう、お昼寝なんかするんじゃなかったでし。
離珠はすごく後悔したんでしが、ついにはシャオしゃまにも怒られてしまったでし。
つまり『過ぎ去ったことを悔やんでも、もう戻らない。』という事でし。
これからは、もっと気をつけて行動するでし。


「河豚は食いたし命は惜しし」でし
『快楽は望むが危険が伴うとつい迷ってしまう。』という事でし。
ルーアンしゃんを見ていれば分かる!と思ったんでしが、
ルーアンしゃんの場合は迷ったりしないでしからねえ。
えーと、えーと・・・。・・・考えてたらお腹が空いてきたでし。
おまんじゅうしゃんでも食べることにするでしかね。
よっこいしょっと・・・。がーん!!おまんじゅううしゃんがあんながけっぷちに!!
あれを取りに行くのはすごく危険でし。でも、でも食べたいでし〜。
くっ、困ったでし。食べたいけどあんなに危険だと・・・。
うーん、食べたいけど怪我はしたくないし、怪我をしたくないけど食べたいし・・・。
えうー、困ったでしよー・・・。


「袋の鼠」でし
「あれ?シャオそんな所に立って何やってんの?」
「あ、太助様。ちょっと離珠の手伝いを。」
「手伝い?・・・その手に持ってる袋はなんなの?」
「これは、この中に離珠が入っているんです。」
「はあ?なんでまた・・・。」
こうやって離珠自らが身代わりになる事によってことわざを解説するんでしよ!!
(普段みたく絵を描いて、という訳にはいかないのでシャオしゃまに伝えてもらうでし)
「・・・という事だそうです。」
「ふーん、そうなんだ。で、何を解説しようとしてるんだ?」
袋の中にいるってことは離珠はもう逃げられないでし。つまり!
『袋の中にいる鼠のように逃げ道を失う例え』という事でし。
「・・・だそうです。」
「そんなもんをわざわざ・・・。頑張りやさんだな、離珠って。」
どうもでし、太助しゃま。
「離珠が“どうもでし”ってお礼を言ってますわ。」
「そっか。ところで羊羹買ってきたんだけど食べない?」
「まあ、羊羹ですか?」
羊羹んん!?食べるでし食べるでし〜!!
「離珠も食べたいって言ってますわ。」
「でも袋の中じゃあ食べられないだろ。残念だけれど離珠の分は無しだな。」
「それもそうですわね。じゃあ二人で食べましょうか。」
しょ、しょんなー!!非道いでし〜!!
・・・その後、二人して笑いながらも離珠を外に出してくれたでし。
そして仲良く三人で羊羹を。もう、冗談もほどほどにしてほしいでし。
でもとおっても美味しかったでしよ〜。


「不幸な子が可愛」でし
『親は出来のよくない子の事は一段と心配しいっそういとおしく思う』という事でし。
「良かったな、太助。」
「なにが良かったんだよ那奈姉。」
「普段から自分で不幸不幸と思ってるだろ。
きっと母さんや父さんはお前の事をいっそういとおしく思ってるはずだ。」
「母さんについてはまあ納得してもいいさ。けど親父はな・・・。
だいたい、親父が変なもん送ってくるから俺は不幸になったりしてないか?」
「でも今それなりに幸せだろ?」
「うん、まあシャオがいるから。」
「それを送ったのは父さんだろうが。おまえは贅沢だ。」
「あのな・・・。まあたしかに不幸ってほどでもないしな。」
「そういうわけで離珠、例えにならなかったぞ。」
・・・・・・。
離珠はなんだか不幸でし。


「無事これ貴人」でし
『これといった心配事が無い人は、これだけで貴人と等しい境涯である』という事でし。
「だよなあ、つまりは安らぎだ。」
太助しゃま、安らぎとはこれまた違うでしよ。
「色々厄介事が起きないかどうか不安な毎日を送ってる俺は・・・。」
あのう、太助しゃま?
「なんでこんなに疲れる毎日なんだ?はあ・・・。」
もしも〜し・・・。


「武士に二言無し」でし
ある日、太助しゃまが深刻そうにキリュウしゃんに言ったんでしね。
「キリュウ、悪いけどしばらく試練は控えてくれ。」
「なんだと?まさか試練が嫌になったのか?」
なんと!だとしたら一大事でし!!
ところが太助しゃまは、ぶんぶんと首を横に振ったでし。
「とんでもんない!言いにくいんだけど・・・しょっちゅう物を大きくしてるだろ?」
「ああ。」
「それで、かなり苦情がきちゃってさ。しばらく控えて欲しいんだ。」
苦情でしか・・・。太助しゃまも苦労が絶えないでしねえ。
「つまりは、万象大乱を使うなという事か?」
「え、えーと・・・まあそういう事になるんだけど。」
それこそとんでもない話でし。普段からあれだけばしばし使ってるのに・・・。
万象大乱無しで試練なんて出来るんでしか?
と、しばらく考え込んでいたキリュウしゃんがゆっくりと頷いたでし。
「わかった。万象大乱を使わずに試練を与えよう。」
「ほ、ほんと!?」
「ああ。もちろん日常での事も使わないと約束しよう。」
なんと、キリュウしゃんはきっちりと答えたでし!!
その後、万象大乱を使わずに、今までと同じ様な日常をばっちりと送ったでし!!
(当然試練の内容は違うものでしが)
『信義を尊び、約束をたがえない』という事でし。
しばらくしてから、万象大乱も解禁になったみたいでし。
キリュウしゃん、立派だったでしよ!!


「武士は食わねど高楊枝」でし
『貧しくても心が高潔でむやみにうろたえない』という事でし。
けどまあ、具体的にはこれから言う意味でし・・・。
ある日、花織しゃんがお家に遊びにきていたんでし。
今日はシャオしゃまと那奈しゃんは翔子しゃんのお家へ遊びに行ってたでし。
家に居たのは、太助しゃまと離珠とルーアンしゃんとキリュウしゃんでし。
お昼も近くなった頃、なんと花織しゃんが料理を作ると言い出したんでし。
ルーアンしゃんとキリュウしゃんは二階で寝ていたからそれを知らず、
太助しゃまだけではそれを止められなかったんでし。
結局花織しゃんの作った料理がテーブルの上に並べられたんでしね。
そしてルーアンしゃんとキリュウしゃんが起きてきたんでし。
(太助しゃまと離珠は外へ逃げ出して、中の様子をじいっと覗ってたでし。)
「・・・キリュウ、先に食べなさいよ。お腹すいてるでしょう。」
「ルーアン殿こそ先に食べたらどうだ。いつも沢山食べているではないか。」
そのうちに、言い合っている二人のお腹が“ぐう〜”と鳴ったでし。
「二人ともお腹ペコペコなんじゃないですかあ。さあ、どうぞ。」
笑顔で料理を勧める花織しゃん。
確かに二人ともお腹はぺこぺこでしねえ。顔がそう言ってるでし。
するとルーアンしゃんはテーブルにおいてあった爪楊枝を手に取ったでし。
「ふっ、あたしはもう食べなくていいわよ。
確かにお腹は好いてるけど、こんな料理を食べるほど落ちぶれちゃあいないわ。」
そうして悠々とキッチンを去って行ったでし。
キリュウしゃんは慌ててそれを真似しようとしたんでしが、花織しゃんが素早く爪楊枝を奪い取ったでし。
「き・り・ゅ・う・さん。食べてくれますよねえ〜え?」
なんだか恐ろしい花織しゃんに迫られて、結局キリュウしゃんは料理を食べたんでし。
その後は・・・どうなったかは言うのを止めておくでし。・・・合掌。
とまあこんな風に、お腹が空いていても見栄を張って食べた気分になる様子、でし。
でも・・・ちょっと例えが悪かったでしね。


「夫唱婦随」でし
「七梨とシャオが将来結婚したらこうなるんじゃないか?という事だよ。」
翔子しゃん、更に他に例えが欲しいでし。
「けどあいつの場合はシャオの言う事をきく、みたいな感じかもな・・・。
でも互いに助け合うのは間違いないと思うよ。」
・・・はい、それじゃあそれを例えにするでし。
『夫が言った事に妻がよく従う事。夫婦の仲がよく、互いに助け合う事』という事でし。
「あとは・・・。」
翔子しゃん、もうこれ以上は何も言わなくていいでし。
「遠藤が頑張って仮にルーアン先生とくっついたとしても、難しそうだよな〜。」
翔子しゃんってば!


「ぶたに真珠」でし
離珠に短天扇!でし。
離珠は短天扇が使えないでしからね。例えもらってもなんの役にも立たないでし。
しかも、価値がわからないから団扇代わりにする事請け合いでし!
「離珠殿、無理にそういう例えを出さなくても・・・。
だいたい、離珠殿に限らず誰もつかえないと思うが。」
だからこそ、離珠が代表で申し出たんでし。後は実行するのみ。
さあ、キリュウしゃん!
「・・・なんだその手は?」
短天扇を団扇代わりに使う事によって全てが終わるんでし!だから、さあ!
「何故そんな事をしなければならないんだ・・・。」
宿命でしよ。
「そんなものは認めない。」
ぷう、しょうがないでしねえ・・・。
『どんなに価値のある物でも、その値打ちがわからない人には役に立たない例え』という事でし。
キリュウしゃんはケチでし。
「絵を描かなかったが、今良からぬことを考えたな?」
そ、そんな事無いでしよ。
「顔に書いてある。さあ、白状されよ。」
な、なんでも無いでしってば〜!


「豚に念仏猫に経」でし
虎賁しゃん、離珠は悔しいでし。
「なんだよいきなり・・・。」
げーむせんたーでげーむのお手伝いしようとしたら断られたでし。
「・・・そりゃ断られて当たり前だろ。」
離珠が一生懸命協力を申し出たのに〜。
「というか、離珠が何を手伝うんだ?」
格闘ゲームのボタン操作でし。
「そんなもん手伝おうとするなよ・・・。」
『わからぬ者にどんなありがたい教えをきかせても一向に感じない事で、
ありがたみの分からぬ事のたとえに言う』という事でし。
はあ、離珠のありがたみはまだまだ伝わらないんでしかね・・・。
「だからありがたくねーって。・・・ところで、いつゲーセンなんて行ったんだ?」
たかししゃんと一緒に、でしよ。
「よく目立たなかったよな。」
ぬいぐるみキャッチャーがあったおかげだとたかししゃんは言ってたでし。
「あ、なるほどな。」


「物色」でし
きーんこーんかーんこーん
お昼休みでし!今日はお弁当じゃなくって購買でパンを買うんでしよ〜。
「おや太助君にシャオさん、いらっしゃい。」
「うーん、どれがいいかな・・・。」
「沢山あって迷いますね、太助様。」
とまあ、色々ある品の中から選んでるんでし〜。
もとはいけにえにする牛や羊などの毛の色の事なんでし。
これを見ていけにえの良し悪しを判断した事から、
『姿形を見て、多くの中から自分の欲しいものを探す』という事でし。
きーんこーんかーんこーん
「あの、お二人とも。チャイム鳴ってしまいましたが・・・。」
「うーん・・・。今日はなんだかすごく迷うなあ。」
「本当ですね、太助様。」
なんと!チャイムが鳴ってもまだ品選びをやっていたでし!
よいものを探すには時間がかかるって事でしね。
「それより、パンを選ぶのに何故そこまで迷う必要が・・・。」
・・・それもそうでしね、出雲しゃん。


「降って沸いたよう」でし
「なあシャオ、俺と初めて逢った時のこと覚えているか?」
「ええ。太助様が、上から落ちてきた写真たてに頭をぶつけて、心配しましたわ。」
「はは・・・。ほんとあの時はびっくりしたもんなあ。
なんと言っても、輪っかからいきなり女の子が出てきたんだし。」
「昔の御主人様達も最初は驚かれていましたわ。」
「そりゃそうだろうなあ。突然・・・だからさ。」
・・・知らない間に太助しゃまとシャオしゃまに出番を取られていたでしー!
『まったく思いもかけなく起こることの形容』という事でし。
二人とも一体どこから出てきたんでしかー!


「不撓不屈」でし
「小僧!ヌシにその覚悟があるか!?」
「当たり前だ!俺は絶対にシャオを守護月天の宿命から解き放ってみせる!」
・・・とまあ、こういう一場面があったんでし。
『どんなに苦しく大変な状況でも、
絶対に自分の考えや行いを曲げたり投げ出したりしない』という事でし。
太助しゃまかっこいいでし〜。そして、頑張ってくだしゃいね。
「・・・離珠、お前また紙芝居作ってんのか。」
いいじゃないでしか虎賁しゃん。離珠はこの場面大好きでし。
「まあおいらも好きだけどな。しっかし緊張感が損なわれるような絵だよな・・・。」
いちいちうるさいでし!離珠はこの絵で頑張るんでし!
「悪かった悪かった。うん、頑張れよ、離珠。」
もちろんでし!


「太る南瓜に針をさす」でし
見事離珠が実践して見せるでし!!
もちろん別のものでしけどね。(南瓜に対してなんて時間がかかるでしから)
そんなわけで夕御飯でし〜。
がつがつがつがつ
「相変わらず美味しいわ〜。」
「ありがとうございます、ルーアンさん。」
やっぱりがつがつと食べているルーアンしゃん。
いつも通りでし。そして当然のことながら膨れてゆくお腹!・・・あれ?
「よく食べるな・・・。しかしルーアン殿はそれだけ食べて何故太らないんだ?」
「それはね、がつがつ。あたしのお腹にはね、がつがつ。
陽天心菌が生きていてね、がつがつ。それで太らないわけなのよ、がつがつ。」
「ルーアン、食うか喋るかどっちかにしろ・・・。」
そ、そういえばそうだったでしー!
ルーアンしゃんは太らないんだったでしー!!
でも、お腹は膨れないのはおかしいでし・・・。
「いいなあ、ルーアンは。あたしは太ってるつもりはないけど、
油断するとこのスリムな体も・・・。」
しげしげと自分のお腹を見つめる那奈しゃん。
仕方ないでし!那奈しゃんめがけて爪楊枝攻撃でしー!
えいっ
ぷす
「いってええええ!!!り、離珠?
何すんだこらー!!!」
と、というわけでっ!!
『だんだん盛んになっていくものに途中で邪魔をすることのたとえ』という事でし。
「離珠!那奈さんになんてことするの!!」
「離珠、いくら那奈姉の腹突いたって空気が抜けたりはしないぞ。」
「太助ぇ!今のもういっぺん言ってみろー!!」
おおお、お食事風景がとたんに荒れ出したでしー!
「誰の所為だ!!」


「腑に落ちない」でし
いつもがつがつ食べているルーアンしゃん。
どうして太らないのかと不思議に思っていたのでしが、
出雲しゃんがこっそり教えてくれたでし。
「ルーアンさんのお腹の中には陽天心菌というのが生きていて、
どれだけ食べても太らないそうなんですよ。
私はそんな菌がお腹の中にいるのは嫌ですけどね。」
そうだったんでしか。でもなんでルーアンしゃんの中に?
そもそもそんなんで太らないなんて事が可能なんでしか?
『なんとなく納得がいかない』という事でし。
よく食べるから菌ができたのか、菌ができたからよく食べるのか。
これもすごく気になるところでしねえ・・・。


「舟にきざみて剣をもとむ」でし
実際にやるとちょっと面倒なので作り話をするでし!
ある日シャオしゃまが軒轅しゃんにのってお買い物に行ったんでし。
で、その帰り道うっかりして買い物袋を落としてしまったんでし!
“まあ大変!”と思ったシャオしゃまは急いで軒轅しゃんの体に印をつけて一端降りたんでし。
なんの為に印をつけたかというと、どこで落としたか分かるように、でし。
ちなみにその印の役割を担ったのは離珠でし。軒轅しゃんの体にぴとっと張りついたんでしよ。
そしてその離珠の目印を頼りに探すシャオしゃま。しかし買い物袋は見付からなかったでし。
当然でしねえ。印となってる離珠、そして軒轅しゃんの体が動いてるんでしから・・・。
『物事にこだわって、その時の状況に対応できない。
また、時代の移り変わりを知らないで、昔のしきたりを守っている』という事でし。
まあ、万が一にもこんな事には成らないでしけどね。ね、軒轅しゃん。
・・・なんでしか、その呆れたような目つきは。これは作り話だといってるじゃないでしか!


「船は船頭に任せよ」でし
例えば、お買い物に行く時は是非とも八穀しゃんをお供に!
ふるふる
え?違うって?もう、何を言ってるでしか八穀しゃんってば。
あ、丁度シャオしゃまがお買い物に!八穀しゃん、早速行くでしよ!
シャオしゃま〜!八穀しゃんを連れて行くでしよ〜!!
「あ、離珠。ううーん、今回は八穀には無理に来てもらわなくても・・・。」
何を言い出すでしか!いつも一緒に行ってるじゃないでしか!
「でも、買いに行くのはお皿だから。」
・・・・・・。
八穀しゃん、それでもゴーでし!!
ふるふる
はう、やっぱりそうでしか。
最初に首を横に振っていたのもそういう訳だったんでしね。
こくこく
正確には、食材を選びに行くのなら八穀しゃんに、というわけでしね。
こくこく
『なんでもその道の専門家に任せた方が良い』という事でし。
「えっと。じゃあ行ってくるわね。」
あっ、行ってらっしゃいでし、シャオしゃま。


「舟を焼く」でし
霧深い山の中にそびえたつ巨大な城。
その山はある島に存在するんでしが・・・。
「主殿、この先の島に本当にあの城が?」
「ああ、間違い無い。この世の諸悪の根元がそこにる!!」
「太助様、必ずやその者を討ち取りましょうね。」
「みえたぞ太助!あの島だ!」
舟をこいでたたかししゃんが叫ぶと同時に、乗ってた皆しゃんはいっせいに先を見る。
おどろおどろした雰囲気が辺りを包むでし。
そして長い沈黙・・・。
「やっと来たな。ここまで長かった・・・。」
太助しゃまが呟いたその時には、舟は島に辿り着いていたでし。
「さあみんな、ここまで来たらもう後戻りは出来ない。俺達はあいつを絶対に倒す!
それを心に刻み込むために、舟を焼くぞ!!たかし!!」
「おう!!」
皆が降りた後にたかししゃんが舟に火をつけると、それはメラメラと燃え出したでし。
じっと皆が見守る中、舟は跡形もないほどに燃え尽きたでし。
『必死の覚悟であたる』という事でし。
「あのう、ところで太助様。」
「なんだシャオ。」
「あの人を倒した後はどうやって帰ればいいんでしょう?」
「・・・気合だ!じゃなくて・・・どうしよー!!まったく考えてなかったー!!」
このあと、しらけた雰囲気ながらもなんとか目的を達成して、救助が来るのを待ったでし。
ちなみに迎えに来たのはルーアンしゃんでし。
「試練だ・・・。」
「あんたくだらない事言ってんじゃないの。」
ちゃんちゃん、でし。


「父母在せば遠く遊ばず」でし
『親は何よりも我が子の無事を願うものだから、親孝行な子は両親が世にあるうちは、
よほどの事情が無い限り遠方へ旅立たない』という事でし。
これはばっちり太助しゃまでしね。しっかり家にいるし。
「間違ってるぞ離珠。太助が親孝行ならなんでこんなに親と離れているんだ。
「・・・那奈姉、それはちょっと違う。俺が離れてるんじゃなくって、親が家に居ないんだ。」
ふむふむ、確かに太助しゃまの言う通りでし。
「それに那奈姉、遠方に旅立ってばっかりなのは那奈姉じゃないか。」
「なに?・・・言われてみればそうだなあ。でもさあ、そのおかげで旅先で母さんと会ったりするし。」
なるほどなるほど、確かに那奈しゃんの言う通りでし。
「・・・俺にどうしろってんだよ。」
「別に。ま、素直に家で待ってればいいんじゃないの?」
「言われなくてもそのつもりだよ。たく、早く帰ってきて欲しいよな・・・。」
・・・なんだか話がそれちゃってる気がするので、この辺で終わりでし!


「文の返事せぬ者は盲に生る」でし
『人から来た便りには、こちらも礼として必ず返事を出すものである』という事でし。
せっかく感想とかの御手紙をもらっているのに、その返事を出さないなんて人はいないでしか!?
絶対に良く無いでしよ。第一、御手紙を出した人に失礼でし!!
というわけで、ちゃんとお返事は書くようにするべきでしよー!!
「・・・離珠、さっきから誰に向かって?」
あ、太助しゃま。太助しゃまはちゃんとお返事は出しているでしか?
「ああ、一応な。何度もおやじに訴えているのにどうしてこう毎回毎回・・・。」
複雑な事情ありでしねえ・・・。まあそれはともかくとして、
この言葉は“筆不精への戒め”でもあるんでし。
意味が良く似た言葉に、『歌の返しせねば舌無き者に生る』というものがあるでし。
ともかく、お返事は大事なんでしよ〜!!
「離珠もなんだか切実だな・・・。
言葉を伝えるのに普段から御絵描きを大量にしてるからか?」
それとこれとは話が別でしよっ。


「冬の雪売」でし
『どこにでも余るほどあるものを売っても買い手が無い事の例え』という事でし。
離珠とキリュウしゃんの、買い手が無いものを売ってみようコーナー!
「というわけで主殿、海で海水を売ってきてくれ。」
「それをする意味はなんだよ・・・。」
秘密でし。
「不服なら砂漠で砂を売っても良いぞ。」
「だからそれをする意味ってのは一体・・・。」
秘密でしよっ。
「良く考えたら、今ここで空気の叩き売りでもやってもらえればいいかもしれないな。」
なるほど、それは名案でし!
「・・・一つ言っておくぞ。」
「なんだ?」
なんでしか?
「間違っても売上を密かに期待するなよ。」
「!!わ、分かっているとも。」
あわよくばおやつ食べ放題でし〜、なんてこれっぽっちも思ってないでしよ。
「・・・・・・。」


「不夜城」でし
キリュウしゃんのお部屋でし。ね、太助しゃま。
「そうとも言うかなあ・・・。確かに夜遅くまで起きてるしな。」
『夜でも昼のように明るい所や明るい建物』という事でし。
しかもどがどがと騒がしいでし。
「まったくだよ。あんなに遅くまで起きて何やってんだか・・・。」
キリュウしゃんの事だから、きっと新しい試練を考えているんでしよ。
「そんな事より、あそこまで起きてるから朝が辛いって事に気づいて無いんだろうな。」
今度寝起きが悪かったらそれで問い詰めてみるでし。
「ああ、そうしてみようか。」


「付和雷同」でし
今日は日曜日。みんなでどこかへでかけることになったんでし。
「たまにはシャオに行き先を決めてもらおうぜ。シャオ、どこに行きたい?」
「えーと、太助様が行きたい場所に。」
「ちょっとシャオリン、それじゃあんたが決める意味がないでしょ。どこに行きたいの?」
そしてしばらくの間、シャオしゃまは考え込んでしまったでし。
あまりに悩んでいるので、見かねたキリュウしゃんは、
「深く考えなくてよいのだぞ。なんでも思いついた場所で良いのだから。」
「うーん、じゃあキリュウさんの行きたい場所に。」
「ちょっと、どうしてそうなるのよ。ちゃんと考えなさいって。」
またもや考え込むシャオしゃま。今度はこんな事を言ったでし。
「ねえ、離珠はどこに行きたい?」
(シャオしゃま・・・。シャオしゃまが行きたい場所に行くんでしよ。)
「もう・・・。シャオリン、人に訊いてばっかりしないで、自分で考えなさい。」
再び考え込むシャオしゃま。そして今度は、
「ルーアンさん。どこに行きたいですか?」
「シャオリン・・・。あんたってほんとに・・・待って、
ひょっとして、声をかけられた人の行きたい場所にしよう、
なんて考えてたんじゃないわよね?」
「ええ、そのつもりだったんですけど・・・。」
そしてシャオしゃまは黙り込んでしまったでし。
「じゃあシャオ、俺は遊園地に行きたいなあ・・・。」
「だったら遊園地に行きましょう、太助様。」
「シャオ殿、私は山へ行きたい・・・。」
「だったら山へ行きましょう。キリュウさん。」
「シャオリン、あたしは海へ行きたいなあ・・・。」
「だったら海へ行きましょう。ルーアンさん。」
『他人の意見に簡単に賛同する』という事でし。
とうとうルーアンしゃんが怒ってしまったでし。
「守護月天がそんな簡単に周りに流されてどうすんのよ!
ちゃんと自分で考えなさいって言ってるでしょ!」
結局その日は近くの公園へお散歩という事になったでし。
それでも、みなしゃん楽しそうだったでしよ。


「刎頚(ふんけい)の交わり」でし
「俺達の事だ!なあ太助、乎一郎!!」
「あ、ああ・・・。」
「そ、そうだと思うよ、うん。」
「なんだなんだ、なんか遠慮気味に頷いてないか?」
「そ、そんな事ないぜ、なあ乎一郎。」
「・・・無理に僕達に当てはめなくても。なんだかこれは深刻過ぎるよ。」
「何を言うんだ!!そんな事では世界が燃え尽きちまうぞ!!」
「意味不明な事言ってんじゃない!」
「そうだよたかしくん!」
・・・えっと、キリが悪いでしがこのへんで。
『相手のためなら、自分の首を切られても後悔しない深い友情を持つ関係』という事でし。
そして、刎頚とは刀で首を切る事でし。
「とりあえず、一度首を切ってみようか。まず太助。」
「な、なんで俺からなんだよ!」
「というか無理に実行しなくても・・・。」
例えが悪すぎたでしね。
「俺達では役不足なのか?」
「だから例えを無理に出そうとするなっての。」
「そうだよ、もう・・・。」


「分別過ぎれば愚に返る」でし
『あまり考えすぎると、かえってつまらぬ事を考えて失敗するから、
はじめの考えを押し通した方が良い』という事でし。
「というわけで主殿、深く考えずに試練を行う事にした。」
「はあ、そうなの。」
「まずは空から降ってくる刃を避けるという試練だ。」
そして庭にて試練開始でし!
「ではいくぞ。」
「ちょ、ちょっと待て。なんで俺、縛られてんだ?」
「一瞬で縄抜けをするという事も兼ねている。」
「はあ!?さっきはそんな事言ってなかったじゃないか!」
「今思いついた。だから実行する。」
「ちょっとまてー!!」
「ではいくぞ。」
「だ、誰か助けてー!!!」
太助しゃまがピンチ!
離珠がシャオしゃまに知らせて、事なきをえたでし。
もう、キリュウしゃんったらやりすぎでし。
「離珠殿がやれと勧めたくせに・・・。ちっとも良くなかったぞ?」


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