≪は≫でし!(その1)


「羽蟻が多く出れば雨が近い」でし
『羽のついたアリが多く出るのは交尾期で、雨が近づいてきたような時よく飛ぶが、
天気との直接関係はない』という事でし。
「・・・馬鹿にしてんのか?」
何がでしか?
「言葉と意味とが違うじゃないか!!」
もう、翔子しゃんってば細かいでしねえ。
こういう言葉もあるんだってことでしよ。
「仮にこれを知った所ですっげえ知識の無駄だと思うんだけど。」
ならば証明するまででし。
「何をどう証明するんだよ。羽林軍に羽蟻の格好してもらって、
雨が降ったら“わーっ”てたくさん出てきてもらうなんてのはやめろよ。」
・・・す、鋭いでし。
「冗談のつもりだったのに本気で考えてやがったのか・・・。
やれやれ、シャオも大変だなあ。」
しゃ、シャオしゃまは関係ないでしよ!
「羽林軍に協力してもらうんならシャオに頼まなきゃならないだろうが。」
え、えうー・・・。


「梅花は莟めるに香あり」でし
『後に大成する人物は子供の頃から人並み優れたところがあるというたとえ』という事でし。
優れた所がある翔子しゃん!きっと大人になったら凄いんでしねえ。
「・・・あたしの何が優れてるんだ?」
上手い嘘をつけるところでし!
「そういうのは素直に喜べないな・・・。だいたいそんなので何になれるっていうんだよ。」
小耳に挟んだ事でしが、嘘吐きは政治家の始まりって言うらしいでし!
だから翔子しゃんはきっと立派な政治家に・・・
「こらー!!・・・はあ、あたしの将来不安だよ。」
お、落ち込まないでくだしゃい、翔子しゃん。
「誰の所為だよ!」


「敗軍の将は兵を語らず」でし
今日は翔子しゃんが遊びにきたんでし。
折角だからという事で夕ご飯を一緒に食べてたんでしが・・・。
「ところでさあ、この家ってシャオ以外は料理しないのか?」
痛いところをつかれた皆しゃんはびくっとなったでし。
平然としてたのはシャオしゃまと太助しゃまでしが。
「そんな事はないぞ。俺だってたまにするからな。」
「まあ七梨は一人暮らししてたしなあ・・・。」
「そうですわ。太助様のお料理って物凄く美味しいんですよ。」
「シャオ、それは誉めすぎだよ・・・。」
照れてぽりぽりと頭をかく太助しゃま。
それを見て、うんうん、と翔子しゃんは嬉しそうに頷いたでし。
「で、那奈ねぇは?」
「・・・あたしは台所が苦手でさ。」
「ルーアン先生は?」
「あ、あたしもちょっと・・・ずっと前失敗したし・・・。」
「じゃあキリュウは?」
「・・・試練だ。」
「おい・・・。」
他の三人は見事に敗北の色を顔に浮かべていたでし。
そう!料理に関しては、この三人は口出しできないんでし!
『失敗した人は、それに関係したことについて意見を言わない。言う資格もない』という事でし。
「別に失敗した訳じゃないんだけどな・・・。」
「でも先が見えてるのにやってもねえ・・・。」
「やりたいがやらないというのも試練・・・。」
離珠には負け惜しみにしか聞こえないでし。
それより翔子しゃん!離珠には尋ねないんでしか!?


「吐いた唾を呑む」でし
「さんざんたかしが言ってるよな。“熱き魂に不可能の文字はない!”って。」
「それで後に、“ふっ、熱き魂をもってしてもできないことはあるのさ”なんて言ったり。」
「そういうことだよ、離珠。」
「そういうことだよ、離珠ちゃん。」
太助しゃまと乎一郎しゃん一致の意見でしね。
『先にいった事をそうではなかったといって覆す』という事でし。
「・・・いや待てよ。」
「たかし君は矛盾のセリフはよく言うけど、覆すことは別に・・・。」
だああ!二人のそういう事がたとえにぴったりでしよ!!
「冗談だって。」
「そう、冗談だよ。」
う〜・・・。


「杯中の蛇影」でし
さてさて、今回は特別に実際の語源を太助しゃま達の日常に例えた話をするでし。
もちろん離珠が作ったんでしよ。えっへんでし。それでは始まり始まり〜でし。
・・・それはとある休日の事。太助しゃま達と、リビングでくつろいでいたんでし。
「ふう、お茶が美味しい。」
「太助、年寄りくさい事言ってんじゃない。シャオが入れたんだから美味しくて当たり前だ。」
「あのな、那奈姉・・・。」
そう、お茶を飲んでるんでしよ〜。
シャオしゃまが入れたお茶を、皆でゆったりとすすっているんでし。
当然シャオしゃまも、離珠も、ルーアンしゃんも、キリュウしゃんも一緒でし。
「それにしてもあんたってお茶入れるの上手よねえ。なんかコツでもあるの?」
「コツ・・・ですか?さあ、あまり考えた事は無いですけど・・・。」
「天性の素質かもしれないな。うむ、美味しい。」
天性の素質・・・って、そんなものがあるんでしかねえ?
まあ細かい事は気にしない、でし。
「ところでさあ、今日の夕食はなにかな?」
「夕食ですか?何がいいですか?」
「そうだな、何がいいかな・・・。」
尋ねた太助しゃまが考え込んでしまったでし。と、横から那奈しゃんがこつんと。
「お前さあ、人にもの尋ねる時はそれなりに言葉を用意しとけよ。」
「い、いや、その・・・。」
それを見てきょとんとしていたシャオしゃま。
そこでお茶を飲み干したルーアンしゃんが元気良く言ったでし。
「はいはーい、あたしビビンバがいいな。」
「びびんば・・・って、どんな生き物さんですか?」
「・・・違うわよ、料理の名前!!あんたビビンバ知らなかったっけ?」
「え、ええ・・・。」
ルーアンしゃん、それって韓国の料理じゃなかったんでしか?
戸惑っているシャオしゃまにルーアンしゃんが説明。
はたで皆も黙って聞いていたでし。
「・・・という料理なの。分かった?」
「分かりましたわ、今晩はそれを作りますね。」
というわけでメニュー決定。夕食はビビンバでし。
「太助様も那奈さんも宜しいですか?」
「ああ、いいよ。」
「あたしも別に。ルーアンがいきなりリクエストしてきたのには驚いたけど。」
「良かったですわ。キリュウさんも宜しいですか?」
シャオしゃまがキリュウしゃんの方を振り返った時、キリュウしゃんはうつむいてなにやら考え込んでいたでし。
まるでなにかにとりつかれた様にぶつぶつぶつ・・・。
「あの、キリュウさん?」
「ちょっとキリュウ、ビビンバでいいでしょ?」
二人が呼びかけるも、キリュウしゃんは相変わらず。
そこで、ルーアンしゃんがおもいっきり体を揺すったでし。
「キ・リュ・ウ!」
「・・・ん?あ、ああ、ルーアン殿か。何か用か?」
「何か用か?じゃ無いでしょ!!夕食はビビンバでいいわね、って言ってるのよ!!」
ルーアンしゃん、キリュウしゃんがいいって言うかどうか確かめなきゃ駄目じゃないでしか。
他の皆で呆れていると、キリュウしゃんが力なく立ち上がったでし。
「済まないが、私は今日の夕食は遠慮させてもらう。なんだか気分が悪い・・・。」
見ると、顔はどんよりと曇り、一瞬でやつれてしまったようなそんな感じだったでし。
あまりの暗さに圧倒されて、皆しゃんキリュウしゃんが部屋から出て行くのを見送るしか出来なかったでし。
結局夕食はビビンバだったんでしが、キリュウしゃんは居ず。
その分ルーアンしゃんはがつがつと・・・。
「ルーアン、キリュウが元気ないってのによくそんなに食べられるよなあ。」
太助しゃまの言う通りでし。ルーアンしゃんは心配じゃないんでしか?
「たー様、キリュウの心配して自分が食べなくって、それで自分も元気なくなったらどうするのよ。
そんな悪循環は止めて欲しいもんだわ。」
「・・・ルーアンの言う通りだな。
あたし達が心配して食事をきちんとしなかったところでキリュウの具合が良く成る訳じゃ無し。」
「確かにそうですよね。とりあえず食事を済ませて、その後様子を見に行ってみましょう。」
シャオしゃまが言った事により、太助しゃまも普通通りに食べ始めたでし。
ルーアンしゃんもたまには言うんでしね。さすがは慶幸日天でし。
とまあ食事も終わってキリュウしゃんの様子を見に行ったわけなんでしが・・・。
「・・・駄目だな、ありゃ。」
「ほんと。寝たまま暗い返事しかしない・・・。」
「しばらく様子を見るしかないみたいだなあ。」
「一応長沙を傍につけましたけど・・・心配ですわ。」
そう、キリュウしゃんはかなり重症の様で、とても話が出来る状態じゃなかったでし。
あまり迷惑をかけてもいけないという事で皆しゃんそうそうに引き上げたんでし。
しかしその三日後・・・。
「全然良くならないな、キリュウ。」
「長沙・・・。」
「ねえ、強引に原因を聞いてみましょ。このまま見守っていたって絶対良くならないわ。」
「ルーアンの言う通りだ。よし、行ってみよう!!」
相変わらずのキリュウしゃんを見かねて皆しゃん行動を起こしたんでし。
部屋のドアをバンと開け、五月蝿そうな目で見るキリュウしゃんもお構い無しにずかずかと・・・。
「・・・出て行ってくれ。」
「キリュウ!!そんな事言ったって、いつまで経っても全然良くならないじゃないか!!」
「理由を聞かせて下さい。そうしないと、長沙だって・・・。」
「ちゃんと話すまで、あたし達は絶対に出て行かないからね!!」
皆しゃんの激しい顔に観念したのか、キリュウしゃんがゆっくりと口を開いたでし。
「三日前、お茶を飲んでいただろう?」
「三日前・・・って、いつの事かしら?」
「あのな、ルーアン・・・。ビビンバを作ってとか言ってた日だろ?」
「ああそうそう!・・・で?」
「その時の湯のみの中に蛇の姿が映っていたんだ。それを見て気持ちが悪くなってな・・・。」
「まあ、蛇ですか!?」
なんとそういう事だったんでしか!!ううむ、これは深刻でし・・・。
「・・・あのな、キリュウ。それは多分壁に掛けてあった絵じゃないのか?」
「そうそう。ちょっと昔に親父が送ってきた・・・と思うんだけど、それだよ。」
呆れながら太助しゃまと那奈しゃんが言い放ったでし。
ぽかんと口を開けてそれを聞く離珠とシャオしゃまとキリュウしゃん・・・。
「絵?・・・なんだ、そうだったのか。」
言うなりキリュウしゃんは元気いっぱいに起き上がったでし。
「お腹が空いたな・・・。済まないがシャオ殿、何か作ってくれないか?」
「え、ええ、いいですけど・・・。」
不思議そうな顔をしたまま部屋を出て行くシャオしゃま。
それに続いて、何も言わずに太助しゃまと那奈しゃんも部屋を出ていったでし。
と、そこで残ったのはルーアンしゃん。
「あんたねえ・・・そんなくだらない事で寝こまないでよ!!!」
「し、しかしルーアン殿・・・。」
「はあ、たく、この神経質無愛想娘は・・・。」
「・・・・・・。」
うつむきかげんに悪口を言って、ルーアンしゃんも出ていったでし。
キリュウしゃんの顔を見ると、なんとも複雑な表情をしていたでし・・・。
『うたがうと、なんでもないことまでが気になる。病気は気にする事から始まる』という事でし。
「・・・離珠殿、なんだか無駄な部分が多すぎないか?」
まあまあキリュウしゃん。演出というものは必要でしよ。
「それになぜ私が蛇の姿を見ただけで・・・。」
いいんでし!!こういう方が分かるんでし!!というわけでお終いお終いでし〜。


「馬鹿の一時食い」でし
ちゃららら〜、ルーアンしゃ〜ん♪
「な、なによ。」
何を告げるでも無くこれは!
『一度にたくさん食べる者は馬鹿だという事で、暴飲暴食を戒める言葉』という事でし。
だ・か・ら、ルーアンしゃんは〜♪
「ごみチビも饅頭五十口食ったりするじゃないの。」
だ、誰からそんな事きいたんでしか・・・。
仮にそうだとしても、五十口程度じゃあそんなに言われる理由になら無いでし!
「でも似たようなもんじゃない。」
離珠はルーアンしゃんみたいに、たくさん食べてお腹を壊したりしないでしよ〜だ。
「くっ・・・。」


「馬鹿の大盛り」でし
『ご飯を山盛りに盛ったり、汁をこぼれるほど盛るのは、
利口な人のする事では無いという事で、たくさん盛るのを戒める言葉』という事でし。
ルーアンしゃん!
「な、なによ。」
まさに当てはまってるでし!
「ふんっ、言っとくけどご飯をよそってくれるのはシャオリンなんだから。」
・・・そんなへ理屈は通用しないでし!
「うっさい!大盛くらいいいでしょ!?
それに汁がこぼれるほどなんて盛ってもらった事無いわよ!!」
・・・それもそうでし。
「ふふん、そういう事よ。」
威張る事でも無いと思うんでしが・・・。


「秤の目を盗むと己が目が腐る」でし
『目方の不正をするなという戒め。目方の不正をすれば罰が当たって眼病になる』という事でし。
目方の不正は、商人の手によって今も昔も行われているそうでしね。
「その通りだ!離珠ちゃん、購買部へ行くぞ!!」
購買部というと出雲しゃんが・・・。不正なんてしてるんでしか?
「ああ!パンの料金が違う!!」
あーれー・・・というわけで購買部でし。
「おや、野村君に離珠さんですか。どうしたんですか?」
「出雲、ちょっとそこにあるジャムパンを二つとってくれ。」
「買うんですか?」
「いいや、借りるだけだ。」
「・・・・・・。」
嫌そうな顔をした出雲しゃんでしが、なんとか貸してもらえたでし。
二つのパンを受け取って、たかししゃんが取り出したのは・・・
「じゃん!秤だ。上皿天秤ってやつだ。理科室から借りてきた。」
「断りもなくですか?後で怒られても知りませんよ。」
「うるさい。この二つを乗せてだな・・・。」
ぐらりと傾く秤。右がやや下にさがったでし。
「どうだ!やはりお前は不正をしている!!」
「意味がよく分かりませんが・・・。」
「とぼけるな!同じように見せかけて違うパンを同じ値段で売っていた。不正だ!」
「そう言われましても、今日の大量生産制にまったく同じを求めるのはお門違いでは?」
「ぐぬぬぬぬ〜。」
ずっとたかししゃんは唸っていたでし。
出雲しゃん、迷惑かけてごめんなしゃいでし。


「薄氷を踏む」でし
それでは、実際に誰かに踏んでもらう事にするでし。
今は冬真っ盛りで、プールに氷が張っているんでし!
「俺は嫌だからな。」
「僕も。」
「あたしだって遠慮する。なんだってこんな事を・・・。」
太助しゃま、乎一郎しゃん、翔子しゃん、不安にならなくていいでしよ。
もう誰がやるかは決まってるんでし!
「「「誰?」」」
「私です。」
「「「ええー!?シャオ(ちゃん)が!?」」」
「頑張りますから皆さん見ていてくださいね。」
唖然とする三人を残してプールにいざ足を踏み入れようとしていると、
遠くから“待てー!!”という声が!
それはあっという間にここに到達したでし。
「待て待て待てー!!シャオちゃんがやるくらいなら俺がやる!!
俺の熱き魂で氷を全て溶かしてやるぜー!!」
皆が止める前にたかししゃんが勢い良く一歩踏み出したでし。結果、
ぱりん、どぼーん!!
と、冷たいプールに落ちてしまったでし。
「くっ、この程度で俺は負けんぞおおお!!!」
「たかしさん・・・。」
「何やってんだあいつ。」
「たかしくん、氷を溶かしたら逆効果だよ。」
「なるほど、離珠はこうやって野村が来るのを狙っていたのか?」
おほん!というわけで、
『危険をおかす。危険な状態に向かい合って、非常に不安であるという例え』という事でし。
「ちょっと待て離珠、全然解説になって無いぞ。」
ええー?ダメなんでしか?
「まあまあ七梨、ここは野村が体はってくれたって事でよしとしようじゃないか。」


「白面の書生」でし
ここは一つ、最も年下な人物、花織しゃんの出番でしね!!
というわけで・・・
「ちょっと離珠ちゃん!!それは失礼よっ!!」
何が失礼って言うんでしか。ぴったりじゃないでしか。
「うぅ、そりゃああたしは・・・」
はいっ、というわけで!!
『年が若く、経験の乏しい学生』という事でし。
「・・・い、いいもん。後で七梨先輩に慰めてもらうんだもん!!
“七梨せんぱぁ〜い・・・”“どうしたんだ、花織”
“実は、かくかくしかじか・・・”“そうか・・・後で離珠にきつく言っておくよ”
“せんぱぁーい・・・”“花織・・・”そして七梨先輩はあたしの体をぎゅっと抱きしめて・・・。」
あのう、花織しゃ〜ん・・・
「きゃうーん!!早速七梨先輩の所へ行ってこようっと!!」
・・・訳がわから無いまま花織しゃんは叫びながら駆け出して行ってしまったでし。
もう、なんでこんな事に成ってしまうんでしか・・・。


「箸にも棒にもかからぬ」でし
ああっ、なんてことでしか!
今日は暑いのでアイスを食べようと思ったら、誰も居なかったんじゃないでしか!
もちろん離珠一人で冷蔵庫を開けられるわけがないので、誰かが返ってくるのをじっと待つしかないでし。
えうー、今欲しいのにー・・・。
『手の下しようがない』という事でし。
待つ事に疲れて眠ってしまい、結局アイスを食べたのは夕方になってから。
ふむ、なかなか良い試練だったでし!


「畠あっての芋種」でし
「逆の例を行こうか。太助とシャオ!シャオは絶対いい女性だしな。
まあ太助も悪くはないから大丈夫。そんなところだ!」
那奈しゃん、逆は逆で別の時に・・・
「いいからこれでOKなんだよ!」
・・・・・・。
『女親がよくなくては良い子供は生まれない』という事でし。
那奈しゃんと子供を作る人は大変・・・
ぽかっ
い、いたいでしー!
「人はそういうもので判断しちゃいけないんだよ。」
くうう、こんな言葉を解説しようと思ったのが土台無理があったんでしー!


「畠に蛤」でし
はたけを耕しても、ハマグリがあるはずなんて無いでしね。
『無い事や見当違い』という事でし。
「そんな訳でルーアンさん、黒天筒を貸してくださいませんか?」
「シャオリン、黒天筒なんかで何をしようっての?」
「星神が居ないかどうか探すんですよ。」
「・・・あんたもくっだらない事するようになったわねえ。
ま、平和だっていうことなんだろうけどね。はい。」
苦笑しながら、ルーアンしゃんがシャオしゃまに黒天筒を渡したでし。
「それでは覗いてみますね。」
「はいはい。」
「あら?何か見える・・・まあ、ルーアンさんの顔ですわ!」
「そりゃあ筒だもん。向こうが見えて当然よ。」
「はあ、そうなんですかあ。」
「あんたね・・・。」


「破竹の勢い」でし
『軍隊だけでなく、仕事や競技などが誰にも抑えられないほどの激しい勢いですすむ様子』という事でし。
離珠のことわざ解説絶好調!!
「うおおおおおおお!!!!!」
これからもばんばん解説していくでしよっ!!
「うおおおおおおお!!!!!」
もうこうなったら誰にもとめられないでし!!
「うおおおおおおお!!!!!」
どんなものがあろうと突き進んで行くでし!!
「うおおおおおおお!!!!!」
強引な例えもなんのその!!
「うおおおおおおお!!!!!」
しっかりばっちりきっかりとやってやるでし!!
「うおおおおおおお!!!!!」
これを機に、みなしゃんもしっかり勉強してくだしゃい!!
「うおおおおおおお!!!!!」
うおおおおおおお!!でしぃぃぃぃ!!
「・・・誰かたかしと離珠を止めろ。」
そんな事言っても無理でしよ、太助しゃま!!
「うおおおおおおお!!!!!」
「・・・・・・。」


「八面六臂」でし
秘密:これは世紀末企画でし!・・・って、なんてバレバレなんでしか!!

では!今回は太助しゃまにすべてを任せてみるでし!
「おおっ?珍しいじゃん。一体どういう風のふきまわしだ?」
たまにはいいじゃないでしか。さ、どうぞでし。
「そっか。じゃあこれは、シャオの事だ!」
シャオしゃまでしか?
「色んな星神を呼んで、ほんとにたくさんのことをやってのける。
これぞまさにそうだ!」
はーい、というわけで・・・
「『一人で何人分もの働きをすること。人並み以上の素晴らしい活躍ぶりをいう』という事だ!」
うぐっ、しっかりその部分もやられてしまったでし。
「なんだよ。すべてを任せるんじゃなかったのか?」
そ、そうだったでしね。
「よし、これにて解説はおしまい・・・」
「待ってください。」
シャオしゃま?
「どうしたんだ?解説に何か付け足す事でも?」
「ええ。たくさんの事をなすという部分ですが、それは私じゃなくて星神達ですから。
あくまでも私は呼び出すだけ。だから私が堂々と例えに出るわけにはいきませんわ。」
むむっ、鋭いといえば鋭い意見でし。
「うー、それじゃあ・・・と思ったけどやっぱりシャオだ!」
「どうしてですか?私は・・・」
「何言ってんだよ。日頃家事だとかを進んでやってくれてるじゃないか。
俺としてはそれだけでも十分だよ。だからやっぱりシャオでいいんだ。」
言われてみればそうでし。毎日たくさんの事をシャオしゃまは頑張っているでし。
「でも・・・。」
「遠慮しちゃあだめだ!胸を張って!」
とか言いつつ太助しゃま、シャオしゃましか家事をしないんじゃないでしよね?
「そうなんですか?」
「そ、そんな事は無い!俺だってなるべく手伝うとも!!
けど言われてみればシャオにほんと任せっきりだよな・・・。
おし!これから俺も頑張るぞ!!」
ところで太助しゃま、ことわざ解説は・・・。
「じゃあ太助様、早速一緒にお買い物に出掛けましょう♪」
「ああ!って、たまにやってるような・・・まあいっか!出発!!」
「はいっ。」
そしてシャオしゃまと太助しゃまは仲良くお買い物へ出かけてしまったでし。
結局ことわざが中途半端なままでしよ〜。
太助しゃま〜。シャオしゃま〜。


「八卦裏返り」でし
『占いは反対に出る事が多いから、不幸な卦が出ても気にする事は無い』という事でし。
「いいなこの言葉。正月に神社でくじを引いた時に、
もし大凶が出たら必ず思い出すことにするよ。」
乎一郎しゃん、なんだか元気がないみたいでしけどどうしたんでしか?
「実は今日偶然TVの占いで見たんだけど、“O型の今日の運勢は最悪”だってさ。
僕O型なんだよね・・・。」
だったら今、この言葉を考えればいいじゃないでしか!
「あ、それもそうだね。あはははは・・・はあ。」
あ、明らかに気にしてるでし・・・。


「八歳の翁百歳の童」でし
『幼くても考えが老人以上に深いものもあれば、年は多くても考えが子供にも劣る人もある。
人の器量は年齢でははかれない』という事でし。
「そうよそうよ!あたしとシャオ先輩を比べてみなさいっての!!」
か、花織しゃん。いきなりやってくるとは・・・。
「すっごく長く生きてるのに、あたしとほとんど変わらないじゃないの!!」
いや、それは中学生という事だけだと思うんでしが。
「だから・・・って、そうか!だから七梨先輩は好きに・・・うわーん!!」
ちょ、ちょちょ、ちょっと花織しゃん!?
・・・叫ぶだけ叫んで行ってしまったでし。
まったく、もう少し離珠のことを考えてほしいでし。


「初雪は目の薬」でし
「我が宮内神社に降る雪は何故かしら人気がありましてね。
初雪の日には参拝客が増えたりするんですよ。
もっとも、普通に家の中から眺めても十分綺麗だとは思いますけどね。
どこでも楽しめるものですし。」
ふええ、それはいいでしねえ。
『初雪の美しさをたたえていう言葉』という事でし。
「薬以上になるかどうかは分かりませんが、雪が降ったらいらしてみてください。
もてなしをさせていただきますので。」
ちゅわ、了解でし。


「破天荒」でし
「よく太助君がやってるよね。試練とか言って。」
けど乎一郎しゃん、キリュウしゃんは今までも沢山試練を与えてきたんでしよ。
「だったらさ、現代でって考えればいいじゃない。
折り鶴やマンホールの蓋なんかで試練を受けた人なんてそうそういないと思うよ。」
なるほど・・・。それいただきでし!
『今まで誰もしなかった事、誰も出来なかった事をする』という事でし。
「ついでに言うと、陽天心のかかった料理を食べた、とか。」
そういうのは普通するもんじゃないでしから・・・。
「後は、シャオちゃん達精霊が学校に通ったりする事とかかな。」
なるほどお。確かに言えてるでしね。というわけで、
『滅多に無い事が起きた事の例え』という事でし。
「・・・・・・。」
どうしたんでしか?乎一郎しゃん。
「こんな言葉をアッサリ解説できるくらい非常識な事が周りで起こってるなんて。
ちょっと前までは考えられなかったなあ。」
時代は変わるものなんでしよ。
「それはまた違う気がするんだけど・・・。」


「はとに豆鉄砲」でし
ここは一つ、是非ともキリュウしゃんに協力してもらうでし。
「分かった。それでどのような事を?」
突然目の前に巨大カッターナイフを落とすんでし!
「まるで以前行った試練みたいだな・・・。」
ターゲットは翔子しゃんでし!
「!!!?」
というわけで・・・。
『突然の出来事に驚いてあっけにとられ、きょとんとしているようす』という事でし。
「・・・まさか私を例えに使ったのか?」
ぴんぽーん、でし。翔子しゃんにやる、となったら驚くと思ったでし。
「その関連性がよくわからないのだが・・・。」
わからない割には驚いていたじゃないでしか。
「いや、後でどんな試練が来るやもしれぬから・・・。」
そういう事でしよ♪
「・・・なんだか実行してみたくなったな。」
む、むむっ、そうでしか。では実験開始でし!
学校帰りに一人歩いている翔子しゃんを狙うでし!
「万象大乱。」
ひゅ〜・・・グサッ!
「わわわっ!!!」
ぺたんと尻餅をついて驚いてる翔子しゃん。ばっちりな結果でし!
「なんだ、別に実行しても良かったみたいだな。」
そりゃあそうでし。なんといってもナイフを上から・・・
「こらー!!!お前らあたしに怨みでもあるのかー!!!」
「しれ・・・」
「ざけんな!!ちょっとこっち来い!!!」
・・・逃げるでし。
「逃げるともっと非道い目に遭いそうな気がするのだが・・・。」
しかしでしねえ、キリュウしゃん・・・。
「何ぐだぐだやってんだ!さっさと降りて来い!!!」
結局、キリュウしゃんも離珠もかなり怒鳴られてしまったでし。
「だから私はあんまり実行したくなかったのに。」
き、キリュウしゃん!何を一人責任逃れみたいな事言ってるでしか!
実行してみたいと言ったのはキリュウしゃんでし!
「こんなものを提案したのは離珠殿ではないか!」
・・・お互い様でし。
「うーん・・・。」


戻るでし。